(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
利用者により登録された車両を利用者間で共有し有料駐車場を前記車両の受け渡し場所として利用するための料金計算装置であって、前記利用に関する情報に基づいて前記車両の共有に関する料金を計算する料金計算装置と、
車両の貸手及び借手の組合せを決定するサーバ装置と、
を備え、
前記サーバ装置は、2以上の借手候補の各々が定めた受取可能な有料駐車場、返却可能な有料駐車場及び受渡期間から当該2以上の借手候補間で車両の受け渡しが可能であり、当該受け渡しにおける最初の受取可能な有料駐車場及び受渡期間と最後の返却可能な有料駐車場及び受渡期間と、車両について貸手候補が定めた貸出可能な有料駐車場、返却可能な有料駐車場及び受渡期間との重複状況が所定の条件を満たす場合に、当該貸手候補及び当該2以上の借手候補の組合せを前記車両の貸手及び借手の組合せとして決定する
料金計算システム。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[1]実施例
図1は実施例に係るカーシェア支援システム1の全体構成を表す。カーシェア支援システム1は、マイカーシェアリングサービスを支援するシステムである。マイカーシェアリングサービスとは、利用者(ユーザ)により登録された車両を利用者間で共有し、有料駐車場を車両の受け渡し場所として利用するサービスのことである。
【0026】
ここでいう有料駐車場とは、不特定の利用者によって利用される駐車場であり、通常は利用時間に応じて課金がされる駐車場のことである。マイカーシェアリングサービスのユーザは、基本的には個人のユーザであるが、法人のユーザであってもよく、カーシェア支援システム1に少なくともユーザ情報(氏名、住所、連絡先及び銀行口座等)を登録している者がユーザとして扱われる。
【0027】
なお、自分の車両を貸し出すつもりがあるユーザは、車両の貸手となるため、ユーザ情報に加えて、車両情報(車両番号及び車種等)をカーシェア支援システム1に登録する必要がある。一方、車両を所有していても貸し出すつもりがないユーザ又は車両を所有しておらず車両を借りることだけを目的とするユーザは、車両情報を登録しなくても、車両の借手としてマイカーシェアリングサービスを利用することができる。
【0028】
カーシェア支援システム1は、ネットワーク2と、シェアリングサーバ装置10と、駐車場精算機20−1、20−2、20−3(それぞれ区別しない場合は「駐車場精算機20」という)と、撮影装置30−1、30−2、30−3(それぞれ区別しない場合は「撮影装置30」という)と、複数のユーザ端末40とを備える。駐車場精算機20−1、20−2、20−3と撮影装置30−1、30−2、30−3は、それぞれ有料駐車場3−1、3−2、3−3(それぞれ区別しない場合は「有料駐車場3」という)に設置されている。なお、駐車場精算機20、撮影装置30及び有料駐車場3は、
図1では一部だけを表しており、他にも存在している。
【0029】
ネットワーク2は、移動体通信網及びインターネット等を含む通信システムであり、自システムにアクセスする装置同士のデータのやり取りを中継する。ネットワーク2には、シェアリングサーバ装置10及び駐車場精算機20が有線通信で(無線通信でもよい)アクセスしており、ユーザ端末40が無線通信(有線通信でもよい)でアクセスしている。
【0030】
駐車場精算機20は、有料駐車場3を利用する利用者の駐車場利用料金を精算する装置である。駐車場精算機20は本発明の「料金計算装置」の一例である。撮影装置30は、有料駐車場3に入場する車両を撮影するデジタルカメラであり、駐車場精算機20と通信可能に接続されている。
【0031】
シェアリングサーバ装置10は、車両を共有するユーザの組合せを決定するマッチング処理と、マイカーシェアリングサービスを利用したユーザに課金する料金を計算してその課金を行う課金処理と、有料駐車場3を運営する駐車場事業者に対してその事業者の取り分を支払う支払い処理とを主に行う。課金処理は、例えばユーザの銀行口座からの引き落としで行われ、支払い処理は、駐車場事業者の銀行口座への振込みで行われる。シェアリングサーバ装置10は本発明の「料金計算装置」の一例であり、「サーバ装置」の一例でもある。
【0032】
ユーザ端末40は、ユーザが利用する端末であり、例えばスマートフォン又はパーソナルコンピュータ等である。ユーザは、ユーザ端末40に借りたい車両のリクエスト内容を表した借手要求情報又は貸したい車両のリクエスト内容を表した貸手要求情報を入力する。借手要求情報及び貸手要求情報は、いずれも、貸出可能駐車場(貸出で用いることができる有料駐車場3)、返却可能駐車場(返却で用いることができる有料駐車場3)、貸出可能駐車場及び返却可能駐車場での受渡期間(車両を受け渡すことが可能な期間)を含む。
【0033】
ユーザ端末40は借手要求情報及び貸手要求情報をシェアリングサーバ装置10に送信する。シェアリングサーバ装置10は、受け取った借手要求情報及び貸手要求情報に基づいてマッチング処理を行い、その結果を示すマッチングデータを駐車場精算機20に送信する。駐車場精算機20は、受け取ったマッチングデータが示すユーザによる車両の受け渡しを支援する(詳しくは後述する)。
【0034】
駐車場精算機20は、車両の受け渡しが行われると、有料駐車場3の車両の受け渡し場所としての利用に関する駐車場利用情報(来場時刻及び退場時刻等)をシェアリングサーバ装置10に送信する。シェアリングサーバ装置10は、受け取った駐車場利用情報に基づいて前述した課金処理及び支払い処理を行う。カーシェア支援システム1はこのようにしてマイカーシェアリングサービスを支援する。カーシェア支援システム1は本発明の「料金計算システム」の一例である。
【0035】
図2はシェアリングサーバ装置10及びユーザ端末40のハードウェア構成を表す。シェアリングサーバ装置10及びユーザ端末40は、いずれも、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信装置14と、入力装置15と、出力装置16と、バス17という各装置を備えるコンピュータである。プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)等を備え、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する機能を有するデバイスである。
【0036】
プロセッサ11は、プログラム及びデータ等をストレージ13及び通信装置14からメモリ12に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。メモリ12は、プロセッサ11が読み取り可能なデータを記憶する機能を有する記録デバイスであり、例えばROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等である。ストレージ13は、プロセッサ11が読み取り可能なデータを記憶する機能を有する記録デバイスであり、例えばハードディスクドライブ及びフラッシュメモリ等である。
【0037】
通信装置14は、有線ネットワーク又は/及び無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行う機能を有する通信デバイスである。ユーザ端末40においては、通信装置14が、例えば移動体通信又は無線LANの規格に準拠した無線通信を行う。入力装置15は、外部からの入力を受け付ける機能を有する入力デバイスである。ユーザ端末40においては、入力装置15が、例えばタッチセンサ、ボタン及びマイクロフォン等を備える。
【0038】
出力装置16は、外部への出力を実施する機能を有する出力デバイスである。ユーザ端末40においては、出力装置16が、例えばディスプレイを備え、入力装置15のタッチセンサ及び出力装置16のディスプレイが一体となってタッチスクリーンを構成する。また、プロセッサ11及びメモリ12等の各装置は、情報を通信するためのバス17を介して互いにアクセス可能となっている。
【0039】
図3は駐車場精算機20のハードウェア構成を表す。駐車場精算機20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信装置24と、カードリーダ25と、精算装置26と、キーボックス27と、バス28という各装置を備えるコンピュータである。プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、通信装置24及びバス28は
図2に表す同名のハードウェアと同じである。
【0040】
カードリーダ25は、ICカード(integrated circuitカード)又は磁気カード等が記憶している情報を読み取る装置である。カーシェア支援システム1においては、登録されたユーザにユーザID(Identification)が割り当てられており、そのユーザIDを記憶したユーザカードがユーザに配布されている。カードリーダ25は、例えばこのユーザカードからユーザIDを読み取り、プロセッサ21に供給する。
【0041】
精算装置26は、有料駐車場3の駐車料金を精算する装置である。精算装置26は、時刻等がプリントされた駐車券を発行する発行手段と、駐車料金を表示する表示手段と、駐車料金の精算(支払い)を行うための精算ボタンと、硬貨及び紙幣を投入する入金手段と、釣り銭を払い出す出金手段とを有する。ユーザの支払いは上述したように銀行口座からの引き落としで行われるが、駐車料金が発生する場合(詳しくは後述する)は、ユーザの希望により精算装置26で支払うこともできる。また、有料駐車場3は、カーシェア支援システム1のユーザ以外の者も利用するので、精算装置26は、そのような一般の利用者の駐車料金も精算する。
【0042】
キーボックス27は、共有される車両の鍵を格納する装置である。キーボックス27は、電子錠でロックされる扉を有する小型且つ頑丈なロッカーである。キーボックス27は、プロセッサ21によって電子錠が制御され、例えばカードリーダ25が車両の貸手又は借手のユーザIDを読み取った場合に電子錠が解除されて扉が開く状態になり、扉が一度開かれてから閉じられると電子錠が施錠される。
【0043】
カーシェア支援システム1が備えるシェアリングサーバ装置10、駐車場精算機20及びユーザ端末40には、本システムで提供されるプログラムが記憶されており、各装置のプロセッサがプログラムを実行して各部を制御することで以下に述べる機能群が実現される。
図4はカーシェア支援システム1が実現する機能構成を表す。なお、
図4では、駐車場精算機20及び撮影装置30が1つずつしか表されていないが、他の駐車場精算機20及び撮影装置30も同じ機能構成を有するものとする。
【0044】
シェアリングサーバ装置10は、登録情報記憶部101と、貸手要求取得部102と、借手要求取得部103と、マッチング部104と、マッチング結果通知部105と、サービス利用料金計算部111と、課金処理部112と、分配金支払い処理部113とを備える。駐車場精算機20は、マッチングデータ取得部201と、入退場検出部202と、映像データ取得部203と、車両識別部204と、来場者識別部205と、入退場通知部211と、キーボックス開閉部212と、駐車料金計算部213と、料金精算部214とを備える。ユーザ端末40は、貸手要求情報生成部401と、借手要求情報生成部402と、通知情報表示部403とを備える。
【0045】
シェアリングサーバ装置10の登録情報記憶部101は、カーシェア支援システム1においてユーザによって登録された登録情報を記憶する。登録情報記憶部101は、例えば、ユーザの氏名、住所、連絡先情報(電子メールアドレス又はSNS(Social Networking Service)アカウント等)、ユーザID、車両番号及び車両の車種等を登録情報として記憶する。
【0046】
ユーザ端末40の貸手要求情報生成部401は、ユーザの入力操作に基づいて上述した貸手要求情報(貸出可能駐車場、返却可能駐車場、受渡期間を含む情報)を生成する。また、ユーザ端末40の借手要求情報生成部402は、ユーザの入力操作に基づいて上述した借手要求情報(貸出可能駐車場、返却可能駐車場、受渡期間を含む情報)を生成する。ユーザ端末40は、これらの入力操作を受け付けるための入力画面を表示する。
【0047】
図5は入力画面の一例を表す。ユーザ端末40は、マイカーシェアリングのリクエスト入力画面として、ユーザ名、リクエスト種類(貸し出しか借り入れか)と、車両番号/車種(貸し出しの場合は車両番号、借り入れの場合は車種(セダン、軽自動車、ミニバン、SUV(Sport Utility Vehicle)等))と、貸出可能駐車場とその受渡可能期間と、返却可能駐車場とその受渡可能期間との入力欄と、料金情報と、申込みボタンB1を表示している。
【0048】
入力画面は、ユーザ端末40が記憶するアプリケーションプログラムの画面でもよいし、シェアリングサーバ装置10が提供するウェブページの画面でもよい。ユーザ端末40は、各情報の選択肢(例えば登録されている有料駐車場3の名称等)を表示してそこから選択させてもよい。貸出可能駐車場は、貸し出しの際に車両を受け渡すことが可能な有料駐車場3であり、返却可能駐車場は、返却の際に車両を受け渡すことが可能な有料駐車場3である。受渡可能期間は、有料駐車場3で車両を受け渡すことが可能な期間である。
【0049】
貸出可能駐車場及び返却可能駐車場はそれぞれ複数定められてもよい。その場合、受渡可能期間は、貸出可能駐車場毎又は返却可能駐車場毎に定められてもよい。マイカーシェアリングサービスにおいては、例えば、車種、貸出期間及び受渡期間に応じてサービス料金が決まるようになっている。サービス料金とは借手が支払う料金であるが、その中には、車両の貸手の取り分と、有料駐車場3を提供する事業者の取り分と、マイカーシェアリングサービスを提供する事業者の取り分とが含まれている。
【0050】
ユーザ端末40(ウェブページの場合はシェアリングサーバ装置10)は、車種、貸出期間及び受渡期間と、サービス料金と、貸手の取り分とを対応付けた料金テーブルを記憶しておき、入力された内容に基づいて料金情報(リクエスト種類が車両の貸し出しなら貸手の取り分を示す情報、車両の借り入れならサービス料金)を表示する。ユーザは、料金情報が示す料金に納得すると、申込みボタンB1を押す操作を行ってリクエストを確定させる。
【0051】
貸手要求情報生成部401及び借手要求情報生成部402は、この操作が行われると、入力された内容を示す貸手要求情報及び借手要求情報をそれぞれ生成してシェアリングサーバ装置10に送信する。入力画面ではユーザ名及び貸出可能駐車場はそれぞれの名称が表示されているが、貸手要求情報及び借手要求情報では、それぞれに割り当てられたユーザID及び駐車場IDが示されている。
【0052】
シェアリングサーバ装置10の貸手要求取得部102は、こうして送信されてくる貸手要求情報を取得して、マッチング部104に供給する。また、借手要求取得部103は、こうして送信されてくる借手要求情報を取得して、マッチング部104に供給する。マッチング部104は、取得された貸手要求情報及び借手要求情報に基づいて、車両の貸手及び借手の組合せを決定する。
【0053】
マッチング部104は、或る車両について貸手候補が定めた貸出可能な有料駐車場3、返却可能な有料駐車場3及び受渡期間と、借手候補が定めた受取可能な有料駐車場3、返却可能な有料駐車場3及び受渡期間との重複状況が所定の条件を満たす場合に、その貸手候補及び借手候補の組合せをその車両の貸手及び借手の組合せとして決定する。所定の条件とは例えば次の3つの条件である。
【0054】
条件1:貸出可能駐車場及び返却可能駐車場がそれぞれ少なくとも1以上重複する。
条件2:受渡可能期間がいずれも最小期間(本実施例では2時間)以上重複する。
条件3:受渡可能期間の重複期間の合計が他の候補よりも大きい。
図6は重複状況の一例を表す。
図6の例では、貸出可能駐車場αと返却可能駐車場βだけを定めた貸手候補のユーザAと、借手候補のユーザB、C、Dについての重複状況が表されている。つまり、ユーザB、C、Dは、ユーザAが貸し出す車両について条件1を満たしている。
【0055】
ユーザAの貸出可能駐車場αの受渡可能期間は9時から12時である。これに対し、ユーザBは10時から13時で重複期間が2時間、ユーザCは11時から13時で重複期間が1時間、ユーザDは6時から11時で重複期間が2時間である。また、ユーザAの返却可能駐車場βの受渡可能期間は16時から21時である。これに対し、ユーザBは15時から19時で重複期間が3時間、ユーザCは15時から22時で重複期間が5時間、ユーザDは19時から21時で重複期間が2時間である。
【0056】
従って、ユーザB、C、Dの重複期間の合計はそれぞれ5時間、6時間、4時間である。このうち、ユーザCは、貸出可能駐車場αの受渡可能期間の重複期間が1時間で最小期間に満たないので、条件2を満たさない。そして、ユーザDは、ユーザBよりも重複期間の合計が小さいので条件3を満たさない。ユーザBは、条件1、2、3をいずれも満たすので、マッチング部104は、ユーザAの車両について、ユーザA及びBの組合せを貸手及び借手の組合せとして決定する。
【0057】
マッチング部104は、以上のとおり決定した貸手及び借手のユーザIDと、貸し出される車両の車両情報(車両番号及び車種)と、貸出駐車場及び返却駐車場の駐車場IDと、それらの受渡期間とを示すマッチングデータ(すなわち登録された車両と利用者の組合せを示すデータ)を生成して、マッチング結果通知部105に供給する。このマッチングデータは、有料駐車場3の車両の受け渡し場所としての利用に関する情報(以下「利用関連情報」という)の1つである。
【0058】
マッチング結果通知部105は、供給されたマッチングデータを、そのマッチングデータが示す貸手及び借手のユーザ端末40(宛先は予め記憶しておく)に送信することで、貸手及び借手に対してマッチング部104によるマッチングの結果を通知する。ユーザ端末40の通知情報表示部403は、シェアリングサーバ装置10から送信されてきたマッチングデータが示す車両情報、貸出駐車場、返却駐車場及びそれらの受渡期間を、マッチング結果として表示する。
【0059】
これにより、ユーザ(貸手及び借手)は自分が貸し出し、受け取り及び返却を行う有料駐車場3とそこを訪れる期間とを知ることができる。また、マッチング結果通知部105は、供給されたマッチングデータを、そのマッチングデータが示す貸出駐車場及び返却駐車場に設置されている駐車場精算機20に送信する。駐車場精算機20のマッチングデータ取得部201は、こうして送信されてきたマッチングデータを取得して、入退場検出部202に供給する。
【0060】
入退場検出部202は、供給されたマッチングデータが示す貸手及び借手が車両と共に有料駐車場3(自装置が設置された有料駐車場3)に入場又は退場したことを検出する。車両の受け渡しには、貸出時の受け渡しと、返却時の受け渡しとがある。貸出時には、貸手が車両と共に有料駐車場3に入場し、借手が車両と共に有料駐車場3から退場する。返却時には、反対に、借手が車両と共に有料駐車場3に入場し、貸手が車両と共に有料駐車場3から退場する。入退場検出部202は、いずれの場合も、車両と共に入場したユーザの入場時刻と、車両と共に退場したユーザの退場時刻とを検出する。
【0061】
撮影装置30は、自装置が設置された有料駐車場3の車両の出入り口を撮影し、撮影した映像を示す映像データを駐車場精算機20に送信する。駐車場精算機20の映像データ取得部203は、こうして送信されてきた映像データを取得して、車両識別部204に供給する。車両識別部204は、供給された映像データが示す車両の映像に基づいてその有料駐車場3に来場した車両を識別する。
【0062】
車両識別部204は、例えば、映像に映っている車両からナンバープレートの領域を抽出し、その領域の画像に含まれている文字を認識する。これらの抽出及び認識には周知の画像認識の技術が用いられればよい。車両識別部204は、こうして識別した文字、すなわち車両番号を、その車両の識別結果を示す車両識別情報として入退場検出部202に供給する。
【0063】
来場者識別部205は、自装置が設置された有料駐車場3に来場したユーザ(来場者)を識別する。来場者識別部205は、例えば、ユーザが自装置のカードリーダ25に上述したユーザカードからユーザIDを読み取らせると、読み取られたユーザIDが示すユーザを来場者として識別する。なお、来場者識別部205は、例えば映像に映っている車両内の人物の顔を画像認識処理(パターンマッチング処理)により識別してもよい。
【0064】
その場合、駐車場精算機20がカーシェア支援システム1で登録されているユーザの顔の特徴量データを予め記憶しておいて、来場者識別部205が全てのユーザを識別してもよいし、マッチングデータとして貸手及び借手の顔の特徴量データをマッチングデータ取得部201が取得して、来場者識別部205が貸手及び借手だけを識別してもよい。来場者識別部205は、識別したユーザのユーザIDを、そのユーザの識別結果を示すユーザ識別情報として入退場検出部202に供給する。
【0065】
入退場検出部202は、マッチングデータ取得部201により取得されたマッチングデータが貸出駐車場の駐車場IDとして自装置が設置された有料駐車場3の駐車場IDを示している場合(つまり自装置が貸出駐車場に設置されている場合)、そのマッチングデータが示す貸手のユーザID及び車両の車両番号が供給された場合は、貸手が車両に乗って入場したことを検出する。
【0066】
また、入退場検出部202は、自装置が貸出駐車場に設置されている場合、取得されたマッチングデータが示す借手のユーザIDが供給された場合は、借手が入場したことを検出し、その後にそのマッチングデータが示す車両の車両番号が供給された場合は、借手が車両に乗って退場したことを検出する。
【0067】
また、入退場検出部202は、マッチングデータ取得部201により取得されたマッチングデータが返却駐車場の駐車場IDとして自装置が設置された有料駐車場3の駐車場IDを示している場合(つまり自装置が返却駐車場に設置されている場合)、そのマッチングデータが示す借手のユーザID及び車両の車両番号が供給された場合は、借手が車両に乗って入場したことを検出する。
【0068】
また、入退場検出部202は、自装置が返却駐車場に設置されている場合、取得されたマッチングデータが示す貸手のユーザIDが供給された場合は、貸手が入場したことを検出し、その後にそのマッチングデータが示す車両の車両番号が供給された場合は、貸手が車両に乗って退場したことを検出する。入退場検出部202は、以上の検出結果を、入退場通知部211、キーボックス開閉部212及び駐車料金計算部213に供給する。
【0069】
また、入退場検出部202は、入退場通知部211に対しては、検出結果と共に検出に用いたマッチングデータを供給する。入退場通知部211は、貸手が入場又は退場したことを借手に通知し(貸手の入場通知及び退場通知)、借手が入場又は退場したことを貸手に通知する(借手の入場通知及び退場通知)。入退場通知部211は、検出結果及びマッチングデータが供給されると、それらを用いて入場通知及び退場通知を示す通知情報を生成し、生成した通知情報をそれぞれ貸手及び借手のユーザ端末40に送信する。
【0070】
ユーザ端末40の通知情報表示部403は、駐車場精算機20から送信されてきた通知情報が示す入場通知及び退場通知を表示する。
図7は入場通知及び退場通知の例を表す。
図7では貸し出しの際の通知が表されている。
図7(a)では、入場者が「ユーザA」、入場駐車場が「駐車場α」、入場車両番号が「練馬500 ら○○―○○」、入場時刻が「10月10日10時15分」であることを示す入場通知が表示されている。ユーザBはこの入場通知を見ることで、有料駐車場3に行けば車両を受け取れる状態になったことを知ることができる。
【0071】
図7(b)では、退場者が「ユーザB」、退場駐車場が「駐車場α」、退場車両番号が「練馬500 ら○○―○○」、退場時刻が「10月10日11時30分」であることを示す入場通知が表示されている。ユーザAはこの退場通知を見ることで、借手が無事に車両を受け取ったことを知ることができる。この例では、返却の際には、ユーザBを入場者とする入場通知と、ユーザAを退場者とする退場通知が表示される。
【0072】
キーボックス開閉部212は、
図3に表すキーボックス27の開閉を制御する。キーボックス開閉部212は、自装置が設置された有料駐車場3が貸出駐車場及び返却駐車場のいずれである場合も、入場者を検出したことを示す検出結果が供給された場合に、キーボックス27の電子錠を開錠して扉が開く状態にし、退場者を検出したことを示す検出結果が供給された場合に、キーボックス27の電子錠を開錠して扉が閉じた状態にする。
【0073】
貸出駐車場では、キーボックス27が、車両と共に貸手の入場が検出されると開錠され、車両の鍵を入れて閉じれば施錠される。また、キーボックス27が、借手の入場が検出されると開錠されるので、借手が車両を動かせるようになると共に、借手以外の者には車両の鍵を持ち出せないようになっている。また、返却駐車場では、キーボックス27が、借手の入場が検出されると開錠され、車両の鍵を入れて閉じれば施錠される。また、キーボックス27が、貸手の入場が検出されると開錠されるので、貸手が車両を動かせるようになると共に、貸手以外の者には車両の鍵を持ち出せないようになっている。
【0074】
駐車料金計算部213は、自装置が設置された有料駐車場3を利用者が利用した際の利用料金(すなわち駐車料金)を計算する。駐車料金計算部213は、上述したように、カーシェア支援システム1のユーザの駐車料金と一般の利用者の駐車料金の両方を計算する。駐車料金計算部213は、有料駐車場3の利用期間と駐車料金とを対応付けた料金テーブルを記憶しておく。利用期間とは、駐車券が発行されてから精算ボタンが押されるまでの期間であり、上述した利用関連情報(有料駐車場3の車両の受け渡し場所としての利用に関する情報)の1つである。
【0075】
駐車料金計算部213は、利用者がユーザ(貸手又は借手)として検出されていない場合、単に利用期間に対応付けられた駐車料金を一般利用者の駐車料金(これを「一般料金」という)として計算する。駐車料金計算部213は、カーシェア支援システム1のユーザについては、一般料金とは異なる方法で計算する。入退場検出部202は、駐車料金計算部213に対しても、検出結果と共に検出に用いたマッチングデータを供給する。
【0076】
駐車料金計算部213は、車両と共に入場した入場者(貸手又は借手)が検出された時刻を利用開始時刻とし、その車両を受け取りに来た入場者(借手又は貸手)が検出された後に精算ボタンが押された時刻を利用終了時刻と判断する。駐車料金計算部213は、そうして判断したユーザの利用期間がマッチングデータにより示される受渡期間に完全に含まれている場合には、カーシェア支援システム1のユーザ向けの特別料金を計算する。
【0077】
駐車料金計算部213は、本実施例では、駐車場精算機20において精算する駐車料金を無料とする特別料金(以下「無料料金」という)を計算する。なお、この無料料金は、本当に駐車料金を無料としてもよいし、駐車場精算機20で精算しないだけで上述したユーザの銀行口座からの引き落としで精算することにしてもよい。また、無料ではないが一般料金よりも割り引いた金額を特別料金として計算してもよい(銀行口座からの引き落としの場合も割り引いた金額としてもよい)。
【0078】
また、駐車料金計算部213は、ユーザの利用期間がその受渡期間からはみ出している場合、すなわち受渡期間を超過した超過期間が生じた場合には、超過料金の計算方法に基づいて駐車料金を計算する。超過料金の計算方法として、本実施例では一般料金と同じ計算方法が用いられる。つまり、駐車料金計算部213は、超過期間に料金テーブルで対応付けられている駐車料金を超過料金として計算する。
【0079】
駐車料金計算部213は、受渡期間よりも前の超過期間は車両と共に入場した入場者(貸し出しの際は貸手、返却の際は借手)の超過料金として計算し、受渡期間よりも後の超過期間は車両と共に退場した退場者(貸し出しの際は借手、返却の際は貸手)の超過料金として計算する。この超過料金と、前述した無料料金とは、車両の共有に関する料金(以下「車両共有料金」という)の一部である。
【0080】
このように、駐車料金計算部213は、前述した利用関連情報(有料駐車場3の車両の受け渡し場所としての利用に関する情報)であるマッチングデータ及び利用期間に基づいて車両共有料金を計算する。より詳細には、まず、車両が駐車される有料駐車場3に来場した利用者を来場者識別部205が識別し、登録された車両と利用者の組合せを示すマッチングデータをマッチングデータ取得部201が取得する。
【0081】
そして、駐車料金計算部213は、識別された利用者と駐車されている車両の組合せを示すマッチングデータが取得されなかった場合には一般料金を計算し、そのようなマッチングデータが取得された場合には無料料金又は超過料金を計算する。つまり、駐車料金計算部213は、マッチングデータが取得されたか否かに応じた車両共有料金を計算する。
【0082】
具体的には、駐車料金計算部213は、利用者の来場がその利用者と組み合わせられている車両に対して定められた受渡期間を外れていた場合、その受渡期間外の駐車時間分の有料駐車場3の通常料金(超過料金)を、その利用者に課金する車両共有料金として計算する。また、駐車料金計算部213は、利用者の来場がその受渡期間内であった場合、本実施例では、上述した無料料金を車両共有料金として計算する。
【0083】
駐車料金計算部213は、一般料金又は超過料金を計算した場合、計算結果を料金精算部214に供給する。料金精算部214は、供給された一般料金又は超過料金を精算する。料金精算部214は、精算装置26の表示手段に計算された駐車料金を表示して、入金手段に投入された現金の合計金額を計算し、駐車料金以上の現金が投入されたと判断すると、支払い内容を示すレシートを、お釣りが生じた場合は釣り銭と共に出力する。
【0084】
通常は入場者が精算ボタンを押すことはないが、受渡期間よりも前に入場した場合には上記のとおり精算ボタンを押すことで超過料金をその場で清算することができる。料金精算部214は、こうして精算を完了すると、その旨を駐車料金計算部213に通知する。駐車料金計算部213は、カーシェア支援システム1のユーザについて計算した駐車料金(無料料金又は超過料金)と、超過料金の精算の有無と、そのユーザのユーザID及び車両識別情報とを示す料金情報をシェアリングサーバ装置10に送信する。
【0085】
シェアリングサーバ装置10のサービス利用料金計算部111は、マイカーシェアリングサービスの利用料金と、ユーザに課金する課金料金と、課金料金を分配した分配金とを計算する。マイカーシェアリングサービスの利用料金は前述した車両共有料金の1つである。課金料金は、主として借手に課金する料金であるが、貸手の遅刻により有料駐車場3の超過料金が生じた場合には貸手にも課金される。また、課金料金は、車両の貸手、有料駐車場3の提供事業者及びマイカーシェアリングサービス事業者に分配される。サービス利用料金計算部111には、マッチング部104からマッチングデータが供給される。
【0086】
サービス利用料金計算部111は、例えばマイカーシェアリングサービスの利用料金の時間単価を車両の種類ごとに対応付けた料金テーブルを記憶しておき、供給されたマッチングデータが示す受渡時刻が示す利用期間にそのマッチングデータが示す車両の種類の時間単価を乗じた金額をサービス利用料金として計算する。サービス利用料金計算部111は、計算したサービス利用料金に、駐車場精算機20から通知された超過料金を合計した金額を、マイカーシェアリングサービスの利用料金として計算する。
【0087】
この利用料金には料金精算部214により精算された超過料金が含まれているので、サービス利用料金計算部111は、計算した利用料金から精算済みの超過料金を減じた金額を、課金料金として計算する。サービス利用料金計算部111は、計算した課金料金を、課金対象である借手のユーザIDと共に課金処理部112に供給する。課金処理部112は、車両の借手又は貸手に課金料金を支払わせる課金処理を行う。
【0088】
課金処理部112は、例えばユーザのユーザIDとそのユーザの銀行口座とを対応付けた口座テーブルを記憶しておき、サービス利用料金計算部111から供給されたユーザIDに口座テーブルにおいて対応付けられた銀行口座から共に供給された課金料金を引き落としてマイカーシェアリングサービス事業者の口座に振り込むことを依頼する依頼データを、そのユーザの銀行口座を管理する銀行システムに送信する。銀行システムがこの依頼データに基づいて口座引き落とし及び振込みを行うことで課金が完了する。
【0089】
また、サービス利用料金計算部111は、上述した超過料金と、例えば受渡期間に期間単価を乗じた金額(有料駐車場3のマイカーシェアリングサービス向け料金。例えば通常の駐車料金よりも安価に定められている)との合計金額を、有料駐車場3の提供事業者の分配金として計算する。サービス利用料金計算部111は、こうして計算した有料駐車場3の提供事業者への分配金を、その有料駐車場3の駐車場IDと共に分配金支払い処理部113に供給する。
【0090】
分配金支払い処理部113は、供給された有料駐車場3の提供事業者への分配金をその提供事業者に支払う支払い処理を行う。分配金支払い処理部113は、例えば有料駐車場3の駐車場IDとその有料駐車場3の提供事業者の銀行口座とを対応付けた口座テーブルを記憶しておき、サービス利用料金計算部111から供給された駐車場IDに口座テーブルにおいて対応付けられた銀行口座に対して共に供給された分配金をマイカーシェアリングサービス事業者の口座から振り込むことを依頼する依頼データを、そのマイカーシェアリングサービス事業者の口座を管理する銀行システムに送信する。
【0091】
また、サービス利用料金計算部111は、上述したサービス利用料金からマイカーシェアリングサービス事業者の取り分を示す分配金を計算する。この取り分は、例えば、サービス利用料金に所定の割合を乗じた金額である。サービス利用料金計算部111は、計算したマイカーシェアリングサービス事業者の分配金及び有料駐車場3の提供事業者の分配金を課金料金から減じた金額を、貸手の分配金として計算する。サービス利用料金計算部111は、こうして計算した貸手への分配金を、その貸手のユーザIDと共に分配金支払い処理部113に供給する。
【0092】
分配金支払い処理部113は、供給された貸手への分配金をその貸手に支払う支払い処理を行う。分配金支払い処理部113は、例えばユーザのユーザIDとそのユーザの銀行口座とを対応付けた口座テーブルを記憶しておき、サービス利用料金計算部111から供給されたユーザIDに口座テーブルにおいて対応付けられた銀行口座に対して共に供給された分配金をマイカーシェアリングサービス事業者の口座から振り込むことを依頼する依頼データを銀行システムに送信する。銀行システムが上述した2つの依頼データに基づいてそれぞれ振込みを行うことで、有料駐車場3の提供事業者及び貸手への分配金の支払いが完了する。
【0093】
カーシェア支援システム1が備える各装置は、上記の構成に基づいて、マイカーシェアリングサービスの料金に関する料金関連処理を行う。
図8は料金関連処理における各装置の動作手順の一例を表す。この動作手順は、例えば、ユーザがユーザ端末40に撮影装置30の運用者が飛行予定を駐車場精算機20に入力することを契機に開始される。まず、ユーザ端末40(貸手要求情報生成部401又は借手要求情報生成部402)は、ユーザの入力操作に基づいて要求情報(貸手要求情報又は借手要求情報)を生成し(ステップS11)、生成した要求情報をシェアリングサーバ装置10に送信する(ステップS12)。
【0094】
シェアリングサーバ装置10(貸手要求取得部102又は借手要求取得部103)は、送信されてきた要求情報を取得する(ステップS13)。次に、シェアリングサーバ装置10(マッチング部104)は、取得された要求情報に基づいて、車両の貸手及び借手の組合せを決定する(ステップS14)。続いて、シェアリングサーバ装置10(マッチング結果通知部105)は、決定された組合せ等を示すマッチングデータをユーザ端末40に送信する(ステップS15)。
【0095】
ユーザ端末40(通知情報表示部403)は、送信されてきたマッチングデータが示すマッチング結果を表示する(ステップS16)。また、シェアリングサーバ装置10(マッチング結果通知部105)は、ステップS14で決定された組合せ等を示すマッチングデータを駐車場精算機20に送信する(ステップS17)。駐車場精算機20(マッチングデータ取得部201)は、送信されてきたマッチングデータを取得する(ステップS18)。
【0096】
次に、駐車場精算機20(映像データ取得部203及び車両識別部204)は、自装置が設置された有料駐車場3に入場してきた車両の映像に基づいてその車両を識別する(ステップS21)。続いて、駐車場精算機20(来場者識別部205)は、その有料駐車場3に来場した来場者を識別する(ステップS22)。次に、駐車場精算機20(入退場検出部202)は、取得されたマッチングデータが示す貸手又は借手が車両と共に有料駐車場3に入場したことを検出する(ステップS23)。
【0097】
続いて、駐車場精算機20(入退場通知部211)は、貸手又は借手が入場したことの通知を示す通知情報を生成し(ステップS24)、ユーザ端末40に送信する(ステップS25)。ユーザ端末40(通知情報表示部403)は、送信されてきた通知情報が示す入場通知を表示する(ステップS26)。また、駐車場精算機20(キーボックス開閉部212)は、自装置が備えるキーボックス27を開錠する(ステップS27)。
【0098】
次に、駐車場精算機20(駐車料金計算部213)は、受渡期間が経過したか否かを判断し(ステップS31)、経過した(YES)と判断した場合には、有料駐車場3の超過料金を計算し(ステップS32)、計算した超過料金を精算する(ステップS33)。続いて、駐車場精算機20(入退場検出部202)は、ステップS33の動作の後、又は、ステップS31で経過していない(NO)と判断した場合に、取得されたマッチングデータが示す貸手又は借手が車両と共に有料駐車場3を退場したことを検出する(ステップS34)。
【0099】
次に、駐車場精算機20(入退場通知部211)は、貸手又は借手が退場したことの通知を示す通知情報を生成し(ステップS35)、ユーザ端末40に送信する(ステップS36)。ユーザ端末40(通知情報表示部403)は、送信されてきた通知情報が示す退場通知を表示する(ステップS37)。続いて、駐車場精算機20(駐車料金計算部213)は、計算した駐車料金(無料料金又は超過料金)及び超過料金の精算の有無等を示す料金情報をシェアリングサーバ装置10に送信する(ステップS41)。
【0100】
シェアリングサーバ装置10(サービス利用料金計算部111)は、送信されてきた料金情報を用いて、ユーザに課金する課金料金を計算する(ステップS42)。次に、シェアリングサーバ装置10(課金処理部112)は、計算された課金料金を車両の借手又は貸手に支払わせる課金処理を行う(ステップS43)。また、シェアリングサーバ装置10(サービス利用料金計算部111)は、送信されてきた料金情報を用いて貸手及び有料駐車場3の提供事業者への分配金を計算する(ステップS44)。そして、シェアリングサーバ装置10(分配金支払い処理部113)は、計算された分配金を貸手及び提供事業者に支払う支払い処理を行う(ステップS45)。
【0101】
本実施例では、以上のとおり利用者の登録した車両を供給するマイカーシェアリングサービスにおいて、その利用者の駐車場ではなく有料駐車場3を受け渡し場所として用いている。これにより、カーシェア支援システム1のように利用者間で車両を共有する仕組みにおいて、どの有料駐車場3で車両を受け渡すこともできるので、例えば利用者が所有する駐車場だけを車両の受け渡し場所にする場合に比べて、車両の受け渡し場所の自由度を高めることができる。
【0102】
また、貸手が普段は自分の家の駐車場に車両を置いている場合であっても、車両の受け渡しを自分(貸手)の家の駐車場ではなく有料駐車場で行うことで、車両の受け渡しの際に借手が貸手の家まで来ないので、貸手の家を車両の受け渡しの際に借手に知られることを防ぐことができる。また、駐車場精算機20が貸手、借手及び車両を示すマッチングデータの有無に応じた駐車料金を計算することで、車両を共有する利用者には有料駐車場3の駐車料金として特別な料金を適用することができる。また、有料駐車場3に来場した利用者を識別することで、既に駐車されている車両を共有する利用者の来場が確認された場合に、その車両についての有料駐車場3の特別な駐車料金を適用することができる。
【0103】
また、受渡期間を外れて有料駐車場3を利用すると超過料金を課金することで、超過料金を課金しない場合に比べて、有料駐車場3での受渡期間が守られやすいようにすることができる。また、貸手及び借手が定めた有料駐車場3を示す要求情報に基づいて車両の貸手及び借手の組合せが決定されるので、利用者が希望した有料駐車場での車両の受け渡しが可能な相手と車両を共有することができる。
【0104】
[2]変形例
上述した実施例は本発明の実施の一例に過ぎず以下のように変形させてもよい。また、上述した実施例及び各変形例は必要に応じてそれぞれ組み合わせて実施してもよい。
【0105】
[2−1]受渡期間の延長
有料駐車場3の周辺で交通事故等により渋滞が発生すると、本来受渡期間に間に合うはずだったユーザが受渡期間を超過する場合がある。その場合に、駐車料金計算部213が、受渡期間を延長して駐車料金を計算してもよい。
【0106】
図9は本変形例の駐車場精算機20aが実現する機能構成を表す。駐車場精算機20aは、
図4に表す各部に加えて交通状況取得部215を備える。交通状況取得部215は、自装置(駐車場精算機20a)が設置されている有料駐車場3の周辺の交通状況を取得する。交通状況取得部215は、例えば道路の渋滞情報を提供する事業者のサーバ装置から渋滞の発生区間、発生時刻及び解消時刻を交通状況として取得して、取得した交通状況を駐車料金計算部213に供給する。
【0107】
駐車料金計算部213は、交通状況取得部215により取得された交通状況が所定の条件を満たす場合に受渡期間を延長する。所定の条件とは、例えば、渋滞の発生区間と有料駐車場3との距離が閾値未満であり、渋滞の発生時刻が受渡期間の終了より所定時間以上前であり、渋滞の解消時刻が受渡期間の終了より後である場合に満たされる条件である。この閾値及び所定時間としては、渋滞の発生が有料駐車場3への到着に影響を与えることが見込まれる距離及び時間が用いられる。なお、有料駐車場3との距離で一律に判断するのではなく、有料駐車場3の近くの特定の通り又は交差点等で渋滞が発生している場合に条件を満たすと判断してもよい。
【0108】
駐車料金計算部213は、上記の条件が満たされると、受渡期間を例えば一定期間(15分又は30分等)だけ延長して、延長した受渡期間に入場が間に合えば無料料金を計算し、間に合わなければ延長した受渡期間に対する超過料金を計算する。その場合でも、延長しない受渡期間に対する超過料金よりは金額が少なくなる。なお、交通状況は道路の渋滞状況に限らず、例えば有料駐車場3が駅の近くにある場合には、その駅を通る路線の遅延状況が交通状況として用いられてもよい。
【0109】
また、有料駐車場3が空港の近くにあって空港利用者によく利用される駐車場である場合には、飛行機の遅延状況が交通状況として用いられてもよい。いずれの場合も、駐車料金計算部213は、取得された交通状況が交通機関の遅延による入場の遅れを示している場合には、受渡期間を延長して超過料金を計算する。このように、交通状況に応じて受渡期間を延長することで、受渡期間外の駐車に超過料金を課す場合でも不可抗力で入場が遅れた場合なら超過料金を軽減することができる。
【0110】
[2−2]複数の借手への貸し出し
貸手の貸出可能な期間が長期にわたる場合に、複数の借手に車両を貸し出してもよい。その場合、マッチング部104は、まず、2以上の借手候補の各々の受取可能な有料駐車場3、返却可能な有料駐車場3及び受渡期間からそれら2以上の借手候補間で車両の受け渡しが可能であるか否かを判断する。
【0111】
図10は貸出可能期間及び返却可能期間の一例を表す。
図10の例では、駐車場αにおける貸出可能期間と駐車場βにおける返却可能期間を定めた貸手候補のユーザAと、駐車場αにおける貸出可能期間と駐車場γにおける返却可能期間を定めた借手候補のユーザBと、駐車場γにおける貸出可能期間と駐車場βにおける返却可能期間を定めた借手候補のユーザCとが表されている。
【0112】
駐車場γにおける返却可能期間と駐車場γにおける貸出可能期間とが重複しているため、マッチング部104は、ユーザB及びCによる駐車場γでの車両の受け渡しが可能だと判断する。マッチング部104は、その受け渡しにおける最初の受取可能な有料駐車場3(
図10の例では駐車場α)及び受渡期間と最後の返却可能な有料駐車場3(
図10の例では駐車場β)及び受渡期間と、貸手候補が定めた貸出可能な有料駐車場3、返却可能な有料駐車場3及び受渡期間との重複状況が所定の条件を満たす場合に、それらの貸手候補及び2以上の借手候補を車両の貸手及び借手の組合せとして決定する。
【0113】
図10の例であれば、マッチング部104は、ユーザAが定めた駐車場αにおける貸出可能期間とユーザBが定めた駐車場αにおける貸出可能期間との重複状況と、ユーザAが定めた駐車場βにおける返却可能期間とユーザCが定めた駐車場βにおける返却可能期間との重複状況とが所定の条件を満たしていると判断し、ユーザAを貸手、ユーザB、Cを借手とする組合せを決定する。この場合、ユーザBが駐車場γに返却した車両をユーザCが受け取って、ユーザCはその車両を駐車場βに返却する。
【0114】
なお、
図10の例では貸手の人数が2人であったが、借手候補間で車両の受け渡しが順次可能であるのなら、3人以上であってもよい。また、借手同士が車両を受け渡す有料駐車場3は、
図10の例では貸手候補の貸出可能駐車場及び返却可能駐車場(駐車場α、β)とは別であったが、同じであってもよい。いずれの場合も、車両の貸手は、その車両を2以上の借手に順番に貸すことができる。
【0115】
[2−3]ユーザの評価
マイカーシェアリングサービスを利用するユーザを評価する仕組みがあってもよい。例えばユーザ端末40が貸手又は借手を評価する評価画面を表示して、ユーザがその評価画面で貸手又は借手を評価する。この評価は、点数又は星の数等で行われてもよいし、さらにコメントを付すようにしてもよい。この評価結果は、例えばマッチング結果通知部105によりマッチング結果が通知される際に、貸手及び借手の評価情報として同時に通知されればよい。
【0116】
[2−4]マッチングの拒否
実施例では、マッチング部104が決定した貸手及び借手の組合せが必ず適用されたが、ユーザがこれを拒否できるようにしてもよい。ユーザは、例えば通知されたマッチング結果に含まれる前述した貸手又は借手の評価結果を見て、評価が低い相手であればその組合せを拒否する操作を行う。
【0117】
その場合、ユーザ端末40が貸手要求情報又は借手要求情報に拒否した組合せの情報を付与して再送することで、マッチング部104がその拒否された組合せを除いた貸手及び借手の組合せを決定するようにしてもよい。これにより、ユーザは問題が起こりそうな相手と車両を共有することを避けることができる。また、共有を拒否した相手との組合せが再度提示されることを防ぐことができる。
【0118】
[2−5]ユーザへのペナルティ
車両の共有相手に迷惑をかけたユーザにペナルティを課してもよい。例えば、受渡期間への遅刻が常態化したユーザや受け渡しを完全に行わなかった(受け渡し場所に車両を持って行かなかった)ユーザがペナルティの対象となる。例えばマイカーシェアリングサービスに登録する際にペナルティの内容と罰金の額とをユーザに提示しておき、サービス利用料金計算部111が、その提示内容に則った罰金をユーザへの課金料金の一部として計算する。こうして計算された課金料金を支払うことで、ユーザは自分の行為に対するペナルティとして罰金を支払うことになる。これにより、共有相手に迷惑をかける行為を抑制することができる。
【0119】
[2−6]各部を実現する装置
図4に表す各機能を実現する装置が
図4とは異なっていてもよい。例えばシェアリングサーバ装置10が備える機能(例えばサービス利用料金計算部111)を駐車場精算機20が備えていてもよいし、駐車場精算機20が備える機能(例えば駐車料金計算部213)をシェアリングサーバ装置10が備えていてもよい。また、両装置が備える各機能を2以上の異なる機能により実現してもよい。
【0120】
例えばサービス利用料金計算部111の機能を、マイカーシェアリングサービスの利用料金を計算する第1計算部と、ユーザに課金する課金料金を計算する第2計算部と、課金料金を分配した分配金を計算する第3計算部とが実現してもよい。要するに、カーシェア支援システム全体としてこれらの機能が実現されていれば、カーシェア支援システムが何台の装置を備えていてもよいし、どのような機能を備えていてもよい。
【0121】
[2−7]発明のカテゴリ
本発明は、シェアリングサーバ装置、駐車場精算機及びユーザ端末という情報処理装置と、それらの情報処理装置を備えるカーシェア支援システムのような情報処理システムとしても捉えられる。また、本発明は、各装置が実施する処理を実現するための情報処理方法としても捉えられるし、各装置を制御するコンピュータを機能させるためのプログラムとしても捉えられる。このプログラムは、それを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してコンピュータにダウンロードさせ、それをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されてもよい。