特許第6985744号(P6985744)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985744
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】キャスターのロック操作装置
(51)【国際特許分類】
   B60B 33/00 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   B60B33/00 U
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-76793(P2018-76793)
(22)【出願日】2018年4月12日
(65)【公開番号】特開2019-182258(P2019-182258A)
(43)【公開日】2019年10月24日
【審査請求日】2020年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000111731
【氏名又は名称】ハンマーキャスター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100072213
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 一義
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 晴一
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−231606(JP,A)
【文献】 特開2012−171396(JP,A)
【文献】 特開2008−279874(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0011597(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第10229929(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作バー(2)の回転によって車輪(5)がロック、アンロック状態になるキャスター(C)に装備されるロック操作装置であって、
キャスター(C)またはベースフレーム(1)に固着されたベースプレート(6)の上部に操作バー(2)を貫通させ、この操作バー(2)に戻りバネ(7a)を介在させてカム(8)を固着し、
前記カム(8)の一端部に戻りバネ(7b)を介在させてラチェット(9)を回動自在に取り付け、前記カム(8)の他端部にロック部(8c)を設け、
前記ベースプレート(6)の下部に、前記ラチェット(9)の先端爪(9b)との噛合歯(10a)と、ロックアンロックレバー(11)の凹凸部(11a)との押当部(10b)とを併設してなる切替ギヤ(10)を回転自在として取り付け、
前記ベースプレート(6)に取り付けた切替ギヤ(10)の近辺に、戻りバネ(7c)を介在させて前記ロックアンロックレバー(11)を揺動自在として取り付け、このロックアンロックレバー(11)の一端部に前記カム(8)のロック部(8c)とのロック部(11d)を突設したものとし、他端部に前記切替ギヤ(10)の押当部(10b)との凹凸部(11a)を設けたことを特徴とするキャスターのロック操作装置。
【請求項2】
前記ベースプレート(6)に取り付けた切替ギヤ(10)の近辺に、戻りバネ(7c)を介在させて前記ロックアンロックレバー(11)と共にギヤ止め(12)を揺動自在として取り付け、このギヤ止め(12)に前記切替ギヤ(10)の噛合歯(10a)との噛合部(12c)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のキャスターのロック操作装置。
【請求項3】
前記ロックアンロックレバー(11)は、平面視において略くの字形状としていることを特徴とする請求項1または2に記載のキャスターのロック操作装置。
【請求項4】
前記ベースプレート(6)の略中央部にガイド孔(13)が形成されており、このガイド孔(13)に、前記カム(8)に突設したスライド突起(8f)が沿うようにして、前記カム(8)がスムーズに回動するようにしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のキャスターのロック操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドや台車の底部などに取り付けて使用されるキャスターのロック操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のキャスターのロック操作装置Bは、例えば図13に示したように、ベッド等のベースフレーム41の一対の長手枠41aの両端に取り付けられたキャスターCに装着されるものであり、少なくともこれらキャスターCの何れかの操作バー42の一端に装着されており、これら操作バー42の回転によってキャスターCの車輪45がロック、アンロック状態になるようにしている。
【0003】
前記操作バー42は、ベースフレーム41の一対の長手枠41aの両端において、互いに向かい合うキャスターC、C間に設けられており、一方の操作バー42にはこの操作バー42を回転させるためのステップSが設けられ、さらにこの操作バー42と他方の操作バー42の間には連動杆44が掛け渡され、一方の操作バー42の回転を他方の操作バー42に連動させるようにしている。
【0004】
この従来のキャスターのロック操作装置Bは、図14に示したように、キャスターCまたはベースフレーム41に固着されたベースプレート46の上部に形成した貫通孔46aに操作バー42を貫通させ、この操作バー42に戻りバネ47aを介在させてカム48を固着している。
【0005】
そして、前記ベースプレート46の下部にラチェット49の先端爪49aとの噛合歯50aと、ロックアンロックレバー51の凹凸部51aとの押当部50bとを併設してなる切替ギヤ50を、止めボルト52により回転自在として取り付けている。
【0006】
さらに、前記ベースプレート46の下部側端に戻りバネ47cを介在させて前記ロックアンロックレバー51を揺動自在として取り付けている。このロックアンロックレバー51は、略U字状としており、一端を前記ベースプレート46の下部側端に軸支し、他端にロック部51cを突設したものとして、このベースプレート46に揺動自在として取り付けたものとし、中央内側に前記切替ギヤ50の押当部50bとの凹凸歯51aを設けたものとしている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4103048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来のキャスターのロック操作装置Bにおいては、ベースプレート46の下部に回転自在として取り付けた切替ギヤ50を、略U字状のロックアンロックレバー51で下方から囲むような構造となっているため、このロックアンロックレバー51が大きいものとなり、装置自体が嵩の高いものとなって、ベッドや台車の底部などに取り付けて使用される場合に体裁が悪くなったり、ベッドや台車の底部などにおいてキャスターCの旋回の邪魔になるなどの問題点を有していた。
【0009】
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、装置自体を嵩の低いものにすることにより、ベッドや台車の底部などに取り付けて使用される場合に体裁が悪くなることがなく、ベッドや台車の底部などにおいてキャスターCの旋回の邪魔になることがなく、場合によってはベッドや台車のフレームの中に組み込むことも可能となり、装置自体が外観に現れず、より一層体裁の良いものとすることができるキャスターのロック操作装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのため、本発明のキャスターのロック操作装置は、操作バー2の回転によって車輪5がロック、アンロック状態になるキャスターCに装備されるものであり、キャスターCまたはベースフレーム1に固着されたベースプレート6の上部に操作バー2を貫通させ、この操作バー2に戻りバネ7aを介在させてカム8を固着し、前記カム8の一端部に戻りバネ7bを介在させてラチェット9を回動自在に取り付け、前記カム8の他端部にロック部8cを設け、前記ベースプレート6の下部に、前記ラチェット9の先端爪9bとの噛合歯10aと、ロックアンロックレバー11の凹凸部11aとの押当部10bとを併設してなる切替ギヤ10を回転自在として取り付け、前記ベースプレート6に取り付けた切替ギヤ10の近辺に、戻りバネ7cを介在させて前記ロックアンロックレバー11を揺動自在として取り付け、このロックアンロックレバー11の一端部に前記カム8のロック部8cとのロック部11dを突設したものとし、他端部に前記切替ギヤ10の押当部10bとの凹凸部11aを設けたものとしている。
【0011】
そして、本発明のキャスターのロック操作装置において、前記ベースプレート6に取り付けた切替ギヤ10の近辺に、戻りバネ7cを介在させて前記ロックアンロックレバー11と共にギヤ止め12を揺動自在として取り付け、このギヤ止め12に前記切替ギヤ10の噛合歯10aとの噛合部12cを設けたものとしている。
【0012】
さらに、本発明のキャスターのロック操作装置において、前記ロックアンロックレバー11は、平面視において略くの字形状としている。
【0013】
また、本発明のキャスターのロック操作装置において、前記ベースプレート6の略中央部にガイド孔13が形成されており、このガイド孔13に、前記カム8に突設したスライド突起8fが沿うようにして、このカム8がスムーズに回動するようにしている。
【発明の効果】
【0014】
本発明のキャスターのロック操作装置は、以上に述べたように構成されており、ロックアンロックレバー11を小さいものとすることができ、装置自体が嵩の低いものとなって、ベッドや台車の底部などに取り付けて使用される場合に体裁が悪くなることがなく、ベッドや台車の底部などにおいてキャスターCの旋回の邪魔になることがなくなる。
【0015】
そして、本発明のキャスターのロック操作装置は、装置自体が嵩の低いものとなることにより、ベッドや台車のフレームの中に組み込むことも可能となり、装置自体が外観に現れず、より一層体裁の良いものとすることができる
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のキャスターのロック操作装置をベッド等のベースフレームに取り付けたキャスターに装着した実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明のキャスターのロック操作装置の斜視図である。
図3】本発明のキャスターのロック操作装置の分解斜視図である。
図4】本発明のキャスターのロック操作装置の正面図である。
図5】本発明のキャスターのロック操作装置の作動状態を示す説明図である。
図6】本発明のキャスターのロック操作装置の作動状態を示す説明図である。
図7】本発明のキャスターのロック操作装置の作動状態を示す説明図である。
図8図1に示した本発明のキャスターのロック操作装置のステップの踏み込み状態を示す説明図である。
図9】本発明のキャスターのロック操作装置の作動状態を示す説明図である。
図10】本発明のキャスターのロック操作装置が用いられるキャスターの一部破断説明図である。
図11図10に示したキャスターの車輪のアンロック状態の断面図である。
図12図10に示したキャスターの車輪のロック状態の断面図である。
図13】従来のキャスターのロック操作装置をベッド等のベースフレームに取り付けたキャスターに装着した形態を示す斜視図である。
図14】従来のキャスターのロック操作装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のキャスターのロック操作装置の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明のキャスターのロック操作装置Aをベッド等のベースフレーム1の一対の長手枠1aの両端に取り付けられたキャスターCに実施した形態を示しており、少なくともこれらキャスターCの何れかの操作バー2の一端に装着されている。
【0019】
前記操作バー2は、ベースフレーム1の一対の長手枠1aの両端において、互いに向かい合うキャスターC、C間に設けられており、一方の操作バー2にはこの操作バー2を回転させるためのステップSが設けられ、さらにこの操作バー2と他方の操作バー2の間には連動杆4が掛け渡され、一方の操作バー2の回転を他の操作バー2に連動させるようにしている。前記ステップSは、操作バー2の中央より少し片側に寄った位置に設けられているが、操作バー2の丁度中央であっても、操作バー2の何れか片側に大きく寄った位置に設けられてもよく、また操作バー2に複数設けたものとしてもよい。
【0020】
本発明のキャスターのロック操作装置Aは、前記操作バー2の回転によって車輪5がロック、アンロック状態になるキャスターCに装備されるものであり、図2〜4に示したように、キャスターCまたはベースフレーム1に固着されたベースプレート6の上部に形成した貫通孔6aに操作バー2を貫通させ、この操作バー2に戻りバネ7aを介在させてカム8を固着している。戻りバネ7aは、巻回部をカム8の上部に突設した筒体8aに保持させ、一端部をカム8の下部に設けた突起8bに係止させ、他端部をベースプレート6の上部に設けた突起6bに係止させている。図示した操作バー2は六角バーとし、この操作バー2に虫ネジ(図示せず)などによってカム8の筒体8aを固着し易いものとしているが、操作バー2は六角バーに限られるものではない。このカム8の一端部には戻りバネ7bを介在させてラチェット9を回動自在に取り付け、カム8の他端部にはロック部8cを設けている。戻りバネ7bは、巻回部をカム8に突設した軸部8dに保持させ、一端部をカム8の側部に設けた突起8eに係止させ、他端をラチェット9の上部に設けた突起9aに係止させている。
【0021】
さらに、前記ベースプレート6の下部に突設した軸部6cに、前記ラチェット9の先端爪9bとの噛合歯10aと、後に述べるロックアンロックレバー11の凹凸部11aとの押当部10bとを併設してなる切替ギヤ10を回転自在として取り付けている。なお、前記切替ギヤ10の噛合歯10aは八枚歯としており、切替ギヤ10の押当部10bは十字形状にして四方に突設したものとしており、これら噛合歯10aと押当部10bは切替ギヤ10の裏表に形成されるようにしている。
【0022】
また、前記ベースプレート6に取り付けた切替ギヤ10の近辺に突設した軸部6dに、戻りバネ7cを介在させて前記ロックアンロックレバー11と、このロックアンロックレバー11と共にギヤ止め12を揺動自在として取り付けている。戻りバネ7cは、巻回部を前記軸部6dに保持させ、一端部をロックアンロックレバー11の側端部11bに係止させ、他端部をギヤ止め12の下側端部12aに係止させている。前記ロックアンロックレバー11は、平面視において略くの字形状としており、中間部に形成した貫通孔11cに前記軸部6dを差し込むようにして揺動自在として取り付けており、一端部には前記カム8のロック部8cとのロック部11dを突設したものとし、他端部には前記切替ギヤ10の押当部10bとの凹凸部11aを設けたものとしている。また、前記ギヤ止め12は、平面視において円の下に四角の一部を重ね合わせたような略かぎ穴形状としており、円の部分に形成した貫通孔12bに前記軸部6dを差し込むようにして揺動自在として取り付けており、四角の部分の角端に前記切替ギヤ10の噛合歯10aとの噛合部12cを設けたものとしている。
【0023】
さらに、前記ベースプレート6の略中央部にはガイド孔13が形成されており、このガイド孔13に、前記カム8の軸部8dの近辺に突設したスライド突起8fが沿うようにして、このカム8がスムーズに回動するようにしている。
【0024】
なお、図中の符号14は、各部材が各軸部から外れたり緩むのを防止するためのワッシャである。また、符号15は、ベースプレート6をベースフレーム1の長手枠1aなどに取り付けておくためのねじ止め孔である。
【0025】
前記キャスターCは、図10〜12に示したように、支軸部21の下部に旋回自在に取り付けたフレーム22に車輪5を回転自在に取り付けている。支軸部21には上下動自在とした操作ピン24を垂直方向に設け、この操作ピン24の上方において前記操作バー2が水平方向に配設されるようにすると共に、支軸部21の下部には係合ギヤ26を固着している。フレーム22の内部には制動アーム27を軸支している。さらに、車輪5の支持ピン5aの外周には係合ギヤ28を固着している。
【0026】
前記操作バー2は、キャスターCの支軸部21のカム室21aに装着されたカム29を回動操作するようにしている。操作ピン24は、支軸部21のバネ室21bに装着されたバネ30により上方向に常時押圧されつつ、前記カム29をこの操作ピン24の上端に当接させている。操作ピン24の下端は前記制動アーム27にねじ込んで取り付けた調節ボルト31の上端に当接されている。そして、戻りバネ32を介して前記制動アーム27と同軸に回動する支軸制動体33の先端を前記係合ギヤ26の係合歯26aに係脱自在に配している。さらに、前記制動アーム27の下部に取り付けた車輪制動体34の係合端34aを前記係合ギヤ28の係合歯28aに係脱自在に配している。
【0027】
そこで、本発明のロック操作装置Aにより、前記キャスターCの車輪5をロック状態にするには、図1に示したように、一方の操作バー2に設けたステップSを足で踏むなどして、この操作バー2を回転させると、連動杆4によって他方の操作バー2が回転する。
【0028】
すると、これら操作バー2に固定したカム8が回転して、図4に示した状態から図5に示したように、このカム8に回動自在に取り付けたラチェット9の先端爪9bが、ベースプレート6の下部に回転自在として取り付けられた切替ギヤ10の噛合歯10aに当たる。さらに、図5に示した状態から図6に示したように、前記切替ギヤ10が回転して、ラチェット9の先端爪9bと切替ギヤ10の噛合歯10aが噛み合い、この切替ギヤ10が回転してその押当部10bに、ベースプレート6の下部側端に揺動自在に取り付けられたロックアンロックレバー11の凹凸部11aが嵌まり込むことにより、このロックアンロックレバー11の一端のロック部11dが内方へ回転する。このとき、ギヤ止め12の噛歯部12cは、戻りバネ7cによって切替ギヤ10の噛合歯10aに噛み合わされており、この切替ギヤ10の回転を阻止している。
【0029】
この状態で、ステップSから足を離すと、図6に示した状態から図7に示したように、前記カム8が戻りバネ7aによって戻され、このカム8のロック部8cが、前記ロックアンロックレバー11のロック部11dに当たって停止することにより、操作バー2もその回転位置で停止する。
【0030】
すると、キャスターCにおいては、図12に示したように、カム29と操作ピン24の上端との当接がカム29の長径側となり、操作ピン24がバネ30の押圧力に打ち勝って押され下降する。そして、この操作ピン24の下降により、操作ピン24の下端が調節ボルト31を押し下げるので、制動アーム27が戻りバネ32の押圧力に打ち勝って回動し、この制動アーム27と同軸に回動する支軸制動体33の先端が支軸部21の下部に固着した係合ギヤ26の係合歯26aに係合し、フレーム22の旋回がロックされる。さらに、制動アーム27の回動により、制動アーム27に取り付けた車輪制動体34の係合端34aが車輪5の支持ピン5aに固着した係合ギヤ28の係合歯28aに係合し、車輪5がロック状態になる。
【0031】
さらに、前記車輪5がロックされた状態からアンロック状態にするには、図8に示したように、一方の操作バー2に設けたステップSをもう一度、足で踏むなどして、この操作バー2を回転させると、連動杆4によって他方の操作バー2も回転する。
【0032】
すると、これら操作バー2に固定したカム8が回転して、図9に示したように、このカム8のロック部8cが上昇し、ラチェット9の先端爪9aが切替ギヤ10の噛合歯10aに当たってこの切替ギヤ10が回転し、切替ギヤ10の押当部10bがロックアンロックレバー11の凹凸部11aから外れて押し上げられて、このロックアンロックレバー11のロック部11dが外方へ回転する。
【0033】
この状態で、ステップSから足を離すと、図9に示した状態から図4に示したように、このロック部11dを前記カム8のロック部8cが通り越して、このカム8が戻りバネ7aによって戻ることにより、操作バー2が逆回転してその位置で停止する。
【0034】
すると、キャスターCにおいては、図10、11に示したように、カム29と操作ピン24の上端との当接がカム29の短径側となり、操作ピン24がバネ30に押されて上昇する。そして、この操作ピン24の上昇により、戻りバネ32の押圧力によって制動アーム27および支軸制動体33が回動して元の状態に戻り、この支軸制動体33の先端が支軸部21の下部に固着した係合ギヤ26の係合歯26aから離脱し、フレーム22の旋回が解除される。さらに、制動アーム27が回動して元の状態に戻ることより、制動アーム27に取り付けた車輪制動体34の係合端34aが車輪5の支持ピン5aに固着した係合ギヤ28の係合歯28aから離脱し、車輪5がアンロック状態になる。
【符号の説明】
【0035】
1 ベースフレーム
2 操作バー
5 車輪
6 ベースプレート
7a 戻りバネ
7b 戻りバネ
7c 戻りバネ
8 カム
8c ロック部
8f スライド突起
9 ラチェット
9b 先端爪
10 切替ギヤ
10a 噛合歯
10b 押当部
11 ロックアンロックレバー
11a 凹凸部
11d ロック部
12 ギヤ止め
12c 噛合部
13 ガイド孔
C キャスター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14