(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記赤色有機顔料が、下記(a)群から選択される少なくとも1種であり、前記青色有機顔料が下記(b)群から選択される少なくとも1種であり、前記紫色有機顔料が下記(c)群から選択される少なくとも1種である請求項1記載の黒色顔料組成物;
(a)群:
C.I.ピグメントレッド149、179、254、255、
(b)群:
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、60、
(c)群:
C.I.ピグメントバイオレット23、29。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<黒色顔料組成物>
本発明に係る黒色顔料組成物は、下記式(1)及び(2)から選択される少なくとも1種の黒色有機顔料、該黒色有機顔料以外の少なくとも2種の有色有機顔料(以下、単に「有色有機顔料」と称する場合がある。)、分散剤並びに溶剤を含む。
【0019】
式(1)、(2)で示される特定構造の黒色有機顔料は、波長380nm〜750nmの領域において可視光を効果的に吸収して透過率が低く、紫外線領域(380nmより短波長の領域)及び赤外線領域(750nmより長波長の領域)の吸収が、可視光領域に比べて抑制され、小さいという特性を有する。このような可視光領域での光線の吸収特性は、後述する方法で測定した際の光学濃度(OD値)により確認することができる。また、当該黒色有機顔料以外の少なくとも2種の有色有機顔料と組み合わせることで、ブラックカーボンを用いることなく可視光領域の光線は遮断可能で、紫外線及び赤外線の吸収は可視光領域よりも効果的に抑制することができる。そのため、例えば塗膜形成成分として光重合性成分を用いてカラムスペーサを形成する際に、紫外線により光重合性成分を十分に重合反応させることができるとともに、赤外線による露光時の位置合わせを行うことが可能である。また、耐溶剤性が良好である。ブラックカーボンに起因する液晶セルの特性への影響も回避することができる。
【0020】
このような黒色有機顔料は、例えば、BASF社製のLumogen Black FK4280を用いることができる。
【0021】
本発明の実施形態では、黒色顔料組成物における黒色有機顔料の含有量は、可視光領域での光線の吸収と、紫外線及び赤外線の領域での吸収の抑制とのバランスの観点からは、1〜12重量%が好ましく、1〜7重量%がより好ましい。
【0022】
本発明で用いることが可能な、有色有機顔料としては、赤色有機顔料、青色有機顔料、緑色有機顔料、紫色有機顔料、黄色有機顔料、橙色有機顔料、褐色有機顔料などが挙げられる。カラーインデックスNo.で示すと、例えば、下記のものを例示することができる。
【0023】
赤色有機顔料:ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、38、41、48、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、52、52:1、52:2、53:1、54、57:1、58、60:1、63、64:1、68、81:1、83、88、89、95、112、114、119、122、123、129、136、144、146、147、149、150、164、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、181、183、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、211、213、214、216、220、221、224、226、237、238、239、242、245、247、248、251、253、254、255、256、257、258、260、262、263、264、266、268、269、270、271、272、279。このうち、前述の黒色有機顔料及び他の有色有機顔料、特に青色有機顔料との組み合わせによるOD値の向上効果と紫赤外線と外線の吸収の抑制効果の観点からは、ピグメントレッド149、179、254、255が好ましい。
【0024】
青色有機顔料:ピグメントブルー1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、17:1、24、24:1、25、26、56、60、61、62、63、75、79、80等。このうち、前述の黒色有機顔料及び他の有色有機顔料との組み合わせによるOD値の向上効果と紫外線と赤外線の吸収の抑制効果の観点からは、ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、60が好ましく、ピグメントブルー15:6、16、60がより好ましい。
【0025】
緑色有機顔料:ピグメントグリーン1、4、7、8、10、36等。
【0026】
紫色有機顔料:ピグメントバイオレット1、2、3、3:1、3:3、5:1、13、17、19、23、25、27、29、31、32、36、37、38、42、50等。このうち、前述の黒色有機顔料及び他の有色有機顔料との組み合わせによるOD値の向上効果と紫外線と赤外線の吸収の抑制効果の観点からは、ピグメントバイオレット23、29が好ましく、ピグメントバイオレット29がより好ましい。
【0027】
黄色有機顔料:ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、9、10、12、13、14、15、16、17、24、49、55、60、61、61:1、62、63、65、73、74、75、77、81、83、87、93、94、95、97、98、99、100、101、104、105、106、108、109、110、111、113、114、116、117、120、123、124、126、127、128、129、130、133、138、139、150、151、152、153、154、155、165、167、168、169、170、172、173、174、175、176、179、180、181、182、183、185、191、191−1、193、194、199、205、206、209、209:1、212、213、214、215、219等。
【0028】
橙色有機顔料:ピグメントオレンジ1、2、3、4、5、13、15、16、17、19、24、31、34、36、38、40、43、46、48、49、51、60、61、62、64、65、66、67、68、69、71、72、73、74、81等。
【0029】
褐色有機顔料:ピグメントブラウン5、23、25、32、41、42等。
【0030】
本発明では、前述のような有色有機顔料を少なくとも2種含有するのが好ましい。これにより、前述の黒色有機顔料と相俟って、可視光領域の光線を効果的に吸収することができる。有色有機顔料は、3種以上含有させることができる。有色顔料の種類が多いほど可視光の吸収効果が大きいためである。しかし、その種類が多いと、有色顔料の分散性に不都合が生じる場合がある。そこで、本発明者が鋭意検討したところ、前述の所定の黒色有機顔料に、赤色有機顔料、青色有機顔料及び紫色有機顔料から選択される少なくとも2種を組み合わせることで、有色有機顔料の使用を抑制しつつ、所定の黒色有機顔料の吸収特性を保持可能で、波長380nm〜750nmの全領域の可視光を効果的に吸収し、紫外領域及び赤外領域の吸収は抑制可能であることを見出した。また、このような効果は、赤色有機顔料が(a)群であるC.I.ピグメントレッド149、179、254、255、から選択される少なくとも1種で、青色有機顔料が(b)群であるC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、60から選択される少なくとも1種で、(c)群であるC.I.ピグメントバイオレット23、29から選択される少なくとも1種ある場合に、より効果的に発揮される傾向にある。更に、赤色有機顔料及び青色有機顔料がそれぞれ(a)群から選択される1種及び(b)群から選択される1種である場合並びに青色有機顔料及び紫色有機顔料がそれぞれ(b)群から選択される1種及び(c)群から選択される1種である場合がさらに好適である傾向にある。
【0031】
本発明の実施形態では、有色有機顔料の含有量は、380〜750nmの全領域で可視光を効果的に吸収し、紫外線及び赤外線の吸収を効果的に抑制する観点からは、黒色有機顔料100重量部に対して50〜1000重量部が好ましく、100〜700重量部がより好ましい。尚、後述する顔料誘導体を用いる場合は、この有色有機顔料の含有量は、顔料誘導体を含めた合計量を意味する。
【0032】
本発明において使用可能な分散剤としては、例えば、樹脂型分散剤、界面活性剤型分散剤等が挙げられる。また、樹脂型分散剤には、樹脂の酸価とアミン価の違いから、アミン価が0で、酸価が0より大きい酸価型の分散剤、酸価が0で、アミン価が0より大きいアミン価型の分散剤、酸価及びアミン価が0より大きい分散剤がある。
【0033】
樹脂型分散剤としては、例えば、ポリウレタン;ポリエステル;不飽和ポリアミド;燐酸エステル;ポリカルボン酸及びそのアミン塩、アンモニウム塩、アルキルアミン塩;ポリカルボン酸エステル;水酸基含有ポリカルボン酸エステル;ポリシロキサン;変性ポリアクリレート;アルギン酸類、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム等の水溶性高分子化合物;スチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−メタクリル酸樹脂、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−マレイン酸エステル樹脂、メタクリル酸−メタクリル酸エステル樹脂、アクリル酸−アクリル酸エステル樹脂、イソブチレン−マレイン酸樹脂、ビニル−エステル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等のエチレン性二重結合含有樹脂;ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン等のアミン系樹脂;等が挙げられる。
【0034】
樹脂型分散剤は、市販のものを使用することができる。市販品の具体例は以下の通りであるが、これらに限定されるわけではない。
日本ルーブリゾール株式会社製:ソルスパース 3000、9000、13240、17000、20000、24000、26000、27000、28000、32000、32500、36000、38500、39000、55000、41000、
ビックケミー・ジャパン株式会社製:Disperbyk 108、110、112、140、142、145、161、162、163、164、166、167、171、174、182、190、2000、2001、2015、2050、2070、2150、LPN6919、LPN22101、LPN21116、
BASF社製:EFKA 4401、4403、4406、4330、4340、4010、4015、4046、4047、4050、4055、4060、4080、5064、5207、5244、PX4701、
味の素ファインテクノ株式会社製:アジスパー−PB821(F)、PB822、PB880、
川研ファインケミカル株式会社製:ヒノアクトT−8000、
楠本化成株式会社製:ディスパロンPW−36、ディスバロンDA−325、375、7301、
大塚化学株式会社製:TERPLUS D2015、MD1000等。
【0035】
また、樹脂型分散剤は、前述したような各種樹脂を定法に従って合成し、使用することができる。前述したような各種樹脂は、例えば、窒素雰囲気下にて溶媒中で1種以上のモノマー等や重合開始剤等を混合し、所定条件で重合反応させることで、単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等を得ることができる。
【0036】
また、本発明の実施形態では、環状アミン化合物由来の構造単位を含む重合体ブロック(A)と、ノニオン性水溶性化合物由来の構造単位及びアニオン性水溶性化合物由来の構造単位を含み、かつ前記環状アミン化合物由来の構造単位を含まない重合体ブロック(B)と、のブロック共重合体(I)を有効成分として含む樹脂型分散剤を用いることができる。このブロック共重合体(I)を含む樹脂型分散剤を用いることで、他の分散剤や後述するような顔料誘導体の使用量を低減することができる。顔料誘導体は、顔料に官能基を導入したものであるため、顔料及び官能基の特性によっては液晶セルの特性に影響を与える場合がある。しかし、このブロック共重合体(I)を含む樹脂型分散剤を使用することで、他の分散剤や顔料誘導体の使用量を低減可能なため液晶セルの特性への影響を低減することができる。
【0037】
ブロック共重合体(I)について詳説すると以下のとおりである。
【0038】
ブロック共重合体(I)は、A−B型のジブロック共重合体、A−B−A型又はB−A−B型のトリブロック共重合体、A−B−A−B型のテトラブロック共重合体、A−B−A−B−A型又はB−A−B−A−B型のペンタブロック共重合体、更にはそれ以上のマルチブロック共重合体等のいずれでもよいが、顔料、特に微細化顔料の分散性等の観点から、一方の末端に重合体ブロック(A)を配し、他方の末端に重合体ブロック(B)を配したブロック共重合体(I)が好ましい。
【0039】
重合体ブロック(A)は、環状アミン化合物の単独重合体、又は環状アミン化合物とそれに共重合可能な化合物との共重合体からなるブロックである。この共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。前記単独重合体及び共重合体に含まれる環状アミン単位は、必要に応じて4級化してもよい。環状アミン化合物としては、重合性二重結合を含む基(以下「重合性基」と称すことがある)を有する窒素複素環化合物を特に制限なく使用できるが、その中でも、重合性基を有する5員又は6員の含窒素複素環化合物がより好ましい。重合性基は好ましくはアルケニル基、より好ましくはビニル基である。
【0040】
重合性基を有する5員又は6員の含窒素複素環化合物の具体例としては、例えば、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−1H−ピラゾール、1−ビニル−2−イミダゾリン、2−ビニル−2−イミダゾリン、2−ビニルピラジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。これらの中でも、分散性等の観点から、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等が好ましい。環状アミン化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0041】
ブロック共重合体(I)における環状アミン単位の含有量は特に限定されないが、分散性等の観点から、ブロック共重合体(I)の全量に対して、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%、さらに好ましくは7〜20重量%である。
【0042】
また、環状アミン化合物に共重合可能な化合物を、ブロック共重合体(I)による効果を損なわない範囲で、環状アミン化合物と共重合させることができる。共重合可能な化合物としては、例えば、後述するノニオン性非水溶性化合物が挙げられ、その中でも、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン等が好ましい。これらの共重合可能な化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0043】
一方、重合体ブロック(B)は、ノニオン性水溶性単位とアニオン性水溶性単位とを含み、好ましくはノニオン性水溶性単位とアニオン性水溶性単位とノニオン性非水溶性化合物由来の構造単位(以下「ノニオン性非水溶性単位」と称すことがある)とを含み、かつ環状アミン単位を含まない共重合体からなるブロックである。重合体ブロック(B)は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよいが、後述する塗膜形成成分の樹脂や光重合体、分散樹脂等との相溶性等の観点から、ランダム共重合体であることが好ましい。
【0044】
ノニオン性水溶性単位は、ノニオン性水溶性化合物に由来する2価の構造単位である。ノニオン性水溶性化合物としては、ノニオン性及び水溶性であり、かつ重合可能な有機化合物であれば特に限定されないが、水酸基、及びアミド基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性基(以下単に「親水性基」と称することがある)を有し、重合可能なノニオン性水溶性有機化合物が好ましい。ノニオン性水溶性有機化合物は重合性基を有していてもよく、重合性基は好ましくはアルケニル基、より好ましくはビニル基である。
【0045】
親水性基を有し、重合可能なノニオン性水溶性有機化合物としては、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド化合物、N−ビニルピロリドン、アルキレンオキサイド等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0046】
ポリアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等の、アルキレン鎖の炭素数が2〜4であるポリアルキレングリコールが挙げられる。
【0047】
ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートとしては、例えば、アルキレン鎖の炭素数が2〜4であるポリアルキレングリコールとアクリル酸又はメタクリル酸との単官能又は多官能のエステルが挙げられ、より具体的には、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
【0048】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の、アルキル部分が炭素数1〜4の鎖状アルキルであるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0049】
(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
【0050】
アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられる。
【0051】
ブロック共重合体(I)におけるノニオン性水溶性単位の含有量は、後述する塗膜形成組成物を用いて例えばカラムスペーサを形成する際の現像性等の観点から、ブロック共重合体(I)の全量に対して、好ましくは40〜80重量%、より好ましくは45〜75重量%、さらに好ましくは45〜73重量%である。
【0052】
アニオン性水溶性単位は、アニオン性水溶性化合物に由来する2価の構造単位である。アニオン性水溶性化合物としては、アニオン性及び水溶性であり、かつ重合性基を有する有機化合物であれば特に限定されないが、カルボン酸基、スルホン酸基及びリン酸基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸基(以下単に「酸基」と称することがある)、並びに重合性基を1分子内に有するアニオン性水溶性有機酸化合物が好ましい。なお、重合性基は好ましくはアルケニル基であり、より好ましくはビニル基である。
【0053】
酸基及び重合性基を有するアニオン性水溶性有機酸化合物の具体例としては、例えば、カルボン酸化合物、スルホン酸化合物、リン酸化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0054】
カルボン酸化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、マレイン酸、桂皮酸、2−メチルマレイン酸、イタコン酸、2−メチルイタコン酸、ソルビン酸、α,β−メチルグルタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、及びこれらの塩等が挙げられる。
【0055】
スルホン酸化合物としては、例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルスルホン酸、(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸、2−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、2−メタクリロイルオキシエタンスルホン酸、及びこれらの塩等が挙げられる。
【0056】
リン酸化合物としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルリン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルリン酸、10−メタクリロイルオキシデカメチレンリン酸、4−ビニルベンジルリン酸、ペンタアクリロイルジペンタエリスリトールリン酸、及びこれらの塩や、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジエチル(ビニルフェニル)ホスフェート、4−ビニルベンゼンホスフィン酸ジエチルエステル、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート等のリン酸エステル等が挙げられる。
【0057】
なお、リン酸基は重合性基〔=P(O)(OH)〕ともなり得るので、リン酸や、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル類も、アニオン性水溶性有機酸化合物として使用できる場合がある。
【0058】
ブロック共重合体(I)におけるアニオン性水溶性単位の含有量は、分散性等の観点から、ブロック共重合体(I)の全量に対して、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは1〜10重量%である。
【0059】
ノニオン性非水溶性単位は、ノニオン性非水溶性化合物に由来する2価の構造単位である。ノニオン性非水溶性単位は、例えば、重合体ブロック(B)の親水性の程度を調整するために用いられる。また、ノニオン性非水溶性単位の親水性がより高い場合は、重合体ブロック(B)の親水性を高める働きがある。ノニオン性非水溶性化合物としては、ノニオン性及び非水溶性であり、かつ重合性基を有する有機化合物であれば特に限定されないが、鎖状炭化水素基、環状炭化水素基、芳香族炭化水素基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の疎水性基(以下単に「疎水性基」と称することがある)、並びに重合性基を1分子中に有するノニオン性非水溶性有機化合物が好ましい。なお、重合性基は、好ましくはアルケニル基であり、より好ましくはビニル基である。
【0060】
疎水性基及び重合性基を1分子中に有するノニオン性非水溶性有機化合物としては、例えば、鎖状アルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、スチレン系化合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0061】
鎖状アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の、アルキル部分の炭素数が1〜17であるアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0062】
シクロアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロノニル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート等の、シクロアルキル部分の炭素数が3〜10であるシクロアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アリール(メタ)アクリレートとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0063】
スチレン化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、4−アミノスチレン、4−ジメチルアミノスチレン、メトキシスチレン、クロロメチルスチレン、クロロスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルトルエン等の、炭素数1〜4の鎖状アルキル基、炭素数1〜4の鎖状アルコキシ基、ハロゲン原子、及びアミノ基よりなる群から選ばれる少なくとも1個を置換基として有するスチレン化合物が挙げられる。
【0064】
ブロック共重合体(I)におけるノニオン性非水溶性単位の含有量は、分散性等の観点から、ブロック共重合体(I)の全量に対して、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは15〜45重量%、さらに好ましくは20〜40重量%である。
【0065】
以上のように、ブロック共重合体(I)は、各単位の含有量の好ましい形態として、環状アミン単位5〜30重量%(より好ましくは5〜25重量%、さらに好ましくは7〜20重量%)、ノニオン性水溶性単位40〜80重量%(より好ましくは45〜75重量%、さらに好ましくは45〜73重量%)、及びアニオン性水溶性単位0.5〜20重量%(より好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは1〜10重量%)を含む第1形態、環状アミン単位、ノニオン性水溶性単位、及びアニオン性水溶性単位を第1形態と同じ割合で含み、さらにノニオン性非水溶性単位10〜50重量%(より好ましくは15〜45重量%、さらに好ましくは20〜40重量%)を含む第2形態を有している。
【0066】
ブロック共重合体(I)は、例えば、リビング(制御)ラジカル重合等の公知の重合方法を利用して合成できる。リビングラジカル重合法には、大別すると、ATRP(原子移動ラジカル重合)法、RAFT(可逆的付加開裂型連鎖移動重合)法、NMP(ニトロキシド媒介ラジカル重合)法、TERP(有機テルル媒介ラジカル重合)法、RTCP(可逆移動触媒重合)法等があり、これらを適宜選択して合成すればよい。
【0067】
リビングラジカル重合は、例えば、−100〜250℃、好ましくは0〜200℃、より好ましくは室温〜200℃、さらに好ましくは50〜150℃の温度下、無溶媒中(塊状重合)又は溶媒中で実施できる。
【0068】
溶媒としては重合反応に不活性な溶剤を特に限定なく使用でき、例えば、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等が挙げられる。
【0069】
リビングラジカル重合法により、ブロック共重合体(I)を製造するには、各構造単位の基になる原料化合物の所定量を逐次添加する方法、予め合成した一方の重合体ブロックを高分子重合開始剤として他方の重合体ブロックを重合する方法、別々に重合した重合体ブロックを反応により結合する方法等が挙げられる。原料化合物の逐次添加による場合は、先に仕込んだ原料化合物の転化率が80〜95%の時点で、次の原料化合物を仕込むことが望ましい。転化率は、例えば、ガスクロマトグラフ法、核磁気共鳴スペクトル法、重量法等により求められる。
【0070】
予め合成した一方の重合体ブロックを高分子開始剤として他方の重合体ブロックを重合する方法としては、例えば、一方の重合体ブロックの重合時の所望の時点で、リビング状態で一旦温度を下げ、重合を止めて、一方の重合体ブロックの原料化合物を減圧留去した後、他方の重合体ブロックの原料化合物を添加する方法が挙げられる。3つ目以降の重合体ブロックを重合させる場合にも、これと同様に操作すればよい。
【0071】
樹脂型分散剤の分子量は、特に限定はないが、重量平均分子量が1000〜100000が好ましい。但し、前述のブロック共重合体(I)については、分散性の観点から、重量平均分子量ではなく、ピークトップ分子量が、好ましくは3000〜100万、より好ましくは3000〜50万、さらに好ましくは4000〜10万、特に好ましくは4000〜5万、最も好ましくは5000〜3万の範囲である。ブロック共重合体(I)の分子量は、各構造単位の種類及び含有量、重合反応の停止のタイミング等を適宜選択することにより調整できる。
【0072】
樹脂型分散剤の酸価及びアミン価は、樹脂型分散剤を構成する樹脂に含まれる官能基とその含有量により決定される。酸価(固形分換算したときの酸価)は、例えば、DIN EN ISO 2114に準拠する方法により求めることができ、アミン価(固形分換算したときのアミン価)は、例えば、例えば、DIN 16945に準拠する方法により求めることができる。酸価型の分散剤の酸価は、特に限定はないが、20〜150mgKOH/gが好ましく、アミン価型の分散剤のアミン価は特に限定はないが、5〜30mgKOH/gが好ましい。酸価とアミン価が0より大きい分散剤の場合は、特に限定はないが、酸価が5〜50mgKOH/gが好ましく、アミン価が5〜50mgKOH/gが好ましい。但し、前述のブロック共重合体(I)については、分散性の観点から、酸価が好ましくは20mgKOH/g以上、より好ましくは20〜80mgKOH/g、さらに好ましくは25〜75mgKOH/gであり、かつ、アミン価が40mgKOH/g以上、より好ましくは40〜100mgKOH/g、さらに好ましくは42〜98mgKOH/gである。
【0073】
界面活性剤型分散剤としては、イオン性に応じて、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル等のアニオン活性剤(アニオン型)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン活性剤(ノニオン型)、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン活性剤(カチオン型)等が挙げられる。界面活性剤型分散剤も種々のものが市販されており、その具体例は以下の通りであるが、これらに限定されるわけではない。
花王株式会社製:デモール N、RN、MS、SN−B、エマルゲン 120、430、アセタミン 24、86、コータミン24P、
日光ケミカルズ株式会社製:NIKKOL BPS−20、BPS−30、DHC−30、BPSH−25、
第一工業製薬株式会社製:プライサーフ AL、A208F、
ライオン株式会社製:アーカード C−50、T−28、T−50、など。
【0074】
以上のような分散剤は、1種でもよいし、2種以上組み合わせたものでもよい。2種以上組み合わせる場合、例えば、樹脂型分散剤の場合は、樹脂の異なるもの同士、酸価型とアミン価型のものを組み合わせる、界面活性剤型分散剤の場合は、イオン性の異なるもの同士(例えば、アニオン型とノニオン型など)を組み合わせる、等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0075】
黒色顔料組成物中の分散剤の含有量(固形分又は有効成分)は、分散安定性の観点から、黒色有機顔料及び有色有機顔料の合計100重量部に対して2〜20重量部が好ましく、5〜10重量部がより好ましい。ただし、分散剤の最適な添加量は、使用する有機顔料の種類との組み合わせなどにより、適宜、調整するとよい。尚、後述する顔料誘導体を用いる場合は、この有色有機顔料の含有量は、顔料誘導体を含めた合計量を意味する。
【0076】
本発明の実施形態では、前述の分散剤に加えて、黒色有機顔料及び有色有機顔料を黒色顔料組成物中により安定して分散させるために分散助剤として顔料誘導体を用いてもよい。顔料誘導体を用いた場合、分散剤と親和性のある部分、或いは、極性基を導入した顔料誘導体が各有機顔料の表面に吸着し、これが分散剤の吸着点となり得る。その場合、顔料誘導体を介して有機顔料表面に分散剤を存在させることができるため、各有機顔料を微細な粒子としてより安定して黒色顔料組成物中に分散させることができる。また、その再凝集をより効果的に防止することもできる。但し、前述のように、顔料や導入した官能基の特性によっては、液晶セルの特性に影響する可能性がある。そのため、顔料誘導体を使用する場合は、この点及び分散性を考慮して種類や使用量を決定するのが望ましい。
【0077】
顔料誘導体は、具体的には有機顔料を母体骨格とし、側鎖に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。母体骨格となる有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。また、母体骨格としては、一般に、色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。
【0078】
顔料誘導体としては、特開平11−49974号公報、特開平11−189732号公報、特開平10−245501号公報、特開2006−265528号公報、特開平8−295810号公報、特開平11−199796号公報、特開2005−234478号公報、特開2003−240938号公報、特開2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
【0079】
黒色顔料組成物中の顔料誘導体の含有量(固形分)は、分散安定性の観点から、黒色有機顔料及び有色有機顔料の合計100重量部に対して2〜15重量部が好ましく、5〜10重量部がより好ましい。ただし、顔料誘導体の最適な添加量は、使用する有機顔料及び分散剤の種類との組み合わせ、液晶セルの特性への影響などにより、適宜、調整するとよい。尚、「黒色有機顔料及び有色有機顔料の合計100重量部」は、顔料誘導体を含まない合計量を意味する。
【0080】
黒色有機顔料及び有色有機顔料の粒径は、用途等に応じて適宜決定することができ、概ね一次粒子の平均粒子径即ち平均一次粒子径が20〜200であるものを好ましく用いることができる。また、例えば、カラムスペーサやブラックマトリクスの用途では、塗膜形成時に、より高いOD値を得る観点から、平均一次粒子径は20〜80nmであるのがより好ましい。尚、平均一次粒子径は、例えば、透過電子顕微鏡(TEM)による撮像中の複数(例えば50個)の一次粒子の最大幅の算術平均として算出することができる。
【0081】
本発明の実施形態では、有機顔料の種類によっては、平均粒子径を調整する観点等から、予めミリング処理を行ってもよい。ミリング処理は有機顔料の種類等に応じて定法に従って行うことができる。このようなミリング処理としては、例えば、ソルベントソルトミリング法等が挙げられる。
【0082】
本発明の実施形態では、黒色顔料組成物及び黒色塗膜形成組成物における有機顔料等の分散性をより向上させる観点から、前述の分散剤に加えて、分散助剤として分散樹脂を用いてもよい。このような分散樹脂は、特に、後述する黒色塗膜形成組成物において使用する塗膜形成成分が重合性成分、とりわけ、光重合性成分の場合に用いるのが好適である。本発明で使用可能な分散樹脂としては、後述するアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。分散樹脂は、黒色塗膜形成組成物に用いるアルカリ可溶性樹脂と同種の樹脂種でもよいし、異種の樹脂種であってもよい。分散樹脂の含量は、黒色有機顔料及び有色有機顔料の合計100重量部に対し、好ましくは10〜50重量部である。尚、顔料誘導体を用いる場合は、黒色有機顔料及び有色有機顔料の含有量は、顔料誘導体を含めた合計量を意味する。
【0083】
本発明で使用可能な溶剤としては、後述する塗膜形成成分の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族系、ケトン系、エステル系、グリコールエーテル系、アルコール系、脂肪族系等の各種の有機溶剤が挙げられる。このうち、塗膜形成性の観点からは、芳香族系、ケトン系、エステル系、グリコールエーテル系から選択される有機溶剤が好ましい。有機溶剤は、1種のみでもよいし、2種以上組み合わせたものでもよい。
【0084】
芳香族系の有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。
【0085】
ケトン系の有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセチルアセトン、イソホロン、アセトフェノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0086】
エステル系の有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、酢酸−3−メトキシブチル、エチルグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、モノクロロ酢酸メチル、モノクロロ酢酸エチル、モノクロロ酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ブチルカルビトールアセテート、乳酸ブチル、エチル−3−エトキシプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸プロピル、1,3−ブチレングリコールジアセテート等が挙げられる。
【0087】
グリコールエーテル系の有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等の水溶性のグリコールエーテル類、
エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコール−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート等の非水溶性のグリコールエーテル類等が挙げられる。
【0088】
アルコール系の有機溶剤としては、例えば、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0089】
脂肪族系の有機溶剤としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。
【0090】
溶剤の添加量は、後述する黒色塗膜形成組成物の調製に用いる場合には、取り扱い性の観点から、黒色有機顔料等を含む固形分濃度が50〜85重量%となるように添加することができる。
【0091】
本発明の黒色顔料組成物の実施形態には、前述した成分以外に他の添加剤を含んでもよい。
【0092】
黒色顔料組成物は、例えば、前述の各成分をビーズミル、サンドミル、ディスパー等の公知の分散機に添加し、分散することで得ることができる。即ち、黒色顔料組成物は、溶剤に黒色有機顔料及び有色有機顔料等の固形分が粒子として分散した分散体である。ここで、粒子とは、前述の黒色有機顔料や有色有機顔料の一次粒子等が凝集して形成された二次粒子を意味する。尚、各成分の添加の仕方は特に限定はなく、各成分を同時に混合したものを分散処理してもよい。また、各有機顔料及び溶剤と、分散剤及び/又は他の任意成分とを混合したものを分散して顔料毎に顔料組成物を調製し、それら顔料組成物を混合した後、再度分散してもよい。その他の方法でもよい。
【0093】
以上のようにして得られる黒色顔料組成物中に分散されている粒子の平均粒子径(以下では、「分散平均粒子径」と称する場合がある。)は、特に限定はないが、概ね30〜300nmであるものを好ましく用いることができる。また、例えば、カラムスペーサやブラックマトリクスの用途では、塗膜の表面平滑性の観点から、分散平均粒子径は30〜150nmであるのがより好ましい。尚、分散平均粒子径は、例えば、粒径測定機により測定することができる。また、粒径測定機としては、大塚電子株式会社製、FPAR−1000等が挙げられる。
【0094】
<黒色塗膜形成組成物>
本発明の黒色塗膜形成組成物の実施形態は、前述の黒色顔料組成物及び塗膜形成成分を含む。このように、前述のような黒色顔料組成物を含むことで、塗膜において前述の黒色有機顔料の作用により、波長380nm〜750nmの領域において可視光を効果的に吸収することができる。しかも、紫外線領域(380nmより短波長の領域)及び赤外線領域(750nmより長波長の領域)の吸収をフラットパネルの製造に影響のない程度に抑制することができる。また、当該黒色有機顔料以外の少なくとも2種の有色有機顔料と組み合わせることで、塗膜においてブラックカーボンを用いることなく可視光領域の光線は遮断可能で、紫外線及び赤外線の吸収は可視光領域よりも効果的に抑制することができる。さらに、前述の黒色有機顔料の作用により塗膜の耐溶剤性を向上することもできる。加えて、ブラックカーボンに起因する液晶セルの特性への影響も回避することができる。
【0095】
本発明の黒色塗膜形成組成物の実施形態で使用可能な塗膜形成成分としては、耐溶剤性が良好で、液晶セルの特性への影響が抑制され、塗膜の形成が可能な成分であれば、特に限定はなく、重合性の成分でもよいし、重合体でもよい。重合性の成分としては、現像(ネガ現像)により、パターニングを施すことが容易であることから、光重合性成分が好ましい。また、重合体としては、例えば、熱可塑性ウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレン・マレイン酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、カルド樹脂などが挙げられる。
【0096】
使用可能な光重合性成分としては、光重合性化合物及び光重合開始剤を含む。このような光重合性化合物及び光重合開始剤は、例えば、特開2009−179789号公報に記載のものを用いることができる。詳述すると、このような光重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該技術分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。光重合性化合物は、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。
【0097】
モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
【0098】
尚、これらの具体例は、特開2009−179789号公報に記載の通りであるが、脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
【0099】
これらの付加重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な黒色塗膜形成組成物の性能設計にあわせて任意に設定できる。
例えば、次のような観点から選択される。感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
【0100】
また、黒色塗膜形成組成物中の他の成分(例えば、アルカリ可溶性樹脂などのバインダーポリマー、光重合開始剤、着色剤(顔料))との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させ得ることがある。
【0101】
また、基材等との密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。光重合性化合物は、塗膜形成組成物中の不揮発性成分に対して、好ましくは5〜70重量%、より好ましくは10〜60重量%含まれる。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。その他、光重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択できる。
【0102】
前記光重合開始剤としても、特開2009−179789号公報に記載のものを用いることができる。
即ち、本発明に好適に用いることができる光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾイル系、キサントン系、活性ハロゲン化合物(トリアジン系、オキサジアゾール系、クマリン系)、アクリジン系、ビイミダゾール系、オキシムエステル系等である。
これらの具体例は、ベンゾフェノン系光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等が挙げられる。
【0103】
光重合開始剤の黒色塗膜形成組成物中における含有量としては、黒色塗膜形成組成物の全固形分に対して、0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0質量%である。光重合開始剤の含有量がこの範囲内であると、重合反応を良好に進行させて強度の良好な膜形成が可能である。
【0104】
本発明に係る黒色塗膜形成組成物の実施形態では、光重合性成分を含む場合は、前述の黒色顔料組成物及び光重合性成分以外に、アルカリ可溶性樹脂を含有してもよい。
【0105】
黒色塗膜形成組成物においてアルカリ可溶性樹脂を含有すると、例えばフォトリソグラフィ工程によるカラムスペーサの製造において、パターン形成に黒色塗膜形成組成物を適用した際において、パターン形成性をより向上させることができる。
【0106】
このようなアルカリ可溶性樹脂としては、特開2009−179789号公報に記載のものを用いることができる。簡単に述べると、本発明に用いることができるアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
【0107】
アルカリ可溶性樹脂の好適なものとしては、特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸とを合わせた総称であり、以下も同様に(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの総称である。
【0108】
(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
【0109】
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0110】
前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH
2=CR
5R
6、CH
2=C(R
5)(COOR
7)(ここで、R
5は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R
6は炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、R
7は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。)等を挙げることができる。
【0111】
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0112】
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、現像性の観点からは、5000〜50000が好ましい。
【0113】
アルカリ可溶性樹脂は、種々のものが市販されており、その具体例は以下の通りであるが、これらに限定されるわけではない。
昭和高分子株式会社製:リポキシSPC−2000、
三菱レイヨン株式会社製:ダイヤナ−ルNRシリーズ、
Diamond hamrock Co.Ltd.,製:Photomer6173(COOH含有Polyurethane acrylic oligomer)、
大阪有機化学工業株式会社製:ビスコートR−264、KSレジスト106、SOP−005、
ダイセル化学工業株式会社製:サイクロマーPシリーズ、プラクセルCF200シリーズ、
ダイセルユーシービー株式会社製:Ebecryl 3800、
株式会社日本触媒:RD−Y−503、等。
【0114】
アルカリ可溶性樹脂の黒色塗膜形成組成物中における含有量としては、黒色塗膜形成組成物の全固形分中で、1〜20重量%が好ましく、より好ましくは、2〜15重量%であり、特に好ましくは、3〜12重量%である。黒色顔料組成物に分散樹脂として含まれる場合は、合計量である。
【0115】
本発明に係る黒色塗膜形成組成物の実施形態では、光重合性成分を含む場合は、前述の黒色顔料組成物及び光重合性成分、アルカリ可溶性樹脂以外に、溶剤を含有してもよい。溶剤を用いることで、好適に調製することができる。
【0116】
このような溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル;3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン;等が挙げられる。
溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0117】
溶剤の黒色塗膜形成組成物中における含有量としては、黒色顔料組成物中の溶媒の種類、含有量を考慮して、黒色塗膜形成組成物中の全固形分(不揮発成分)含量が15〜50重量%となるように含まれるのが好ましい。
【0118】
塗膜形成成分として重合体を用いる場合も、光重合性成分を用いる場合と同様に、溶剤を用いてもよい。このような溶剤としては、前述の黒色顔料組成物で用いることが可能なもの、光重合性成分とともに用いることが可能なものを用いることができる。
【0119】
この場合も、溶剤の黒色塗膜形成組成物中における含有量としては、顔料分散体中の溶媒の種類、含有量を考慮して、黒色塗膜形成組成物中の全固形分(不揮発成分)含量が15〜50重量%となるように含まれるのが好ましい。
【0120】
本発明の黒色塗膜形成組成物には、必要に応じ、分散助剤、増感剤(増感色素)、連鎖移動剤、フッ素系有機化合物、熱重合開始剤、熱重合成分、充填剤、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、凝集防止剤、表面調整剤(レベリング剤)等の各種の添加剤を添加しても良い。黒色顔料組成物に含まれる場合は、添加量を調整すればよい。
【0121】
本発明に係る黒色塗膜形成組成物は、黒色顔料組成物に塗膜形成成分を添加し、ディスパー等により撹拌することで得られる。
【0122】
本発明に係る黒色塗膜形成組成物は、前述のように、塗膜において、ブラックカーボンを用いることなく、可視光領域のみの光を吸収し、耐溶剤性が良好である。また、製造工程における赤外線を用いた位置合わせが可能である。さらに、塗膜形成成分として光重合性成分を用いた場合は、紫外線による重合反応が良好で、製造工程への影響もない。そのため、例えば、液晶表示装置に用いられるフラットパネルのブラックカラムスペーサとして特に好適である。このほか、画像表示装置のカラーフィルターのブラックマトリクスとしても好適である。
【実施例】
【0123】
(製造例1)顔料誘導体1の製造
クロルスルホン酸200重量部に対して、PIGMENT RED 255(BASF社製、製品名イルガジン レツド L3551HD)が20重量部及び塩化チオニルが10重量部となるように添加し、60℃で5時間反応させた後、2リットルの氷水中に排出し、渡過及び水洗を行い、Pigment Red 255のクロルスルホン化物26.9重量部を得た。これを水200重量部中に分散させ、ジエチルアミノプロピルアミン8.3重量部を加え、80℃で1時間反応させた後、濾過、水洗、乾燥及び粉砕を行い、下式(3)に示す顔料誘導体1を31.5重量部得た。
【0124】
【化5】
【0125】
(製造例2)顔料誘導体2の製造
クロルスルホン酸200重量部に対して、PIGMENT VIOLET 23(DIC社製、製品名バイオレツト 23クルード)が20.4重量部及び塩化チオニルが20重量部となるように添加し、60℃で5時間反応させた後、2リットルの氷水中に排出し、渡過及び水洗を行い、PIGMENT VIOLET 23のクロルスルホン化物27.2重量部を得た。これを水200重量部中に分散させ、ジエチルアミノプロピルアミン15重量部を加え、80℃で1時間反応させた後、濾過、水洗、乾燥及び粉砕を行い、下式(4)に示す顔料誘導体2を31.9重量部得た。
【0126】
【化6】
【0127】
(製造例3)顔料誘導体3の製造
200重量部の88%硫酸を300mlの3ッ口フラスコに仕込んだ後、水冷下でPIGMENT RED 255(BASF社製、製品名イルガジン レツド L3551HD)を20重量部仕込み、40〜45℃で3時間反応させてスルホン化を行った。次に、この合成原液を水1Lを入れたビーカー中に排出した後、これを濾過し、そのペーストを2Lビーカーに移して水を1.5L加え、60〜70℃で1時間撹拌して十分に分散させた後、セチルトリメチルアンモニウムクロライド1重量部を添加して造塩させた。10分程撹拌した後、濾過及び水洗を行って得られたペーストを100℃で乾燥させ、下式(5)に示す顔料誘導体3を得た。
【0128】
【化7】
【0129】
(DM−3)
(製造例4)顔料誘導体4の製造
クロルスルホン酸200重量部中に銅フタロシアニンクルード(珠海東洋社製、製品名T−99 クルード ブルー、Pigment Blue 15:3)を40.2重量部及び塩化チオニル10重量部を添加し、60℃で5時間反応させた後、2リットルの氷水中に排出し、渡過及び水洗を行い、Pigment Blue 15のクロルスルホン化物47重量部を得た。これを水200g中に分散させ、ジメチルアミノプロピルアミン8.3重量部を加え、80℃で1時間反応させた後、濾過、水洗、乾燥及び粉砕を行い、下式(6)に示す顔料誘導体4を51.5重量部得た。
【0130】
【化8】
【0131】
(製造例5)樹脂型分散剤1の製造
ブチルアクリレート(ノニオン性非水溶性有機化合物)192.8重量部、メトキシポリエチレングリコール(n≒9)メタクリレート(ノニオン性水溶性有機化合物)321.9重量部、アクリル酸(アニオン性水溶性有機化合物)59.2重量部、N−(2−メチルプロピル)−N−(1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチルプロピル)−O−(2−カルボキシルプロプ−2−イル)ヒドロキシアミン(重合調整剤)15.0重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(反応溶媒)370重量部を2L容ステンレス鋼製セパラブルフラスコに仕込み、窒素バブリング及び撹拌をしながら、オイルバスにて系を125℃まで昇温し、昇温が終わってから6.5時間反応させ、重合体ブロックBを合成した。内容物を少量サンプリングし、GPC測定を行ったところ、ピークトップ分子量9570、Mw/Mn=1.43であった。
【0132】
次に4−ビニルピリジン(環状アミン化合物)56.1重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(反応溶媒)50重量部をフラスコに投入し、引き続き窒素バブリング及び撹拌をしながら125℃で4時間反応させた。内容物をサンプリングし、GPC測定を行なったところ、ピークトップ分子量10140、Mw/Mnは1.45であった。
【0133】
次いで系内温度を210℃まで昇温し、2.0kPaまで系内を減圧し、溶媒を留去してブロック共重合体(I)を取り出した。得られたブロック共重合体(I)をGPC測定したところ、ピークトップ分子量10990、Mw/Mnは1.49であった。また、酸価は74.0mgKOH/g、アミン価は52.9mgKOH/gであった。
【0134】
(製造例6)青色有機顔料2の製造
C.I.ピグメントブルー15:6(商品名:FASTOGEN Blue EP−207,DIC製)300重量部、中性無水芒硝(平均粒径約20μm、三田尻化学工業(株)製)3000重量部、溶剤としてジエチレングリコール((株)日本触媒製)750重量部を5Lニーダー((株)モリヤマ製、S5−2GH−S型)に添加し、混練物の温度が50℃になるように温度コントロールしながら9時間混練摩砕した。当該混練摩砕物を40℃の温水30Lに撹拌分散し、その後ヌッチェに移して濾過し、芒硝が完全に取り除かれるまで水洗を繰り返し、顔料水ペーストを得た。当該顔料水ペーストを、105℃で2時間乾燥させた。当該乾燥物を粉砕機(共立理工(株)製、小型粉砕機、サンプルミルSK−M2)で粉砕し、青色有機顔料2を330重量部得た。得られた青色有機顔料2の一次粒子の平均粒子径は、40nmであった。この平均粒子径は、TEMによる撮像から計測、算出した結果である。
【0135】
以下の、試験例、実施例及び比較例で使用した成分は下記のとおりである。
(a)前記式(1)及び(2)から選択される少なくとも1種の黒色有機顔料
黒色有機顔料1:BASF社製、Lumogen Black FK4280
(b)上記(a)以外の黒色有機顔料
黒色有機顔料2:BASF社製、Paliogen Black S0084
(c)有色有機顔料
赤色有機顔料1:DIC株式会社製、PERRINDO Maroon 179 229−6438、ピグメントレッド179(PR179)
赤色有機顔料2:クラリアント社製、PV Fast Red B、ピグメントレッド149(PR149)
赤色有機顔料3:シニック社製、シニレックス DPP レッド SR2P、ピグメントレッド254(PR254)
赤色有機顔料4:BASF社製、Irgazine Red L3551HD、ピグメントレッド255(PR255)
青色有機顔料1:DIC株式会社製、EP−210、ピグメントブルー15:6(PB15:6)
青色有機顔料2:製造例6
青色有機顔料3:BASF株式会社製、Heliogen Blue D7490、ピグメントブルー16(PB16)
青色有機顔料4:BASF株式会社製、Paliogen Blue EH1900、ピグメントブルー60(PB60)
紫色有機顔料:DIC株式会社製、PERRINDO VIOLET 29 229−4050、ピグメントバイオレッド29(PV29)
(d)分散剤
樹脂型分散剤1:製造例5
樹脂型分散剤2:ビックケミー・ジャパン株式会社製、Disperbyk LPN22102、アクリル系樹脂、酸価0mgKOH/g、アミン価32mgKOH/g
樹脂型分散剤3:大塚化学株式会社製、TERPLUS D2015、アクリル系樹脂、酸価30mgKOH/g、アミン価63mgKOH/g
樹脂型分散剤4:大塚化学株式会社製、TERPLUS MD1000、アクリル系樹脂、酸価30mgKOH/g、アミン価63mgKOH/g
(e)分散助剤
分散樹脂1:日本触媒株式会社製、RD−Y−503、アルカリ可溶性アクリル系樹脂
分散樹脂2:大阪有機化学社製、SOP−005、アルカリ可溶性アクリル系樹脂、酸価29mgKOH/g、アミン価116mgKOH/g、重量平均分子量19000
(f)溶剤
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)
(g)塗膜形成成分
塗膜形成樹脂:日本触媒株式会社製、RD−Y−507、アクリル系樹脂
【0136】
(実施例1〜7、比較例1)
<黒色顔料組成物の調製>
表1に示す組成(溶剤以外は固形分基準)になるように各成分を混合し、ビーズミルで分散し、黒色顔料組成物を得た。ビーズミルの粉砕媒体は、粒径がφ0.3mmのジルコニアビーズを用い、ミルベース量100重量部に対して400重量部となるように添加した。この媒体は、分散処理後に除去した。尚、表1に示す組成は重量部である。
【0137】
<黒色塗膜形成組成物の調製>
得られた各黒色顔料組成物に前述の塗膜形成樹脂を添加してディスパーにて撹拌し、黒色塗膜形成組成物を得た。塗膜形成樹脂の添加量は、各黒色顔料組成物に含まれる全有機顔料(顔料誘導体を含む)の合計100重量部に対して、分散剤、分散樹脂及び塗膜形成樹脂の合計が200重量部となるようにした。
【0138】
<塗膜の形成>
得られた各黒色塗膜形成組成物を用いて、各組成物につき膜厚が1μm及び3μmとなるようにガラス板にスピンコートした。プリベイクとして90℃、2.5分、ポストベイクとして230℃、30分加熱し、塗膜を形成した。
【0139】
<光学濃度(OD値)の測定>
膜厚3μmに調整して形成した塗膜を用い、OD測定装置(X−Rite 361T)により測定した。1μmを中心に膜厚を変えた3枚の塗膜のOD値を測定し、傾きと切片から膜厚が1μmの時の値をOD値として用いた。評価結果を表1に示す。
【0140】
<耐溶剤性>
膜厚1μmに調整して形成した塗膜を、2×4cmの大きさに切断し、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに80℃、1時間浸漬した後、NMP液の着色の有無を目視により確認した。評価結果を表1に示す。表1中、着色がなかったものを「〇」、着色が観察されたものを「×」として示した。
【0141】
【表1】
【0142】
(実施例8)
<黒色顔料組成物の調製>
表2に示す組成(溶剤以外は固形分基準)になるように各成分を混合し、ビーズミルで分散し、各顔料について顔料組成物1〜3を得た。ビーズミルの粉砕媒体は、粒径がφ0.3mmのジルコニアビーズを用い、ミルベース量100重量部に対して400重量部となるように添加した。この媒体は、分散処理後に除去した。尚、表2に示す組成は重量部である。13.3gの顔料組成物1、1.25gの顔料組成物2、2.55gの顔料組成物3を混合してディスパーにて撹拌し、黒色顔料組成物を得た。
【0143】
【表2】
【0144】
<黒色塗膜形成組成物の調製>
得られた黒色顔料組成物に前述の塗膜形成樹脂18.72gを添加してディスパーにて撹拌し、黒色塗膜形成組成物を得た。
【0145】
<塗膜の形成及び評価>
実施例1と同様にして、膜厚の異なる塗膜を形成した。得られた塗膜を用いて、実施例1と同様にして、OD値、耐溶剤性を評価した。OD値は、1.24(/μm)であった。また、NMPの着色はなかった。
【0146】
実施例1〜8、比較例1の結果より、実施例は比較例よりOD値が高く、かつ、実施例ではNMPの着色はなかった。したがって、実施例のように特定の黒色有機顔料と、少なくとも2種の有色有機顔料を用いることで、OD値が高く、即ち、可視光領域の全ての波長において光線の吸収が良好で、しかも、耐溶剤性も良好であることが分かる。また、実施例1〜8で用いた各顔料では、紫外線及び赤外線は可視光より吸収が抑制されることは当業者には自明である。さらに、実施例1〜7と、実施例8との対比より、所定の分散剤を用いた場合は、分散剤や顔料誘導体の使用を低減することが可能である。