(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
<概要>
一態様に係る照明装置は、設置面に取り付けられる取付器具と、光源ユニットを収容する筐体が前記取付器具に着脱可能に装着される照明器具とを備え、前記取付器具は、前記設置面に対向して取り付けられる取付部と、前記取付部の上端から前記設置面と反対側に延伸する上側延伸部と、前記取付部の下端から前記設置面と反対側であって斜め上方に延伸する下側延伸部とを有し、前記照明器具の筐体は、前記取付器具に装着する際に、前記上側延伸部により支持される上側被支持部と、前記下側延伸部により支持される下側被支持部とを有する。
別態様に係る照明装置において、前記照明器具は長尺状をし、前記光源ユニットは、前記照明器具の長手方向に長い基板に複数個のLED素子が実装され且つ上方を照射する主光源ユニットと、前記主光源ユニットにおける長手方向の両側に配され且つ下方を照射する副光源ユニットとを備える。
別態様に係る照明装置において、前記筐体は、前記上側被支持部と前記下側被支持部とを有するフレームと、前記フレームに取り付けられるカバーとを備え、前記カバー内であって前記フレームに対して前記設置面と反対側に前記主光源ユニットが収容されている。
別態様に係る照明装置において、前記フレームは前記上側被支持部と前記下側被支持部とを連結する連結部を備える。
別態様に係る照明装置において、前記主光源ユニットは、前記カバーに支持されている遮光板に主射方向を変更可能に取り付けられている。
別態様に係る照明装置において、前記主光源ユニットは、前記連結部に取り付けられている。
【0010】
<第1実施形態>
1.全体構造
一例としての照明装置は、例えば、病室や客室のベッド付近の壁(設置面である)に設置されて使用される。以下で説明する照明装置は、一部屋に1つのベットが配された病室や客室に設置される、所謂、1床用である。
照明装置100は、
図1に示すように、取付器具101と照明器具111とを備える。
取付器具101は、図示しないねじ等の固定具を利用して、設置面に取り付けられる。
照明器具111は、光源ユニット(112,113)と、光源ユニット(112,113)を収容する筐体114とを備え、筐体114が取付器具101に着脱可能に装着される。
光源ユニットは、
図3に示すように、上方を照射する主光源ユニット112と、主光源ユニット112における長手方向の両側に配され且つ下方を照射する副光源ユニット113とを備える。主光源ユニット112はベース照明用であり、副光源ユニット113は足元灯用である。
【0011】
ここで、設置面に対して直交する方向を前後方向とする。水平方向については、設置面に対向した状態で、右手側を右側、左手側を左側とし、単に長手方向ともいう。
以下、取付器具101と照明器具111について詳細に説明する。
【0012】
2.取付器具
図1及び
図2を用いて説明する。
取付器具101は、設置面に取り付けられる設置具102と、設置具102に設けられた端子台103,103,105を備える。
設置具102は水平方向に長い長尺状をしている。設置具102は、設置面に取り付けられる取付部の一例である取付板部106と、取付板部106の上端から前側に延伸する上側延伸部の一例である上側延伸板部107と、取付板部106の下端から前側であって斜め上方に延伸する下側延伸部の一例である下側延伸板部108とを有する。
取付板部106は、
図1に示すように、設置面から導出する電源ケーブル(図示省略)用の貫通孔106aや固定具用の貫通孔106bを有する。
上側延伸板部107の上面は水平な平坦面である。上側延伸板部107は、
図1に示すように、照明器具111を装着(係合)した状態で照明器具111を固定するねじ109用の貫通孔107aを有する。上側延伸板部107は、照明器具111を下方から支持するために、上側に屈曲する凸部分107bを長手方向に間隔をおいて複数個有している。
なお、設置具102は、例えば、一枚の長尺金属板から、横断面が「コ」字状に近い形状にプレス加工されてなる。
照明装置100の点灯・消灯の他調光等は壁スイッチで行われる。ここでは、2つの端子台103は、主光源ユニット112用と2つの副光源ユニット113用である。端子台105は、主光源ユニット112の調光信号用である。端子台103には、壁スイッチを介して商用電源側の電源ケーブルと、照明器具の点灯回路と接続された電源ケーブルとが接続される。端子台105には、壁スイッチの信号ケーブルと、照明器具の点灯回路と接続された信号ケーブルとが接続される。
【0013】
3.照明器具
照明器具111は、
図2及び
図3に示すように、主光源ユニット112、2個の副光源ユニット113、フレーム115、カバー116を備える。照明器具111は、主光源ユニット112から所望方向(例えば前側)に出射された光を遮断する遮光板117を備える。主光源ユニット112は遮光板117に取付けられている。なお、筐体114はフレーム115とカバー116とから構成される。
照明器具111は、
図2に示すように、主光源ユニット112用の主点灯回路ユニット118を備える。主点灯回路ユニット118は、
図5に示すように、主光源ユニット112に組み込まれ、一体として組み立てられている。照明器具111は、
図3に示すように、副光源ユニット113用の副点灯回路ユニット119を備える。副点灯回路ユニット119は遮光板117に取り付けられている。
【0014】
(1)主光源ユニット
主に、
図5〜
図7を用いて、主光源ユニットを説明する。
主光源ユニット112は、
図6に示すように、光源である複数個のLED素子121と、複数個のLED素子121を実装するLED基板122とから構成されるLEDモジュール120と、LEDモジュール120を載置する載置部材123とを備える。
ここでのLED基板122は長手方向に延伸する長尺矩形状をし、複数個のLED素子121が長手方向に間隔をおいて実装されている。なお、LEDモジュール120は2個ある。
載置部材123は上面が平坦な長尺筒状をしている。LEDモジュール120は、接着シート124により載置部材123の上面に固定された反射シート125を介して、載置部材123に載置されている。
【0015】
載置部材123は例えばアルミニウム材料により構成されている。載置部材123は、
図5及び
図6に示すように、長尺矩形状の平坦部126と、平坦部126における短手方向の両端から下方に半円状に延伸する半円部127と、平坦部126の短手方向の両端から上方にL字状に延伸するL字部128と、半円部127の内周面の平坦部126側に形成された溝部129とを有する。
図5に示すように、平坦部126にはLEDモジュール120が載置される。半円部127の内部には主点灯回路ユニット118が収容される。平坦部126の両側の2個のL字部128により、後述の押さえ具131の係合部134が係合する溝部128aが形成される。溝部129には、
図6に示すように、主基板取付具143を固定するためのねじ150が螺合する。
【0016】
LEDモジュール120の載置部材123への固定は、
図6に示す押さえ具131と挟持具135とを利用している。
押さえ具131は、
図8の(a)及び
図5に示すように、LED基板122の上面に当接する2本の当接部132と、2本の当接部132を連結する2本の連結部133と、連結部133における短手方向の両端部に設けられ且つ載置部材123の溝部128aに係合する係合部134とを有する。なお、当接部132はLED基板122の短手方向に延伸し、長手方向に間隔をおいて2本ある。2本の当接部132の間には、
図7に示すように、LED素子121が位置する。係合部134は、
図5に示すように、LED基板122の短手方向に延伸している。
挟持具135は、
図7及び
図8の(b)に示すように、LED基板122の短手方向の角部に当接する基板側当接部分136と、載置部材123の平坦部126の内面に当接する部材側当接部分137(
図5参照)とを上下に有する挟持部138とを有する。挟持具135は、2個の挟持部138をLEDモジュール120の短手方向に間隔をおいて有し、2個の挟持部138を連結する連結部139を有している。なお、挟持具135は、
図7に示すように、載置部材123の端部の欠け部123aを利用して取り付けられる。
【0017】
(2)主点灯回路ユニット
主に、
図5及び
図6を用いて、主点灯回路ユニット118を説明する。
主点灯回路ユニット118は、点灯回路や調光回路等を構成するための複数個の電子部品140と、複数個の電子部品140を実装する長尺状の主回路基板141とを有する。主点灯回路ユニット118は、筒状の絶縁ケース142内に配された状態で、載置部材123の内部に収容されている。主回路基板141は、
図9に示すように、主基板取付具143を利用して載置部材123に固定される。
【0018】
主基板取付具143は、
図9に示すように、載置部材123内に挿入される半円筒部144と、半円筒部144の一端(長手方向の外側端)に設けられ且つ載置部材123に固定される固定部145と、半円筒部144の他端から固定部145と反対側に延伸して主回路基板141の下面に当接する下当接部146と、半円筒部144の他端から固定部145と反対側に延伸して主回路基板141の上面に当接する上当接部147と、下当接部146の上面から上方へ突出する上突出部148と、上当接部147における主回路基板141の短手方向の端部から短手方向に張り出す横張出部149とを有する。
【0019】
固定部145は、
図9に示すように、上方が開放する「U」字状をし、半円筒部144の一端部から径方向の外方及び内方に張り出すような形状をしている。外方に張り出した外張出部分145bは載置部材123の端面に当接する。固定部145は、載置部材123の溝部129に螺合するねじ150(
図6参照)用の貫通孔145aを有する。なお、ねじ150は、
図10に示すように、主光源ユニット112を遮光板117に装着する際に、装着具157の貫通孔159aを挿通した後に、固定部145の貫通孔145aを挿通する。
【0020】
上突出部148は、
図9に示すように、主回路基板141の端部に形成された貫通孔141aに嵌合する。これにより、主回路基板141の端部が上当接部147と下当接部146とで支持された状態で主基板取付具143に固定される。横張出部149は、絶縁ケース142の側壁に形成された貫通孔142aに嵌合する。これにより、主基板取付具143が絶縁ケース142に固定される。
【0021】
(3)遮光板
図2、
図4及び
図10を用いて遮光板117を説明する。
遮光板117は、
図2に示すように、主光源ユニット112からの光が照明器具111の前方から出射しないように、主光源ユニット112からの光を遮断する。遮光板117は主光源ユニット112からの光を上方又は下方に反射させる。つまり、遮光板117は遮光機能と反射機能とを有する。
遮光板117は薄板をプレスして構成されている。遮光板117は、
図4に示すように、長手方向に長い長尺状をし、短手方向に1回又は複数回曲げられている。ここでは4回曲げられている。
遮光板117は、
図2に示すように、主光源ユニット112を装着する光源装着機能と、副点灯回路ユニット119を装着する回路装着機能と、筐体114内で姿勢を維持するための姿勢維持機能とを有する。
【0022】
遮光板117は、
図2及び
図4に示すように、後側から、後側傾斜部151、中側水平部152、中側傾斜部153、立設部154、前側水平部155をこの順で有する。
図2に示すように、後側傾斜部151は中側水平部152から後下がりに傾斜する。後側傾斜部151は、その後端が筐体114の内面(下カバー体202の上延伸部211の基部)に当接し、姿勢維持機能の一部を構成する。
中側水平部152の下面は、
図2示すように、筐体114の支持部208により支持され、中側水平部152は姿勢維持機能の一部を構成する。
【0023】
図2に示すように、中側傾斜部153は中側水平部152の前端から前上がりに傾斜する。中側傾斜部153には主光源ユニット112をその姿勢(主出射方向)を変更可能に装着するための装着具157が取付けられている。装着具157は、
図10に示すように、遮光板117の中側傾斜部153に、例えば、ねじ160により取り付けられる取付板部158と、取付板部158の長手方向の内側端から立設して主光源ユニット112を装着する装着板部159とを有する。
装着は、
図10に示すように、2個のねじ150が装着板部159の貫通孔159aを挿通して、主光源ユニット112の載置部材123の溝部129(
図5参照)に螺合することで、行われる。装着板部159は、2個のねじ150の中心距離を直径とする円周上に中心を挟んで対向する複数部位に貫通孔159aを有している。これにより、主光源ユニット112を姿勢変更可能に装着できる。なお、装着板部159は図外の電源ケーブルや信号ケーブル用の貫通孔159bを中央に有する。
【0024】
遮光板117の立設部154は、
図2に示すように、中側水平部152の前端から立設する。立設部154は、
図4に示すように、副点灯回路ユニット119を前面に取り付けるためのねじ孔154aを有している。ねじ孔154aにはねじ162が螺合する。
前側水平部155は、
図2に示すように、筐体114の前カバー体201のリブ203a,204aと当接して支持され、前側水平部155は姿勢維持機能の一部を構成する。
【0025】
(4)副光源ユニット
主に
図11及び
図12を用いて副光源ユニット113を説明する。
副光源ユニット113は、
図11に示す光源であるLED素子165が基板166に実装されてなるLEDモジュール167と、LED素子165からの光に対して光学処理(集光、拡散等)を行う第1光学部材168及び第2光学部材169と、LEDモジュール167と第1及び第2光学部材168,169を収容するユニット筐体170とを有する。
【0026】
第1光学部材168は、集光機能を有するレンズであり、第2光学部材169の小径筒部172の筒軸方向の略中央位置に焦点ができるように集光する。第2光学部材169は、第1光学部材168から出射された光を所望の方向に反射する。第2光学部材169は、第1光学部材168を収容する大径筒部171と、内周面が反射面であり且つ大径筒部171よりも細い小径筒部172とを有する。
【0027】
ユニット筐体170は、LEDモジュール167、第1及び第2光学部材168,169を収容する本体173と、本体173の上端の開口を覆う蓋体174とを有する箱状をしている。
本体173は、
図12に示すように、LEDモジュール167を支持するリブ175と、第2光学部材169の大径筒部171を支持する支持板176とを内面に有する。本体173は、
図11に示すように、底壁177に貫通孔177aを有している。この貫通孔177aからLED素子165からの光が出射される。
本体173は、副光源ユニット113を筐体114に取り付けるための取付部を有している。取り付けには、
図14の(a)に示すように、ねじ236と、サイドカバー体199の収容部242内のナット239が利用される。
取付部は、後壁178に形成されたねじ236用の貫通孔178aと、
図11に示すように側壁179に形成されたサイドカバー体199の収容部242用の貫通孔179aとを備える。なお、副光源ユニット113の取り付けについては後述する。
本体173は、
図12に示すように、蓋体174用のねじ穴179bを側壁179の肉厚部179cに有している。
本体173は、副光源ユニット113を筐体114に対して位置決めするための位置決め部を有している。位置決め部は、
図11に示すように、矩形状の底壁177における前側端と外側端(サイドカバー体が存在する側)とから下方に張り出す鍔部分177b,177cにより構成されている。
【0028】
蓋体174は、
図11に示すように、本体173側が開放する浅底の箱状をしている。蓋体174は、本体173を取り付けるための取付部を有している。取付部は、側壁180から長手方向の外方へと張り出す張出片180aに設けられた貫通孔180bにより構成されている。この貫通孔180bを挿通するねじ183が本体173のねじ穴179bに螺合する。
蓋体174は、
図11に示すように、下端部に段差181を有し、当該段差181が本体173の上端の開口に嵌合する。蓋体174はLEDモジュール167用の配線を通す欠け部182aを有している。欠け部182aは後壁182に形成されている。なお、欠け部182aは貫通孔でも代用できる。
【0029】
(5)副点灯回路ユニット
図2及び
図4を用いて副点灯回路ユニット119を説明する。
副点灯回路ユニット119は、点灯回路を構成するための複数個の電子部品と、複数個の電子部品を実装する長尺状の副回路基板185(
図2参照)とを有する。副点灯回路ユニット119は、
図2に示すように、筒状の絶縁シート186内に配された状態で、副回路ケース187の内部に収容される。
副回路基板185には、端子台103や副光源ユニット113と接続する電気ケーブルに接続するためのコネクタ等が設けられている。
副回路ケース187は、
図4に示すように、長尺箱状をし、長手方向に張り出す張出部188に貫通孔を有している。この貫通孔に挿通するねじ162が遮光板117の立設部154のねじ孔154aに螺合する。これにより副点灯回路ユニット119が、副回路ケース187の長手方向と遮光板117の長手方向とが略一致する状態で、遮光板117に取り付けられる。
なお、副回路ケース187は、
図2に示すように、端子台103や副光源ユニット113と接続する電気ケーブル用の貫通孔187aを有している。
【0030】
(6)筐体
図2、
図3及び
図13〜
図15を用いて筐体114を説明する。
筐体114は、
図2に示すように、取付器具101に着脱可能に装着されるフレーム115と、フレーム115に取付けられるカバー116とを有する。
主光源ユニット112は、
図2に示すように、カバー116内であってフレーム115に対して前側に収容されている。副光源ユニット113は、
図15に示すように、フレーム115とカバー116(サイドカバー体199)とに跨る状態で設けられている。
【0031】
(6−1)フレーム
フレーム115は、照明器具111が取付器具101に装着される際に、
図2に示すように、取付器具101の上側延伸板部107により支持される上側被支持部(191)と、取付器具101の下側延伸板部108により支持される下側被支持部(194)とを有する。
フレーム115は薄板をプレスして構成されている。フレーム115は、長手方向に長い長尺状をし、
図13の(a)に示すように、短手方向に1回以上曲げられている。ここでは3回曲げられている。フレーム115は、上側から、水平部191、立設部192、第1傾斜部193、第2傾斜部194とをこの順で有している。
【0032】
水平部191は、
図13に示すように、カバー116の上カバー部(上カバー体200)と当接する状態で固定されている。固定には、例えば、ねじ196とナット195とが利用されている。水平部191は、
図2に示すように、照明器具111が取付器具101に装着される際に又は装着された後に、取付器具101の上側延伸板部107により支持される上側被支持部の一例である。水平部191は、
図1に示すように、照明器具111(筐体114)を取付器具101に固定するための固定部を有する。ここでの固定にはねじ109が利用され、固定部は貫通孔191a(図示省略)により構成される。なお、水平部191の後端部は下側に折り返された折返し部191bとなっている。これにより安全性を高めている。
【0033】
図13の(a)に示すように、立設部192は水平部191の前端から下方に延伸する。立設部192は、筐体114を構成するサイドカバー体199と固定される固定部を有している。ここでの固定には、
図15の(b)に示すねじ197が利用され、固定部は
図13に示すように貫通孔192aにより構成される。
第1傾斜部193は立設部192の下端から斜め後方へ延伸する。
【0034】
第2傾斜部194は、
図13に示すように、第1傾斜部193の下端から斜め後方へと延伸する。第2傾斜部194は、
図2に示すように、取付器具101の下側延伸板部108と略平行であって係合可能に延伸する。つまり、第2傾斜部194は、水平部191が取付器具101の上側延伸板部107にねじ109で固定された際に、第2傾斜部194の後端部が下側延伸板部108により支持され、下側被支持部の一例である。なお、
図2では、第2傾斜部194は下側延伸板部108に支持されていないが、筐体114内に主光源ユニット112を収容した際に、その重みで第1傾斜部193及び第2傾斜部194が下方に変形して、第2傾斜部194が下側延伸板部108により支持される。
【0035】
第2傾斜部194は、
図13の(b)カバー116の下カバー体202に固定するための固定部を有する。ここでの固定にはねじ198が利用され、固定部はねじ198用の貫通孔194a(図示なし)より構成される。
第2傾斜部194及び下カバー体202は、
図13の(b)や
図14の(a)に示すように、副光源ユニット113を位置決めするための欠け部194b,202aを有している。
ここでのフレーム115は、上述の通り、1枚の薄板をプレスしているため、上側被支持部である水平部191と下側被支持部である第2傾斜部194とを連結する連結部は、立設部192と第1傾斜部193とで構成される。
【0036】
(6−2)カバー
カバー116は、長手方向の両端に位置するサイドカバー部と、上部側に位置する上カバー部と、前部側に位置する前カバー部と、下部側に位置する下カバー部とを有する。
カバー116は複数個の部材から構成される。具体的には、
図13に示すように、サイドカバー部はサイドカバー体199(
図3参照)により、上カバー部は上カバー体200により、前カバー部は前カバー体201により、下カバー部は下カバー体202によりそれぞれ構成されている。
上カバー体200がフレーム115の水平部191に固定され、下カバー体202がフレーム115の第2傾斜部194に固定される。
【0037】
(6−2−1)上カバー体
上カバー体200は透光性を有する樹脂材料に構成されている。上カバー体200は、
図13に示すように平板状をし、
図1に示すように後端部にフレーム115や取付器具101に固定するための貫通孔200a,200bを有している。
上カバー体200の前端部は前下がりの段差部となっている。換言すると、
図13の(b)の拡大図に示すように、上カバー体200は前端面の下端から前方に張り出す張出部200cを有している。また、拡大図に示すように、上カバー体200は長手方向に沿って設けられた溝200dを前端部の下面に有している。張出部200c及び溝200dは前カバー体201との組立の際に利用される。
【0038】
(6−2−2)前カバー体
前カバー体201は樹脂材料やアルミ材料等により構成されている。前カバー体201は、
図13に示すように、円形状の約1/4に相当する前円弧状部203と、前円弧状部203の上端から後方(水平)に延伸する上水平部204と、前円弧状部203の下端から上方に延伸する下垂直部205とを有している。
前カバー体201は上カバー体200と係合する上係合部206を上水平部204の後端部に有する。前カバー体201は下カバー体202と係合する下係合部207を下垂直部205の上端部に有する。前カバー体201は筐体114内で遮光板117を支持する支持部208を有している。
以下、各部について説明する。
【0039】
図13に示すように、前円弧状部203は裏面(後面)の上端部に補強用のリブ203aを長手方向に沿って有している。前円弧状部203は裏面における上下方向の略中央に後方に「T」字状に張り出すT字リブ203bを有している。
上水平部204は裏面(下面)における前後方向の略中央に補強用のリブ204aを長手方向に沿って2列有している。
上水平部204は遮光板117を固定するための固定部を有している。固定には
図14の(b)に示すねじ215を利用し、固定部は貫通孔204bにより構成されている。なお、貫通孔204bは、
図13の(a)に示すように、2列あるリブ204a間であって長手方向の両端側に設けられている。また、ねじ215はサイドカバー体199の固定も併せて行う。つまり、ねじ215は、前カバー体201の貫通孔204b、遮光板117の前側水平部155の貫通孔155a(
図4及び
図14の(a)参照)を挿通し、サイドカバー体199の収容部240内のナット237に螺合する。
下垂直部205は、
図13に示すように、前側に傾斜する状態で延伸している。下垂直部205は直線状に延伸し、後述の下カバー体202の前延伸部210と当接する。
【0040】
上係合部206は、
図13の(b)の拡大図に示すように、上水平部204の後端部204cと、上水平部204の後端縁より少し前側部位から下方に向かった後上方に延伸する係合片206aとから構成される。上水平部204の後端部(の下面)には、上カバー体200の張出部200c(の上面)が係合(当接)し、係合片206aの先端部は上カバー体200の溝200dに係合する(嵌る)。なお、ここでの係合片206aの横断面形状は上方が開放する「コ」字状をしている。
【0041】
下係合部207は、
図13に示すように、下カバー体202の前延伸部分210bが挿入される溝207aにより構成されている。具体的には、
図13の(b)に示すように、溝207aは、下垂直部205の上端部から前側に延伸する下延伸部分207bと、下延伸部分207bの前端付近から上方に立設する立設部分207cと、立設部分207cから後ろ側に延伸する上延伸部分207dとから構成される。
支持部208は、
図13に示すように、遮光板117の中側水平部152を下方から当接する当接部分208a,208bにより構成されている。当接部分208a,208bは前後方向に間隔をおいて設けられている。これにより、遮光板117を安定した状態で支持できる。なお、当接部分208a,208bは、
図13の(b)に示すように、下係合部207の上延伸部分207dの上面に設けられている。
【0042】
(6−2−3)下カバー体
下カバー体202は透光性を有する樹脂材料に構成されている。下カバー体202は、
図2に示すように、上方が開放する「コ」字状に似た形状をしている。
下カバー体202は、前カバー体201の前円弧状部203の後端から、そのまま円弧状に後方に延伸する下円弧状部209と、下円弧状部209から斜め前方に逆「L」字状に延伸する前延伸部210と、下円弧状部209の後端から上方に延伸する上延伸部211と、上延伸部211の上端から後方に水平に延伸する水平延伸部212と、水平延伸部212の後端から斜め前方に延伸し且つその延伸途中で登りの段差を有する段付き延伸部213とを有する。
下カバー体202の各部のうち、少なくとも水平延伸部212は透光性を有し、主光源ユニット112からの光が水平延伸部212から外部へと出射される。
以下、各部について説明する。
【0043】
前延伸部210は、
図13に示すように、前上がり傾斜状に延伸する延伸部分210aと、延伸部分210aの先端前側に屈曲して延伸する前延伸部分210bとを有する。延伸部分210aは前カバー体201の下垂直部205に当接する。前延伸部分210bは、
図13の(a)に示すように、前カバー体201の溝207aに係合(嵌合)する。
下円弧状部209と上延伸部211との連結部分である直角部分には、
図2に示すように、遮光板117の後側傾斜部151の後端部が当接する。これにより、遮光板117が前後方向に移動するのを規制できる。
段付き延伸部213は、
図2に示すように、フレーム115の第2傾斜部194と略平行に延伸する下傾斜延伸部分213aと、段差部213bを介して第2傾斜部194と略平行に延伸する上傾斜延伸部分213cとを有する。段付き延伸部213はフレーム115の第2傾斜部194に固定されている。固定には、
図2等に示すように、ねじ198Aとナット198Bとが利用され、上傾斜延伸部分213cに固定部としての貫通孔が設けられている。
【0044】
段付き延伸部213は、
図2に示すように、段差部213bを有しており、上傾斜延伸部分213cが第2傾斜部194と当接する状態で固定されると、第2傾斜部194と下傾斜延伸部分213aとの間に隙間が形成される。この隙間に、
図2に示すように、取付器具101の下側延伸板部108が進入する。
段付き延伸部213及び水平延伸部212の長手方向の全長は、
図13の(b)に示すように、下円弧状部209、前延伸部210の全長よりも短く、水平延伸部212及び段付き延伸部213の長手方向の両端の外側に欠け部202aが存在する。なお、欠け部202aには、
図14の(a)に示すように副光源ユニット113が配される。
【0045】
(6−2−4)サイドカバー体
図2、
図14及び
図15を用いてサイドカバー体199を説明する。
サイドカバー体199は、
図14の(b)に示すように、フレーム115、上カバー体200、前カバー体201及び下カバー体202の両端を塞ぐ板状の蓋部220と、蓋部220の周縁からフレーム115側に向かって張り出す鍔部221とを有する。
【0046】
図14に示すように、蓋部220は、フレーム115、上カバー体200、前カバー体201及び下カバー体202が結合された状態を長手方向から見たときの外周形状の後端を塞いだような形状をしている。具体的には、蓋部220は円を4分の1にしたような形状(頂角が直角な扇状に似た形状)をしている。蓋部220は、
図14の(a)に示すように、副光源ユニット113との干渉を避けるための凹部分220aを有する。
鍔部221は、フレーム115、上カバー体200、前カバー体201及び下カバー体202の端面に当接する。鍔部221は、上鍔部分222、円弧状鍔部分223及び後鍔部分224を有する。
【0047】
図14の(b)に示すように、上鍔部分222は蓋部220における上端縁に沿って設けられている。上鍔部分222はフレーム115の水平部191、カバー116の上カバー体200及び前カバー体201の上水平部204における端面に当接する。
円弧状鍔部分223は、蓋部220の円弧状に沿って設けられている。円弧状鍔部分223は、カバー116の前カバー体201の前円弧状部203及び下カバー体202の下円弧状部209の端面に当接する。
図14の(a)に示すように、後鍔部分224は蓋部220の後端縁に沿って設けられている。後鍔部分224は
図15の(a)に示すように、副光源ユニット113の後端側部に当接する。
後鍔部分224の下端部分と円弧状鍔部分223の後端部分は、
図14の(a)に示すように、蓋部220側に凹んだ凹み領域225となっている。
【0048】
サイドカバー体199は、
図14の(a)に示すように、鍔部221から長手方向の内側に板状に張り出す張出部を有している。張出部は、
図2にも示すように、上鍔部分222に設けられた上鍔張出部分228,229、230と、円弧状鍔部分223に設けられた円弧張出部分231とを有する。上鍔張出部分228は上カバー体200と対向し、上鍔張出部分229は水平部191と対向し、上鍔張出部分230は遮光板117の前側水平部155と対向する。円弧張出部分231は前カバー体201の前円弧状部203と対向する。なお、円弧張出部分231の外周面には円弧の周方向に沿ってリブ231aが複数個設けられている。
【0049】
サイドカバー体199は、
図2に示すように、前カバー体201の前円弧状部203のT字リブ203bに嵌合する嵌合部分233を有する。
サイドカバー体199は、
図14の(a)に示すように、ねじ215,235,236用のナット237,238,239を回転しない状態で収容する収容部240,241,242を蓋部220に有している。収容部240,241,242は矩形筒状に延伸し、ねじ215,235,236側の面に開口を有している。
【0050】
4.照明器具の組立
照明器具111の組み立ての概略を以下説明する。
(1)
図10に示すように、主光源ユニット112を遮光板117に装着具157を介して装着する。この際、装着具157は、複数個の貫通孔159aを有しているため、主光源ユニット112の姿勢を所望の向きにして、装着具157にねじ150により装着できる。これにより設置面への配光を必要に応じて増減できる。
(2)
図4に示すように、副点灯回路ユニット119を遮光板117の立設部154にねじ162を利用して取り付ける。遮光板117に主光源ユニット112及び副点灯回路ユニット119を取り付けたものを主光源付き遮光板とする。
【0051】
(3)
図13に示すように、フレーム115と、上カバー体200、前カバー体201及び下カバー体202を組み立てる。なお、組み立てられたものを筐体本体とする。
フレーム115の水平部191と上カバー体200との固定には、ねじ196とナット195とが利用される。フレーム115の第2傾斜部194と下カバー体202の上傾斜延伸部分213cとの固定にはねじ198Aとナット198Bとが利用される(
図2参照)。
【0052】
図13の(b)の拡大図に示すように、上カバー体200の前側端部の張出部200cが前カバー体201の上水平部204の後端部204cに係合し、前カバー体201の上水平部204の係合片206aが上カバー体200の溝200dに嵌る。
前カバー体201と下カバー体202とは、下カバー体202の前延伸部210の延伸部分210aが前カバー体201の下垂直部205に当接する状態で、下カバー体202の前延伸部分210bが前カバー体201の下係合部207の溝207aに係合する(
図13の(a)参照)。
これにより、上カバー体200、前カバー体201及び下カバー体202が組み合わされる。
【0053】
(4)筐体本体の長手方向の一端開口から主光源付き遮光板を挿入する。この際、
図2に示すように、遮光板117の前側水平部155が前カバー体201の前円弧状部203における上部側のリブ203aと上水平部204におけるリブ204aにより支持され、遮光板117の中側水平部152が前カバー体201の支持部208(
図13の(a)参照)により支持され、遮光板117の後側傾斜部151の後端部が下カバー体202の下円弧状部209と上延伸部211との接続部分により支持される。
これにより、主光源付き遮光板は、筐体本体内での長手方向以外の方向において位置決めされる。なお、筐体本体に主光源付き遮光板が組み込まれたものを主光源付き筐体本体とする。
【0054】
(5)
図14に示すように、主光源付き筐体本体の両端部に副光源ユニット113を配置する。副光源ユニット113の取り付けは、筐体本体の欠け部194b,202aに副光源ユニット113を配置する。この際、
図11に示す副光源ユニット113の底壁177の鍔部分177cが、
図2に示すように、カバー116の下カバー体202の上延伸部211に係合する。副光源ユニット113のサイドカバー体199と反対側の側壁179が、
図14の(a)に示すように、水平延伸部212及び段付き延伸部213の端面に当接する。なお、副光源ユニット113が配された主光源付き筐体本体を器具本体とする。
【0055】
(6)
図14に示すように、器具本体の両側にサイドカバー体199を取り付ける。取り付けには、ねじ215,235,236とナット237,238,239により行われる。これにより照明器具111が組み立てられる。
【0056】
5.照明装置
照明装置100は、使用に際して、設置面に取り付けられている取付器具101に照明器具111が着脱可能に装着される。装着に際して、
図2に示すように、照明器具111のフレーム115の水平部191が取付器具101の上側延伸板部107により支持されると共に、フレーム115の第2傾斜部194が取付器具101の下側延伸板部108により支持される。これにより、照明器具111を安定した状態で取付器具101に装着される。
【0057】
<第2実施形態>
第1実施形態では、主光源ユニット112は主に上方を照射し、フレーム115を1枚の金属板により構成している。
第2実施形態は、主光源ユニットは上方を照射する上光源部と下方を照射する下光源部とから構成され、フレームに主光源ユニットと遮光板等が取り付けられている。
以下、第1実施形態と異なる構成について主に説明する。
【0058】
1.全体構造
一例として説明する照明装置300は、一部屋に複数個、例えば4個のベットが配された病室や客室に設置される、所謂、4床用である。ここでの照明装置300は、壁スイッチの操作により点灯・消灯する他、調光可能に構成されている。
照明装置300は、
図16に示すように、取付器具301と照明器具311とを有する。
取付器具301は、図示しないねじ等の固定具を利用して、設置面に取り付けられる。
照明器具311は、光源ユニット(312,313)と、光源ユニットを収容する筐体314とを備え、筐体314が取付器具301に着脱可能に装着される。装着された後、照明器具311がねじ309により取付器具301に固定される。
光源ユニットは、上述のように、上光源部と下光源部の2個の光源部を備える主光源ユニット(312A,312B)と、主光源ユニットにおける長手方向の両側に配され且つ下方を照射する副光源ユニット(313)とを備える。なお、ここでの副光源ユニット(313)は第1実施形態と同様に足元灯用である。
【0059】
2.取付器具
図16を用いて説明する。
取付器具301は、設置面に取り付けられる設置具102と、設置具102に設けられた電源用の端子台103,103,103及び主光源ユニット312の調光信号用の端子台105を備える。
設置具の構成は第1実施形態における設置具102の構成と略同じあり、電源用端子台が、2個の主光源ユニット(312A,312B)と副光源ユニット(313)用に合計で3個ある点で第1実施形態の取付器具101と異なる。
【0060】
3.照明器具
主に
図17を用いて照明器具311の概略を説明する。
照明器具311は、主光源ユニット312、2個の副光源ユニット313(
図17では1個の副光源ユニット313が現れている)、フレーム315、カバー316を備える。なお、筐体314はフレーム315とカバー316とから構成される。
主光源ユニット312は、ベース照明用の上光源ユニット312Aと、読書灯用の下光源ユニット312Bとを備える。主光源ユニット312はフレーム315に取り付けられている。なお、上光源ユニット312Aが調光可能な構成とされている。
フレーム315には遮光板317が取り付けられ、当該遮光板317に主光源ユニット用の主点灯回路ユニット318と、副光源ユニット313用の副点灯回路ユニット119とが取り付けられている。なお、副点灯回路ユニット119は、第1実施形態と同じである。
以下、各部について説明する。
【0061】
(1)フレーム
主に
図18〜
図20を用いてフレーム315を説明する。
フレーム315は、
図17に示すように、取付器具301の上側延伸板部107に支持される上側被支持部として機能する上L字状板部材321と、取付器具301の下側延伸板部108に支持される下側被支持部として機能する下L字状部材322と、上L字状板部材321と下L字状部材322とを連結する連結部材323とを備える。なお、連結部材323は、上側被支持部と下側被支持部とを連結する連結部として機能する。
【0062】
(1−1)上L字状板部材
上L字状板部材321は、
図18に示すように、上側延伸板部107に取り付けられ且つ水平に延伸する上長辺部324と、上長辺部324の前端部から前下がりに傾斜する上短辺部325とを備える。なお、上L字状板部材321は、横断面形状が「L」字状をし、上長辺部324がL字の長辺に、上短辺部325がL字の短辺にそれぞれ相当する。
【0063】
(1−2)下L字状部材
下L字状部材322は、
図18に示すように、下側延伸板部108に支持される支持部分326を有する下短辺部327と、下短辺部327の前端部から前上がりに傾斜する下長辺部328とを有する。支持部分326は後下がりに傾斜し、傾斜角度は、
図17に示すように、取付器具301の下側延伸板部108の傾斜角度と略等しい。
下L字状部材322は、
図18に示すように、横断面において、下短辺部327の前側部分との間に前後方向に延伸する溝329が形成されるように、下短辺部327から後下がりの傾斜状に延伸する下傾斜部330と、下傾斜部330の下端から後方に延伸する下水平部331とを有している。
【0064】
(1−3)連結部材
連結部材323は、連結機能以外に、上光源ユニット312Aを搭載する上光源搭載機能を有する。連結部材323は下光源ユニット312Bを搭載する下光源搭載機能を有する。
連結部材323は、横断面において、前下がりの矩形状部の前側下部が開放するような形状をしている。連結部材323は、上壁部333、前壁部334、後壁部335及び下壁部336を有する。
【0065】
上壁部333は、
図18に示すように、後部側に位置する後水平部分338と、前部側に位置する前下りの前傾斜部分339と、後水平部分338の前側部分から後上がりに傾斜する後傾斜部分340とを有する。後傾斜部分340がねじ341により上L字状板部材321に固定される。前傾斜部分339に上光源ユニット312Aが搭載される。
上壁部333は、後水平部分338の前端から後傾斜部分340と平行に延伸し且つ後傾斜部分340とで溝343を形成する傾斜部分342を有している。溝343には、上L字状板部材321の上短辺部325の下端が挿入され、位置決めされる。
前壁部334は、上壁部333の前傾斜部分339に対して略直交する状態で設けられている。前壁部334はねじ345により遮光板317に固定されている。
【0066】
後壁部335は上垂直部分346と下傾斜部分347とを有する。上垂直部分346には、
図17に示すように、サイドカバー体199と結合するための結合具348(
図23参照)がねじ349により固定される。下傾斜部分347は、
図18に戻って、下L字状部材322の下長辺部328にねじ351により固定される。後壁部335は、下傾斜部分347の上端から下傾斜部分347と平行に延伸して当該下傾斜部分347とで溝352を形成するL字部分353を有している。溝352には、下L字状部材322の下長辺部328の上端部が挿入され、位置決めされる。
【0067】
下壁部336は、長辺領域355と短辺領域356とからなる下向L字状部分357と、短辺領域356から前方に逆「つ」字状に延伸するつ字状部分358とを有する。
長辺領域355の下面には下光源ユニット312Bが配される。なお、下光源ユニット312Bはねじ359により落下防止されている。つ字状部分358は、短辺領域356の下端よりも上部側から前方に延伸した後に、下側に屈曲し、さらに後上方へと延伸する。つ字状部分358の内面で形成される溝361には、
図17に示すように、前カバー体201の支持部208と下係合部207とが嵌る。
【0068】
(2)主光源ユニット
上光源ユニット312Aは、
図17に示すように、長手方向に長い上LED基板363と、上LED基板363に長手方向に間隔をおいて実装された複数個の上LED364と、上点灯回路ユニット318Aと接続するためのコネクタ365とを備える。
下光源ユニット312Bは、長手方向に長い下LED基板366と、下LED基板366に長手方向に間隔をおいて実装された複数個の下LED367と、下点灯回路ユニット318Bと接続するためのコネクタ368(
図18参照)とを備える。
【0069】
(3)遮光板
図18を用いて遮光板317を説明する。
遮光板317は、上光源ユニット312Aからの光が筐体314の前側から出射するのを規制する遮光機能を有する。遮光板317は、上光源ユニット312Aからの光を上方に向けて反射させる機能を有している。遮光板317は、後述の主点灯回路ユニット318を装着する主回路装着機能を有している。遮光板317は、後述の副点灯回路ユニット119を装着する副回路装着機能を有している。遮光板317は、フレーム315に取り付けられ、筐体314内での位置決め機能を有している。
【0070】
遮光板317は一枚の略矩形長尺状の金属板をプレス加工して構成される。遮光板317は短手方向に複数箇所(ここでは、5箇所)の屈曲部を有する。
遮光板317は、上主傾斜部371と下主傾斜部372とを少なくとも有している。
下主傾斜部372は、前上り状に傾斜し、上端部がフレーム315の連結部材323の前壁部334にねじ345により固定されている。下主傾斜部372の前面には主点灯回路ユニット318がねじ383により固定されている。なお、下主傾斜部372の上端がフレーム315の上壁部333と前壁部334との境界部分に位置する。
上主傾斜部371は下主傾斜部372の上端から前上り状に傾斜している。上主傾斜部371の後面が反射機能と遮光機能とを有する。上主傾斜部371の前面には副点灯回路ユニット119がねじ384により固定されている。
【0071】
遮光板317は、上主傾斜部371の前端(上端)から前方に延伸する上中間部373と上水平部374とを有している。上水平部374は、
図17に示すように、カバー316の前カバー体201のリブ203a,204aに支持され、上側での位置決め機能を有する。
遮光板317は、
図18に示すように、下主傾斜部372の後端(下端)から後方に延伸する下副傾斜部375を有している。下副傾斜部375は、
図17に示すように、カバー316のサイドカバー体199(の円弧張出部分231)の内周面に当接し(支持され)、下側での位置決め機能を有する。
【0072】
(4)点灯回路ユニット
主点灯回路ユニット318は、上光源ユニット312A用の上点灯回路ユニット318Aと、下光源ユニット312B用の下点灯回路ユニット318Bとを有している。
上点灯回路ユニット318Aと下点灯回路ユニット318Bとは略同じ構成であり、図面の便宜上、
図17で現れている下点灯回路ユニット318Bについて説明する。
下点灯回路ユニット318Bは、点灯回路や調光回路を構成するための複数個の下電子部品377Bと、複数個の下電子部品377Bを実装する下回路基板378Bとを有する。下点灯回路ユニット318Bは、筒状の絶縁シート379B内に配された状態で、下回路ケース381Bに収容される。
下回路基板378Bには、
図16に示す端子台103,105や下光源ユニット312Bと接続する電気ケーブルに接続するためのコネクタ等が設けられている。下回路ケース381Bは、
図19に示すように、長尺箱状をし、長手方向に張り出す張出部382Bの貫通孔を挿通するねじ383により遮光板317の下主傾斜部372に固定されている。なお、下回路ケース381Bは端子台103,105や下光源ユニット312Bと接続する電気ケーブル用の貫通孔385B等を有している。
【0073】
上点灯回路ユニット318Aは、図示しないが、上電子部品377Aと上回路基板378Aを有し、絶縁シート379A内に配された状態で、
図19に示す上回路ケース381Aに収容されている。上回路ケース381Aの張出部382Aがねじ383を利用して遮光板317に固定されている。なお、上回路基板378Aにも電気ケーブル用のコネクタ等が設けられ、上回路ケース381Aに貫通孔385A(
図19参照)が設けられている。
図19に示すように、遮光板317の長手方向の一方側に下点灯回路ユニット318Bが、遮光板317の長手方向の他方側に上点灯回路ユニット318Aがそれぞれ取付けられている。なお、上点灯回路ユニット318Aと下点灯回路ユニット318Bとの位置は長手方向に逆であってもよい。
【0074】
副点灯回路ユニット119は、第1実施形態の副点灯回路ユニット119と同じ構成であり、
図18に示すように、遮光板317の上主傾斜部371にねじ384により固定されている。なお、副点灯回路ユニット119は、
図19に示すように、遮光板117の長手方向の他方側に配されている。
【0075】
(5)カバー
主に
図17を用いてカバー316を説明する。
カバー316は、長手方向の両端に位置するサイドカバー部と、上部側に位置する上カバー部と、前部側に位置する前カバー部と、下部側に位置する下カバー部とを有する。
カバー316は複数個の部材から構成される。具体的には、サイドカバー部は第1実施形態で説明したサイドカバー体199により、上カバー部は第1実施形態で説明した上カバー体200により、前カバー部は第1実施形態で説明した前カバー体201により、下カバー部は下カバー体387によりそれぞれ構成される。
上カバー体200は、
図20に示すように、フレーム315の上L字状板部材321の上長辺部324にねじ196とナット195とにより固定されている。
【0076】
前カバー体201は、
図17に示すように、ねじ215が前カバー体201の上水平部204の貫通孔204b(
図20の(a)参照)、遮光板317の上水平部374の貫通孔374a(
図19参照)を挿通してサイドカバー体199の収容部240内のナット237に螺合することで、一体化される。
前カバー体201は、
図17に示すように、下部側の下係合部207と支持部208とが、フレーム315の連結部材323の下壁部336の一部を構成するつ字状部分358の溝361(
図18参照)に挿入されることで、フレーム315に取り付けられている。
下カバー体387は光透過性を有する。ここでは、下カバー体387は光透過性樹脂により構成されている。下カバー体387は長尺矩形板状をしている。下カバー体387は、
図17に示すように、その前端部が前カバー体201の下係合部207の溝207aに挿入され、後端部がフレーム315の下L字状部材322の溝329に挿入されている。
【0077】
サイドカバー体199と前カバー体201やフレーム315との間には、
図23に示すようにサイド遮光板411が配されている。サイドカバー体199及びサイド遮光板411並びにサイドカバー体199の前カバー体201やフレーム315への取り付けについては後述する。
【0078】
(6)副光源ユニット
図21を用いて副光源ユニット313について説明する。
副光源ユニット313は、第1実施形態と同様に、LEDモジュール167と第1光学部材168及び第2光学部材169(
図11及び
図12参照)をユニット筐体388に収容してなる。LEDモジュール167、第1光学部材168、第2光学部材169は第1実施形態と同じ構成あるため、ユニット筐体388について説明する。
【0079】
ユニット筐体388は、
図21の(a)に示すように、LEDモジュール167、第1及び第2光学部材168,169を収容する本体389と、本体389の上端の開口を覆う蓋体391とを有する。なお、蓋体391はねじ390により本体389に固定されている。
本体389は直方体状の箱状であって上端が開口する本体部392を有する。本体部392の内部構成は、第1実施形態の本体173と同じである。
【0080】
本体389は、本体部392の前壁393の下部から前方に張り出す前水平張出部394と、本体部392の前壁393と前水平張出部394とにおける長手方向の内側端から前方に張り出す前垂直張出部395と、前垂直張出部395の下端であって前水平張出部394の上面部から長手方向の内側に張り出す横水平張出部396とを有する。
なお、前水平張出部394は、
図21の(c)に示すように、本体部392の底壁397からそのまま前方に延伸するように設けられている。なお、底壁397には光透過用の貫通孔177aが設けられている。
副光源ユニット313をフレーム315やカバー316に取り付ける際に、
図22の(a)に示すように、前水平張出部394の前端部394aは前カバー体201の溝207aに挿入され、横水平張出部396は下カバー体387の上面に当接する。なお、前垂直張出部395は下光源ユニット312Bからの光を遮光する機能を有する。
前垂直張出部395の上端面は、
図17に示すように、フレーム315の連結部材323における下壁部336の長辺領域355(
図18参照)と対向する傾斜面となっており、下光源ユニット312Bの下LED基板366と当接又は近接する。これにより、下光源ユニット312Bの落下を防止できる。
【0081】
底壁397は、
図21の(c)に示すように、平坦部398と後下がりの傾斜部399とを有している。本体部392は、底壁397の傾斜部399をそのまま後方へ延伸させた後傾斜延伸部401と、後傾斜延伸部401の後端から後方に延伸する後水平延伸部402と、長手方向の内側に位置する側壁403から後方及び下方へと延伸する後垂直延伸部404と、後垂直延伸部404の下端部を残して長手方向の内側に張り出す横張出部405とを有する。残った下端部を残存部分404aとする。
副光源ユニット313をフレーム315やカバー316に取り付ける際に、
図22の(b)及び(c)に示すように、後垂直延伸部404の残存部分404aがフレーム315の下L字状部材322の下傾斜部330と下水平部331の端面に当接し、横張出部405が下傾斜部330と下水平部331の上面に当接する。なお、横張出部405の上端は、
図22の(c)に示すように、下L字状部材322の下短辺部327の下面と当接する。
【0082】
本体部392は、
図21の(b)及び
図22の(a)に示すように、後壁406との間に空間を形成するように、後壁406と間隔をおいて対向する後対向部408を有する。後対向部408は、
図21の(c)に示すように、後水平延伸部402の後端から上方に延伸している。
副光源ユニット313をフレーム315やカバー316に取り付ける際に、
図22の(a)に示す空間407に、
図23に示すサイドカバー体199の収容部242が嵌り、ねじ236が対向部408の欠け部408aを挿通して、収容部242内のナット239に螺合する。
【0083】
本体部392は、
図21の(a)及び(c)に示すように、前水平張出部394、底壁397における長手方向の外側端から下方に延伸する横延伸部409を有している。副光源ユニット313をフレーム315やカバー316に取り付ける際に、
図22の(a)に示すように、横延伸部409の前端409aが前カバー体201の下垂直部205の後面に当接する。
【0084】
(7)サイド遮光板
サイドカバー体199と前カバー体201やフレーム315との間には、
図23に示すようにサイド遮光板411が配されている。
(7−1)サイドカバー体
サイドカバー体199は、第1実施形態で説明したものと同じ構成であるが、第2実施形態でのみ機能する構成があり、その構成について説明する。
サイドカバー体199は、
図14の(a)及び
図17に示すように、上光源ユニット312Aに合わせてフレーム315側に延伸する上延伸片412と、下光源ユニット312Bに合わせてフレーム315側に延伸する下延伸片413とを有する。なお、
図17では、下延伸片413は副光源ユニット313で隠れている。
【0085】
上延伸片412は、
図17に示すように、上LED基板363の上面及び前面に対向するように設けられている。下延伸片413も、下LED基板366の下面及び前面に対向するように設けられている。
図22の(a)に示すように、副光源ユニット313における前水平張出部394における長手方向の外側の前端部394aは前カバー体201から長手方向の外方へ張り出している。この張り出した前端部394a用の溝414が、
図14の(a)に示すように、蓋部220の内面に形成されている。つまり、サイドカバー体199は、
図14の(a)に示すように、溝414を形成するための溝形成部415を有している。なお、溝形成部415は、
図17に示すように、前カバー体201における下係合部207と同じような形状をしている。
【0086】
(7−2)サイド遮光板
サイド遮光板411について
図23を用いて説明する。
サイド遮光板411は、サイドカバー体199の外周形状に対応した板状部416と、板状部416の周縁から前カバー体201やフレーム315に向かって張り出す鍔部417を有している。
板状部416は、サイドカバー体199の蓋部220から張り出す部位用の貫通孔、欠け部や凹みを有している。以下、
図14の(a)と
図23とを対応させながら説明する。
貫通孔418はサイドカバー体199の上延伸片412用であり、貫通孔419は下延伸片413用である。欠け部421は収容部240用、欠け部422は収容部241用、欠け部423は収容部242用、欠け部424は溝形成部415用、欠け部425は嵌合部分233用である。凹み426は副光源ユニット313用である。
鍔部417はサイドカバー体199の鍔部221の内周面に対向又は当接する。鍔部417の張出量はサイドカバー体199の鍔部221と略同じである。
【0087】
(7−3)取り付け
サイドカバー体199のカバー316及びフレーム315等への取付は、サイドカバー体199内にサイド遮光板411を配した状態で、ねじ215,235,236と、収容部240,241,242内のナット237,238,239を利用して行われる。
ねじ215の螺合は第1実施形態と同じである。
ねじ235は、
図23に示すように、フレーム315の連結部材323にねじ428で取り付けられた結合具348の貫通孔348aを挿通して、ナット238と螺合する。
サイドカバー体199の収容部242は、
図23に示すように、副光源ユニット313の対向部408の裏側の空間407(
図22の(a)参照)に挿入され、この状態で、ねじ236が副光源ユニット313の欠け部408aを挿通して空間407内のナット239と螺合する。
【0088】
以上、第1及び第2実施形態を説明したが、これらの実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってよい。
また、実施形態や変形例に記載していていない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0089】
<変形例>
1.取付器具
(1)設置具
実施形態の設置具102は、1枚の金属板をプレス加工しているが、複数枚の金属板を結合することで構成してもよいし、樹脂により構成してもよい。樹脂で構成する場合は、上側延伸部と下側延伸部は板状をしていなくてもよい。
(2)上側延伸板部
実施形態の上側延伸板部107は、取付板部106から水平方向に延伸している。つまり、上側延伸板部107と取付板部106とが直交している。
しかしながら、上側延伸板部と取付板部とが直交していなくてもよい。但し、上側延伸板部は、取付板部に対して略直交する方向、又は直交する方向よりも上方に延伸していることが好ましい。これにより、上側延伸板部により支持される照明器具が、上側延伸板部から下方にズレるのを防止できる。
(3)延伸部
実施形態では、下側延伸部が斜め上方に延伸しているが、照明器具を安定して支持するには、上側延伸部と下側延伸部との少なくとも一方が斜め上方に延伸していればよい。
実施形態では、上側延伸部及び下側延伸部は長手方向に連続しているが、例えば、長手方向に間隔をおいて取付板部から延伸するようにしてもよい。例えば、上側延伸部が長手方向に連続し、下側延伸部が長手方向に間隔をおいて存在してもよい。
延伸部は、上下の2個であったが、3個以上あってもよい。例えば、上下の中間に中側延伸部を設けてもよい。
【0090】
2.光源ユニット
実施形態の副光源ユニット113,313は、主光源ユニット112,312と別体で設けられているが、一体で設けられてもよい。実施形態では、説明していないが、例えば、常夜灯等の副光源ユニットを含んでもよい。一床用の照明装置の場合、調光機能以外に調色機能を持たせてもよい。
【0091】
3.点灯回路ユニット
第1実施形態の主点灯回路ユニット118は主光源ユニット112の載置部材123に設けられていたが、第2実施形態のように、遮光板に設けてもよいし、フレームに設けてもよい。
第2実施形態の上点灯回路ユニット318Aと下点灯回路ユニット318Bとは別体で遮光板317に設けられているが、例えば、1枚の基板に上光源ユニット用とした光源ユニット用との電子部品を実装するようにしてもよい。