(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明はスロットマシンに限ることなく、その他の遊技機に適用してもよい。
なお、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0019】
まず、発明が適用されるスロットマシンMの概略構成について説明する。
図1はスロットマシンMを示す斜視図である。このスロットマシンMは、筐体1を備えており、この筐体1は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体1の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。なお、底板の上面には、図示は省略するが、各部品に電力を供給するための電源装置を内蔵した電源ユニット、メダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット等が設けられている。
【0020】
また、筐体1の正面には、筐体1の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉3が設けられており、この前扉3は、前記開口上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、前記開口下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。
前記筐体1内には、図示は省略するが、交換ユニットが着脱可能に設けられている。交換ユニットは、種々の部品を設置あるいは固定するための支持体としての枠体と、この枠体に固定されたリールユニットおよび基板ユニットとから構成されている。ここで、リールユニットは、周囲に複数の図柄を表示した3個の回転リールと、回転リールを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)を有している。また、基板ユニットは、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた基板を、基板ケースに収納したものである。そして、基板ユニットは、スロットマシンMの遊技を制御するための遊技制御装置として機能する。
【0021】
図1に示すように、上扉30の下部には表示窓31が設けられている。この表示窓31は上側ほど後側に向かうように水平面に対して傾斜して設けられ、この表示窓31の奥には、前記3個の回転リールが横一列に設けられている。各回転リールの外周面には複数種類の図柄が配列されており、回転リールが停止すると表示窓31を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。スロットマシンMでは、横3本と斜め2本とからなる計5本の入賞有効ラインが設定されている。
そして、3個の回転リールが停止したときに入賞有効ライン上に停止した図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。
また、上扉30の上部には、表示窓31より大きい表示窓32がほぼ鉛直に設けられている。この表示窓32は上扉30に設けられた液晶表示パネルを有する表示ユニットの表示面を見るために設けられたものであり、この表示ユニットでは、その表示面に遊技機における演出用の画像が表示されるようになっている。
また、上扉30の表示窓32の上部には、報知や演出などを行うための照明装置35が設けられている。また、上扉30の左右両側部には、報知や演出などを行うための照明装置38が合計4個設けられている。
【0022】
また、上扉30は、筐体1内に設けられた交換ユニットにヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉40は筐体1にヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
【0023】
なお、このスロットマシンMは、分離型筐体タイプの構造を有するものであり、遊技店における機種の交換時に、上扉30が回動自在に取り付けられた交換ユニットを交換するようになっており、機種の交換時に筐体1、下扉40および筐体1内の電源ユニットやホッパーユニット等は、遊技店の島設備に取り付けられたままで、交換されないようになっている。また、スロットマシンMは、分離型筐体タイプに限られるものではなく、機種交換時にスロットマシン全体を交換するものであってもよい。この場合に、前扉3を上扉30と下扉40に分けない一体の構造としてもよい。また、上扉30と下扉40とに分ける場合に、上扉30を、筐体1の側板にヒンジを介して回動自在に取り付けてもよい。
また、上扉30の下端部には、下扉40の前面より後方側で下扉40の上端より下側に突出する係合部が設けられ、下扉40が閉じた状態で、上扉30を開放することができない構造になっている。
【0024】
また、下扉40の上部には、スロットマシンMを操作するための操作部50が設けられている。操作部50には、クレジットされたメダルを払い出すための精算スイッチ52、ゲームを開始させるためのスタートレバー53、回転リールの回転を停止させるためのストップスイッチ54、メダルを投入するためのメダル投入口42、メダル投入口42の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタン55、最大数の3枚のメダルをゲームに投資するときに操作されるMAXベットスイッチボタン56等が設けられる他、遊技の演出等を選択するための操作盤57や、表示ユニット58が設けられている。操作盤57は操作部50の幅方向(左右方向)の略中央部に配置され、メダル投入口42およびリジェクトボタン55を挟んで、右側に表示ユニット58が配置されている。なお、操作盤57には、演出等の選択用の十字キー、決定ボタン、キャンセルボタン等を有している。
【0025】
また、下扉40の下部には、スロットマシン内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿43とが設けられている。また、操作部50とメダル受け皿43との間には液晶表示パネル45が取り付けられている。また、この液晶表示パネル45の左右両側にはそれぞれ報知や演出などを行うための照明装置46が設けられている。
【0026】
前記照明装置35は、遊技機Mの前面部に設けられた意匠部35を構成している。
この意匠部35は、
図2および
図3に示すように、取付ベース100と、リフレクタ101と、基板取付ベース102と、基板取付ベース102に取り付けられたLED基板150と、カバー部材104と、レンズ105,106とを備えている。
【0027】
カバー部材104は、
図4および
図5に示すように、取付ベース100の前面の略中央部に取り付けられる透明な前面カバー110と、この前面カバー110に連結されるレンズカバー111,112と、装飾部材113とから構成されている。レンズカバー111,112の裏面の下端部には、ボス111a,112aが設けられており、当該ボス111a,112aが前面カバー110の下端部に左右離間して形成された孔110h(
図3参照)に挿通されるとともに、装飾部材113に左右離間して形成された孔113hに挿通されている。これによって、前面カバー110、レンズカバー111,112および装飾部材113は連結されて、カバー部材104を構成している。また、ボス111a,112aにはそれぞれねじ孔が形成されている。
レンズカバー111,112は、その前面と外周面に金の蒸着膜が形成されることで、不透明な不透明意匠部材111,112を構成している。また、装飾部材113は、その全面に金の蒸着膜が形成されることで、不透明な不透明意匠部材113を構成している。
また、前面カバー110の裏面の上部にはボス110a,110bが設けられ、当該ボス110a,110bにはねじ孔が形成されている。なお、前面カバー110の表面の上部には金の蒸着膜で形成された装飾部110cが設けられている。
また、レンズカバー111,112には、レンズ105,106を嵌め込むための嵌合孔111k,112kが形成されている。
【0028】
取付ベース100は、樹脂で形成されており、その前面部およびこの前面部の縁部に一体的に形成された上下の壁部および左右の壁部の表面部には金の蒸着膜が形成されている。また、取付ベース100の前面や左右側面には凹凸形状に形成された装飾部が形成されている。
このような取付ベース100は、その表面全体に金の蒸着膜が形成されることで、不透明な不透明意匠部材100を構成している。
また、取付ベース100には、
図3に示すように、その左右両側にそれぞれ嵌合孔100a,100bが左右に離間して形成されており、当該嵌合孔100a,100bに、レンズカバー111,112が嵌め込まれている。
【0029】
すなわちまず、レンズカバー111,112の外周面形状は、嵌合孔100a,100bの内周面形状とほぼ等しくなっており、これによって、嵌合孔100a,100bにレンズカバー111,112が嵌め込まれている。
また、
図5に示すように、レンズカバー111の裏面には、上述したボス111aの他に、ボス111b,111cが設けられ、レンズカバー112の裏面には、上述したボス12aの他に、ボス112bが設けられている。
一方、
図6に示すように、取付ベース100の前面には、嵌合孔100aの外周側に3つの貫通孔115a,115b,115cが形成され、嵌合孔100bの外周側に3つの貫通孔116a,116b,116cが形成されている。
そして、レンズカバー111のボス111a,111bが貫通孔115a,115bに挿入され、レンズカバー112のボス112a,112bが貫通孔116a,116bに挿入されたうえで、
図7に示すように、ボス111a,111bおよびボス112a,112bにそれぞれ形成されたねじ孔にねじ118がそれぞれねじ込まれることによって、レンズカバー111,112が取付ベース100に固定されている。
【0030】
また、
図6および
図7に示すように、取付ベース100には、略円筒状のボス120,121が左右に離間して形成されている。ボス120は嵌合孔100aの外周上部に配置されており、その外周部の一部が嵌合孔100aの内側に突出している。このボス120の中央部に前記貫通孔115cが形成されている。
ボス121は嵌合孔100bの外周上部に配置されており、その外周部の一部が嵌合孔100bの内側に突出している。このボス121の中央部に前記貫通孔116cが形成されている。
そして、前面カバー110のボス110a,110bが取付ベース100の前面側から当該取付ベース100のボス120,121の貫通孔115c,116cに挿入されたうえで、ねじ122,122が取付ベース100側からボス110a,110bに形成されたねじ孔にねじ込まれることによって、前面カバー110が取付ベース100に固定されている。
また、上述したように、レンズカバー111,112のボス111a,112aは前面カバー110の下端部に形成された孔113h,113hに挿通されているので、この孔113h,113hから突出するボス111a,112aが取付ベース100の貫通孔115a,116aに挿入されたうえで、当該ボス111a,112aに形成されているねじ孔にそれぞれねじ118がねじ込まれることによっても、前面カバー110がレンズカバー111,112とともに取付ベース100に固定されている。
【0031】
また、レンズカバー111,112にはレンズ105,106が嵌め込まれている。
すなわちまず、
図8〜
図10に示すように、レンズカバー111,112の嵌合孔111k,112kの内周面形状は、レンズ105,106の外周面形状とほぼ等しくなっており、これによって、レンズカバー111,112の嵌合孔111k,112kに、レンズ105,106が嵌め込まれている。
また、レンズカバー111の嵌合孔111kの内周面でかつレンズカバー111の前面側には、レンズ105の外周縁部が当接する当接面111fが周方向に沿って形成されている。したがって、レンズカバー111の嵌合孔111kにレンズ105を嵌め込んで、その外周縁部を当接面111fに当接することによって、レンズ105はレンズカバー111からその前方に逸脱しないようになっている。
また、レンズカバー111はその内側に突出する突出部111Aを有しており、この突出部111Aに前記ボス111cが設けられている。このボス111cにはねじ孔が形成されている。この突出部111Aにも金の蒸着膜が形成されており、この突出部111Aによってボス111c、後述するボス105aおよびねじ119がレンズカバー111の前面側から見て隠されている。
一方、レンズ105の裏面の略中央部にはボス105aが設けられている。このボス105aは内部が円筒状の空洞部105bとなっている。
そして、レンズカバー111の嵌合孔111kにレンズ105が嵌め込まれるとともに、ボス111cをボス105aの空洞部105bに挿入したうえで、ねじ119をボス105aの頂部を通してボス111cのねじ孔にねじ込むことによって、レンズカバー111にレンズ105が固定されている。レンズ105は透光性を有するので、透光性意匠部材を構成している。
また、レンズカバー111はその外周前面部でかつボス111aの前方に外側に突出する突出部111Bを有している。この突出部111Bにも金の蒸着膜が形成されており、この突出部111Bによってボス111aがレンズカバー111の前面側から見て隠されている。
さらに、レンズカバー111はその外周前面部でかつボス111bの前方に外側に突出する突出部111Cを有している。この突出部111Cにも金の蒸着膜が形成されており、この突出部111Cによってボス111bがレンズカバー111の前面側から見て隠されている。
【0032】
また、
図10に示すように、レンズカバー112の内周面でかつレンズカバー112の前面側には、レンズ106の外周縁部が当接する当接面112fが周方向に沿って形成されている。したがって、レンズカバー112の嵌合孔112kにレンズ106を嵌め込んで、その外周縁部を当接面112fに当接することによって、レンズ106はレンズカバー112からその前方に逸脱しないようになっている。
また、レンズカバー112はその外周前面部でかつボス112aの前方に外側に突出する突出部112Bを有している。この突出部112Bにも金の蒸着膜が形成されており、この突出部112Bによってボス112aがレンズカバー112の前面側から見て隠されている。
また、レンズカバー112はその外周前面部でかつボス112cの前方に内側に突出する突出部112Cを有している。この突出部11CBにも金の蒸着膜が形成されており、この突出部112Cによってボス112bがレンズカバー112の前面側から見て隠されている。
さらに、レンズカバー112の当接面112fのうち、後述する一方の凸部112gが設けられている部分112hは後述する取付部125の外周部の略半分の前方に設けられるようになっており、この部分112hにも金の蒸着膜が形成されている。
また、レンズ106の上部における当接面112fには、一対の凸部112g,112gが左右に離間して設けられ、一方、レンズ106の上部には貫通孔106a,106aが左右に離間して形成されている。
そして、レンズカバー112の嵌合孔112kにレンズ106が嵌め込まれるとともに、凸部112g,112gが貫通孔106a,106aに挿入されることによって、レンズ106はレンズカバー112の内側においてレンズ106の面方向において位置決めがなされている。
上述したレンズ105と異なり、レンズ106をレンズカバー112の嵌合孔112kに嵌め込んだ状態において、レンズ106はレンズカバー112に固定されていない。
【0033】
しかし、
図11に示すように、レンズ106がレンズカバー112とともに取付ベース100の嵌合孔100bに嵌め込まれた状態において、取付ベース100のボス121の外周の一部およびこのボス121の下端面に当接している前面カバー110のボス110bの根本の周囲の一部が嵌合孔100bに内側に突出している。ボス110bはボス121に挿入されてねじ122によって固定されているので、ボス110bおよびボス121を前面カバー(カバー部材)110と取付ベース100との取付部125とする。
この取付部125は、その外周部の略半分が嵌合孔100bの内側に突出しており、この取付部125がレンズ106の面と直交する方向においてレンズ106と重なっているので、レンズ106はレンズカバー112の当接面112fと取付部125との間でレンズ106の面と直交する方向に移動可能であるが、移動しても取付部125にレンズ106が当たる。このため、新たに固定用部材を追加することなく、ねじ止めによらずともレンズ106の取付ベース100からの抜け落ちを防止できる。また、レンズ106の外周縁部が当接面112fに当接しているので、レンズ106レンズカバー112から前方に抜け出ることもない。
また、後述するようにリフレクタ(押付部材)101によってレンズ106の表面縁部がレンズカバー112の当接面112fに押し付けられているので、レンズ106をレンズカバー112を介して取付ベース100に確実に取り付け固定できる。また、LED基板150のLED150aからの光をリフレクタ101によって反射してレンズ105,106に照らすことができる。
また、レンズ105はレンズカバー111にねじ119によって固定されているので、レンズカバー111からその前方および後方に抜け出ることはない。
【0034】
このように、取付ベース100、前面カバー110、レンズ105,106、レンズカバー111,112および装飾部材113は、
図11に示すように、一体化されるので、その後の組付けや搬送が容易となる。
なお、
図7に示すように、取付ベース100の略中央部には円形状の大きな開口部100cが形成され、この開口部100cには略半球状で内部が空洞のボールベース128(
図3参照)と、このボールベース128に設けられ、当該ボールベース128の内部の空洞に断面円弧状に張り出すインナーレンズ129(
図11参照)が設けられている。
【0035】
以上のような構成において、レンズ105,106および前面カバー110は透明な樹脂で形成されているので、透光性意匠部材を構成し、取付ベース100、レンズカバー111,112および装飾部材113は、少なくとも意匠部35の前面側を向く表面に金の蒸着膜が形成されているので、不透明意匠部材を構成する。
そして、
図8に示すように、透光性意匠部材105であるレンズ105は、不透明意匠部材111であるレンズカバー111に、ボス111cをボス105aの空洞部105bに挿入し、ねじ119をボス111cのねじ孔にねじ込むことによって取り付けられる。
図13に示すように、このようなボス111c、ボス105aおよびねじ119を取付部T1とすると、この取付部T1は
図12に示すように、レンズカバー(不透明意匠部材)111の突出部111Aの裏側に配置されることで、当該突出部111Aによって取付部T1の全部が遊技機の前面部の前方から見て隠されている。
【0036】
また、不透明意匠部材100である取付ベース100には、不透明意匠部材111であるレンズカバー111が貫通孔115aにボス111aを挿入してねじ118をねじ込むことによって取り付けられる。
図13に示すように、このような貫通孔115a、ボス111aおよびねじ118を取付部T2とすると、この取付部T2は
図12に示すように、レンズカバー111の外周突出部111Bの裏側に配置されることで、当該外周突出部111Bによって取付部T2の全部が遊技機の前面部の前方から見て隠されている。
また、不透明意匠部材100である取付ベース100には、不透明意匠部材111であるレンズカバー111が貫通孔115bにボス111bを挿入してねじ118をねじ込むことによって取り付けられる。
図13に示すように、このような貫通孔115b、ボス111bおよびねじ118を取付部T3とすると、この取付部T3は
図12に示すように、レンズカバー111の略三角形状に形成された部分111Cの裏側に配置されることで、当該部分111Cによって取付部T3の全部が遊技機の前面部の前方から見て隠されている。
【0037】
また、不透明意匠部材100である取付ベース100には、不透明意匠部材112であるレンズカバー112が貫通孔116aにボス112aを挿入してねじ118をねじ込むことによって取り付けられる。
図13に示すように、このような貫通孔116a、ボス112aおよびねじ118を取付部T4とすると、この取付部T4は
図12に示すように、レンズカバー112の外周突出部112Bの裏側に配置されることで、当該外周突出部112Bよって取付部T4の全部が遊技機の前面部の前方から見て隠されている。
また、不透明意匠部材100である取付ベース100には、不透明意匠部材112であるレンズカバー112が貫通孔116bにボス112bを挿入してねじ118をねじ込むことによって取り付けられる。
図13に示すように、このような貫通孔116b、ボス112bおよびねじ118を取付部T5とすると、この取付部T5は
図12に示すように、レンズカバー112の外周突出部112Cの裏側に配置されることで、当該外周突出部112Cによって取付部T5の全部が遊技機の前面部の前方から見て隠されている。
このように、上述した取付部T1〜T5はレンズカバー111,112によって取付部の全部が遊技機の前面部の前方から見て隠されているので、遊技機の前面部の見栄えを向上させることができる。
また、
図11に示すように、取付ベース100の嵌合孔100b(
図3参照)に嵌め込まれたレンズカバー112の内側に取付部125の外周部の一部(略半分)が突出してレンズ106側に張り出しているが、この取付部125の外周部の他の一部(略半分)は、レンズカバー(不透明意匠部材)112の内側に突出している部分112hの裏側に配置されることで、当該部分112hによって取付部125の一部が遊技機の前面部の前方から見て隠されているので、前面部の見栄えを向上させることができる。
また、リフレクタ101によってレンズ106の表面縁部がレンズカバー112の当接面112fに押し付けられることで、レンズ106がレンズカバー112に固定されているので、レンズ106をレンズカバー112に固定するためのボスやねじをレンズ106に設ける必要がない。したがって、この点においても前面部の見栄えを向上させることができる。また、リフレクタ(押付部材)101によってレンズ106の表面縁部がレンズカバー112の当接面112fに押し付けられているので、レンズ106の表面縁部がレンズカバー112の当接面112fに密着する。したがって、レンズ106とレンズカバー112との間からの光漏れを防止できる。
なお、本実施の形態では、リフレクタ101によって、レンズ106の表面縁部をレンズカバー112の当接面112fに押し付けるようにしたが、このリフレクタ101以外の部材で押付部材を構成し、この押付部材によってレンズ106の表面縁部をレンズカバー112の当接面112fに押し付けてもよい。
【0038】
次に、
図11に示す、取付ベース100、前面カバー110、レンズ105,106、レンズカバー111,112、インナーレンズ129、ボールベース128等が一体化された組立体130には、リフレクタ(中間部材)101が取り付けられている。このリフレクタ101は、取付ベース(意匠部材)100と基板取付ベース102との間に設けられて、取付ベース100が当接されるものである。また、リフレクタ101には、取付ベース100の他にカバー部材104、インナーレンズ(意匠部材)129、レンズ105,106(意匠部材)等が当接している。
すなわちまず、
図15に示すように、取付ベース100の裏面には、4本のボス131〜134が形成されている。
ボス131は上述した部分111Cの裏側に配置されており、当該部分111Cによってボス131の全部が遊技機の前面部の前方から見て隠されている。
ボス132はインナーレンズ129の外周側でかつ下部に形成されているが、装飾部材113の裏側に配置され、当該装飾部材113によってボス132の全部が遊技機の前面部の前方から見て隠されている。
ボス133は、上述した外周突出部112Cの裏側に配置されており、当該外周突出部112Cによってボス133の全部が遊技機の前面部の前方から見て隠されている。
ボス134は、インナーレンズ129の外周側でかつ上部に形成されているが、取付ベース100の上部の裏側に配置され、当該取付ベース100の上部によってボス134の全部が遊技機の前面部の前方から見て隠されている。
【0039】
一方、リフレクタ101には、ボス131〜134に対応させて、4つの貫通孔が形成されており、4つの貫通孔の外周部にボス131〜134を当接して、リフレクタ101の裏面側からねじ135をボス131〜134にそれぞれ形成されたねじ孔にねじ込むことによってリフレクタ101が取付ベース100に固定されている。
また、リフレクタ101の前面部には筒状リフレクタ141,142が左右に離間して設けられ、筒状リフレクタ141,142間には、円環状の環状リフレクタ143が設けられている。
【0040】
筒状リフレクタ141の外周面形状は、取付ベース100の嵌合孔100aおよびレンズカバー111の内周面形状に沿って形成され、さらに、筒状リフレクタ141は、嵌合孔100aおよびレンズカバー111の内側に嵌合可能となっている。
また、筒状リフレクタ142の外周面形状は、取付ベース100の嵌合孔100bおよびレンズカバー112の内周面形状に沿って形成され、さらに、筒状リフレクタ142は、嵌合孔100bおよびレンズカバー112の内側に嵌合可能となっている。
また、環状リフレクタ143は、筒状リフレクタ141,142より軸方向の長さが短くなっており、インナーレンズ129の外周フランジ部に当接可能となっている。
そして、筒状リフレクタ141,142を嵌合孔100a,100bおよびレンズカバー111,112の内側に嵌合させるとともに、環状リフレクタ143をインナーレンズ129の外周フランジ部に当接することによって、リフレクタ101が取付ベース100に嵌め込まれている。
そして、
図16に示すように、リフレクタ101が取付ベース100に嵌め込まれた状態で、リフレクタ101の裏面側からねじ135をボス131〜134(
図15参照)にそれぞれ形成されたねじ孔にねじ込むことによってリフレクタ101が取付ベース100に固定されている。
【0041】
また、リフレクタ101が取り付けられた取付ベース100には、基板取付ベース102が取り付けられている。
すなわちまず、リフレクタ101の裏面の上部には、
図16に示すように、ボス145,145が左右に離間して形成されており、下部にはボス146,146が左右に離間して形成されている。ボス145,145は筒状リフレクタ141,142の上側に形成され、ボス146,146は環状リフレクタ143の下部でかつ外周側に形成されている。また、ボス145,146にはねじ孔が形成されている。
また、リフレクタ101の裏面上縁部には上壁147が左右に延在して形成され、この上壁147の両端部に側壁148が上壁147と直角に形成されている。上壁147の一端部は筒状リフレクタ141の根本の端部(
図16において右端部)に位置し、他端部は筒状リフレクタ142の根本の端部(
図16において左端部)に位置している。そして、これら端部から側壁148,148が筒状リフレクタ141,142の外側に延在している。
また、リフレクタ101の裏面下縁部には下壁149が左右に延在して形成されている。この下壁149は筒状リフレクタ141,142より下側に形成され、その左右の長さは上壁147の左右の長さより短くなっている。下壁149の上方には内壁149aが所的の間隔をもって下壁149と平行に形成されており、下壁149と内壁149aとの間には溝部149bが形成されている。
また、上壁147および側壁148は等しい高さとなっているが、下壁149は上壁147および側壁148より低くなっている。また、内壁149aは下壁149より高くかつ上壁147より低くなっている。
【0042】
一方、基板取付ベース102には、
図14および
図17に示すように、複数のLED150aが実装されたLED基板150がねじ151,151によって固定されている。複数のLED150aはLED基板150の左側に配置されたLED群150a(L)と、右側に配置されたLED群150a(R)と、中央側に配置されたLED群150a(C)とによって構成されている。LED群150a(L)は正面視において、筒状リフレクタ141の内側に配置され、LED群150a(R)は正面視において、筒状リフレクタ142の内側に配置され、LED群150(C)は環状リフレクタ143の内側に配置されている。
したがって、LED群150a(L)のLED150aがレンズ105を照らし、LED群150a(R)のLED150aがレンズ106を照らし、LED群150a(C)のLED150がインナーレンズ129を照らすようになっている。
【0043】
また、
図14および
図17に示すように、基板取付ベース102は上壁102aと、左右の側壁102b,102bと、下壁102cとを備えている。上壁102aとLED基板150との間には溝部102eが左右に延在して形成されている。また、下壁102cの上側には所定の隙間をもって内壁102dが下壁102cと平行に形成されており、この内壁102dと下壁102cとの間に溝部102fが左右に延在して形成されている。また、内壁102dの左右両端部が側壁102b,102bに連結されている。
また、側壁102bは、上側壁102gと、下側壁102hと、これらの間に設けられた中間側壁102iとから構成されている。中間側壁102iは、上側壁102gおよび下側壁102hより高くなっているとともに、平面視において上側壁102gと繋がる側壁と、下側壁102hに繋がる側壁と、これら側壁どうしを連結する側壁とから構成されている。
また、上側壁102gおよび当該上側壁102gに繋がる側壁と、LED基板150との間には溝部102jが形成されている。
【0044】
また、LED基板150には、その上縁部に略U字形の切欠部(挿通部)152,152が左右に離間して形成され、下部には円形状の貫通孔(挿通部)153,153が左右に離間して形成されている。切欠部152および貫通孔153は、LED基板150中のLED150aや配線パターンが設けられていない部位に形成されている。
一方、基板取付ベース102には、その上縁部に貫通孔(挿入孔)155,155が左右に離間して形成され、下部に貫通孔(挿入孔)156,156が左右に離間して形成されている。
貫通孔155,155は、切欠部152,152に臨んで配置され、また、貫通孔155,155の内径は、切欠部152,152の幅より小さくなっている。また、貫通孔155の内周壁は、LED基板150の平面視において、切欠部152の内壁より内側に配置されている。
貫通孔156,156は、貫通孔153,153に臨んで配置され、また、貫通孔156,156の内径は、貫通孔153,153の内径より小さくなっている。また、貫通孔156の内周壁は、LED基板150の平面視において、貫通孔153の内周壁より内側に配置されている。
さらに、貫通孔155の底部には円環状の当接面155aが形成され、貫通孔156の底部には円環状の当接面156aが形成されている。
【0045】
そして、
図18〜
図20に示すように、リフレクタ101が取り付けられた取付ベース100に、基板取付ベース102が取り付けられている。
すなわち、
図18に示すように、基板取付ベース102の上壁102aは、リフレクタ101の上壁147の上面に被され、基板取付ベース102の溝部102eに上壁147が嵌め込まれている。この状態において、溝部102eの底面に上壁147の先端部が当接している。
また、基板取付ベース102の下壁102cは、リフレクタ101の下壁149の下面に被され、基板取付ベース102の溝部102fに下壁149が嵌め込まれている。この下壁149の端部は溝部102fの底面に達していない。
また、基板取付ベース102の内壁102dがリフレクタ101の溝部149bに嵌め込まれている。この状態において、溝部149bの底面に内壁102dの先端部が当接している。
【0046】
また、
図19に示すように、基板取付ベース102の貫通孔156にリフレクタ101のボス146が挿入されている。この状態において、貫通孔156の底部の当接面156aにボス146の先端部が当接している。そして、基板取付ベース102の裏側からねじ160が貫通孔156に挿入されボス146のねじ孔にねじ込まれている。
また、
図20に示すように、基板取付ベース102の貫通孔155にリフレクタ101のボス145が挿入されている。この状態において、貫通孔155の底部の当接面155aにボス145の先端部が当接している。そして、基板取付ベース102の裏側からねじ160が貫通孔155に挿入されボス145のねじ孔にねじ込まれている。
【0047】
そして、このような嵌合状態において、つまり、溝部102eの底面に上壁147の先端部が当接するとともに、溝部149bの底面に内壁102dの先端部が当接し、さらに貫通孔155,156の底部の当接面155a,156aにボス145,146の先端部に当接している状態において、LED基板150およびLED150aと、リフレクタ101のLED基板150と対向している面との間には所定の隙間(LED基板150の面方向と直交する方向の隙間)が設けられている。
【0048】
このように、本実施の形態では、リフレクタ(中間部材)101がLED基板150およびLED150aとの間に隙間を持たせた状態で基板取付ベース102に取り付けられているので、意匠部材(カバー部材104、取付ベース100、インナーレンズ129、レンズ105,106)が遊技者から衝撃を受けた場合、この衝撃はリフレクタ101から基板取付ベース102に伝わるので、当該衝撃のLED基板150およびLED150aへの伝達を抑制できる。したがって、LED基板150およびLED150aの破損を防止できる。
なお、本実施の形態では、リフレクタ101(中間部材)には、カバー部材104、取付ベース100、インナーレンズ129、レンズ105,106等の意匠部材が直接当接しているが、これに限らず、中間部材に意匠部材が間接的に当接していてもよい。要は、中間部材が意匠部材と一体に組み付けられていればよい。このような場合でも、意匠部材が受けた衝撃は中間部材から基板取付ベース102に伝わるので、当該衝撃のLED基板150およびLED150aへの伝達を抑制できる。したがって、LED基板150およびLED150aの破損を防止できる。
【0049】
また、LED基板150の挿通部152,153を挿通したボス145,146が基板取付ベース102の貫通孔(挿入孔)155,156に挿入されるとともに当該ボス145,146の先端部が当接面155a,156aに当接することで前記隙間が保持されているので、意匠部材(カバー部材104、取付ベース100、インナーレンズ129、レンズ105,106)が遊技者から受けた衝撃はリフレクタ101のボス145,146から基板取付ベース102の当接面155a,156aに確実に伝わる。このため、当該衝撃のLED基板150およびLED150aへの伝達を確実に抑制できる。
また、貫通孔(挿入孔)155,156の内周壁は、LED基板150の平面視において、挿通部152,153の内壁より内側に配置されているので、意匠部材が遊技者から受けた、ボス145,146の径方向における衝撃はLED基板150に伝達されない。このため、このような衝撃によるLED基板150の破損を防止できる。
【0050】
また、基板取付ベース102の外縁部の下部に設けられた内壁102dがリフレクタ101に設けられた溝部149bの底部に当接し、リフレクタ101の外縁部の上部に設けられた上壁147が基板取付ベース102に設けられた溝部102eの底部に当接し、リフレクタ101の外縁部の下部に設けられた内壁149aが基板取付ベース102に設けられた溝部102kの底部に当接し、リフレクタ101の外縁部の側部に設けられた側壁148が基板取付ベース102に設けられた溝部102jの底部に当接することで前記隙間が保持されているので、意匠部材(カバー部材104、取付ベース100、インナーレンズ129、レンズ105,106)が遊技者から受けた衝撃は内壁102d、上壁147、側壁148、内壁149aから基板取付ベース102に確実に伝わるので、当該衝撃のLED基板150およびLED150aへの伝達を確実に抑制できる。したがって、LED基板150およびLED150aの破損を防止できる。
【0051】
また、基板取付ベース102を通してボス145,146にねじ160をねじ込むことによってリフレクタ101に基板取付ベース102が固定されているので、基板取付ベース102をリフレクタ101に容易に取り付けることができる。
このリフレクタ101は、上述した取付ベース100、前面カバー110、レンズ105,106、レンズカバー111,112、インナーレンズ129、ボールベース128等が一体化された組立体130に取り付けられているので、リフレクタ101に基板取付ベース102を取り付けることによって、遊技機の前面部に設ける意匠部35を組み立てることができる。
【0052】
なお、本実施の形態では、LED基板150およびLED150aを搭載している意匠部35を例にとって説明したが、本発明は、LED基板150およびLED150aに限らず、電子基板およびこの電子基板に実装された電子部品を有する意匠部35についても適用できる。