(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
【0022】
(1)実施例1
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には
図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には
図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0023】
また、前枠52は、左側上下のヒンジ(図示を省略)を支点に内枠70に対して開閉可能に構成されている。そして、外枠51に対して内枠70を閉鎖し、前枠52が内枠70に対して閉鎖した状態となると、遊技を実行可能な状態となる。この場合、
図5(c)に示すように、遊技盤1の前面1aが遊技者の方向を向き、遊技盤1の前面1aと板ガラス61とが所定の間隔を開けて略平行な状態となる。そして、遊技盤1の前面1aが、パチンコ機50の前方から閉鎖された状態となる。また、前枠52を左側上下のヒンジ(図示を省略)を支点に内枠70に対して開放すると、遊技盤1の前面1aが開放され、パチンコホールの店員等が、当該前面1aに対して発生した不具合を解消する作業(遊技盤1における球詰まりの解消作業等)を施すことができる。なお、以下の説明において、前枠52をガラス枠と称することもある。
【0024】
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0025】
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられている。演出ボタン67は、遊技者が有効期間中に操作することで、後述する演出図柄表示装置6に表示される演出内容を変化させ、スピーカ66により出力される遊技音が変化させるものとなっている。また、演出ボタン67は、その周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっており、ジョグダイヤル68を回転させることにより、演出用の画像に変化を与えることが可能に構成されている。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0026】
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。
【0027】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面6aを臨ませる窓等を備えている。
【0028】
また、センターケース5における右斜め上部には可動物5Kが設けられ、予告演出(リーチ演出D)が開始されると、駆動制御される(
図2の破線5Kを参照)。
本パチンコ機50では、可動物5Kを演出図柄表示装置6の画面6aの前方まで所定時間(例えば、2秒間)移動させるともに可動物5Kに設けられた発光部51Kを発光させることで、リーチ演出Eとして予告演出を実行可能である。つまり、移動可能な可動物5Kには、LED・ランプで構成される発光部51Kが設けられ、可動物5Kの移動に伴い発光する。そして、可動物5Kを駆動させ、発光部51Kを赤色で発光させる演出は、変動中の特別図柄が大当り図柄で確定表示されることとなる場合に所定確率で実行される。そして、当該演出は、大当り図柄が確定表示される場合に限って実行される予告演出(所謂、大当りとなる信頼度が高い場合に限って実行される「ゲキ熱の予告演出」)である。
【0029】
また、変動中の特別図柄が大当り図柄で確定表示されることとなる場合のみならず、外れ図柄で確定表示されることとなる場合にも、可動物5Kを駆動させ、発光部51Kを白色で発光させる演出が実行される。
つまり、可動物5Kを駆動させる演出においては、発光部51Kの発光色によって当否判定の結果(大当り確定であるか否かという結果)が示唆される。
【0030】
センターケース5の左方には、遊技球が通過(入球)可能な普図(以下、普通図柄ともいう)の普通図柄作動ゲート17が設けられている。普通図柄作動ゲート17は遊技球が入球して通過することにより普通図柄の当否抽選が実行される起因となるものである。
また、センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第1始動口11及び第2始動口12が、上下に並んで配設されている。このパチンコ機50は、第1始動口11への入球により変動する第1特別図柄(以下、第1特図ともいう)と、第2始動口12への入球により変動する第2特別図柄(以下、第2特図ともいう)との2種類の特別図柄を備える。また、第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成されており、開放時のみ入球可能となっている。
【0031】
第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特別図柄の大当り決定用乱数、大当り図柄決定乱数、第1特別図柄の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、第1保留記憶として記憶される。また、これら乱数に応じて第1特別図柄の当否判定が実行され、結果は大当り、又は外れの判定がなされる。
第2始動口12への入球により第2特別図柄の大当り決定用乱数、大当り図柄決定乱数、第2特別図柄の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、第2保留記憶として記憶される。また、これら乱数に応じて第2特別図柄の当否判定が実行され、結果は大当り、又は外れのいずれかの判定がなされる。
また、普通電動役物として構成された第2始動口12は、普通図柄抽選での当選時に、所定時間の開放が行われる。そして、第2始動口12の下方には、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口14が配設されている。また、遊技領域における向かって左下の領域には、複数の一般入賞口13が配設されている。
【0032】
遊技盤1における向かって右下の領域には、7セグメントの第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10と、4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置18及び第2特図保留数表示装置19と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。ここで、第1特図表示装置9と、第2特図表示装置10は、識別情報表示手段の具体例を構成する。
また、遊技盤1のセンターケース5には、中央に演出図柄表示装置6のLCDパネルが配設され、LCDパネルの画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで、第1,第2特図に対応する大当り抽選の結果を報知する図柄演出が行われる。
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されており、盤面最下部にはアウト口2dが設けられている。
【0033】
パチンコ機50の裏面は
図3に示すとおり、前述した遊技盤1脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0034】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、
図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0035】
また、主制御装置80には、ガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36から検出信号が入力される。具体的に説明すると、
図5(b)に示すように、内枠70の前面70aからは、ガラス枠開放スイッチ35が前後(パチンコ機50の前後)に出没可能な出没型のスイッチが突出している。そして、内枠70に対して前枠52が開放されると、ガラス枠開放スイッチ35の前端部35aが開放されるため、ガラス枠開放スイッチ35の突出量が多くなり、ガラス枠開放スイッチ35はOFF状態となる。一方、
図5(c)に示すように、内枠70に対して前枠52が閉鎖されると、ガラス枠開放スイッチ35の前端部35aが前枠52の裏面52aで後方に押圧され、ガラス枠開放スイッチ35の突出量が少なくなり、ガラス枠開放スイッチ35はON状態となる。なお、本パチンコ機50においては、実際に前枠52が開放されても、指52b(パチンコホールの店員の指52b)等で、ガラス枠開放スイッチ35の前端部35aを押圧(パチンコ機50の後方に向かって押圧)することで、ガラス枠開放スイッチ35はON状態となる(後述する)。
また、外枠51に対して内枠70が閉鎖状態になると内枠スイッチ36(
図4を参照)がON状態となり、外枠51に対して内枠70が開放状態になると内枠スイッチ36がOFF状態となる。更に、ガラス枠開放スイッチ35を内枠70の裏面側に設けることができる。
【0036】
パチンコ機50の裏側の主制御装置80には、性能表示装置48が設けられている。性能表示装置48は、遊技者が遊技中に視認不可能な位置に配置されている。性能表示装置48は、算出された前記の遊技性能を表示するものである。性能表示装置48は、4つの7セグメントLED表示器を並設した構成で、4桁の簡素な文字、数字を表示可能に構成されている。
なお、本実施例の性能表示装置48では、遊技性能の表示を行うと共に、併せて、パチンコ機50の設定変更や設定確認時における段階設定値(以下、単に「設定」、或いは、「設定値」、「設定情報」等とも呼称する場合がある。また本実施例では、より具体的に、所謂、設定1〜設定6を示す値を指す場合もある。)の表示も行うよう構成されている。
【0037】
主制御装置80は、図示のように、性能表示装置48の直下に設定キーSW47を備える。設定キーSW47は、設定キーを挿入した図示のOFF状態から、例えば時計回り方向に90度回すと、ON状態に切換え可能な周知の構成である。本実施例では、後で詳述するが、少なくとも該設定キーSW47をONすることで、設定変更状態や設定確認状態への遷移を可能とし、設定変更や、設定確認を終了する際に、OFFする構成となっている。
【0038】
また、主制御装置80は、図示のように、設定キーSW47の直下にRAM(RWM)クリアスイッチ46を備える。RAMクリアスイッチ46は、該RAMクリアスイッチ46を押下しつつ、電源スイッチ86をONして電源投入することで、RAMクリアを実行するためのスイッチである。
なお、本実施例のRAMクリアスイッチ46は、設定変更において、段階設定値を任意の値に変更するための操作手段としての機能も備えている。RAMクリアスイッチ46の機能については後述する。
【0039】
このパチンコ機50の電気的構成は、
図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM(以下、RWMと呼称する場合もある)、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因して、ROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置80は各種の乱数を抽出(生成)する乱数カウンタ等も備えている。
【0040】
本実施例の主制御装置80では、前記生成し使用する乱数のうち、大当り決定用乱数として所謂ハード乱数を採用し、リーチ判定用乱数及び変動パターン決定用乱数として、所謂ソフトウェア乱数を採用している。
ここで、リーチ判定用乱数を更新する処理は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。また、変動パターン決定用乱数を更新する処理は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0041】
また、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0042】
本パチンコ機50は、バックアップ電源を備え、少なくとも、主制御装置80、払出制御装置81に設けられたRAMの内容を保持する構成である。尚、パチンコ機50では、サブ統合制御装置83に設けられたRAMの内容は保持されない。
ここで、本パチンコ機50の電源について説明する。パチンコ機50は、外部に設けられたAC電源から供給される電力を、電源基板85により変換して直流電圧を生成する。そして、パチンコ機50は、電源基板85に設けられた電源スイッチ86が操作されることでパチンコ機50を構成する各部位に電力を供給する。パチンコ機50は、コンデンサ等から構成されたバックアップ電源生成路(バックアップ用電源回路とも呼称する)によりバックアップ電源(バックアップ用電源とも呼称する)を生成する。バックアップ電源は、AC電源からの電力供給中に、コンデンサに直流電圧の電力を蓄え、停電時には主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力を供給する。これにより、パチンコ機50への電力供給が停止した後も、一定時間にわたり電力供給が停止した直前の主制御装置80のRAMの内容(例えば、第1特図始動口11、第2特図始動口12、大入賞口14、一般入賞口13への入賞により払出させることとなった賞球の数の合計、パチンコ機50の遊技状態)を保持する構成である。
一方、本実施例の電源基板85が生成するバックアップ電源は、サブ統合制御装置83へ供給されない。このため、パチンコ機50への電力供給が停止した後は、サブ統合制御装置83のRAMに保持されている記憶はクリアされる。
【0043】
尚、バックアップ電源は、主制御装置80に設けてもよいし、電源基板85以外の他の装置に設けてもよい。また、電源基板45は、AC電源からの電力供給が停止している場合には、主制御装置80に対して停電信号(停電検出信号とも呼称する)を出力すると共に、AC電源からの電力供給がなされている場合には、主制御装置80に対して供給信号を出力する。
バックアップ電源を含む電源基板85に関しては、後で
図5(a)を参照して詳述する。
また、
図4のこのブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。
【0044】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させる普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、一般入賞口13に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ13a等の検出信号が入力される。
【0045】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄表示装置7、普通図柄保留表示装置8の点灯を制御する。
【0046】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド12bを制御することで普通電動役物(第2始動口12)の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0047】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0048】
なお、払出制御装置81は、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0049】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0050】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0051】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0052】
パチンコ機50は、RAMクリアスイッチ(SW)46(図例では主制御装置80に配置されている)を押した状態で電源を投入すると、RAMの領域のうちの一部を除いた領域がクリアとなると共に、RAMの初期設定が行われることになる。
また、本実施例では、段階設定値(所謂、設定1〜設定6を示す値)に関しても、RAMクリアによって消去されないよう構成されている。具体的には、RAMクリア処理は、RAMクリアによって消去されるRAM領域の内、段階設定値に関する領域は消去の対象としないよう構成されている。
【0053】
前述のように、パチンコ機50は、主制御装置80に、RAMに記憶された情報を消去するためにRAMクリアSW46が設けられている。RAMクリアSW46は払出制御装置81や電源基板85(
図5(a)を参照)に設ける構成としてもよい。また、性能表示装置48は主制御装置80に設けられ、主制御装置80によって制御される。また、本実施例では、主制御装置80に、上述したように設定変更や設定確認の際に用いる、設定キーSW47を備える。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
【0054】
そして、音声制御装置としての機能部(
図4において音声制御部83aと表記)は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御、つまり、音量の制御や、音声の種類(例えば、報知音の種類等、設定示唆音A〜D、a〜dを制御)する。また、ランプ制御装置としての機能部(
図4においてランプ制御部83aと表記)は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
【0055】
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その操作信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、ジョグダイヤル68を演出図柄制御装置82に接続する構成にしてもよい。
【0056】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
【0057】
上述した本実施例の電源基板(電源装置)85の構成について、さらに
図5(a)を参照して説明する。
図5(a)は、本実施例の電源基板(電源装置)85の構成及び機能を説明する概略ブロック図である。
本実施例の電源基板85は、電源回路410、停電検出回路405、バックアップ用電源回路460、受電回路430、および電源スイッチ86を備える。
【0058】
電源回路410は、受電回路430を介して供給される主電源AC24Vを基にして、各制御装置やアクチュエータ等の作動電源を生成して供給する。また、受電回路430には、当該受電回路430から電源回路410への主電源AC24Vの供給を導通或いは非導通に切替え可能に構成される電源スイッチ86が接続されている。
【0059】
バックアップ用電源回路460は、電源回路410で生成されたDC5Vを充電し、バックアップ対象にバックアップ用電源(DC5V)として供給する。停電検出回路405は、主電源の電圧(24V)が所定電圧以下に降下すると主制御装置80、払出制御装置81に、停電検出信号470をハイレベル(ON)にする。なお、主電源の電圧が所定電圧以上に上昇すると停電検出信号470をローレベル(OFF)にする。
【0060】
また、本実施例で停電検出信号470を主制御装置80と払出制御装置81に送信する構成としたが、必ずしもこの構成である必要は無い。主制御装置80のみに送信し、主制御装置80が払出制御装置81に停電用のコマンドを送信しても良いし、その逆の構成なども考えられる。
【0061】
次に、パチンコ機50の作動を説明する。
パチンコ機50は、第1始動口11への入球に起因して第1特別図柄の当否判定が、第2始動口12への入球に起因して第2特別図柄の当否判定が実行される。そして、当否判定に応じて、決定された変動時間に基づいて第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10と演出図柄表示装置6の図柄変動を開始する。その後、第1又は第2特別図柄の変動時間を経過して、第1又は第2特別図柄表示装置10にて第1又は第2特別図柄の確定図柄が表示されると、演出図柄表示装置6に特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に対応する演出図柄が確定表示して特別図柄の当否判定の結果を報知する。
第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなり、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が大当り図柄で確定表示されると、条件装置が作動することによって役物連続作動装置が作動して大入賞口14が賞球の獲得に有利な所定の態様で開放される大当り遊技が実行される。
【0062】
そして、確定表示された大当り図柄が確変大当り図柄である場合、大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態を、高確遊技状態で、しかも開放延長状態に設定する。この高確遊技状態且つ開放延長状態は、次回の大当りを生ずるまで継続する。ここで、確変大当り図柄とは確定表示されると、大当り遊技の終了後、当該パチンコ機50の遊技状態を高確率遊技状態に設定することになる大当り図柄である。
また、確定表示された大当り図柄が通常大当り図柄である場合、大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態は、通常確率遊技状態(低確率遊技状態)で、しかも開放延長状態となる。この通常確率状態で、しかも開放延長状態は、大当りを生ずることなく、所定回数(100回)の変動表示を行うと終了する。
【0063】
ここで、高確率遊技状態(高確率状態若しくは確変遊技状態)とは、第1特別図柄の当否判定及び第2特別図柄の当否判定で大当りと判定される確率(大当り判定確率)を向上させる確率変動機能が作動する状態をいい、通常確率状態とは、確率変動機能が作動していない状態をいう。また、開放延長状態(時短状態)とは、普通電動役物(第2始動口12)の開放時間を延長する(開放延長機能)とともに、特別図柄及び普通図柄の平均変動時間を短くする時短機能が作動される状態をいい、非開放延長状態(非時短状態)とは開放延長機能及び時短機能が作動していない状態をいう。
【0064】
図6を用いて、本実施例のパチンコ機50の基本的仕様について説明する。
本実施例のパチンコ機50は、所謂「確変機」であり、高確率状態における第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率は、通常確率状態(大当り判定確率が通常確率)における第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率の約10倍となっている。また、本パチンコ機50は、大当り確率の異なる6種類の段階設定値(所謂設定)を備え、最も大当り確率の低い「設定1」から、最も大当り確率の高い「設定6」を備えている。
段階設定値毎の大当り確率について詳述すると、通常確率遊技状態における大当り確率及び確変遊技状態における大当り確率は、「設定1」が1/300および1/30、「設定2」が1/290および1/29、「設定3」が1/280および1/28、「設定4」が1/270および1/27、「設定5」が1/260および1/26、「設定6」が1/250および1/25、に設定されている。
【0065】
第1始動口11及び第2始動口12への入球による賞球数は3個、その他入賞口13への入球による賞球数は10個となっている。また、大入賞口14への入球による賞球数は10個となっている。更に、大入賞口14への規定入賞数は10個、普通電動役物(第2始動口12)への規定入賞数は9個(
図6では図示を省略)となっている。
【0066】
普通図柄の当選確率は、非開放延長状態(非時短状態)で「1/6」に設定され、開放延長状態(時短状態)で「5/6」に設定されている。
普通電動役物(第2始動口12)の開放時間は、非開放延長状態(非時短状態)において「0.3秒を1回」であり、開放延長状態(時短状態)において「2秒を1回」である。
普通図柄の変動時間は、非開放延長状態で平均5秒、開放延長状態で平均1秒とされている。
【0067】
次に、本パチンコ機50が実行する大当り遊技の内容及び大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。ここで、以下の説明において、第1始動口11への入球に基づいて実行される当否判定を「第1当否判定」と称し、第2始動口12への入球に基づいて実行される当否判定を「第2当否判定」と称することがある。
【0068】
第1当否判定の結果として大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は2種類存在する。
一方の大当り遊技が、第1当否判定の結果として確変大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態(高確率状態)で、しかも開放延長状態(時短状態)に移行する。この確変遊技状態(高確率状態)は、当否判定の実行回数が10000回になるか、当否判定の結果が大当りになるまで継続する。
また、他方の大当り遊技が、第1当否判定の結果として通常大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態にしないが、開放延長状態(時短状態)に移行する。この開放延長状態(時短状態)は、大当りを発生するか、当否判定の実行回数が100回になるまで継続する。
【0069】
第1当否判定の結果として確変大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は、所謂「8R大当り遊技」であり、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大28秒の開放又は10カウント)を8回行う。また、第1当否判定の結果として通常大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は、所謂「10R大当り遊技」であり、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大28秒の開放又は10カウント)を10回行う。
そして、第1当否判定の結果が大当りである場合、確定表示される大当り図柄が、確変大当り図柄若しくは通常大当り図柄に50%の比率で振分られる。
【0070】
第2当否判定の結果として大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技も2種類存在する。
一方の大当り遊技が、第2当否判定の結果として確変大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態(高確率状態)でしかも、開放延長状態(時短状態)には移行する。この確変遊技状態(高確率状態)も、当否判定の実行回数が10000回になるか、当否判定の結果が大当りになるまで継続する。
また、他方の大当り遊技が、第2当否判定の結果として通常大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行しないが、開放延長状態(時短状態)に移行する。この開放延長状態(時短状態)は、大当りを発生するか、当否判定の実行回数が100回になるまで継続する。
【0071】
第2当否判定の大当りである場合に実行される大当り遊技は、何れも「10R大当り遊技」であり、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大28秒の開放又は10カウント)を10回行う。また、第2当否判定の結果が大当りである場合、確定表示される大当り図柄が、確変大当り図柄若しくは通常大当り図柄に50%の比率で振分けられる。
なお、以下の説明において、確変大当り図柄が確定表示されることになる大当りを「確変大当り」、通常大当り図柄が確定表示されることになる大当りを「通常大当り」と称する。
【0072】
本パチンコ機50は、上記6種類の段階設定値の内、例えばホール従業員が任意の段階設定値に変更可能な構成を備えている。また、現状の段階設定値が何れにセットされているかを確認可能な構成も備えている。
また、段階設定値の上記変更や確認に際し、現状の段階設定値を視認可能に表示する段階設定値の表示手段を備えている。
また、段階設定値の表示手段として、本実施例では、上述した、遊技性能を表示する性能表示装置48によって兼用することで実現している。なお、段階設定値の表示手段として、段階設定値専用の表示装置を備えるようにしても良い。
さらに、段階設定値を任意の値に変更する際に、操作の都度、段階設定値を変更する操作手段として、RAMクリアSW46によって兼用することで実現している。なお、段階設定値を変更する操作手段として、専用の操作手段を備えるようにしても良い。
このように本実施例では、複数種類の段階設定値を備えて、該複数種類の段階設定値の内の何れか任意の段階設定値に変更すること、また現状の段階設定値を確認すること、そして現状の段階設定値を視覚的に確認すること等、が可能な構成となっている。
【0073】
また本実施例では、後述する起動処理(
図7)のS40や、設定状態確認処理(
図11)のS256において、段階設定値が適正な値か否かを判定する処理を備えている。このような処理では、判定の参照とするために次のような判定値等を予め設定している。
すなわち、本処理の判定値として、段階設定値が1すなわち設定1に対して0、設定2に対して1、設定3に対して2、設定4に対して3、設定5に対して4、および設定6に対して5、が設定される。さらに、「段階設定値最大値」として、6が設定されている。これにより、本来予定されている設定1〜6までの何れかの設定に対応した判定値(0〜5)がセットされていれば、「段階設定値最大値」である6未満であると判定される。一方、6以上の何らかの判定値がセットされている場合には、何らかの不正行為によって、予定されていない段階設定値が設定されている危険性や、或いは何らかの原因によってデータが破壊している危険性が有るとして、「RWM異常」と判定する根拠となる。本実施例では、このような構成により、適正な段階設定値が設定されているかを監視する。なお、後述するが、段階設定値に対応した上記判定値は、「段階設定値記憶領域」に保存(設定)される。「段階設定値記憶領域」は、RWMクリア処理によっても消去されることのない記憶領域である。
【0074】
さらに本実施例のパチンコ機50は、図示を省略するが、少なくとも、「RWMクリア」状態、「バックアップ復帰」状態、「設定確認」状態、「設定変更」状態、「遊技停止」状態、電源投入状態、および電断(電源断とも呼称する)状態への状態遷移が可能な構成となっている。
設定状態フラグは、パチンコ機50が遷移する状態を示すフラグであって、遷移する各状態に応じ、設定状態フラグにセットされるフラグ値は異なる値がセットされる。すなわち、「RWMクリア」状態および「バックアップ復帰」状態では0、「設定確認」状態では1、「設定変更」状態では2、そして、「遊技停止」状態では3、がセットされる。なお、設定状態フラグが0である場合とは、「RWMクリア」状態および「バックアップ復帰」状態の何れか、すなわち、通常の遊技が可能な状態である。
【0075】
なお、この「通常遊技が可能な状態」とは、遊技者が通常の遊技を実行可能な状態であり、パチンコ機50の遊技状態が、「非時短状態且つ通常確率遊技状態」であるか、「時短状態且つ通常確率遊技状態」であるか、「高確率遊技状態」であるか等を問わず、遊技者が当該パチンコ機50を用いて遊技を実行可能な状態を指す。この「通常遊技が可能な状態」を、「通常遊技実行可能状態」と称することがある。
【0076】
このように、本実施例のパチンコ機50は、こうした所謂設定に関して、変更、確認、および表示等の機能を備えると共に、「設定確認」状態や「設定変更」状態等の状態への遷移機能を備えている。パチンコ機50において、このような機能が具体的に如何にして実現されているかについては後で、
図7〜
図11を参照しつつ、すなわち主制御装置80で実行されるプログラム処理を説明することによって、詳述することとする。
先ずは、パチンコ機50の通常遊技(通常遊技実行可能状態)に係る基本的な制御処理および性能表示機能等について、
図7〜
図19を参照して以下、説明する。
【0077】
本実施例の起動処理について、
図7を参照して説明する。
本実施例のパチンコ機50に電源投入されると、主制御装置80は本処理を開始すると、主制御装置80は先ず、S0において、スタックポインタをスタックアドレスに設定して、S5に処理を移行する。
主制御装置80は、S5において、割込みベクタテーブルの割込みベクタアドレスを、対応するレジスタに設定して、S10に処理を移行する。割込みベクタアドレスは、アドレス空間(メモリ空間)の中で、後述する割込(INT)処理のプログラムに係る開始番地を指定するためのものである。
主制御装置80は、S10において、内蔵レジスタを設定して、S15に処理を移行する。
主制御装置80が実行するS0からS10は、パチンコ機50に電源投入されると、主制御装置80が以降の処理の準備として最初に実行する、CPU初期設定処理である。
【0078】
主制御装置80は、S15において、入力ポートレジスタを読み込んで、S20に処理を移行する。
主制御装置80は、S20において、先に読み込んだ入力ポートレジスタの値に基づき、停電検出信号470がOFF(出力停止した)か否かを判定し、肯定判定であれば(S20:yes)、S25に処理を移行し、否定判定であれば(S20:no)、S15に処理を移行する。
本ステップで肯定判定となるまで、S15の入力ポートレジスタのリード処理を繰り返し実行する。停電検出信号470は、電断時において主電源の電圧が所定電圧以下に降下するとONと見做され、所定電圧以上に上昇するとOFFと見做されることとなる、停電検出回路405(
図5(a)参照)が生成した信号である。つまり、S20において、停電検出信号470がOFFである、ということは、電圧が電源投入後に立ち上がって安定した状態となったことを意味する。
主制御装置80は、S20にて肯定判定となると、S25において、RWM(RAMとも呼称する)への書き込みを許可し、S30に処理を移行する。
【0079】
主制御装置80は、S30において、チェックサムを取得し、S35に処理を移行する。
主制御装置80は、S35において、S30で取得したチェックサムが異常か否かを判定し、肯定判定であれば(S35:yes)、S55に処理を移行し、否定判定であれば(S35:no)、S40に処理を移行する。
【0080】
主制御装置80は、S40において、現在設定されている段階設定値が、「段階設定値最大値」未満か否かを判定し、肯定判定であれば(S40:yes)、S45に処理を移行し、否定判定であれば(S40:no)、S55に処理を移行する。
本ステップでは、設定されている段階設定値が異常な値となっていないか、つまり例えば、不当な利得を得ようとする不正行為者によって、正規ではない段階設定値が仕込まれていないか、を判定する。
【0081】
主制御装置80は、S45において、バックアップフラグが設定されているか否かを判定し、肯定判定であれば(S45:yes)、S47に処理を移行し、否定判定であれば(S45:no)、S55に処理を移行する。
本ステップでは、先の電断時において、パチンコ機50の状態に係るデータのバックアップが完了したことを示すバックアップフラグが設定されているか否か、つまり電断時の情報のバックアップが問題無く行われたか否か、を判定する。
なお後に、割込(INT)処理(
図8)の停電検出信号監視処理(S105)にて詳述するが、設定状態フラグが3すなわち、「遊技停止」状態にあるときに電断となった場合に限っては、バックアップフラグが設定されず、チェックサムの算出および保存も行われないよう構成されている。したがって、電断前の状態が「遊技停止」状態であったときは、本ステップS45又は上記S35の何れかで否定判定(RWM異常と判定)されてS55に移行することとなる。
【0082】
主制御装置80は、S47において、設定状態フラグの値を汎用レジスタにセットし、S50に処理を移行する。
本実施例では、S35、S40、S45で「RWM異常」であると判定されなかったときに、設定状態フラグに係るデータを保存処理する。例えば、電断前の状態が、「設定変更」状態であった場合には、これを示す設定状態フラグに係る情報を汎用レジスタにセットしておくことで、後述するRWMクリア処理(S60)の影響を受けることなく、後に実行する初期設定処理(S65)にて電断前が設定変更状態であったことの判別が可能となっている。つまり、設定変更状態にて電断となって、再度電源投入する際にRWMクリアSW46がONされていたとしても、「設定変更」状態を示す設定状態フラグに係る情報が汎用レジスタに維持されているので、確実に「設定変更」状態への復帰が可能なように構成されている。
【0083】
主制御装置80は、S55において、「RWM異常」であることを示す結果を汎用レジスタにセットし、S60に処理を移行する。
本実施例では、チェックサムが異常な場合、設定されている段階設定値が「段階設定値最大値」未満ではない場合、およびバックアップフラグが設定されていない場合、の何れかであると判定されたときに、「RWM異常」であるとして処理される。
【0084】
主制御装置80は、S50において、RWMクリアSW46がONか否かを判定し、肯定判定であれば(S50:yes)、S60に処理を移行し、否定判定であれば(S50:no)、S65に処理を移行する。
本ステップは、上述したS35、S40、およびS45の何れの判定処理においても、RWM異常ではないと判定された場合に移行する処理である。よって、たとえ前記3種類の判定ステップにて異常ではないと判定されたとしても、RWMクリアSW46がON状態であれば、次のS60にてRWMクリア処理を行ってからS65に移行するように、また、RWMクリアSW46がOFF状態であれば、RWMクリア処理を行うことなくS65に移行するように構成されている。
【0085】
主制御装置80は、S60において、RWMを0クリアして初期化するRWMクリア処理を実行し、S65に処理を移行する。
本実施例では、該RWMクリア処理にて、上述したように、段階設定値に関する領域を除くRWM領域をクリアする。これにより、後述する設定状態確認処理(
図11)の設定変更処理(S254)にて新しい値に設定変更された段階設定値は、RWMクリア処理が実行されたとしても消去されることなく、設定変更された段階設定値が維持される。しかし、少なくとも、後述する初期設定処理(
図9および
図10)や設定状態確認処理(
図11)にて、電断前にセットされた設定状態フラグは消去される。
但し、RWMクリア処理(S60)の前に、上記S47において汎用レジスタに設定状態フラグの値をセットした場合は、後で参照可能に保持される。上記S47において設定状態フラグの値をセットするための汎用レジスタは、当該RWMクリア処理(S60)が実行されても、セットした結果が消去されずに、後で確認可能なレジスタである。後述する初期設定処理(
図9)のS202は、汎用レジスタへS47にてセットされた結果を参照することで判定を行う。
また、上記S55において「RWM異常」であることを示す結果をセットするための汎用レジスタも、当該RWMクリア処理(S60)が実行されても、セットした結果が消去されずに、後で確認可能なレジスタである。後述する初期設定処理(
図9)のS200は、汎用レジスタへS55にてセットされた結果を参照することで判定を行う。
このように、本実施例では、RWMクリア処理(S60)が実行されても、段階設定値に関する領域、設定状態フラグの値がセットされた汎用レジスタ、および「RWM異常」の結果がセットされた汎用レジスタは、消去されることなく状態が維持される。
【0086】
さらに、今回の電源投入時に上記、S35、S40、またはS45の何れかで「RWM異常」と判明した場合には、当該RWMクリア処理(S60)でRWMを初期化するので、「RWM異常」と判定された原因は、即時解消される。しかし、汎用レジスタにセットされた「RWM異常」であったとする結果は、RWMクリア処理後も維持される。
したがって、後述する初期設定処理(
図10)にてS230またはS232の何れかで否定判定となれば設定状態フラグに3が設定されることになる。該設定状態フラグに3が設定された状態で電断となると、上述したようにバックアップフラグが設定されない。これにより、次に電源投入された際に再度、起動処理を開始すると、たとえS35およびS40で「RWM異常」ではないと判定されても、S45では必ず「RWM異常」と判定されるよう構成されている。
【0087】
なお、RWMクリア処理(S60)が実行されると、電断前に設定されていた設定状態フラグの値は消去された状態で、初期設定処理(S65)に処理が移行されるが、S50で否定判定すなわちRWMクリアSW46がONされていなければ、RWMクリア処理(S60)が実行されることがないため、電断前にセットされた設定状態フラグ等の情報は、復電後に維持されたまま、初期設定処理(S65)に処理が移行することとなる。
さらに本実施例では、S47で、設定状態フラグの値を汎用レジスタにセットするので、RWMクリア処理(S60)が実行されたか否かに拘らず、該汎用レジスタにセットされた値を参照すれば、電断前に設定されていた設定状態フラグの値を確認することが可能となっている。
【0088】
主制御装置80は、S65において、初期設定処理を実行し、S70に処理を移行する。
初期設定処理は、電断前の状態(特に電断時の「遊技停止」状態)、電源投入時の入力値(設定キーSW47とRWMクリアSW46の状態)から、何れの状態に遷移(移行)するかを設定する処理である。本実施例では、電源投入時に遷移することが出来る状態として、「設定変更」状態、「設定確認」状態、「遊技停止」状態、「RWMクリア」状態、および「バックアップ復帰」状態、の何れかの状態となっている。なお、「RWMクリア」状態、および「バックアップ復帰」状態は、何れも通常遊技が可能な「通常遊技実行可能状態」である。初期設定処理については、後で
図9〜
図10を参照して詳述する。
【0089】
主制御装置80は、S70において、タイマ割込みレジスタを設定し、S75に処理を移行する。
本ステップでは、以降の割込(INT)処理の実行に備えて、対応するタイマ割込みレジスタを設定する。
主制御装置80は、S75において、タイマ割込みを禁止し、S80に処理を移行する。
【0090】
主制御装置80は、S80において、設定状態フラグが0か否かを判定し、肯定判定であれば(S80:yes)、S85に処理を移行し、否定判定であれば(S80:no)、S97に処理を移行する。
よって、設定状態フラグが0でない場合、すなわち「設定確認」状態、「設定変更」状態、そして、「遊技停止」状態では、続くS85〜S95の処理は行わない。すなわち、S90の性能表示用集計除算処理は、「RWMクリア」状態および「バックアップ復帰」状態といった通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)においてのみ実行され、「設定確認」状態、「設定変更」状態、および「遊技停止」状態では実行されない処理である。
【0091】
主制御装置80は、S85において、対応するレジスタの退避処理を実行し、S90において、性能表示用集計除算処理を実行し、S95において、前記レジスタの復帰処理を実行し、S97に処理を移行する。
性能表示用集計除算処理は、後述するパチンコ機50の性能を、性能表示装置48にて表示するために、データを集計して結果を算出する処理である。
【0092】
主制御装置80は、S97において、タイマ割込みを許可し、S75に処理を移行する。主制御装置80は、S75からS97のループ処理を行う。S97でタイマ割込みを許可し、S75でタイマ割込みを禁止するまでの間に、システムクロックに基づき生成される所定の割込み周期(例えば、2ms)が発生する毎に、後述する割込(INT)処理が実行される。割込(INT)処理が終了すると、RETI(Return from Interrupt)が実行されて、S75でタイマ割込みを禁止するまで待機する。
以上が本実施例の起動処理である。
【0093】
本実施例の割込(INT)処理について、
図8を参照して説明する。
割込(INT)処理は、上述したように、起動処理(
図7)のS97でタイマ割込みを許可し、S75でタイマ割込みを禁止するまでの間に、実行される処理である。
主制御装置80は本処理を開始すると先ず、S100において、各種タイマやウォッチドッグタイマ(WDT)の設定を行い、S105に処理を移行する。
本ステップでは、各種タイマの設定や、ウォッチドッグタイマのクリアおよびリスタートを実行する。
【0094】
主制御装置80は、S105において、停電検出信号監視処理を実行し、S110に処理を移行する。
本ステップでは、停電検出回路405(
図5(a)参照)が電断時において主電源の電圧が所定電圧以下に降下したことを条件に停電検出信号470がON(出力)したか否かを監視することで、停電の発生を監視する。なお、該ステップにて、停電の発生を検知した場合には、図示しない電断時の処理を実行する。
すなわち、「遊技停止」状態(設定状態フラグが3)中であれば、内蔵RWMのアクセスを禁止して電源ダウンに備える。また、「遊技停止」状態中でなければ、バックアップフラグを設定し、チェックサムを算出および保存して、内蔵RWMのアクセスを禁止して電源ダウンに備える。
つまり、上述したように、電断時には、設定状態フラグが3でないか否か、すなわち「遊技停止」状態でないか否かを確認する。設定状態フラグが3でない場合には、バックアップフラグを設定する。しかし、設定状態フラグが3の場合には、バックアップフラグを設定せず、さらにチェックサムの算出および保存も実行しない。
また、「設定変更」状態(設定状態フラグが2)中であれば、上述したように、「遊技停止」状態中ではないため、バックアップフラグを設定し、チェックサムを算出および保存して、内蔵RWMのアクセスを禁止して電源ダウンに備える。この際に、設定状態フラグのフラグ値である2も保存維持され、再度電源投入された際には、起動処理(
図7)のS47にて該フラグ値を参照して汎用レジスタにセットすることが可能となっている。
【0095】
主制御装置80は、S110において、設定状態フラグが「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」を示す値か否かを判定し、肯定判定であれば(S110:yes)、S115に処理を移行し、否定判定であれば(S110:no)、S190に処理を移行する。
本ステップでは、上述した起動処理(
図7)の初期設定処理(S65)において設定された設定状態フラグが0か否か、すなわち「RWMクリア」状態または「バックアップ復帰」状態の内の何れかの状態であるか否か、を判定する。
【0096】
主制御装置80は、S115において、タイマ更新処理を実行し、S120に処理を移行する。
本ステップでは、各種タイマの更新を実行する。
主制御装置80は、S120において、入力判定処理を実行し、S125に処理を移行する。
本ステップでは、入力データを入力ポートより入力し、始動口スイッチやカウントスイッチの監視処理、および異常入賞の監視処理を実行する。
すなわち、第1始動口11の入球(入賞)確認、第2始動口12の入球(入賞)確認、大入賞口14の入球(入賞)確認、普図作動ゲート17の遊技球の通過の確認、一般入賞口13の入球(入賞)確認、及び主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理等が実行される。
【0097】
主制御装置80は、S125において、特図特電処理を実行し、S130に処理を移行する。
本ステップでは、特別図柄及び特別電動役物の状態を更新する。特図と特電の制御を行うため、第1特図始動口SW11aと第2特図始動口SW12aへの入球検出処理を行い、特別図柄の表示制御処理や、大当り遊技に係る特別電動役物の制御処理等を実行する。
【0098】
なお、後述する始動入賞確認処理(
図12;特別図柄に関する始動入賞確認処理)、当否判定処理(
図13〜
図16;特別図柄に関する当否判定処理)、大当り遊技処理(
図17〜
図19)は、特図特電処理のモジュールである。
後述する始動入賞確認処理(
図12)では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると、「大当り判定用乱数」、「特別図柄に関する図柄決定用乱数(大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数)」、「特別図柄に関する変動パターン決定用乱数」、など複数の乱数が取得される。しかし、第1始動口11の入球に基づく第1特別図柄の保留記憶、第2始動口12の入球に基づく第2特別図柄の保留記憶は、最大数がそれぞれ4個までとされており、保留記憶が満タンであるときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入球しても、賞球が払出されるだけで、保留記憶されない構成になっている。
【0099】
主制御装置80は、S130において、普図普電処理を実行し、S135に処理を移行する。
本ステップでは、普通図柄及び普通電動役物の状態を更新する。普図(普通図柄)と普電(普通電動役物)の制御を行うため、普図作動SW17aへの入球検出処理を行い、普通図柄の表示制御処理や、当り遊技に係る普通電動役物の制御処理等を実行する。
普図作動ゲート17に入賞すると、「当り判定用乱数」、「普通図柄決定用乱数」、および「普通図柄に関する変動パターン決定用乱数」、など複数の乱数が取得される。
主制御装置80は、S135において、遊技状態設定処理を実行し、S140に処理を移行する。
本ステップでは、遊技の状態を更新する。普電作動中状態や、特電作動中状態等のクリア処理を実行することで遊技状態の更新を行う。
【0100】
主制御装置80は、S140において、賞球コマンド送信処理を実行し、S145に処理を移行する。
本ステップでは、各種入賞口への入球に基づき発生した賞球について、払出制御装置81に賞球コマンドを送信する。
主制御装置80は、S145において、エラー監視処理を実行し、S146に移行する。
エラー監視処理では、電波エラーや、振動エラー等の各エラーの監視を行う。
主制御装置80はS145に続いて移行するS146において、サブ統合制御装置83に対する情報(コマンド)を出力する処理を行う。
主制御装置80は、S146を実行すると、S150において、情報出力処理を実行し、S155に処理を移行する。
本ステップでは、各種情報の作成処理および情報データ出力処理を実行することで、外部端子板への出力を行う。
【0101】
主制御装置80は、S155において、ソレノイド出力処理を実行し、S160に処理を移行する。
本ステップでは、ソレノイドデータ等の作成処理および情報データ出力処理を実行することで、ソレノイドへの出力を行う。遊技の進行に応じて主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14b、普電役物ソレノイド12b等に対して各々出力処理を実行する。
また、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく、外部接続端子板38からセキュリティ信号を出力する処理を、本実施例ではS155にて、併せて実行する。
【0102】
主制御装置80は、S160において、対応するレジスタを退避し、S165において、領域外処理を実行し、S170において、前記レジスタを復帰し、S175に処理を移行する。
S165のステップでは、性能表示装置48の制御処理や試射試験データの出力処理等として、領域外処理を行う。すなわち、起動処理(
図7)の性能表示用集計除算処理(S90)にて算出した結果に基づき、性能表示装置48を用いた表示制御のためのデータや試射試験データを、RWMの領域外にて作成する処理を行う。
【0103】
主制御装置80は、S175において、セグメントデータ設定処理を実行し、S180に処理を移行する。
本ステップでは、LEDデータ設定テーブルを取得して、LEDのコモン(LEDセグメントに係る8bit単位の表示領域)毎の発光制御を行うためのセグメントデータの作成処理を行う。すなわち、上記領域外処理(S165)で、RWMの領域外にて作成したデータを、RWMの領域内に移動して、後述するLED出力処理(S180)にて出力するためのセグメントデータを設定する。
【0104】
主制御装置80は、S110で否定判定の際に移行するS190において、設定状態フラグが「遊技停止」状態であることを示す値か否かを判定し、肯定判定であれば(S190:yes)、S180に処理を移行し、否定判定であれば(S190:no)、S195に処理を移行する。
本ステップでは、上述した起動処理(
図7)の初期設定処理(S65)において設定された設定状態フラグが3か否かを判定する。設定状態フラグが3の場合は、S195を実行せず即時、S180に移行し、設定状態フラグが3ではない場合すなわち、1又は2の場合は、S195を介してS180に移行する。
【0105】
主制御装置80は、S195において、設定状態確認処理を実行し、S180に処理を移行する。
本ステップは、設定確認および設定変更を行うための処理である。すなわち、設定変更時或いは設定確認時において、入力値(設定キーSW47や、RWMクリアSW46に係る検出信号)に基づいて、段階設定値の変更や、「設定変更」状態および「設定確認」状態の終了に係る処理を行う。
設定状態確認処理については、後で
図11を参照して詳述する。
【0106】
主制御装置80は、S180において、LED出力処理を実行し、S185に処理を移行する。
本ステップでは、性能表示装置48や、各種LED等に係る、発光制御のための情報を出力する。
すなわち、性能表示装置48を用いた性能表示または段階設定値に関する発光制御のための情報や、遊技盤1の表面側右下(
図2参照)に集約して設けられた、第1特別図柄表示装置9、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄表示装置10、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄表示装置7、および普通図柄保留数表示装置等のLEDの発光制御のための情報の、出力を行う。
【0107】
主制御装置80は、S185において、割込みを許可し、本割込み処理を終了して起動処理のS75に復帰する。
以上が本実施例の割込(INT)処理である。
【0108】
次に本実施例のパチンコ機50が備える他の機能として、所謂設定に係る、変更、確認、表示等の機能、「設定確認」状態や「設定変更」状態等への遷移機能といった各種機能について、
図9〜
図10を参照して説明する。
先ず、本実施例の初期設定処理について、
図9を参照して説明する。
【0109】
初期設定処理は、上述した起動処理(
図7参照)のS65で実行される1モジュールであって、上述したように、電断前の状態(特に電断時が、「遊技停止」状態や、「設定変更」状態であった場合)、電源投入時の入力値(設定キーSW47とRWMクリアSW46の状態)から、何れの状態に遷移(移行)するかを設定するための処理である。
【0110】
主制御装置80は本処理を開始すると先ず、S200において、今回の電源投入時にRWMが異常であったか否かを判定し、肯定判定であれば(S200:yes)、S230(
図10参照)に処理を移行し、否定判定であれば(S200:no)、S202に処理を移行する。
本ステップでは、上述した起動処理(
図7参照)のS55にて「RWM異常」であると判定された場合に、その結果をセットする汎用レジスタを参照して判定を行う。すなわち、電源投入時に、S35、S40、またはS45の何れかのステップで「RWM異常」と判定されたか否かを判定する。
【0111】
なお、主制御装置80は、起動処理(
図7参照)のS55にて「RWM異常」であると判定された場合に該結果をセットする汎用レジスタを、本ステップにて参照した後、セットされた結果をリセットする。つまり、該汎用レジスタにS55にてセットされた結果は、同一割込み内の初期設定処理のS500が実行されるまでの間だけ維持され、それ以外は常時、リセット状態(「RWM異常」ではなかったことを示す状態)となっている。よって、S55が実行されなければ、S500の判定処理では否定判定となる。
【0112】
主制御装置80は、S202において、電断前の状態が「設定変更」状態であったか否かを判定し、肯定判定であれば(S202:yes)、S212に処理を移行し、否定判定であれば(S202:no)、S204に処理を移行する。
本ステップでは、上述した起動処理(
図7参照)のS47にて設定状態フラグの値をセットする汎用レジスタを参照して判定を行う。該汎用レジスタに格納されたデータは、起動処理におけるS60のRWMクリア処理にて、RWMが初期化されても、消去されることなく保存維持されているため、該汎用レジスタに格納されたデータを判定することで、電断前の設定状態フラグの値が2か否かの判定が可能となっている。肯定判定であれば、S212を経てS214に移行する。
このように構成されることで、「設定変更」状態中に電断が発生した場合、つまり設定キーSW47をOFFすることで「設定変更」状態を終了する前に電断が発生した場合、電源が投入されると必ず再度、「設定変更」状態に遷移する。これにより、電源投入時のRWMクリアSW46の状態(ON/OFF)に関係無く、強制的に「設定変更」状態に遷移させることで、「RWMクリア」状態や「バックアップ復帰」状態といった「通常遊技が可能な状態(通常遊技実行可能状態)」への遷移を防止する。
【0113】
なお、主制御装置80は、起動処理(
図7参照)のS47にて設定状態フラグのフラグ値をセットする汎用レジスタを、本ステップにて参照した後、セットされたフラグ値をリセットする。つまり、該汎用レジスタにS47にてセットされたフラグ値は、同一割込み内の初期設定処理のS515が実行されるまでの間だけ維持され、それ以外は常時、リセット状態(何れのフラグ値もセットされていない状態)となっている。但し、起動処理(
図7参照)のS35、S40、またはS45の何れかにて「RWM異常」と判定されない限り、必ず0〜3の何れかの設定状態フラグがセットされる。仮にリセット状態であっても、そのような場合は、S55にて「RWM異常」である結果がセットされ、S200で肯定判定となってS202に処理が移行することがないため、制御上の問題は発生しない。
【0114】
主制御装置80は、S204において、RWMクリアSW46がONか否かを判定し、肯定判定であれば(S204:yes)、S206に処理を移行し、否定判定であれば(S206:no)、S220に処理を移行する。
主制御装置80は、S206において、設定キーSW47はONか否かを判定し、肯定判定であれば(S206:yes)、S212に処理を移行し、否定判定であれば(S206:no)、S208に処理を移行する。
【0115】
主制御装置80は、S212において、設定状態フラグに2を設定し、続くS214において、設定変更報知処理を実行し、本処理を終了する。
設定変更報知処理は、「設定変更」状態に遷移する旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
なお、本実施例のS212において、設定状態フラグの値として2が維持されている場合には、設定状態フラグに2を設定する処理を非実行として、S214に移行し、設定状態フラグに2以外の値が設定されている、または、何も設定されていない場合には、2を設定するよう構成されている。但し、この構成に限定することなく、既に2が設定されていても、再度、2を改めて上書きして設定するよう構成しても良い。
【0116】
主制御装置80は、S208において、設定状態フラグに0を設定し、続くS210において、RWMクリア報知処理を実行し、本処理を終了する。
RWMクリア報知処理は、「RWMクリア」状態に遷移する旨、また起動処理(
図7)のRWMクリア処理(S60)が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
主制御装置80は、S220において、設定キーSW47はONか否かを判定し、肯定判定であれば(S220:yes)、S226に処理を移行し、否定判定であれば(S220:no)、S222に処理を移行する。
【0117】
主制御装置80は、S226において、設定状態フラグに1を設定し、続くS228において、設定確認報知処理を実行し、本処理を終了する。
設定確認報知処理は、「設定確認」状態に遷移する旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
主制御装置80は、S222において、設定状態フラグに0を設定し、続くS224において、バックアップ復帰報知処理を実行し、本処理を終了する。
バックアップ復帰報知処理は、「バックアップ復帰」状態に遷移する旨、またバックアップされた電断前の状態への復帰が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0118】
主制御装置80は、S200にて肯定判定(S200:yes)の際に移行する、
図15のS230において、RWMクリアSW46がONか否かを判定し、肯定判定であれば(S230:yes)、S232に処理を移行し、否定判定であれば(S230:no)、S238に処理を移行する。
なお、本ステップは、今回の電源投入で初めてRWM異常と判定された場合だけではなく、電断前にRWM異常で「遊技停止」状態となり、電断時にバックアップフラグが設定されなかったことに因り、今回の電源投入時にも連続してRWM異常と判定された場合にも、移行される処理である(起動処理(
図7)のS45、および割込(INT)処理(
図8)の停電検出信号監視処理(S105)を参照)。
【0119】
主制御装置80は、S232において、設定キーSW47はONか否かを判定し、肯定判定であれば(S232:yes)、S234に処理を移行し、否定判定であれば(S232:no)、S238に処理を移行する。
主制御装置80は、S234において、設定状態フラグに2を設定し、続くS236において、設定変更報知処理を実行し、本処理を終了する。
設定変更報知処理は、S214と同じく、「設定変更」状態に遷移する旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0120】
主制御装置80はS230またはS232で否定判定となった場合、S238において、設定状態フラグに3を設定し、S240に処理を移行する。
本ステップでは、既に設定状態フラグに3が設定されている場合には、本ステップを行わないよう構成される。但し、これに限らず、再設定するようにしても良い。
主制御装置80は、S240において、遊技停止促進処理を実行し、本処理を終了する。
遊技停止促進処理は、RWM異常である旨の報知および、遊技者に遊技の即時停止を促し、且つ、ホール従業員に適切な対処を促す報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
以上が本実施例の初期設定処理である。
【0121】
本実施例の設定状態確認処理について、
図11を参照して説明する。設定状態確認処理は、上述した割込(INT)処理のS195で実行される1モジュールである。
主制御装置80は本処理を開始すると先ず、S250において、設定状態フラグが2か否かを判定し、肯定判定であれば(S250:yes)、S252に処理を移行し、否定判定であれば(S250:no)、S270に処理を移行する。
本処理には、上述した割込(INT)処理のS110およびS190によって、設定状態フラグが1または2の場合にしか移行しない。したがって、本ステップでは、設定状態フラグが2(「設定変更」状態)であるか、或いは1(「設定確認」状態)であるかを判定する。
なお、図示しないが、否定判定で(S250:no)、S270に処理を移行するまでの間に、主制御装置80は、性能表示装置48にて現在の段階設定値を表示するための表示データ(セグメントデータ)の設定処理を行う。
【0122】
主制御装置80は、「設定変更」状態である場合に移行する、S252において、設定SWの検出信号を受信したか否かを判定し、肯定判定であれば(S252:yes)、S254に処理を移行し、否定判定であれば(S252:no)、S262に処理を移行する。
本ステップでは、設定SWと兼用して設けられたRWMクリアSW46に係る検出信号が発生したか否かを判定する。
【0123】
主制御装置80は、S254において、設定変更処理を実行し、S256に処理を移行する。本ステップでは、上記S252にて設定SWの検出信号を受信する都度、新しい段階設定値に変更して、これを確定する処理を行う。
先ず、本実施例のパチンコ機50において、上述したように、現状の段階設定値に係る情報は、起動処理(
図7)のRWMクリア処理(S60)が実行されても消去されることのないRWM領域内の段階設定値に固有の領域(段階設定値記憶領域)に記憶保存されている。
本ステップでは、設定状態フラグが2の状態において、設定SW(RWMクリアSW46にて兼用)に係る検出信号が発生すると、上記した段階設定値記憶領域にストアされている現在の段階設定値を、新しい段階設定値に書き換える処理を行う。段階設定値は、現状が設定1から設定5までの何れかである場合は、大当り抽選確率が1段階だけ高い段階設定値を新しい段階設定値として書き換え、現状が設定6の場合には、最も大当り抽選確率の低い設定1を新しい段階設定値として書き換える処理が行われる。よって、本実施例では、RWMクリアSW46を押下する毎に、設定3までは1段階ずつレベルアップし、設定3にて押下すると設定1にレベルダウンするループとなっている。これに限定せず、逆に、設定1までは1段階ずつレベルダウンし、設定1にて押下すると設定3にレベルアップするループとしても良い。
なお、本ステップによって、主制御装置80は、RWMクリアSW46が押下される毎に、性能表示装置48にて新たな段階設定値を表示するための表示データ(セグメントデータ)の更新を行う。
【0124】
主制御装置80は、S256において、段階設定値記憶領域に新たに設定(保存)された段階設定値が、「段階設定値最大値」未満か否かを判定し、肯定判定であれば(S256:yes)、S260に処理を移行し、否定判定であれば(S256:no)、S258に処理を移行する。
本ステップでは、上述した起動処理(
図7)のS40と同様の処理を行う。つまり、適正な段階設定値が設定されているか否かを監視する。
【0125】
主制御装置80は、S258において、段階設定値を0に書き換えて最低設定とする処理を実行し、S260に処理を移行する。本ステップでは、上記S256にて否定判定となると、現状の段階設定値を最も利得の小さい段階設定値に書き換え変更して、これを確定する処理を行う。
本ステップでは、段階設定値記憶領域の段階設定値を書き換えた結果、予定されていない不適正な段階設定値が設定されているとS256にて判定された場合に、最も大当り確率の低い設定1に対応した段階設定値である0に書き換える処理を行う。これにより、例えば不正行為者が不当に利得を得ようとして、何らかの予定されていない段階設定値を設定したとしても、本ステップにて最も利得が少ない設定に書き換えられるので、不正行為を未然に防止できる。また、不正行為を未然に防止しつつ、予定された正規の段階設定値に書き換えるので、当該パチンコ機50を遊技可能な状態とすることができる。つまり、当該パチンコ機50に対して、仮に不正な設定値の書き換えが行われる害を被ったとしても、稼働率を低下させることなく、不正行為を未然に防止できる。
なお、本ステップにても、性能表示装置48にて新たな段階設定値を表示するための表示データ(セグメントデータ)の更新を行う。
【0126】
主制御装置80は、S260において、段階設定値更新コマンド送信処理を実行し、S262に処理を移行する。
本ステップでは、S254またはS258で、段階設定値を新たに書き換えて更新した内容を示す段階設定値更新コマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理を行う。
なお、該コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、更新された段階設定値を示すデータを所定の段階設定値バッファに格納し、該格納したデータを参照することで、所謂「設定報知(示唆)演出」等を行う際に、段階設定値に応じて、バリエーション豊富な演出を実行可能となっている。
【0127】
主制御装置80は、S262において、設定キーSW47がONからOFFに切り替わったことを示す検出信号を受信したか否かを判定し、肯定判定であれば(S262:yes)、S264に処理を移行し、否定判定であれば(S262:no)、本処理を終了する。
本ステップでは、ホール従業員等が設定キーSW47をONからOFFにすることで、設定変更を終了したか、否かを判定する。
なお、本実施例において、新たな段階設定値への確定は、上述したS254およびS258にて既に完了している。本ステップでは、設定キーSW47がOFFされたか否かに基づいて、単に設定変更の状態を終了するか否かを判定するための処理である。また、このような本実施例の構成に限定せず、例えば、S254およびS258にて変更することとなった新たな段階設定値を、上記段階設定値記憶領域とは別個設けられた所定の段階設定値用バッファに記憶して未確定の状態で維持しておき、本ステップにて設定キーSW47がOFFされたことに基づいて、「設定変更」状態を終了させる処理と併せて、段階設定値用バッファに記憶している新たな段階設定値を参照して該段階設定値にて、段階設定値記憶領域の段階設定値を確定する処理を実行する構成としても良い。
【0128】
主制御装置80は、S264において、設定状態フラグを2から0に置き換えて設定し、S268において、RWMクリア報知処理を実行し、本処理を終了する。
この2ステップでは、上述した初期設定処理(
図9)のS208およびS210と同様の処理を行う。RWMクリア報知処理は、「RWMクリア」状態に遷移する旨、また起動処理(
図7)におけるRWMクリア処理(S60)が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0129】
主制御装置80は、S250で否定判定の際、つまり「設定確認」状態である場合に移行する、S270において、設定キーSW47がONからOFFに切り替わったことを示す検出信号を受信したか否かを判定し、肯定判定であれば(S270:yes)、S272に処理を移行し、否定判定であれば(S270:no)、本処理を終了する。
本ステップでは、ホール従業員等が設定キーSW47をONからOFFにすることで、設定確認を終了したか、否かを判定する。
【0130】
S272において、設定状態フラグを1から0に置き換えて設定し、S274において、バックアップ復帰報知処理を実行し、本処理を終了する。
この2ステップでは、上述した初期設定処理(
図9)のS222およびS224と同様の処理を行う。バックアップ復帰報知処理は、「バックアップ復帰」状態に遷移する旨、また起動処理(
図7)におけるバックアップされた電断前の状態への復帰が既に完了している旨の報知を実行するため、所定のコマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0131】
なお、上述したように、設定状態確認処理は、設定状態フラグが1または2の場合、すなわち「設定確認」状態または「設定変更」状態にある場合に実行する処理である。主制御装置80は、該設定状態確認処理が実行される際、つまり設定状態フラグが1または2に設定中においては、後述するLED出力処理によって、性能表示装置48にて現状の段階設定値を表示する。
本実施例の、上記S250にて否定判定(S250:no)となりS270に処理を移行するまでの間や、S254、およびS258において、実行される表示データ(セグメントデータ)を更新或いは設定する処理は、割込(INT)処理におけるセグメントデータ設定処理(S175)と同様の処理である。
以上が本実施例の設定状態確認処理である。
【0132】
次に、割込(INT)処理(
図8)における特図特電処理(S125)のモジュールとして、以下に「特別図柄に関する始動入賞確認処理」、「特別図柄に関する当否判定処理」および「大当り遊技処理」について説明する。
図12に示す「特図始動入賞確認処理(特別図柄の始動入賞確認処理)」は、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したときに抽出される当否判定に用いる乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に記憶する。そして第1始動口11、第2始動口12への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理となる。
【0133】
以下、
図12を用いて、特別図柄に関する入賞確認処理(以下、始動入賞確認処理という)について説明する。
「特別図柄の始動入賞確認処理」は、先ず、第1始動口SW11aにより第1始動口11への入球を検出したか否かを判定する(S300)。入球が無ければ(S300:no)、S312の処理へ移行する。第1始動口11への入球が有れば(S300:yes)、S302に移行する。
【0134】
S302の処理において、主制御装置80はサブ統合制御基板83に向かって、「第1入賞コマンド」を送信する。この「第1入賞コマンド」は、第1始動口11に遊技球が入球(入賞)したことを示すコマンドであり、実行条件B(後述する)が成立した状態で、サブ統合制御基板83が受信すると、「その時点の設定値を示唆する入賞音を発生する可能性」を生ずる。そして、S302の処理を実行すると、S304の処理に移行する。
【0135】
このS304の処理において主制御装置80に記憶されている第1特別図柄の保留記憶(以下、第1保留記憶若しくは第1保留ともいう)の数が満杯か否かを判定(上限数に達しているか否かを判定)する。満杯であれば(S304:yes)、S312の処理へ移行する。
【0136】
保留記憶が満杯でなければ(S304:no)、S306の処理において大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数等を該当カウンタから読み込み、抽出する。そして抽出した各種の乱数を、保留記憶として主制御装置80の保留記憶領域に記憶する。尚、抽出した各種の乱数を、一旦、主制御装置80の所定の記憶領域に記憶した後に保留記憶領域へ記憶するようにしてもよい。尚、第1特別図柄の保留記憶数が「0」であっても、第1始動口11へ遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶される。
その後、第1特別図柄の保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した保留記憶カウンタの値を示す第1特別図柄の保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S310)。
図略ではあるが、記憶された第1特別図柄の保留記憶について大当りやリーチ等の可能性があるか否かを先読み判定してもよい。先読み判定により大当りやリーチ等の可能性がある場合に、その旨を示す先読みコマンドをサブ統合制御装置83へ送信することが望ましい。
【0137】
続いて、S312の処理において第2始動口SW12aにより第2始動口12への入球を検出したか否かを判定する。入球が無ければ(S312:no)、本処理を終了する。第2始動口12への入球が有れば(S312:yes)、S314に移行する。
【0138】
S314の処理において、主制御装置80はサブ統合制御基板83に向かって、「第2入賞コマンド」を送信する。この「第2入賞コマンド」は、第2始動口12に遊技球が入球(入賞)したことを示すコマンドであり、実行条件B(後述する)が成立した状態で、サブ統合制御基板83が受信すると、「その時点の設定値を示唆する入賞音を発生する可能性」を生ずる。そして、S314の処理を実行すると、S316の処理に移行する。
【0139】
S316の処理において主制御装置80に記憶されている第2特別図柄の保留記憶の数が満杯か否かを判定(上限数に達しているか否かを判定)する。満杯であれば(S316:yes)、リターンする。
【0140】
第2特別図柄の保留記憶が満杯でなければ(S316:no)、S318の処理において、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数等を該当カウンタから読み込み、抽出する。そして抽出した各種の乱数を、保留記憶として主制御装置80の保留記憶領域に記憶する。尚、抽出した各種の乱数を、一旦、主制御装置80の所定の記憶領域に記憶した後に保留記憶領域へ記憶するようにしてもよい。尚、第2特別図柄の保留記憶数が「0」であっても、第2始動口12へ遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶される。
その後、第2特別図柄の保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した保留記憶カウンタの値を示す第2特図保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S320)。その後、リターンする。
図略ではあるが、記憶された第2特別図柄の保留記憶について大当りやリーチ等の可能性があるか否かを先読み判定してもよい。先読み判定により大当りやリーチ等の可能性がある場合に、その旨を示す先読みコマンドをサブ統合制御装置83へ送信することが望ましい。
【0141】
図13〜
図16を用いて、特別図柄に関する当否判定処理について説明する。
特別図柄に関する当否判定処理を起動すると、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S320)。特別電動役物が作動中である場合には(S320:yes)、大当り遊技処理へ移行する。また、S320の判定が否定判定であり(S320:no)、特別図柄が変動中でなく(S322:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S324:no)、
図14のS330に移行し、第2保留記憶(上記、
図12のS316による保留記憶)があるか否かを判定する(S330)。
【0142】
この保留記憶があれば(S330:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S332)、S338に進む。
一方、第2保留記憶がなければ(S330:no)、第1保留記憶(上記、
図12のS304による保留記憶)があるか否かを判断する(S334)。そして、第1保留記憶があれば(S334:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S336)、S338に進む。
【0143】
第1保留記憶がなければ(S334:no)、待機コマンドをサブ統合制御装置83に送信した後(S345)、大当り遊技処理へ移行する。この待機コマンドは、特別図柄が変動しておらずパチンコ機50が「待機状態(所謂「客待ちの状態)」であることを示すコマンドである。この待機状態は、特別図柄及び演出図柄が変動を停止しており、演出図柄表示装置6の画面6aにおいて、所定のタイミングで待機表示とデモ表示を交互に繰り返し、当該パチンコ機50が遊技者により遊技がなされていない状態であることが示される。
このように、本実施例のパチンコ機50では、第1保留記憶及び第2保留記憶が何れも「ゼロ」でない場合には、第2保留記憶を優先的に処理するが(第2特別図柄を優先変動するが)、第1保留記憶を優先的に処理する態様であっても、第1保留記憶及び第2保留記憶を記憶順に処理する態様であってもよい。更に、第1特別図柄及び第2特別図柄を同時変動するものであってもよい。
【0144】
S338では確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。
S338の処理で肯定判断であれば(S338:yes)、S306若しくはS318で読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S340)。
一方、S338の処理で否定判断であれば(S338:no)、S306若しくはS318で読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S344)。
S340またはS344の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S350)、大当りであると判定される場合には(S350:yes)、大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する(S352)。
【0145】
ここで、主制御装置80が、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第1特別図柄に関する当否判定」であり、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第2特別図柄に関する当否判定」である。
そして、「第1特別図柄に関する当否判定」の結果が大当りである場合には、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定し、「第2特別図柄に関する当否判定」の結果が大当りである場合には、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する。そして、何れの場合も、大当り図柄が確変大当り図柄若しくは通常大当り図柄に半々の割合で決定される。
【0146】
S352の処理で大当り図柄を決定すると、変動パターン決定処理(S354)に移行する。
この変動パターン決定処理(S354)では、変動パターン決定用乱数によって大当り変動パターンを決定する。
【0147】
このS354では、
図15(b)に示すように、遊技状態が開放延長状態である場合において、大当り且つ開放延長用の変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定する。また、遊技状態が非開放延長状態である場合において、大当り且つ非開放延長用の変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定する。そして、大当り且つ開放延長用の変動パターンテーブルを参照して決定される変動時間(変動パターンによって特定される変動時間)は、大当り且つ非開放延長用の変動パターンテーブルを参照して決定される変動時間(変動パターンによって特定される変動時間)よりも短か目とされる。
また、開放延長用若しくは非開放延長用に各変動パターンテーブルには、変動決定用パターン乱数(「0」〜「1020」)と対応づけられた複数個(例えば、20個)の変動パターンが格納されている。
【0148】
また、当否判定の結果が大当りの場合、一律にリーチを行うため、パチンコ機50の遊技状態が何れであっても、長目(当否判定の結果が外れとなる場合に比べて長目)の変動時間が決定される可能性が高くなっている。
【0149】
そして、S354で変動パターン決定処理を行うと、大当り設定処理を行った後(S356)、S364の処理に移行する。
ここで、大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り遊技実行後の遊技状態(高確率状態となるか、時短状態となるか等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。
【0150】
S350において外れと判定された場合は(S350:no)、外れ図柄を決定する(S358)。そして、外れ図柄を決定すると、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S360)。
【0151】
このS360では、リーチ判定用乱数がリーチを発生させる値と判定される場合には、その時点の遊技状態を考慮した変動パターンテーブルと、変動パターン決定用乱数とを用いて変動パターンを決定する。ここで、当否判定の結果が外れである場合、演出図柄の変動表示においてリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ演出)を行う場合を「リーチ外れ」と称し、リーチを行わない場合を「単純外れ」と称することとする。
図15(b)に示すように、当否判定の結果が外れであり、リーチを行わない場合(単純外れの場合)であって、遊技状態が非開放延長状態である場合、「単純外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定し、遊技状態が開放延長状態である場合、「単純外れ且つ開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定する。
【0152】
当否判定の結果が外れであり、リーチを行う場合(リーチ外れの場合)であって、遊技状態が非開放延長状態である場合、「リーチ外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定し、遊技状態が開放延長状態である場合、「リーチ外れ且つ開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定する。この場合も、当否判定の結果が大当りである場合と同様に、開放延長用の変動パターンテーブルを参照して決定される変動時間は、非開放延長用の変動パターンテーブルを参照して決定される変動時間よりも短か目とされる。
【0153】
一般に単純外れ時(リーチ表示とそれに続くリーチ演出を伴わない場合)において参照して決定する変動パターンは、リーチ外れ時(リーチ表示とそれに続くリーチ演出を伴う場合)において参照して決定する変動パターンに比べて短い変動時間を特定する。このため、本実施例においては、当否判定の結果が外れの場合においてリーチ外れ時に設定示唆演出が出現する可能性があり、単純外れ時には、設定示唆演出が出現しないこととしている。但し、単純外れ時においても、所定確率で設定示唆演出が出現することとし、設定示唆演出の出現頻度を向上させてもよい。
【0154】
なお、当否判定の結果が大当りである場合も、外れである場合にも、第1特別図柄の変動時間を特定する変動パターンを決定する場合(以下、前者の場合という)と、第2特別図柄の変動時間を特定する変動パターンを決定する場合(以下、後者の場合という)に共通の変動パターンテーブルを参照するが、前者の場合と後者の場合に異なる変動パターンテーブルを参照してもよい。
また、当否判定の結果が外れである場合には、その時点の保留記憶の個数の多少に応じて、異なる変動パターンテーブルを参照し、当該保留記憶の個数が多くなる程、変動時間が短くなる可能性が高くなってもよい。
こうして、S360で変動パターンが設定されると、外れ設定処理を行った後(S362)、S364の処理に移行する。なお、外れ設定処理では、時短回数または確変回数がプラスであれば、それぞれ−1する。
【0155】
S356又はS362に続いては、上述の抽選結果を示すデータをサブ統合制御装置83に出力し(S364)、大当り遊技処理へ移行する。ここで、このS364でサブ統合制御装置83に送信されるデータは、「当否判定の結果の結果を示すデータ(大当りか、外れを示すデータ)」と、「大当りの種類を示すデータ(通常大当り図柄が確定表示される通常大当りか、確変大当り図柄が確変大当りを示すデータ)」と、「当否判定の結果が外れの場合、当該外れがリーチ外れか、単純外れかを示すデータ」と、「変動時間を指定する変動パターンのデータ(変動パターンコマンド)と、が含まれる特別図柄変動開始コマンド(表示制御コマンド)」である。
また、S364の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
【0156】
図13のS322において特別図柄が変動中(S322:yes)と判定された場合には、
図15(a)に示すS366に移行し、図柄変動時間(S354、又はS360の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。そして、否定判定の場合には(S366:no)、そのまま大当り遊技処理に移行する。一方、肯定判定の場合には(S366:yes)、確定図柄表示処理(S368)を行なってから大当り遊技処理を行う。なお、確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
【0157】
図13のS324において確定図柄を表示中と判定された場合には(S324:yes)、
図16のS370に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S370:no)は大当り遊技処理を行う。
これに対し、S370において肯定判定(S370:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S372)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S374)。
【0158】
S374で大当りになる図柄であると判定された場合(S374:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S376)。確変フラグが1であれば(S376:yes)、S378にて確変フラグを0にし、S380に移行する。一方、確変フラグが1でなければ(S376:no)、そのままS380に移行する。
そして、S380では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S380:yes)、S382にて時短フラグを0にし、S384に移行する。一方、時短フラグが1でなければ(S380:no)、そのままS384に移行する。このS384では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットし、続くS386にて役物連続作動装置を作動させる。
【0159】
S386を行うと、続くS390において大当り遊技開始処理を行なう。大当り遊技開始処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り遊技開始処理が終了すると、大当り遊技処理を行なう。
【0160】
S374で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は(S374:no)、確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S392:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S394)。そして、確変回数が0であれば(S394:yes)、S396にて確変フラグを0にしてS398に進む。一方、確変フラグが1でないとき(S392:no)又は確変回数が0ではないとき(S394:no)はそのままS398に移行する。
このS398では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S398:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S400)。そして、時短回数が0であれば(S400:yes)、S404にて時短フラグを0にした後、S408に進む。
また、時短フラグが1でないとき(S398:no)又は時短回数が0ではないとき(S400:no)はそのままS408に移行する。
【0161】
S408では、主制御装置80が現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドを特別図柄確定時間(600ms)後にサブ統合制御装置83に送信し、大当り遊技処理へ移行する。
なお、本実施例の場合、特別図柄当否判定処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。
【0162】
図17から
図19を用いて、大当り遊技処理について説明する。
まず、
図17に示すように、大当り遊技処理において、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中で(S500:yes)、大入賞口14が開放中であるか否かを判定し(S502)、大入賞口14が閉鎖中であると判定された場合には(S502:no)、ラウンド遊技間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S506)。ラウンド遊技間のインターバル中でもない場合は(S506:no)、大当り終了演出中であるか判定する(S508)。これも否定判定の場合は(S508:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S510)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S510:yes)、大入賞口開放処理(S512)を行なって、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
なお、S500において、役物連続作動装置が作動していない場合には(S500:no)、大当り遊技処理を終了する。また、S510において、大当り開始演出時間を経過していない場合も(S510:no)、大当り遊技処理を終了する。
【0163】
大入賞口14が開放中であると判定された場合は(S502:yes)、
図18のS514に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では大入賞口14への規定入賞数は10個だが、8個、9個でもよく、特に限定するものではない。
大入賞口14に10個入賞していない場合(S514:no)には、S516に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。開放時間が終了した場合(S516:yes)には、S518に移行する。また、大入賞口14の開放時間が終了していない場合には(S516:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。
【0164】
S514において、大入賞口14に遊技球が10個入賞した場合には(S514:yes)、大入賞口閉鎖処理(S518)を行い、大当りインターバル処理(S520)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
【0165】
図17に戻る。
図17のS506でインターバル中であると判定された場合は(S506:yes)、
図18のS522に進み、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過したか否かを判定する。ラウンド遊技間のインターバル時間が経過している場合(S522:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S524)。また、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過していない場合には(S522:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。S524において、最終ラウンドであれば(S524:yes)、大当り終了演出処理(S526)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
【0166】
S524において、最終ラウンドでなければ(S524:no)、大入賞口14を開放する処理(S528)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0167】
図17に戻る。
図17のS508で大当りの終了演出中であると判定された場合は(S508:yes)、
図19のS530に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S530:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S532)、条件装置の作動を停止し(S534)、S536に移行する。
また、大当り終了演出時間が経過していない場合には(S530:no)、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
そして、S536において、主制御装置80は、次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する。肯定判定の場合には(S536:yes)、確変回数を設定し(S538)、確変フラグを1に設定する(S540)。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。なお、確変回数は10000回に設定される。
【0168】
S536で否定判定されるか(S536:no)、S540を実行すると、S544に移行し、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。
本実施例では、S544で一律に肯定判定され、続いて、時短回数を設定する処理(S546)と、時短フラグを1に設定する(S548)とを行った後、S554に移行する。また、時短フラグを1にする場合には、特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能をセットする。
【0169】
ここで、終了した大当り遊技が確変大当り図柄の確定表示に基づいたものである場合には、S546において時短回数は10000回に設定され、通常大当り図柄の確定表示に基づいたものである場合には、S546において時短回数は100回に設定される。
S554において、主制御装置80は、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行ない、続くS556において、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。そして、大当り遊技処理をリターンする。
【0170】
次に、
図20を用いて主制御装置80が実行する前枠開閉コマンド送信処理につて説明する。この前枠開閉コマンド送信処理は、
図8(割込処理)に示すサブ出力処理からコールされて実行される。
主制御装置80は、前枠開閉コマンド送信処理が起動すると、前枠開放フラグの値が「0」であるか否かを判定する(S1000)。ここで、前枠開放フラグは前枠52の状態(開閉状態)を示すフラグである。そして、主制御装置80によって前枠52が開放状態であると判定されると前枠開放フラグの値を「1」とし、前枠52が閉鎖状態であると判定されると前枠開放フラグの値を「0」とする。
【0171】
S1000で肯定判定されると(S1000;yes)、S1005に移行し、主制御装置80は、ガラス枠開放スイッチからOFF状態を示す信号が入力されているか否かを判定する(S1005)。そして、S1005で否定判定される場合には、前枠開閉コマンド送信処理をリターンする。
【0172】
一方、S1005で肯定判定される場合(前枠52が内枠70に対して開放され、主制御装置80にガラス枠開放スイッチからOFF状態を示す信号が入力されている場合)には(S1005;yes)、前枠開放フラグの値を「1」とした後(S1010)、前枠52が開放されたことを示すコマンド(前枠開放報知コマンド)をサブ統合制御装置83に対して送信し(S1015)、前枠開閉コマンド送信処理をリターンする。
そして、本パチンコ機50においては、前枠開放報知コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、設定示唆演出を抑制することを行う(後述する)。
【0173】
S1000で否定判定されると(S1000;no)、S1020に移行し、主制御装置80は、ガラス枠開放スイッチからON状態を示す信号が入力されているか否かを判定する。そして、S1020で否定判定される場合には(S1020;no)、前枠開閉コマンド送信処理をリターンする。
【0174】
一方、S1020で肯定判定される場合(前枠52が内枠70に対して閉鎖され、主制御装置80にガラス枠開放スイッチからON状態を示す信号が入力された場合)には(S1020;yes)、前枠開放フラグの値を「0」とした後(S1025)、前枠52が閉鎖されたことを示すコマンド(前枠開放報知コマンド)をサブ統合制御装置83に対して送信し(S1030)、前枠開閉コマンド送信処理をリターンする。
【0175】
次に、本実施例のパチンコ機50で実行される演出の概要、特徴等を述べた後、サブ統合制御装置83が実行する演出制御について説明する。
本パチンコ機50において、サブ統合制御装置83は主制御装置80から送信される各コマンドに基づいて、演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の画面6aで行う表示演出を行ったり、スピーカ66から出力する効果音や報知音(段階設定値を示唆する示唆音)を制御したり、電飾用のLED・ランプ26の発光態様を制御したり、可動物5Kの駆動を制御したりする。
【0176】
そして、本実施例のパチンコ機50では、その時点の段階設定値を示唆する設定示唆演出を、演出図柄表示装置6等を用いて実行可能である。但し、設定示唆演出を実行する演出手段(演出図柄表示装置6、スピーカ66、LED・ランプ26、可動物5K)の数は特に問わず、パチンコ機50が備える全演出手段のうち、何れか1個若しくは2個以上によって設定示唆演出を実行することができる。
【0177】
図21〜
図25を用いて、本実施例のパチンコ機50が、演出図柄表示装置6及びスピーカ66を用いて実行する遊技演出について説明する。
図21(a)に示すように、演出図柄表示装置6の画面6aでは、演出図柄等を用いた表示演出が実行される。この画面6aには、演出図柄の変動表示領域6Hが出現する。また、演出図柄表示装置6の画面6aでは、例えば、キャラクタ、動画、実写画像等を用いて、演出図柄の変動表示を盛り上げるための関連演出6Fを実行する。
【0178】
演出図柄表示装置6では、
図21(a)に示すように、特別図柄の変動開始に呼応して、変動表示領域6Hにおいて左右中の演出図柄が縦方向に変動(スクロール変動)を開始する。そして、変動表示領域6Hにおいては、前述の変動パターンで特定される変動時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、当否判定の結果を示す組み合わせで停止する。なお、本実施例においては、演出図柄の変動を3桁の構成図柄で実行するが、構成図柄の数は特に問わず、1個であってもよいし、3以外の複数であってもよい。また、本実施例では、演出図柄のスクロール方向を縦方向としたが、本実施例とは異なり、横方向であってもよい。更に、変動表示領域6Hにおいて、左側に表示され構成図柄を左演出図柄6L、右側に表示される構成図柄を右演出図柄6R、中央に表示される構成図柄を中演出図柄6Cという。
【0179】
図21(b)は、演出図柄(特別図柄)の変動を開始し、所定時間を経過した後にリーチ表示が実行された様子を図示するものである。このリーチ表示は、変動表示領域6Hにおいて、左演出図柄6Lと、右演出図柄6Rが同一数字図柄(演出図柄)で停止表示させ、中演出図柄6Cが変動中として実行される。
【0180】
そして、リーチ表示が実行されると、当該リーチ表示を契機として演出(つまり、リーチ演出)が実行される。このリーチ演出の内容は種々可能であり、
図21(c)〜(e)に示すように、本パチンコ機50では、リーチ演出としてリーチ演出A、リーチ演出B、リーチ演出C、等を実行することができる。例えば、リーチ演出において、当該実行中の演出表示の結果(当否判定の結果)を示唆する予告演出を実行する場合を例示できる。また、これらのリーチ演出には、設定示唆演出を伴うことが可能なリーチ演出(リーチ演出A、リーチ演出B)と、設定示唆演出を伴わないリーチ演出(リーチ演出C、リーチ演出D等)とが存在する。なお、リーチ演出が開始されると、変動表示領域6Hのサイズが縮小され、画面6aの隅に移行する。このため、画面6aにおいて関連演出6Fを表示する部位が拡大する。
【0181】
図22及び
図24は、リーチ演出の具体例として、バトル演出を伴うリーチ演出を示している。ここで、バトル演出とは、例えば、遊技者の味方である味方キャラクタと、敵である敵キャラクタとが、バトルを行い、その勝敗で当否判定の結果を示唆したり、報知したりすることを内容とする演出である。
更に具体的に説明すると、
図22は、バトルとして異種格闘技を実行する場合を示しており、
図24は、バトルとして水中生物がバトル(水中バトル)を実行する場合を示している。
図22のバトル演出(異種格闘技)では、味方キャラクタとしてのボクサーA1と、敵キャラクタとしての空手家A2とが対戦する。
【0182】
そして、当否判定の結果が大当りであることを示す演出図柄を停止表示する場合には、バトル演出(異種格闘技)においてボクサーA1(味方キャラクタ)が勝利する表示がなされる(図示を省略)。そして、中演出図柄6Cを、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rと同一数字図柄(演出図柄)で停止表示させ、大当りの発生が報知される(
図22(f))。
更に、当否判定の結果が外れであることを示す演出図柄を停止表示する場合には、バトル演出(異種格闘技)において空手家A2(敵キャラクタ)が勝利する表示がなされる(図示を省略)。そして、中演出図柄6Cを、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rと異なる数字図柄(演出図柄)で停止表示させ、外れの発生が報知される(
図22(f))。
以下の説明において、
図22の「異種格闘技」の表示を伴うリーチ演出が、リーチ演出である。
【0183】
このリーチ演出Aは、当該演出表示(進行している特別図柄の変動表示)の結果が大当りとなる(大当り図柄で停止表示される)可能性を示唆する予告演出(「当該変動予告」という)を兼ねるものである。具体的には、ボクサーA1(味方キャラクタ)が繰り出すパンチの数によって当該演出表示の結果が大当りとなる可能性を示唆するものである。つまり、リーチ演出Aにおいては、ボクサーA1が空手家A2に繰り出すパンチの数が「20発」になると、当該演出の表示の結果が「100%」の割合で当該演出表示の結果が大当りとなり、当該パンチの数が「15発」、「10発」と減ると、当該演出の表示の結果が大当りとなる場合と、外れとなる場合を生ずる。そして、当該パンチの数が「10発」であるリーチ演出Aが実行されても、当該演出の表示の結果が大当りとなる可能性が低くなる(大当り信頼度の低い演出となる)。
なお、当該変動予告の態様はこれに限定されず、例えば、所定のキャラクタの登場数や、可動物5kの駆動態様によって当該変動予告の内容を報知してもよい(リーチ演出Dを参照)。
【0184】
次に、リーチ演出Aにおいて出現可能な設定示唆演出の内容について説明する。ここで、本パチンコ機50では、リーチ演出Aが実行される条件が成立すると(後述するように、演出パターンがリーチ演出Aを実行するパターンに決定される条件、つまり、所定の振分乱数が選択されると)、設定示唆演出の実行条件として実行条件Aが成立する。
また、設定示唆演出Aは、演出手段として演出図柄表示装置6を用いて実行される設定示唆演出(表示による設定示唆演出)と、スピーカ66を用いて実行する設定示唆演出(音による設定示唆演出)とで構成される演出である。
つまり、設定示唆演出Aは、「表示要素」及び「音声要素」を示唆演出の演出構成要素(示唆演出の構成要素)として備える。また、設定示唆演出Aは後述する設定示唆演出Bとともに、「特定の設定示唆演出」の具体例を構成する。
【0185】
リーチ演出Aを実行中に、サブ統合制御装置83が「前枠52が内枠70に対して閉鎖されていると判定(以下、閉鎖判定という)」を行っている状態で設定示唆演出Aの開始タイミングとなると、
図22の(b)及び(c)に示すように、設定示唆演出Aが実行される。
一方、リーチ演出Aを実行中に、サブ統合制御装置83が「前枠52が内枠70に対して開放されていると判定(以下、開放判定という)」を行っている状態で設定示唆演出Aの開始タイミングとなっても、
図22の(d)及び(e)に示すように、設定示唆演出Aが実行されない。つまり、「表示による設定示唆演出(以下、設定示唆表示という)」と、「音による設定示唆演出(以下、設定示唆音という)」が禁止され、設定示唆演出Aが実行されない。
なお、サブ統合制御装置83が実行する閉鎖判定と開放判定に関しては後述する。
【0186】
以上、
図22(d)及び(e)に示しているように、サブ統合制御装置83が開放判定を行う際に設定示唆演出は実行されないが、サブ統合制御装置83が開放判定を行う場合であっても、リーチ演出(バトル演出)、疑似図柄の変動(及び特別図柄の変動)は、サブ統合制御装置83が閉鎖判定を行う際と同様に実行される。
【0187】
次に、設定示唆演出Aを構成する設定示唆表示(表示要素)と設定示唆音(音声要素)について具体的に説明する。
すなわち、その時点の段階設定値を示唆する設定示唆表示は、ボクサーA1(味方キャラクタ)のボクシンググラブGの色の違いによって実行される。また、その時点の段階設定値を示唆する設定示唆音は、ボクサーA1が繰り出すパンチの音の違いによって実行される。
【0188】
つまり、
図23(a)に示すように、段階設定値の示唆を行わない場合には、ボクシンググラブGの色が「白色」となり、パンチの音が「無音(消音状態)」とされる。
また、段階設定値の示唆を行う場合には、ボクシンググラブGの色と、パンチの音が、その時点の段階設定値を考慮して、
図23(b)に示すように決定される。
更に具体的に説明すると、段階設定値が何れかの値であっても登場する原則的態様ではボクシンググラブGの色が「黒色」、パンチの音が「A音(トンという音)」とされる。また、段階設定値が奇数値であると登場する奇数示唆態様では、ボクシンググラブGの色が「青色」、パンチの音が「B音(パンという音)」とされる。更に、段階設定値が偶数値であると登場する偶数示唆態様ではボクシンググラブGの色が「赤色」、パンチの音が「C音(バンという音)」とされる。
【0189】
更に、段階設定値が3以上であると登場する3以上示唆態様ではボクシンググラブGの色が「黄色」、パンチの音が「D音(ドーンという音)」とされる。また段階設定値が最高設定値の「6」であることを示唆する最高設定態様では、ボクシンググラブGの色が「金色」、パンチの音が「E音(ドカーンという音)」とされる。そして、遊技を進行しているときに、所定の色のボクシンググラブGと、所定のパンチ音が登場する確率によって、その時点の段階設定値が示唆される。
このため、遊技者は、「ボクシンググラブGの色が「金色」でパンチの音が「E音となること」を切望し、遊技を進行させることができる。
【0190】
また、図示を省略するが、設定示唆演出を実行中にサブ統合制御装置83が開放判定を実行すると、設定示唆演出が終了する。つまり、サブ統合制御装置83が開放判定を実行すると、ボクシンググラブGの色が「白色」に変化するとともにボクサーA1が繰り出すパンチの音が無音となる。
【0191】
次に、
図24を用いて、リーチ演出B及びそれに伴う設定示唆演出(設定示唆演出B)について説明する。
本パチンコ機50では、リーチ演出Bが実行される条件が成立すること(後述するように、演出パターンがリーチ演出Bを実行するパターンに決定される条件、つまり、所定の振分乱数が選択されること)が、実行条件Bが成立することに該当する。そして、実行条件Bが成立すると、設定示唆演出Bが実行される可能性を生ずることになる。
【0192】
リーチ演出Bも、リーチ表示(
図21の(b)を参照)を行った後、開始される。このリーチ演出Bに伴い実行するバトル演出は、
図24(a)に示すように、味方キャラクタとしての金魚B1と、敵キャラクタとしての蟹B2がバトルを行い、その勝敗で当否判定の結果を示唆したり、報知したりするものである。そして、当否判定の結果が大当りであることを示す演出図柄を停止表示する場合には、
図24(b)若しくは(d)に示すように、バトルにおいて金魚B1(味方キャラクタ)が勝利し、金魚B1(味方キャラクタ)が蟹B2(敵キャラクタ)を追い払う表示(画面から蟹B2が消える表示)がなされる。その後、演出図柄を用いて、
図24(f)に示すように、大当り図柄が表示される。
また、図示を省略するが、当否判定の結果が外れであることを示す演出図柄を停止表示する場合には、バトルにおいて蟹B2(敵キャラクタ)が勝利し、蟹B2(敵キャラクタ)が金魚B1(味方キャラクタ)を追い払う表示(画面から金魚B1が消える表示)がなされる。その後、演出図柄を用いて、
図24(f)に示すように、外れ図柄が表示される。
【0193】
次に、設定示唆演出Bについて説明する。
設定示唆演出Bは、リーチ演出Bを実行することが決定された演出表示の実行中であって、サブ統合制御装置83が閉鎖判定を実行する場合において、始動口11、12に遊技球が入賞する度にスピーカ66を用いて実行される演出である。つまり、設定示唆演出Bは、段階設定値を示唆する設定示唆音(音声要素)のみによって構成されている。
なお、設定示唆演出Bにおいても、示唆演出の演出構成要素として表示要素等の他の演出構成要素を含むものであってもよい。
【0194】
この設定示唆演出Bの実行タイミングは、リーチ演出Bを実行することが決定された演出表示中であって、サブ統合制御装置83が「閉鎖判定」を行っている場合において、リーチ演出B(バトル演出)の進行度合いや、リーチ表示の実行前後を問わずに招来する可能性がある。例えば、(1)リーチ演出Bを実行することが決定された演出表示中であれば、左演出図柄6Lが停止表示される前(
図21の(f)を参照)や、(2)左演出図柄6Lが停止表示された後であって左演出図柄6Lが停止表示される前等においても、遊技球が始動口11、12に入賞すると、その時点の段階設定値を示唆する入賞音が出力される可能性がある。
【0195】
一方、演出表示を開始する際に実行条件Bが成立しても、サブ統合制御装置83が「開放判定」を行う場合、設定示唆演出B(始動口11、12への遊技球の入賞に基づく設定示唆音)は実行されない。
【0196】
演出表示を開始する際に実行条件Bが成立しているとき、サブ統合制御装置83が「閉鎖判定」を行う場合においては、
図24(c)に示すように、始動口11、12に遊技球が入賞すると、その時点の段階設定値を示唆する入賞音を発生する。つまり、始動口11、12に遊技球が入賞したときに生ずる効果音(入賞音)として、
図25(b)に示す何れかの態様の入賞音を出力し、段階設定値の示唆する。以下、
図25(b)に示す入賞音の態様について説明する。
図25(b)の「原則的態様の入賞音」は、段階設定値が何れかの値であっても生ずる入賞音(「a音(ポンという音)」)である。また、
図25(b)の「奇数示唆態様」は段階設定値が奇数値である示唆する入賞音(b音(バンという音))である。
【0197】
図25(b)の「偶数示唆態様」は、段階設定値が偶数値である場合に出力される入賞音「c音(パンという音)」である。
また、
図25(b)の「3以上示唆態様」は、段階設定値が3以上である場合に出力される入賞音(d音(バーンという音))である。更に、
図25(b)の「最高設定示唆態様」は、段階設定値が最高設定値の「6」である場合に出力される入賞音(e音(ダーンという音))である。
【0198】
そして、遊技を進行しているときに、所定の入賞音が出力される確率によって、その時点の段階設定値が示唆される。なお、設定示唆演出Bは、演出図柄の変動表示を実行している際に実行条件Bが成立する場合には、サブ統合制御装置83が「閉鎖判定」を行う場合において始動口11,12に遊技球が入賞する度に実行される。このため、1回の演出表示中に設定示唆演出Bが複数回実行されることがある。しかも、後述するように、設定示唆演出Bは設定示唆演出Aよりも高い確率で出現するため、設定示唆演出Bは設定示唆演出Aよりも高頻度に実行される。
一方、
図24(e)及び
図25(a)に示すように、実行条件Bが成立しても、サブ統合制御装置83が「開放判定」を行うと設定示唆演出Bが実行されないか、実行中の設定示唆演出Bは終了する。
【0199】
次に、
図26フローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する報知コマンド受信処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
サブ統合制御装置83は、報知コマンド受信処理を起動すると、前枠閉鎖判定フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1100)。
ここで、前枠閉鎖判定フラグは、前枠52が内枠70に対して閉鎖した状態にあることを示すフラグであり、サブ統合制御装置83によって前枠52が内枠70に対して閉鎖した状態にあると判定されると値が「1」とされ、前枠52が内枠70に対して開放した状態にあると判定されると値が「0」とされる。
【0200】
但し、サブ統合制御装置83は、前枠52が内枠70に対して閉鎖した状態にあるとする判定(以下、閉鎖判定という)を、前枠52が実際に閉鎖されても(ガラス枠開放スイッチ35がON状態になっても)、直ちに行わないこととしている。
つまり、以下に示すように、サブ統合制御装置83は前枠52が内枠70に対して閉鎖した状態となってからの経過時間が所定時間になった後(例えば、5秒経過後)に閉鎖判定を行うこととしている。
【0201】
ここで、所定時間としては、例えば、以下の時間を例示することができる。
本パチンコ機50が、「前枠52が内枠70に対して閉鎖した状態から開放した状態に変化する場合」において一定時間に亘って警報(スピーカ66から出力される警報音、LED・ランプ26で実行する警告光等)を行う場合には、当該警報が終了する時間を挙げることができる。なお、本実施例と異なり、前枠52が内枠70に対して閉鎖すると(ガラス枠開放スイッチ35がON状態となっても)、直ちに閉鎖判定を行うこととしてもよい。
また、以下の説明において、サブ統合制御装置83が、前枠52が内枠70に対して開放状態にあると判定すること(ガラス枠開放スイッチ35がOFF状態と判定すること)を「開放判定」と称することとする。
【0202】
前枠閉鎖判定フラグの値が「1」でない場合(S1100;no)には、S1105に移行し、時間計測フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1105)。
ここで、時間計測フラグとは、前枠52が閉鎖状態となった後において、当該閉鎖状態の経過時間を計測中であることを示すフラグである。そして、当該経過時間を計測中である場合、時間計測フラグの値は「1」とされ、当該経過時間を計測中でない場合、時間計測フラグの値は「0」とされる。
S1105で時間計測フラグの値が「1」でないと判定される場合(S1105;no)には、主制御装置80から前枠閉鎖報知コマンドを受信したか否かを判定する(S1110)。そして、S1110で否定判定されると(S1110;no)、一旦、報知コマンド受信処理をリターンする。そして、報知コマンド受信処理を繰り返し実行するうちに、S1110で肯定判定されると(S1110;yes)、閉鎖時間の計測を開始する処理と、時間計測フラグの値を「1」とする処理を実行した後(S1015)、報知コマンド受信処理をリターンする。
【0203】
S1105で時間計測フラグの値が「1」であると判定される場合、つまり、閉鎖状態の経過時間を計測中である場合には(1105;Yes)、前枠52が閉鎖状態とされてから(ガラス枠開放スイッチ35がON状態なってから)の経過時間が所定時間(例えば、5秒)となったか否かを判定する(S1120)。ここで、経過時間の計測は、例えば、ガラス枠開放スイッチ35がON状態となってから計測を開始する時間計測タイマを用いて実行する。
【0204】
そして、S1120で肯定判定される場合には(S1120;yes)、前枠閉鎖判定フラグの値を「1」とする処理と、時間計測フラグの値を「0」とする処理とを行った後、報知コマンド受信処理をリターンする。
つまり、前枠50が内枠70に対して閉鎖された状態となり、この状態が所定時間(5秒)継続すると、サブ統合制御装置83は、前枠52が内枠70に対して閉鎖した状態にあると判定(以下、閉鎖判定という)を行う。
【0205】
また、S1120で否定判定される場合(S1120;no)には、S1130に移行し、前枠開放報知コマンドを受信したか否かを判定する(S1130)。そして、S1130で肯定判定されると(S1130;yes)、時間計測フラグの値を「0」とする処理を行った後、報知コマンド受信処理をリターンする。
つまり、前枠52が閉鎖状態とされてから(ガラス枠開放スイッチ35がON状態なってから)の経過時間が所定時間(例えば、5秒)となる前に前枠開放報知コマンドを受信すると(S1130)、経過時間の計測を終了する。
【0206】
一方、前枠閉鎖判定フラグの値が「1」である場合(S1100;yes)には、S1140の処理に移行する。このS1140の処理では、前枠開放報知コマンドを受信したか否かを判定する(S1140)。
このS1140で否定判定されると(S1140;no)、一旦、報知コマンド受信処理をリターンする。つまり、前枠閉鎖判定フラグの値が「1」である場合(S1100;yes)、前枠開放報知コマンドを受信しない限りは、サブ統合制御装置83は、前枠52が内枠70に対して閉鎖した状態にあると判定(閉鎖判定)を行う。
【0207】
そして、報知コマンド受信処理を繰り返し実行するうちに、S1140で肯定判定されると(S1140;yes)、前枠閉鎖判定フラグの値を「0」とする処理を実行した後(S1145)、報知コマンド受信処理をリターンする。
このように、前枠閉鎖判定フラグの値が「1」である場合(S1100;yes)、前枠開放報知コマンドを受信するとサブ統合制御装置83は、前枠52が内枠70に対して開放した状態にあるとの判定(以下、開放判定という)を行う。
【0208】
次に、
図27のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
サブ統合制御装置83は演出開始処理を起動すると、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1200)。そして、否定判定されると(S1200:no)、そのまま演出開処理を終了し、肯定判定されると(S1200:yes)、S1205の処理に移行し、演出パターンを振り分ける際等に使用する振分乱数を取得する。
【0209】
前述のように、変動開始コマンドは、特別図柄の変動を開始する際に主制御装置80から送信されるコマンドであり(
図14のS364を参照)、当該変動開始コマンドには変動パターンを示すデータであって、特別図柄の当否判定の際の遊技状態と、当該当否判定の結果(大当り、外れ)を特定(対応)するものが含まれる。このとき、特別図柄の当否判定の結果が外れである場合の変動パターンとしては、対応する演出表示においてリーチ演出を行うリーチ外れ用の変動パターンと、対応する演出表示においてリーチ演出を行わない単純外れ用の変動パターンとが区別される。また、特別図柄の当否判定の結果が大当りの場合の変動開始コマンドには、大当り図柄を指定する図柄指定コマンド(確変大当り図柄、通常大当り図柄を特定するデータ、つまり、大当りの種類を示すデータ)が含まれる。
つまり、当否判定の結果が大当りである場合には、当否判定の際の遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)を考慮した変動パターンテーブル(
図15(b))を参照して選択された変動パターンに関するデータが、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。そして、サブ統合制御装置83は、S1200で受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターンが対応する演出パターンテーブルを参照して、S1205の処理で抽出した振分乱数を用いた乱数抽選で大当り用の演出パターンを選択する。以下、
図28の具体例を用いて具体的に説明する。
図28は、遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果が大当りである場合に参照する変動パターンテーブルと、当該変動パターンテーブルに格納された各変動パターンに対応する演出パターンテーブルの関係を示す図表である。
【0210】
図28(a)に示す変動パターンテーブルには、変動パターン決定用乱数(「0」〜「1020」)と対応づけられた複数個(例えば、20個)の変動パターンA1〜A20が格納されている。そして、当否判定を実行する毎に当該変動パターンテーブルと、変動パターン決定用乱数とを用いて、乱数抽選で変動パターンを決定する。
本パチンコ機50では、
図15(b)に示すように6種類の変動パターンテーブル(遊技状態、当否判定の結果、リーチの有無で区別される6種の変動パターンテーブル)を備え、主制御装置80に搭載されたROMに格納されている。
【0211】
また、サブ統合制御装置83を構成するROMには、遊技状態(非開放延長状態、開放延長状態)と当否判定の結果(外れの場合は、リーチの有無も考慮)を考慮して選択される変動パターンに対応する演出パターンテーブルが格納されている。
例えば、遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果が大当りである場合に参照する変動パターンテーブルに対応する演出パターンテーブルとして、20個の演出パターンテーブルE1〜E20が格納されている。つまり、遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果が大当りである場合に参照する変動パターンテーブルに格納された変動パターンA1〜A20のそれぞれに対応する20個の演出パターンテーブルE1〜E20が格納されている。
【0212】
但し、
図28(b)では、1個の演出パターンテーブルE1のみを図示している。ここで、
図28(b)は、変動パターンA1に対応する演出パターンテーブルE1を示す図表であり、当該演出パターンテーブルE1には、何れも所定範囲の乱数値を対応づけた複数個の演出パターンa11〜a17が格納されている。そして、遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果が大当り、変動パターンA1が選択された場合には、S1210において演出パターンテーブルE1を参照し、S1205の処理で抽出した振分乱数を用いた乱数抽選を行い、演出表示を実行する際に適用する演出パターンを選択する。
【0213】
この演出パターンテーブルE1は、設定示唆演出A若しくは設定示唆演出Bを伴うことが可能な演出パターンが格納された演出パターンテーブル(以下、示唆可能タイプの演出パターンテーブルという)である。なお、
図28(b)では、示唆可能タイプの演出パターンテーブルとして、演出パターンテーブルE1のみを図示するが、
図28(c)に示すように、変動パターンA6に対応する演出パターンテーブルE6、変動パターンA11に対応する演出パターンテーブルE11、変動パターンA16に対応する演出パターンテーブルE16も示唆可能タイプの演出パターンテーブルである。また、20個の演出パターンテーブルE1〜E20のうち、その他の演出パターンテーブル(E2、E20等)を参照しても、設定示唆演出を伴うことが可能な演出パターンが選択されることはない。
【0214】
以下、演出パターンテーブルE1に格納された個々の演出パターンa11〜a17の内容を説明する。
この演出パターンテーブルE1が参照される場合、S1205で抽出した乱数を用いた乱数抽選によって、演出表示で使用する演出パターンが演出パターンa11〜a17のうちの何れかが選択される(S1210)。そして、何れの演出パターンが選択されるかによって、開始する演出表示において実行するリーチ演出の内容(バトル演出の種類、態様等)が異なっている。
【0215】
図28(b)に示すように、演出パターンa11、a14、a15が選択されると、演出表示においてリーチ演出Aを実行する。つまり、演出パターンa11、a14、a15の振分率は、何れも5%とされており、演出パターンa11、a14、a15が選択されると、前述の実行条件Aを充足する。
また、演出パターンa11が選択されると、リーチ演出Aとして味方キャラクタA1が20発のパンチを繰り出す拳闘バトルが実行される。この20発のパンチを繰り出す拳闘バトルは、当否判定の結果が大当りとなる場合のみに実行される。つまり、20発のパンチを繰り出す拳闘バトルは、当該演出表示の結果が大当りとなることを示す「大当り確定」の演出である。
【0216】
また、演出パターンa14が選択されると、リーチ演出Aとして味方キャラクタA1が15発のパンチを繰り出す拳闘バトルが実行され、演出パターンa15が選択されると、リーチ演出Aとして味方キャラクタA1が10発のパンチを繰り出す拳闘バトルが実行される。この15発のパンチを繰り出す拳闘バトルと10発のパンチを繰り出す拳闘バトルは、当否判定の結果が大当りである場合も、外れである場合も実行される。
【0217】
更に、演出パターンa12が選択されると、前述のリーチ演出Bが実行される。つまり、演出パターンa12が選択されると前述の実行条件Bを充足する。
この演出パターンa12が選択される確率(20%)は、演出パターンa11、a14、a15が選択される確率の合計(リーチ演出としてリーチ演出Aが選択される確率)よりも高くされている。しかも、実行条件Bが成立すると、閉鎖判定が行われる場合において始動口11、12に遊技球が入賞する度に設定示唆演出Bが実行される。このため、設定示唆演出Bの出現率は、設定示唆演出Aの出現率よりも遙かに高くなっている。
なお、
図28(b)中において、リーチ演出Aに丸印を付し、リーチ演出Bに三角印を付している。
【0218】
また、演出パターンa13が選択されるとリーチ演出Cが実行され、演出パターンa16若しくは演出パターンa17が選択されるとリーチ演出Dが実行される。そして、リーチ演出C、リーチ演出Dの何れかが実行されると、演出表示において設定示唆演出が実行されない。
演出パターンa16が選択されると実行されるリーチ演出Dは、可動物5Kを画面6aの前方まで移動させるともに可動物5Kに設けられた発光部51Kを白で発光させる演出を特定する演出パターンである。また、演出パターンa17が選択されると実行されるリーチ演出Dは、可動物5Kを画面6aの前方まで移動させるともに可動物5Kに設けられた発光部51Kを赤色で発光させる演出を特定する演出パターンである。演出パターンa17で特定されるリーチ演出D(発光部51Kを赤色で発光させる演出)は、当否判定の結果が大当りである場合のみに選択される演出(大当り確定演出)である。
【0219】
以上のように、演出パターンを決定する際に演出パターンテーブルE1を参照すると、リーチ演出A若しくはリーチ演出Bを伴う演出パターンが所定の割合で選択される。また、リーチ演出Bを伴う演出パターンが選択される確率は、リーチ演出Aを伴う演出パターンが選択される確率よりも高くなっている。
同様に、演出パターンテーブルE6、E11、E16を参照すると、リーチ演出A若しくはリーチ演出Bを伴う演出パターンが、所定の割合で決定される(図示を省略)。しかも、リーチ演出Bを伴う演出パターンが選択される確率は、リーチ演出Aを伴う演出パターンが選択される確率よりも高くなっている。
【0220】
また、図示を省略するが、サブ統合制御装置83を構成するROMには、遊技状態が開放延長状態且つ当否判定の結果が大当りである場合に参照する変動パターンテーブルに対応する演出パターンテーブルも格納されている。但し、何れの演出パターンテーブルを参照しても、「遊技状態が非開放延長状態で、当否判定の結果が大当りである場合」に参照する演出パターンテーブルを参照する場合よりも、リーチ演出A若しくはリーチ演出Bを伴う演出パターンが選択される確率は低くなっている。
なお、本実施例では、大当りの種類を考慮することなく、参照する演出パターンテーブルを決定するが、大当りの種類も考慮し、参照する演出パターンテーブルを決定してもよい。
【0221】
次に、当否判定の結果が外れである場合にも、当否判定の際の遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)を考慮した変動パターンテーブルを参照して選択された変動パターンに関するデータが、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。そして、サブ統合制御装置83は、S1210の処理において、S1200で受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターンが対応する演出パターンテーブルを参照して、S1205の処理で抽出した振分乱数を用いた乱数抽選で外れ用の演出パターンを選択する。以下、
図29の具体例を用いて具体的に説明する。
図29は、遊技状態が非開放延長状態で当否判定の結果が外れであり、且つ当該外れがリーチ外れと判定される場合に参照する変動パターンテーブルと、当該変動パターンテーブルに格納された各変動パターンに対応する演出パターンテーブルの関係を示す図表である。
【0222】
図29(a)の変動パターンテーブルは、遊技状態が非開放延長状態で当否判定の結果が外れであり、且つ当該外れがリーチ外れと判定される場合に参照する変動パターンテーブルである。この変動パターンテーブルには、変動パターン決定用乱数(「0」〜「1020」)と対応づけられた複数個(例えば、30個)の変動パターンB1〜B30が格納されている。そして、当否判定を実行する毎に当該変動パターンテーブルと、変動パターン決定用乱数とを用いて、乱数抽選で変動パターンを決定する。
また、サブ統合制御装置83を構成するROMには、遊技状態(非開放延長状態、開放延長状態)で、当否判定の結果が外れで、且つ当該外れがリーチ外れと判定される場合に参照する30個の演出パターンテーブルF1〜F30が格納されている。但し、
図29では、1個の演出パターンテーブルF1のみを図示している。
【0223】
ここで、
図29(b)は、変動パターンB1に対応する演出パターンテーブルF1を示す図表であり、当該演出パターンテーブルF1には、何れも所定範囲の乱数値を対応づけた複数個の演出パターンb11〜b15が格納されている。そして、遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果が外れ、変動パターンB1が選択された場合には、S1210において演出パターンテーブルF1を参照し、S1205の処理で抽出した振分乱数を用いた乱数抽選を行い、演出表示を実行する際に適用する演出パターンを選択する。
【0224】
この演出パターンテーブルF1も、示唆可能タイプな演出パターンテーブルである。なお、
図29(b)では、示唆可能タイプな演出パターンテーブルとして、演出パターンテーブルF1のみを図示するが、変動パターンB11に対応する演出パターンテーブルF11、変動パターンB16に対応する演出パターンテーブルF16も示唆可能タイプな演出パターンテーブルである。また、30個の演出パターンテーブルF1〜30のうち、その他の演出パターンテーブル(F2、F30等)を参照しても、設定示唆演出を伴うことが可能な演出パターンが選択されることはない。
【0225】
以下、演出パターンテーブルF1に格納された個々の演出パターンb11〜b15の内容を説明する。
この演出パターンテーブルF1が参照される場合、S1205で抽出して乱数を用いた乱数抽選によって、演出表示で使用する演出パターンが演出パターンb11〜b15のうちの何れかが選択される(S1210)。そして、何れの演出パターンが選択されるかによって、開始する演出表示において実行するリーチ演出の内容(バトル演出の種類、態様等)が異なっている。
【0226】
図29(b)に示すように、演出パターンb13、b14が選択されると、演出表示においてリーチ演出Aを実行する。そして、演出パターンb13、b14の振分率は、何れも5%とされており、演出パターンb13、b14が選択されると、前述の実行条件Aを充足する。
また、演出パターンb13が選択されると、リーチ演出Aとして味方キャラクタA1が15発のパンチを繰り出す拳闘バトルが実行される。また、演出パターンb14が選択されると、リーチ演出Aとして味方キャラクタA1が10発のパンチを繰り出す拳闘バトルが実行される。なお、前述のように、当否判定の結果が外れである場合には、リーチ演出Aとして味方キャラクタA1が20発のパンチを繰り出す拳闘バトルは実行されない。
【0227】
更に、演出パターンb11が選択されると、前述のリーチ演出Bが実行される。つまり、演出パターンb11が選択されると前述の実行条件Bを充足する。
この演出パターンb11が選択される確率(15%)は、演出パターンb13、b14が選択される確率の合計(リーチ演出としてリーチ演出Aが選択される確率)よりも高くされている。しかも、実行条件Bが成立すると、閉鎖判定が行われる場合において始動口11、12に遊技球が入賞する度に設定示唆演出Bが実行される。このため、設定示唆演出Bの出現率は、設定示唆演出Aの出現率よりも遙かに高くなっている。
【0228】
また、演出パターンb12が選択されるとリーチ演出Cが実行され、演出パターンb15が選択されるとリーチ演出Dが実行される。そして、リーチ演出C若しくはリーチ演出Dが実行されると、演出表示において設定示唆演出が実行されない。
なお、演出パターンb15が選択されると実行されるリーチ演出Dは、可動物5Kを画面6aの前方まで移動させるが、可動物5Kに設けられた発光部51Kを白色で発光させる演出を特定する演出パターンである。つまり、発光部51Kが発光色によって、当否判定の結果が大当りであるか、外れであるかが示唆される。
【0229】
以上のように、演出パターンを決定する際に演出パターンテーブルF1を参照すると、リーチ演出A若しくはリーチ演出Bを伴う演出パターンが所定の割合で選択される。また、リーチ演出Bを伴う演出パターンが選択される確率は、リーチ演出Aを伴う演出パターンが選択される確率よりも高くなっている。
同様に、演出パターンテーブルF11、F16を参照すると、リーチ演出A若しくはリーチ演出Bを伴う演出パターンが、所定の割合で決定される(図示を省略)。しかも、リーチ演出Bを伴う演出パターンが選択される確率は、リーチ演出Aを伴う演出パターンが選択される確率よりも高くなっている。
【0230】
また、図示を省略するが、サブ統合制御装置83を構成するROMには、遊技状態が開放延長状態且つ当否判定の結果が外れである場合に参照する変動パターンテーブルに対応する演出パターンテーブルも格納されている。そして、何れの演出パターンテーブルを参照しても、「遊技状態が非開放延長状態で、当否判定の結果が外れである場合」に参照する演出パターンテーブルを参照する場合よりも、リーチ演出A若しくはリーチ演出Bを伴う演出パターンが選択される確率は低くなっている。
【0231】
更に、図示を省略するが、サブ統合制御装置83を構成するROMには、(1)遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果が外れであり、外れが単純外れである場合に参照する変動パターンテーブルに対応する演出パターンテーブルと、(2)遊技状態が開放延長状態且つ当否判定の結果が外れであり、外れが単純外れである場合に参照する変動パターンテーブルに対応する演出パターンテーブルも格納されている。そして、何れの演出パターンテーブルを参照しても、リーチ演出A若しくはリーチ演出Bを伴う演出パターンが選択されないこととされている。但し、単純外れに対応する演出においても、所定の実行条件(例えば、実行条件C)が成立した場合において、演出表示中の所定のタイミングで設定示唆演出を実行可能としてもよい。
【0232】
S1210で演出パターンを設定した後に移行するS1215では、S1210で設定した演出パターンが、実行条件Aを具備する演出パターン(リーチ演出Aの実行を伴う演出パターン)であるか否かを判定する(S1215)。そして、S1215において肯定判定されると(S1215:yes)、S1220に移行し、第1示唆演出準備フラグの値を「1」とする処理を実行する(S1220)。そして、実行予定の示唆演出の態様を選択する処理を行った後(S1225)、S1240に移行する。
ここで、第1示唆演出準備フラグは、開始する演出表示において設定示唆演出Aを実行可能(実行予定)であることを示すフラグである。
【0233】
S1215で否定判定される場合には(S1215:no)、S1210で設定した演出パターンが、実行条件Bを具備する演出パターン(リーチ演出Bの実行を伴う演出パターン)であるか否かを判定する(S1230)。そして、S1230において肯定判定される場合には(S1230:yes)、第2示唆演出準備フラグの値を「1」とする処理を実行した後(S1235)、S1240に移行する。
ここで、第2示唆演出準備フラグは、開始する演出表示において設定示唆演出Bを実行可能(実行予定)であることを示すフラグである。
【0234】
ここで、S1210では、実行条件Aが成立することとなる演出パターンにおいて、実行予定の設定示唆演出Aの実行時間(開始時間、継続時間)を決定する。つまり、実行予定の設定示唆演出Aの開始時間と、継続時間とが特定されている。具体的には、S1210で決定した演出パターンが演出パターンa11、a14、a15、b13、b14である場合において、演出表示を開始した後、何れのタイミング(演出表示を開始した後の経過時間)で設定示唆演出Aを開始するのかということと、開始予定の設定示唆演出Aの継続時間とが設定されている。
【0235】
S1240では、演出図柄の停止図柄を設定する処理を行う。例えば、確定表示されるのが、確変大当り図柄である場合には「3桁のゾロ目奇数数字で構成される図柄」、通常大当り図柄である場合には「3桁のゾロ目偶数数字で構成される図柄」、外れ図柄である場合には「3桁のバラ目数字で構成される図柄」が表示される。そして、演出を開始し(S1245)、演出開始処理をリターンする。
ここで、演出を開始すると、演出中フラグの値を「1」にする。そして、後述するように、演出を停止すると、演出中フラグの値を「0」にする(
図35を参照)。
【0236】
次に、S1225の処理に関し、
図30及び
図31を用いて説明する。
S1225では、実行予定の設定示唆演出Aの構成態様を決定する。なお、本実施例において、「実行予定の設定示唆演出A」と表記するのは、設定示唆演出Aはサブ統合制御装置83が閉鎖判定している場合に実行され、開放判定している場合に実行されない(実行するか否かが不確定である)ためである。
【0237】
(1)実行予定の設定示唆演出Aの構成態様は、前述の
図23(b)に示すように、「ボクシンググラブGの色」と、「パンチの音」とで構成される。そして、その時点の段階設定値の対応する設定示唆演出態様決定用テーブルを参照し、S1205で抽出した振分乱数を用いた乱数抽選に行い、設定示唆演出Aの構成態様が決定される。
【0238】
次に、「実行予定の示唆演出Aの構成態様」の選択に関し、
図30若しくは
図31を参照して説明する。
図30は、段階設定値が奇数(1、3、5)である場合に参照する設定示唆演出態様決定用テーブルを示している。
そのうち、
図30(a)は、その時点の段階設定値が「1」である場合に参照する設定示唆演出態様決定用テーブルである。そして、この設定示唆演出態様決定用テーブルを参照すると、原則的態様と、奇数示唆態様とが半々の割合で決定される。この場合、遊技者は、長時間遊技を行っても、段階設定値が偶数値であることを示す態様(偶数示唆態様)や、段階設定値が「3」以上であることを示す態様が出現しない。よって、遊技者は、遊技の結果が芳しくない場合(当否判定で大当りを発生する頻度が特に低い場合)、その時点の段階設定値が最低設定値の「1」であると判断する可能性が高い。従って、当該パチンコ機50で遊技を停止することが予想されるため、所謂「遊技のめり込み」を防止でき、健全な遊技性を確保することができる。
【0239】
図30(b)は、その時点の段階設定値が「3」である場合に参照する設定示唆態演出様決定用テーブルである。そして、この設定示唆演出態様決定用テーブルを参照すると、原則的態様と、奇数示唆態様と、3以上態様の何れかが決定される。
この場合、長時間遊技を行う遊技者は、段階設定値が中間値(「3」)以上であると判定することができる。従って、遊技の結果がほどほど(当否判定で大当りを発生する頻度が平均的である場合)であるため、当該パチンコ機50で遊技を継続することが予想され、当該パチンコ機50の稼働率の向上を図ることができる。
【0240】
図30(c)は、その時点の段階設定値が「5」である場合に参照する設定示唆演出態様決定用テーブルである。そして、この設定示唆演出態様決定用テーブルを参照しても、段階設定値が「3」である場合の設定示唆演出態様決定用テーブルを参照する場合と同様に、原則的態様と、奇数示唆態様と、3以上態様の何れかが決定される。但し、段階設定値が「3」である場合の設定示唆演出態様決定用テーブルを参照する場合に比べて、3以上態様の選択率が向上(例えば、2倍に向上)する。このため、長時間遊技を行う遊技者は、段階設定値が高目の値(「5」)であると判定することが予想される。従って、当該パチンコ機50で遊技を継続することに意欲を持ち、当該パチンコ機50の稼働率の一層の向上を図ることができる。
【0241】
図31は、段階設定値が偶数(2、4、6)である場合に参照する設定示唆演出態様決定用テーブルを示している。
これらのうち、
図31(a)は、その時点の段階設定値が「2」である場合に参照する設定示唆演出態様決定用テーブルである。そして、この設定示唆演出態様決定用テーブルを参照すると、原則的態様と、偶数示唆態様とが半々の割合で決定される。この場合、遊技者は、長時間遊技を行うと、段階設定値が奇数値であることを示す態様(奇数示唆態様)が出現しないことを感ずる。但し、3以上態様が出現しないため、当該パチンコ機50で遊技を継続することは、ほどほどにすべきであることを理解することになる。よって、当該パチンコ機50で遊技を継続しても、段階設定値が「1」である場合よりも大当りを得やすいが、大当りが期待する頻度で発生しない場合には、即座に遊技を中止し、「遊技のめり込み」を防止すべきことを理解することができる。
【0242】
図31(b)は、その時点の段階設定値が「4」である場合に参照する設定示唆態様決定用テーブルである。そして、この設定示唆演出態様決定用テーブルを参照すると、原則的態様と、偶数示唆態様と、3以上態様の何れかが決定される。
この場合、長時間遊技を行う遊技者は、段階設定値が中間値以上であると判定することができる。しかも、段階設定値が偶数値であることが示唆され、段階設定値が「4」以上であると予測される。
従って、当該パチンコ機50で遊技を継続することが予想され、当該パチンコ機50の稼働率の向上を図ることができる。
【0243】
図31(c)は、その時点の段階設定値が「6」である場合に参照する設定示唆演出態様決定用テーブルである。そして、この設定示唆演出態様決定用テーブルを参照すると、原則的態様と、偶数示唆態様と、3以上態様と、最高設定示唆態様のうちの何れかが決定される。このため、長時間遊技を行う遊技者は、段階設定値が高い値(「6」)であると判定することができ、当該パチンコ機50で遊技を継続する意欲を持ち、当該パチンコ機50の稼働率のより一層の向上を図ることができる。
【0244】
次に、
図32のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する示唆演出開始処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
サブ統合制御装置83は示唆演出開始処理を起動すると、演出中フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1300)。そして、否定判定されると(S1300:no)、そのまま示唆演出開処理を終了する。
【0245】
一方、肯定判定されると(S1300:yes)、S1305の処理に移行し、第1示唆演出準備フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1305)。つまり、開始した演出表示が、「実行条件Aが成立したもの」であるか否か(リーチ演出Aを実行するものであるか否か)を判定(S1305)する。そして、S1305で肯定判定されると、S1310に移行する。
このS1310では、第1示唆演出(示唆演出A)の開始タイミングが到来したか否かを判定する(S1310)。この開始タイミングは、
図27のS1210で設定した演出パターンによって定められている。つまり、演出表示の開始後、所定時間が経過すると(リーチ演出Aが開始され、所定時間が経過すると)、第1示唆演出(設定示唆演出A)の開始タイミングが到来する。
【0246】
S1310で否定判定される場合には(S1310:no)、一旦、示唆演出開始処理をリターンする。そして、示唆演出開始処理を繰り返し実行するうちに、S1310で肯定判定されると(S1310:yes)、閉鎖判定フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1315)。つまり、サブ統合制御装置83によって前枠52が閉鎖していると判定(閉鎖判定)されると(S1315;yes)、第1示唆演出(示唆演出A)を開始する処理を行う(S1320)。そして、第1示唆演出準備フラグの値を「0」とし、第1示唆演出実行中フラグの値を「1」とし、示唆演出開始処理をリターンする。ここで、第1示唆演出実行中フラグとは、第1示唆演出(示唆演出A)を実行中であることを示すフラグであり、実行中である場合には当該フラグの値が「1」とされる。
【0247】
また、第1示唆演出(示唆演出A)の開始タイミングに閉鎖判定フラグの値が「0」である場合(S1315;no)には、
図33(a)のS1330に移行し、第1示唆演出準備フラグの値を「0」とした後(S1330)、示唆演出開始処理をリターンする。この場合、第1示唆演出(示唆演出A)が実行されることはない。つまり、S1315が否定判定されて移行するS1330の処理は、第1示唆演出の実行を禁止(抑制)する禁止手段(抑制手段)を構成する。
【0248】
S1305の処理において否定判定される場合には(S1305;no)、S1340に移行し、第2示唆演出準備フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1340)。つまり、開始した演出表示が、「実行条件Bが成立したもの」であるか否か(リーチ演出Bを実行するものであるか否か)を判定(S1340)する。そして、S1340で肯定判定されると(S1340;yes)、S1345に移行し、サブ統合制御装置83が入賞コマンドを受信する否かを監視する(S1345)。ここで、第2示唆演出(設定示唆演出B)は、変動開始時に実行条件Bが成立する演出表示であれば、閉鎖判定フラグの値が「1」である限り、始動口11、12に遊技球が入賞する度に繰り返して実行することが可能である。例えば、リーチ演出Bの実行開始の前後を問わず、第2示唆演出(設定示唆演出B)が実行される可能性がある。
【0249】
S1345で否定判定される場合には(S1345;no)、一旦、示唆演出開始処理をリターンする。そして、示唆演出開始処理を繰り返し実行するうちに入賞コマンドの受信を確認すると(S1345;yes)、S1350の処理に移行する。つまり、リーチ演出Bを伴う演出表示においては、その演出表示中に入賞コマンドを受信する度に第2示唆演出(設定示唆演出B)が実行される可能性がある。
【0250】
入賞コマンドの受信を受信すると(S1345;yes)、移行するS1350では、閉鎖判定フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1350)。そして、サブ統合制御装置83によって前枠52が閉鎖していると判定(閉鎖判定)されると(S1350;yes)、第2示唆演出(設定示唆演出B)の実行態様を選択し(S1355)、第2示唆演出(示唆演出B)を開始する処理を行う(S1360)。そして、第2示唆演出実行中フラグの値を「1」とし(S1365)、示唆演出開始処理をリターンする。ここで、第2示唆演出実行中フラグとは、第2示唆演出(示唆演出B)を実行中であることを示すフラグであり、実行中である場合には当該フラグの値が「1」とされる。また、S1365では、第2示唆演出準備フラグの値を「0」としないため、リーチ演出Bを伴う演出表示において、入賞コマンドを受信する度に第2示唆演出(設定示唆演出B)が実行される可能性がある。
【0251】
また、本実施例では、入賞コマンドを受信するタイミングで(第2示唆演出(示唆演出B)の開始タイミングで)、閉鎖判定フラグの値が「0」である場合(S1350;no)には、
図33(b)のS1370に移行し、第2示唆演出準備フラグの値を「0」とした後(S1370)、示唆演出開始処理をリターンする。この場合、第2示唆演出(示唆演出B)が実行されることはない。つまり、S1350で否定判定される場合に移行するS1370の処理は、第2示唆演出の実行を禁止(抑制)する禁止手段(抑制手段)を構成する。
【0252】
なお、S1355の第2示唆演出態様選択処理では、その時点の段階設定値に対応する示唆演出態様決定用テーブル(
図30、
図31を参照)と、S1205で抽出した振分乱数を用いた乱数抽選で、第2示唆演出(示唆演出B)の実行態様(入賞音)を決定する。なお、前述のように、1回の演出表示において複数回の第2示唆演出(示唆演出B)が実行される可能性がある。このとき、常にS1205で抽出した振分乱数を用いた乱数抽選で実行態様(入賞音)を決定することとすると、1回の演出表示において複数回の第2示唆演出(示唆演出B)が実行されても、全ての第2示唆演出(示唆演出B)において同一の入賞音を生ずることとなる。
【0253】
但し、1回の演出表示においても、始動口11、12への入賞を生ずる度に振分乱数を抽出(例えば、S1335において抽出)することとすれば、1回の演出表示において複数回の第2示唆演出(示唆演出B)が実行されても、当該実行される度に異なる入賞音が出力される可能性がある。
【0254】
次に、
図33(c)のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する示唆演出実行中処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
サブ統合制御装置83は示唆演出実行中処理を起動すると、第1示唆演出実行中フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1400)。つまり、第1示唆演出(示唆演出A)を実行しているか否かを判定する(S1400)。そして、S1400で肯定判定される場合には(S1400;yes)、S1405に移行し、S1400で否定判定される場合には(S1400;no)、S1430に移行する。
【0255】
第1示唆演出実行中であるときに移行するS1405において、サブ統合制御装置83は前枠開放報知コマンドを受信するか否かを監視する。そして、S1405の処理で否定判定される場合には(1405;no)、一旦、示唆演出実行中処理をリターンする。そして、示唆演出開始実行中処理を繰り返し実行するうちに、S1405で肯定判定されると(S1405;yes)、第1示唆演出実行中フラグの値を「0」とした後(S1410)、示唆演出実行中処理をリターンする。つまり、S1410では、実行中の第1設定示唆演出(設定示唆演出A)が終了(強制終了)する。
【0256】
更に、S1410の処理に関し、
図22及び
図23を用いて説明した具体例を用いて説明する。つまり、前枠52が開放されることに起因して、実行中の第1設定示唆演出(設定示唆演出A)を終了すると、ボクサーA1(味方キャラクタ)のボクシンググラブGの色を設定示唆を伴う色(
図23(b)に示す設定示唆色A乃至E)から、設定示唆を伴わない色(
図23(a)に示す白色)に変化する。また、ボクサーA1(味方キャラクタ)が繰り出すパンチの音が消音される(
図23を参照)。
【0257】
第1示唆演出を実行中でない場合(S1400;no)に移行するS1430では、第2示唆演出実行中フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1430)。つまり、第2示唆演出(示唆演出B)を実行しているか否かを判定する(S1430)。そして、S1430で否定判定される場合には(S1430;no)、示唆演出実行中処理をリターンする。
【0258】
一方、S1430で肯定判定される場合には(S1430;yes)、S1435に移行し、前枠開放報知コマンドを受信するか否かを監視する(S1435)。このS1435の処理で否定判定される場合には(S1435;no)、一旦、示唆演出実行中処理をリターンする。そして、示唆演出開始実行中処理を繰り返し実行するうちに、S1435で肯定判定されると(S1435;yes)、第2示唆演出実行中フラグの値を「0」とする処理と、第2示唆演出準備フラグの値を「0」とする処理とを実行した後(S1440)、示唆演出実行中処理をリターンする。つまり、S1440では、実行中の第2設定示唆演出(設定示唆演出B)を終了(強制終了)する。また、第2示唆演出準備フラグの値を「0」とするため、以後、当該演出表示中に始動口11、12に入賞を生じても入賞音(設定示唆音)が出力されない。そして、S1440の処理を実行すると、示唆演出実行中処理をリターンする。
【0259】
ここで、S1440の処理に関し、
図24及び
図25を用いて説明した具体例を用いて説明する。つまり、実行中の第2設定示唆演出(設定示唆演出B)を終了すると、始動入賞11、12によって発生していた入賞音(
図24を参照)が、消音された状態(入賞音が中途で途切れた状態)となる。
【0260】
次に、
図34のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する示唆演出終了処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
サブ統合制御装置83は示唆演出終了処理を起動すると、第1示唆演出実行中フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1500)。つまり、第1示唆演出(示唆演出A)を実行しているか否かを判定する(S1500)。そして、S1500で肯定判定される場合には(S1500;yes)、S1505に移行し、S1500で否定判定される場合には(S1500;no)、S1515に移行する。
【0261】
第1示唆演出実行中であるとときに移行するS1505は、サブ統合制御装置83は、第1示唆演出の終了タイミングが到来したか否かを判定する(S1505)。そして、第1示唆演出の終了タイミングが到来すると第1示唆演出を終了する処理を行い(S1510)、示唆演出終了処理をリターンする。つまり、第1示唆演出実行中フラグの値を「0」とする処理を行い(S1510)、示唆演出終了処理をリターンする。ここで、第1示唆演出の終了タイミングは、前述のS1210で演出表示の開始時に設定した演出パターン(実行条件Aが成立する場合)によって特定される。
【0262】
サブ統合制御装置83は、第1示唆演出実行中フラグの値が「0」であると判定すると(S1500;no)、S1515に移行し、第2示唆演出実行中フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1515)。そして、S1515で否定判定されると(S1515)、示唆演出終了処理を一旦、リターンする。そして、示唆演出終了処理を繰り返し実行している間にS1515で肯定判定されると(S1515;yes)、S1520に移行する。
【0263】
S1520では、実行中の第2示唆演出が終了タイミングになったか否かを判定する(S1520)。そして、肯定判定されると(S1520;yes)、第2示唆演出を終了する処理を行い(S1525)、示唆演出終了処理をリターンする。つまり、第2示唆演出実行中フラグの値を「0」とする処理を行い(S1525)、示唆演出終了処理をリターンする。
なお、本実施例においては、第2示唆演出を終了する処理を行った後、当該終了した第2示唆演出とは別の第2示唆演出が開始される可能性がある。
また、始動口11、12に遊技球が複数球、連続して入賞した場合(先後の遊技球が略同時に入賞した場合)には、先に入賞した遊技球に基づく入賞音が終了してから、後に入賞した遊技球に基づく入賞音が発生してもよいし、後に入賞した遊技球に基づく入賞音が発生しないこととしてもよい。
【0264】
次に、
図35のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出停止処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
演出停止処理が開始されると、サブ統合制御装置83が変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1600)。ここで、変動停止コマンドとは、特別図柄の変動を停止して確定図柄を表示する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(
図15(a)のS368の処理を参照)。
そして、否定判定される場合には(S1600:no)、演出停止処理をそのまま終了する。
【0265】
一方、肯定判定される場合には(S1600:yes)、演出中フラグの値を「0」とする処理を行う(S1605)。続いて、S1610で第2示唆演出準備フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1610)。つまり、本実施例では、第2示唆演出を開始する際に(第2示唆演出実行中フラグを設定する際、つまり、値を「1」とする際)に第2示唆演出準備フラグを解除しないこと(値を「0」とすること)としている。そして、演出停止処理を実行する際に第2示唆演出準備フラグの値が「1」の場合が存在する。このため、S1610で肯定判定される場合には(S1610:yes)、第2示唆演出準備フラグの値を「0」とした後(S1615)、S1620に移行し、S1610で否定判定される場合には(S1610:no)、そのままS1620に移行する。
【0266】
S1620では、第2示唆演出中フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1620)。つまり、本実施例では、演出停止処理を実行する際に第2示唆演出を実行中である場合が存在する。
S1620で肯定判定される場合には(S1620:yes)、第2示唆演出中フラグの値が「0」とした後(S1625)、S1630に移行し、S1620で否定判定される場合には(S1620:no)、そのままS1630に移行する。
但し、S1625においては、発生途中の入賞音を中途で中断(中断)することとしてもよいし、発生途中の入賞音を予定時間に亘って実行(S1630の処理がなされても、入賞音が予定時間となるまで継続)することとしてもよい。
【0267】
S1630では、演出図柄確定表示信号を演出図柄制御装置82に送信する処理(つまり、演出図柄確定表示させる処理)を行い(S1630)、演出停止処理を終了する。
【0268】
次に、
図36〜
図38を用いて、本実施例のパチンコ機50の適用例(適用されるケース)を説明する。
図36は、前枠52が内枠70に対して開放状態のとき(つまり、サブ統合制御装置83が開放判定を行っているとき)に、始動口11、12に遊技球が入賞した場合を示している(
図36の符号Aを参照)。つまり、設定示唆演出を当該演出表示の結果を示唆する予告演出(当該演出表示中に行う当該変動中予告)において、設定示唆演出を行う場合を示している。つまり、設定示唆演出の実行の前提条件成立時(当該変動中予告が実行される乱数値が保留記憶されたタイミング)で前枠52が開放しているケースでは(
図36の符号Aを参照)、当該演出表示において設定示唆演出を実行する可能性が生ずることを示している(
図36の(d1)を参照)。
【0269】
すなわち、
図36に示すように、当該保留記憶に係る演出表示を開始する際に、設定示唆演出を実行する予定があることが決定されている場合には、当該設定示唆演出の実行タイミングに前枠52が閉鎖されていると(
図36の符号L1、Bを参照)、設定示唆演出を実行する(
図36の符号C、d1を参照)。ここで、
図36のケースでは、当該設定示唆演出の実行タイミングよりも前に前枠52が閉鎖され、当該設定示唆演出が開始されても前枠52が閉鎖されている状態を図示している(
図36のL1、Bを参照)。
また、図示を省略するが、当該保留記憶に係る演出表示を開始する際に、設定示唆演出を実行する予定があることが決定されていても、当該設定示唆演出の実行タイミング(
図36の符号Bを参照)に前枠52が開放されていると、設定示唆演出を実行しない(
図36の符号d2を参照)
【0270】
同様に、当該演出表示を開始する際に設定示唆演出を実行することが決定されていない場合(実行条件A若しくは実行条件Bが成立しない場合)には、当該演出表示において設定示唆演出が実行されない。
但し、本実施例と異なり、前枠52が内枠70に対して開放状態のときに、始動口11、12に遊技球が入賞した場合は、当該入賞に基づく、演出表示が開始する際に設定示唆演出の実行が決定され、設定示唆演出の開始タイミングで前枠52が閉鎖されても、設定示唆演出を実行しないこととしてもよい。
【0271】
図37は、前枠52が内枠70に対して閉鎖状態のとき(つまり、サブ統合制御装置83が閉鎖判定を行っているとき)に、演出表示を開始する場合を示している(
図37の符号Bを参照)。そして、演出表示を開始する際に設定示唆演出の実行が決定されても、設定示唆演出の開始タイミングよりも前に前枠52が開放された場合(開放判定された場合)には、設定示唆演出が実行されない(
図37の符号Eを参照)。ここで、
図37のケースでは、演出表示を開始する際に設定示唆演出の実行が決定されたが(
図37の符号Bを参照)、演出表示の実行中であって当該設定示唆演出の実行タイミングよりも前に前枠52が開放された状態を図示している(
図37のL2、Eを参照)。
【0272】
図38(A)は、示唆演出の実行中(
図38のGを参照)に前枠52が開放された場合(開放判定された場合)を示している。この場合には、開始した設定示唆演出が中途で終了する。ここで、
図38(A)のケースでは、設定示唆演出の実行途中(設定示唆演出の終了タイミングよりも前に)に前枠52が開放された状態を図示している(
図38(A)のL3、Gを参照)。例えば、設定示唆演出の継続時間が5秒のとき、設定示唆演出を開始後3秒で、前枠52が開放された場合(開放判定された場合)には、当該開始後3秒で設定示唆演出を終了する。
また、
図38(B)に示すように、演出表示を開始する際に設定示唆演出の実行が決定されても、設定示唆演出の開始タイミングよりも前に前枠52の開放判定がなされているものとする。この場合、設定示唆演出に実行予定時間が到来しても前枠52の開放判定がなされていれば設定示唆演出が開始されない。そして、本来の実行予定時間が終了する前に前枠52の閉鎖判定がなされても、設定示唆演出は開始されないことを示している(
図38(B)のL4、Gを参照)。
【0273】
以上、本パチンコ機50によると、サブ統合制御装置83が「前枠52の開放判定」を行うことに基づいて、設定示唆演出A、Bの実行が抑制(具体的には禁止)される。また、本パチンコ機50によると、前枠52が開放されておらず、遊技中である場合(設定示唆演出の出現が必要な場合)には、設定示唆演出の内容が抑制されないため、出現する設定示唆演出の内容によって前枠52の閉鎖状態であることを明確化することができる。
加えて、遊技中である場合(設定示唆演出の出現が必要な場合)には、設定示唆演出の内容が抑制されないため、当該設定示唆演出を、メリハリを持って実行でき、遊技興趣を高めることができる。
【0274】
(2)実施例2
図39(a)〜(d)を用いて実施例2のパチンコ機50について簡単に説明する。
実施例2のパチンコ機は、設定示唆演出の態様によって前回の電源投入時から段階設定値が変更された可能性があることを示唆するものである。
実施例1のパチンコ機50においては電源投入時において所定のタイミングで、電源投入時の段階設定値が何れであるかという情報(現在の段階設定値が何れであるかという情報)が、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。例えば、設定状態フラグの値を「0」とする処理(遊技実行可能な状態とする処理)を行うと(
図9のS208、S222、
図11のS264、S272を参照)、電源投入時の段階設定値に関する情報が主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。
【0275】
また、前述のように、主制御装置80のRAM(RWM)には、RAM(RWM)クリア処理によっても消去されることのない記憶(領域段階設定値記憶領域)が設けられ、電源投入時にRAMクリア処理が施されても、段階設定値を示す情報(判定値)が保存されている。
【0276】
例えば、
図39(a)に示すように、電源投入時に設定状態フラグの値を「0」とする処理(遊技実行可能な状態とする処理)を行う際に今回の電源投入時の段階設定値(以下、「前回値」という)と、前回の電源投入時の段階設定値(以下、「今回値」という)とを比較し、段階設定値に変化が無ければ、「前回値」と「今回値」とが同一であることを示す設定値情報コマンド(以下、同一指定コマンドという)を主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信する。また、「今回値」が「前回値」よりも上昇していれば、「今回値」が「前回値」よりも上昇していることを示す設定値情報コマンド(以下、上昇指定コマンドという)を主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信する。更に、「今回値」が「前回値」よりも下降していれば、「今回値」が「前回値」よりも下降していることを示す設定値情報コマンド(以下、下降指定コマンドという)を主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信する。
なお、同一指定コマンドは、
図9のS208、S222、
図11のS272によって設定状態フラグの値を「0」とする処理を実行する際に、主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信される。一方、上昇指定コマンド若しくは下降指定コマンドは、
図11のS264よって設定状態フラグの値を「0」とする処理を実行する際(設定変更を行った後、遊技を実行可能とする際)に送信される。
【0277】
サブ統合制御装置83は、これらの設定値情報コマンドを受信することで、「今回値」が「前回値」と同一であるか、「前回値」よりも上昇しているか、下降しているかを検出することができる。なお、本実施例と異なり、サブ統合制御装置83に対しても、バックアップ電源を供給することとし、パチンコ機50への電力供給が停止される前に「前回値」をサブ統合制御装置83のRAMに記憶し、この記憶された「前回値」と、主制御装置80から送信される「今回値」とを比較してもよい。
【0278】
実施例2においては、実行条件Aが成立する場合に移行するS1225の処理において、主制御装置80から送信された設定値情報コマンドに対応する「設定示唆演出決定用テーブル」を参照し、設定演出の実行態様を決定する。
具体的に説明すると、サブ統合制御装置83が設定値情報コマンドに基づいて、「今回値」と「前回値」とが同一であると判定すると、
図39(b)に示す「同一設定値の設定示唆態様決定用テーブル」を参照し、S1205で抽出した振分乱数を用いた乱数抽選で示唆演出の実行態様を決定する。
【0279】
また、「今回値」が「前回値」よりも上昇していると判定すると、
図39(c)に示す「設定値上昇用の設定示唆態様決定用テーブル」を参照し、S1205で抽出した振分乱数を用いた乱数抽選で示唆演出の実行態様を決定する。
更に、「今回値」が「前回値」よりも下降していると判定すると、
図39(d)に示す「設定値下降用の設定示唆態様決定用テーブル」を参照し、S1205で抽出した振分乱数を用いた乱数抽選で示唆演出の実行態様を決定する。
【0280】
ここで、
図39(b)〜(d)に示す「原則的態様」と「A示唆態様」と「B示唆態様」とは、リーチ演出Aにおいて、ボクサーA1(味方キャラクタ)のボクシンググラブGの色を「設定示唆を伴う色」とし、パンチの音がそれぞれ異なる示唆音とする。
つまり、実施例においても、設定示唆演出Aは、「表示要素」及び「音声要素」を示唆演出の演出構成要素(示唆演出の構成要素)として備える。
「今回値」と「前回値」とが同一である場合には、設定示唆演出Aとして、A示唆態様とB示唆態様とが同一の割合で出現する。また、「今回値」が「前回値」よりも上昇しているとA示唆態様の出現率がB示唆態様の出現率よりも高くなり、「今回値」が「前回値」よりも下降しているとA示唆態様の出現率がB示唆態様の出現率よりも低くなる。ここで、「原則的態様」は
図23(b)の「原則的態様」と、「B示唆態様」は
図23(b)の「奇数示唆態様」と、「B示唆態様」は
図23(b)の「偶数示唆態様」とは、それぞれ同一の表示態様、同一の音声態様であるものとする。
【0281】
なお、図示を省略するが、設定示唆演出Bにつては、実施例1と同様に、その時点の段階設定値に応じた態様で実行される。但し、実施例2においても、設定示唆演出Bも、「今回値」と「前回値」の関係を考慮した設定示唆演出を実行してもよい。
【0282】
実施例2によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、実施例2によると、その時点の段階設定値とともに、「今回値」と「前回値」との関係が示唆される。例えば、当該パチンコ機50で遊技を続行する遊技者は、当該パチンコ機50が昨日よりも設定が甘くなっているか(高設定であるか)、設定が辛くなっているか(低設定であるか)、それとも、昨日の設定が維持されているか否かを判定することができる。このため、対象としているパチンコ機50での遊技継続の可否の判断をより的確に行うことができる。
なお、実施例2においては、示唆演出Bによっても、「今回値」と「前回値」との関係が示唆されてもよい。
【0283】
以上のように本発明の実施例を説明したが、本発明の範囲は前述の実施例や変形例に示す範囲に限定されず、本発明の範囲内で種々の変形例を例示することができる。
【0284】
即ち、各実施例では「特定の設定示唆演出」を複数の演出手段(例えば、演出表示手段の具体例を構成する演出図柄表示装置6と、音声出力手段の具体例を構成するスピーカ66)で実行可能とする態様を例示した。更に具体的に説明すると、各実施例のパチンコ機50においては、「表示要素」及び「音声要素」を演出構成要素とする設定示唆演出Aと、「音声要素」のみを演出構成要素とする設定示唆演出Bとを択一的に実行可能である。そして、サブ統合制御装置83が「前枠52が内枠70に対して開放している旨の判定(開放判定)」を行う場合に、全「特定の設定示唆演出」の実行を抑制(禁止)する態様を例示した。
但し、パチンコ機50が実行可能な全設定示唆演出のうちの一部を特定の設定示唆演出とし、残りを非特定の設定示唆演出とすることもできる。つまり、サブ統合制御装置83が「前枠52の開放判定」を行う場合において、特定の設定示唆演出の実行を禁止し、非特定の設定示唆演出の実行を許容してもよい。
【0285】
このように、一部(例えば、音声要素)のみを停止(抑制)する構成とし、残り(例えば、表示要素)を停止(抑制)しない構成とすると、サブ統合制御装置83の制御負担を軽減することができる。
【0286】
また、「特定の設定示唆演出」が複数の演出構成要素(例えば、「表示要素」及び「音声要素」)を備える場合において、サブ統合制御装置83が「前枠52の開放判定」を行うと、一部の演出構成要素の実行を抑制(禁止)し、残りの演出構成要素の実行を許容してもよい。例えば、「前枠52の開放判定」が行われると、「特定の設定示唆演出」を構成する一部の演出構成要素(例えば、音声要素)による示唆演出の実行を抑制(禁止)し、当該「特定の設定示唆演出」を構成する残りの演出構成要素(例えば、「表示要素」)による示唆演出の実行を許容することとしてもよい。
【0287】
また、複数の演出構成要素(例えば、「表示要素」及び「音声要素」)を備える複数の設定示唆演出を実行可能なパチンコ機(遊技機)50においては、設定示唆演出の種類に応じて(例えば、実行条件C及び実行条件Dの何れが成立するかによって)、前枠52の開放判定に基づき、抑制される演出構成要素が異なってもよい。例えば、ともに「表示要素」及び「音声要素」を演出構成要素とする設定及び設定示唆演出Cと設定示唆演出Dを備えるパチンコ機(遊技機)50においては、演出表示の開始時に「設定示唆演出Cを実行可能とする実行条件C」が成立した場合において、前枠52の開放判定に基づき、一の演出構成要素(表示要素)の実行が抑制(禁止)される。また、演出表示の開始時に「設定示唆演出Dを実行可能とする実行条件D」が成立した場合において、前枠52の開放判定に基づき、残りの演出構成要素(音声要素)の実行が抑制(禁止)されることとしてもよい。
この場合、前枠52の開放判定がなければ、何れの実行条件が成立していたかを識別することができる。
【0288】
同様に、複数の演出構成要素(例えば、「表示要素」及び「音声要素」)を備える複数の設定示唆演出を実行可能なパチンコ機(遊技機)50においては、開放判定される枠の種類によって、抑制される演出構成要素が異なってもよい。
例えば、前枠52が開放判定されると一の演出構成要素(表示要素)の実行が抑制(禁止)され、内枠70が開放判定されると(後述する応用例を参照)、残りの演出構成要素(音声要素)の実行が抑制(禁止)されることとしてもよい。この場合、実行が抑制(禁止)されない演出構成要素による設定示唆演出に接することで、開放状態にある枠(前枠52か、内枠70)かを識別することができる。
【0289】
また、各実施例では演出構成要素として、「表示要素」と「音声要素」を例示したが、本発明において、これらに加えて、若しくは、これらに代えて、他の演出構成要素を備えてもよい。
この他の演出構成要素としては、電飾要素(電飾装置(LED・ランプ26))の発光態様による設定示唆演出を行う演出構成要素や、可動要素の可動態様による設定示唆演出を行う演出構成要素等を例示できる。
電飾要素による設定示唆としては、例えば、電飾装置(LED・ランプ26)の発光色(例えば、発光部51KをフルカラーLEDで構成)の相違に応じて発光態様(色、明るさ)を変更し、段階設定値を示唆する態様を例示できる。
可動要素による設定示唆としては、例えば、可動物5Kの移動量や動作態様等によって段階設定値を示唆したり(例えば、移動量が多いほど高設定であることを示したり)、可動物5Kを構成する発光部51Kの発光色(例えば、発光部51KをフルカラーLEDで構成)の相違に応じて段階設定値を示唆したりする態様を例示できる。
そして、これらの場合、電飾装置(LED・ランプ26)の発光態様のみで行ってもよいし、設定示唆演出を可動役物の駆動態様のみで行ってもよい。
【0290】
また、各実施例では、サブ統合制御装置83が開放判定しているとき、演出実行の前提条件が成立すると(始動記憶がなされると)、当該演出実行の前提条件の成立に基づく演出表示を開始する際に設定示唆演出の実行条件が成立すると、設定示唆演出を実行する可能性を生ずることとした(
図36を参照)。但し、当該演出実行の前提条件の成立時にサブ統合制御装置83が開放判定しているときは、設定示唆演出を一律に実行する可能性がないこととしてもよい。
【0291】
実施例1では、「設定値示唆の態様」として、その時点の段階設定値が、所定の設定値である可能性が高かったり、所定の設定値以上である可能性が高かったり、偶数(奇数)である可能性が高かったりする場合を例示した。また、実施例2では前回の電源投入時に設定された設定値から設定値が変更された可能性が高い場合を例示した。つまり、各実施例では、一回の演出表示に伴い実行する1回の設定示唆演出単体で、段階設定値を「ずばり」示唆するのではなく、複数回に亘る演出表示に遭遇した場合において当該設定示唆演出が何回発生したか(複数回の演出表示において、何%の割合で当該設定示唆演出が行われたか)により、段階設定値を示唆する構成とした。
【0292】
但し、本発明では、各実施例と異なり、一回の演出表示に伴い実行する1回の設定示唆演出単体で、その時点の段階設定値を「ずばり」示唆することとしてもよい。例えば、実施例1のリーチ演出Aで登場する空手家A2(敵キャラクタ)の着衣(空手着)にその時点の段階設定値を示す数値が表示されてもよい。但し、各実施例に示すように、所定の段階設定値の可能性を示唆する場合には、ある程度、遊技を継続しなければ、遊技者はその時点の段階設定値の可能性を理解することができない。従って、当該パチンコ機50の稼働率が向上する。
【0293】
更に、各実施例では抑制の態様として、特定の設定示唆演出を禁止(停止)する態様を例示したが、抑制の態様はこれに限定されない。例えば、前枠52の開放判定に基づいて、禁止(停止)するのではなく、演出のレベルを低下することとしてもよい。例えば、音声要素で設定示唆演出を行う場合において、前枠52の開放判定に基づいて音声のレベルを低くする(音を小さくする)こととしてもよい。また、表示要素で設定示唆演出を行う場合に、前枠52の開放判定に基づいて表示のレベルを低下する(例えば、表示されるキャラクタの数を減少させる)こととしてもよい。
【0294】
各実施例では、枠開放判定手段をサブ統合制御装置83に設けたが(
図26、
図27を参照)、主制御装置80に設けたり、枠制御装置(払出制御装置81)に設けたりしてもよい。
【0295】
つまり、各実施例では、枠開放検知スイッチ(ガラス枠開放スイッチ35)の検出信号(検知信号)を主制御装置80に入力する。そして、主制御装置80が枠開放検知スイッチから入力される信号に基づくコマンド(前枠開放報知コマンド若しくは前枠閉鎖報知コマンド)をサブ統合制御装置83に送信する。更に、サブ統合制御装置83が前枠開放報知コマンドを受信すると前枠52の開放判定を行う。一方、前枠閉鎖報知コマンドを受信すると、所定時間を経過すると、前枠52の閉鎖判定を行うこととした。そして、サブ統合制御装置83に示唆演出実行手段と設定示唆演出実行抑制手段を設け、特定の設定示唆演出の実行と抑制(禁止)に関する制御を行うこととした。
但し、各実施例においては、枠開放検知スイッチ(ガラス枠開放スイッチ35)の検出信号(検知信号)をサブ統合制御装置83に直接入力することとしてもよい。
【0296】
なお、枠開放判定手段を主制御装置80に設ける態様によると、主制御装置80は枠開放検知スイッチから信号が入力されると前枠52の開閉を判定する。
例えば、枠開放検知スイッチ(ガラス枠開放スイッチ35)のOFF信号を受信すると前枠52が開放されていると判定し、この判定結果を示す情報(前枠開放報知コマンド)をサブ統合制御装置83に送信する。また、枠開放検知スイッチ(ガラス枠開放スイッチ35)のON信号を受信すると、所定時間の経過を待って前枠52の閉鎖判定を行い、この判定結果を示す情報(前枠閉鎖報知コマンド)をサブ統合制御装置83に送信する。そして、サブ統合制御装置83は、判定結果を示す情報に基づいて、特定の設定示唆演出の実行と抑制(禁止)に関する制御を行うこととする。
【0297】
また、枠開放判定手段を枠制御装置(払出制御装置81)に設ける態様によると、枠制御装置(払出制御装置81)は枠開放検知スイッチから信号が入力されると前枠52の開閉を判定する。そして、枠開放検知スイッチ(ガラス枠開放スイッチ35)のOFF信号を受信すると前枠52が開放されていると判定し、この判定結果を示す情報(前枠開放報知コマンド)を主制御装置80に送信する。そして、これらの情報を受信した主制御装置80は、当該情報をサブ統合制御装置83に送信(転送)する。そして、サブ統合制御装置83は、判定結果を示す情報に基づいて、特定の設定示唆演出の実行と禁止を制御する。
また、枠開放検知スイッチ(ガラス枠開放スイッチ35)のON信号を受信すると、所定時間の経過を待って前枠52が閉鎖していると判定し、この判定結果を示す情報(前枠閉鎖報知コマンド)を主制御装置80に送信する。そして、これらの情報を受信した主制御装置80は、当該情報をサブ統合制御装置83に送信(転送)する。そして、サブ統合制御装置83は、判定結果を示す情報に基づいて、特定の設定示唆演出の実行と抑制(禁止)に関する制御を行うこととする。
【0298】
また、各実施例では実際に前枠52が開放されていたとしても、枠開放判定手段が枠が開放していないと判断していれば、設定示唆演出は実行する。例えば、前述のように、前枠52が実際に開放されていても、パチンコホールの店員が指でガラス枠開放スイッチ35(前枠52が閉まっていることを検出する検出手段)を手で押さえていれば、設定示唆演出は実行される。但し、本発明においては、かかる場合に設定示唆演出は実行しないこととしてもよい。
【0299】
なお、各実施例において、演出表示は、枠開放判定手段によって前枠52が開放されていると判断していても行われる構成が好適である。
また、特定示唆演出禁止手段は、本パチンコ機50において実行可能な全ての設定示唆演出を禁止させるのではなく、あくまでも、「識別情報の変動表示に対応して行われる演出表示」の実行中に出現する設定示唆演出を禁止している。つまり、本パチンコ機50が大当り遊技中に設定示唆演出を行う構成も備える場合においても、その設定示唆演出は、演出表示中(識別情報の変動表示中)に出現する設定示唆演出である。
【0300】
以上の実施例では、前枠52が内枠70に対して開放されると判定すると、設定示唆演出の実行を抑制(禁止)する具体例を例示したが、内前枠52が外枠51に対して開放判定されていると設定示唆演出の実行を抑制(禁止)することとしてもよい。
【0301】
つまり、
始動口が設けられた遊技盤と、
該始動口に遊技球が入球することに基づいて当否判定を実行する当否判定実行手段と、
該当否判定が実行されると、当否判定の結果を示す結果情報を識別情報の変動表示を経て停止表示する識別情報表示手段と、
外枠と、
前記遊技盤が取り付けられるとともに、前記外枠に対して開閉可能な状態で取り付けられた内枠と、
該内枠の前面を開放可能な状態で取り付けられた前枠と、
を備え、
前記当否判定の当選確率が異なる複数の設定値の中より、一つの設定値に設定可能な弾球遊技機であって、
前記内枠が開放されているか否かを判定する枠開放判定手段と、
現在、設定されている前記設定値を示唆する演出として、前記始動口に遊技球が入球することに応じて実行する設定示唆演出を、前記識別情報の変動中に実行する示唆演出実行手段と、
前記示唆演出実行手段による特定の設定示唆演出の実行に抑制を加える設定示唆演出実行抑制手段と、を備え、
該設定示唆演出実行抑制手段は、少なくとも前記枠開放判定手段の判定結果が、前記内枠が開放されている旨の判定結果となることに基づいて前記特定の設定示唆演出の実行に抑制を加えるようにした、
ことを特徴とする(以下、応用例という)。
【0302】
当該応用例においても、本発明と同様、設定機能を備える弾球遊技機において、設定示唆演出の出現を必要とする場合に比べて設定示唆演出の出現を必要としない場合に設定示唆演出の実行を抑制することで、メリハリを持った遊技を実行可能とすることができる。
なお、応用例においては、枠開放判定手段の判定結果が、前枠及び内枠が開放されている旨の判定結果となることに基づいて特定の設定示唆演出の実行を抑制することとしてもよい。
【0303】
また、本実施例では、所謂デジパチタイプのパチンコ機50を例示したが、これに限らず、本発明を、Vチャレ機等として構成されたパチンコ機にも適用することができる。
また、本発明の遊技機は、所謂「封入式の遊技機」であっても、「非封入式の遊技機」であってもよい。
【0304】
[特許請求の範囲との対応]
次に、上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
パチンコ機50は、弾球遊技機に相当する。
始動口11及び始動口12が、「始動口」の一例に相当し、
図2等に図示された遊技盤1に設けられている。
当否判定処理(
図13〜
図16)が、「当否判定実行手段」としての処理の一例に相当する。
【0305】
第1特別図柄及び第2特別図柄が、「識別情報」の具体例を構成し、第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10が、「識別情報表示手段」の具体例を構成する。
設定、設定値、段階設定値、さらに設定1〜設定6の何れかの設定を示す値が、「設定値」の一例に相当し、一つの設定値に設定可能とする処理は、
図9〜11に図示されている。
【0306】
図26において、S1140の肯定判定を経てS1145において前枠閉鎖判定フラグを「0」とする処理(前枠開放コマンドを受信すると、前枠52が開放していると判定する処理)と、
S1120の肯定判定を経てS1125に至る処理(前枠閉鎖報知コマンドを受信した後、所定時間を経過すると前枠閉鎖判定フラグを「1」とする処理)と、
が「前枠が開放されているか否かを判定する枠開放判定手段」の一例に相当する。
【0307】
設定示唆演出A及び設定示唆演出Bが、「特定の設定示唆演出」の一例に相当する。なお、演出表示は識別情報(特別図柄)の変動に呼応して実行される。
図27〜
図35に示す処理(設定示唆演出を制御する処理)が、設定示唆演出実行手段としての処理の具体例を構成する。特に、
図32のS1325、S1365の処理が設定示唆演出を実行する処理に相当する。
図32のS1315の否定判定を経て実行するS1330の処理(
図33(a))と、
図32のS1350の否定判定を経て実行するS1370の処理(
図33(b))と、
図33(c)のS1405の肯定判定を経て実行するS1410の処理と、
図33のS1435の肯定判定を経て実行するS1440の処理と、
が「設定示唆演出実行抑制手段」としての処理の一例に相当する。