(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985732
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】濃縮スープ付き麺セットを用いた茶系飲料を完成させる調理方法
(51)【国際特許分類】
A23L 7/109 20160101AFI20211213BHJP
A23L 2/38 20210101ALN20211213BHJP
A23F 3/16 20060101ALN20211213BHJP
【FI】
A23L7/109 A
A23L7/109 Z
!A23L2/38 C
!A23F3/16
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-224780(P2017-224780)
(22)【出願日】2017年11月22日
(65)【公開番号】特開2019-92436(P2019-92436A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2020年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】509109822
【氏名又は名称】ミライフーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】吉田 周平
【審査官】
安孫子 由美
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−047243(JP,A)
【文献】
特開平04−084869(JP,A)
【文献】
特開平02−154655(JP,A)
【文献】
特開2009−050205(JP,A)
【文献】
特開2004−173680(JP,A)
【文献】
特開昭60−105466(JP,A)
【文献】
特開2006−141369(JP,A)
【文献】
特開2015−188382(JP,A)
【文献】
西山製麺ウェブサイト、ラーメンワンダーランド そのほかの原料 かんすい,https://www.ramen.jp/wonderland/himitsu/men/kansui.html,[検索日2021.08.11]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A23F
A61K
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
かんすいと貝殻や焼成カルシウムのカルシウム成分との少なくとも一方と茶葉とが添加された麺と、当該麺用の濃縮スープと、上記茶葉と同種の茶葉か、或いは、異なる種類の茶葉とを用意し、
上記麺を茹でた後、上記濃縮スープに上記麺の茹で湯を足して作ったスープに上記麺を浸すことによって麺料理を完成させるとともに、上記麺に添加されている茶葉と同種の茶葉か、或いは、異なる茶葉と上記麺の茹で湯とを用いて茶をいれることによって茶系飲料を完成させることを特徴とする濃縮スープ付き麺セットを用いた茶系飲料を完成させる調理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の濃縮スープ付き麺セットを用いた茶系飲料を完成させる調理方法において、
上記麺には、上記かんすい及び上記カルシウム成分の少なくとも一方が小麦粉に対して0.5wt%以下となるように添加されるとともに、上記茶葉が小麦粉に対して0.5wt%以上となるように添加されていることを特徴とする濃縮スープ付き麺セットを用いた茶系飲料を完成させる調理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の濃縮スープ付き麺セットを用いた茶系飲料を完成させる調理方法において、
上記麺には、上記かんすいが小麦粉に対して0.5wt%以下となるように添加されるとともに、上記茶葉が小麦粉に対して0.5wt%以上となるように添加されることを特徴とする濃縮スープ付き麺セットを用いた茶系飲料を完成させる調理方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の濃縮スープ付き麺セットを用いた茶系飲料を完成させる調理方法において、
上記茶葉は、杜仲茶から得たものであることを特徴とする濃縮スープ付き麺セットを用いた茶系飲料を完成させる調理方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の濃縮スープ付き麺セットを用いた茶系飲料を完成させる調理方法において、
茶漉し手段を用いて上記茶葉を漉しながらいれることによって茶系飲料を完成させることを特徴とする濃縮スープ付き麺セットを用いた茶系飲料を完成させる調理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃縮スープ付き麺セット
を用いた茶系飲料を完成させる調理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、特許文献1に開示されているように、麺製品には、中華麺と当該中華麺を浸すスープとがセットにて販売されているものがある。このような麺製品は、スープの味と粘度とを麺料理の完成時において安定させるために、まず、中華麺を茹でた後、当該中華麺の湯切りをしっかりと行い、その後、予め温めておいたスープに対して湯切りした中華麺を浸すことによって完成させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−120205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、中華麺には、その食感を良くして食べ応えのあるものにするために、かんすいや、或いは、貝殻や焼成カルシウムからなるカルシウム成分が添加されている。
【0005】
しかし、これらかんすいやカルシウム成分は水に溶解する際に発熱するので、練水を作る際、練水の温度が麺を製造するための最適な値に下がるまで待つ必要がある。したがって、麺の食感を高めるために麺に添加するかんすいやカルシウム成分の量を増やしてしまうと、効率良く麺が製造できないという問題があった。
【0006】
これに対応するために、例えば、蕎麦等では、茶葉を添加することによって歯応えだけでなく香りを良くすることができることが一般的に知られており、これを利用して、茶葉を麺に添加することによってかんすいやカルシウム成分の量を減らすとともに麺の香りや歯応えを良くするということが考えられる。
【0007】
しかし、上述の如き茶葉を含んだ麺は、麺料理を完成させる際に茹でると、茹で湯に多くの茶葉が流出してしまい、スープに浸した際に当該スープの香りに麺の香りが負けてしまうおそれがある。
【0008】
また、一般的に、麺とスープとがセットで販売されている麺製品は、麺を茹でた後、茹で湯を捨ててしまうので、体にも良いとされる茶葉を折角麺に添加したにも関わらず、茶葉の成分の多くが捨てられてしまって有効利用できていないという問題もあった。
【0009】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、完成させた麺料理の食感を十分に保ちながら風味に奥行きや厚みを持たせることができるとともに、麺料理を食した人が麺に添加した多くの茶葉の成分を体の中に取り入れることができる濃縮スープ付き麺セット
を用いた茶系飲料を完成させる調理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、茶葉を添加した麺から作る麺料理の調理方法に工夫を凝らしたことを特徴とする。
【0011】
すなわち、第1の発明では、かんすい
と貝殻や焼成カルシウムのカルシウム成分
との少なくとも一方と茶葉とが添加された麺と、当該麺用の濃縮スープと
、上記茶葉と同種の茶葉か、或いは、異なる種類の茶葉とを用意し、上記麺を茹でた後、上記濃縮スープに上記麺の茹で湯を足して作ったスープに上記麺を浸すことによって麺料理を完成させる
とともに、上記麺に添加されている茶葉と同種の茶葉か、或いは、異なる茶葉と上記麺の茹で湯とを用いて茶をいれることによって茶系飲料を完成させることを特徴とする。
【0012】
第2の発明では、第1の発明において、上記麺には、上記かんすい及び上記カルシウム成分の少なくとも一方が小麦粉に対して0.5wt%以下となるように添加されるとともに、上記茶葉が小麦粉に対して0.5wt%以上となるように添加されていることを特徴とする。
【0013】
第3の発明では、第2の発明において、上記麺には、上記かんすいが小麦粉に対して0.5wt%以下となるように添加されるとともに、上記茶葉が小麦粉に対して0.5wt%以上となるように添加されることを特徴とする。
【0014】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、上記茶葉は、杜仲茶から得たものであることを特徴とする。
【0015】
第5の発明では、第1から第4のいずれか1つの発明において
、茶漉し手段を用いて上記茶葉を漉しながらいれることによって茶系飲料を完成させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明では、調理の際に茹で湯に流出した茶葉の成分の多くがスープに混ざるので、完成した麺料理のスープから茶葉の香りが漂うようになる。したがって、麺に含まれる茶葉によって麺を噛み締めたときに茶葉の香りが口の中で広がるだけでなく、鼻からも茶葉の香りが漂うようになって麺料理の風味に奥行きや厚みを持たせることができる。また、調理の際に茹で湯を捨てる必要が無くなるか、或いは、捨てる茹で湯の量が減るようになる。したがって、調理した麺料理を食する人が麺から茹で湯に流出してしまう多くの茶葉の成分をスープと共に食するようになり、麺に添加された多くの茶葉の成分を体の中に取り入れることができる。
【0017】
また、麺料理を調理しながら茶系飲料が得られるので、完成させた麺料理を食する際に上記茶系飲料を一緒に飲むことによって麺料理を味わい深く食することができる。特に、麺に添加された茶葉とは異なる種類の茶葉と茹で湯とで茶系飲料を完成させると、ブレンド茶となり、共に食する麺料理の美味しさをさらに高めることができる。
【0018】
第2の発明では、完成した麺料理の風味を損なうことなく麺の食感が良くなるので、調理する麺料理の美味しさをさらに高めることができる。
【0019】
第3の発明では、カルシウム成分によって麺を製造するのに比べてコストを抑えることができるとともに、アルカリ塩混合物であるかんすいを起因とした独特の匂いが麺料理から漂わないようになり、調理する麺料理の美味しさをさらに高めることができる。
【0020】
第4の発明では、小麦粉に添加する茶葉の量を他の茶葉に比べて少なくしても完成した麺料理の風味を損なうことなく麺の食感が良くなる。したがって、コストを抑えた美味しい麺料理を調理することができる。
【0021】
第5の発明では
、完成させた茶系飲料の粘度を低く抑えることができるようになるので、完成させた茶系飲料をさらに美味しくさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る調理方法で調理する濃縮スープ付き麺セットの概略斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る調理方法の手順を示すフローチャートである。
【
図3】小麦粉に対して添加するかんすい及び茶葉の重量%、及び、茶葉の種類を変更して製造した麺を本発明の調理方法で調理して麺料理を完成させ、当該各麺料理を食したときにおける食感に関する評価結果を示した表である。
【
図4】小麦粉に対して添加するかんすい及び茶葉の重量%、及び、茶葉の種類を変更して製造した麺を本発明の調理方法で調理して麺料理を完成させ、当該各麺料理を食したときにおける香りに関する評価結果を示した表である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る調理方法で調理する濃縮スープ付き麺セット1を示す。該濃縮スープ付き麺セット1は、内部に中華麺3を収容した樹脂製の第1袋2と、内部に醤油味の濃縮スープ5を収容した樹脂製の第2袋4と、内部に紙フィルタ7(茶漉し手段)を収容した樹脂製の第3袋6とを備え、その量は一食分となっている。尚、本発明の濃縮スープ5の一食分は、55gである。
【0025】
中華麺3は、中強力粉(小麦粉)を用いるとともに、加水率30%で、且つ、酒精を1.0%添加して製造した縮れ麺であり、かんすいが中強力粉に対して0.25wt%添加されるとともに、杜仲茶の茶葉粉末が中強力粉に対して1.0wt%添加されている。尚、本発明で使用したかんすいは、
炭酸ナトリウムが78%のアルカリ塩混合物である。
【0026】
紙フィルタ7は、所謂ドリップタイプの構造をなしており、その内部には、杜仲茶の茶葉8が封入されている。
【0027】
次に、本発明の実施形態に係る濃縮スープ付き麺セット1を調理する手順について詳述する。
【0028】
まず、
図2に示すように、ステップS1において、濃縮スープ5を第2袋4から取り出すとともにスープ用の鍋に入れて温める。
【0029】
次に、ステップS2において、麺茹で用の鍋に水を1000cc注いで沸騰させる。そして、中華麺3を第1袋2から取り出して麺茹で鍋に投入する。
【0030】
次いで、ステップ3において、麺茹で用の鍋において中華麺3を1分30秒茹でる。
【0031】
その後、ステップ4において、温めた濃縮スープ5を食器に移す。
【0032】
しかる後、ステップ5において、麺茹で用の鍋に溜まる茹で湯を濃縮スープ5が溜まる食器に300cc足してスープを作り、その後、そのスープに茹でた中華麺3を浸すことによって麺料理を完成させる。
【0033】
その後、ステップS6において、紙フィルタ7を第3袋6から取り出すとともに湯呑(図示せず)の開口部分にセットする。
【0034】
そして、麺茹で用の鍋に溜まる茹で湯を紙フィルタ7に注いで茶葉8を漉しながらいれることによって茶系飲料を完成させる。
【0035】
次に、上述の如き調理した麺料理の食感に関して評価した結果について詳述する。
【0036】
まず初めに、中強力粉に対して添加するかんすい及び茶葉の重量%、及び、茶葉の種類を変更して中華麺3をそれぞれ製造するとともに、製造した各中華麺3を本発明の調理方法にて調理して麺料理を得た。そして、各中華麺3にて調理した麺料理を5人の評価者がそれぞれ試食し、中華麺としての食感が十分に得られているか否かを5段階の点数で評価した。尚、中強力粉に対してかんすいを0.25wt%、0.5wt%、0.75wt%、及び、1.0wt%と変更させて添加するとともに、中強力粉に対して茶葉を0wt%、0.25wt%、0.5wt%、1.0wt%、及び、2.0wt%と変更させて添加した。また、茶葉の種類は、杜仲茶(茶葉及び茶葉粉末)、煎茶、烏龍茶及びルイボスティとした。
【0037】
図3は、各中華麺3における食感の評価結果を示す。一般的に、中強力粉に対してかんすいは1.0wt%程度添加されていて、その量を減らすと、中華麺に必要な食感が無くなってしまうが、
図3の結果により、中強力粉に対するかんすいの添加量を0.25wt%以下にしても、中強力粉に対する茶葉の添加量を0.5wt%以上にすれば中華麺としての十分な食感が得られることが分かった。特に、中華麺3に添加する茶葉を杜仲茶にした場合、中強力粉に対するかんすいの添加量を0.25wt%以下にしても、中強力粉に対する杜仲茶の添加量を0.5wt%以上にすれば中華麺としての十分な食感が得られることが分かった。これらの結果は、原材料がチャノキである煎茶や烏龍茶の場合には、タンニンによるタンパク質の収斂作用が引き起こされたためであると考えられ、ルイボスティの場合には、フラボンにおけるタンパク質の変性作用によるものであると考えられる。また、杜仲茶に関しては、その内部に含まれるゴム質の繊維の影響によるものと考えられ、他の茶葉に比べて少ない量で中華麺3の食感を高めることが可能であることが分かった。
【0038】
次に、上述の如き調理した麺料理の香りに関して評価した結果について詳述する。
【0039】
食感に関する評価のときと同様に、中強力粉に対して添加するかんすい及び茶葉の重量%、及び、茶葉の種類を変更して中華麺3をそれぞれ製造するとともに、製造した各中華麺3を本発明の調理方法にて調理して麺料理を得た。そして、各中華麺3にて調理した麺料理を5人の評価者がそれぞれ試食し、かんすい独特の匂いに対して茶葉の香りが勝っているか否かを5段階の点数で評価した。尚、中強力粉に対してかんすいを0.5wt%、0.75wt%、1.0wt%、及び、2.0wt%と変更させて添加するとともに、中強力粉に対して茶葉を0wt%、0.25wt%、0.5wt%、1.0wt%、及び、2.0wt%と変更させて添加した。また、茶葉の種類は、杜仲茶(茶葉及び茶葉粉末)、煎茶、烏龍茶及びルイボスティとした。
【0040】
図4は、各中華麺3における香りの評価結果を示す。この結果により、中強力粉に対するかんすいの添加量を2.0wt%以下にし、且つ、中強力粉に対する茶葉の添加量を0.5wt%以上にすると、かんすい独特の匂いが打ち消される香りの良い中華麺3が得られることが分かった。さらに、中強力粉に対するかんすいの添加量を0.75wt%以下にしても、中強力粉に対する茶葉の添加量を0.25wt%以上にすればかんすい独特の匂いを中華麺3の茶葉の香りが打ち消すことが分かった。
【0041】
つまり、
図3及び
図4の評価結果により、中強力粉に対してかんすいを0.5wt%以上添加するとともに、中強力粉に対して茶葉を0.5wt%添加すると、中華麺3を用いて調理した麺料理が、食感が良く、且つ、香りが良くて風味のあるものになることが分かった。
【0042】
尚、中華麺の食感を良くする添加物となる貝殻や焼成カルシウムなどのカルシウム成分をかんすいの代わりとして中華麺に添加した場合、カルシウム成分はほぼ無臭であるため、かんすいを添加した中華麺よりもさらに風味を高めることができる。
【0043】
また、かんすいには、主成分が
炭酸ナトリウムのものと
炭酸カリウムのもの(例えば、81%のアルカリ塩混合物)とが存在するが、
炭酸カリウムを主成分とするかんすいも
炭酸ナトリウムを主成分とするかんすいと同様の独特の匂いがする。したがって、本発明の実施形態に係る濃縮スープ付き麺セット1の中華麺3に用いるかんすいをその主成分が
炭酸カリウムからなるものにしても、上述の評価結果と同傾向の結果が得られるものと考えられる。
【0044】
以上より、本発明の実施形態によると、調理の際に茹で湯に流出した茶葉の成分の多くがスープに混ざるので、完成した麺料理のスープから茶葉の香りが漂うようになる。したがって、麺に含まれる茶葉によって麺を噛み締めたときに茶葉の香りが口の中で広がるだけでなく、鼻からも茶葉の香りが漂うようになって麺料理の風味に奥行きや厚みを持たせることができる。
【0045】
また、調理の際に茹で湯を捨てる必要が無くなるか、或いは、捨てる茹で湯の量が減るようになるので、調理した麺料理を食する人が麺から茹で湯に流出してしまう多くの茶葉の成分をスープと共に食するようになり、中華麺3に添加された多くの茶葉の成分を体の中に取り入れることができる。
【0046】
また、中強力粉に添加するかんすいの量を減らしても、完成した麺料理の風味を損なうことなく中華麺3の食感が良くなるので、調理する麺料理の美味しさをさらに高めることができる。
【0047】
また、コストを抑えるためにカルシウム成分ではなくかんすいを添加した中華麺3であっても、アルカリ塩混合物であるかんすいを起因とした独特の匂いが麺料理から漂わないようになり、調理する麺料理の美味しさをさらに高めることができる。
【0048】
また、中強力粉に対して杜仲茶を添加した場合、中強力粉に添加する茶葉の量を他の茶葉に比べて少なくしても完成した麺料理の風味を損なうことなく中華麺3の食感が良くなるので、コストを抑えた美味しい麺料理を調理することができる。
【0049】
それに加えて、麺料理を調理しながら茶系飲料が得られるので、完成させた麺料理を食しながら得られた茶系飲料を飲むことによって麺料理を味わい深く食することができる。
【0050】
さらに、本発明の実施形態では、ドリップタイプの紙フィルタ7を用いて茶系飲料を完成させているので、完成させた茶系飲料の粘度を低く抑えることができるようになり、完成させた茶系飲料をさらに美味しくさせることができる。
【0051】
尚、本発明の実施形態において、中強力粉(小麦粉)に対して添加した茶葉は、杜仲茶、煎茶、烏龍茶、ルイボスティであるが、その他の茶葉でも同様の効果を得ることができる。その他の茶葉の例として、緑茶や紅茶の他に、茶外茶である麦茶、ジャスミン茶、玄米茶、豆茶、蕎麦茶、ハーブティ、柚子茶、マテ茶、コカ茶等が挙げられる。
【0052】
また、本発明の実施形態では、濃縮スープ5に茹で湯の一部を足してスープにしたが、濃縮スープ5に茹で湯の全部を足してスープにしてもよい。
【0053】
また、本発明の実施形態では、濃縮スープ5を醤油味としたが、その他の味の濃縮スープ5であっても、本発明の効果を得ることができる。
【0054】
また、本発明の実施形態では、中強力粉に対してかんすいを添加しているが、かんすいの代わりに貝殻や焼成カルシウム等のカルシウム成分を添加してもよいし、かんすいとカルシウム成分とを同時に添加してもよい。
【0055】
また、本発明の実施形態では、調理する麺を中華麺3としているが、中華麺でなくてもよい。
【0056】
また、本発明の実施形態では、樹脂からなる第1袋2、第2袋4及び第3袋6を用いて、中華麺3等を包装しているが、第1袋2、第2袋4及び第3袋6はその他の材料で形成されていてもよい。
【0057】
また、本発明の実施形態では、茹で湯を用いて茶系飲料を完成させる際、麺に添加された茶葉と同種の茶葉8を用いて茶をいれているが、これに限らず、異なる種類の茶葉8を用いて茶をいれるようにしてもよい。具体的には、例えば、紅茶を添加した麺の茹で湯とレモングラスの茶葉8とを用いて茶をいれると、紅茶とハーブティとがブレンドされた茶系飲料となる。このように、麺に添加された茶葉とは異なる種類の茶葉8と茹で湯とで茶系飲料を完成させると、ブレンド茶となり、共に食する麺料理の美味しさをさらに高めることができる。
【0058】
また、本発明の実施形態では、紙フィルタ7が所謂ドリップタイプの構造をなしているが、これに限らず、例えば、内部に茶葉8が密封してあり、茹で湯に浸すことによって茶を入れるような構造のものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、濃縮スープ付き麺セット
を用いた茶系飲料を完成させる調理方法に適している。
【符号の説明】
【0060】
1 濃縮スープ付き麺セット
3 中華麺
5 濃縮スープ
7 紙フィルタ(茶漉し手段)
8 茶葉