特許第6985760号(P6985760)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985760
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】1
【全頁数】102
(21)【出願番号】特願2020-164489(P2020-164489)
(22)【出願日】2020年9月30日
(65)【公開番号】特開2020-203182(P2020-203182A)
(43)【公開日】2020年12月24日
【審査請求日】2021年1月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 良孝
(72)【発明者】
【氏名】川添 智久
(72)【発明者】
【氏名】中山 覚
(72)【発明者】
【氏名】牧 智宣
(72)【発明者】
【氏名】下田 諒
(72)【発明者】
【氏名】上野 雅博
(72)【発明者】
【氏名】梶野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】柏木 浩志
【審査官】 堀 圭史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−187757(JP,A)
【文献】 特開2014−004104(JP,A)
【文献】 特開2005−304725(JP,A)
【文献】 特開2018−164471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の条件が成立することに基づいて、当たりか否かの抽選を行う遊技制御手段と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段と、
所定の表示部と、を備え、
前記当たりには、第1当たりと、前記第1当たりよりも遊技者にとって有利な第2当たりと、が設けられており、
前記遊技制御手段は、
前記抽選の結果が当たりである場合に、特別遊技を実行し、
前記抽選の結果である前記第2当たりに基づいて実行された前記特別遊技の終了後から前記抽選の結果が連続して複数回前記第1当たりである場合に終了する当たり期間があり、
前記演出制御手段は、
前記当たり期間での前記抽選の結果が当たりとなることを示唆する当たり示唆表示を前記当たり期間にて前記表示部に複数表示可能とし、
前記当たり示唆表示を前記表示部に表示したときにおいて、前記表示部に表示されている前記当たり示唆表示の数によって、前記当たり期間にて少なくとも前記抽選の結果として前記当たりになることが確定している回数を示唆し、
前記当たり期間での前記抽選の結果が前記第2当たりであった場合に前記当たり期間にて前記表示部に表示される前記当たり示唆表示の数は、前記当たり期間での前記抽選の結果が前記第1当たりであった場合に前記当たり期間にて前記表示部に表示される前記当たり示唆表示の数よりも多い、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、例えば下記特許文献1に記載されているように、始動口への入球に基づいて大当たりであるかの判定が行われ、その判定の結果に基づいて、大当たり遊技が実行される。
【0003】
下記特許文献1に記載されているパチンコ遊技機のように、大当たりであるか否かの判定の結果が大当たりである場合に、変動演出にて演出図柄を特定の組み合わせで停止表示させることで、その判定の結果を示唆することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−005367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、当たりとなることを示唆可能な遊技機は多数あるため、単に当たりとなることを示唆するだけでは、十分に遊技者を楽しませることができず、遊技興趣を高める点に改良の余地があった。
【0006】
本発明の遊技機は、
所定の条件が成立することに基づいて、当たりか否かの抽選を行う遊技制御手段と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段と、
所定の表示部と、を備え、
前記当たりには、第1当たりと、前記第1当たりよりも遊技者にとって有利な第2当たりと、が設けられており、
前記遊技制御手段は、
前記抽選の結果が当たりである場合に、特別遊技を実行し、
前記抽選の結果である前記第2当たりに基づいて実行された前記特別遊技の終了後から前記抽選の結果が連続して複数回前記第1当たりである場合に終了する当たり期間があり、
前記演出制御手段は、
前記当たり期間での前記抽選の結果が当たりとなることを示唆する当たり示唆表示を前記当たり期間にて前記表示部に複数表示可能とし、
前記当たり示唆表示を前記表示部に表示したときにおいて、前記表示部に表示されている前記当たり示唆表示の数によって、前記当たり期間にて少なくとも前記抽選の結果として前記当たりになることが確定している回数を示唆し、
前記当たり期間での前記抽選の結果が前記第2当たりであった場合に前記当たり期間にて前記表示部に表示される前記当たり示唆表示の数は、前記当たり期間での前記抽選の結果が前記第1当たりであった場合に前記当たり期間にて前記表示部に表示される前記当たり示唆表示の数よりも多い、
ことを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技興趣を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1形態に係る遊技機の正面図である。
図2】同遊技機が備える第2大入賞装置等を詳細に示す概略正面図である。
図3図1に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
図4】同遊技機が備えるVVランプを示す図である。
図5】同遊技機が備える右下盤ランプの周辺を示す図である。
図6】同遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図7】同遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図8】当たりの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。
図9】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
図10】(A)は大当たり判定テーブルであり、(B)は当たり種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルであり、(D)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(E)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
図11】特図1変動パターン判定テーブルである。
図12】特図2変動パターン判定テーブルである。
図13】電チューの開放パターン決定テーブルである。
図14】始動入賞コマンドの特定テーブルである。
図15】始動入賞コマンドの特定テーブルである。
図16】変動演出パターン選択テーブルである。
図17】変動演出パターン選択テーブルである。
図18】主制御メイン処理のフローチャートである。
図19】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
図20】センサ検出処理のフローチャートである。
図21】ゲート通過処理のフローチャートである。
図22】普通動作処理のフローチャートである。
図23】特別動作処理のフローチャートである。
図24】特別図柄待機処理のフローチャートである。
図25】大当たり判定処理のフローチャートである。
図26】変動パターン選択処理のフローチャートである。
図27】変動パターン選択処理のフローチャートである。
図28】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
図29】特別図柄確定処理のフローチャートである。
図30】遊技状態管理処理のフローチャートである。
図31】特別電動役物処理1(大当たり遊技)のフローチャートである。
図32】遊技状態設定処理のフローチャートである。
図33】特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。
図34】特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。
図35】振分部材制御処理のフローチャートである。
図36】特定領域センサ検出処理のフローチャートである。
図37】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
図38】受信割り込み処理のフローチャートである。
図39】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
図40】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
図41】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
図42】始動入賞コマンド解析処理のフローチャートである。
図43】変動演出開始処理のフローチャートである。
図44】変動演出終了処理のフローチャートである。
図45】特別遊技演出選択処理のフローチャートである。
図46】エンディング演出選択処理のフローチャートである。
図47】電チュー打込演出処理のフローチャートである。
図48】V表示演出制御処理のフローチャートである。
図49】Vアイコン表示開始処理のフローチャートである。
図50】Vアイコン表示終了処理のフローチャートである。
図51】小当たりの種別に応じた第2大入賞口の開放パターン及び振分部材の作動パターンを示すタイミングチャートである。
図52】V打込演出画像を示す図である。
図53】実施形態に係る遊技機における遊技状態の遷移等を示す図である。
図54】同遊技機における遊技性を説明するための図であり、連チャンが終了する場合を説明する図である。
図55】同遊技機における遊技性を説明するための図であり、連チャンが続く場合を説明する図である。
図56】時短状態における変動演出の一例を示す図である。
図57】時短状態における変動演出の一例を示す図である。
図58】時短状態における変動演出の一例を示す図である。
図59】時短状態における変動演出の一例を示す図である。
図60】小当たり演出の一例を示す図である。
図61】時短状態における変動演出の一例を示す図である。
図62】時短状態における変動演出の一例を示す図である。
図63】時短状態における変動演出の一例を示す図である。
図64】非時短状態における変動演出の一例を示す図である。
図65】非時短状態における変動演出の一例を示す図である。
図66】非時短状態における変動演出の一例を示す図である。
図67】非時短状態における変動演出の一例を示す図である。
図68】非時短状態における変動演出の一例を示す図である。
図69】非時短状態における変動演出の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.遊技機の構造
本発明の第1形態(本実施形態)であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。
【0010】
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
【0011】
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には装飾用の盤ランプ5(図7参照)が複数設けられている。そして、遊技盤2の上部にVVランプ68が設けられ、遊技盤2の右下方部に右下盤ランプ69が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
【0012】
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出手段)7が設けられている。画像表示装置7(表示部)の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0013】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「135」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
【0014】
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「演出図柄可変表示演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技(特別遊技)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
【0015】
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
【0016】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、装飾部材13が配されている。
【0017】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0018】
また第1始動口20の右上方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー、可変入球手段)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。なお、第1始動口20、または第2始動口21への遊技球の入賞が、「所定の条件」に相当する。また、第2始動口21が、「入球口」に相当する。
【0019】
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図6参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
【0020】
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口(他の特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、他の特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図6参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
【0021】
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(図6参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
【0022】
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。
【0023】
第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
【0024】
振分部材71は、図2に二点鎖線で示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
【0025】
また振分部材71は、図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
【0026】
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技(特別遊技)の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。
【0027】
また図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
【0028】
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口9が設けられている。
【0029】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0030】
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口9とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
【0031】
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口9とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。
【0032】
なお本形態では、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。また、固定入賞装置19と第1大入賞装置31とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。
【0033】
また図1および図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
【0034】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
【0035】
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種類(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり遊技又は大当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
【0036】
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0037】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図6参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(第1数値情報記憶手段)85aに記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(第2数値情報記憶手段)85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態において第1特図保留記憶部85aの上限記憶数が4(第1上限数)であり、第2特図保留記憶部85bの上限記憶数が1(第2上限数)となっている。
【0038】
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0039】
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、例えば4個のLEDで構成されており、第2特図保留表示器43bは、例えば1個のLEDで構成されている。各特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0040】
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0041】
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0042】
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図6参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
【0043】
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0044】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
【0045】
また図4に示すように、VVランプ68は、左側に左側Vランプ(第1の発光領域)68aを有し、右側に右側Vランプ(第2の発光領域)68bを有し、下側に下側文字ランプ68cを有している。左側Vランプ68a及び右側Vランプ68bは、それぞれV字状に発光可能であり、後述するように大当たり遊技が実行され得る状況であることを示唆できるようになっている。また左側Vランプ68a及び右側Vランプ68bは、左右方向に並ぶことによりWの文字を形成していて、共に発光することにより2回の大当たり遊技が実行され得る状況を示唆するようになっている。下側文字ランプ68cは、本遊技機1の遊技特性(スペックの特徴)を意味する文字(DoubleLooP)になっていて、その文字で発光可能である。
【0046】
また図5に示すように、右下盤ランプ(発光手段)69は、W字状に発光可能であり、電チュー22の直ぐ下方に配されている。つまり、電チュー22と右下盤ランプ69とは、図1に示すように、共に右遊技領域3Bに配されていて、右下盤ランプ69が電チュー22の近くで発光できるようになっている。なお図5では、右下盤ランプ69が発光していない状態が示されている。
【0047】
2.遊技機の電気的構成
次に図6及び図7に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図6及び図7に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80(遊技制御手段)は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90(演出制御手段)は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
【0048】
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
【0049】
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
【0050】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
【0051】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
【0052】
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0053】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
【0054】
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0055】
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0056】
図7に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
【0057】
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0058】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
【0059】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5、右下盤ランプ69、VVランプ68等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66、盤ランプ5、右下盤ランプ69、VVランプ68等のランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
【0060】
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0061】
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
【0062】
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。詳細には、第1特別図柄の抽選の結果としては、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」があり、第2特別図柄の抽選の結果としては、「大当たり」、「小当たり」がある。すなわち、第2特別図柄の抽選で「はずれ」となることはない。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。
【0063】
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技(特別遊技に相当)」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たりの種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」(特別遊技)が実行される。なお、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称する。また、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
【0064】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0065】
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
【0066】
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。より詳細には本形態では、図8に示すように、大当たりの種別として「9R(ラウンド)通常大当たり」と「4R時短大当たり」と「9R時短大当たり」とがある。「9R通常大当たり」は、9Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する大当たりである。「4R時短大当たり」は、4Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。「9R時短大当たり」は、9Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。なお、いずれの大当たりも、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
【0067】
また、「9R通常大当たり」及び「4R時短大当たり」は第1特別図柄(特図1)の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「9R時短大当たり」は第2特別図柄(特図2)の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「9R通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「4R時短大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短図柄1」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「9R時短大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短図柄2」が停止表示される。なお、「9R時短大当たり」が、「第2当たり」に相当する。
【0068】
一方特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて9Rにわたって第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。この2種大当たり遊技が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。従ってこのときの総ラウンド数は10Rとなる。また、小当たり遊技、大当たり遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
【0069】
より詳細には本形態では、図8に示すように、小当たりの種別として「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、「10R時短小当たりC」、及び「10R通常小当たり」とがある。各種別の小当たりは、小当たり遊技を行って、その小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過があれば大当たり遊技(2種大当たり遊技)を行うものである。小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。「10R時短小当たりA」は、特定領域39への通過(V通過ともいう)が実質的に不可能な小当たりである。これに対して、「10R時短小当たりB」、「10R時短小当たりC」、及び「10R通常小当たり」は、右打ちにて遊技をしていればV通過が必ず可能な小当たりである。小当たり遊技の実行中にV通過可能か否かは、振分部材71の作動パターンおよび開閉部材37の開放パターンによって決まる。この点については後に詳述する。なお、「10R時短小当たりC」が、「第2当たり」に相当する。また、「10R通常小当たり」が、「第1小当たり」に相当する。
【0070】
各種別の小当たり遊技では、第2大入賞口35の1.6秒開放が1回行われる。但し、各小当たり遊技におけるオープニングの時間は、小当たりの種別に応じて異なっている。具体的には図8に示すように、時短小当たりAではおよそ4.6秒、時短小当たりBでは21秒、時短小当たりCおよび通常小当たりでは0.008秒である。このように小当たりの種別に応じて小当たり遊技のオープニングの時間が異なっているのは、このオープニングの開始から一定の動作で動いている振分部材71に対する第2大入賞口35の開放タイミングを変えるためである。これにより、小当たり遊技の実行中にV通過が可能な通過開放パターンと、小当たり遊技の実行中にV通過が不可能(実質的を含む)な非通過開放パターンとをつくり出している。なお、通過開放パターンは、第1開放パターンに相当する。また、非通過開放パターンは、第2開放パターンに相当する。通過開放パターンおよび非通過開放パターンの詳細については後述する。
【0071】
また特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、小当たりの種別に応じて定められている開放パターンで第1大入賞口30を開放する。具体的には、「10R時短小当たりA」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として9Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する当たりである。但し、「10R時短小当たりA」は、V通過が実質的に不可能な小当たりであるため、このような2種大当たり遊技が実行されることはほとんどない。
【0072】
また、「10R時短小当たりB」及び「10R時短小当たりC」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として9Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する当たりである。また、「10R通常小当たり」は、2R目から5R目では1R当たりの最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から10R目では1R当たりの最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する当たりである。つまり、この「10R通常小当たり」は、6R目から10R目までは第1大入賞口30の開放時間が極めて短く、第1大入賞口30への入賞が見込めない。すなわち、2R目から5R目までの計4Rだけ第1大入賞口30への入賞が見込める実質4Rの当たりである。なお、2種大当たり遊技における1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回である。
【0073】
また、「10R時短小当たりA」及び「10R時短小当たりB」は第1特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「10R時短小当たりC」及び「10R通常小当たり」は第2特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「10R時短小当たりA」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短有り小当たり図柄1」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「10R時短小当たりB」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短有り小当たり図柄2」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「10R時短小当たりC」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短有り小当たり図柄3」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「10R通常小当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短無し小当たり図柄」が停止表示される。
【0074】
なお、第1特別図柄(特図1)の抽選における各大当たりへの振分確率は、9R通常大当たりが50%、4R時短大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全て9R時短大当たりとなっている。また、第1特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、10R時短小当たりA(V通過実質不可の小当たり)が99%、10R時短小当たりB(V通過可能な小当たり)が1%となっている。また、第2特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、10R時短小当たりC(V通過可能な時短小当たり)が50%、10R通常小当たり(V通過可能な通常小当たり)が50%となっている。図8に示した第1特別図柄の抽選における各大当たりへの振分率、第1特別図柄の抽選における各小当たりへの振分率は、適宜変更可能である。また、図8に示した第2特別図柄の抽選における各大当たりへの振分率、第2特別図柄の抽選における各小当たりへの振分率は、適宜変更可能である。
【0075】
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たり又は小当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0076】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
【0077】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
【0078】
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、変動時間短縮機能がある。
【0079】
特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11図12参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0080】
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図10(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図13参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。
【0081】
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。高ベース状態は、「特典遊技状態」に相当する。
【0082】
なお、高ベース状態(時短状態が作動している状況)において、電チュー22の開放回数増加機能が作動していないが(図13参照)、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしてもよい。すなわち、高ベース状態で実行される補助遊技では、電チュー22の開放回数が非時短状態で実行される補助遊技よりも多くなるようにしてもよい。また、高ベース状態において、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動するようにしてもよい。すなわち、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に低く設定し、高ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に高く設定してもよい。この場合、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を「零」に設定するとよい。なぜなら、低ベース状態において第2特別図柄の抽選が実行されないようにすることが可能となるからである。つまり、このように構成すれば、低ベース状態にも関わらず第2特別図柄の抽選に基づく小当たり遊技の実行を狙った攻略的な遊技を防止することが可能となる。
【0083】
さらには、高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、電チュー22の開放回数増加機能、および普通図柄表示器42の確率変動機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0084】
本形態のパチンコ遊技機1では、図8に示すように、「4R時短大当たり」、「9R時短大当たり」、「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、又は「10R時短小当たりC」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、時短状態かつ高ベース状態である。時短状態かつ高ベース状態は、所定回数(本形態では99回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、時短状態かつ高ベース状態が、「入球容易状態」に相当する。
【0085】
また、「9R通常大当たり」、又は「10R通常小当たり」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、非時短状態かつ低ベース状態である(図8参照)。この遊技状態を特に、「通常遊技状態」という。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常遊技状態である。なお、非時短状態かつ低ベース状態が、「非入球容易状態」に相当する。
【0086】
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0087】
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。
【0088】
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図18図36に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図18に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0089】
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0090】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0091】
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図19に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
【0092】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図6参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
【0093】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図18の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0094】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)、特定領域センサ処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図18参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0095】
[センサ検出処理]図20に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
【0096】
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が1個(第2上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が1個に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が1個未満である場合(つまりない場合)には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
【0097】
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0098】
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、図15に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンドを特定する。具体的には、現在の特図2保留球数が「1」且つ現在の遊技状態が時短状態であり、大当たり乱数が「65300」、当たり種別乱数が「1」、リーチ乱数が「1」、変動パターン乱数が「48」であれば、図15の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口且つ時短状態の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「F2H1BH」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばF2H)と1バイトの下位コマンド(例えば1AH))からなっている。
【0099】
図15に示すテーブルにおける各乱数の区分けは、それぞれの乱数の判定テーブル(図10(A)の大当たり判定テーブル、図10(B)の当たり種別判定テーブル、図10(C)のリーチ判定テーブル、図12の特図2変動パターン判定テーブル)における区分けと対応している。従って、特定された第2始動入賞コマンドには、大当たりの当否、小当たりの当否、特別図柄の種類、リーチの有無、およびSPリーチを行うか否かの情報が含まれている。
【0100】
なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、遊技状態(時短状態か非時短状態か)を指定する情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドのうち、上の桁の値は、保留球数を指定する情報である(図14図15の欄外の備考参照)。また、下位コマンドのうち下の桁の値は、大当たりの当否、小当たりの当否、特別図柄の種類、リーチの有無、及びSPリーチを行うか否かを指定する情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
【0101】
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS207で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S208)。
【0102】
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には本処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(第1上限数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S210でYES)には本処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S212)。
【0103】
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0104】
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、図14に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンドを特定する。具体的には、現在の特図1保留球が「1」且つ現在の遊技状態が非時短状態であり、大当たり乱数が「65300」、当たり種別乱数が「50」、リーチ乱数が「1」、変動パターン乱数が「1」であれば、図14の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口且つ非時短状態の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「E1H13H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、大当たりの当否、小当たりの当否、特別図柄の種類、リーチの有無、及びSPリーチを行うか否かを指定する情報が含まれている。
【0105】
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS213で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S214)、処理を終える。
【0106】
[ゲート通過処理]図21に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図9(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0107】
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、図22に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チューの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
【0108】
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理(S405)を行う。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図10(D)に示す普通図柄当たり判定テーブル(当たり判定値が「1」〜「65535」)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
【0109】
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S407)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図10(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
【0110】
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0111】
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
【0112】
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図13の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図13の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
【0113】
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
【0114】
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図23に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞口装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4、5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0115】
[特別図柄待機処理]図24に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1001)。特図2保留球数が「0」である場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
【0116】
ステップS1001において特図2保留球数が「0」でない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1002)及び特図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1004)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1011)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1006)を実行する。特図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0117】
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1001でYES且つS1007でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1008)及び特図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1010)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1012)を実行する。特図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0118】
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選にはハズレがなく、大当たり当選となる場合を除けば必ず小当たり当選となる上、小当たり遊技では必ず特定領域39を通過することができるようになっている。つまり、第2特図保留に基づく抽選がなされれば必ず大当たり遊技が実行される(大当たりに当選する)ようになっている。この点については後に詳述する。
【0119】
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1002)と特図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れが同じであるため図25に基づいてまとめて説明する。図25に示すように、特図2大当たり判定処理(S1002)又は特図1大当たり判定処理(S1008)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0120】
次に、大当たり判定テーブル(図10(A)参照)をセットする(S1102)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が、大当たり判定値である「65300」〜「65535」の何れかと一致するか否か判定する(図10(A)参照)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図10(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1105)。大当たり種別を判定(S1105)した後は、大当たり種別(大当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
【0121】
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1107)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「65299」の何れかと一致するか否か判定する(図10(A)の特図2の欄参照)。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「3500」の何れかと一致するか否か判定する(図10(A)の特図1の欄参照)。なお小当たり当選確率は、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が高くなっている。
【0122】
小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONするとともに(S1108)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図10(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて小当たり種別を判定する(S1109)。小当たり種別を判定(S1109)した後は、小当たり種別(小当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1110)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
【0123】
また、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1111)、本処理を終える。本形態では、特図1の抽選ではその結果が「ハズレ」となることがある一方、特図2の抽選ではその結果が「ハズレ」となることがないように、各抽選における小当たり当選確率が設定されている(図10(A)参照)。
【0124】
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1003)と特図1変動パターン選択処理(S1009)とは、処理の流れが同じであるため図26及び図27に基づいてまとめて説明する。図26に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1301)。
【0125】
時短状態でなければ(S1301でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分、図12に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。なお、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
【0126】
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分、図12に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
【0127】
またステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1306)。図10(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1306でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分、図12に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。
【0128】
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1306でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分、図12に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1308)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
【0129】
またステップS1301において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1301でYES)には、図27に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分、図12に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1302〜S1308と同様の流れで処理(S1309〜S1315)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば(S1309でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分、図12に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1310)。
【0130】
また小当たりフラグがONであれば(S1311でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ小当たりに該当する部分、図12に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1313でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分、図12に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1314)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1313でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分、図12に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1315)。
【0131】
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分、図12に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
【0132】
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図26に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1316)、本処理を終える。ステップS1316でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
【0133】
[特別図柄変動中処理]図28に示すように、特別図柄変動中処理(S904)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図11図12参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0134】
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
【0135】
[特別図柄確定処理]図29に示すように、特別図柄確定処理(S906)ではまず、特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1602)。
【0136】
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定し(S1605)、ONでなければステップS1607に進むが、ONであれば時短フラグをOFFして(S1606)ステップS1607に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
【0137】
その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S1607)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1608)。ステップS1608に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1609)。このときに、大当たり遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
【0138】
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1610)。小当たりフラグがONであれば(S1610でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1611)。なお小当たりフラグがONである場合には、時短フラグがONであってもOFFにはしない。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンドをセットして(S1612)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1613)。
【0139】
ステップS1613に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1614)。なおこのときに、大入賞口開放カウンタの値を、当選した小当たりの種類に応じた値にセットする。その後遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1615)、本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、振分部材の作動パターンについては後に詳述する。
【0140】
ステップS1610において小当たりフラグがONでなければ(S1610でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1616)、本処理を終える。
【0141】
[遊技状態管理処理]図30に示すように、遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1701)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1702)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S1703)。そして「0」であれば、時短フラグをOFFする(S1704)。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「99」にセットされるようになっている。この点については後述する。その後、ステップS1705では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
【0142】
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技(特別遊技)の実行のための処理である。図31に示すように、特別電動役物処理1(S908)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0143】
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
【0144】
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
【0145】
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、その単位開放遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、本処理を終える。
【0146】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2005でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。「0」でなければ(S2009でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
【0147】
一方「0」であれば(S2009でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2010)、大当たりのエンディングを開始する(S2011)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2012)。
【0148】
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2013)、エンディング時間が経過していなければ(S2013でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2013でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2014)、大当たりフラグをOFFする(S2015)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2016)、後述の遊技状態設定処理(S2017)を行って、本処理を終える。
【0149】
[遊技状態設定処理]図32に示すように、遊技状態設定処理(S2017)ではまず、今回実行した大当たり遊技が時短当たり(すなわち「4R時短大当たり」、「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、「9R時短大当たり」、又は「10R時短小当たりC」)への当選を契機として実行された大当たり遊技であるか否か判定する(S2101)。ステップS2101の判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2102)、時短カウンタに「99」をセットして(S2103)、本処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)になる。この特典遊技状態は、特別図柄の変動表示が99回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。これに対して、今回実行した大当たり遊技が通常当たり(すなわち「9R通常大当たり」、または10R通常小当たり、図8参照)であると判定した場合、すなわちステップS2101の判定結果がNOであれば、ステップS2102及びS2103を行うことなく、本処理を終える。
【0150】
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技の実行のための処理である。図33及び図34に示すように、特別電動役物処理2(S909)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
【0151】
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
【0152】
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たりの種類に応じた開放パターン(図8参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
【0153】
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図8に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
【0154】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2305でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)、本処理を終える。
【0155】
またステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、図33に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2310でNO)処理を終える。なお、小当たり遊技の閉鎖後インターバルの時間については後述する。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFして(S2312)、ステップS2313に進む。
【0156】
ステップS2313では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(図36参照)でONされるフラグである。このVフラグがONでなければ(S2313でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの値を「0」にクリアするとともに(S2314)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2315)処理を終える。
【0157】
一方、VフラグがONであれば(S2313でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2317)、大当たりフラグをONして(S2318)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2319)。続いて、時短フラグがONであれば(S2320でYES)時短フラグをOFFする(S2321)。そして、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2322)、大当たりのオープニングを開始する(S2323)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
【0158】
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う(図19参照)。振分部材制御処理(S107)では図35に示すように、まず、振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでなければ本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONであれば、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(図29参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
【0159】
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
【0160】
図51(c)に示すように、振分部材71をまず、小当たり遊技のオープニングの開始から8msにわたって通過阻止状態(図2に破線で示す状態)に制御する。これを開放前インターバルという。続いて、4600msにわたって通過許容状態(図2に二点鎖線で示す状態)に制御する。これを、第1V開放という。次いで、16392msにわたって通過阻止状態に制御する。これを、開放間インターバルという。その後、再び4600msにわたって通過許容状態に制御する。これを第2V開放という。そして、3000msにわたって通過阻止状態に制御する。これを閉鎖後インターバルという。このような、「開放前インターバル⇒第1V開放⇒開放間インターバル⇒第2V開放⇒閉鎖後インターバル」からなる一連の動作が振分部材71の一定動作である。
【0161】
また、V有効期間設定処理(S2503)では、上記のような振分部材71の一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。図51(d)に示すように、V有効期間は、特定領域39の開放開始(振分部材71を通過許容状態に制御した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、特定領域39の開放時間(振分部材71を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間に設定されている。これは、振分部材71の配置位置を通過した遊技球が特定領域39に至るまでのタイムラグを考慮してのことである。
【0162】
具体的にはV有効期間設定処理(S2503)では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、特定領域39を有効にするタイミングになったらV有効フラグをONし、特定領域39を無効にするタイミングになったらV有効フラグをOFFする。なお、後述する特定領域センサ検出処理(S108)のステップS2602では、このV有効フラグがONか否かを判断することにより、V有効期間中か否かを判定する。
【0163】
V有効期間設定処理(S2503)に続いて遊技制御用マイコン81は、振分部材71の動作が終了したか否かを判定する(S2504)。具体的には、ステップS2502でセットした振分部材71の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、振分部材71が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(28600ms(図51(c)参照))が経過したか否かを判定する。そして、振分部材71の動作が終了していなければそのまま本処理を終える。これに対して、振分部材71の動作が終了していれば、振分部材作動フラグをOFFしてから(S2505)本処理を終える。
【0164】
ここで図51に基づいて、上記のような振分部材71の一定動作と、小当たり遊技における第2大入賞口35(開閉部材37)の開放パターンとの関係について説明する。本形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンとして、図51(b),(e),及び(f)に示す3つの開放パターンがある。なお、図51(a)は、小当たり遊技の開始のタイミングをわかりやすくするために、特別図柄の変動表示および停止表示のタイミングを示したものである。
【0165】
図51(b)に示す開放パターンは、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。つまり、「10R時短小当たりC」又は「10R通常小当たり」(図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が可能な通過開放パターン(第1通過開放パターン)である。
【0166】
より詳細には、この第1通過開放パターンは、8msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、8msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
【0167】
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71の第1V開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図51(b)及び(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。なお本形態では、右打ちにて遊技球を連続的に発射し続けていれば、1.6秒にわたる開放期間中に必ず第2大入賞口35へ遊技球が入賞するように、第2大入賞装置36等の各装置が配されている。また、第2大入賞口35を通過した遊技球が振分部材71の配置位置に至るまでの所要時間は3000ms(第2大入賞口35が閉鎖したタイミングから振分部材71の第1V開放が終了するタイミングまでの時間)よりも短い。
【0168】
図51(e)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「10R時短小当たりB」(図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンも、特定領域39への通過が可能な通過開放パターン(第2通過開放パターン)である。この第2通過開放パターンと、上述の第1通過開放パターンとはオープニングの時間が異なっている。
【0169】
より詳細には、この第2通過開放パターンは、21000msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、21000msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
【0170】
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71の第2V開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図51(e)及び(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。
【0171】
図51(f)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「10R時短小当たりA」(図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が実質的に不可能な非通過開放パターンである。
【0172】
より詳細には、この非通過開放パターンは、4568msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、2008msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、4568msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、2008msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
【0173】
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、オープニング中に振分部材71の第1V開放がほぼ終了する(図51(f)及び(c)参照)。振分部材71の第1V開放と、第2大入賞口35の開放とが一致している期間は、第2大入賞口35の開放開始直後のわずか40msだけである。従って、仮に第2大入賞口35の開放開始とともに遊技球が入球しても、その遊技球が振分部材71の位置に到達する頃には振分部材71は通過阻止状態に制御されている。よって、この開放パターンが選択された場合には、遊技球が特定領域39を通過することはほぼない。つまり、遊技球が特定領域39を通過することは実質的に不可能となっている。
【0174】
以上、図51に基づいて説明したように、本形態では小当たり遊技のオープニングの開始に伴って振分部材71の動作を開始するようにしている。そして、小当たりの種類に応じた3つの開放パターンのいずれかにて小当たり遊技が実行される。各開放パターンは、オープニングの時間が異なっている。従って、それぞれの開放パターンでは、振分部材71の変位タイミングに対する第2大入賞口35の開放タイミングが異なることとなる。かくして、第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な小当たり遊技(図51(b)の特2V通過小当たり及び図51(e)の特1V通過小当たり)と、どのようなタイミングで第2大入賞口35に入賞しても特定領域39を通過することができない小当たり遊技(図51(f)の特1V非通過小当たり)とを実行することが可能となっている。
【0175】
また本形態では、小当たり遊技中は、第2大入賞装置36内に入球した遊技球の数を第2大入賞口センサ35aによる検知に基づいてカウントしているとともに、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数を特定領域センサ39a又は非特定領域センサ70aによる検知に基づいてカウントしている。つまり本形態では、特定領域センサ39a及び非特定領域センサ70aは、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数をカウントする排出口センサとしても機能している。そして、振分部材71の一定動作の終了時点で、両カウント値が一致していないときにはエラー報知を行うようにしている。なお第2大入賞口35の閉鎖後、両カウント値が一致したときに振分部材71の作動を停止するようにしてもよい。このようにすれば、第2大入賞口35の閉鎖後に特別図柄の変動表示をスムーズに開始することが可能となる。
【0176】
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81の動作の説明に戻る。遊技制御用マイコン81は、振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う(図19参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では図36に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理(図35)におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。具体的にはV有効期間は、図51(d)に示す期間である。
【0177】
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603及びS2604の処理を行うことなく、特定領域センサ検出処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
【0178】
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図37図50に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図37に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0179】
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0180】
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
【0181】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、小当たり遊技、または大当たり遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出等)を実行する。また、演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5、VVランプ68、右下盤ランプ69を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
【0182】
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
【0183】
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図39に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図7参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
【0184】
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで枠ランプ66、盤ランプ5、VVランプ68、右下盤ランプ69を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って、枠ランプ66、盤ランプ5、VVランプ68、右下盤ランプ69を所定の発光態様で発光させる。VVランプ68及び右下盤ランプ69の発光態様については、後述する。
【0185】
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
【0186】
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
【0187】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次に、後述する電チュー打込報知処理を行う(S4302)。続いて、後述するV表示演出制御処理(S4303)を行う(S4303)。続いて、後述するVアイコン表示開始処理(S4304)を行う(S4304)。続いて、後述するVアイコン表示切替処理(S4305)を行う。続いて、Vアイコン表示終了処理(S4306)を行う(S4306)。
【0188】
本実施形態のVアイコン表示開始処理(S4304)にて、演出制御用マイコン91が、Vアイコン画像の表示を開始する処理を行う。ここで、Vアイコン画像とは、遊技者に特図2の抽選にて大当たり、または小当たりに当選すること、大当たり遊技が実行され得ること、および前回の当たりの種別(図8参照)を遊技者に把握させることが可能な表示画面7aに表示される演出画像の一種である。なお、Vアイコン画像には、第1Vアイコン画像AC1と、第2Vアイコン画像AC2とがある。表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1のみが表示されていれば、特図2の抽選にて大当たり、または小当たりに1回当選すること、1回の大当たり遊技が実行され得ること、および前回の当たりの種別が10R通常小当たり(図8参照)であることを遊技者に把握させることが可能となっている。また、表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2が表示されていれば、特図2の抽選にて大当たり、または小当たりに2回当選すること、2回の大当たり遊技が実行され得ること、および前回の当たりの種別が4R時短大当り、10R時短小当たりB、9R時短大当たり、または10R時短小当たりCのうち、いずれかにであったことを遊技者に把握させることが可能となっている。
【0189】
本実施形態のVアイコン表示切替処理(S4305)において、演出制御用マイコン91は、変動演出の実行中に、表示画面7aにてVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)を表示しているか否かを判定する。変動演出の実行中に、表示画面7aにてVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)を表示していると判定した場合には、演出制御用マイコン91は、変動演出の実行中に、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始されたか否かを判定する。演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始されたと判定した場合には、表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1のみが表示されているか否かを判定する。表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1のみが表示されていると判定した場合には(図64(b)、図67(b)参照)、表示画面7aにて図64(b)、または図67(b)に示す第1Vアイコン画像AC1よりも小さい(表示サイズが小さい)第1Vアイコン画像AC1と、第1Vアイコン画像AC1が表示される第1Vアイコン領域7bとの表示に切り替えるための第1Vアイコン表示切替演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。これにより、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始されると、表示画面7aの下方にて第1Vアイコン画像AC1が、図64(b)、または図67(b)に示す第1Vアイコン画像AC1よりも縮小して表示されることになる(図64(c)、図67(c)参照)。また、表示画面7aに、第1Vアイコン領域7bが二点鎖線で明示されており、実際に表示されることになる(図64(c)、図67(c)参照)。また、表示画面7aにてVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)を表示していない場合、または変動演出の実行中に、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始されていない場合には、そのままVアイコン表示切替処理(S4305)が終了となる。
【0190】
また、演出制御用マイコン91は、Vアイコン表示切替処理(S4305)において、表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2が表示されていると判定した場合には(図57(c)、図61(c)参照)、表示画面7aにて図57(c)、または図61(c)に示す第1Vアイコン画像AC1よりも小さい(表示サイズが小さい)第1Vアイコン画像AC1と、第1Vアイコン画像AC1が表示される第1Vアイコン領域7bと、図57(c)、または図61(c)に示す第2Vアイコン画像AC2よりも小さい(表示サイズが小さい)第2Vアイコン画像AC2と、第2Vアイコン画像AC2が表示される第2Vアイコン領域7cとの表示に切り替えるための第2Vアイコン表示切替演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。これにより、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始されると、表示画面7aの下方にて第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2が、図57(c)、または図61(c)に示す第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2よりも縮小して表示されることになる(図57(d)、図60(d)参照)。また、表示画面7aに、第1Vアイコン領域7bと第2Vアイコン領域7cとが二点鎖線で明示されており、実際に表示されることになる(図57(d)、図60(d))参照)。
【0191】
続いて、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4307)。次に、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4308)。
【0192】
その後、演出制御用マイコン91は、ランプ処理(S4309)を行う。ランプ処理(S4309)では、ランプデータ(枠ランプ66、盤ランプ5、VVランプ68、右下盤ランプ69の点灯を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S4307)を行う。音声制御処理(S4310)では、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。そして、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4311)、本処理を終える。
【0193】
[受信コマンド解析処理]図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していれば遊技状態更新処理(S4402)を行う。遊技状態更新処理(S4402)では、遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報(時短状態か否かの情報や時短カウンタの値の情報等)に基づいて、RAM94に設けられている遊技状態ステータスや時短演出カウンタの値等を更新する。これにより、主制御基板80側だけでなく、サブ制御基板90側でも遊技状態の情報を保持するようにしている。
【0194】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する始動入賞コマンド解析処理を行う(S4404)。
【0195】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4406)。
【0196】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4408)。
【0197】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述する特別遊技演出選択処理を行う(S4410)。
【0198】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理を行う(S4412)。
【0199】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4414)を行う。V通過報知演出開始処理(S4414)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、図51(c)に示すV通過報知画像6Dを表示画面7aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて大当たり遊技を実行する本パチンコ遊技機1では、大当たり当選報知としての意味をもつ。なお、V通過報知演出は、V以外の文字画像を表示したり、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
【0200】
続いて、その他の処理(S4415)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
【0201】
[始動入賞コマンド解析処理]図42に示すように、始動入賞コマンド解析処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、始動入賞コマンドを解析する(S4501)。既に述べたように、始動入賞コマンドには、図14図15のテーブルのコマンド解析内容の欄に示した情報や保留個数の情報などが含まれている。従って、始動入賞コマンドを解析すれば、演出制御用マイコン91は、時短状態か否か、第1始動口20又は第2始動口21のどちらの始動口の入球に係る始動入賞コマンドか、保留個数が何個であるのか等が分かる。
【0202】
演出制御用マイコン91は、ステップS4502では、時短状態か否かを判定する。具体的には図14図15に示すように、始動入賞コマンドの上位コマンドの下の桁が「2」であれば、時短状態であることを示している。なお上述したように、遊技状態更新処理(S4402)で更新された遊技状態ステータスに基づいて、時短状態であるか否かを判定しても良い。時短状態でなければ(S4502でNO)本処理を終え、時短状態であれば(S4502でYES)ステップS4503に進む。
【0203】
ステップS4503では、第2始動口21の入球に係る始動入賞コマンドか否かを判定する(S4503)。具体的には図15に示すように、始動入賞コマンドの上位コマンドの上の桁が「F」であれば、第2始動口21の入球に係る始動入賞コマンドであることを示している。第2始動口21の入球に係る始動入賞コマンドでない、即ち第1始動口20の入球に係る始動入賞コマンドであれば(S4503でNO)本処理を終え、第2始動口21の入球に係る始動入賞コマンドであれば(S4503でYES)ステップS4504に進む。
【0204】
ステップS4504では、特図2変動演出中フラグがONか否かを判定する(S4503)。特図2変動演出中フラグは、第2特別図柄の変動表示中か否かを示すフラグである。後述するように、特図2変動演出中フラグは特図2変動演出開始コマンドがセットされるとONになり(図43のS4606参照)、特図2変動演出終了コマンドがセットされるとOFFになる(図44のS4704)フラグである。こうして、特図2変動演出中フラグがONでなければ(S4504でNO)ステップS4505に進み、OFFであれば(S4504でYES)ステップS4509に進む。
【0205】
つまり、始動入賞コマンド解析処理(S4402)において、非時短状態(S4502でNO)や第1始動口20に入球したときには(S4503でNO)、処理を終える。これに対して、時短状態であり(S4502でYES)且つ第2始動口21に入球したときであって(S4503でYES)、第2特別図柄の変動表示中でなければ(S4504でNO)、ステップS4505に進むことになる。一方、第2特別図柄の変動表示中であれば(S4504でYES)、ステップS4509に進むことになる。
【0206】
ステップS4505に進む場合には、先ずV表示フラグをONにする。V表示フラグは、後述するように、表示画面7aにV表示態様の演出画像6A(図56(b)参照)を表示するV表示演出を実行するためのフラグである。V表示演出については後述する。
【0207】
次にステップS4506では、VVランプ68を発光させるためのVランプ制御データ(上述のランプデータの一つ)をRAM94の所定のランプデータバッファにセットする。Vランプ制御データがランプデータ出力処理(S4202)にて出力されると、VVランプ68は、左側Vランプ68aが所定の発光色(例えば黄色)で点灯する第1発光態様で発光することになる。なお第1発光態様の発光では、右側Vランプ68b及び下側文字ランプ68dが発光しないようになっているが、右側Vランプ68b及び下側文字ランプ68が左側Vランプ68aよりも目立たないように僅かに発光していても良い。
【0208】
続いてステップS4507では、第1V効果音データ(上述の音声データの一つ)をRAM94の所定の音声データバッファにセットする。第1V効果音データが、音声制御処理(S4307)にて出力されると、スピーカ67から「ピュイー」という第1報知音(第1の特定報知音)が出力される。第1報知音は、比較的高い音であって、遊技者にとって大当たり遊技が実行され得るような有利な状況が生じたことを認識し易い音になっている。
【0209】
そしてステップS4508では、電チュー打込縮小フラグをONにする。電チュー打込縮小フラグは、後述するように、表示画面7aに縮小表示態様(第2表示態様)の打込促進画像7Y(図56(b)参照)を表示するためのフラグである。縮小表示態様の打込促進画像7Yでは、表示画面7aの中央にて、遊技領域3のうち電チュー22の付近が光った画像が表示されると共に、「電チューを狙ってね」の文字が表示される。これにより、遊技者は電チュー22に遊技球を打込む状況であることを認識し易くなっている。こうしてステップS4508の後、本処理を終える。
【0210】
一方ステップS4509に進む場合には、先ずVV表示フラグをONにする。VV表示フラグは、後述するように、表示画面に7aにVV表示態様の演出画像6B(図56(c)参照)を表示するVV表示演出を実行するためのフラグである。VV表示演出については、後述する。
【0211】
次にステップS4510では、VVランプ68を発光させるためのVVランプ制御データ(上述のランプデータの一つ)をRAM94の所定のランプデータバッファにセットする。VVランプ制御データがランプデータ出力処理(S4202)にて出力されると、VVランプ68は、左側Vランプ68aと右側Vランプ68bと下側文字ランプ68cとが所定の発光色(例えば黄色)で点灯する第2発光態様で発光することになる。この第2発光態様の発光では、Wの文字で発光することにより、上述した第1発光態様の発光よりも目立つようになっている。
【0212】
続いてステップS4511では、第2V効果音データ(上述の音声データの一つ)をRAM94の所定の音声データバッファにセットする。第2V効果音データが、音声制御処理(S4307)にて出力されると、スピーカ67から「ピュイーン」という第2報知音(第2の特定報知音)が出力される。第2報知音は、第1報知音と同様に比較的高い音であり、且つ第2報知音よりも大きな音になっている。そのため第2報知音は、第1報知音よりも遊技者にとって更に有利な状況が生じたことを認識し易い音になっている。なお第2報知音は、第1報知音よりも遊技者にとって有利な状況が認識し易い音であれば良く、例えば第1報知音よりも高い音や、第1報知音よりも長い音等であっても良い。
【0213】
そしてステップS4512では、電チュー打込終了フラグをONにする。電チュー打込終了フラグは、後述するように、縮小表示態様の打込促進画像7Y(図56(b)参照)の表示を終了するためのフラグである。その後、電チュー打込縮小フラグをOFFにして(S4513)、始動入賞コマンド解析処理(S4402)を終える。
【0214】
[変動演出開始処理]図43に示すように、変動演出開始処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S4601)。変動開始コマンドには、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(図8参照)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
【0215】
次に演出制御用マイコン91は、変動パターンに応じて設けられている複数の変動演出パターンテーブルの中から、ステップS4601で解析した変動開始コマンドが示す変動パターンに対応する変動演出パターンテーブルを選択してセットする(S4602)。そして、このテーブルに基づいて変動演出パターンを選択する(S4603)。変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン63の操作を促す演出(ボタン操作促進演出)の有無、演出ボタン63の操作を促す演出(ボタン操作促進演出)の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
【0216】
具体的には、ステップS4602において、演出制御用マイコン91は、ステップS4601で解析した変動開始コマンドに含まれる情報が、遊技状態情報が時短状態かつ高ベース状態である情報であって、特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報である場合には、図16に示す変動演出パターンテーブルを選択する(S4602)。そして、図16に示す変動演出パターンテーブルに基づいて、変動演出パターンを変動演出パターンQ1、変動演出パターンQ2、変動演出パターンQ3、変動演出パターンQ4、変動演出パターンQ5、または変動演出パターンQ6のうちから、いずれかの変動演出パターンを選択する(S4603)。
【0217】
また、ステップS4602において、演出制御用マイコン91は、ステップS4601で解析した変動開始コマンドに含まれる情報が、遊技状態情報が非時短状態である情報であって、特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報である場合には、図17に示す変動演出パターンテーブルを選択する(S4602)。そして、図17に示す変動演出パターンテーブルに基づいて、変動演出パターンを変動演出パターンQ11、変動演出パターンQ12、変動演出パターンQ13、変動演出パターンQ14、変動演出パターンQ15、または変動演出パターンQ16のうちから、いずれかの変動演出パターンを選択する(S4603)。
【0218】
また、ステップS4602において、演出制御用マイコン91は、ステップS4601で解析した変動開始コマンドに含まれる情報が、特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報である場合には、他の変動演出パターンを選択することになる。
【0219】
このとき演出決定用乱数の取得および判定も行う。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容や、停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせなどを含めて、変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4604)。ここで変動演出開始コマンドのうち、特図1の変動表示の開始に対応して変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを特図1変動演出開始コマンドと呼び、特図2の変動表示の開始に対応して変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを特図2変動演出開始コマンドと呼ぶことにする。
【0220】
ステップS4604でセットされた変動演出開始コマンド(特図1変動開始コマンド、特図2変動開始コマンド)がコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
【0221】
変動演出パターンを変動演出パターンQ1、変動演出パターンQ2、変動演出パターンQ3、変動演出パターンQ4、変動演出パターンQ5、または変動演出パターンQ6のうちから(図12図16参照)、いずれかの変動演出パターンにて変動演出を開始するための特図2変動開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて、通常変動→リーチ→Nリーチ→発展演出→バトルリーチと時短図柄昇格演出が行われる変動演出、通常変動→リーチ→Nリーチ→発展演出→ストーリーリーチと時短図柄昇格演出が行われる変動演出、または通常変動→リーチ→Nリーチ→発展演出→共闘リーチと時短図柄昇格演出が行われる変動演出のうち、いずれかの変動演出が行われることになる。これにより、変動演出にて時短図柄昇格演出を行っているときに表示画面7aに靄の画像KQが表示することなり、大当たり当選、または小当たり当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、遊技者にとってより有利な大当たり、または当たり示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rへと昇格するか否かを遊技者に報知することが可能である。
【0222】
変動演出パターンを変動演出パターンQ11、変動演出パターンQ12、変動演出パターンQ13、変動演出パターンQ14、変動演出パターンQ15、または変動演出パターンQ16のうちから(図12図17参照)、いずれかの変動演出パターンにて変動演出を開始するための特図2変動開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて、通常変動→リーチ→Nリーチ→発展演出→バトルリーチと最終図柄昇格演出が行われる変動演出、通常変動→リーチ→Nリーチ→発展演出→ストーリーリーチと最終図柄昇格演出が行われる変動演出、または通常変動→リーチ→Nリーチ→発展演出→共闘リーチと最終図柄昇格演出が行われる変動演出のうち、いずれかの変動演出が行われることになる。これにより、変動演出にて図柄昇格演出を行っているときに、表示画面7aに「最終図柄昇格チャンス」を示す文字画像とキャラクタ画像SJを表示することで(図66(a)、69(a)参照)、遊技者に前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて非時短状態で実行される変動演出での最終の図柄昇格のチャンスであることを遊技者に報知することが可能である。また、変動演出にて図柄昇格演出を行っているときに、表示画面7aに「ボタンを押して7を揃える!」と示す文字画像BSを表示することで、遊技者に最終図柄昇格演出にて演出ボタン63の押下操作が行われると、演出図柄の図柄昇格(時短無し図柄から時短有り図柄)が行われる場合があることを遊技者に報知することが可能である。その他、変動演出にて図柄昇格演出を行っているときに、表示画面7aにボタン操作促進画像G3を表示することで、遊技者に最終図柄昇格演出にて演出ボタン63の押下操作が行われることで、演出図柄の図柄昇格(時短無し図柄から時短有り図柄)が行われるか否かの結果を把握することが可能であることを報知することが可能である。
【0223】
ステップS4604に続いて、演出制御用マイコン91は、特図2変動演出開始コマンドがRAM94の出力バッファにセットされたか否かを判定する(S4605)。特図2変動演出開始コマンドがセットされていれば(S4605でYES)、特図2の変動表示の開始に対応して変動演出を開始することになるため、特図2変動演出中フラグをONにして(S4606)、本処理を終える。一方、特図2変動演出開始コマンドがセットされていなければ(S4605でNO)、特図1の変動表示の開始に対応して変動演出を開始することになるため、特図2変動演出中フラグをONすることなく、本処理を終える。
【0224】
[変動演出終了処理]図44に示すように、変動演出終了処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドを解析する(S4701)。そして、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4702)。ここで変動演出終了コマンドのうち、特図1の停止表示に対応して変動演出を終了するための変動演出終了コマンドを特図1変動演出終了コマンドと呼び、特図2の停止表示に対応して変動演出を終了するための変動演出終了コマンドを特図2変動演出終了コマンドと呼ぶことにする。
【0225】
ステップS4702に続いて、演出制御用マイコン91は、特図2変動演出終了コマンドがRAM94の出力バッファにセットされたか否かを判定する(S4703)。特図2変動演出終了コマンドがセットされていれば(S4703でYES)、特図2の停止表示に対応して変動演出を終了することになるため、特図2変動演出中フラグをOFFにする(S4704)。そして電チュー打込終了フラグをOFFにして(S4705)、本処理を終える。なおステップS4705にて電チュー打込終了フラグがOFFになると、後述する電チュー打込演出処理(S4302、図43参照)において、時短状態であれば(S5101でYES)、ステップS5102の判定結果がYESではなくNOと判定されて、後述する打込報知演出が継続することになる。一方、特図2変動演出終了コマンドがセットされていなければ(S4703でNO)、特図1の停止表示に対応して変動演出を終了することになるため、特図2変動演出中フラグをOFFすることなく、本処理を終える。
【0226】
[特別遊技演出選択処理]図45に示す特別遊技演出選択処理(S4410)は、大当たり遊技時又は小当たり遊技時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択する処理である。ここで選択される特別遊技演出には、大当たり遊技又は小当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出と、大入賞口の開放中および開放間のインターバル中に実行する開放遊技演出が含まれている。
【0227】
図45に示すように、特別遊技演出選択処理(S4410)ではまず、オープニングコマンドを解析する(S4801)。なお本形態では、オープニングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図8参照)に関する情報が含まれている。
【0228】
続いて演出制御用マイコン91は、解析したオープニングコマンドが示す当たり種別が「10R時短小当たりB」であるか否か、すなわち、特図1の抽選にて当選し得るV通過可能な小当たりか否かを判定する(S4802)。「10R時短小当たりB」であれば(S4802でYES)、オープニング演出としてV打込報知演出を伴う特別遊技演出の演出パターンを選択して(S4803)、ステップS4805に進む。V打込報知演出とは、図52に示すV打込演出画像7Zを表示画面7aに表示する演出である。V打込演出画像7Zは、第2大入賞装置36を狙って右打ちにて遊技球を発射すべき旨を示唆する演出画像であり、遊技領域のうち第2大入賞装置36付近が光った画像になっている。これにより、遊技者は第2大入賞装置36に遊技球を打込む状況であることを認識し易くなっている。
【0229】
このV打込報知演出は、「10R時短小当たりB」のオープニング中に表示される。つまり、「10R時短小当たりB」(特1V通過小当たり)に当選すると、21000msにわたるオープニングの期間中に(図51(e)参照)、遊技者に対して遊技方法が示されることとなる。このため、遊技者はV通過の機会を逃すことなく、確実に2種大当たりを獲得することが可能である。なお、右打ち報知を小当たり当選時の変動演出の一部として行う構成も考えられる。しかしこのような構成とすると、まだ小当たり遊技も開始されていないのに遊技者が右打ちを始め、所謂ムダ球(第2大入賞口35に入ることのない遊技球)を多数生じさせてしまうおそれがある。これに対して本形態では、小当たり遊技のオープニング中に右打ち報知を行うため、そのような構成よりもムダ球の発生を抑えることが可能となっている。
【0230】
ステップS4802において「10R時短小当たりB」でないと判定した場合には、各当たりの種別に応じて予め定められている通常の特別遊技演出の演出パターンを選択して(S4804)、ステップS4805に進む。ステップS4805では演出制御用マイコン91は、選択した演出パターンにて特別遊技演出を開始するための特別遊技演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。
【0231】
ステップS4805でセットされた特別遊技演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の特別遊技演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。ステップS4803が実行されていたのであれば、図52に示すV入賞打込報知演出のV打込演出画像7Zが表示画面7aに表示されることとなる。
【0232】
[エンディング演出選択処理]図46に示すエンディング演出選択処理(S4412)は、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する処理である。図46に示すように、エンディング演出選択処理(S4412)ではまず、エンディングコマンドを解析する(S4901)。なお本形態では、エンディングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図8参照)に関する情報が含まれている。
【0233】
次に演出制御用マイコン91は、解析したエンディングコマンドの解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する(S4902)。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4903)、本処理を終える。ステップS4903でセットされたエンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。
【0234】
[電チュー打込報知処理]演出制御用マイコン91は、図40に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)の後、電チュー打込報知処理(S4302)を実行する。図47に示すように、電チュー打込報知処理(S4302)では、先ず時短状態であるか否かを判定する(S5101)。なお時短状態であるか否かは、上述した遊技状態更新処理(S4402)で更新されている遊技状態ステータスを参照することにより判定すれば良い。時短状態(即ち、時短状態を伴った高ベース状態)でなければ(S5101でNO)本処理を終え、時短状態であればステップS5102に進む。ステップS5102では、電チュー打込終了フラグがONであるか否かを判定する。電チュー打込終了フラグは、上述した始動入賞コマンド解析処理(S4402、図42参照)において、時短状態であり(S4502でYES)且つ第2始動口21に入球したときであって(S4503でYES)、第2特別図柄の変動表示中であれば(S4504でYES)、ONとなるフラグである(S4512)。
【0235】
電チュー打込終了フラグがONでなければ(S5102)、電チュー打込縮小フラグがONか否かを判定する(S5103)。電チュー打込縮小フラグは、上述した始動入賞コマンド解析処理(S4402、図42参照)において、時短状態であり(S4502でYES)且つ第2始動口に入球したときであって(S4503でYES)、第2特別図柄の変動表示中でなければ(S4504でNO)、ONとなるフラグである(S4508)。
【0236】
こうして時短状態であって、電チュー打込終了フラグがOFFである(S5102でNO)と共に、電チュー打込縮小フラグがOFFであれば(S5103でNO)、電チュー打込演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5104)。ステップS5104でセットされた電チュー打込演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aにて電チュー打込報知演出が開始される。電チュー打込報知演出とは、電チュー22を狙って遊技球を発射すべきことを報知するための演出である。本形態では、電チュー打込報知演出が開始されるときに、図56(a)に示すように、表示画面7aに通常表示態様(第1表示態様)の打込促進画像7Xが表示される。つまり、図56(a)に示す打込促進画像7Xでは、電チュー22への遊技球の打込みを促していて、遊技領域3のうち電チュー22付近が光った画像が表示されると共に、「電チューを狙ってね」の文字が表示される。これにより、遊技者は電チュー22に遊技球を打込む状況であることを認識し易くなっている。
【0237】
そして演出制御用マイコン91は、ステップS5104の後、右下盤ランプ69を発光させるための右下盤ランプ制御データ(上述のランプデータの一つ)をRAM94の所定のランプデータバッファにセットして(S5105)、本処理を終える。右下盤ランプ制御データがランプデータ出力処理(S4202)にて出力されると、右下盤ランプ69は、電チュー22の真下で、所定の発光色(例えば白色)で発光する。こうして右下盤ランプ69の発光により、遊技者の意識を電チュー22の付近に向けさせることが可能である。そして上述したように、表示画面7aに図56(a)に示す打込促進画像7Xが表示されることに伴って、電チュー22への遊技球の打込みをより意識させることが可能になっている。
【0238】
一方演出制御用マイコン91は、ステップS5103において、電チュー打込縮小フラグONであれば(S5103でYES)、電チュー打込演出縮小コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5106)、本処理を終える。ステップS5106でセットされた電チュー打込演出縮小コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、図56(b)に示すように、表示画面7aにて縮小表示態様の打込促進画像7Yが表示される。図56(b)に示す打込促進画像7Yでは、図56(a)に示す打込促進画像7Xよりも小さくなっているものの、遊技領域3のうち電チュー22付近が光った画像が表示されると共に、「電チューを狙ってね」の文字が表示される。これにより遊技者に対して、電チュー22への打込みの継続を促しつつ、第2特図保留の発生で状況が変化したことを意識させることが可能である。なお縮小表示態様の打込促進画像7Yが表示される演出も、電チュー打込報知演出である。
【0239】
これらに対して演出制御用マイコン91は、ステップS5102において、電チュー打込終了フラグがONであれば、電チュー打込演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5107)。ステップS5107でセットされた電チュー打込演出終了コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、電チュー打込報知演出が終了する。つまり、図56(b)に示す状態から図56(c)に示すように、表示画面7aに縮小表示態様の打込促進画像7Yが表示されなくなる。これにより遊技者に対して、電チュー22への打込みを終了する状況であることを把握させることが可能であり、電チュー22への無駄な打込みを防止することが可能である。
【0240】
そして演出制御用マイコン91は、ステップS5107の後、RAM94の所定のランプデータバッファにセットしていた右下盤ランプ制御データをクリアして(S5108)、本処理を終える。右下盤ランプ制御データがクリアされると、図5に示すように、右下盤ランプ69は発光しなくなる。こうして右下盤ランプ69が発光しなくなることと、上述したように表示画面7aに縮小表示態様の打込促進画像7Yが表示されなくなることにより、電チュー22への遊技球の打込みが終了したことをより意識させることが可能になっている。
【0241】
[V表示演出制御処理]演出制御用マイコン91は、図40に示すように、電チュー打込報知処理(S4302)の後、V表示演出制御処理(S4303)を実行する。図48に示すように、V表示演出制御処理(S4303)では、先ずV表示フラグがONか否かを判定する(S5201)。V表示フラグは、上述した始動入賞コマンド解析処理(S4402、図42参照)において、時短状態であり(S4502でYES)且つ第2始動口21に入球したときであって(S4503でYES)、第2特別図柄の変動表示中でなければ(S4504でNO)、ONとなるフラグである(S4505)。V表示フラグがONであれば(S5201でYES)、V表示演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5202)。
【0242】
ステップS5202でセットされたV表示演出コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aにてV表示演出が開始される。V表示演出とは、その後に大当たり遊技(小当たり当選に基づくV通過による大当たり遊技、又は特図2抽選の大当たり当選に基づく大当たり遊技)が1回実行し得る状況であることを報知するための演出である。本形態では、V表示演出が開始されるときに、図56(b)に示すように、V表示態様の演出画像6Aが表示される。V表示態様の演出画像6Aは、表示画面7aの左右方向の中央よりも左方である左演出表示領域7L(第1の表示領域)にて表示されるVの文字で構成されている。これにより、大当たり遊技の実行というチャンスを1回獲得できたことへの高揚感を与えることが可能である。なおV表示演出では、表示画面7aの右下に「Vチャンス残り1回」の文字が表示されることにより、大当たり遊技の実行というチャンスが1回残っていることがより把握し易くなっている。
【0243】
演出制御用マイコン91は、ステップS5202の後、ステップS5203でV表示フラグをOFFして、ステップS5204に進む。一方、ステップS5201でV表示フラグがONでければ(S5201でNO)、ステップS5202及びステップS5203の処理を実行することなく、ステップS5204に進む。
【0244】
ステップS5204では、VV表示フラグがONか否かを判定する。VV表示フラグは、上述した始動入賞コマンド解析処理(S4402、図42参照)において、時短状態であり(S4502でYES)且つ第2始動口21に入球したときであって(S4503でYES)、第2特別図柄の変動表示中であれば(S4504でYES)、ONとなるフラグである(S4509)。VV表示フラグがONであれば(S5204でYES)、VV表示演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5205)。
【0245】
ステップS5205でセットされたVV表示演出コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aにてVV表示演出が開始される。VV表示演出とは、その後に大当たり遊技(小当たり当選に基づくV通過による大当たり遊技、又は特図2抽選の大当たり当選に基づく大当たり遊技)が2回実行し得る状況であることを報知するための演出である。本形態では、VV表示演出が開始されるときに、図56(c)に示すように、VV表示態様の演出画像6Bが表示される。VV表示態様の演出画像6Bは、上述した左演出表示領域7Lにて表示されるVの文字と、表示画面7aの左右方向の中央よりも右方である右演出表示領域7Rにて表示されるVの文字とから構成されている。つまり、左演出表示領域7Lに表示されたVの文字と右演出表示領域7Rに表示されたVの文字とによって、Wの文字が大きく表示される。この演出画像6Bが表示されることにより、大当たり遊技の実行というチャンスを2回(ダブルで)獲得できたことを報知して、上述したV表示演出よりも高揚感を与えることが可能である。なおVV表示演出では、表示画面7aの右下に「Vチャンス残り2回」の文字が表示されることにより、大当たり遊技の実行というチャンスが2回残っていることがより把握し易くなっている。
【0246】
また、このVV表示演出では、図56(c)に示す状態から図57(a)に示すように、VV表示態様の演出画像6Bが表示された後、完了報知画像6Cが表示画面7aに表示される。完了報知画像6Cは、本遊技機1のスペックを象徴するマークと、そのマークの下に表示された「準備完了」の文字から構成されている。なお本遊技機1のスペックを象徴するマークとVVランプ68とは、同じデザイン(意匠)になっている。この完了報知画像6Cが表示されることにより、後述するように、電チュー22への打込みが完了して、遊技者にとって最も有利な状況を作り出したことを明確に報知することが可能である。
【0247】
図48に示すV表示演出制御処理(S4303)の説明に戻る。演出制御用マイコン91は、ステップS5205の後、ステップS5206でVV表示フラグをOFFして、本処理を終える。一方、ステップS5204でVV表示フラグがONでければ(S5204でNO)、ステップS5205及びステップS5206の処理を実行することなく、本処理を終える。
【0248】
[Vアイコン表示開始処理]演出制御用マイコン91は、V表示演出制御処理(S4303)の後、Vアイコン表示開始処理(S4304)を実行する。図49に示すように、Vアイコン表示開始処理(S4304)では、先ず特図2変動演出中フラグがONか否かを判定する(S5301)。特図2変動演出中フラグがONであれば(S5301でYES)、時短状態(即ち、時短状態を伴った高ベース状態)であるか否かを判定する(S5302)。なお時短状態であるか否かは、上述した遊技状態更新処理(S4402)で更新されている遊技状態ステータスを参照することにより判定すれば良い。
【0249】
時短状態であれば(S5302でYES)、表示画面7aでのVV表示演出が終了したか否かを判定する(S5303)。表示画面7aでのVV表示演出が終了した場合であれば(S5303でYES)、表示画面7aにてVアイコンが表示されているか否かを判定する(S5304)。表示画面7aにてVアイコンが表示されていない場合には(S5304でNO)、表示画面7aにて図57(d)、または図61(d)に示す第1Vアイコン画像AC1よりも大きい(表示サイズが大きい)第1Vアイコン画像AC1(図57(c)、図61(c)参照)と図57(d)、または図61(d)に示す第2Vアイコン画像AC2よりも大きい(表示サイズが大きい)第2Vアイコン画像AC2(図57(c)、図61(c)参照)とを表示させるための第1Vアイコン表示演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5305)。表示画面7aに大きな第1Vアイコン画像AC1と大きな第2Vアイコン画像AC2を表示することで、遊技者に特図2の抽選にて2回当たり(小当たり、大当たり)に当選することを示唆するとともに、2回の大当たり遊技が実行されることを示唆することが可能となっている。続いて、VアイコンフラグがONにセットし(S5308)、本処理を終了する。ここでVアイコンフラグとは、表示画面7aにてVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が表示されていることを示すフラグのことである。なお、第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2が、「当たり示唆表示」に相当する。
【0250】
ステップS5305でセットされた第1Vアイコン表示演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aの中央にて第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2との表示が開始される(図57(c)、図61(c)参照)。
【0251】
ステップS5302にて、演出制御用マイコン91が、時短状態ではない、すなわち非時短状態(即ち、非時短状態を伴った低ベース状態)であると判定した場合には(S5302でNO)、表示画面7aにて第1Vアイコン画像AC1が表示されているか否かを判定する(S5306)。表示画面7aにて第1Vアイコン画像AC1が表示されていないと判定した場合には(S5306でNO)、表示画面7aにて図64(c)、または図67(c)に示す第1Vアイコン画像AC1よりも大きい(表示サイズが大きい)第1Vアイコン画像AC1(図64(b)、または図67(b)参照)のみを表示させるための第2Vアイコン表示演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S5307)、VアイコンフラグがONにセットし(S5308)、本処理を終了する。表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1を表示することで、遊技者に特図2の抽選にて1回当たり(小当たり、大当たり)に当選することを示唆するとともに、1回の大当たり遊技が実行されることを示唆することが可能となっている(図64(b)、または図67(b)参照)。
【0252】
ステップS5307でセットされた第2Vアイコン表示演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aの中央にて第1Vアイコン画像AC1のみの表示が開始される(図64(b)、67(b)参照)。
【0253】
ステップS5301で特図2変動演出中フラグがONでない場合、すなわち特図2変動演出中フラグがOFFである場合には(S5301でNO)、そのまま本処理を終了する。また、ステップS5303でVV表示演出が終了していない場合(S5303でNO)、ステップS5304でVアイコン画像が表示されている場合(S5304でYES)、またはステップS5306で表示画面7aにて第1Vアイコン画像AC1が表示されている場合(S5306でYES)のうち、いずれの場合も、そのまま本処理を終了する。
【0254】
[Vアイコン表示終了処理]演出制御用マイコン91は、Vアイコン表示開始処理(S4304)の後、Vアイコン表示終了処理(S4306)を実行する。図50に示すように、Vアイコン表示終了処理(S4306)では、先ず特図2変動演出中フラグがONか否かを判定する(S5401)。特図2変動演出中フラグがONであれば(S5401でYES)、変動演出の実行中にリーチ演出が行われているか否か判定する(S5402)。
【0255】
変動演出の実行中にリーチ演出が行われている場合には(S5402でYES)、表示画面7aにてVアイコン画像が表示されているか否か、すなわち第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2とが表示されている場合、または第1Vアイコン画像AC1が表示されている場合であるか否かを判定する(S5403)。表示画面7aにて第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2とが表示されている場合、または第1Vアイコン画像AC1のみが表示されている場合には(S5403でYES)、表示画面7aに表示されているVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)の表示を終了させるためのVアイコン表示終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S5404)、VアイコンフラグをOFFにし(S5405)、本処理を終了する。
【0256】
ステップS5404でセットされたVアイコン表示終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aにてリーチ演出が行われることで、Vアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)の表示が終了される。本形態では、表示画面7aの下方に表示されていた第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2が表示されていた場合には(図57(d)、図61(d)参照)、第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2の表示が終了となり、表示画面7aから消えることになる(図57(e)、図58図61(e)、図62参照)。また、本形態では、表示画面7aの下方に表示されていた第1Vアイコン画像AC1が表示されていた場合には(図64(c)、図67(c)参照)、第1Vアイコン画像AC1の表示が終了となり、表示画面7aから消えることになる(図64(d)、図65図67(c)、図68参照)。
【0257】
ステップS5401で特図2変動演出中フラグがOFFである場合(S5401でYES)、変動演出の実行中にリーチ演出が行われていない場合(S5402でNO)、または表示画面7aにてVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が表示されていない場合(S5403でNO)のうち、いずれの場合であっても、そのまま本処理を終了する。
【0258】
7.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機1における遊技の進行の流れについて、図53に基づいて説明する。図53に示すように、まず、通常遊技状態においては左打ちにて遊技を進行する。これにより、特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙う。なお、当選確率は低いが、特図1の抽選によって、「10R時短小当たりB」(図8参照)に当選すれば、V通過に基づく2種大当たり遊技を獲得することができる。
【0259】
図1の抽選にて大当たりに当選した場合、その大当たりが「9R通常大当たり」(図8参照)であれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。一方、「4R時短大当たり」(図8参照)であれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は時短状態に制御される。この振分率は各50%である。なお本明細書においては、V通過を経ないで当選する大当たりを、直撃大当たりと記載することがある。当選した大当たりが「9R通常大当たり」であった場合には、再び通常遊技状態において特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙って遊技を進行する。
【0260】
これに対して、「4R時短大当たり」であった場合には、時短状態且つ高ベース状態に制御される。この時短状態且つ高ベース状態では、遊技者は右打ちにて遊技を進行する。これにより、特図2の抽選に基づく大当たりの当選を狙う。特図2の抽選にハズレはなく(図10(A)参照)、大当たり当選となる場合を除けば全て小当たり当選となる。しかも、特図2の抽選にて当選する小当たりは、その小当たり遊技における開放パターンを通過開放パターン(第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な開放パターン)とする小当たりである(「10R時短小当たりC」,「10R通常小当たり」(図8参照)、図51(b),(c)参照)。従って、遊技者が正しく遊技を実行している限り(つまり右打ちを継続している限り)、特図2の抽選が実行されれば必ず大当たり遊技が実行されることとなる。なお、特図2の抽選にて当選する大当たり(直撃大当たり)は、必ず「9R時短大当たり」(図8参照)である。
【0261】
また、この時短状態では、第2特別図柄の変動表示中に第2特図保留を上限記憶数まで貯めることができる。本形態の第2特図保留の上限記憶数は「1」である。つまり、特図2の変動表示中に第2特図保留を1つ(所定数)貯めることができる。この1つの第2特図保留は、大当たり遊技を経たその後の遊技において消化されることとなる。
【0262】
時短状態で特図2の抽選にて小当たりに当選した場合、その小当たりが「10R通常小当たり」(図8参照)であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。一方、「10R時短小当たりC」(図8参照)であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は時短状態に制御される。この振分率は各50%である。時短当たり(「10R時短小当たりC」又は「9R時短大当たり」)に当選した場合には、再び時短状態に制御されるため、さらに追加的に第2特図保留を1つ貯めることができる。従って、前回の時短状態で貯めた第2特図保留に基づいて再び大当たり遊技を実行させることができる上、さらに今回の時短状態で発生させた第2特図保留に基づいても大当たり遊技を実行させることができる。つまり本形態のパチンコ遊技機1は、一度、時短図柄(時短状態に制御されることとなる図柄)に基づいて大当たり遊技が実行されると、それ以降で2回の大当たり遊技の実行が見込める遊技機となっている。言い換えれば、時短状態に制御されると所謂2回ループの遊技機となっている。
【0263】
これに対して、特図2の抽選にて当選した小当たりが「10R通常小当たり」であった場合には、通常遊技状態に制御される。この場合には、追加的に第2特図保留を貯めることはできない。しかし、前回の時短状態において貯めた第2特図保留が1つ残っている。よって、この第2特図保留に基づいて再び大当たり遊技を実行させることができる。つまり、この状況は、通常遊技状態ではあるものの1つ残っている第2特図保留によりまだ大当たり遊技を実行させ易い状況(遊技者に有利な状況)である。この通常遊技状態での第2特図保留に基づく抽選の結果、時短当たりに当選すれば、大当たり遊技の終了後には時短状態に制御される。よって、第2特図保留を貯めることにより、再び特図2の抽選の機会を得ることが可能となり、以降2回の大当たりが確定することになる。なお、本形態の時短状態かつ高ベース状態において特図2の抽選に当選して、大当たり遊技の実行が見込める状態と、非時短状態かつ低ベース状態において前回の時短状態かつ高ベース状態で貯めた1つの第2特図保留に基づく抽選に当選して、大当たり遊技の実行が見込める状態とが、「有利状態」に相当する。
【0264】
これに対して、通常遊技状態での第2特図保留に基づく抽選の結果、「10R通常小当たり」に当選した場合には、もう第2特図保留も残っておらず、電サポ制御が実行されていないため新たに第2特図保留を発生させることもできない。よって、大当たり遊技の実行され易さの点で遊技者にとって有利な状況は終了したこととなる。
【0265】
なお図53に示すように、時短状態において第2特図保留を貯めていない状態で「10R通常小当たり」に基づく大当たり遊技を実行させてしまうと、その後は、第2特図保留のない通常遊技状態となる。よってこの場合には、第2特図保留に基づいて大当たり遊技を実行させることができないため、遊技者にとって有利な状況が終了したことになる。
【0266】
また、時短状態から通常遊技状態に移行した後、第2特図保留に基づく処理が終了したものの大当たり遊技を実行させられなかった場合(つまり特定領域39へ遊技球を通過させなかった場合)にも、その後は、第2特図保留のない通常遊技状態となる。よって、この場合にも、遊技者にとって有利な状況が終了したことになる。
【0267】
ここで、本パチンコ遊技機1における時短状態への制御後の連チャン終了の仕組みについてまとめて説明する。なお、連チャンの終了は、大当たり遊技が実行され易い状況でなくなることである。まず、連チャンが終了する場合について説明する。連チャンが終了する場合は、図54に示すように、時短状態における当該変動(実行中の変動)としての特図2の変動と、その時の第2特図保留との両方がともに「10R通常小当たり」である場合である。このような状況となれば、もはや時短状態に制御されることはなく、追加的に第2特図保留を貯める機会は得られない。よって、2回の大当たり遊技が実行されて連チャンが終了することとなる。
【0268】
これに対して、連チャンが続く場合は、図55(a),(b)に示すように、時短状態における当該変動としての特図2の変動と、その時の第2特図保留との少なくともいずれか一方が、時短当たり(「10R時短小当たりC」又は「9R時短大当たり」)である場合である。図55(a)に示すように、当該変動としての特図2の変動が時短当たりであれば、時短状態で当選した1回目の大当たり遊技の終了後に再び時短状態に制御されて、追加的に第2特図保留を貯めることができる。従って、3回以上の大当たり遊技を獲得することができる。
【0269】
また、図55(b)に示すように、当該変動としての特図2の変動が「10R通常小当たり」であり、特図2の変動中に貯められた第2特図保留が時短当たりであれば、「10R通常小当たり」への当選に基づく大当たり遊技の終了後には通常遊技状態に制御されて第2特図保留を貯めることはできないものの、残っている第2特図保留に基づく大当たり遊技の終了後には時短状態に制御される。そしてその時短状態において、再び特図2の変動を実行させつつ、第2特図保留を1つ貯めることができる。従って、4回以上の大当たり遊技を獲得することができる。
【0270】
以上、本パチンコ遊技機1の遊技特性によれば、特図2の抽選で時短当たりに当選すれば連チャンが続くため、第2特図保留を貯めれば有利な状況となる。そして、本形態の第2特図保留の上限記憶数は「1」であるため、時短状態で特図2の変動表示中に第2特図保留を上限記憶数である1つ貯めれば、その時点で遊技者にとっては最も有利な状況を作り出したことになる。特図2の変動表示中に第2特図保留が1つ発生していれば、その後に少なくとも2回の大当たり遊技の実行という利益を実質的に獲得したことになるからである。こうして本形態の遊技機1では、高ベース状態(時短状態且つ高ベース状態)で第2始動口21に遊技球を入球させて、特図2の変動表示中に第2特図保留が1つ発生している最も有利な状況を作り出すように、遊技を行うことになる。
【0271】
本実施形態の非時短状態において前回の時短状態で貯めた1つの第2特図保留に基づく抽選結果が9R時短大当たり、または10R時短小当たりCである場合には、大当たり遊技の終了後に時短状態に移行されることで、特図2の抽選に当選して、大当たり遊技の実行が見込める状態が継続され、非時短状態において前回の時短状態で貯めた1つの第2特図保留に基づく抽選結果が10R通常小当たりである場合には、大当たり遊技の終了後に時短状態に移行されないため、追加的に第2特図保留を貯める機会は得られず、特図2の抽選に当選して、大当たり遊技の実行が見込める状態が終了となる。非時短状態において前回の時短状態で貯めた1つの第2特図保留に基づく抽選結果が10R通常小当たりである場合には、大当たり遊技の終了後に時短状態に移行されないため、追加的に第2特図保留を貯める機会は得られず、特図2の抽選に当選して、大当たり遊技の実行が見込める状態が終了となる状況が、「有利状態にて抽選の結果が第1当たりとなると有利状態が終了となる状況」に相当する。
【0272】
8.本形態における時短状態の演出の流れ
次に、時短状態における演出の流れの一例について、図56図63に基づいて説明する。先ず通常遊技状態において、第2特図保留が無くて、特図1の抽選で「4R時短大当たり」(「10R時短小当たりB」でも良い)に当選すると、大当たり遊技後の遊技状態が時短状態に制御される。そして時短状態に制御されたとき、図53に示す電チュー打込演出処理(S4302)では、ステップS5101でYESと判定され、ステップS5102及びステップS5103で共にNOと判定されて、電チュー打込演出開始コマンドがセットされる(S5104)。
【0273】
これにより、図56(a)に示すように、表示画面7aに通常表示態様の打込促進画像7Xが表示される。よって、遊技者に電チュー22へ遊技球を打込む状況であることを認識し易くすることが可能である。そしてステップS5105では、右下盤ランプ制御データがセットされるため、打込促進画像7Xの表示と同時に、右下盤ランプ69が電チュー22の真下で発光する。よって、打込促進画像7Xの表示の開始と右下盤ランプ69の発光の開始の両方によって、電チュー22へ打込む状況であることをより認識し易くすることが可能である。なお図56(a)に示す状況では、時短状態へ移行した直後であるため、未だ第2始動口21に遊技球が1つも入球しておらず、表示画面7aの右下には「Vチャンス残り0回」の文字が表示されている。また、時短状態へ移行した直後で、未だ第2始動口21に遊技球が1つも入球していない図56(a)に示す状況において、仮に第1特図保留記憶部85aに記憶された特図保留に基づく第1特別図柄の可変表示が開始されると、表示画面7aの左上の左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3も変動表示が開始されることになる。第1特別図柄、または第2特別図柄の可変表示が待機している状態から第1特別図柄、または第2特別図柄の可変表示の開始に伴って、表示画面7aに停止表示されている左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始されることになる。
【0274】
そして時短状態に制御されてから初めて第2始動口21に遊技球が入球した場合には、図56(b)に示すように、表示画面7aにV表示態様の演出画像6Aが表示される。また表示画面7aの右下に「Vチャンス残り1回」の文字が表示される。よって大当たり遊技の実行という利益を1回獲得したことを認識し易くすることが可能である。またVVランプ68は、左側Vランプ68aのみが点灯するように第1発光態様で発光する。よって、V表示態様の演出画像6Aの表示とVVランプ68の第1発光態様の発光との両方によって、大当たり遊技の実行という利益を1回獲得したことのインパクトを強めることが可能である。更にこのときには、スピーカ67から「ピュイー」という第1報知音が出力されることにより、視覚だけでなく聴覚からも、遊技者にとって有利な状況が生じたことを認識し易くすることが可能である。
【0275】
またこのときには、図56(b)に示すように、表示画面7aに縮小表示態様の打込促進画像7Yが表示される。よって、時短状態へ移行した直後とは状況が変化したことを遊技者に報知しつつ、未だ電チュー22への打込みを継続する状況であることを把握させることが可能である。
【0276】
第1特別図柄の変動表示が終了して、次に第2特図保留に基づいて特図2の変動表示が開始されると、図43に示す変動演出開始処理(S4406)において、ステップS4606で特図2変動演出中フラグがONにされる。また、図56(b)に示すように、第2特別図柄の可変表示が開始されると、表示画面7aの左上の左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3も変動表示が開始されることになる。
【0277】
その後、特図2の変動表示中に遊技球が第2始動口21に入球すると、図42に示す始動入賞コマンド解析処理(S4404)において、ステップS4502,ステップS4503,ステップS4504でYESと判定される。これによりステップS4509に進み、VV表示フラグがONにされる。そのため図48に示すV表示演出制御処理(S4303)では、ステップS5204でYESと判定されて、VV表示演出コマンドがセットされる(S5205)。
【0278】
これにより、図56(c)に示すように、表示画面7aにVV表示態様の演出画像6Bが表示される。また表示画面7aの右下に「Vチャンス残り2回」の文字が表示される。よって大当たり遊技の実行という利益を2回獲得したことを認識し易くすることが可能である。またこのときには、VVランプ68は、左側Vランプ68aと右側Vランプ68bと下側文字ランプ68cとが点灯するように第2発光態様で発光する。よって、VV表示態様の演出画像6Bの表示とVVランプ68の第2発光態様の発光との両方によって、大当たりの実行という利益を2回獲得したことのインパクトをより強めることが可能である。また、下側文字ランプ68cが「DoublLooP」の文字で点灯することにより、少なくとも2回ループし得る状況であることを認識し易くすることが可能である。更にこのときには、スピーカ67から「ピュイーン」という第2報知音が出力されることにより聴覚でも有利な状況が生じたことを認識し易くすることが可能である。特に第2報知音は上記した第1報知音よりも大きい音であるため、第1報知音が出力されたときよりも更に有利な状況が生じたことを認識させることが可能である。
【0279】
またこのときには、ステップS4512で電チュー打込み終了フラグがONにされ、図47に示す電チュー打込演出処理(S4302)において、ステップS5102でYESと判定される。これにより、ステップS5107で電チュー打込演出終了コマンドがセットされる。よって、図56(c)に示すように、表示画面7aに縮小表示態様の打込促進画像7Yが表示されなくなる。そのため、電チュー22への打込みを終了する状況であることを把握させることが可能であり、電チュー22への無駄な打込みを防止させることが可能である。また、図56(c)に示すように、表示画面7aの左上の左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3も変動表示が開始されることになる。
【0280】
またこのときには、ステップS5108で右下盤ランプ制御データがクリアされる。そのため、打込促進画像7Xが表示されなくなるのと同時に、図5に示すように、右下盤ランプ69が電チュー22の真下で発光しなくなる。よって、打込促進画像7Xの表示の終了と右下盤ランプ69の発光の終了の両方によって、電チュー22へ打込む状況が終了したことをより強調することが可能である。
【0281】
図57を用いて、時短状態で特図2の抽選で9R時短大当たり、10R時短小当たりC、または10R通常小当たりのうち、いずれかに当選した場合に実行され得る変動演出の一例について説明する。なお、図57に示す変動演出は、バトル大当たり変動(特図変動パターン「P31」、図12参照)、またはバトル小当たり変動(特図変動パターン「P34」、図12参照)に基づく変動演出である。
【0282】
時短状態にてバトル大当たり変動(特図変動パターン「P31」、図12参照)、またはバトル小当たり変動(特図変動パターン「P34」、図12参照)に基づく変動演出が実行され、図56(c)に示す状態から図57(a)に示すように、VV表示態様の演出画像6Bが表示された後、完了報知画像6Cが表示画面7aに表示される。この完了報知画像6Cが表示画面7aに表示されることにより、電チュー22への打込みが完了して、遊技者にとって最も有利な状況(時短状態で特図2の変動表示中に第2特図保留が1つ貯まる状況)を作り出したことを遊技者に把握させることが可能となる。
【0283】
その後、変動演出でのVV表示演出が終了すると、図57(b)に示すように、表示画面7aに「Vチャンス残り2回」と示す文字画像が表示される。表示画面7aに「Vチャンス残り2回」と示す文字画像が表示されることで、遊技者に特図2の抽選にて2回当たり(大当たり、小当たり)に当選すること、および2回の大当たり遊技の実行が見込めることを把握させることが可能となる。図57(b)に示す演出画像の表示の後、図57(c)に示すように、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われていない状態で、表示画面7aの中央に1回の大当たり遊技の実行が見込めることを示唆する第1Vアイコン画像AC1と、1回の大当たり遊技の実行が見込めることを示唆する第2Vアイコン画像AC2が大きく表示される。表示画面7aに変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われていない状態で、第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2とが表示されることで、変動演出の実行中に、特図2の抽選にて2回当たり(大当たり、小当たり)に当選すること、および2回の大当たり遊技の実行が見込めることと、前回の抽選結果が時短当たり(すなわち「4R時短大当たり」、「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、「9R時短大当たり」、又は「10R時短小当たりC」)であることを把握させることが可能となる。また、図57(c)に示すように、表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2を大きく表示することで、遊技者に第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2を認識させ易くすることが可能となる。
【0284】
その後、変動演出の実行中に、図57(d)に示すように、表示画面7aの中央にて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始されると、表示画面7aの中央に大きく(表示サイズが大きく)表示されていた第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2(図57(c)参照)が、図57(d)に示すように、表示画面7aの下方に縮小して(表示サイズが小さく)表示されることになる。図57(d)に示すように、表示画面7aの下方に第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2が縮小して表示されることによって、表示画面7aの中央にて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われている状態でも、第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2が変動表示中の演出図柄8L,8C,8Rを邪魔することなく、特図2の抽選にて2回当たり(大当たり、小当たり)に当選すること、2回の大当たり遊技の実行が見込めること、および前回の抽選結果が時短当たり(すなわち「4R時短大当たり」、「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、「9R時短大当たり」、又は「10R時短小当たりC」)であることを把握させることが可能となる。
【0285】
時短状態における特図2の抽選結果に基づく変動演出の実行中に、表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる前のほうが(図57(c)、図61(c)参照)、表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われているときよりも(図57(d)、図61(d)参照)、第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2が大きく表示されている。これにより、表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる前に、遊技者に特図2の抽選にて大当たり、または小当たりに2回当選することと、2回の大当たり遊技が実行され得ること、および前回の特図2の抽選にて時短当たり(すなわち「4R時短大当たり」、「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、「9R時短大当たり」、又は「10R時短小当たりC」)に当選したことを把握させることが可能となる。
【0286】
また、図57(d)に示すように、表示画面7aの下方には、黒色の第1Vアイコン画像AC1が表示され、白色の第2Vアイコン画像AC2が表示されている。表示画面7aにて遊技者に表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われているときには、黒色の第1Vアイコン画像AC1と白色の第2Vアイコン画像AC2が表示されることで、当該特図2の抽選にて大当たり、または小当たりに当選して、今回の大当たり遊技の実行が見込めることを把握させ易くすることが可能となる。
【0287】
図57(d)に示すように、表示画面7aの下方の一区画に、第1Vアイコン画像AC1を表示するための第1Vアイコン領域7bと、第2Vアイコン画像AC2を表示するための第2Vアイコン領域7cとを設けることが可能である。図57(d)では、第1Vアイコン領域7bと第2Vアイコン領域7cとが二点鎖線で明示されており、実際に表示されることになる。
【0288】
その後、図57(e)に示すように、表示画面7aにて左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様(「2」、所謂リーチ目)で仮停止表示されて、リーチが成立する。このとき、図57(e)に示すように、表示画面7aにて小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターン(特図変動パターン「P34」、図12参照)に応じたリーチ演出が行われる。
【0289】
図57(e)に示すリーチが成立すると、Nリーチ(ノーマルリーチ)が行われる。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」、または「小当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たり、または小当たりを期待させるための演出として機能する。Nリーチでは、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、中演出図柄8Cの変動速度が徐々に減速していく。
【0290】
また、図57(e)に示すように、リーチ演出が行われると、表示画面7aに表示されていた第1Vアイコン領域7b、第2Vアイコン領域7c、第1Vアイコン画像AC1、および第2Vアイコン画像AC2の表示が終了となり、表示画面7aから消えることになる(図57(e)参照)。表示画面7aに表示されていた第1Vアイコン画像AC1、および第2Vアイコン画像AC2の表示が消えることで、遊技者の注目先を変動演出の実行中に、表示画面7aにて行われているリーチ演出に変更させて、リーチ演出を楽しませることが可能となる。
【0291】
そして、Nリーチよりも大当たり、または小当たりを期待させるためのリーチ演出に発展することを示唆する発展演出が実行され、その後、大当たり判定の結果が「大当たり」、または「小当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能するSPリーチの一種であるバトルリーチ(特定のリーチ演出)へと発展することになる。ここでバトルリーチは、主人公キャラクタと敵キャラクタとがバトルを行うリーチ演出である。バトルリーチは、当落分岐がなく、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利する成功演出(勝利演出)に進む演出である。なお、成功演出は、遊技者に大当たりに当選していることを示唆する演出として機能する。また、バトルリーチには、当落分岐があり、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利する成功演出(勝利演出)、又は、主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北する失敗演出(敗北演出)に分岐しても良い。この場合、成功演出は、遊技者に大当たりに当選していることを示唆する演出として機能しても良い。また、失敗演出は、遊技者に大当たりに当選していないことを示唆する演出として機能しても良い。
【0292】
また、ストーリーリーチは、主人公キャラクタにまつわるストーリーを表示し、最終的には、グッドエンディングに至る成功演出に進む演出である。また、ストーリーリーチは、成功演出、または、グッドエンディングに至らない失敗演出に分岐する演出でも良い。また、共闘リーチは、主人公キャラクタとその味方キャラクタとが協力して敵キャラクタとのバトルに挑み、最終的には、主人公キャラクタが勝利する勝利演出(成功演出の一例)に進む演出である。また共闘リーチでは、勝利演出、または、主人公キャラクタが敗北する敗北演出(失敗演出の一例)に分岐する演出でも良い。何れのリーチ演出(共闘リーチ、バトルリーチ、ストーリーリーチ)においても、成功演出は、大当たり当選を示唆する演出である。また、失敗演出は、ハズレを示唆する演出である。
【0293】
バトルリーチへと発展すると、先ず、図58(a)に示すように、表示画面7aに、バトルリーチ専用のバトルリーチ背景画像BR1が表示される。ここでバトルリーチ背景画像BR1は、バトルリーチで、主人公キャラクタと敵キャラクタとがこれから対戦することを示す背景画像となっている。そして、主人公キャラクタと敵キャラクタとが攻防を行っている様子を示す画像が画像表示装置7の表示画面7aに表示され(不図示)、当落分岐の前には、主人公キャラクタが敵キャラクタに攻撃をしかけることを示す背景画像BR2が表示画面7aに表示される(図58(b)参照)。
【0294】
図58(b)の演出後、大当たり、または小当たりに当選していることを示唆する成功演出(当選演出)として、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利したことを示す勝利画像(主人公キャラクタが喜んでいる画像と成功用背景画像SRを含む)が表示画面7aに表示されるとともに、大当たり当選、または小当たり当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、「222」で仮停止表示される(図58(c)参照)。なお、表示画面7aにて小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われている。また、変動演出の実行中にバトルリーチが行われている場合には、図58に示すように、表示画面7aに第1Vアイコン画像ACと第2Vアイコン画像AC2と第1Vアイコン領域7bと第2Vアイコン領域7cが表示されないことで、集中してバトルリーチを見て楽しんでもらい、抽選の結果に注目させることが可能となる。
【0295】
本実施形態のパチンコ遊技機1では、時短状態で特図2の抽選で9R時短大当たり、10R時短小当たりC、または10R通常小当たりのうち、いずれかに当選し(図8参照)、時短状態にて特図変動パターン「P31」、特図変動パターン「P32」、特図変動パターン「P33」、特図変動パターン「P34」、特図変動パターン「P35」、または特図変動パターン「P36」のうち、いずれかの変動パターンに基づいて実行され得る変動演出にて、大当たり当選、または小当たり当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが仮停止表示されると、必ず時短状態に対応した図柄昇格演出(以下、時短図柄昇格演出とも称する)が実行される。ここで時短図柄昇格演出とは、大当たり当選、または小当たり当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりの可能性があることを示す時短無し図柄から9R時短大当たり、または10R時短小当たりCの可能性があることを示す時短有り図柄へと変更するか否かを報知する演出のことである。本形態の時短無し図柄とは、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれかである。また、本形態の時短有り図柄とは、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかである。また、本形態では、時短状態にて特図変動パターン「P31」、特図変動パターン「P32」、特図変動パターン「P33」、特図変動パターン「P34」、特図変動パターン「P35」、または特図変動パターン「P36」のうち、いずれかの変動パターンに基づいて実行され得る変動演出にて、大当たり当選、または小当たり当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが時短有り図柄で仮停止表示されても、必ず時短図柄昇格演出が実行されるが、演出図柄8L,8C,8Rは時短有り図柄のままとなる。
【0296】
図59(a)に示すように、変動演出の実行中に時短図柄昇格演出が行われると、先ず演出図柄の図柄昇格(時短無し図柄から時短有り図柄)を煽る演出が行われる。なお、図柄昇格とは、通常当たり(すなわち「9R通常大当たり」、または10R通常小当たり、図8参照)の可能性があることを示す時短無し図柄から時短当たり(すなわち「4R時短大当たり」、「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、「9R時短大当たり」、又は「10R時短小当たりC」)の可能性があることを示す時短有り図柄に変更されることである。時短図柄昇格演出では、図59(a)に示すように、表示画面7aにおいて靄の画像KQを演出図柄8L,8C,8Rの前方に重なるように表示するとともに、演出図柄8L,8C,8Rを徐々に小さくしていく。つまり、この演出は、仮停止表示されている演出図柄8L,8C,8Rを靄で隠すような演出である。そして、演出図柄8L,8C,8Rは一旦表示画面7aから消え、その後最終的な停止態様で再び表示される。
【0297】
変動演出の実行中に行われた時短図柄昇格演出で、演出図柄8L,8C,8Rの図柄昇格が無い場合(時短有り図柄に昇格されない場合、もともと時短有り図柄である場合)には、図59(b)に示すように、時短図柄昇格演出の実行前と同じ図柄のゾロ目(ここでは「222」)が仮停止表示され、その後小図柄KZ1,KZ2,KZ3とともに確定的に停止表示される(図59(c)参照)。
【0298】
なお、確定停止表示(確定的な停止表示)や最終停止表示(最終的な停止表示)と言った場合には、演出図柄が完全に停止している状態を言う。これに対して、仮停止表示とは、演出図柄の変動速度は「0」であるが、演出図柄が表示されている位置で揺れたり拡大や縮小を繰り返したりといった変化をしており、完全に停止していない状態を言う。単に「停止表示」という場合は、仮停止表示を指すこともあるし、確定停止表示を指すこともある。
【0299】
一方、変動演出の実行中に行われた時短図柄昇格演出で、演出図柄8L,8C,8Rの図柄昇格がある場合(時短無し図柄から時短有り図柄への変更がある場合)には、図59(d)に示すように、時短図柄昇格演出の実行前とは異なる時短有り図柄のゾロ目(ここでは「777」)が仮停止表示され、その後小図柄KZ1,KZ2,KZ3とともに確定的に停止表示される(図59(e)参照)。
【0300】
次に、時短状態、または非時短状態で特図2の抽選で小当たりに当選した場合に、実行される小当たり遊技に並行して行われる小当たり演出について、図60を用いて説明する。
【0301】
先ず、小当たり遊技のオープニング中に行われるオープニング演出では、図60(a)に示すように、表示画面7aにV打込報知演出として、V打込演出画像7Zが表示画面7aに表示される。表示画面7aに表示されたV打込演出画像7Zに従って、遊技者は遊技球を第2大入賞装置36内の特定領域39を通過させれば、大当たり遊技の実行という利益を得られる状況であることを把握することが可能である。
【0302】
その後、遊技球が特定領域39を通過すれば、図60(b)に示すようにV通過報知演出として、V通過報知画像6Dが表示画面7aに表示されることとなる。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて大当たり遊技を実行する本パチンコ遊技機1では、大当たり当選報知としての意味をもつ。なお、V通過報知演出は、V以外の文字画像を表示したり、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
【0303】
図61を用いて、図57に示した変動演出の一例と異なる時短状態で特図2の抽選で9R時短大当たり、または10R時短小当たりCに当選した場合に実行され得る変動演出の一例について説明する。なお、図61に示す変動演出は、バトル大当たり変動(特図変動パターン「P31」、図12参照)、またはバトル小当たり変動(特図変動パターン「P34」、図12参照)に基づく変動演出である。
【0304】
時短状態にてバトル大当たり変動(特図変動パターン「P31」、図12参照)、またはバトル小当たり変動(特図変動パターン「P34」、図12参照)に基づく変動演出が実行され、図56(c)に示す状態から図61(a)に示すように、VV表示態様の演出画像6Bが表示された後、完了報知画像6Cが表示画面7aに表示される。この完了報知画像6Cが表示画面7aに表示されることにより、後述するように、電チュー22への打込みが完了して、遊技者にとって最も有利な状況(時短状態で特図2の変動表示中に第2特図保留が1つ貯まる状況)を作り出したことを遊技者に把握させることが可能となる。
【0305】
その後、変動演出でのVV表示演出が終了すると、図61(b)に示すように、表示画面7aに「Vチャンス残り2回」と示す文字画像が表示される。表示画面7aに「Vチャンス残り2回」と示す文字画像が表示されることで、遊技者に特図2の抽選にて2回当たり(大当たり、小当たり)に当選すること、および2回の大当たり遊技の実行が見込めることを把握させることが可能となる。
【0306】
図61(b)に示す演出画像の表示の後、図61(c)に示すように、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われていない状態で、表示画面7aの中央に1回の大当たり遊技の実行が見込めることを示唆する第1Vアイコン画像AC1と、1回の大当たり遊技の実行が見込めることを示唆する第2Vアイコン画像AC2が大きく表示される。表示画面7aに変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われていない状態で、第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2とが表示されることで、変動演出の実行中に、特図2の抽選にて2回当たり(大当たり、小当たり)に当選すること、および2回の大当たり遊技の実行が見込めることと、前回の抽選結果が時短当たり(すなわち「4R時短大当たり」、「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、「9R時短大当たり」、又は「10R時短小当たりC」)であることを把握させることが可能となる。また、図61(c)に示すように、表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2を大きく表示することで、遊技者に第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2を認識させ易くすることが可能となる。
【0307】
その後、変動演出の実行中に、図61(d)に示すように、表示画面7aの中央にて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始されると、表示画面7aの中央に大きく(表示サイズが大きく)表示されていた第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2(図61(c)参照)が、図61(d)に示すように、表示画面7aの下方に縮小して(表示サイズが小さく)表示されることになる。図61(d)に示すように、表示画面7aの下方に第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2が縮小して表示されることによって、表示画面7aの中央にて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われている状態でも、第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2が変動表示中の演出図柄8L,8C,8Rを邪魔することなく、特図2の抽選にて2回当たり(大当たり、小当たり)に当選すること、2回の大当たり遊技の実行が見込めること、および前回の抽選結果が時短当たり(すなわち「4R時短大当たり」、「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、「9R時短大当たり」、又は「10R時短小当たりC」)であることを把握させることが可能となる。
【0308】
時短状態における特図2の抽選結果に基づく変動演出の実行中に、表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる前のほうが(図61(c)参照)、表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われているときよりも(図61(d)参照)、第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2が大きく表示されている。これにより、表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる前に、遊技者に特図2の抽選にて大当たり、または小当たりに2回当選することと、2回の大当たり遊技が実行され得ること、および前回の特図2の抽選にて時短当たり(すなわち「4R時短大当たり」、「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、「9R時短大当たり」、又は「10R時短小当たりC」)に当選したことを把握させることが可能となる。
【0309】
また、図61(d)に示すように、表示画面7aの下方には、黒色の第1Vアイコン画像AC1が表示され、白色の第2Vアイコン画像AC2が表示されている。表示画面7aにて遊技者に表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われているときには、黒色の第1Vアイコン画像AC1と白色の第2Vアイコン画像AC2が表示されることで、当該特図2の抽選にて大当たり、または小当たりに当選して、今回の大当たり遊技の実行が見込めることを把握させ易くすることが可能となる。
【0310】
また、図61(d)に示すように、表示画面7aの下方の一区画に、第1Vアイコン画像AC1を表示するための第1Vアイコン領域7bと、第2Vアイコン画像AC2を表示するための第2Vアイコン領域7cとを設けることが可能である。図61(d)では、第1Vアイコン領域7bと第2Vアイコン領域7cとが二点鎖線で明示されており、実際に表示されることになる。
【0311】
その後、図61(e)に示すように、表示画面7aにて左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様(「7」、所謂リーチ目)で仮停止表示されて、リーチが成立する。このとき、図61(e)に示すように、表示画面7aにて小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターン(特図変動パターン「P34」、図12参照)に応じたリーチ演出が行われる。
【0312】
また、図61(e)に示すように、リーチ演出が行われると、表示画面7aに表示されていた第1Vアイコン領域7b、第2Vアイコン領域7c、第1Vアイコン画像AC1、および第2Vアイコン画像AC2の表示が終了となり、表示画面7aから消えることになる(図61(e)参照)。表示画面7aに表示されていた第1Vアイコン画像AC1、および第2Vアイコン画像AC2の表示が消えることで、遊技者の注目先を変動演出の実行中に、表示画面7aにて行われているリーチ演出に変更させて、リーチ演出を楽しませることが可能となる。
【0313】
バトルリーチへと発展すると、先ず、図62(a)に示すように、表示画面7aに、バトルリーチ専用のバトルリーチ背景画像BR1が表示される。ここでバトルリーチ背景画像BR1は、バトルリーチで、主人公キャラクタと敵キャラクタとがこれから対戦することを示す背景画像となっている。そして、主人公キャラクタと敵キャラクタとが攻防を行っている様子を示す画像が画像表示装置7の表示画面7aに表示され(不図示)、当落分岐の前には、主人公キャラクタが敵キャラクタに攻撃をしかけることを示す背景画像BR2が表示画面7aに表示される(図62(b)参照)。また、変動演出の実行中にバトルリーチが行われている場合には、図62に示すように、表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2と第1Vアイコン領域7bと第2Vアイコン領域7cが表示されないことで、集中してバトルリーチを見て楽しんでもらい、抽選の結果に注目させることが可能となる。
【0314】
図62(b)の演出後、大当たり、または小当たりに当選していることを示唆する成功演出(当選演出)として、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利したことを示す勝利画像(主人公キャラクタが喜んでいる画像と成功用背景画像SRを含む)が表示画面7aに表示されるとともに、大当たり当選、または小当たり当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、「777」で仮停止表示される(図62(c)参照)。なお、表示画面7aにて小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われている。
【0315】
図62(c)の演出後、図63(a)に示すように、変動演出の実行中に時短図柄昇格演出が行われる。その時短図柄昇格演出にて演出図柄の図柄昇格(時短無し図柄から時短有り図柄)を煽る演出が行われ、図63(a)に示すように、表示画面7aにおいて靄の画像KQを演出図柄8L,8C,8Rの前方に重なるように表示するとともに、演出図柄8L,8C,8Rを徐々に小さくしていく。つまり、この演出は、仮停止表示されている演出図柄8L,8C,8Rを靄で隠すような演出である。そして、演出図柄8L,8C,8Rは一旦表示画面7aから消え、その後最終的な停止態様で再び表示される。
【0316】
変動演出の実行中に行われた時短図柄昇格演出で、演出図柄8L,8C,8Rの図柄昇格が無い場合(もともと時短有り図柄である場合)には、図63(b)に示すように、時短図柄昇格演出の実行前と同じ図柄のゾロ目(ここでは「777」)が仮停止表示され、その後小図柄KZ1,KZ2,KZ3とともに確定的に停止表示される(図63(c)参照)。
【0317】
次に、図64から図66を用いて、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づく非時短状態での抽選にて9R時短大当たり、10R時短小当たりC、または10R通常小当たりのうち、いずれかに当選した場合に実行され得る変動演出の一例について説明する。なお、図64から図66に示す変動演出の一例は、バトル大当たり変動(特図変動パターン「P31」、図12参照)、またはバトル小当たり変動(特図変動パターン「P34」、図12参照)に基づく変動演出である。
【0318】
前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留の抽選結果に基づいて変動演出の実行が開始されると、図64(a)に示すように、表示画面7aに「Vチャンス残り1回」と示す文字画像が表示される。表示画面7aに「Vチャンス残り1回」と示す文字画像が表示されると、遊技者に特図2の抽選にて当たり(大当たり、小当たり)に当選することと、1回の大当たり遊技の実行が見込めることを把握させることが可能となる。また、図64(a)に示すように、第2特別図柄の可変表示が開始されると、表示画面7aの左上の左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3も変動表示が開始されることになる。
【0319】
図64(a)に示す演出画像の表示の後、図64(b)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われていない状態で、表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1のみが表示される。表示画面7aに演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われていない状態で、図64(c)に示す第1Vアイコン画像AC1よりも大きい(表示サイズが大きい)第1Vアイコン画像AC1のみが表示されることで、遊技者が変動演出の実行中に、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留の抽選にて当たり(大当たり、小当たり)に当選すること、1回の大当たり遊技の実行が見込めること、および前回の抽選にて10R通常小当たりに当選して実行された大当たり遊技の終了後に非時短状態に制御されていることを把握させることが可能となる。また、図64(b)に示すように、表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1を大きく表示することで、遊技者に第1Vアイコン画像AC1を認識させ易くすることが可能となる。さらに、図64(b)に示すように、表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2の2つが表示される場合よりも(図57(c)、図61(c)参照)、第1Vアイコン画像AC1を大きく(表示サイズが大きく)表示されることで、第1Vアイコン画像AC1のみが表示されていることを認識させ易くすることが可能となる。
【0320】
その後、図64(c)に示すように、変動演出の実行中に、表示画面7aの中央にて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始される。変動演出の実行中に表示画面7aの中央にて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始されると、表示画面7aの中央に表示されていた第1Vアイコン画像AC1(図64(b)参照)が、図64(c)に示すように、表示画面7aの下方に縮小して表示されることになる。図64(c)に示すように、表示画面7aの下方に第1Vアイコン画像AC1が縮小して表示されることによって、表示画面7aの中央にて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示の邪魔にならないように、当該特図2の抽選にて小当たり、または大当たりに当選していること、1回の大当たり遊技の実行が見込めること、および前回の時短状態での特図2の抽選結果が10R通常小当たりに当選して実行された大当たり遊技の終了後に非時短状態に制御されていることを把握させることが可能である。
【0321】
また、図64(c)に示すように、表示画面7aの下方に黒色の第1Vアイコン画像AC1が表示されている。表示画面7aにて黒色の第1Vアイコン画像AC1が表示されることで、遊技者に当該特図2の抽選にて小当たり、または大当たりに当選していること、1回の大当たり遊技の実行が見込めること、および前回の時短状態での特図2の抽選結果が10R通常小当たりに当選して実行された大当たり遊技の終了後に非時短状態に制御されていることを把握させることが可能である。また、図64(c)に示すように、表示画面7aの下方の一区画に、第1Vアイコン画像AC1を表示するための第1Vアイコン領域7bを設けることが可能である。図64(c)では、第1Vアイコン領域7bが二点鎖線で明示されており、実際に表示されることになる。
【0322】
前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留の抽選結果に基づく変動演出の実行中に、表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる前のほうが(図64(b)参照)、表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われているときよりも(図64(c)参照)、第1Vアイコン画像AC1が大きく(表示サイズが大きく)表示されている。これにより、表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる前に、遊技者に特図2の抽選にて大当たり、または小当たりに1回当選することと、1回の大当たり遊技が実行され得ること、および前回の時短状態での特図2の抽選結果が10R通常小当たりに当選して実行された大当たり遊技の終了後に非時短状態に制御されていることを把握させ易くすることが可能となる。
【0323】
その後、図64(d)に示すように、表示画面7aにて左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様(「2」、所謂リーチ目)で仮停止表示されて、リーチが成立する。このとき、図64(d)に示すように、表示画面7aにて小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターン(特図変動パターン「P34」、図12参照)に応じたリーチ演出が行われる。
【0324】
図64(d)に示すリーチが成立すると、Nリーチ(ノーマルリーチ)が行われると、表示画面7aに表示されていた第1Vアイコン領域7bと第1Vアイコン画像AC1の表示が終了となり、表示画面7aから消えることになる(図64(d)参照)。表示画面7aに表示されていた第1Vアイコン画像AC1の表示が消えることで、変動演出の実行中に、表示画面7aにて行われているリーチ演出に注目させて、リーチ演出を楽しませることが可能となる。
【0325】
バトルリーチへと発展すると、先ず、図65(a)に示すように、表示画面7aに、バトルリーチ専用のバトルリーチ背景画像BR1が表示される。ここでバトルリーチ背景画像BR1は、バトルリーチで、主人公キャラクタと敵キャラクタとがこれから対戦することを示す背景画像となっている。そして、主人公キャラクタと敵キャラクタとが攻防を行っている様子を示す画像が画像表示装置7の表示画面7aに表示され(不図示)、当落分岐の前には、主人公キャラクタが敵キャラクタに攻撃をしかけることを示す背景画像BR2が表示画面7aに表示される(図65(b)参照)。また、変動演出の実行中にバトルリーチが行われている場合には、図65に示すように、表示画面7aに第1Vアイコン画像ACと第1Vアイコン領域7bが表示されないことで、集中してバトルリーチを見て楽しんでもらい、抽選の結果に注目させることが可能となる。
【0326】
図65(b)の演出後、大当たり、または小当たりに当選していることを示唆する成功演出(当選演出)として、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利したことを示す勝利画像(主人公キャラクタが喜んでいる画像と成功用背景画像SRを含む)が表示画面7aに表示されるとともに、大当たり当選、または小当たり当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、「222」で仮停止表示される(図65(c)参照)。なお、表示画面7aにて小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われている。なお、図65(c)に示すように、表示画面7aにて当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、時短無し図柄(図65(c)では、「222」)で仮停止表示されることが、「示唆演出」に相当する。
【0327】
本実施形態のパチンコ遊技機1では、非時短状態にて特図2の抽選で9R時短大当たり、10R時短小当たりC、または10R通常小当たりのうち、いずれかに当選し、特図変動パターン「P31」、特図変動パターン「P32」、特図変動パターン「P33」、特図変動パターン「P34」、特図変動パターン「P35」、または特図変動パターン「P36」のうち、いずれかの変動パターンに基づいて変動演出が実行される。その変動演出にて、大当たり当選、または小当たり当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが仮停止表示されると、必ず非時短状態に対応した図柄昇格演出(以下、最終図柄昇格演出とも称する)が実行される。ここで最終図柄昇格演出とは、大当たり当選、または小当たり当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりの可能性があることを示唆する時短無し図柄から9R時短大当たり、または10R時短小当たりCの可能性があることを示唆する時短有り図柄へと変更するか否かを報知する演出のことである。また、本形態では、時短状態にて特図変動パターン「P31」、特図変動パターン「P32」、特図変動パターン「P33」、特図変動パターン「P34」、特図変動パターン「P35」、または特図変動パターン「P36」のうち、いずれかの変動パターンに基づいて実行され得る変動演出にて、大当たり当選、または小当たり当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが時短有り図柄で仮停止表示されても、必ず時短図柄昇格演出が実行されるが、演出図柄8L,8C,8Rは時短有り図柄のままとなる。
【0328】
本実施形態では、最終図柄昇格演出と時短図柄昇格演出は異なる図柄昇格演出となっている。また、最終図柄昇格演出の演出態様(図66(a)から図66(b)に示す演出態様、図69(a)から図69(b)に示す演出態様)は、時短図柄昇格演出の演出態様(図59(a)に示す演出態様、図63(a)に示す演出態様)とは異なる演出態様となっている。最終図柄昇格演出の図66(a)から図66(b)に示す演出態様が、「特定の昇格演出と同様の演出態様」に相当する。
【0329】
図65(c)の演出後、図66(a)に示すように、変動演出の終盤に最終図柄昇格演出が実行される。ここで最終図柄昇格演出では、演出ボタン63の押下操作を促す演出と、演出図柄の図柄昇格(時短無し図柄から時短有り図柄への変更)を煽る演出が行われる。最終図柄昇格演出では、図66(a)に示すように、表示画面7aにおいて「最終図柄昇格チャンス」を示す文字画像とキャラクタ画像SJが表示される。表示画面7aに「最終図柄昇格チャンス」を示す文字画像とキャラクタ画像SJが表示されることで、遊技者に前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて非時短状態で実行される変動演出における最終の図柄昇格のチャンスであることを遊技者に把握させることが可能となる。
【0330】
最終図柄昇格演出では、図66(a)に示すように、表示画面7aにおいて、表示画面7aに「ボタンを押して7を揃える!」と示す文字画像BSが表示される。表示画面7aに文字画像BSが表示されることで、遊技者に最終図柄昇格演出にて演出ボタン63の押下操作が行われると、演出図柄の図柄昇格(時短無し図柄から時短有り図柄)が行われる場合があることを遊技者に把握させることが可能となる。
【0331】
その後、最終図柄昇格演出では、演出ボタン63の押下操作が有効な期間(ボタン操作有効期間)が発生し、このボタン操作有効期間の発生に伴って、図66(b)、または図69(b)に示すように、演出ボタン63の操作を促す演出(ボタン操作促進演出)が行われる。ボタン操作促進演出において、画像表示装置7の表示画面7aに、ボタン操作促進画像G3が表示される。ボタン操作促進画像G3は、演出ボタン63を模した画像(演出ボタン画像G31)と、演出ボタン63の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像G32)と、ボタン操作有効期間の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像G33)と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、ボタン操作有効期間において演出ボタン63が押下操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において演出ボタン63が操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、演出図柄の図柄昇格(時短無し図柄から時短有り図柄)が行われる場合には、図66(c)に示すように、表示画面7aに主人公キャラクタを示す演出画像TGが表示される。図66(c)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rが時短無し図柄で仮停止表示された後に実行された最終図柄昇格演出にて、表示画面7aに主人公キャラクタを示す演出画像TGが表示されることで、遊技者に最終図柄昇格演出にて演出図柄の図柄昇格(時短無し図柄から時短有り図柄)が行われたことを遊技者に把握させることが可能となる。
【0332】
その後、変動演出での最終図柄昇格演出の実行が終了すると、図66(d)に示すように、最終図柄昇格演出の実行前とは異なる時短有り図柄のゾロ目(ここでは「777」)が仮停止表示され、その後小図柄KZ1,KZ2,KZ3とともに確定的に停止表示される(図66(e)参照)。
【0333】
一方で、ボタン操作有効期間において演出ボタン63が押下操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において演出ボタン63が操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、演出図柄8L,8C,8Rの図柄昇格が無い場合(時短有り図柄に昇格されない場合)には、図66(f)に示すように、最終図柄昇格演出の実行前と同じ図柄のゾロ目(ここでは「222」)が仮停止表示され、その後小図柄KZ1,KZ2,KZ3とともに確定的に停止表示される(図66(g)参照)。
【0334】
次に、図67から図69を用いて、図64から図66に示す演出例と異なる前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づく非時短状態での抽選結果が9R時短大当たり、または10R時短小当たりCに当選した場合に実行され得る変動演出の一例について説明する。なお、図67から図69に示す変動演出の一例は、バトル大当たり変動(特図変動パターン「P31」、図12参照)、またはバトル小当たり変動(特図変動パターン「P34」、図12参照)に基づく変動演出である。
【0335】
図67(a)に示す演出画像の表示の後、図67(b)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われていない状態で、表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1のみが表示される。表示画面7aに演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われていない状態で、図67(c)に示す第1Vアイコン画像AC1よりも大きい(表示サイズが大きい)第1Vアイコン画像AC1のみが表示されることで、遊技者が変動演出の実行中に、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留の抽選にて当たり(大当たり、小当たり)に当選すること、1回の大当たり遊技の実行が見込めること、および前回の抽選にて10R通常小当たりに当選して実行された大当たり遊技の終了後に非時短状態に制御されていることを把握させることが可能となる。また、図67(b)に示すように、表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1を大きく表示することで、遊技者に第1Vアイコン画像AC1を認識させ易くすることが可能となる。さらに、図67(b)に示すように、表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2の2つが表示される場合よりも(図57(c)、図61(c)参照)、第1Vアイコン画像AC1を大きく(表示サイズが大きく)表示されることで、第1Vアイコン画像AC1のみが表示されていることを認識させ易くすることが可能となる。
【0336】
その後、図67(c)に示すように、変動演出の実行中に、表示画面7aの中央にて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始される。変動演出の実行中に表示画面7aの中央にて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始されると、表示画面7aの中央に表示されていた第1Vアイコン画像AC1(図67(b)参照)が、図67(c)に示すように、表示画面7aの下方に縮小して表示されることになる。図67(c)に示すように、表示画面7aの下方に第1Vアイコン画像AC1が縮小して表示されることによって、表示画面7aの中央にて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示の邪魔にならないように、当該特図2の抽選にて小当たり、または大当たりに当選していること、1回の大当たり遊技の実行が見込めること、および前回の時短状態での特図2の抽選結果が10R通常小当たりに当選して実行された大当たり遊技の終了後に非時短状態に制御されていることを把握させることが可能である。
【0337】
また、図67(c)に示すように、表示画面7aの下方に黒色の第1Vアイコン画像AC1が表示されている。表示画面7aにて黒色の第1Vアイコン画像AC1が表示されることで、遊技者に当該特図2の抽選にて小当たり、または大当たりに当選していること、1回の大当たり遊技の実行が見込めること、および前回の時短状態での特図2の抽選結果が10R通常小当たりに当選して実行された大当たり遊技の終了後に非時短状態に制御されていることを把握させることが可能である。また、図67(c)に示すように、表示画面7aの下方の一区画に、第1Vアイコン画像AC1を表示するための第1Vアイコン領域7bを設けることが可能である。図67(c)では、第1Vアイコン領域7bが二点鎖線で明示されており、実際に表示されることになる。
【0338】
その後、図67(d)に示すように、表示画面7aにて左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様(「7」、所謂リーチ目)で仮停止表示されて、リーチが成立する。このとき、図67(d)に示すように、表示画面7aにて小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターン(特図変動パターン「P34」、図12参照)に応じたリーチ演出が行われる。
【0339】
図67(d)に示すリーチが成立すると、Nリーチ(ノーマルリーチ)が行われると、表示画面7aに表示されていた第1Vアイコン領域7bと第1Vアイコン画像AC1の表示が終了となり、表示画面7aから消えることになる(図67(d)参照)。表示画面7aに表示されていた第1Vアイコン画像AC1の表示が消えることで、変動演出の実行中に、表示画面7aにて行われているリーチ演出に注目させて、リーチ演出を楽しませることが可能となる。
【0340】
バトルリーチへと発展すると、先ず、図68(a)に示すように、表示画面7aに、バトルリーチ専用のバトルリーチ背景画像BR1が表示される。ここでバトルリーチ背景画像BR1は、バトルリーチで、主人公キャラクタと敵キャラクタとがこれから対戦することを示す背景画像となっている。そして、主人公キャラクタと敵キャラクタとが攻防を行っている様子を示す画像が画像表示装置7の表示画面7aに表示され(不図示)、当落分岐の前には、主人公キャラクタが敵キャラクタに攻撃をしかけることを示す背景画像BR2が表示画面7aに表示される(図68(b)参照)。また、変動演出の実行中にバトルリーチが行われている場合には、図68に示すように、表示画面7aに第1Vアイコン画像ACと第1Vアイコン領域7bが表示されないことで、集中してバトルリーチを見て楽しんでもらい、抽選の結果に注目させることが可能となる。
【0341】
図68(b)の演出後、大当たり、または小当たりに当選していることを示唆する成功演出(当選演出)として、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利したことを示す勝利画像(主人公キャラクタが喜んでいる画像と成功用背景画像SRを含む)が表示画面7aに表示されるとともに、大当たり当選、または小当たり当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、「777」で仮停止表示される(図68(c)参照)。なお、表示画面7aにて小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われている。
【0342】
図68(c)の演出後、図69(a)に示すように、変動演出の終盤に最終図柄昇格演出が実行される。ここで最終図柄昇格演出では、演出ボタン63の押下操作を促す演出と、演出図柄の図柄昇格(時短無し図柄から時短有り図柄への変更)を煽る演出が行われる。最終図柄昇格演出では、図69(a)に示すように、表示画面7aにおいて「最終図柄昇格チャンス」を示す文字画像とキャラクタ画像SJが表示される。表示画面7aに「最終図柄昇格チャンス」を示す文字画像とキャラクタ画像SJが表示されることで、遊技者に前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて非時短状態で実行される変動演出における最終の図柄昇格のチャンスであることを遊技者に把握させることが可能となる。
【0343】
最終図柄昇格演出では、図69(a)に示すように、表示画面7aにおいて、表示画面7aに「ボタンを押して7を揃える!」と示す文字画像BSが表示される。表示画面7aに文字画像BSが表示されることで、遊技者に最終図柄昇格演出にて演出ボタン63の押下操作が行われると、演出図柄の図柄昇格が行われる場合があることを遊技者に把握させることが可能となる。
【0344】
その後、最終図柄昇格演出では、演出ボタン63の押下操作が有効な期間(ボタン操作有効期間)が発生し、このボタン操作有効期間の発生に伴って、図69(b)に示すように、演出ボタン63の操作を促す演出(ボタン操作促進演出)が行われる。ボタン操作有効期間において演出ボタン63が押下操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において演出ボタン63が操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、必ず図69(c)に示すように、表示画面7aに主人公キャラクタを示す演出画像TGが表示される。図69(c)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rが、「777」で仮停止表示された後に実行される最終図柄昇格演出において表示画面7aに主人公キャラクタを示す演出画像TGが表示されることで、遊技者に最終図柄昇格演出の実行前と同じ図柄のゾロ目(ここでは「777」)が仮停止表示されることを遊技者に把握させることが可能となる。
【0345】
その後、変動演出での最終図柄昇格演出の実行が終了すると、図69(d)に示すように、最終図柄昇格演出の実行前と同じ図柄のゾロ目(ここでは「777」)が仮停止表示され、その後小図柄KZ1,KZ2,KZ3とともに確定的に停止表示される(図69(e)参照)。
【0346】
従来のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球に基づいて、大当たりであるか否かの判定が行われ、その判定の結果が大当たりである場合に、大当たり遊技が実行されるものがある。また、従来のパチンコ遊技機では、大当たりの種別として、例えば、第1大当たりと、その第1大当たりよりも遊技者にとって有利な第2大当たりが設けられている。遊技者にとって有利とは、例えば、実行される大当たり遊技のラウンド数が多いこと、実行される大当たり遊技の終了後に制御される遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、高確率時短状態、低確率時短状態、高確率非時短状態)に制御されることなどがある。
【0347】
また、従来のパチンコ遊技機では、大当たりであるか否かの判定の結果が大当たりであり、画像表示装置にて実行されている変動演出にて、演出図柄が第1大当たりを示唆する停止態様(例えば、「222」)で仮停止表示させて、その後特に第2大当たりを示唆するような演出が行われず、第1大当たりを示唆する停止態様(例えば、「222」)で確定的に停止表示させてしまう。この場合、変動演出にて演出図柄が第1大当たりを示唆する停止態様(例えば、「222」)で仮停止表示させた後、大当たりであるか否かの判定の結果が第1大当たりであることを把握してしまうことで、非常に落胆して変動演出への興味がなくなってしまい、最後まで変動演出を楽しみながら遊技を行うことが困難となっていた。
【0348】
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、時短状態、または非時短状態での特図2の抽選結果が大当たり、または小当たりである場合には、その抽選結果に基づいて実行される変動演出にて、例えば、10R通常小当たりの当選を示唆する時短無し図柄で、演出図柄8L,8C,8Rが仮停止表示されると、必ず時短図柄昇格演出、または最終図柄昇格演出が実行されることになる(図59(a)、図63(a)、図66(a)から図66(b)、図69(a)から図69(b)参照)。これにより、変動演出の実行中に仮に、10R通常小当たりの当選を示唆する時短無し図柄で、演出図柄8L,8C,8Rが仮停止表示されて、10R通常小当たりであることを把握したとしても、時短図柄昇格演出、または最終図柄昇格演出によって図柄昇格が行われる可能性があることに希望を持つことが可能となる。そのため、10R通常小当たりの当選を示唆する時短無し図柄で、演出図柄8L,8C,8Rが仮停止表示された後の変動演出に興味がなくなってしまうことを抑制することが可能となり、遊技者に最後まで変動演出を楽しみながら遊技を行わせることが可能となる。
【0349】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での最終の抽選結果が10R通常小当たりとなり、実行された2種の大当たり遊技が終了した後は、右打ちを行い第2始動口21への遊技球を入賞させて、大当たり遊技の実行が見込める状況下ではなく、非時短状態にて左打ちを行い第1始動口20に遊技球を入賞させて、特図1の抽選にて当選を狙う状況下に戻ることになる。そのような状況下で、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での最終の抽選結果に当選した場合に実行される変動演出では演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりに当選した可能性を示す時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示された場合には、その後9R時短大当たり、または10R時短小当たりCに当選した可能性を示す時短有り図柄(本形態では、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれか)の停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rへと変更するか否かを報知する最終図柄昇格演出が必ず行われることになる(図65図66(a)から図66(b)参照)。これにより、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での最終の抽選結果に当選した場合に実行される変動演出では演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりに当選した可能性を示す時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示されたことを遊技者に確認させると、遊技者を10R通常小当たりに当選してしまい、2種の大当たり遊技の終了後に左打ちを行い第1始動口20に遊技球を入賞させて、特図1の抽選にて当選を狙う状況下に戻ってしまうのだと大きく落胆させることになる。しかしながら、変動演出にて演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりに当選した可能性を示す時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示された後に実行される最終図柄昇格演出によって、時短有り図柄(本形態では、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれか)の停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rに変更するかもしれないという希望を持たせることが可能となる。そのため、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での最終の抽選結果が9R時短大当たり、または10R時短小当たりCであって、右打ちを行い第2始動口21への遊技球を入賞させて、大当たり遊技の実行が見込める状況下が継続して欲しいという遊技者の思いを高めることが可能となる。こうして、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での最終の抽選結果に基づく変動演出では演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりの当選を示唆する時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示されても、必ず最終図柄昇格演出が行われるため、変動演出が終了するまで遊技者の気持ちを高めることが可能な変動演出を提供することが可能となる。
【0350】
上述したように、従来のパチンコ遊技機では、変動演出にて、演出図柄が大当たりを示唆する停止態様で仮停止表示させ、その後確定的に停止表示させることで、遊技者に大当たりであることを示唆することが可能となっている。
【0351】
しかしながら、大当たりであるか否かの判定の結果が大当たりとなる場合に、単に演出図柄を大当たりであることを示唆する停止態様で停止表示させて、大当たりであることを示唆するだけでは、十分に遊技者を楽しませることができていない。
【0352】
そこで、本形態のパチンコ遊技機1によれば、前回の抽選結果が時短大当たり、または時短小当たりであった場合に、実行された大当たり遊技の終了後に移行された時短状態での特図2の抽選結果に基づいて実行される変動演出では、表示画面7aに特図2の抽選で当たりに当選することと、1回の大当たり遊技の実行が見込めることを示唆する第1Vアイコン画像AC1と、特図2の抽選で当たりに当選することと、1回の大当たり遊技の実行が見込めることを示唆する第2Vアイコン画像AC2とが表示されることになる(図57(c)、図57(d)、図61(c)、図61(d)参照)。表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2が表示されることで、遊技者に特図2の抽選で当たりに2回当選すること、2回の大当たり遊技の実行が見込めること、および前回の抽選結果が時短当たり(すなわち「4R時短大当たり」、「10R時短小当たりA」、「10R時短小当たりB」、「9R時短大当たり」、又は「10R時短小当たりC」)であることを遊技者に把握させることが可能となる。一方で、時短状態での抽選結果が通常小当たりであった場合に、実行された大当たり遊技の終了後に移行された非時短状態での前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づく抽選結果に基づいて実行される変動演出では、表示画面7aに特図2の抽選で当たりに当選することと、1回の大当たり遊技の実行が見込めることを示唆する第1Vアイコン画像AC1のみが表示されることになる(図64(b)、図64(c)、図67(b)、図67(c)参照)。表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1が表示されることで、遊技者に特図2の抽選で当たりに1回当選すること、1回の大当たり遊技の実行が見込めること、および前回の抽選結果が10R通常小当たりであることを遊技者に把握させることが可能となる。これにより、特図2の抽選結果が気になる変動演出の実行中に表示画面7aにて第1Vアイコン画像AC1と、第2Vアイコン画像AC2とが表示されているのか、または表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1のみが表示されているのかを遊技者に確認させることで、当該特図2の抽選にて当選すること、あと何回特図2の抽選に当選するか、現在のパチンコ遊技機1の遊技状態が前回実行された大当たり遊技の終了後に時短状態に制御されたか、および前回の当たりの種別(図8参照)といった情報を遊技者に把握させることが可能となる。そのため、特図2の抽選結果が気になる変動演出が実行されているときに、上述した様々の情報を踏まえて、遊技を楽しませることが可能となる。
【0353】
また、変動演出の実行中に表示画面7aにVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が表示され続けてしまうと、変動演出の実行中に表示画面7aに表示されている演出図柄8L,8C,8Rの邪魔になってしまう問題がある。また、変動演出の実行中に表示画面7aにVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)を大きく表示し続けてしまうと、変動演出の実行中に表示画面7aに表示されている演出図柄8L,8C,8Rの邪魔になってしまう問題がある。そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、例えば、時短状態にてバトル小当たり変動(特図変動パターン「P34」、図12参照)に基づいて実行された変動演出が開始されて当該変動演出での演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる前には、表示画面7aの中央に第1Vアイコン画像AC1、および第2Vアイコン画像AC2が大きく表示される(図57(c)参照)。これにより、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われていない状態で表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1、および第2Vアイコン画像AC2が大きく表示されても、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示の邪魔とならないため、表示画面7aに表示された第1Vアイコン画像AC1、および第2Vアイコン画像AC2に遊技者を注目させることが可能となる。その後、当該変動演出にて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われると、表示画面7aの中央に表示されていた第1Vアイコン画像AC1、および第2Vアイコン画像AC2が(図57(c)参照)、変動表示中の演出図柄8L,8C,8Rの邪魔とならないように、表示画面7aの下方に、図57(c)に示した第1Vアイコン画像AC1、および第2Vアイコン画像AC2よりも縮小して表示されることになる(図57(d)参照)。これにより、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われている状態では、遊技者が変動表示中の演出図柄8L,8C,8Rに注目させることが可能となる。こうして、変動演出での演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われている状態、または演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われていない状態でも、表示画面7aに表示される第1Vアイコン画像AC1、および第2Vアイコン画像AC2の大きさを変化させることで、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示の邪魔とはならないようにしつつ、表示画面7aに表示される第1Vアイコン画像AC1、および第2Vアイコン画像AC2を確認させることが可能となっている。
【0354】
その他、変動演出の実行中に表示画面7aにVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が表示され続けてしまうと、変動演出の実行中に大当たり期待度の高いSPリーチが行われたときに、そのSPリーチ中に表示画面7aに表示される演出画像の邪魔となってしまう問題がある。そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、例えば、時短状態にてバトル小当たり変動(特図変動パターン「P34」、図12参照)に基づいて実行された変動演出では、SPリーチの一種であるバトルリーチに発展する前に表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1、および第2Vアイコン画像AC2が表示される(図57(c)、図57(d)参照)。その後、変動演出の実行中に発展したバトルリーチが行われている場合には表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1、および第2Vアイコン画像AC2が表示されない(図58参照)。これにより、変動演出の実行中に表示画面7aにて大当たりを期待させるバトルリーチが行われている場合には、表示画面7aに表示されるバトルリーチ背景画像BR1と主人公キャラクタが敵キャラクタに攻撃をしかけることを示す背景画像BR2と主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利したことを示す勝利画像(主人公キャラクタが喜んでいる画像と成功用背景画像SRを含む)が、第1Vアイコン画像AC1、および第2Vアイコン画像AC2によって見難い状態とはならない(図58参照)。そのため、変動演出の実行中に発展したバトルリーチに注目させて、十分に変動演出を楽しませることが可能となる。
【0355】
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での抽選結果に当選した場合に実行される変動演出にて演出図柄8L,8C,8Rが時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示された後には、大当たり当選、または小当たり当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、遊技者にとってより有利な大当たり、または当たり示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rへと昇格するか否かを報知する最終図柄昇格演出が実行される。これにより、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rが時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示されることで、特図2の抽選にて当選した当たりが大当たり遊技の終了後に時短状態へと移行されない小当たりである可能性を把握させた後に、実行される最終図柄昇格演出によって、遊技者に仮停止表示された演出図柄8L,8C,8Rが時短有り図柄(本形態では、「1」、「3」、「5」、「7」のいずれか)への昇格の可能性に望みをかけることが可能となる。そのため、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での抽選結果が大当たり、または小当たりに当選した場合に実行される変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rが時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示された後に、変動演出の実行中に実行される最終図柄昇格演出によって、遊技者の気持ちを揺さぶることが可能となる。こうして、最終図柄昇格演出によって、時短状態での抽選や、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での抽選をより楽しませることが可能となる。
【0356】
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態で特図2の抽選にて10R時短小当たりC、または9R時短大当たりに当選して実行された大当たり遊技後には時短状態に移行されるため、第2特図保留に基づく特図2の抽選が継続して行われることになる。一方で、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態で特図2の抽選にて10R通常小当たりに当選して実行された大当たり遊技後には非時短状態であるため、第2特図保留に基づく特図2の抽選が継続して行われる状況が終了となる。上述した状況下において、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での抽選結果が大当たり、または小当たりに当選した場合に実行される変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rが時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示されてしまったことを確認した遊技者は落ち込むことになる。しかしながら、その変動演出にて最終図柄昇格演出が実行されると、落胆している遊技者が、仮停止表示されている演出図柄8L,8C,8Rの時短有り図柄(本形態では、「1」、「3」、「5」、「7」のいずれか)への昇格に望みをかけることが可能となる。これにより、第2特図保留に基づく特図2の抽選を継続して行うことが可能となるか否かの状況において、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rが時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示された後に最終図柄昇格演出が実行されることで、遊技者の継続して欲しいという気持ちを効果的に高めることが可能となる。そのため、時短状態での抽選や、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での抽選をより楽しませることが可能となる。
【0357】
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、前回の時短状態が終了した時に貯めておいた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での特図2の抽選結果に基づく変動演出にて、演出図柄8L,8C,8Rが時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示される(図65(c)参照)。このとき、遊技者としては前回の時短状態が終了した時に貯めておいた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での特図2の抽選結果が、10R通常小当たりである可能性があることを把握して落ち込むことになる。しかしながら、変動演出の実行中に行われる最終図柄昇格演出によって、遊技者としては前回の時短状態が終了した時に貯めておいた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での特図2の抽選結果が10R通常小当たりではなく、10R時短小当たりC、または9R時短大当たりである可能性があることへの望みを持たせることが可能となる。そのため、特図2の抽選の機会が継続せずに終了となり得るときに、変動演出の実行中に行われる最終図柄昇格演出によって、特図2の抽選結果が10R時短小当たりC、または9R時短大当たりであって欲しいという気持ちを効果的に高めることが可能となる。こうして、時短状態での抽選や、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での抽選をより楽しませることが可能となる。
【0358】
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態にて特図2の抽選結果に基づいて実行された変動演出の実行中に、演出図柄8L,8C,8Rが時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示されても(図58(c)参照)、最終図柄昇格演出の演出態様とは異なる演出態様からなる時短図柄昇格演出が行われることになる(図59(a)参照)。これにより、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での特図2の抽選結果に基づいて実行された変動演出の実行中に、演出図柄8L,8C,8Rが時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示された後に行われる最終図柄昇格演出(図66(a)、図66(b)、図66(c)参照)の価値を高めることが可能となる。そのため、特図2の抽選の機会が継続せずに終了となり得るときに、特図2の抽選結果が10R通常小当たりではなく、10R時短小当たりC、または9R時短大当たりであって欲しいという遊技者の気持ちを効果的に高めることが可能となる。こうして、時短状態での抽選や、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での抽選をより楽しませることが可能となる。
【0359】
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、前回の時短状態が終了した時に貯めておいた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での特図2の最終の抽選結果に基づいて実行された変動演出の実行中に、演出図柄8L,8C,8Rが時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示される(図58(c)参照)。変動演出にて演出図柄8L,8C,8Rが時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示されることで、遊技者に前回の時短状態が終了した時に貯めておいた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での特図2の最終の抽選結果が10R通常小当たりの可能性があると把握させることで、遊技者を非常に落ち込ませることになる。しかしながら、その後に変動演出にて最終図柄昇格演出が行われることによって、前回の時短状態が終了した時に貯めておいた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での特図2の最終の抽選結果が10R通常小当たりではなく、10R時短小当たりC、または9R時短大当たりである可能性があることに望みをかけることになる。そのため、前回の時短状態が終了した時に貯めておいた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での特図2の最終の抽選結果が10R時短小当たりC、または9R時短大当たりであって欲しいという遊技者の気持ちを非常に高めることが可能となる。こうして、時短状態での抽選や、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づいて行われる非時短状態での最終の抽選をより楽しませることが可能となる。
【0360】
さらに、以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、表示画面7aに表示されたVアイコン画像によって、遊技者に当該特図2の抽選結果が大当たり、または小当たりであって、1回の大当たり遊技の実行が見込めることを把握させることが可能となっている(図64(b)から図64(c)、図67(b)から図67(c)参照)。また、表示画面7aにて第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2が表示されていた場合には、あと2回特図の抽選にて大当たり、または小当たりに当選して、あと2回の大当たり遊技の実行が見込めることを遊技者に把握させることが可能である(図57(c)から図57(d)、図61(c)から図61(d)、参照)。さらに、特図2の抽選結果が10R通常小当たりで、実行された大当たり遊技の終了後での非時短状態で特図2の抽選結果に基づく変動演出が実行された場合よりも、特図1の抽選結果が4R時短大当たりと10R時短小当たりBのいずれか、または特図2の抽選結果が9R時短大当たりと10時短小当たりCのいずれかであった場合に、実行された大当たり遊技の終了後に移行された時短状態での特図2の抽選結果に基づく変動演出が実行された場合の方が、表示画面7aにて表示されるVアイコン画像の数が多くなる(図57(c)から図57(d)、図61(c)から図61(d)、図64(b)から図64(c)、図67(b)から図67(c)参照)。これにより、表示画面7aにて第1Vアイコン画像AC1のみが表示されているか、第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2とが表示されているかによって、遊技者に前回の特図2の抽選にて10R通常小当たりに当選して、実行された大当たり遊技の終了に移行した非時短状態かつ低ベース状態での特図2の抽選結果に基づく変動演出がおこなわれているのか、または特図1の抽選結果が4R時短大当たりと10R時短小当たりBのいずれか、または特図2の抽選結果が9R時短大当たりと10時短小当たりCのいずれかに当選して、実行された大当たり遊技の終了後に移行した時短状態かつ高ベース状態での特図2の抽選結果に基づく変動演出が行われているのか把握させることが可能となる。そのため、表示画面7aに表示されるVアイコン画像によって、前回の特図の抽選結果が時短大当たり、または時短小当たりのうち、いずれに当選したこと、連続して特図2の抽選で小当たり、または大当たりに当選する回数、および前回に10R通常小当たりに当選して大当たり遊技が実行されたのか、または10R時短小当たりCと9R時短大当たりのいずれかに当選した情報を遊技者に把握させることが可能となる。こうして、上述した情報を遊技者に把握させながら遊技を楽しませることが可能となる。
【0361】
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる変動演出の実行中にVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が表示されるときがある(図57(d)、図61(d)、図64(c)、図67(c)参照)。これにより、特図2の抽選結果に基づく変動演出の実行中に表示画面7aに表示されるVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)によって、変動演出の実行中に特図2の抽選結果が小当たり、または大当たりに当選することを把握させることが可能となる。また、特図2の抽選結果に基づく変動演出の実行中に表示画面7aにて第1Vアイコン画像AC1のみが表示されるか、または第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2とが表示されるかによって、連続して特図2の抽選で小当たり、または大当たりに当選する回数、および前回の特図2の抽選で10R通常小当たりに当選して大当たり遊技が実行されたのか、または時短当たり(すなわち4R時短大当たり、10R時短小当たりA、10R時短小当たりB、10R時短小当たりC、9R時短大当たり)に当選した情報を遊技者に把握させることが可能となる。そのため、特図2の抽選結果が気になる特図2の抽選結果に基づいて実行された変動演出での遊技を楽しませることが可能となる。
【0362】
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、変動演出にて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示されている場合と異なり、変動演出にて演出図柄8L,8C,8Rが変動表示されていない場合には、表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rが表示されていない(図57(c)、図61(c)、図64(b)、図67(b)参照)。これにより、変動演出の実行中に表示画面7aに演出図柄8L,8C,8Rが変動表示されていない場合(図57(c)、図61(c)、図64(b)、図67(b)参照)の方が、表示画面7aに演出図柄8L,8C,8Rが変動表示されている場合(図57(d)、図61(d)、図64(c)、図67(c)参照)よりも、表示画面7aに表示されているVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が大きく表示されても、表示画面7aにてVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)と演出図柄8L,8C,8Rとが重ならないようになっている。そのため、遊技者に変動演出にて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる前に、表示画面7aに表示された大きなVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)を遊技者に確認させることで、そのVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)から、特図2の抽選結果が小当たり、または大当たりに当選すること、連続して特図2の抽選で小当たり、または大当たりに当選する回数、および前回に10R通常小当たりに当選して大当たり遊技が実行されたのか、または時短当たり(すなわち4R時短大当たり、10R時短小当たりA、10R時短小当たりB、10R時短小当たりC、9R時短大当たり)に当選した情報を遊技者に把握させることが可能となる。
【0363】
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図2の抽選結果に基づく変動演出の実行中に、例えばリーチが成立してノーマルリーチとなる前には、表示画面7aにVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が表示される(図57(d)、図61(d)、図64(c)、図67(c)参照)。その後、特図2の抽選結果に基づく変動演出の実行中にノーマルリーチから発展したSPリーチ(例えば、バトルリーチ)では、表示画面7aにVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が表示されないことになる(図57(e)、図58図61(e)、図62図64(d)、図65図67(d)、図68参照)。これにより、特図2の抽選結果に基づく変動演出の実行中に発展したSPリーチ(例えば、バトルリーチ)では、表示画面7aに表示されるバトルリーチ背景画像BR1と主人公キャラクタが敵キャラクタに攻撃をしかけることを示す背景画像BR2と主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利したことを示す勝利画像(主人公キャラクタが喜んでいる画像と成功用背景画像SRを含む)とを遊技者に注目させることが可能となる。そのため、特図2の抽選結果に基づく変動演出の実行中に発展したSPリーチ(例えば、バトルリーチ)では、表示画面7aにてVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が表示されないことから、Vアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)によってSPリーチ(例えば、バトルリーチ)が邪魔されることなく、変動演出中に行われるSPリーチ(例えば、バトルリーチ)を十分に楽しませることが可能となる。
【0364】
10.変更例
次に、上記実施形態のパチンコ遊技機1の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記実施形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0365】
上記実施形態では、第1始動口20、または第2始動口21への遊技球の入賞が「所定の条件」に相当したが、これに限定されることはない。例えば、第1始動口20や第2始動口21と異なる他の始動口を備え、第1始動口20、第2始動口21、または他の始動口のうち、いずれかに遊技球が入賞することが、「所定の条件」に相当しても良い。なお、他の始動口への遊技球の入賞が特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっても良い。また、第2始動口21への遊技球の入賞が、「所定の条件」に相当しても良い。
【0366】
上記実施形態では、10R通常小当たりが、「第1当たり」に相当し、9R時短大当たり、および10R時短小当たりCが、「第2当たり」に相当した(図8参照)。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、10R通常小当たりが、「第1小当たり」に相当し、4R時短大当たり、9R時短大当たり、10R時短小当たりA、10R時短小当たりB、および10R時短小当たりCが、「第2当たり」に相当しても良い。
【0367】
上記実施形態では、9R時短大当たり、および10R時短小当たりC(第2当たり)は、10R通常小当たり(第1当たり)と比べて、実行された大当たり遊技の終了後に時短状態且つ高ベース状態に制御されることになるため、第2当たりの方が第1当たりよりも遊技者にとって有利であった。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、第2当たりの方が、第1当たりよりも、実行される大当たり遊技におけるラウンド数が多いため、第2当たりの方が第1当たりよりも遊技者にとって有利であっても良い。また、第2当たりの方が、第1当たりよりも、実行される大当たり遊技におけるラウンド数が多いこと、および実行された大当たり遊技の終了後に時短状態且つ高ベース状態に制御されることになるため、第2当たりの方が第1当たりよりも遊技者にとって有利であっても良い。
【0368】
上記実施形態では、当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりに当選したことを示唆する時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示されることが、「示唆演出」に相当した。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、10R通常小当たりに当選したことを示唆する演出として、表示画面7aに表示される特定のエフェクト画像、スピーカ67から出力される特定の音声、枠ランプ66や盤ランプ69を特定の発光態様で発光させたりする演出や、保留アイコン予告、カットイン予告、ステップアップ予告、エフェクト画像を用いた予告等が、「示唆演出」に相当しても良い。また、特図の抽選結果がハズレである場合に、実行される変動演出にて示唆演出が実行されても良い。この場合、変動演出にて実行された示唆演出の後に、特定の昇格演出が実行されても良い。
【0369】
上記実施形態における最終図柄昇格演出(図66(a)、図66(b)、図69(a)、図69(b)参照)が、「特定の昇格演出」に相当した。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、時短図柄昇格演出(図59(a)、図63(a)参照)が、「特定の昇格演出」に相当しても良い。また、最終図柄昇格演出(図66(a)、図66(b)、図69(a)、図69(b)参照)と時短図柄昇格演出(図59(a)、図63(a)参照)以外の図柄昇格演出が、「特定の昇格演出」に相当しても良い。
【0370】
上記実施形態における最終図柄昇格演出は、図66(a)、図66(b)、図69(a)、および図69(b)に示す演出態様からなる昇格演出となっていた。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、図66(a)、図66(b)、図69(a)、および図69(b)に示す演出態様以外の演出態様からなる最終図柄昇格演出が実行されるようにしても良い。
【0371】
上記実施形態における大当たり遊技が、「特別遊技」に相当した。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、大当たり遊技と小当たり遊技が、「特別遊技」に相当しても良い。この場合、例えば、小当たり遊技が「第1特別遊技」に称し、大当たり遊技が「第2特別遊技」と称しても良い。
【0372】
上記実施形態における時短状態かつ高ベース状態において特図2の抽選に当選して、大当たり遊技の実行が見込める状態と、非時短状態かつ低ベース状態において前回の時短状態かつ高ベース状態で貯めた1つの第2特図保留に基づく抽選に当選して、大当たり遊技の実行が見込める状態とが、「有利状態」に相当した。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、パチンコ遊技機1の遊技状態である時短状態が、「有利状態」に相当しても良い。また、時短状態にて特図2の抽選で当選を狙うことが可能な状態が、「有利状態」に相当しても良い。その他、パチンコ遊技機1は、大当たり遊技の終了後に、大当たりと判定される確率が通常確率状態の通常確率よりも高い高確率である高確率状態に制御可能とした場合、その高確率状態が、「有利状態」に相当しても良い。その他、パチンコ遊技機1の遊技状態である高確率状態且つ時短状態が、「有利状態」に相当しても良い。また、高確率状態且つ時短状態にて特図2の抽選で当選を狙うことが可能な状態が、「有利状態」に相当しても良い。また、高確率状態且つ時短状態において特図2の抽選で当選を狙うことが可能な状態と、例えば、通常確率状態且つ非時短状態において、前回の高確率状態且つ時短状態で貯めた第2特図保留に基づく抽選で当選を狙うことが可能な状態とが、「有利状態」に相当しても良い。
【0373】
上記実施形態の非時短状態において前回の時短状態で貯めた1つの第2特図保留に基づく抽選結果が10R通常小当たりである場合には、大当たり遊技の終了後に時短状態に移行されないため、追加的に第2特図保留を貯める機会は得られず、特図2の抽選に当選して、大当たり遊技の実行が見込める状態が終了となる状況が、「有利状態にて抽選の結果が第1当たりとなると有利状態が終了となる状況」に相当した。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、高確率状態にて特図の抽選の結果が大当たり遊技の終了後に低確率状態に制御される大当たりであると、大当たり遊技の終了後に高確率状態が終了となってしまう状況が、「有利状態にて抽選の結果が第1当たりとなると有利状態が終了となる状況」に相当しても良い。また、高確率状態かつ時短状態にて特図の抽選の結果が大当たり遊技の終了後に低確率状態かつ時短状態に制御される大当たりであると、大当たり遊技の終了後に高確率状態かつ時短状態が終了となってしまう状況が、「有利状態にて抽選の結果が第1当たりとなると有利状態が終了となる状況」に相当しても良い。その他、高確率状態かつ時短状態にて特図の抽選の結果が大当たり遊技の終了後に低確率状態かつ非時短状態に制御される大当たりであると、大当たり遊技の終了後に高確率状態かつ時短状態が終了となってしまう状況が、「有利状態にて抽選の結果が第1当たりとなると有利状態が終了となる状況」に相当しても良い。
【0374】
上記実施形態の非時短状態において前回の時短状態で貯めた1つの第2特図保留に基づく抽選結果が9R時短大当たり、または10R時短小当たりCである場合には、大当たり遊技の終了後に時短状態に移行されることで、特図2の抽選に当選して、大当たり遊技の実行が見込める状態が継続され、非時短状態において前回の時短状態で貯めた1つの第2特図保留に基づく抽選結果が10R通常小当たりである場合には、大当たり遊技の終了後に時短状態に移行されないため、追加的に第2特図保留を貯める機会は得られず、特図2の抽選に当選して、大当たり遊技の実行が見込める状態が終了となる状況が、「有利状態にて抽選の結果が第2当たりである場合には、有利状態が継続され、有利状態にて抽選の結果が第1当たりである場合には、有利状態が終了となる状況」に相当しても良い。また、高確率状態(有利状態)にて特図の抽選の結果が大当たり遊技の終了後に高確率状態に制御される大当たりであった場合に、大当たり遊技の終了後に高確率状態が継続され、高確率状態にて特図の抽選の結果が大当たり遊技の終了後に低確率状態に制御される大当たりである場合には、高確率状態が終了となってしまう状況が、「有利状態にて抽選の結果が第2当たりである場合には、有利状態が継続され、有利状態にて抽選の結果が第1当たりである場合には、有利状態が終了となる状況」に相当しても良い。その他、高確率状態かつ時短状態(有利状態)にて特図の抽選の結果が大当たり遊技の終了後に高確率状態かつ時短状態に制御される大当たりであった場合に、大当たり遊技の終了後に高確率状態かつ時短状態が継続され、高確率状態かつ時短状態にて特図の抽選の結果が大当たり遊技の終了後に低確率状態かつ時短状態に制御される大当たりである場合には、高確率状態かつ時短状態が終了となってしまう状況が、「有利状態にて抽選の結果が第2当たりである場合には、有利状態が継続され、有利状態にて抽選の結果が第1当たりである場合には、有利状態が終了となる状況」に相当しても良い。その他、高確率状態かつ時短状態(有利状態)にて特図の抽選の結果が大当たり遊技の終了後に高確率状態かつ時短状態に制御される大当たりであった場合に、大当たり遊技の終了後に高確率状態かつ時短状態が継続され、高確率状態かつ時短状態にて特図の抽選の結果が大当たり遊技の終了後に低確率状態かつ非時短状態に制御される大当たりである場合には、高確率状態かつ時短状態が終了となってしまう状況が、「有利状態にて抽選の結果が第2当たりである場合には、有利状態が継続され、有利状態にて抽選の結果が第1当たりである場合には、有利状態が終了となる状況」に相当しても良い。
【0375】
上記実施形態では、非時短状態において、前回の時短状態が終了した時に貯めておいた1つの第2特図保留に基づいて行われた抽選の結果が10R通常小当たり、9R時短大当たり、または10R時短小当たりCのうち、いずれの当たりであっても、その当たりに基づいて実行される変動演出にて、当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりに当選した可能性を示す時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示された後に、最終図柄昇格演出が実行された。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、非時短状態において、前回の時短状態が終了した時に貯めておいた1つの第2特図保留に基づいて行われた抽選の結果が9R時短大当たり、または10R時短小当たりCに基づいて実行される変動演出にて、当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりに当選した可能性を示す時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示された後に、最終図柄昇格演出が実行されるようにしても良い。
【0376】
また、上記実施形態では、非時短状態において、前回の時短状態が終了した時に貯めておいた1つの第2特図保留に基づいて行われた抽選の結果が10R通常小当たり、9R時短大当たり、または10R時短小当たりCのうち、いずれの当たりであっても、その当たりに基づいて実行された変動演出にて、当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりに当選した可能性を示す時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示された後に、最終図柄昇格演出が実行された。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、時短状態、または非時短状態において、第2特図保留に基づいて行われた抽選の結果が時短当たり(例えば、9R時短大当たり)に基づいて実行される変動演出にて、当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、時短有り図柄(本形態では、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれか)で仮停止表示されて、時短図柄昇格演出、または最終図柄昇格演出が実行されずに、時短有り図柄で確定的に停止表示される場合があっても良い。
【0377】
上記実施形態での非時短状態において、前回の時短状態が終了した時に貯めておいた1つの第2特図保留に基づいて行われた抽選の結果に基づく変動演出にて、当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりに当選した可能性を示す時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示された後に、最終図柄昇格演出が実行された。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、第2特図保留記憶部85bの上限記憶数が2以上とする場合に、前回の時短状態が終了した時に貯めておいた2つ以上の第2特図保留に基づいて行われた抽選の結果に基づく全ての変動演出にて、演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりに当選した可能性を示す時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示されると、最終図柄昇格演出が実行されるようにしても良い。
【0378】
上記実施形態の時短状態で特図2の抽選の結果に基づく変動演出にて当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rで仮停止表示された後に、最終図柄昇格演出の演出態様(図66(a)に示す演出態様、図66(b)に示す演出態様、図69(a)に示す演出態様、図69(b)に示す演出態様)とは異なる演出態様(図59(a)に示す演出態様、図63(a)に示す演出態様)の時短図柄昇格演出が実行された。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、時短図柄昇格演出の演出態様は、最終図柄昇格演出の演出態様(図66(a)に示す演出態様、図66(b)に示す演出態様、図69(a)に示す演出態様、図69(b)に示す演出態様)と同様の演出態様でなければ、一部(例えば、演出図柄8L,8C,8Rの表示態様)が同じであっても良い。
【0379】
また、上記実施形態の時短状態で特図2の抽選の結果に基づく変動演出にて、当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rで仮停止表示された後に、時短図柄昇格演出が実行された。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、時短状態で特図2の抽選の結果に基づく変動演出にて当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rで仮停止表示された後に、仮停止表示された演出図柄8L,8C,8Rが遊技者にとってより有利な当たり示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rへと変更されるか否かを報知する昇格演出が実行されなくても良い。
【0380】
上記実施形態において、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85bに記憶され、第2特図保留記憶部85bの上限記憶数が1となっていた。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、第2特図保留記憶部85bの上限記憶数は、2以上であっても良い。また、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として記憶されない構成としても良い。
【0381】
上記実施形態では、前回の時短状態が終了した時に貯めておいた1つの第2特図保留に基づいて行われた抽選の結果に基づく変動演出にて、演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりに当選した可能性を示す時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示された後に、最終図柄昇格演出が実行された。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、第2特図保留記憶部85bの上限記憶数が2以上とする場合に、前回の時短状態が終了した時に貯めておいた2つ以上の第2特図保留のうち、最後に貯めておいた第2特図保留よりも先に貯めておいた第2特図保留に基づく抽選の結果に基づく変動演出にて、演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりに当選した可能性を示す時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示された後に、最終図柄昇格演出が実行されないが、最後に貯めておいた第2特図保留に基づいて行われた抽選の結果に基づく変動演出にて、演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりに当選した可能性を示す時短無し図柄(本形態では、「2」、「4」、「6」、「8」のいずれか)で仮停止表示された後に、最終図柄昇格演出が実行されるようにしても良い。これにより、最後に貯めておいた第2特図保留に基づいて行われた抽選の結果に基づく変動演出にて、演出図柄8L,8C,8Rが、10R通常小当たりに当選した可能性を示す時短無し図柄で仮停止表示された場合に、遊技者に最後のチャンスを与える演出を遊技者に提供することが可能となる。そのため、左打ちに戻ってしまう可能性がある中での特図2の抽選の最終チャンスで、時短無し図柄で仮停止表示された演出図柄8L,8C,8Rを見て非常に落胆している遊技者を最終図柄昇格演出によって、時短有り図柄への昇格への望みを持たせることが可能となる。
【0382】
上記実施形態では、時短図柄昇格演出が実行され、または最終図柄昇格演出が実行され、演出図柄の図柄昇格(時短無し図柄から時短有り図柄)があった場合には、表示画面7aにて時短有り図柄で、小図柄KZ1,KZ2,KZ3が確定的に停止表示され、演出図柄8L,8C,8Rが確定的に停止表示された(図59(e)、図63(c)、図66(e)、図69(e)参照)。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、時短図柄昇格演出が実行され、または最終図柄昇格演出が実行され、演出図柄の図柄昇格(時短無し図柄から時短有り図柄)があった場合には、小図柄KZ1,KZ2,KZ3が確定的に停止表示されるが、演出図柄8L,8C,8Rが確定的に停止表示されずに、当たりとなったことを報知する演出が実行されるようにしても良い。
【0383】
上記実施形態では、表示画面7aに表示されるVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が、「当たり示唆表示」に相当した。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、遊技者に特図2の抽選にて当選し、大当たり遊技(小当たり当選に基づくV通過による大当たり遊技、又は特図2抽選の大当たり当選に基づく大当たり遊技)が1回実行され得ることを示唆可能であって、表示画面7aに表示される演出画像であれば、適宜変更可能である。具体的には、表示画面7aに特図2の抽選にて当選し、大当たり遊技(小当たり当選に基づくV通過による大当たり遊技、又は特図2抽選の大当たり当選に基づく大当たり遊技)が1回実行され得ることを示唆可能なキャラクタ画像などが表示されても良い。
【0384】
上記実施形態では、表示画面7aに表示されるVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が変動演出の実行中に表示されたが、これに限定されることはない。例えば、大当たり演出の実行中に表示画面7aに表示されるVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が表示されても良い。
【0385】
上記実施形態のパチンコ遊技機1は、上限記憶数を「1」としたことで、2回ループのパチンコ遊技機(特図1の抽選にて時短図柄で当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低3回となる遊技機)を構成した。これにより、上記実施形態のパチンコ遊技機1では、時短状態での変動演出の実行中に表示画面7aに、第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2の2つが表示される場合と、非時短状態での変動演出の実行中に表示画面7aに、第1Vアイコン画像AC1の1つが表示される場合とがあった。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、パチンコ遊技機1を第2特図保留の上限記憶数が「2」とし、3回ループのパチンコ遊技機として構成した場合には、時短状態での変動演出の実行中に表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2と第3Vアイコン画像AC3の3つが表示される場合と、非時短状態での変動演出の実行中に表示画面7aに第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2と、時短状態での変動演出の実行中に表示画面7aに、第1Vアイコン画像AC1の1つが表示される場合とがあっても良い。
【0386】
上記実施形態のパチンコ遊技機1では、変動演出の実行中に表示画面7aにVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が表示されたが、これに限定されることはない。例えば、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出の実行中に、表示画面7aにVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が表示されても良い。
【0387】
上記実施形態では、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rが変動表示されている場合に表示画面7aでの第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2、または第1Vアイコン画像AC1のみのよりも、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始される前に表示画面7aでの第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2の方が大きく表示されていた。また、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始される前の表示画面7aでの第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2よりも、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始される前の表示画面7aでの第1Vアイコン画像AC1のみの方が大きく表示されていた。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始される前に表示画面7aに表示されている第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2と、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始される前に表示画面7aにて表示されている第1Vアイコン画像AC1の大きさが同じであっても良い。
【0388】
上記実施形態では、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rが変動表示されている場合よりも演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始される前の方が、Vアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が大きく表示されている場合があった(図57(c)、図57(d)、図61(c)、図61(d)、図64(b)、図64(c)、図67(b)、図67(c)参照)。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、大当たり演出の実行中に表示画面7aにVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)を表示可能とし、演出図柄8L,8C,8Rが変動表示されていない大当たり演出の実行中に表示画面7aにVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)の方が、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rが変動表示されている場合の方が大きく表示されても良い。
【0389】
上記実施形態のパチンコ遊技機1では、表示画面7aにて左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様(「2」、所謂リーチ目)で仮停止表示されて、リーチが成立してノーマルリーチが行われると、表示画面7aでのVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)の表示が終了となった(図57(e)、図61(e)、図64(d)、図67(d)参照)。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、表示画面7aにて左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様(「2」、所謂リーチ目)で仮停止表示されて、リーチが成立しても、表示画面7aに表示された演出図柄8L,8C,8Rの邪魔にならないように、表示画面7aの下方にVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が小さく表示され続けても良い。また、SPリーチ中であっても、表示画面7aに表示された演出図柄8L,8C,8Rの邪魔にならないように、表示画面7aの下方にVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が小さく表示され続けても良い。
【0390】
また上記実施形態のパチンコ遊技機1では、表示画面7aにて左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様(「2」、所謂リーチ目)で仮停止表示されて、リーチが成立すると、表示画面7aでのVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)の表示が終了しても良い。
【0391】
上記実施形態のSPリーチの一種である、バトルリーチ、ストーリーリーチ、共闘リーチが、「特定のリーチ演出」に相当したが、これに限定されることはない。例えば、ノーマルリーチが、「特定のリーチ演出」に相当しても良い。また、SPリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆するSPSPリーチが、「特定のリーチ演出」に相当しても良い。
【0392】
上記実施形態では、特図2の抽選の結果に基づく変動演出の実行中に、表示画面7aにて左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様(「2」、所謂リーチ目)で仮停止表示されて、リーチが成立してノーマルリーチになると、表示画面7aでのVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)の表示が消え、SPリーチ(例えば、バトルリーチ)が行われているときでも表示画面7aにてVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が表示されていなかった(図57(e)、図58図61(e)、図62図64(d)、図65図67(d)、図68参照)。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、特図2の抽選の結果に基づく変動演出の実行中に、表示画面7aにて左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様(「2」、所謂リーチ目)で仮停止表示されて、リーチが成立して、ノーマルリーチでも表示画面7aでのVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が表示され続け、SPリーチ(例えば、バトルリーチ)に発展すると、表示画面7aでのVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)の表示が終了して、表示画面7aから消えても良い。
【0393】
上記実施形態では、特図2の抽選の結果に基づく変動演出の実行中にノーマルリーチに発展すると、表示画面7aでのVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)の表示が消え、SPリーチ(例えば、バトルリーチ)が行われているときでも表示画面7aにてVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が表示されていなかった(図57(e)、図58図61(e)、図62図64(d)、図65図67(d)、図68参照)。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、特図2の抽選の結果に基づく変動演出の実行中にノーマルリーチに発展する前に特定の演出が行われる場合があり、その特定の演出が行われるころには、表示画面7aでのVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)の表示が消えていても良い。ここで特定の演出とは、例えば、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様(「2」、所謂リーチ目)で仮停止表示されるか否かを煽る煽り演出でも良い。これにより、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様(「2」、所謂リーチ目)で仮停止表示されるか否かを煽る煽り演出が、表示画面7aに表示されたVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)によって、遊技者に見えにくい状態となることを防止することが可能となる。
【0394】
上記実施形態では、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われている場合には、表示画面7aにて今回の特図2の抽選で当選することと、1回の大当たり遊技が実行され得ることを示唆する第1Vアイコン画像AC1と、次回の特図2の抽選で当選し、1回の大当たり遊技が実行され得ることを示唆する第2Vアイコン画像AC2とが表示される場合があった(図57(d)、61(d)参照)。なお、変動演出の実行中に演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われている場合には、表示画面7aにて黒色の第1Vアイコン画像AC1と、白色の第2Vアイコン画像AC2とが表示されていた。第2Vアイコン画像AC2よりも第1Vアイコン画像AC1の方が、遊技者に確認し易いものであれば、これに限定されることはない。例えば、表示画面7aにて第1Vアイコン画像AC1よりも第2Vアイコン画像AC2の方が暗く表示され、第2Vアイコン画像AC2よりも第1Vアイコン画像AC1の方が明るく表示されても良い。これにより、表示画面7aにて明るく表示されている第1Vアイコン画像AC1を確認させることで、当該第1Vアイコン画像AC1が、今回の特図2の抽選で当選し、大当たり遊技が実行され得ることに対応したものであることを把握させ易くなる。
【0395】
上記実施形態では、時短状態で特図2の抽選の結果に基づく変動演出にて当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rで仮停止表示された後に時短図柄昇格演出が必ず実行された(図59(a)、図63(a)参照)。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、時短状態で特図2の抽選の結果に基づく変動演出にて当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rで仮停止表示された後に、時短図柄昇格演出が実行される場合と、時短図柄昇格演出が実行されない場合とがあっても良い。
【0396】
上記実施形態では、非時短状態で特図2の抽選の結果に基づく変動演出にて当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rで仮停止表示された後に時短図柄昇格演出が必ず実行された(図66(a)、図66(b)、図69(a)、図69(b)参照)。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、非時短状態で特図2の抽選の結果に基づく変動演出にて当選を示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する演出図柄8L,8C,8Rで仮停止表示された後に、最終図柄昇格演出が実行される場合と、最終図柄昇格演出が実行されない場合とがあっても良い。
【0397】
上記実施形態では、変動演出の実行中に、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われると、表示画面7aに表示されていたVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が縮小して表示された(図57(d)、図61(d)、図64(c)、図67(c)参照)。しかしながら、これに限定されることはない。例えば、変動演出の実行中に、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる前に、表示画面7aに表示されていたVアイコン画像(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2)が縮小して表示されるようにしても良い。
【0398】
上記実施形態では第2特図保留の上限記憶数を「1」としたが、2以上としても良い。例えば、上限記憶数を「2」とすれば、3回ループのパチンコ遊技機(特図1の抽選にて時短図柄で当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低4回となる遊技機)を構成することができる。また、上限記憶数を「3」とすれば、4回ループのパチンコ遊技機(特図1の抽選にて時短図柄で当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低5回となる遊技機)を構成することができる。その他、上限記憶数を「4」とすれば、5回ループのパチンコ遊技機(特図1の抽選にて時短図柄で当選した場合の初当たりを含む大当たりの連チャン回数が最低6回となる遊技機)を構成することができる。
【0399】
上記実施形態のパチンコ遊技機1は、1種2種混合機として構成したが、これに限定されることはない。例えば、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機としても良いし、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)としても良い。また、パチンコ遊技機1は、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成しても良いし、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成してもよい。また、ハネモノタイプの遊技機として構成しても良い。その他、パチンコ遊技機1は、大当たり遊技の終了後における高確率状態の連続回数が所定回数(例えば、2回)に到達して、その後実行された大当たり遊技の終了後に低確率状態に移行する構成(いわゆる確変リミッタ機)としても良い。また、パチンコ遊技機1は、高確率状態での大当たり遊技の連続回数が所定回数(例えば、2回)に到達して、その後実行された大当たり遊技の終了後に低確率状態に移行する構成としても良い。その他、パチンコ遊技機1は、大当たり遊技の終了後における時短状態の連続回数が所定回数(例えば、1回)に到達して、その後実行された大当たり遊技の終了後に非時短状態に移行する構成(いわゆる時短リミッタ機)としても良い。また、パチンコ遊技機1は、時短状態での大当たり遊技の連続回数が所定回数(例えば、1回)に到達して、その後実行された大当たり遊技の終了後に非時短状態に移行する構成としても良い。すなわち、本明細書に示されている発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
【0400】
上記した各形態では、時短状態に制御された後、第2始動口21への入球に基づいて縮小表示態様の打込促進画像7Yを表示したが、縮小表示態様の打込促進画像7Yを表示しないようにしても良い。つまり、電チュー打込報知演出では、通常表示態様の打込促進画像7Xのみが表示されるようになっていても良い。この場合には、縮小表示態様の打込促進画像7Yが表示されなくなることにより、電チュー22への打込みを続ける状況なのか否かを遊技者が却って混乱するような事態を回避することが可能である。具体的な制御処理としては、電チュー打込縮小フラグに関係する処理を実行しなければ良い。つまり上記第1形態では、図42に示す始動入賞コマンド解析処理(S4404)においてステップS4508及びステップS4513の処理を実行しなくて、図47に示す電チュー打込演出処理(S4302)においてステップS5103及びステップS5106を実行しないように構成する。
【0401】
なお、第2特図保留の上限記憶数を3以上とする場合には、第2始動口21への入球に基づいて表示画面7aに表示される打込促進画像を徐々に小さくしても良い。例えば、第2特図保留の上限記憶数を「3」とした場合、時短状態に制御されて第2特図保留が無く且つ特図2の変動表示中でないときに遊技球が第2始動口21へ入球すると、通常表示態様の打込促進画像7Xが表示される。そして、特図2の変動表示中に特図2保留球数が1つ貯まると第1縮小表示態様の打込促進画像(図50(b)に示す打込促進画像7Y)を表示し、特図2の変動表示中に特図2保留球数が2つ貯まると第2縮小表示態様の打込促進画像(打込促進画像7Yよりも小さい打込促進画像)を表示するようにしても良い。これにより、遊技者に対して電チュー22への打込みの終了が徐々に近づいていることを把握し易くすることが可能である。
【0402】
また上記第1形態では、Vの文字を1つ又は2つ点灯可能なVVランプ68を設けたが、その他のランプを用いて良い。例えば第2特図保留の上限記憶数を「3」とした場合には、Vの文字を1〜4つまで点灯可能なVVVVランプを用いても良い。つまり第2特図保留の上限記憶数に1を加算した数までVの文字を点灯可能なランプを用いても良い。またVVランプ68及びVVVランプ68Aでは、各ランプが左右方向に並んでいたが、上下方向、斜め右上方向、斜め右下方向に並べられていても良い。また各ランプが不規則に配置されていても良く、各ランプの配置は適宜変更可能である。そして、各ランプを左方から右方に向かって順番に増えるように点灯させたが、点灯させる順番は適宜変更可能であり、右方から左方に向かって順番に増えるように点灯させても良い。更に、各ランプの点灯により形成される文字又は図形或いは記号等は「V」に限られるものではなく、大当たり遊技が実行され得る状況を示唆するものであれば適宜変更可能であり、例えば「★」等であっても良い。またVVランプ68、右下盤ランプ69の発光態様は、ランプの一部が点灯する発光態様や、点滅する発光態様であっても良く、発光色等も適宜変更可能である。
【0403】
また上記実施形態では、第2始動口21への入球に基づいて表示画面7aにVの文字を1つ又は2つ表示したが、表示するVの数は適宜変更可能である。例えば第2特図保留の上限記憶数を「3」とした場合には、表示画面7aにVの文字を1〜4つ表示するようにしても良い。また複数のVの文字を左右方向に並べて表示したが、上下方向、斜め右上方向、斜め右下方向に並べて表示しても良い。また各Vの文字が不規則に表示されていても良く、Vの文字の表示位置は適宜変更可能である。そして、各Vの文字を左方から右方に向かって順番に増えるように表示したが、表示させる順番は適宜変更可能であり、右方から左方に向かって順番に増えるように表示しても良い。更に、表示画面7aに表示されるVの文字又は図形或いは記号等は「V」に限られるものではなく、大当たり遊技が実行され得る状況を示唆するものであれば適宜変更可能であり、例えば「★」等であっても良い。
【0404】
また上記実施形態では、右下盤ランプ69は、大当たり遊技後の遊技状態が時短状態に制御されると、第1態様として所定の発光色(例えば白色)で発光し、特図2の変動表示中に第2特図保留が上限記憶数だけ貯まると、第2態様として発光しなくなった。しかしながら、右下盤ランプ69は、特図2の変動表示中に第2特図保留が上限記憶数だけ貯まると、第2態様として例えば白色よりも目立つような黄色で発光するようにしても良い。この場合には、右下盤ランプ69が黄色で発光したときに、遊技者にとって最も有利な状況(特図2の変動表示中に第2特図保留が上限記憶数だけ貯まった状況)を作り出したこと間接的に示すことが可能である。なお右下盤ランプ69は、電チュー22の真下に配されていたが、電チュー22の真上や右方等に配されていても良く、配置位置は適宜変更可能である。なお、電チュー22が左遊技領域3Aに配されている場合には、盤ランプ(発光手段)をその電チュー22の近くである左遊技領域3Aに配すると良い。
【0405】
また上記実施形態では、第2始動口21への入球に基づく当否判定(S1002)において小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35へ入賞した遊技球はその入賞タイミングに関わらず特定領域39を通過するように開放パターンを設定したが(図51(b),(c)参照)、第2大入賞口35へ入賞した遊技球の入賞タイミングによっては、特定領域39を通過しないことがあり得るような開放パターンを設定しても良い。この場合には、高ベース状態においてなかなか特定領域39に遊技球を通過させることができなくて、上記した各形態よりも次の大当たりを引き当てられるスピードが遅くなり得るものの、遊技機全体として第2大入賞口35へ入賞した遊技球の特定領域39への通過率(V通過率)が不当に高くなるのを抑制することが可能である。
【0406】
また上記実施形態では、高ベース状態で大当たり遊技が1回実行され得る状況を示唆するときに、VVランプ68を第1発光態様で発光させると共に、表示画面7aに演出画像6Aを表示させたが、VVランプ68の発光及び表示画面7aの表示のうち何れか一方であっても良い。また高ベース状態で大当たり遊技が2回実行され得る状況を示唆するときに、VVランプ68を第2発光態様で発光させると共に、表示画面7aに演出画像6Bを表示させたが、VVランプ68の発光及び表示画面7aの表示のうち何れか一方であっても良い。
【0407】
また上記実施形態では、第1特別図柄の抽選において小当たりに当選し得るように構成したが、第1特別図柄の抽選における小当たりの当選確率を「0」にしてもよい。この場合、図25に示す特図1大当たり判定処理(S1008)において、ステップS1107〜S1110までの処理を行わないように構成する。
【0408】
また上記実施形態では、第1特別図柄の抽選にて当選し得る小当たりとして、V通過不可能な「10R時短小当たりA」と、V通過可能な「10R時短小当たりB」とを設けたが、V通過不可能な小当たりだけとしてもよい。
【0409】
また上記実施形態では、大当たり遊技においては第1大入賞口30を開放し、小当たり遊技においては第2大入賞口35を開放するように構成した。これに対して、大当たり遊技の少なくとも一部のラウンドに、第2大入賞口35を開放するラウンドがある構成としてもよい。この場合には、大当たり遊技の実行中のV通過によってさらに大当たり遊技が実行されることがないように構成する。
【0410】
また上記実施形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり又は小当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
【0411】
また上記実施形態では、99回の特別図柄の変動表示が実行されると高ベース状態を終了するように構成したが、高ベース状態の終了条件としての特別図柄の変動表示の実行回数(所定の上限実行回数)は、任意に変更可能である。
【0412】
また上記実施形態では、普図保留の上限記憶数を4個としたが、普図保留のない構成としてもよい。この場合、ゲート28への遊技球の通過検知時に、普通図柄の変動表示の実行中でなく、補助遊技の実行中(電チュー22の作動中)でもなければ、普通図柄乱数を取得するように構成すればよい。
【0413】
11.上記の実施形態に示されている発明
上記の実施形態には、以下の発明(手段A1〜A5に係る発明、手段B1から手段B4)が示されている。以下に記す発明の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0414】
<手段A>
手段A1に係る発明は、
所定の条件(第1始動口20、または第2始動口21への遊技球の入賞)が成立することに基づいて、当たりか否かの抽選を行う遊技制御手段(主制御基板80)と、
前記抽選の結果に基づいて、当たりとなるか否かを示唆する変動演出を実行可能な演出制御手段(サブ制御基板90)と、を備えた遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記当たりとして、第1当たり(10R通常小当たり、図8参照)と、前記第1当たりよりも遊技者にとって有利な第2当たり(9R時短大当たり、10R時短小当たりC、図8参照)と、が設けられており、
前記演出制御手段は、
前記変動演出の実行中に、前記抽選の結果が前記第1当たりであることを示唆する示唆演出(10R通常小当たりに当選した可能性を示す停止態様(例えば、「222」)を構成する演出図柄8L,8C,8Rが仮停止表示すること、図65(c)参照)を実行可能とし、
前記示唆演出を実行した後に、前記抽選の結果が前記第2当たりであるか否かを報知する特定の昇格演出(最終図柄昇格演出、図66(a)から図66(b)参照)を実行可能である、
ことを特徴とする遊技機である。
【0415】
この構成の遊技機によれば、変動演出の実行中に第1当たりであることを示唆する示唆演出が実行された後には、第2当たりであるか否かを報知する特定の昇格演出が実行される。これにより、示唆演出によって、第1当たりの可能性があることを把握させることで落胆させることになるが、その後に実行される特定の昇格演出によって、遊技者に第2当たりの可能性があることに希望を持たせることが可能となる。そのため、示唆演出の実行後に実行される特定の昇格演出によって、遊技者の感情を刺激することが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0416】
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記抽選の結果が前記当たりとなると、特別遊技(大当たり遊技)を実行可能とし、
前記特別遊技の終了後に遊技者にとって有利な有利状態(時短状態かつ高ベース状態において特図2の抽選に当選して、大当たり遊技の実行が見込める状態と、非時短状態かつ低ベース状態において前回の時短状態かつ高ベース状態で貯めた1つの第2特図保留に基づく抽選に当選して、大当たり遊技の実行が見込める状態、図53参照)になる場合があり、
前記演出制御手段は、
前記有利状態にて前記抽選の結果が前記第1当たりとなると前記有利状態が終了となる状況(非時短状態において前回の時短状態で貯めた1つの第2特図保留に基づく抽選結果が10R通常小当たりである場合には、大当たり遊技の終了後に時短状態に移行されないため、追加的に第2特図保留を貯める機会は得られず、特図2の抽選に当選して、大当たり遊技の実行が見込める状態が終了となる状況)において、前記有利状態での前記抽選の結果が前記当たりであることに基づく前記変動演出の実行中に前記示唆演出を実行した後に、前記特定の昇格演出を実行可能である、
ことを特徴とする遊技機である。
【0417】
この構成の遊技機によれば、有利状態にて抽選の結果が第1当たりとなると有利状態が終了となる状況において、有利状態にて抽選の結果が当たりであることに基づく変動演出の実行中に示唆演出が実行されると、遊技者は落胆することになる。しかしながら、示唆演出が実行された後に、特定の昇格演出が実行されると、第2当たりの可能性があるという希望を落胆している遊技者に持たせることが可能となる。これにより、有利状態が抽選の結果が第1当たりとなると終了となる状況において、示唆演出が実行された後に特定の昇格演出が実行されることで、遊技者の感情を効果的に刺激することが可能となるため、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0418】
手段A3に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
入球口(第2始動口21、図1図2参照)への遊技球の入球に基づいて、前記抽選を行い、
前記入球口への入球に基づく抽選を保留可能であり、
非入球容易状態(非時短状態かつ低ベース状態)よりも前記入球口への入球が容易となる入球容易状態(時短状態かつ高ベース状態)に制御可能とし、
前記演出制御手段は、
前記入球容易状態が終了したときに前記遊技制御手段により保留されていた抽選の結果に基づく変動演出の実行中に前記示唆演出を実行した後に、前記特定の昇格演出を実行可能である、
ことを特徴とする遊技機である。
【0419】
この構成の遊技機によれば、入球容易状態が終了した時に保留されていた抽選の結果に基づく変動演出の実行中に示唆演出が実行されると、遊技者は入球容易状態が終了した時に保留されていた抽選の結果が第1当たりの可能性があることを把握して落胆することになる。しかしながら、特定の昇格演出によって、入球容易状態が終了した時に保留されていた抽選の結果が第1当たりではなく、第2当たりの可能性があると遊技者に希望を持たせることが可能となる。そのため、入球容易状態が終了して入球口への入球に基づく抽選の機会が終了となり得るときに、特定の昇格演出によって、抽選の結果が第2当たりであった欲しいという遊技者の感情を刺激することが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0420】
手段A4に係る発明は、
手段A3に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記入球容易状態での前記変動演出の実行中に前記示唆演出を実行した後に、前記特定の昇格演出と同様の演出態様(図66(a)から図66(b)に示す演出態様)からなる昇格演出を実行しない、
ことを特徴とする遊技機である。
【0421】
この構成の遊技機によれば、入球容易状態での変動演出の実行中に示唆演出が実行された後には、特定の昇格演出と同様の演出態様からなる昇格演出が実行されない。これにより、変動演出の実行中に示唆演出が実行された後に実行される特定の昇格演出の意義を高めることが可能となる。そのため、入球容易状態が終了して入球口への入球に基づく抽選の機会が終了となり得るときに、第1当たりではなく第2当たりであって欲しいという遊技者の感情をより効果的に刺激することが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0422】
手段A5に係る発明は、
手段A3または手段A4に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記入球口への入球に基づく抽選を所定数(1つ、図1図3参照)保留可能であり、
前記演出制御手段は、
前記入球容易状態が終了したときに保留されていた前記所定数目の抽選の結果(非時短状態において、前回の時短状態が終了した時に貯めておいた1つの第2特図保留に基づく抽選の結果)に基づく変動演出の実行中に前記示唆演出を実行した後に、前記特定の昇格演出を実行可能である、
ことを特徴とする遊技機である。
【0423】
この構成の遊技機によれば、入球容易状態が終了した時に保留されていた所定数目の抽選の結果に基づく変動演出の実行中に示唆演出が実行されると、その所定数目の抽選の結果が第1当たりの可能性があると把握させることで、遊技者を大きく落胆させることになる。しかしながら、示唆演出が実行された後に実行される特定の昇格演出によって、入球容易状態が終了した時に保留されていた所定数目の抽選の結果が第2当たりであるという希望を持たせることが可能となる。そのため、所定数目の抽選の結果が第1当たりではなく、第2当たりであって欲しいという遊技者の思いをかき立てることが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0424】
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、例えば特開2010−005367号公報に記載されているように、始動口への入球に基づいて大当たりであるかの判定が行われ、その判定の結果に基づいて、大当たり遊技が実行される。また、下記特許文献1に記載されているパチンコ遊技機には、大当たりとして、短大当たり(第1当たり)と、短大当たりよりも遊技者にとって有利な長大当たり(第2当たり)とが設けられている。特開2010−005367号公報に記載されているパチンコ遊技機のように、変動演出にて演出図柄を特定の組み合わせで停止表示させる(示唆演出)ことで、判定の結果が短大当たりであることを示唆することが可能なパチンコ遊技機がある。しかしながら、変動演出にて当たりか否かの抽選結果が第1当たりであることを示唆する示唆演出が実行されるだけでは、遊技者を単に落胆させるだけとなり、示唆演出が実行された後の変動演出を楽しむことが難しくなり、遊技興趣を高める点に改良の余地があった。上記した発明Aは、特開2010−005367号公報に記載の遊技機に対して、「変動演出の実行中に、抽選の結果が第1当たりであることを示唆する示唆演出を実行可能とし、示唆演出を実行した後に、抽選の結果が第2当たりであるか否かを報知する特定の昇格演出を実行可能である」という点で相違している。これにより、発明Aの発明は、「遊技興趣を高めることが可能となる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0425】
<手段B>
手段B1に係る発明は、
所定の条件(第1始動口20、または第2始動口21への遊技球の入賞)が成立することに基づいて、当たりか否かの抽選を行う遊技制御手段(主制御基板80)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(サブ制御基板90)と、
所定の表示部(画像表示装置7、図1図7参照)と、を備え、
前記当たりには、第1当たり(10R通常小当たり、図8参照)と、前記第1当たりよりも遊技者にとって有利な第2当たり(9R時短大当たり、10R時短小当たりC、図8参照)と、が設けられており、
前記演出制御手段は、
前記抽選の結果が当たりとなることを示唆する当たり示唆表示(第1Vアイコン画像AC1、第2Vアイコン画像AC2、図57(c)、図57(d)、図61(c)、図61(d)、図64(b)、図64(c)、図67(b)、図67(c)参照)を前記表示部に表示可能とし、
前記表示部に複数(2個、図57(c)、図57(d)、図61(c)、図61(d)参照)の前記当たり示唆表示を表示可能とし、
前記表示部に表示されている前記当たり示唆表示の数によって、前記抽選の結果が当たりとなる回数を示唆し、
前記抽選の結果が前記第2当たりであった場合に前記表示部に表示される前記当たり示唆表示(特図1の抽選結果が4R時短大当たりと10R時短小当たりBのいずれか、または特図2の抽選結果が9R時短大当たりと10R時短小当たりCのいずれかであった場合に、実行された大当たり遊技の終了後の時短状態での特図2の抽選結果に基づく変動演出の実行中に、画像表示装置7の表示画面7aに表示される第1Vアイコン画像AC1と第2Vアイコン画像AC2、図57(c)、図57(d)、図61(c)、図61(d)参照)の数は、前記抽選の結果が前記第1当たりであった場合に前記表示部に表示される前記当たり示唆表示(時短状態での特図2の抽選結果が10R通常小当たりであった場合に、実行された大当たり遊技の終了後に時短状態に移行されず、前回の時短状態において貯めた1つの第2特図保留に基づく抽選結果に基づく変動演出の実行中に画像表示装置7の表示画面7aに表示される、第1Vアイコン画像AC1、図64(b)、図64(c)、図67(b)、図67(c)参照)の数よりも多い、
ことを特徴とする遊技機である。
【0426】
この構成の遊技機によれば、表示部に表示される抽選の結果が当たりとなることを示唆する当たり示唆表示によって、遊技者に当たりとなることを把握させるとともに、当たり示唆表示の数によって、遊技者に当たりとなる回数も把握させることが可能となる。また、第1当たりよりも第2当たりの方が、表示部に表示される当たり示唆表示の数が多くなるため、当たり示唆表示の数によって、遊技者に第1当たり、又は第2当たりであったことも把握させることが可能となる。これにより、表示部に表示される当たり示唆表示によって、当たりとなること、当たりとなる回数、および当たりの種類といった情報を遊技者に把握させて遊技を楽しませることが可能となるため、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0427】
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記抽選の結果に基づいて、前記表示部にて演出図柄の変動表示を伴う変動演出を実行可能とし、
前記変動演出の実行中に、前記表示部にて前記当たり示唆表示を表示可能である(図57(c)、図57(d)、図61(c)、図61(d)、図64(b)、図64(c)、図67(b)、図67(c)参照)、
ことを特徴とする遊技機である。
【0428】
この構成の遊技機によれば、表示部にて演出図柄の変動表示を伴う変動演出の実行中に当たり示唆表示が表示される場合があるため、変動演出の実行中に遊技者に当たりとなることを把握させることが可能となる。また、変動演出の実行中に表示される当たり示唆表示の数によって、当たりとなる回数と抽選の結果が第1当たり、又は第2当たりであったことも把握させることが可能となる。これにより、当たり示唆表示によって、当たりとなること、当たりとなる回数、および当たりの種類といった情報を遊技者に把握させて、抽選の結果が気になる変動演出での遊技を楽しませることが可能となるため、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0429】
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記変動演出の実行中に前記演出図柄の変動表示を行う場合よりも、前記変動演出の実行中に前記演出図柄の変動表示を行わない場合のほうが、前記表示部にて前記当たり示唆表示を大きく表示する(表示サイズが大きい、図57(c)、図57(d)、図61(c)、図61(d)、図64(b)、図64(c)、図67(b)、図67(c)参照)、
ことを特徴とする遊技機である。
【0430】
この構成の遊技機によれば、変動演出の実行中に演出図柄の変動表示が行われていない場合には、演出図柄の変動表示が行われている場合と異なり、演出図柄の変動表示が行われていない。これにより、変動演出の実行中に演出図柄の変動表示が行われていない場合には、演出図柄の変動表示が行われている場合よりも当たり示唆表示が大きく表示されても、演出図柄の変動表示の邪魔にはならない。そのため、演出図柄の変動表示が行われていない場合に当たり示唆表示を大きく表示させて注目させることで、当たりとなること、当たりとなる回数、および当たりの種類といった情報を遊技者に把握させ易くすることが可能となる。
【0431】
手段B4に係る発明は、
手段B2または手段B3に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記変動演出の実行中に、特定のリーチ演出(バトルリーチ、ストーリーリーチ、共闘リーチ、図12図58図62図65図68参照)に発展可能とし、
前記変動演出の実行中に前記特定のリーチ演出に発展する前には、前記表示部にて前記当たり示唆表示を表示するが(図57(c)、図57(d)、図61(c)、図61(d)、図64(b)、図64(c)、図67(b)、図67(c)参照)、前記変動演出の実行中に発展した前記特定のリーチ演出では、前記表示部にて前記当たり示唆表示を表示しない(図58図62図65図68参照)、
ことを特徴とする遊技機である。
【0432】
この構成の遊技機によれば、変動演出の実行中に特定のリーチ演出に発展される前には表示部にて当たり示唆表示が表示されるが、変動演出の実行中に発展された特定のリーチ演出では表示部にて当たり示唆表示が表示されない。これにより、変動演出の実行中に特定のリーチ演出へと発展した場合には、当たり示唆表示によって、その特定のリーチ演出が視認困難とならないように防止することが可能となる。そのため、変動演出の実行中に発展した特定の昇格演出では、当たり示唆表示ではなく、特定のリーチ演出に遊技者を注目させて楽しませることが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0433】
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、例えば特開2010−005367号公報に記載されているように、始動口への入球に基づいて大当たりであるかの判定が行われ、その判定の結果に基づいて、大当たり遊技が実行される。特開2010−005367号公報に記載されているパチンコ遊技機では、大当たりであるか否かの判定の結果が大当たりである場合に、変動演出にて演出図柄を特定の組み合わせで停止表示されることで、その判定の結果が示唆されることになる。しかしながら、当たりとなることを示唆可能な遊技機は多数あるため、単に当たりとなることを示唆するだけでは、十分に遊技者を楽しませることができず、遊技興趣を高める点に改良の余地があった。上記した発明Bは、特開2010−005367号公報に記載の遊技機に対して、「演出制御手段は、抽選の結果が当たりとなることを示唆する当たり示唆表示を表示部に表示可能とし、表示部に複数の前記当たり示唆表示を表示可能とし、表示部に表示されている前記当たり示唆表示の数によって、前記抽選の結果が当たりとなる回数を示唆し、抽選の結果が第2当たりであった場合に表示部に表示される当たり示唆表示の数は、抽選の結果が第1当たりであった場合に表示部に表示される当たり示唆表示の数よりも多い」という点で相違している。これにより、発明Bの発明は、「遊技興趣を高めることが可能となる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【符号の説明】
【0434】
1…パチンコ遊技機
3…遊技領域
7…画像表示装置
20…第1始動口
21…第2始動口
22…電チュー
23…可動部材
35…第2大入賞口
36…第2大入賞装置
37…開閉部材
39…特定領域
80…主制御基板
81…遊技制御用マイコン
85b…第2特図保留記憶部
90…サブ制御基板
91…演出制御用マイコン
AC1…第1Vアイコン画像
AC2…第2Vアイコン画像
図1
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