特許第6985822号(P6985822)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985822
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】電気装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/00 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   H05K7/00 M
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-114226(P2017-114226)
(22)【出願日】2017年6月9日
(65)【公開番号】特開2018-207065(P2018-207065A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2020年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田頭 毅
(72)【発明者】
【氏名】加藤 智紀
【審査官】 柴垣 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−064973(JP,A)
【文献】 特開2009−043600(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3134437(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品を収容する本体と、
前記本体の開放部を覆う蓋と、
前記本体に設けられ、前記開放部から窪み且つ前記電気部品のケーブルが嵌る第1溝が形成され且つ弾性部材から成る第1シール部と、
前記蓋に設けられ、前記第1溝に対向し且つ前記ケーブルが嵌る第2溝が形成され且つ弾性部材から成る第2シール部と、
前記第1溝を取り囲む第1外側溝が形成され、前記第1シール部よりも外側に積層され且つ前記第1シール部よりも硬い第1外側支持部と、
前記第2溝を取り囲む第2外側溝が形成され、前記第2シール部よりも外側に積層され且つ前記第2シール部よりも硬い第2外側支持部と、を備え、
前記第1シール部は、前記第1外側支持部よりも、前記第1溝が窪む方向とは反対側に突出し、前記第2シール部は、前記第2外側支持部よりも、前記第2溝が窪む方向とは反対側に突出し、
前記開放部が前記蓋により覆われたとき、前記第1外側支持部及び前記第2外側支持部が互いに当接し、前記第1シール部及び前記第2シール部が互いに圧縮され、
前記本体及び前記蓋により形成される筐体には、前記筐体の中から外へ延びる前記電気部品の前記ケーブルが通り、且つ、前記第1溝及び前記第2溝に対応する挿通部が設けられている、電気装置。
【請求項2】
前記挿通部は、前記本体と前記開放部を覆った前記蓋とにより形成される、請求項1に記載の電気装置。
【請求項3】
前記第1溝は、中心角が180度よりも大きく且つ半径が前記ケーブルの半径よりも小さい円弧状に形成されている、請求項1又は2に記載の電気装置。
【請求項4】
互いに圧縮された前記第1シール部及び前記第2シール部により前記第1溝及び前記第2溝は円形状を形成する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気装置。
【請求項5】
前記第1溝を取り囲む第1内側溝が形成され、前記第1シール部よりも内側に積層され且つ前記第1シール部よりも硬い第1内側支持部と、
前記第2溝を取り囲む第2内側溝が形成され、前記第2シール部よりも内側に積層され且つ前記第2シール部よりも硬い第2内側支持部と、をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気装置。
【請求項6】
前記開放部は、前記第1溝が延びる方向、及び、前記第1溝が窪む方向と反対の前記第1溝が開口する方向に開放されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の電気装置。
【請求項7】
複数の前記第1溝が前記本体と前記蓋との境界に沿って1つの前記第1シール部に並んで設けられ、複数の前記第2溝が前記第1溝に対向し且つ前記第2シール部に並んで設けられている、請求項1〜のいずれか一項に記載の電気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気装置に関し、例えば、ケーブルが接続された電気部品を収容する筐体を備えた電気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルが接続された電気部品を収容する筐体を備えた電気装置において密閉性を確保するものとして、例えば、特許文献1に示す電子機器収容ラックが知られている。この電子機器収容ラックでは、ラック本体の内から外へケーブルを引き出すためのスリットが、弾性材料からなる板状の蓋に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−153591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ラック等に予め取り付けられた電子機器にケーブルを接続する場合、一端に電子機器に接続するためのコネクタが設けられ、他端に外部電源に接続するためのコネクタが設けられたケーブルを用いる。この場合、上記特許文献1に示す電子機器収容ラックでは、ケーブルを蓋のスリットに挿入して引き出すため、ケーブルよりも大きなコネクタを通すための大きなスリットを蓋に設ける必要があり、密閉性を確保することが容易ではない。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、密閉性を容易に確保することができる電気装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に係る電気装置は、電気部品を収容する本体と、前記本体の開放部を覆う蓋と、前記本体に設けられた第1シール部と、前記蓋に設けられた第2シール部と、を備え、前記開放部から窪み且つ前記電気部品のケーブルが嵌る第1溝が前記第1シール部に形成され、前記第1溝に対向し且つ前記ケーブルが嵌る第2溝が前記第2シール部に形成され、前記本体及び前記蓋により形成される筐体には、前記筐体の中から外へ延びる前記電気部品の前記ケーブルが通り、且つ、前記第1溝及び前記第2溝に対応する挿通部が設けられている。
【0007】
電気装置では、前記挿通部は、前記本体と前記開放部を覆った前記蓋とにより形成されてもよい。
【0008】
電気装置では、前記第1溝は、中心角が180度よりも大きく且つ半径が前記ケーブルの半径よりも小さい円弧状に形成されていてもよい。
【0009】
電気装置では、前記第1シール部及び前記第2シール部は、弾性部材から成り、前記開放部が前記蓋により覆われたときに互いに圧縮されていてもよい。
【0010】
電気装置では、互いに圧縮された前記第1シール部及び前記第2シール部により前記第1溝及び前記第2溝は円形状を形成してもよい。
【0011】
電気装置では、前記第1溝を取り囲む第1外側溝が形成され、前記第1シール部よりも外側に積層され且つ前記第1シール部よりも硬い第1外側支持部と、前記第2溝を取り囲む第2外側溝が形成され、前記第2シール部よりも外側に積層され且つ前記第2シール部よりも硬い第2外側支持部と、をさらに備えていてもよい。
【0012】
電気装置では、前記第1溝を取り囲む第1内側溝が形成され、前記第1シール部よりも内側に積層され且つ前記第1シール部よりも硬い第1内側支持部と、前記第2溝を取り囲む第2内側溝が形成され、前記第2シール部よりも内側に積層され且つ前記第2シール部よりも硬い第2内側支持部と、をさらに備えていてもよい。
【0013】
電気装置では、前記開放部は、前記第1溝が延びる方向、及び、前記第1溝が窪む方向と反対の前記第1溝が開口する方向に開放されていてもよい。
【0014】
電気装置では、複数の前記第1溝が前記本体と前記蓋との境界に沿って1つの前記第1シール部に並んで設けられ、複数の前記第2溝が前記第1溝に対向し且つ前記第2シール部に並んで設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上に説明した構成を有し、密閉性を容易に確保することができる電気装置を提供することができるという効果を奏する。
【0016】
本発明の上記目的、他の目的、特徴及び利点は、添付図面を参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係る電気装置を示す斜視図である。
図2図1の電気装置の断面図である。
図3図1の本体に第1カバー、第2カバー及び第3カバーを取り付けた電気装置の断面図である。
図4図3の第3aカバー部分を取り外した電気装置の断面図である。
図5図4の電気装置を後側から視た図である。
図6図3の電気装置を後側から視た図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、各図において上、下、左、右、前、後の各方向を規定しているが、電気装置の方向はこれに限定されない。
【0019】
実施の形態に係る電気装置10の構成について、図1図2を参照して説明する。電気装置10は、電気部品を収容するケース20を備えている。ケース20は、例えば、鉄よりも熱伝導率が良い材料により形成されており、この材料としては例えば、アルミニウム等の金属が挙げられる。ケース20は、内部空間を有するケース20であって、例えば、直方体形状である。ケース20は、前壁21、下壁22、後壁23、上壁24、左壁25及び右壁26を有している。
【0020】
ケース20には、複数の第1通気孔32が設けられている。また、ケース20内に、複数の第1ファン33が設けられており、左右方向に間隔を空けて配置されている。第1ファン33は、前壁21の第1通気孔32の近傍に対向して設けられ、前方から後方への平面視において第1通気孔32に重なる位置に配置されている。これにより、第1ファン33は空気を前方の第1通気孔32から導入し後方へ送風する。
【0021】
後壁23には複数の第3通気孔34が開口している。第3通気孔34は、前方から後方への平面視において前壁21の第1通気孔32に重なる位置に配置されている。この第3通気孔34と第1通気孔32との間に第1ファン33が配置されている。これにより、第1ファン33によって第1通気孔32から導入された空気が後方へ流れ第3通気孔34から排気される第1流通路がケース20内に設けられる。
【0022】
ケース20には、複数の電気部品が収容されている。電気部品としては、例えば、パワー半導体素子37、これを搭載したパワー回路基板35、制御回路基板36及び回生抵抗等が挙げられる。このうち、制御回路基板36等の他の電気部品よりも発熱量が多いパワー半導体素子37及び回生抵抗等の部品は下壁22の内面に接して配置されている。これにより、これらから発生した熱は、熱伝導率が良いケース20に伝達されることにより、放熱され冷却される。
【0023】
また、パワー半導体素子37及び回生抵抗等の発熱量が多い部品は、第1通気孔32と第3通気孔34との間における第1ファン33による第1流通路に配置されている。これにより、これらは、第1ファン33により送風される空気によって冷却される。
【0024】
また、後壁23には複数の貫通孔27が設けられており、ケース20の内部空間は貫通孔27を介して外部に連通している。各貫通孔27には、パワー回路基板35のコネクタ35a及び制御回路基板36のコネクタ36aが相通されている。このコネクタ35a、36aには、ケーブル38の一端に設けられたコネクタ38aが接続される。このケーブル38の他端には、外部電源に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられている。
【0025】
次に、ケース20を密封する場合の電気装置10について、図3を参照して説明する。ケース20の前壁21の外面に第1カバー39が装着され、下壁22の外面に第2カバー40が装着され、後壁23の外面に第3カバー41が装着されている。第1カバー39、第2カバー40及び第3カバー41は、例えば、鉄よりも熱伝導率が良い材料により形成されており、この材料としては例えば、アルミニウムが挙げられる。
【0026】
第1カバー39は、後方が開口した形状であって、前壁21の第1通気孔32を被覆する。第1カバー39には複数の第2通気孔45が設けられている。この第2通気孔45に対向して、第1カバー39内に第2ファン46が設けられている。
【0027】
第2ファン46は、第1カバー39により覆われており、前方から後方への平面視において第1カバー39の第2通気孔45に重なる位置に配置されている。これにより、第2ファン46は外部の空気を前方の第2通気孔45から導入し後方へ送風する。
【0028】
また、第1カバー39の中において、前壁21の第1通気孔32を塞ぐように前壁21の外面に被覆部品56が取り付けられている。被覆部品56は、例えば、平板形状であって、第1通気孔32を塞いで、前壁21においてケース20を密閉する。
【0029】
被覆部品56は第2ファン46に対向して配置され、第2ファン46により第2通気孔45を介して導入された空気は被覆部品56へ送られる。この被覆部品56は、例えば、鉄よりも熱伝導率が良い材料により形成されており、この材料としては例えば、アルミニウムが挙げられる。このため、第2ファン46により送られた空気により被覆部品56及びその近傍の空気が冷却される。被覆部品56は、第1ファン33の上流側に位置しているため、第1ファン33は被覆部品56により冷却された空気を発熱部品へ送り、これらを効率的に冷却することができる。
【0030】
第2カバー40は、上方が開口した直方体形状であって、ケース20及び第3カバー41の下方に設けられ、ケース20の下壁22及び第3カバー41の下面を被覆し、これらとの間に閉じた空間を形成する。第2カバー40は、前後方向において長さが、ケース20の長さと第3カバー41の長さとの和に等しく、前後方向において下壁22及び第3カバー41の全体亘る。
【0031】
また、第2カバー40は、前方にも開口し、開口部47が設けられている。開口部47の前方に第2ファン46が配置されており、開口部47は第1カバー39により覆われている。この開口部47によって第1カバー39の内部空間と第2カバー40の内部空間とは連通している。このため、第2ファン46により第2通気孔45から導入された空気は開口部47を通り第2カバー40内に送風される。
【0032】
さらに、第2カバー40の後面には複数の第4通気孔50が開口している。第4通気孔50は、前方から後方への平面視において開口部47及び第1カバー39の第2通気孔45に重なる位置に配置され、第4通気孔50と第2通気孔45との間に第2ファン46が配置されている。これにより、第2ファン46によって第2通気孔45から導入された空気が後方へ流れ開口部47を介して第4通気孔50から排気される第2流通路が第2カバー40内に設けられる。
【0033】
この第2カバー40の内側において、ケース20の下壁22の外面(ケース20の下面)に、ヒートシンク51が取り付けられている。ヒートシンク51は、ビス等によりケース20に脱着可能に取り付けられ、第2カバー40に覆われ、第2ファン46による第2流通路に配されている。このヒートシンク51によって下壁22を介して発熱部品(パワー半導体素子37、回生抵抗)が冷却される。
【0034】
第3カバー41は、前方が開口した直方体形状であって、ケース20の後壁23の後面を被覆し、これらとの間に閉じた空間を形成する。第3カバー41は、上下方向の高さがケース20の上下方向の高さと等しく、上下方向においてケース20の後壁23の外面の全体に亘る。そして、ケース20が第2カバー40及び第3カバー41により覆われる形状は直方体形状である。
【0035】
第3カバー41には挿通部48が設けられている。挿通部48にはケーブル38等が挿通する。ケーブル38は、例えば商用電源等の外部電源と接続する電力を供給するためのケーブル、及び、各基板等の電気部品を外部機器と接続するためのケーブル等である。
【0036】
次に、第3カバー41の詳細について、図3図5を参照して説明する。第3カバー41は、第3aカバー部分60及び第3bカバー部分70を備えている。第3aカバー部分60は第3カバー41の上面部60a及び後面部の上側部分(第3a後面部60b)を有しており、第3bカバー部分70は第3カバー41の右面部、左面部、下面部70a及び後面部の下側部分(第3b後面部70b)を有している。なお、第3aカバー部分60は、第3bカバー部分70に代わって、第3カバー41の右面部及び/又は左面部を有していてもよい。
【0037】
第3aカバー部分60は、図3及び図4に示すように、第3bカバー部分70に対して脱着可能である。図3に示すように第3bカバー部分70がケース20に取り付けられると、電気部品を収容するケース20の内部空間はケース20の後壁23の貫通孔27を介して第3bカバー部分70の内部空間に連通する。このように取り付けられて一体となったケース20及び第3bカバー部分70は、電気部品を収容する本体として機能する。
【0038】
一方、図4に示すように第3aカバー部分60が第3bカバー部分70から外すされると、第3bカバー部分70は上方及び後方の上側部分に開口する開放部60cを有する。そして、図3に示すように第3aカバー部分60が第3bカバー部分70に取り付けられると、第3aカバー部分60は第3bカバー部分70の開放部60cを覆う。これにより、第3aカバー部分60は、本体の開放部60cを覆う蓋として機能する。
【0039】
このような本体(ケース20及び第3bカバー部分70)と蓋(第3aカバー部分60)とにより、筐体が形成される。この筐体には、筐体の中から外へ延びる電気部品のケーブル38が通る挿通部48が設けられる。挿通部48は、第3bカバー部分70と、第3bカバー部分70の開放部60cを覆った第3aカバー部分60とにより形成される。このため、第3bカバー部分70の開放部60cを第3aカバー部分60により覆うことにより、挿通部48が第3bカバー部分70と第3aカバー部分60との間に設けられる。一方、この第3bカバー部分70から第3aカバー部分60が取り外されることにより、開放部60cにより第3bカバー部分70か開放される。
【0040】
また、第3bカバー部分70の第3b後面部70bには凹部(第3b凹部70c)が設けられている。第3b凹部70cは、例えば矩形状であって、第3bカバー部分70の第3b後面部70b、右面部及び左面部の上端、並びに、第3bカバー部分70と第3aカバー部分60とが接する部分よりも下方へ窪む。
【0041】
さらに、第3aカバー部分60の第3a後面部60bには凹部(第3a凹部60d)が設けられている。第3a凹部60dは、例えば矩形状であって、第3aカバー部分60の第3a後面部60b、右面部及び左面部の上端、並びに、第3bカバー部分70と第3aカバー部分60とが接する部分よりも下方へ窪む。
【0042】
この第3b凹部70cと第3a凹部60dとは互いに対向する位置に配置されている。このため、第3aカバー部分60を第3bカバー部分70に取り付けると、第3b凹部70cと第3a凹部60dとにより第3aカバー部分60と第3bカバー部分70との間に挿通部48が設けられる。
【0043】
図4及び図5に示すように、第3bカバー部分70(本体)に第1シール部71が設けられ、第3aカバー部分60(蓋)に第2シール部61が設けられている。第1シール部71及び第2シール部61は、スポンジ等の弾性部材から成り、例えば、矩形の平板形状を有している。
【0044】
第1シール部71は、第3b後面部70bの内側に配され、第3b後面部70bの一端(上端)よりも上方に延びる。第1シール部71の他端(下端)は、例えば、第3bカバー部分70の下面部70aに達し、第1シール部71の下側部分は第3b後面部70bと重なっている。第2シール部61は、第3a後面部60bの内側に配され、第3a後面部60bの一端(下端)よりも下方に延びる。第2シール部61の上側部分は第3a後面部60bと重なっている。
【0045】
第1シール部71の前後方向の厚みは第2シール部61の前後方向の厚みに等しく、第1シール部71の左右方向の幅は第2シール部61の左右方向の幅に等しい。第3aカバー部分60が第3bカバー部分70に取り付けられる際、第1シール部71の上端と第2シール部61との下端とが対向するように、第1シール部71及び第2シール部61は配置される。
【0046】
第1シール部71には、電気部品のケーブル38が嵌る第1溝72が設けられている。第1溝72は、複数、第1シール部71の上端に沿って互いに間隔を空けて左右方向に並んで配置されている。このため、複数の第1溝72は、第3bカバー部分70(本体)と第3aカバー部分60(蓋)との境界に沿って並んでいる。
【0047】
第1溝72は、第3bカバー部分70の開放部60cから窪み、第1シール部71の上端から下方へ延びる。第1シール部71の厚み方向(前後方向)に延びて第1シール部71を貫通する。前後方向に垂直な面において第1溝72は円弧形状であって、例えば、その中心角が180度よりも大きく、半円よりも大きな円弧形状である。第1溝72の半径は、ケーブル38の半径よりも小さい。第1溝72の底は第3b後面部70bの上端よりも上方に位置しており、第1溝72は第3b後面部70bと重ならない。
【0048】
なお、開放部60cは、第1溝72が延びる方向、及び、第1溝72が窪む方向と反対の第1溝72が開口する方向に開放されている。つまり、第1溝72は、前後方向に延び、下方に窪み、上方に開口する。また、第1溝72は第3aカバー部分60の第3a後面部60bに直交する方向に延び、第1溝72は上面部60a側へ開口する。このため、第3aカバー部分60を第3bカバー部分70から取り外すことにより、第3a後面部60bによって後方(第1溝72が延びる方向)が開放され、上面部60aによって上方(第1溝72が開口する方向)が開放される。これにより、開放部60cから第1溝72にケーブル38を容易に嵌めることができる。
【0049】
第2シール部61には、電気部品のケーブル38が嵌る第2溝62が設けられている。第2溝62は、複数、第2シール部61の下端に沿って互いに間隔を空けて左右方向に並んで配置されている。第2溝62は、第2シール部61の下端から上方へ窪む。第2シール部61の厚み方向(前後方向)に延びて第2シール部61を貫通する。
【0050】
第2溝62は、前後方向に垂直な面において円弧形状である。後述するように、第1シール部71及び第2シール部61が互いに圧縮された際に、第1溝72及び第2溝62が円形状を形成するように、第2溝62の円弧形状の中心角は設定される。第2溝62の半径は、ケーブル38の半径よりも小さい。第2溝62の底は第3a後面部60bの下端よりも下方に位置しており、第2溝62は第3a後面部60bと重ならない。
【0051】
第2溝62は、第3aカバー部分60(蓋)が第3bカバー部分70(本体)の開放部60cを覆った状態で、上下方向において第1溝72に対応する位置に配置される。これにより、本体と蓋とにより形成される筐体において、第1溝72及び第2溝62により開口が形成される。この開口は、筐体の内外方向において筐体の挿通部48に対向して配置される。このため、ケーブル38は、開口と挿通部48とを介して筐体の内から外に延びることができる。
【0052】
第1シール部71よりも外側には第1外側支持部73が積層され、第2シール部61よりも外側には第2外側支持部63が積層されている。第1外側支持部73は、第1シール部71よりも硬く、例えば、第1シール部71よりも硬いゴムなどの弾性部材により形成されている。第2外側支持部63は、第2シール部61よりも硬く、例えば、第2シール部61よりも硬いゴムなどの弾性部材により形成されている。
【0053】
第1外側支持部73は、第1シール部71と第3b後面部70bとの間に配置され、これらに固定されている。第1外側支持部73は、その上端が第3b後面部70bの上端よりも上方に位置し、第3b後面部70bの外側に露出している。また、第1外側支持部73の上端が第1シール部71の上端よりも下方に位置し、第1シール部71の上側部分は第1外側支持部73よりも上方に突出している。
【0054】
第2外側支持部63は、第2シール部61と第3a後面部60bとの間に配置され、これらに固定されている。第2外側支持部63は、その下端が第3a後面部60bの下端よりも下方に位置し、第3a後面部60bの外側に露出している。また、第2外側支持部63の下端が第2シール部61の下端よりも上方に位置し、第2シール部61の下側部分は第2外側支持部63よりも下方に突出している。
【0055】
第1外側支持部73の前後方向の厚みは第2外側支持部63の前後方向の厚みに等しく、第1外側支持部73の左右方向の幅は第2外側支持部63の左右方向の幅に等しい。第3aカバー部分60が第3bカバー部分70に取り付けられる際、第1外側支持部73の上端と第2外側支持部63との下端とが対向するように、第1外側支持部73及び第2外側支持部63は配置される。
【0056】
第1外側支持部73には、電気部品のケーブル38が嵌る第1外側溝74が設けられている。第1外側溝74は、複数、第1外側支持部73の上端に沿って互いに間隔を空けて左右方向に並んで配置されている。第1外側溝74は、第3bカバー部分70の開放部60cから窪み、第1外側支持部73の上端から下方へ延びる。第1外側支持部73の厚み方向(前後方向)に延びて第1外側支持部73を貫通する。前後方向に垂直な面において第1外側溝74は円弧形状であって、例えば、その中心角が180度の半円形状である。第1外側溝74の半径は、ケーブル38の半径と等しい又は少し大きい。また、第1外側溝74は、その半径が第1溝72の半径よりも大きく、第1溝72を取り囲むように配置されている。第1外側溝74の底は第3b後面部70bよりも上方に位置しており、第1外側溝74は第3b後面部70bと重ならない。
【0057】
第2外側支持部63には、電気部品のケーブル38が嵌る第2外側溝64が設けられている。第2外側溝64は、複数、第2外側支持部63の上端に沿って互いに間隔を空けて左右方向に並んで配置されている。第2外側溝64は、第2外側支持部63の下端から上方へ窪む。第2外側支持部63の厚み方向(前後方向)に延びて第2外側支持部63を貫通する。前後方向に垂直な面において第2外側溝64は円弧形状であって、例えば、その中心角が180度の半円形状である。第2外側溝64の半径は、ケーブル38の半径と等しい又は少し大きい。また、第2外側溝64は、その半径が第2溝62の半径よりも大きく、第2溝62を取り囲むように配置されている。第2外側溝64の底は第3a後面部60bよりも下方に位置しており、第2外側溝64は第3a後面部60bと重ならない。
【0058】
第1シール部71よりも内側には第1内側支持部75が積層され、第2シール部61よりも内側には第2内側支持部65が積層されている。第1内側支持部75は、第1シール部71よりも硬く、例えば、金属及び樹脂により形成されている。第2内側支持部65は、第2シール部61よりも硬く、例えば、金属及び樹脂により形成されている。
【0059】
第1内側支持部75は、第1外側支持部73との間に第1シール部71を挟むように配置され、これらと共に第3b後面部70bに固定されている。第1内側支持部75は、例えば、第1外側支持部73と同じ形状を有し、その上端が第3b後面部70bの上端よりも上方に位置している。また、第1内側支持部75の上端が第1シール部71の上端よりも下方に位置し、第1シール部71の上側部分は第1内側支持部75よりも上方に突出している。
【0060】
第2内側支持部65は、第2外側支持部63との間に第2シール部61を挟むように配置され、これらと共に第3a後面部60bに固定されている。第2内側支持部65は、例えば、第2外側支持部63と同じ形状を有し、その下端が第3a後面部60bの下端よりも下方に位置している。また、第2内側支持部65の下端が第2シール部61の下端よりも上方に位置し、第2シール部61の下側部分は第2内側支持部65よりも下方に突出している。
【0061】
第1内側支持部75には、電気部品のケーブル38が嵌る第1内側溝76が設けられている。第1内側溝76は、複数、第1内側支持部75の上端に沿って互いに間隔を空けて左右方向に並んで配置されている。第1内側溝76は、第3bカバー部分70の開放部60cから窪み、第1内側支持部75の上端から下方へ延びる。第1内側支持部75の厚み方向(前後方向)に延びて第1内側支持部75を貫通する。前後方向に垂直な面において第1内側溝76は円弧形状であって、例えば、その中心角が180度の半円形状である。
【0062】
第1内側溝76の半径は、ケーブル38の半径よりも少し大きく、第1外側溝74の半径よりも大きくてもよい。また、第1内側溝76は、その半径が第1溝72の半径よりも大きく、第1溝72を取り囲むように配置されている。これにより、第1外側溝74、第1溝72及び第1内側溝76は、この順でケーブル38の長手方向(前後方向)に並んで、これらにより第3bカバー部分70の内側と外側とが連通する。また、第1内側溝76の底は第3b後面部70bよりも上方に位置しており、第1内側溝76は第3b後面部70bと重ならない。
【0063】
第2内側支持部65には、電気部品のケーブル38が嵌る第2内側溝66が設けられている。第2内側溝66は、複数、第2内側支持部65の上端に沿って互いに間隔を空けて左右方向に並んで配置されている。第2内側溝66は、第2内側支持部65の下端から上方へ窪む。第2内側支持部65の厚み方向(前後方向)に延びて第2内側支持部65を貫通する。前後方向に垂直な面において第2内側溝66は円弧形状であって、例えば、その中心角が180度の半円形状である。
【0064】
第2内側溝66の半径は、ケーブル38の半径と等しい又は少し大きい。また、第2内側溝66は、その半径が第2溝62の半径よりも大きく、第2溝62を取り囲むように配置されている。これにより、第2外側溝64、第2溝62及び第2内側溝66は、この順でケーブル38の長手方向(前後方向)に並んで、これらにより第3aカバー部分60の内側と外側とが連通する。また、第2内側溝66の底は第3a後面部60bよりも下方に位置しており、第2内側溝66は第3a後面部60bと重ならない。
【0065】
次に、ケース20に第3カバー41の取り付け方について、図3図6を参照して説明する。まず、図4に示すように、ケース20に第1カバー39、第2カバー40及び第3カバー41の第3bカバー部分70をビス等により取り付ける。そして、ケース20内の電気部品のケーブル38を後壁23の貫通孔27から第3bカバー部分70へ引き出す。
【0066】
それから、図5に示すように、ケーブル38を第3bカバー部分70の開放部60cから第1シール部71の第1溝72に嵌める。これにより、ケーブル38が位置決めされると共に、第1シール部71により支持される。このため、ケーブル38の位置を保持する必要がない。
【0067】
また、この際、第1溝72の半径がケーブル38の半径よりも小さく、且つ、第1シール部71は柔らかい弾性部材により形成されているため、ケーブル38により第1シール部71は変形する。そして、ケーブル38により圧縮された第1シール部71はケーブル38に密着し、これらの間が密閉される。
【0068】
また、第1溝72は、中心角が180度よりも大きな円弧形状に形成されている。このため、左右方向において、第1溝72の開口の長さはケーブル38の半径よりも小さい。このため、第1溝72に嵌ったケーブル38は第1溝72の開口から抜け難く、ケーブル38は第1溝72により確実に保持される。
【0069】
続いて、図3及び図6に示すように第3aカバー部分60が第3bカバー部分70に取り付けられる際、第1シール部71が第1外側支持部73よりも上方へ突出し、第2シール部61が第2外側支持部63よりも下方へ突出している。このため、第1外側支持部73と第2外側支持部63とが当接する前に、第1シール部71と第2シール部61とが当接する。柔らかい弾性部材により形成されている第1シール部71及び第2シール部61は、変形して、互いに圧縮される。これにより、スポンジで形成されている第1シール部71及び第2シール部61自体の隙間、並びに、第1シール部71と第2シール部61との間の隙間が埋まり、この間がより確実に密閉される。
【0070】
また、上下方向において第1溝72と第2溝62とは対向して配置されている。これにより、第2シール部61が第1シール部71上に重ねられると、下部分が第1溝72に嵌っているケーブル38の上部分が第2溝62に嵌る。この第1シール部71及び第2シール部61が互いに圧縮されることにより第1溝72及び第2溝62が円形状になり、第1シール部71及び第2シール部61が均等にケーブル38に密着することができる。このため、より確実にこれらの間が密閉される。
【0071】
さらに、第1シール部71は第1外側支持部73及び第1内側支持部75により挟持されている。このため、第1シール部71がケーブル38により押される際に、ケーブル38の長手方向に第1シール部71が倒れることが防止される。また、ケーブル38によって第1シール部71が変形する際に、ケーブル38の長手方向に第1シーブルが拡がることが防止される。これにより、第1シール部71がケーブル38の長手方向に直交する径方向に圧縮されて、第1シール部71自体、及び、第1シール部71とケーブル38との間の隙間がより確実に密閉される。
【0072】
同様に、第2シール部61は第2外側支持部63及び第2内側支持部65により挟持されている。このため、第2シール部61がケーブル38により押される際に、ケーブル38の長手方向に第2シール部61が倒れることが防止される。また、ケーブル38によって第2シール部61が変形する際に、ケーブル38の長手方向に第2シーブルが拡がることが防止される。これにより、第2シール部61がケーブル38の長手方向に直交する径方向に圧縮されて、第2シール部61自体、及び、第2シール部61とケーブル38との間の隙間がより確実に密閉される。
【0073】
続いて、第1外側支持部73の上端と第2外側支持部63の下端とが当接し、これらの間が閉じられる。これにより、これらの間が密閉される。そして、第3a後面部60bと第3b後面部70bとが面一になり、第3カバー41の後面部を形成する。
【0074】
この第1外側支持部73及び第2外側支持部63は、第1シール部71及び第2シール部61よりも硬く、第1シール部71及び第2シール部61よりも外側に露出する。このため、第1外側支持部73及び第2外側支持部63は、外側からワイヤ等の異物が第3カバー41内に侵入することを防止することができる。
【0075】
また、第3カバー41に装着されたケーブル38について、第1内側支持部75及び第2内側支持部65よりも内側では、ケース20及び第3カバー41に覆われているため、ほとんど動かない。このため、ケーブル38が動いて第1内側支持部75及び第2内側支持部65に当たり傷つくことが少ない。よって、第1シール部71及び第2シール部61を支持するだけの強度は有するが、安価な材料を第1内側支持部75及び第2内側支持部65に用いることができ、電気装置10の低コスト化を図ることができる。
【0076】
これに対して、第1外側支持部73及び第2外側支持部63よりも外側のケーブル38の部分は、外に露出しているため、動きが大きい。このため、ケーブル38が動いて第1外側支持部73及び第2外側支持部63に当たることが多い。ただし、第1外側支持部73及び第2外側支持部63が弾性部材により形成されているため、ケーブル38の動きを抑えることができる。しかも、ケーブル38が第1外側支持部73及び第2外側支持部63に当たっても、第1外側支持部73及び第2外側支持部63が変形し、ケーブル38を傷つけることが低減される。
【0077】
このような構成によれば、電気装置10は、電気部品を収容するケース20及び第3bカバー部分70(本体)と、第3bカバー部分70の開放部60cを覆う第3aカバー部分60(蓋)と、第3bカバー部分70に設けられた第1シール部71と、開放部60cから窪み第1シール部71に形成され且つ電気部品のケーブル38が嵌る第1溝72と、第3aカバー部分60に設けられた第2シール部61と、第1溝72に対向し第2シール部61に形成され且つ電気部品のケーブル38が嵌る第2溝62と、を備えている。
【0078】
これによれば、互いに対向した第1溝72及び第2溝62にケーブル38が嵌ることにより、ケーブル38の位置決め及び支持がなされる。このため、第3bカバー部分70に第3aカバー部分60を取り付けるだけで、ケーブル38と第3bカバー部分70及び第3aカバー部分60との間を第1シール部71及び第2シール部61により容易に密閉することができる。
【0079】
また、第1溝72は、中心角が180度よりも大きく、且つ、半径がケーブル38の半径よりも小さい円弧状に形成されている。これにより、第1溝72に嵌ったケーブル38が第1シール部71と密着し、これらの間が密閉される。また、ケーブル38が第1溝72から外れにくく、ケーブル38を容易に保持することができる。
【0080】
さらに、第1シール部71及び第2シール部61は、弾性部材から成り、開放部60cが第3aカバー部分60により覆われたときに互いに圧縮される。これにより、第1シール部71自体、第2シール部61自体、及び、第1シール部71と第2シール部61との間の隙間が埋まり、これらの密閉性が確保される。
【0081】
また、圧縮された第1シール部71及び第2シール部61により第1溝72及び第2溝62は円形状を形成する。これにより、第1溝72及び第2溝62に嵌ったケーブル38に第1シール部71及び第2シール部61が均等に密着し、この密閉性が確保される。
【0082】
さらに、電気装置10は、第1シール部71よりも外側に積層され且つ第1シール部71よりも硬い第1外側支持部73と、第1外側支持部73に設けられ且つ第1溝72を取り囲む第1外側溝74とさらに備える。電気装置10は、第2シール部61よりも外側に積層され且つ第2シール部61よりも硬い第2外側支持部63と、第2外側支持部63に設けられ且つ第2溝62を取り囲む第2外側溝64とさらに備える。この外側に露出された第1外側支持部73及び第2外側支持部63により、外側から第3bカバー部分70内へ異物が侵入することを防止することができる。また、第1外側支持部73及び第2外側支持部63は、第1外側溝74及び第2外側溝64に嵌ったケーブル38を傷つけることなく、支持することができる。
【0083】
また、電気装置10は、第1シール部71よりも外側に積層され且つ第1シール部71よりも硬い第1外側支持部73と、第1外側支持部73に設けられ且つ第1溝72を取り囲む第1外側溝74と、第1シール部71よりも内側に積層され且つ第1シール部71よりも硬い第1内側支持部75と、第1内側支持部75に設けられ且つ第1溝72を取り囲む第1内側溝76とをさらに備えている。電気装置10は、第2シール部61よりも外側に積層され且つ第2シール部61よりも硬い第2外側支持部63と、第2外側支持部63に設けられ且つ第2溝62を取り囲む第2外側溝64と、第2シール部61よりも内側に積層され且つ第2シール部61よりも硬い第2内側支持部65と、第2内側支持部65に設けられ且つ第2溝62を取り囲む第2内側溝66とをさらに備える。これにより、第1シール部71は第1外側支持部73と第1内側支持部75との間に挟持されるため、傾斜したり内外方向に拡がったりすることが防止される。第2シール部61は第2外側支持部63と第2内側支持部65との間に挟持されるため、傾斜したり内外方向に拡がったりすることが防止される。このため、第1シール部71及び第2シール部61が、ケーブル38の径方向に延びて、ケーブル38に密着して、これらの間を密閉することができる。
【0084】
さらに、複数の第1溝72が第1シール部71に並んで設けられ、複数の第2溝62が第2シール部61に並んで設けられている。これにより、複数のケーブル38を複数の第1溝72及び第2溝62にそれぞれ嵌めて、第3bカバー部分70に第3aカバー部分60を取り付けるだけで、密閉を確保しつつ複数のケーブル38を容易に取り付けることができる。
【0085】
(その他の実施の形態)
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施の形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0086】
なお、上記全実施の形態は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせてもよい。上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の電気装置は、密閉性を容易に確保することができる電気装置等として有用である。
【符号の説明】
【0088】
10 :電気装置
20 :ケース(本体)
38 :ケーブル
48 :挿通部
60 :第3aカバー部分(蓋)
61 :第2シール部
60c :開放部
62 :第2溝
63 :第2外側支持部
64 :第2外側溝
65 :第2内側支持部
66 :第2内側溝
70 :第3bカバー部分(本体)
71 :第1シール部
72 :第1溝
73 :第1外側支持部
74 :第1外側溝
75 :第1内側支持部
76 :第1内側溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6