特許第6985648号(P6985648)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6985648配電線の電圧不平衡を監視および抑制する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985648
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】配電線の電圧不平衡を監視および抑制する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/16 20060101AFI20211213BHJP
   H02J 3/26 20060101ALI20211213BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20211213BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   G01R29/16
   H02J3/26
   H02J3/38 130
   H02J13/00 301B
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-59297(P2018-59297)
(22)【出願日】2018年3月27日
(65)【公開番号】特開2019-176543(P2019-176543A)
(43)【公開日】2019年10月10日
【審査請求日】2021年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】菅野 純弥
【審査官】 杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−231169(JP,A)
【文献】 特開2009−296845(JP,A)
【文献】 特開2017−5893(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0155738(US,A1)
【文献】 国際公開第2015/072038(WO,A1)
【文献】 斎藤直人,辻隆男,大山力,PCSの有効・無効電力制御を用いた配電系統の三相不平衡改善手法の検討,平成25年 電気学会全国大会講演論文集 [CD−ROM] 平成25年電気学会全国大会講演論文集 (第6分冊) The 2013 Annual Meeting Record I.E.E.Japan 2013 ANNUAL MEETING RECORD I.E.E.JAPAN,日本,電気学会,2013年03月20日,pages.249-250,6-138
【文献】 中野崇之,橋口卓平,配電系統の三相不平衡改善手法に関する研究,平成28年 電気学会全国大会講演論文集 [CD−ROM] 平成28年電気学会全国大会講演論文集 (第6分冊) The 2016 Annual Meeting Record I.E.E.Japan 2016 National Convention Record I.E.E.Japan,日本,電気学会,2016年03月16日,page.254,6-158
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 29/16
H02J 3/26
H02J 3/38
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視抑制装置を用いて配電線の電圧不平衡を監視するための方法であって、
前記監視抑制装置の電圧受信部により、柱上変圧器の一次側の配電線の第1の電圧を受信するステップと、
前記監視抑制装置の電力制御部により、前記柱上変圧器と送受電する電力需要家のパワーコンディショナーに対して、有効電力または無効電力を変化させるように制御するステップと、
前記電圧受信部により、前記柱上変圧器の一次側の第2の電圧を受信するステップと、
前記監視抑制装置の比較部により、前記第1の電圧と前記第2の電圧とを比較するステップと、
前記比較部により、比較の結果、配電線の電圧変化の有無を検出するステップと、
接続把握部により、前記柱上変圧器の一次側が接続されている配電線を把握するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記柱上変圧器に取り付けたセンサまたは前記柱上変圧器に近接する変電所のセンサを利用して、前記第1の電圧および前記第2の電圧を受信する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
監視抑制装置を用いて配電線の電圧不平衡を抑制するための方法であって、
前記監視抑制装置の電圧受信部により、柱上変圧器の一次側の配電線の電圧を受信するステップと、
前記監視抑制装置の計算部により、前記電圧に基づき、配電線における電圧不平衡率を計算するステップと、
前記監視抑制装置の電力制御部により、前記柱上変圧器と送受電する電力需要家のパワーコンディショナーに対して、有効電力または無効電力を変化させるように制御するステップと、
を含む方法。
【請求項4】
前記柱上変圧器に取り付けたセンサまたは前記柱上変圧器に近接する変電所のセンサを利用して、前記電圧を受信する、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
配電線の電圧不平衡を監視するための監視抑制装置であって、前記監視抑制装置は、
柱上変圧器と送受電する電力需要家のパワーコンディショナーに対して、有効電力または無効電力を変化させるように制御する電力制御部と、
有効電力または無効電力を変化させる前に前記柱上変圧器の一次側の配電線の第1の電圧を受信するとともに、有効電力または無効電力を変化させた後に前記柱上変圧器の一次側の配電線の第2の電圧を受信する電圧受信部と、
前記第1の電圧と前記第2の電圧とを比較し、比較の結果、配電線の電圧変化の有無を検出する比較部と、
前記柱上変圧器の一次側が接続されている配電線を把握する接続把握部と、
を有する監視抑制装置。
【請求項6】
配電線の電圧不平衡を抑制するための監視抑制装置であって、
柱上変圧器の一次側の配電線の電圧を受信する電圧受信部と、
前記電圧に基づき、配電線における電圧不平衡率を計算する計算部と、
前記柱上変圧器と送受電する電力需要家のパワーコンディショナーに対して、有効電力または無効電力を変化させるように制御する電力制御部と、
を有する監視抑制装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配電線の電圧不平衡を監視および抑制する方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に配電線では三相交流電力が送電され、柱上変圧器を介して、住宅、商店、工場などの電力需要家に三相または単相の交流電力が供給される。最も多く利用されている単相3線式では、柱上変圧器は、配電線における三相のうちのいずれか二相に接続される。このため、配電線の電圧に不平衡が生じる。
例えば、特許文献1には、配電線に生じる不平衡電流を補償し、マイクログリッド電力系統を構成する三相3線式の配電線を流れる電流の各相のバランスを保つ技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5164678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1を用いて、配電線の接続について説明する。
変電所から配電線に三相交流電力が送電されている。単相2線式の柱上変圧器Xの一次側は、配電線bcに接続され、柱上変圧器Xの二次側は、電力需要家である住宅x1、x2、・・・に接続されている。単相3線式の柱上変圧器Yの一次側は、配電線acに接続され、柱上変圧器Yの二次側は、電力需要家である住宅y1、商店y2、・・・に接続されている。三相3線式の柱上変圧器Zの一次側は、配電線abcに接続され、柱上変圧器Zの二次側は、電力需要家である工場z1に接続されている。
例えば、柱上変圧器Yに接続されている電力需要家y1、y2、・・・における電力使用量が増加すると、配電線acの電圧が低下し、配電線abcの電圧に不均衡が生ずる。
上述したように、単相3線式で接続されている電力需要家が大多数を占めるが、柱上変圧器の一次側が配電線abcのうちのいずれの二相に接続されているのかが現状では把握できていない。
【0005】
そこで、本発明は、配電線の電圧不平衡を監視することにより、柱上変圧器の一次側が配電線abcのうちのいずれの二相に接続されているのかを把握し、さらに、電圧不平衡が生じていた場合、その電圧不平衡を抑制する方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、監視抑制装置を用いて配電線の電圧不平衡を監視するための方法であって、
前記監視抑制装置の電圧受信部により、柱上変圧器の一次側の配電線の第1の電圧を受信するステップと、
前記監視抑制装置の電力制御部により、前記柱上変圧器と送受電する電力需要家のパワーコンディショナーに対して、有効電力または無効電力を変化させるように制御するステップと、
前記電圧受信部により、前記柱上変圧器の一次側の第2の電圧を受信するステップと、
前記監視抑制装置の比較部により、前記第1の電圧と前記第2の電圧とを比較するステップと、
前記比較部により、比較の結果、配電線の電圧変化の有無を検出するステップと、
接続把握部により、前記柱上変圧器の一次側が接続されている配電線を把握するステップと、
を含む。
【0007】
前記柱上変圧器に取り付けたセンサまたは前記柱上変圧器に近接する変電所のセンサを利用して、前記第1の電圧および前記第2の電圧を受信する、
ことが好ましい。
【0008】
本発明は、監視抑制装置を用いて配電線の電圧不平衡を抑制するための方法であって、
前記監視抑制装置の電圧受信部により、柱上変圧器の一次側の配電線の電圧を受信するステップと、
前記監視抑制装置の計算部により、前記電圧に基づき、配電線における電圧不平衡率を計算するステップと、
前記監視抑制装置の電力制御部により、前記柱上変圧器と送受電する電力需要家のパワーコンディショナーに対して、有効電力または無効電力を変化させるように制御するステップと、
を含む。
【0009】
前記柱上変圧器に取り付けたセンサまたは前記柱上変圧器に近接する変電所のセンサを利用して、前記電圧を受信する、
ことが好ましい。
【0010】
本発明は、配電線の電圧不平衡を監視するための監視抑制装置であって、前記監視抑制装置は、
柱上変圧器と送受電する電力需要家のパワーコンディショナーに対して、有効電力または無効電力を変化させるように制御する電力制御部と、
有効電力または無効電力を変化させる前に前記柱上変圧器の一次側の配電線の第1の電圧を受信するとともに、有効電力または無効電力を変化させた後に前記柱上変圧器の一次側の配電線の第2の電圧を受信する電圧受信部と、
前記第1の電圧と前記第2の電圧とを比較し、比較の結果、配電線の電圧変化の有無を検出する比較部と、
前記柱上変圧器の一次側が接続されている配電線を把握する接続把握部と、
を有する。
【0011】
本発明は、配電線の電圧不平衡を抑制するための監視抑制装置であって、
柱上変圧器の一次側の配電線の電圧を受信する電圧受信部と、
前記電圧に基づき、配電線における電圧不平衡率を計算する計算部と、
前記柱上変圧器と送受電する電力需要家のパワーコンディショナーに対して、有効電力または無効電力を変化させるように制御する電力制御部と、
を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】配電線の接続について説明するための図である。
図2】本発明の配電線の電圧不平衡を監視および抑制するための監視抑制装置を含むシステムの全体図である。
図3】パワーコンディショナーにより制御される太陽光発電システムの一例を示す図である。
図4】本発明の配電線の電圧不平衡を監視する方法を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明の配電線の電圧不平衡を抑制する方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図2は、本発明の配電線の電圧不平衡を監視および抑制するための監視抑制装置を含むシステムの全体図である。
監視抑制装置100は、ネットワーク(無線ネットワーク、光ネットワーク等)を介して、柱上変圧器の一次側の電圧を測定するためのセンサSEx、SEy、SEz・・・および各電力需要家のパワーコンディショナーPCS_y1、PCS_z1・・・に接続されている。以下、センサSEx、SEy、SEz・・・を特に区別しないときには、センサSEと記載し、パワーコンディショナーPCS_y1、PCS_z1・・・を特に区別しないときには、パワーコンディショナーPCSと記載する。
監視抑制装置100は、PC、サーバ、ワークステーション等のコンピュータであり、ハードウェア構成として、CPU、メモリ、通信I/F、入出力装置等を有する。CPUは、メモリに格納されているプログラムを読み出して実行する。メモリには、プログラムおよびデータ等が格納される。通信I/Fは、センサSEおよびパワーコンディショナーPCSと通信する。
監視抑制装置100は、電力制御部10、電圧受信部20、比較部30、接続把握部40および計算部50を有する。監視抑制装置100のこれらの機能は、監視抑制装置100のハードウェア自体が備える機能によって実現されるか、または、メモリに格納されているプログラムがCPUにより実行されることによって実現される。
センサSEは、柱上変圧器の一次側の配電線abcの電圧を測定する。センサSEは、柱上変圧器に新たに取り付けたセンサを利用してもよいし、センサを内蔵したIT開閉器のセンサを利用してもよいし、柱上変圧器が変電所に近接する場合、変電所のセンサを利用してもよい。図1の例では、センサSEx、SEy、SEzはそれぞれ、柱上変圧器X、Y、Zの一次側に取り付けられているものとする。
パワーコンディショナーPCSは、太陽光発電システムや家庭用燃料電池を利用する上で、発電された電気(直流)を家庭などの環境で使用できるように交流に変換する機器であり、スマートインバータとも称される。図1の例では、住宅y1が太陽光発電システムのパワーコンディショナーPCS_y1を有し、工場z1が太陽光発電システムのパワーコンディショナーPCS_z1を有する。
【0014】
図3に、パワーコンディショナーにより制御される太陽光発電システムの一例を示す。
図3において、矢印は電力の流れを表す。
太陽光発電システムでは、太陽光パネルにより発電された電力は、接続箱を介して、パワーコンディショナーPCSに送られる。パワーコンディショナーPCSは、直流電力を交流電力に変換し、交流電力を分電盤に送る。分電盤は、電力を各電化製品等に送る。電力量計は、売却した電力(売電)量および購入した電力(買電)量をそれぞれ表示する。
パワーコンディショナーPCSは、図2に示したように、ネットワークに接続されており、監視抑制装置100により太陽光発電システム全体の運転を制御する。例えば、パワーコンディショナーPCSは、監視抑制装置100に制御されて、太陽光発電システムの配電線に対する出力を変化させることができる。
【0015】
図1および図4を用いて、本発明の配電線の電圧不平衡を監視する方法を説明する。
ステップS1において、電圧受信部20は、柱上変圧器Yの一次側に取り付けられたセンサSEyが測定した配電線abcの電圧(第1の電圧)を受信する。
ステップS2において、電圧受信部20は、配電線abcの第1の電圧が基準電圧範囲内か否かを判断する。
ステップS2において、配電線abcの第1の電圧が基準電圧範囲内の場合(yes)、ステップS3において、電力制御部10は、住宅y1のパワーコンディショナーPCS_y1に対して、太陽光発電システムの有効電力または無効電力を変化させるように制御する。有効電力または無効電力を変化させる場合、軽負荷時または夜間等に、無効電力を遅相から進相へ急変させると、配電線abcにおける電圧変化が大きく出るため好ましい。
ステップS4において、電圧受信部20は、柱上変圧器Yの一次側に取り付けられたセンサSEyが測定した配電線abcの電圧(第2の電圧)を受信する。
ステップS5において、電圧受信部20は、配電線abcの第2の電圧が基準電圧範囲内か否かを判断する。
ステップS5において、配電線abcの第2の電圧が基準電圧範囲内の場合(yes)、ステップS6において、比較部30は、ステップS1において受信した配電線abcの第1の電圧と、ステップS4において受信した配電線abcの第2の電圧と、を比較する。
ステップS7において、比較部30は、比較の結果、配電線abcの電圧変化の有無を検出する。例えば、配電線acの電圧に変化があり、配電線bの電圧に変化がないことを検出する。
ステップS7において、比較部30が、配電線acの電圧変化を検出した場合(yes)、ステップS8において、接続把握部40は、電圧が変化した配電線acに、柱上変圧器Yの一次側が接続されている、ということを把握する。
ステップS7において、比較部30が、配電線abcのいずれの電圧変化も検出しなかった場合(no)、ステップS3に戻り、電力制御部10は、住宅y1のパワーコンディショナーPCS_y1に対して、有効電力または無効電力をさらに変化させるように制御する。
ステップS2およびステップS5において、配電線abcの電圧が基準電圧範囲外の場合(no)、処理を終了する。
本発明の方法により、住宅y1の太陽光発電システムの出力を変化させることで、柱上変圧器Yの一次側が配電線abcのうちの配電線acに接続されていることを把握することができる。
【0016】
図1および図5を用いて、本発明の配電線の電圧不平衡を抑制する方法を説明する。
図4に示した本発明の方法または他の方法により、配電線acに、柱上変圧器Yの一次側が接続されている、ということを把握していることを前提とする。
ステップS11において、電圧受信部20は、柱上変圧器Yの一次側に取り付けられたセンサSEyが測定した配電線abcの電圧を受信する。例えば、配電線abcの電圧はそれぞれ、Vab=6600V、Vbc=6400V、Vca=6800Vであるとする。
ステップS12において、電圧受信部20は、配電線abcの電圧が基準電圧範囲内か否かを判断する。
ステップS12において、配電線abcの電圧が基準電圧範囲内の場合(yes)、ステップS13において、計算部50は、配電線abcの電圧(Vab、Vbc、Vca)を式(1)に代入して、配電線abcにおける電圧不平衡率Uを計算する。本例では、Vab=6600V、Vbc=6400V、Vca=6800Vであり、電圧不平衡率U=3.5%である。
【0017】
【数1】
【0018】
ステップS14において、計算部50は、電圧不平衡率Uが基準範囲外か否かを判断する。
ステップS14において、電圧不平衡率Uが基準電圧範囲外の場合(yes)、すなわち、配電線abcの電圧が不平衡の場合、ステップS15において、電力制御部10は、住宅y1のパワーコンディショナーPCS_y1に対して、有効電力または無効電力を変化させるように制御する。上述したように、住宅y1と送受電する柱上変圧器Yの一次側が配電線acに接続されていることが分かっているため、パワーコンディショナーPCS_y1により住宅y1の太陽光発電システムの出力を変化させると、配電線acの電圧Vcaが変化する。そこで、例えば、配電線acの電圧Vcaが6800Vから6500Vに減少するように、電力制御部10は、住宅y1のパワーコンディショナーPCS_y1に対して、有効電力または無効電力を減少させるように制御する。その結果、電圧不平衡率は1.8%になり、配電線abcの電圧不平衡が改善することが分かる。
ステップS15において、電力制御部10が有効電力または無効電力を変化させるように制御した後、ステップS11に戻り、電圧受信部20は、配電線abcの電圧を受信し、ステップS12において、電圧受信部20は、配電線abcの電圧が基準電圧範囲内か否かを判断する。このように、電圧不平衡を抑制するために有効電力または無効電力を変化させる際は、配電線abcの電圧を監視し、基準範囲内に収まる範囲で実施する必要がある。
本発明の方法により、住宅y1の太陽光発電システムの出力を変化させることで、配電線abcの電圧不平衡を改善することができる。
【0019】
図示を省略するが、その後さらに配電線abcの電圧不平衡を改善するために、ステップS15において、電力制御部10は、配電線abに接続されている別の柱上変圧器(柱上変圧器Yの付近に存在する)と送受電する電力需要家のパワーコンディショナーに対して、有効電力または無効電力を減少させるように制御することもできる。例えば、配電線abの電圧が6600Vから6450Vに減少すると、電圧不平衡率は0.9%になり、配電線abcの電圧不平衡がさらに改善することが分かる。
表1に、上述した方法により改善した電圧不平衡率および配電線abcの電圧を示す。
【0020】
【表1】
【0021】
本発明は、上述した例に限定されず、さまざまな変形が可能である。
例えば、ステップS15では、電力制御部10は、住宅y1のパワーコンディショナーPCS_y1に対して、有効電力または無効電力を減少させるように制御したが、有効電力または無効電力を増加させるように制御することもできる。また、電力制御部10は、複数の電力需要家のパワーコンディショナーに対して、同時に有効電力または無効電力を変化させるように制御し、複数の配電線の電圧を同時に変化させることもできる。
また、太陽光発電システムの代わりに家庭用燃料電池等の任意の再エネルギー設備のパワーコンディショナーを利用することもできる。
また、電圧不平衡率を求める際には、上述した式(1)の代わりに、電圧ベクトル図を用いることもできる。
図1
図2
図3
図4
図5