特許第6985818号(P6985818)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985818
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】塵芥収集車
(51)【国際特許分類】
   B65F 3/20 20060101AFI20211213BHJP
   B65F 3/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   B65F3/20 B
   B65F3/00 C
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-99825(P2017-99825)
(22)【出願日】2017年5月19日
(65)【公開番号】特開2018-193211(P2018-193211A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 裕起
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−099489(JP,A)
【文献】 実開昭58−045129(JP,U)
【文献】 実開昭55−081502(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 3/00−3/28
B60P 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵芥収容箱と、前記塵芥収容箱の後方に配置されるとともに塵芥が投入される投入口を後面に有する塵芥投入箱と、前記塵芥投入箱内に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に積み込み可能な積込装置と、を備え、
前記積込装置は、前記塵芥投入箱の側壁に設けられた上下方向に延びるガイドレールに沿って移動可能なスライダと、前記スライダの下端部に回動可能に軸支された押込板と、を有する、塵芥収集車であって、
前記ガイドレールは、前記積込装置から作用する力によって後側へ撓むガイド部を有し、
前記側壁は、前記ガイド部の後面に接触して接続されている接続部と、前記接続部から前記ガイド部の後方側に延びる後側壁部と、を有し、
前記後側壁部には、前記ガイドレールの撓みを吸収するように弾性変形する曲げ部が形成されていて、
前記曲げ部は、前記ガイド部の後面に対して垂直な方向とは異なる方向に前記接続部から延びた部分を有する、塵芥収集車。
【請求項2】
前記後側壁部の外側には、前記スライダを前記押込板と共に上下移動させるプッシュシリンダが配置されており、
前記曲げ部は、前記後側壁部を内側へ曲げて形成されている、請求項1に記載の塵芥収集車。
【請求項3】
前記曲げ部は、前記後側壁部を折り曲げて形成されており、複数の折れ線を有する、請求項1又は2に記載の塵芥収集車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥収集車に関する。
【背景技術】
【0002】
塵芥収集車の後部の塵芥投入箱内には、投入された塵芥を塵芥収容箱に積み込むための積込装置が設けられている。一般的に前記積込装置にはプレス式と回転板式とがあるが、このうちプレス式の積込装置を用いた塵芥収集車として、例えば特許文献1に記載のものがある。
【0003】
特許文献1に記載された塵芥収集車の積込装置は、塵芥投入箱の側壁に設けられたガイドレールに沿って斜め上下移動可能なスライダと、スライダの下端部に回動可能に設けられた押込板とを有している。スライダには、ガイドレールに沿って移動可能な上下一対のローラが取り付けられている。
【0004】
スライダ及び押込板はプッシュシリンダの伸縮動作によって斜め上下移動し、押込板はプレスシリンダの伸縮動作によって回動する。そして、プッシュシリンダ及びプレスシリンダを交互に動作させると、押込板は、反転、一次圧縮、二次圧縮、押込みの各動作を順次行う。これにより、塵芥投入箱に投入された塵芥を塵芥収容箱に積み込むことができる。
【0005】
図7(a)に示すように、特許文献1に記載されたガイドレール110は、塵芥投入箱の内側(図中の上側)に向かって開口するように断面コ字形状に形成されており、前後方向に対向するガイド部111,112により各ローラ120を案内するようになっている。後側のガイド部112には、塵芥投入箱の側壁101が接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4560470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の塵芥収集車では、押込板をスライダと共に斜め上移動させて塵芥を押込む際に、ガイドレール110に積込装置からの反力(特に下側のローラ120からの反力)が作用することで、ガイドレール110の後側のガイド部112が、図7(b)に示すように、ガイドレール110の開口を開くように後側に撓む場合がある。このような撓みが発生すると、側壁101が塑性変形して亀裂が生じるという問題があった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、積込装置からの反力によって塵芥投入箱の側壁が塑性変形するのを抑制できる塵芥収集車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の塵芥収集車は、塵芥収容箱と、前記塵芥収容箱の後方に配置されるとともに塵芥が投入される投入口を後面に有する塵芥投入箱と、前記塵芥投入箱内に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に積み込み可能な積込装置と、を備え、前記積込装置は、前記塵芥投入箱の側壁に設けられた上下方向に延びるガイドレールに沿って移動可能なスライダと、前記スライダの下端部に回動可能に軸支された押込板と、を有する、塵芥収集車であって、前記側壁は、前記ガイドレールに接触して接続されている接続部と、前記接続部から前記ガイドレールの後方側に延びる後側壁部と、を有し、前記後側壁部には、前記ガイドレールの撓みを吸収するように弾性変形する曲げ部が形成されている。
【0010】
本発明によれば、塵芥投入箱の側壁には、ガイドレールの後方側に延びる後側壁部に、ガイドレールの撓みを吸収するように弾性変形する曲げ部が形成されているので、積込装置からの反力によりガイドレールに撓みが発生しても、後側壁部の曲げ部が弾性変形することによって前記撓みを吸収することができる。これにより、積込装置からの反力によって塵芥投入箱の側壁が塑性変形するのを抑制することができる。
【0011】
(2)前記後側壁部の外側には、前記スライダを前記押込板と共に上下移動させるプッシュシリンダが配置されており、前記曲げ部は、前記後側壁部を内側へ曲げて形成されているのが好ましい。
この場合、曲げ部は、後側壁部を、プッシュシリンダが配置された外側と反対側になる内側に曲げて形成されているので、曲げ部とプッシュシリンダとが干渉するのを防止することができる。
【0012】
(3)前記曲げ部は、前記後側壁部を折り曲げて形成されており、複数の折れ線を有するのが好ましい。
この場合、ガイドレールから曲げ部に加わる外力を各折れ線によって分散させることができる。これにより、塵芥投入箱の側壁が塑性変形するのをさらに抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、積込装置からの反力によって塵芥投入箱の側壁が塑性変形するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る塵芥収集車の側断面図である。
図2】塵芥投入箱の側壁を外側から見た正面図である。
図3図2のA−A矢視断面図である。
図4】曲げ部が弾性変形した状態を示す断面図である。
図5】曲げ部の変形例を示す断面図である。
図6】曲げ部の他の変形例を示す断面図である。
図7】従来の塵芥収集車における塵芥投入箱の側壁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
[全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る塵芥収集車の後部を示す側断面図である。以下、塵芥収集車の前後方向を「前後方向」といい、塵芥収集車を前方または後方から見た左右方向を「幅方向」という。本実施形態の塵芥収集車1は、車体1a上に搭載された塵芥収容箱2と、塵芥収容箱2の後方に配置して連設された塵芥投入箱3とを備えている。
【0016】
塵芥投入箱3の前面には、塵芥を塵芥収容箱2内に積み込むための開口部3aが形成されている。塵芥投入箱3の後面には、塵芥が投入される投入口3bが形成されており、この投入口3bに対して上下にスライドして当該投入口3bを開閉する開閉蓋3cが設けられている。
【0017】
塵芥投入箱3は、上部に設けられた支点Pを中心に上下方向に回動可能であり、これによって塵芥収容箱2に対しての開閉動作が可能である。すなわち、塵芥投入箱3は、図1に示す位置で塵芥収容箱2の後部開口を閉鎖し、図示しない上方へ回動した位置で前記後部開口を開放して塵芥収容箱2内の塵芥を排出することができる状態となる。
【0018】
塵芥投入箱3内には、投入口3bから投入された塵芥を塵芥収容箱2に積み込み可能な積込装置Tが設けられている。積込装置Tは、塵芥の積込動作に圧縮行程を有するプレス式であり、スライダ5と、このスライダ5の下端部にピン6を介して回動可能に取り付けられている押込板7とを有している。
【0019】
塵芥投入箱3の左右の側壁31には、前方上部から後方下部まで真っすぐに延びるガイドレール4がそれぞれ設けられている。スライダ5の左右それぞれには、上下一対のローラ10が回転可能に取り付けられており、これらのローラ10は、ガイドレール4内に設けられ、ガイドレール4に沿って斜め上下に移動可能である。これにより、スライダ5は、ガイドレール4に沿って斜め上下に移動するようになっている。
【0020】
スライダ5は、ガイドレール4に沿って延びる左右一対の側面部材5aと、これらの間で幅方向に延びるプレート等(図示省略)とを有し、これらが接続されて一体化されたものである。押込板7もまた、左右一対の側面部材7aと、これらの間で幅方向に延びるプレート等(図示せず)とを有し、これらが接続されて一体化されたものである。
【0021】
塵芥投入箱3の両側壁31には、左右一対のプッシュシリンダ8の下端部がピン11によりそれぞれ取り付けられている。プッシュシリンダ8のロッド先端部は、ピン12によりスライダ5の側面部材5aの上端部に接続されている。また、押込板7には、左右一対のプレスシリンダ9の下端部がピン13により接続されている。プレスシリンダ9のロッド先端部は、前記ピン12によりスライダ5の側面部材5aの上端部に接続されている。
【0022】
したがって、スライダ5は、プッシュシリンダ8の伸長動作により押込板7とともに斜め前方に上昇し、プッシュシリンダ8の収縮動作により斜め後方に下降する。また、押込板7は、プレスシリンダ9の伸長動作によりピン6を中心として図1の時計回り方向に回動し、プレスシリンダ9の収縮動作によりピン6を中心として図1の反時計回り方向に回動する。
【0023】
積込装置Tは、以下のように動作する。まず、図1の状態から、プレスシリンダ9の収縮動作により押込板7を反時計回り方向に回動させ、押込板7を反転させる(反転工程)。次に、プッシュシリンダ8の収縮動作によりスライダ5と押込板7とを共に斜め後方に下降させ、投入口3bから投入された塵芥を圧縮する(一次圧縮工程)。そして、プレスシリンダ9の伸長動作により押込板7を時計回り方向に回動させ二次圧縮を行う(二次圧縮工程)。
【0024】
次に、プッシュシリンダ8の伸長動作によりスライダ5と押込板7とを斜め前方に上昇させ、圧縮した塵芥を塵芥収容箱2側へ押し込む(図1の二点鎖線で示した状態から実線で示した状態へ移動させる押込工程)。このように、積込装置Tは、順に反転工程、一次圧縮工程、二次圧縮工程、及び押込工程を1サイクルとして行い、塵芥投入箱3に投入された塵芥を前記開口部3aを通じて塵芥収容箱2に積み込む動作を行うことができる。
【0025】
[塵芥投入箱のガイドレール付近の構成]
図2は、塵芥投入箱3の側壁31を外側から見た正面図である。図3は、図2のA−A矢視断面図である。図2及び図3において、ガイドレール4は、塵芥投入箱3の内側に向かって開口するように断面コ字形状に形成されており、前後方向に対向するガイド部4a,4bを有している。ガイドレール4は、これらのガイド部4a,4bによってローラ10の移動を案内するようになっている。
【0026】
塵芥投入箱3の各側壁31は、前側のガイド部4aに接触して接続されている第1の接続部31aと、この第1の接続部31aからガイド部4aの前方側に延びる前側壁部31bとを有している。また、各側壁31は、後側のガイド部4bに接触して接続されている第2の接続部31cと、この第2の接続部31cからガイド部4bの後方側に延びる後側壁部31dとを有している。
【0027】
後側壁部31dの前端部の上側には、切欠溝31eが形成されている。この切欠溝31eには、上記ピン12が貫通して配置されている。これにより、ピン12がスライダ5と共に斜め上下移動するときに、切欠溝31eによってピン12と側壁31とが干渉するのを防止している。以下において、後側壁部31dの「内側」とは、塵芥投入箱3の幅方向の内側(積込装置T側)を意味し、後側壁部31dの「外側」とは、塵芥投入箱3の幅方向の外側を意味する。
【0028】
後側壁部31dの外側には、プッシュシリンダ8が第2の接続部31c及び後側壁部31dに近接して配置されている。また、後側壁部31dの外側には、プッシュシリンダ8よりも後方において、後側壁部31dを補強するスチフナ32が設けられている。スチフナ32は、断面チャンネル形状に形成されており、ガイドレール4と平行に配置されている。
【0029】
[後側壁部の曲げ部]
塵芥収集車1では、押込板7をスライダ5と共に斜め上移動させて塵芥を押込む押込工程において、ガイドレール4に積込装置Tからの反力(特に下側のローラ10からの反力)が作用する。このため、図4に示すように、ガイドレール4の後側のガイド部4bは、ガイドレール4の開口を開くように後側に撓む場合がある。
【0030】
図3及び図4に示すように、後側壁部31dのガイド部4b側の端部には、ガイド部4bが上記のように撓んだときに、その撓みを吸収するように弾性変形する曲げ部31fが形成されている。曲げ部31fは、第2の接続部31cとスチフナ32との間に形成されている。本実施形態の曲げ部31fは、ガイド部4bが撓む前の状態(図3の状態)において、後側壁部31dを内側へ山形に折り曲げて形成されており、複数(ここでは2つ)の折れ線31f1,31f2を有している。ここで、本発明における「曲げ部」とは、後側壁部において、ガイドレールに接触して接続されている接続部との接続端から、最も後側に位置する折れ線に至って形成されたものを意味する。したがって、本実施形態の曲げ部31fは、後側壁部31dにおいて、第2の接続部31cとの接続端から折れ線31f2に至って形成されたものである。
【0031】
図2に示すように、各折れ線31f1,31f2は、後側壁部31dの前端部における下端から切欠溝31eまで延びて形成されている。また、各折れ線31f1,31f2は、互いに平行に形成されており、且つガイド部4bと平行に形成されている。これにより、曲げ部31fは、各折れ線31f1,31f2でそれぞれ折れ曲がり易くなっている。
【0032】
したがって、ガイド部4bが後側に撓むと、曲げ部31fが、図4に示すように、各折れ線31f1,31f2で折れ曲がるとともに、前記接続端と折れ線31f1との間の直線部分、及び両折れ線31f1,31f2の間の直線部分でそれぞれ湾曲するように弾性変形する。このように、曲げ部31f全体が弾性変形することで、ガイド部4bの撓みを吸収することができる。前記接続端から最後の折れ線31f2までの間にガイド部4bの後面と垂直な方向(ガイド部4bが後側に開き始めるときの力の方向)とは異なる方向に延びた部分(前記接続端と折れ線31f1との間の直線部分)を曲げ部31fが有するためである。なお、図2に示すように、後側壁部31dには、曲げ部31fを折り曲げ形成することによって当該曲げ部31fの下方に生じた隙間を遮蔽するための遮蔽板33が設けられている。
【0033】
以上、本実施形態の塵芥収集車1によれば、塵芥投入箱3の後側壁部31dには、ガイドレール4の後方側に延びる後側壁部31dに、ガイドレール4(ガイド部4b)の撓みを吸収するように弾性変形する曲げ部31fが形成されている。これにより、積込装置Tからの反力によりガイドレール4に撓みが発生しても、後側壁部31dの曲げ部31f全体が弾性変形することによって前記撓みを吸収することができる。その結果、積込装置Tからの反力によって塵芥投入箱3の側壁31が塑性変形するのを抑制することができる。
【0034】
また、曲げ部31fは、後側壁部31dを、プッシュシリンダ8が配置された外側と反対側になる内側に曲げて形成されているので、曲げ部31fとプッシュシリンダ8とが干渉するのを防止することができる。
【0035】
また、曲げ部31fは、複数の折れ線31f1,31f2を有しているので、ガイドレール4から曲げ部31fに加わる外力を各折れ線31f1,31f2によって分散させることができる。これにより、側壁31が塑性変形するのを効果的に抑制することができる。
【0036】
[変形例]
図5は、曲げ部の変形例を示す断面図である。本変形例の曲げ部31f’は、後側壁部31dを内側へ直線状に折り曲げて形成されており、1つの折れ線31f1’のみを有している。すなわち、本変形例の曲げ部31f’は、後側壁部31dにおいて、第2の接続部31cとの接続端から折れ線31f1’ に至って形成されたものである。これにより、ガイド部4bが後側に撓むと、曲げ部31fが、折れ線31f1’で折れ曲がるとともに、前記接続端と折れ線31f1’との間の直線部分で湾曲するように折れ曲がるように弾性変形することで、ガイド部4bの撓みを吸収することができる。前記接続端から最後の折れ線31f1’までの間にガイド部4bの後面と垂直な方向(ガイド部4bが後側に開き始めるときの力の方向)とは異なる方向に延びた部分(前記接続端と折れ線31f1’との間の直線部分)を曲げ部31fが有するためである。
【0037】
図6は、曲げ部の他の変形例を示す断面図である。本変形例の曲げ部31f”は、後側壁部31dを内側へ円弧状に湾曲させて形成されており、1つの折れ線31f1”のみを有している。すなわち、本変形例の曲げ部31f”は、後側壁部31dにおいて、第2の接続部31cとの接続端から折れ線31f1”に至って形成されたものである。これにより、ガイド部4bが後側に撓むと、曲げ部31fが、折れ線31f1”で折れ曲がるとともに、前記接続端と折れ線31f1”との間の円弧部分でさらに湾曲するように弾性変形することで、ガイド部4bの撓みを吸収することができる。前記接続端から最後の折れ線31f1”までの間にガイド部4bの後面と垂直な方向(ガイド部4bが後側に開き始めるときの力の方向)とは異なる方向に延びた部分(前記接続端と折れ線31f1”との間の円弧部分)を曲げ部31fが有するためである。
【0038】
以上、図5及び図6の変形例においても、後側壁部31dの曲げ部31f’,31f”全体が弾性変形することによって、ガイドレール4の撓みを吸収することができるので、積込装置Tからの反力によって塵芥投入箱3の側壁31が塑性変形するのを抑制することができる。
【0039】
[その他]
本実施形態では、後側壁部31dを内側に曲げることによって曲げ部31f(31f’,31f”)を形成しているが、後側壁部31dを外側に曲げることによって曲げ部31f(31f’,31f”)が形成してもよい。また、本実施形態の曲げ部31f(又は31f’,31f”)は、2つ(又は1つ)の折れ線を有しているが、3つ以上の折れ線を有していてもよい。また、本実施形態のスライダ5は、ローラ10を介してガイドレール4に沿って移動可能であるが、ローラ10以外の部材(例えば、ガイドレール4に対して摺接する摺接部材)を介して移動可能としてもよい。
【0040】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0041】
1 塵芥収集車
2 塵芥収容箱
3 塵芥投入箱
3b 投入口
4 ガイドレール
5 スライダ
7 押込板
8 プッシュシリンダ
31 側壁
31c 第2の接続部(接続部)
31d 後側壁部
31f 曲げ部
31f1 折れ線
31f2 折れ線
T 積込装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7