特許第6985798号(P6985798)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 秋田 相互の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985798
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】頭髪処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/20 20060101AFI20211213BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   A61K8/20
   A61Q5/02
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-10599(P2017-10599)
(22)【出願日】2017年1月24日
(65)【公開番号】特開2018-118918(P2018-118918A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2020年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】596174019
【氏名又は名称】秋田 相互
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(72)【発明者】
【氏名】秋田 相互
【審査官】 山中 隆幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−025910(JP,A)
【文献】 特開2000−026252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーマネントあるいはカラーリングを施した後の頭髪の処理方法であって、
ブロム酸ナトリウムを水系の溶媒中に3質量%以上10質量%未満の割合で添加してなる頭髪処理剤を、パーマネントあるいはカラーリングした後に水のみで洗浄した頭髪に塗布し、その塗布後の頭髪を揉み合わせて頭髪の溶存酸素量を50ppm以下まで低減させた後に、頭髪を水で洗浄するブロム酸ナトリウム処理工程と、
前記ブロム酸ナトリウム処理工程後の頭髪に、非イオン界面活性剤を塗布し、その塗布後の頭髪を揉み合わせた後に、頭髪を水で洗浄する界面活性剤処理工程とを有することを特徴とする頭髪処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーマネントあるいはカラーリングをする際の頭髪や頭皮の損傷を防止するための頭髪処理剤および頭髪処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
頭髪にパーマネントを施すための所謂パーマ液は、ジアミン等の化学成分の作用により頭髪を還元させた後に酸化させることによって、頭髪にウェーブを付与したり、縮毛やくせ毛等を矯正したりするものであるため、頭髪のキューティクルの剥離、枝毛、切れ毛、折れ毛、ポーラス毛、炭化毛といった頭髪の損傷を招き易い。また、カラーリング剤(染毛剤)も、ジアミン等の化学成分の作用により頭髪中に色素前駆体を浸透させ、その色素前駆体を酸化・重合させることによって頭髪を発色させるものであるが、その化学的な作用によって、パーマ液と同様に、頭髪の損傷を招いてしまうことがある。加えて、それらのパーマ液、カラーリング剤とも、ジアミン等の強い化学的な作用によって、頭髪のみならず、アレルギーによる発疹等、頭皮へ悪影響を及ぼしてしまうことがある。
【0003】
それゆえ、パーマネントやカラーリングによって損傷した頭髪を修復するための修復剤が開発されており、特許文献1の如く、加水分解ケラチンおよびイノシットヘキサリン酸を含有したものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−267844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の如き頭髪修復剤は、損傷度合いが小さい場合には、ある程度の修復効果を発現するものの、損傷度合いが大きい場合は、十分な修復効果を発現することができない。また、特許文献1の如き頭髪修復剤は、パーマネントやカラーリングによる頭皮の損傷を効果的に防止することができない、という不具合がある。
【0006】
本発明の目的は、上記従来のパーマネントやカラーリングにおける問題点を解消し、パーマネントやカラーリング後の頭髪に塗布することによって、頭髪の損傷、皮膚への悪影響を効果的に抑制することが可能な頭髪処理剤を提供することにある。また、パーマネントやカラーリング後の頭髪の損傷、皮膚への悪影響を効果的に抑制することが可能な頭髪処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された発明は、パーマネントあるいはカラーリングを施した後の頭髪の処理方法であって、ブロム酸ナトリウムを水系の溶媒中に3質量%以上10質量%未満の割合で添加してなる頭髪処理剤を、パーマネントあるいはカラーリングした後に水のみで洗浄した頭髪に塗布し、その塗布後の頭髪を揉み合わせて頭髪の溶存酸素量を50ppm以下まで低減させた後に、頭髪を水で洗浄するブロム酸ナトリウム処理工程と、前記ブロム酸ナトリウム処理工程後の頭髪に、非イオン界面活性剤を塗布し、その塗布後の頭髪を揉み合わせた後に、頭髪を水で洗浄する界面活性剤処理工程とを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
パーマネントあるいはカラーリングを施した後に頭髪および頭皮に塗布してパーマ液あるいはカラーリング剤に含まれる酸性成分もしくはアルカリ成分を除去するための頭髪処理剤であって、ブロム酸ナトリウムが水系の溶媒中に3質量%以上10質量%未満の割合で添加されたものによれば、パーマネントあるいはカラーリング後の頭髪および頭皮に塗布するだけで、パーマ液あるいはカラーリング剤に含まれる酸性成分もしくはアルカリ成分を効率的に除去することができるので、パーマネントあるいはカラーリングによる頭髪や頭皮の損傷を低減することができる。
【0010】
請求項1に記載された頭髪処理方法によれば、パーマネントあるいはカラーリング後の頭髪から、パーマ液あるいはカラーリング剤に含まれる酸性成分もしくはアルカリ成分を効率的に除去することができるので、パーマネントあるいはカラーリングによる頭髪や頭皮の損傷を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る頭髪処理剤は、水系の溶媒中にブロム酸ナトリウムを添加してなるものである。ブロム酸ナトリウムは、ナトリウムの臭素酸塩であり、NaBrOの化学式で表されるものである。当該ブロム酸ナトリウムの添加量は、3質量%以上10質量%未満であることが必要である。ブロム酸ナトリウムの添加量が3質量%を下回ると、パーマネントあるいはカラーリング後の頭髪および頭皮に塗布した場合に、パーマ液あるいはカラーリング剤に含まれる酸性成分もしくはアルカリ成分を短時間の内に十分に除去できなくなるので好ましくなく、反対に、ブロム酸ナトリウムの添加量が10質量%を上回ると、不経済であるばかりでなく、パーマネントあるいはカラーリングの効果が損なわれる虞れがあるので好ましくない。なお、ブロム酸ナトリウムの添加量は、5質量%以上8質量%未満であるとより好ましい。
【0012】
また、本発明に係る頭髪処理剤は、溶媒が水系である必要があるが、必要に応じて、各種の界面活性剤、各種のアルコールや発酵アルコール、グリコール類(ブチルグリコール等)、植物から抽出したエキス、防腐剤、香料、粘度調整剤、PH調整剤等を添加することも可能である。さらに、頭髪処理剤には、必要に応じて、ヒアルロン酸(特に高分子ヒアルロン酸)等の保湿剤(水分調整剤)等を添加することも可能である。
【0013】
一方、本発明に係る頭髪処理方法は、以下の各処理工程を有していることが必要である。
1)パーマネントあるいはカラーリング後の頭髪にブロム酸ナトリウムを塗布し、その塗布後の頭髪を揉み合わせた後に、頭髪を水(あるいは湯)で洗浄するブロム酸ナトリウム処理工程、
2)ブロム酸ナトリウム処理工程後の頭髪に界面活性剤を塗布し、その塗布後の頭髪を揉み合わせた後に、頭髪を水(あるいは湯)で洗浄する界面活性剤処理工程
【0014】
なお、上記したブロム酸ナトリウム処理工程には、本発明に係る頭髪処理剤を好適に用いることができる。また、頭髪にパーマネントあるいはカラーリングを施した後には、上記したブロム酸ナトリウム処理工程、界面活性剤処理工程を繰り返して実施することも可能であるし、それらの工程の間に、頭髪を水(あるいは湯)のみで洗浄する水洗工程を介在させることも可能である。
【0015】
また、本発明に係る頭髪処理方法には、陰イオン系(アニオン系)界面活性剤、非イオン系(ノニオン系)界面活性剤、両性イオン界面活性剤、陽イオン系(カチオン系)界面活性剤等の各種のものを好適に用いることができるが、ラウリル硫酸、ラウレス硫酸、パレス−3硫酸等の硫酸系物質の塩(ナトリウム塩等)を含有したものを用いると、ブロム酸ナトリウムとの相互作用によって、パーマ液あるいはカラーリング剤に含まれる酸性成分もしくはアルカリ成分をより効率的に除去することが可能となるので好ましい。
【実施例】
【0016】
以下、実施例によって本発明に係る頭髪処理剤および頭髪処理方法について説明するが、本発明は、かかる実施例の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、実施例、比較例における特性の評価方法は以下の通りである。なお、下記の各官能評価においては、被験者3名分の各評価結果の平均的な段階(○,△,×)を最終的な評価結果とした。
【0017】
<溶存酸素量の測定>
カラーリングした後に頭髪処理剤によって処理する前後の頭髪を採取し、それらの頭髪を所定の温度(35℃)の水中(頭髪の水に対する重量比=5質量%)に浸漬させて約60分間に亘って放置した。しかる後、その頭髪を浸漬させた水中の溶存酸素量を、隔膜電極法を利用した溶存酸素計(東亜DDK株式会社製 COD(化学的酸素要求量)自動測定装置)によって測定し、その測定値を、カラーリング剤の酸性成分あるいはアルカリ成分の残存量の代替指標とした。
【0018】
<カラーリング状態>
被験者3名のカラーリング後の頭髪の状態を、美容師によって下記の3段階で官能評価した。
○:頭髪に染め斑がまったく認められない。
△:頭髪にわずかな染め斑が認められる。
×:頭髪に明確な染め斑が認められる。
【0019】
<頭髪の損傷度合い>
被験者3名のカラーリング後の頭髪の損傷状態を、美容師によって下記の4段階で官能評価した。
○:キューティクルの剥離、枝毛、切れ毛等の頭髪の損傷がほとんど見られず、頭髪に艶、ハリや潤いがある。
△:キューティクルの剥離、枝毛、切れ毛等の頭髪の損傷が散見され、頭髪に艶、ハリや潤いがあまりない。
×:キューティクルの剥離、枝毛、切れ毛等の頭髪の損傷が多数見られ、頭髪に艶、ハリや潤いがほとんどない。
【0020】
<皮膚の損傷状態>
被験者3名について、カラーリングした後に頭髪処理剤によって処理した後の皮膚の状態を、下記の3段階で官能評価した。
○:皮膚に紅斑等が全く見られない。
△:皮膚にわずかな紅斑が見られる。
×:皮膚に明確な紅斑が見られる。
【0021】
[実施例1]
<頭髪処理剤の調製>
下記の各成分を混合・攪拌することによって、頭髪処理剤Aを調製した。
・ブロム酸ナトリウム6質量%
・香料(オレンジ):0.05質量%
・界面活性剤(味の素(株)製 アミソフト(登録商標)(L−グルタミン酸およびヤシ油脂肪酸由来のアミノ酸系アニオン界面活性剤):4.0質量%
・精製水:残余量
【0022】
<頭髪のカラーリング>
市販のカラーリング剤(中野製薬株式会社製 キャラデコ サイセンカ(茶色))を、泡状に吐出して頭髪に付着させ、その付着部分で再度2秒間に亘って泡立てるという作業を繰り返しながら、頭髪全体に80gを付着させた。しかる後、再度頭髪全体での泡立て作業を15秒間行い、一定時間(20分間)放置した。
【0023】
<酸・アルカリ除去処理>
上記の如くカラーリングした頭髪を、水(35℃)のみで洗浄した後、その洗浄後の頭髪に、上記した頭髪処理剤を約20g塗布し、その塗布後の頭髪を3分間に亘って十分に揉み合わせた。しかる後、その頭髪を、再度、水(35℃)で洗浄した(すなわち、ブロム酸ナトリウム処理を施した)。さらに、そのブロム酸ナトリウム処理後の頭髪に、界面活性剤(川崎ファインケミカル株式会社製 アミゾール CDE)を約20g塗布し、その塗布後の頭髪を3分間に亘って十分に揉み合わせた。その後、その界面活性剤を塗布した頭髪を、水(35℃)で洗浄した(すなわち、界面活性剤処理を施した)。そして、上記と同様なブロム酸ナトリウム処理(頭髪処理剤の塗布+揉み合わせ+水洗い)および界面活性剤処理(界面活性剤の塗布+揉み合わせ+水洗い)を、3セット繰り返し行った後に、ドライヤーで約80℃の熱を加えて頭髪を乾燥させた。
【0024】
そして、上記した酸・アルカリ除去処理後の頭髪のカラーリング状態、頭髪の損傷度合い、皮膚の損傷状態を評価した。また、酸・アルカリ除去処理の前後の頭髪の溶存酸素量を測定した。評価結果および測定結果を頭髪の処理条件(酸・アルカリ除去条件)とともに表1に示す。
【0025】
[実施例2]
<頭髪処理剤の調製>
下記の各成分を混合・攪拌することによって、頭髪処理剤Bを調製した。
・ブロム酸ナトリウム4質量%
・香料(オレンジ):0.05質量%
・界面活性剤(実施例1と同じもの):4.0質量%
・精製水:残余量
【0026】
そして、実施例1と同様にカラーリングした頭髪に、頭髪処理剤Bを使用した以外は実施例1と同様にして、酸・アルカリ除去処理を施した(すなわち、ブロム酸ナトリウム処理および界面活性剤処理を繰り返して施した)。そして、その酸・アルカリ除去処理後の頭髪のカラーリング状態、頭髪の損傷度合い、皮膚の損傷状態を評価した。また、酸・アルカリ除去処理の前後の頭髪の溶存酸素量を測定した。評価結果および測定結果を頭髪の処理条件(酸・アルカリ除去条件)とともに表1に示す。
【0027】
[実施例3]
<頭髪処理剤の調製>
下記の各成分を混合・攪拌することによって、頭髪処理剤Cを調製した。
・ブロム酸ナトリウム2質量%
・香料(オレンジ):0.05質量%
・界面活性剤(実施例1と同じもの):4.0質量%
・精製水:残余量
【0028】
そして、実施例1と同様にカラーリングした頭髪に、頭髪処理剤Cを使用した以外は実施例1と同様にして、酸・アルカリ除去処理を施した(すなわち、ブロム酸ナトリウム処理および界面活性剤処理を繰り返して施した)。そして、その酸・アルカリ除去処理後の頭髪のカラーリング状態、頭髪の損傷度合い、皮膚の損傷状態を評価した。また、酸・アルカリ除去処理の前後の頭髪の溶存酸素量を測定した。評価結果および測定結果を頭髪の処理条件(酸・アルカリ除去条件)とともに表1に示す。
【0029】
[比較例1]
実施例1と同様にカラーリングした頭髪を、水(35℃)のみで洗浄した後、その洗浄後の頭髪に、実施例1と同様な界面活性剤を約20g塗布し、その塗布後の頭髪を3分間に亘って十分に揉み合わせた。その後、その界面活性剤を塗布した頭髪を、水(35℃)で洗浄した(すなわち、界面活性剤処理を施した)。そして、その界面活性剤処理(界面活性剤の塗布+揉み合わせ+水洗い)を、3セット繰り返し行った後に、ドライヤーで約80℃の熱を加えて頭髪を乾燥させた。そして、乾燥させた後の頭髪のカラーリング状態、頭髪の損傷度合い、皮膚の損傷状態を評価した。また、界面活性剤処理の前後の頭髪の溶存酸素量を測定した。評価結果および測定結果を頭髪の処理条件とともに表1に示す。
【0030】
[比較例2]
<頭髪処理剤の調製>
下記の各成分を混合・攪拌することによって、頭髪処理剤Dを調製した。
・ブロム酸ナトリウム2質量%
・香料(オレンジ):0.05質量%
・界面活性剤(実施例1と同じもの):4.0質量%
・精製水:残余量
【0031】
そして、実施例1と同様にカラーリングした頭髪に、頭髪処理剤Dを使用した以外は実施例1と同様にして、酸・アルカリ除去処理を施した(すなわち、ブロム酸ナトリウム処理および界面活性剤処理を繰り返して施した)。そして、その酸・アルカリ除去処理後の頭髪のカラーリング状態、頭髪の損傷度合い、皮膚の損傷状態を評価した。また、酸・アルカリ除去処理の前後の頭髪の溶存酸素量を測定した。評価結果および測定結果を頭髪の処理条件(酸・アルカリ除去条件)とともに表1に示す。
【0032】
[比較例3]
<頭髪処理剤の調製>
下記の各成分を混合・攪拌することによって、頭髪処理剤Eを調製した。
・ブロム酸ナトリウム13質量%
・香料(オレンジ):0.05質量%
・界面活性剤(実施例1と同じもの):4.0質量%
・精製水:残余量
【0033】
そして、実施例1と同様にカラーリングした頭髪に、頭髪処理剤Eを使用した以外は実施例1と同様にして、酸・アルカリ除去処理を施した(すなわち、ブロム酸ナトリウム処理および界面活性剤処理を繰り返して施した)。そして、その酸・アルカリ除去処理後の頭髪のカラーリング状態、頭髪の損傷度合い、皮膚の損傷状態を評価した。また、酸・アルカリ除去処理の前後の頭髪の溶存酸素量を測定した。評価結果および測定結果を頭髪の処理条件(酸・アルカリ除去条件)とともに表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
表1から、本発明に係る頭髪処理剤(A〜C)を用いて頭髪の酸・アルカリ除去処理を実施した場合は、頭皮に刺激を与えたり、頭髪を損傷させたりすることなく、良好なカラーリングを頭髪に施すことができることが分かる。また、カラーリング剤の酸性成分あるいはアルカリ成分が頭髪から効果的に除去されたことが推測される(溶存酸素量の低下が認められる)。一方、頭髪処理剤を用いることなく界面活性剤のみでカラーリング後の頭髪を洗浄した場合や、頭髪処理剤中のブロム酸の含有量が少ない場合(頭髪処理剤D)には、頭皮に刺激を与えたり、頭髪を損傷させたりすることが分かる。また、カラーリング剤の酸性成分あるいはアルカリ成分が頭髪から十分に除去されていないことが推測される(溶存酸素量の低下がほとんど認められない)。加えて、頭髪処理剤中のブロム酸の含有量が多すぎる場合(頭髪処理剤E)には、良好なカラーリング状態が得られないことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係る頭髪処理剤は、頭髪や頭皮に悪影響を与えることなく良好なパーマネントやカラーリングを施すことが可能な薬剤として、好適に用いることができる。また、本発明に係る頭髪の処理方法は、頭髪や頭皮に悪影響を与えることなく良好なパーマネントやカラーリングを施すことが可能な頭髪の処理方法として、好適に利用することができる。