特許第6985816号(P6985816)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6985816磁化曲線補間方法および磁界解析システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985816
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】磁化曲線補間方法および磁界解析システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/12 20060101AFI20211213BHJP
   G06F 17/17 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   G01R33/12 Z
   G06F17/17
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-95345(P2017-95345)
(22)【出願日】2017年5月12日
(65)【公開番号】特開2018-194302(P2018-194302A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】宮田 健治
【審査官】 島田 保
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−114387(JP,A)
【文献】 特開2002−204463(JP,A)
【文献】 特開昭61−097704(JP,A)
【文献】 特開2003−098241(JP,A)
【文献】 特開2009−236896(JP,A)
【文献】 特開2016−157174(JP,A)
【文献】 特開平05−244615(JP,A)
【文献】 特開平09−293092(JP,A)
【文献】 国際公開第96/18871(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/00−33/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁界と磁束密度との関係を示す磁化曲線のデータを計算機が補間する磁化曲線補間方法であって、前記計算機の処理装置は、前記磁化曲線における前記磁界と前記磁束密度のデータを取得し、前記磁界と前記磁束密度のデータから補間する区間の片側のデータ点における勾配を算出し、前記補間する区間の両端のデータ点における前記磁界と前記磁束密度のデータと、前記片側の点の勾配に基づいて、前記補間する区間の二次関数を特定し、前記二次関数に基づいて補間区間の磁化曲線のデータを補間する処理をする磁化曲線補間方法であって、
補間が完了した区間の右に隣接した区間の補間をする際には、既に補間した区間の右側データ点における二次関数の勾配を、補間する区間の左側データ点における勾配とすることで、右に隣接した区間の二次関数を特定し、
補間が完了した区間の左に隣接した区間の補間をする際には、既に補間した区間の左側データ点における二次関数の勾配を、補間する区間の右側データ点における勾配とすることで、左に隣接した区間の二次関数を特定することを特徴とする磁化曲線補間方法。
【請求項2】
請求項において、最左端の点から順に補間をする際には、最左端から3点を通る二次曲線の最左端の勾配を用いて最左端区間の二次関数を特定し、最右端の点から順に補間をする際には、最右端から3点を通る二次曲線の最右端の勾配を用いて最右端区間の二次関数を特定することを特徴とする磁化曲線補間方法。
【請求項3】
磁界と磁束密度との関係を示す磁化曲線のデータを計算機が補間する磁化曲線補間方法であって、前記計算機の処理装置は、前記磁化曲線における前記磁界と前記磁束密度のデータを取得し、前記磁界と前記磁束密度のデータから補間する区間の片側のデータ点における勾配を算出し、前記補間する区間の両端のデータ点における前記磁界と前記磁束密度のデータと、前記片側の点の勾配に基づいて、前記補間する区間の二次関数を特定し、前記二次関数に基づいて補間区間の磁化曲線のデータを補間する処理をする磁化曲線補間方法であって、
最左端とその右側のデータ点での勾配を、最左端3点のデータ点を通る二次曲線の各データ点での勾配とし、最右端とその左側のデータ点での勾配を、最右端3点のデータ点を通る二次曲線の各データ点での勾配とし、前記最左端とその右側のデータ点での勾配および最右端とその左側のデータ点での勾配以外のデータ点における勾配をアキマ法で決定しておき、各区間の片側データ点の勾配を用いて各区間の前記二次関数を形成することを特徴とする磁化曲線補間方法。
【請求項4】
請求項において、磁化曲線の磁束密度に関する微分曲線の区間における積分値が、当該区間における両側データ点の磁界強度の差分になるように、両側データ点の勾配を調整した値を当該区間の両側データ点における勾配とし、そのどちらか片側の勾配を用いることで二次関数を形成することを特徴とする磁化曲線補間方法。
【請求項5】
磁界と磁束密度との関係を示す磁化曲線のデータを計算機が補間する磁化曲線補間方法であって、前記計算機の処理装置は、前記磁化曲線における前記磁界と前記磁束密度のデータを取得し、前記磁界と前記磁束密度のデータから補間する区間の片側のデータ点における勾配を算出し、前記補間する区間の両端のデータ点における前記磁界と前記磁束密度のデータと、前記片側の点の勾配に基づいて、前記補間する区間の二次関数を特定し、前記二次関数に基づいて補間区間の磁化曲線のデータを補間する処理をし、
前記補間区間の次の区間を補間する場合に、前記磁化曲線における前記磁界と前記磁束密度のデータを取得し、補間する区間の片側の点における勾配を、前記磁界と前記磁束密度のデータから算出し、両端の点における前記磁界と前記磁束密度のデータと、前記片側の点の勾配に基づいて、前記次の区間の二次関数の係数を特定し、該係数を記録装置に記録し、
前記勾配は、前記片側の点を含む3つの磁界と磁束密度のデータから算出した勾配であり、次に補間する区間における勾配は、当該区間における片側点を含む3つの磁界と磁束密度のデータから算出した勾配として、順次区間ごとの勾配を算出することを特徴とする磁化曲線補間方法。
【請求項6】
磁界と磁束密度との関係を示す磁化曲線から磁界解析をする磁界解析システムであって、
磁界解析システムは、磁界と磁束密度のデータを入力する入力手段を備え、前記磁界解析システムの処理装置は、前記磁化曲線における前記磁界と前記磁束密度のデータを取得し、前記磁界と前記磁束密度のデータから補間する区間の片側の点における勾配を求め、前記補間する区間の両端の点における前記磁界と前記磁束密度のデータと、前記片側の点の勾配に基づいて、前記補間する区間の二次関数を特定し、前記二次関数に基づいて補間区間の磁化曲線のデータを補間する処理をし、前記補間したデータを用いて磁界解析をする磁界解析化システムであって、
補間が完了した区間の右に隣接した区間の補間をする際には、既に補間した区間の右側データ点における二次関数の勾配を、補間する区間の左側データ点における勾配とすることで、右に隣接した区間の二次関数を特定し、
補間が完了した区間の左に隣接した区間の補間をする際には、既に補間した区間の左側データ点における二次関数の勾配を、補間する区間の右側データ点における勾配とすることで、左に隣接した区間の二次関数を特定することを特徴とする磁界解析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、初期磁化曲線などの磁化曲線の補間をする技術に関する。特に、磁界解析に有用な磁化曲線を補間する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モータや発電機の電磁界解析において、磁性体の磁気特性データである初期磁化曲線を用いて非線形磁界解析を実施しているが、初期磁化曲線データは離散点であり、各データ点間の補間法が解析精度ならびに解析速度に影響を与える。初期磁化曲線データ点間の補間法としては、折線近似による一次補間(線形補間)やアキマ法を用いた三次補間が広く使われている。なお、スプライン関数による三次補間はアキマ法よりも歪みが大きいので避ける傾向にある。
【0003】
従来の代表的な初期磁化曲線補間法として、折線近似による一次補間は、特許文献1の0091−0092段落に記載してある。アキマ法を用いた三次補間は、非特許文献1に記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−114387号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Hiroshi Akima,“A new method of interpolation and smooth curve fitting based on local procedures”,J. ACM 17,4,pp.589−602(1970)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非線形磁界解析では標準的な高速解法としてニュートン・ラフソン法が用いられており,初期磁化曲線の勾配である微分透磁率曲線が重要になるが、折線表示では微分透磁率曲線は階段関数となり、高速解析の点で好ましくない。また、磁気特性が折線近似なので、解析精度も相対的に低下する。一方、アキマ法を用いた三次補間では、初期磁化曲線は部分的に不自然な歪みが見られる場合があり、微分透磁率曲線には波状的な歪みが発生し、実態と異なる補間になっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の好ましい例としては、磁界と磁束密度との関係を示す磁化曲線のデータを計算機が補間する磁化曲線補間方法であって、計算機の処理装置は、磁化曲線における前記磁界と前記磁束密度のデータを取得し、補間する区間の片側のデータ点における勾配を、磁界と磁束密度のデータから算出し、区間の両端のデータ点における磁界と磁束密度のデータと、片側の点の勾配に基づいて、補間区間の二次関数を特定し、二次関数に基づいて補間区間の磁化曲線のデータを補間する処理をすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来の一次補間や三次補間よりも歪みの少ないより実態に近い磁化曲線を記述でき、高速で高精度の磁界解析を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1におけるプロセスを示す図。
図2】実施例1の数値計算例としての初期磁化曲線を示す図。
図3】実施例1の数値計算例としての微分透磁率曲線を示す図。
図4】実施例3におけるアキマ法を説明するための図。
図5】実施例1から4を実現する解析システムの一例を説明する図。
図6図5の計算機1の構成の一例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を、図面を用いて、説明する。
【実施例1】
【0011】
図1を用いて本発明の実施例1を説明する。図1は二次補間のプロセスを示している。
図6は、二次補間のプロセスを実行する計算機1のブロック図を示す。計算機1は、CPU100、メモリ101、入力装置4に接続する入力インターフェース102、表示装置2または記録装置3に接続する出力インターフェース103からなる。それらは、電気的に接続されている。
【0012】
メモリ101には、補間前の初期磁化曲線データ10、曲線の各データにおける勾配を、他の曲線のデータから算出する勾配算出プログラム112と、算出した勾配のデータ、区間を構成する右と左の両端のデータから二次関数の係数を算出する二次関数係数算出プログラム113と、算出した係数で特定した二次関数を用いて、データ補間を実行するデータ補間プログラム114とを格納している。
【0013】
処理装置であるCPU100が、図1に示したような補間プロセス20を実行する。各データ点における勾配値を、その他のデータ点における値を基に決定するために、補間前の磁界と磁束密度からなる初期磁化曲線データ10に基づいて、データ点ごとの勾配の算出プログラム112を、CPU100がメモリ101から読み出してデータ点ごとの勾配の算出処理を実行する(以下、プログラムの実行などはCPUが実行するので、処理主体の記載は省略する)。次に、補間する各区間の二次関数の係数を算出する算出プログラム113を実行する。そして、算出した二次関数の係数を記録装置3に記憶する。二次係数から二次関数を取得し、取得した二次関数に基づいて解析対象区間のデータ補間のプログラム114を、CPU100が実行して実行結果を記録装置3に記憶する。
【0014】
補間前の初期磁化曲線データ10を用意し、計算機プロセス21において、各データ点における勾配値をその他のデータ点をもとに決定する。計算機プロセス22において、各区間(x≦x≦xn+1(1≦n≦N))の二次関数を記述する3個の係数を、左側データ6点(x=x)の勾配y´、あるいは右側データ点(x=xn+1)の勾配y´n+1を基に一義的に決定する。具体的には、左側データ点の勾配を用いた二次関数は、式1、式2のように表現できる。
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】
右側データ点の勾配を用いた二次関数は、式3、式4のように表現できる。
【0018】
【数3】
【0019】
【数4】
【0020】
これで二次補間処理が終了する。得られた各区間の二次補間を記述する3個の係数を記憶装置に記憶させる。前述した計算プロセスは、本実施例に限らず、全ての実施例に共通に実施するものである。
【0021】
例として電磁鋼板(厚み0.35mm)の初期磁化曲線データを補間した結果を図2および図3に示す。図2のX軸が磁束密度(B)で、Y軸が磁界(H)からなる初期磁化曲線に関しては、この例で差異が比較的顕著な1.5T以上の高磁場領域を示す。図3の微分曲線に関しては、微分磁気抵抗率(dH/dB))で表現すると対数目盛で表示しないと全体像がつかめないため、X軸がBでY軸がdB/dHの微分透磁率曲線で表した。
【0022】
本実施例によれば、二次補間することにより、初期磁化曲線の微分曲線は一次補間で連結されるため、初期磁化曲線ならびに微分曲線をより歪みや段差の少ない曲線で補間できるという効果がある。
【実施例2】
【0023】
前述の実施例1で示した図1の計算機プロセス21における各データ点における勾配値をその他のデータ点をもとに決定する方法の一実施例を示す。
【0024】
二次関数を磁束密度が低い区間(最左端区間)から順に形成していくことを前提とし、まず、最左端3点のデータ点(x,y)(x,y)(x,y)(y<y<y)を通る二次曲線を、式5、式6、式7のように形成する。
【0025】
【数5】
【0026】
【数6】
【0027】
【数7】
【0028】
この二次曲線の最左端の勾配は、式8で算出できる。
【0029】
【数8】
【0030】
式8とn=1とした式1、式2を用いることで、最左端区間の二次関数を形成する。次に、各区間において、二次関数の左側データ点の勾配を、既に得られている左側隣接区間の二次関数の右側データ点における勾配とすることで、各区間の二次関数を順次形成する。本実施例では、最左端3点のデータ点を用いて最左端の勾配を決定して、順次右方向に各区間の二次関数の係数を決定したが、最右端3点のデータ点を用いて最右端の勾配を決定して、順次、左方向に各区間の二次関数の係数を決定しても良い。
【0031】
本実施例によれば、全領域にわたってなめらか連続な各区間の二次補間が可能になる。
【0032】
別の実施例として、データ点(x=x)の勾配y´を両側データ点の値を用いて、式9,10および11で算出する。
【0033】
【数9】
【0034】
【数10】
【0035】
【数11】
【0036】
各区間の両側データ点の値ならびに左右どちらかのデータ点の勾配を用いて、各区間の二次曲線を算出する。
【0037】
本実施例によれば、近接しているデータ点の値のみで各区間の二次補間ができるため、当該区間から遠く離れたデータ点の値の影響を受けることなく、安定的に二次補間ができるという効果がある。
【実施例3】
【0038】
前述の実施例1で示した図1の計算機プロセス21における各データ点における勾配値をその他のデータ点をもとに決定する方法の別の実施例を示す。
【0039】
あらかじめ各データ点における勾配を近似的にアキマ法で求めておく。ここで、アキマ法について説明する。アキマ法で得られた各データ点での勾配を、以下、アキマ勾配と略記する。図4に隣接した5点のデータ点を示す。ここで、(xn, yn) はn番目のデータ点座標値である。また、n番目とn+1番目のデータ点で挟まれた区間の線形勾配を、式12とする。
【0040】
【数12】
【0041】
ここで便宜上、gn-2, gn-1, gn, gn+1を、g-2, g-1, g+1, g+2とおく。n番目のデータ点におけるアキマ勾配bは、図4に示した4個の線形勾配値を用いて、式13のように、各区間の線形勾配の加重平均で導出される。
【0042】
【数913】
【0043】
なお、式13から明らかなように、最左端とそのすぐ右側のデータ点、ならびに最右端とそのすぐ左側のデータ点での勾配はアキマ法では決定できない。そこで、最左端とそのすぐ右側のデータ点での勾配を、最左端3点のデータ点を通る二次曲線の各データ点での勾配とし、最右端とそのすぐ左側のデータ点での勾配を、最右端3点のデータ点を通る二次曲線の各データ点での勾配とする。
【0044】
以上の操作で、すべてのデータ点における勾配を決定しておく。次に、各区間の片側データ点の勾配を用いて、式1および式2あるいは式3および式4を用いて各区間の二次関数を形成する。
【0045】
本実施例によれば、前述の実施例と同様に,近接しているデータ点の値のみで各区間の二次補間ができるため、当該区間から遠く離れたデータ点の値の影響を受けることなく、安定的に二次補間ができるという効果がある。
【実施例4】
【0046】
前述の実施例1で示した図1の計算機プロセス21における各データ点における勾配値をその他のデータ点をもとに決定する方法の別の実施例を示す。
【0047】
あらかじめ各データ点における仮の勾配をアキマ法で求めておき、最左端とそのすぐ右側のデータ点での仮勾配を、最左端3点のデータ点を通る二次曲線の各データ点での勾配とし、最右端とそのすぐ左側のデータ点での仮の勾配を、最右端3点のデータ点を通る二次曲線の各データ点での勾配とすることで、全データ点における仮の勾配を決定しておく。初期磁化曲線の磁束密度に関する微分曲線の当該区間における積分値が、当該区間における両側データ点の磁界強度の増分になるように、当該区間における両側データ点の勾配を微調整する。
【0048】
その補正法のうち、最も単純な方法は、当該区間における両側データ点の仮勾配bn1およびbn2に同一の補正量Δbを施し、それを当該区間における両側データ点の最終勾配bn1およびbn2とする。ここに、補正量Δbは、式14となる。
【0049】
【数14】
【0050】
補正量Δbは両側データ点で異なるように設定しても良い。こうして、全区間の両側データ点における勾配が決定したので、各区間のどちらか片側の勾配を用いることで、実施例1と同様の処理で各区間の二次関数を形成できる。
【0051】
本実施例によれば、安定的に二次補間できるばかりでなく、初期磁化曲線ならびに微分曲線をより歪みや段差の少ない曲線で補間できるという効果がある。
【実施例5】
【0052】
本発明の実施例1から実施例4を実現する解析システムの一例を図5に示す。本解析システムは、計算機1、表示装置2、記録装置3、および入力装置4から構成される。図5では、記録装置3は、明示するために計算機1の外に出しているが、計算機1の内部に設置しても良い。計算機1には、上記に示した実施例のうち、少なくともいずれか1つのアルゴリズムに基づくプログラムが格納されているものとする。
【0053】
入力装置4は、例えばキーボードやマウスであり、補間前の初期磁化曲線データなど解析に必要な入力データの計算機1への入力、入力データを保存したデータファイルの読み書きの指定、計算の実行などに使用する。入力データを入力後、格納されているプログラムに従い、計算機1が入力データの読み取りや磁場計算などの演算処理を実行する。計算結果は、表示装置2に表示するとともに、データファイルとして記録装置3に記録する。得られた計算結果の一部を表示したり記録したりしてもよい。
【0054】
磁界解析を実施40する際には、上記の実施例に示したように、二次係数を算出して補間する区間の二次関数を取得し、取得した二次関数に基づいて解析対象区間のデータ補間のプログラム114を、CPU100が実行して実行結果を記録装置3に記憶する。補間した初期磁化曲線や微分透磁率曲線のデータを使い、磁界解析を実行する。磁界解析結果はモニタなどの表示装置2に表示する。
【0055】
本実施例によれば、歪のない初期磁化曲線や微分透磁率曲線を得ることができるため、解析速度を高めることができるとともに、解析精度を高くすることができるという効果がある。また、本実施例は、電流、電圧、トルクといった物理量の波形データを補間する物理波形の補間方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1…計算機、2…表示装置、3…記録装置、4…入力装置、10…初期磁化曲線データ、100…CPU、101…メモリ、102…入力インターフェース、103…出力インターフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6