(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態のスタンドを設置した表示装置の斜視図である。本実施形態のスタンド1は1本脚構造であり、表示装置(例えば薄型のテレビ)2の中央(パネルセンタともいう)の下部に取り付けられている。なお、
図1では表示装置2を左斜め後方から見ており、表示装置2の背面3には例えば放熱用の穴4が複数設けられている。
【0014】
表示装置2は、スタンド1のスイベル機構によって水平方向に回動することにより、表示画面の向きを変更することができる。スタンド1の構成と動作を以下に詳細に説明する。
【0015】
図2は、スタンドの分解斜視図である。スタンド1は、ベース部(スタンドベースともいう)10と、サポート部(スタンドサポートともいう)20とからなる。ベース部10やサポート部20は主に例えば樹脂製である。
ベース部10は、上記パネルセンタに相当する位置に回動支持部材11を有し、表示装置の正面側、つまり、回動支持部材11の前方は例えば開口されて枠状に形成され、回動支持部材11の後方は閉塞されて板状に形成されている。
【0016】
回動支持部材11は、例えば円柱状の金属製であり、例えばベース部10に対して回転できる。なお、図示の回動支持部材11は、ベース部10に対して直立して設けられているが、ベース部10に対して傾斜して設けられていてもよい。また、回動支持部材11は、表示装置を回動支持可能であれば、固定軸であってもよいし、回動軸を支持する部材であってもよい。
【0017】
サポート部20は、回動支持部材11と一体的に回転可能であり、表示装置2の後方に駆動ユニット30を有している。
このように、駆動ユニット30を、ベース部10ではなく、サポート部20に設けたため、ベース部10に対する意匠上の制約を少なくすることできる。また、駆動ユニット30を表示装置の背面側に設ければ、駆動ユニット30が表示装置の正面側からは見えにくくなることから、設計を含むデザイン性の高いスタンド付きの表示装置の提供に貢献する。
【0018】
本実施形態のスタンドは防塵構造である。
図3は、サポート部およびベース部の外観斜視図であり、
図4は、サポート部およびベース部の分解斜視図である。また、
図5は、防塵ボックスの平面図、
図6は、駆動ユニットの断面図である。さらに、
図7は、第1スライドカバーおよび第2スライドカバーの外観斜視図であり、
図8は、サポート部の背面図である。
【0019】
図3(A)はサポート部20やベース部10を左斜め後方から見ており、ベース部10は
図4に示す可動ギア38、固定ギア12や位置検出板14を収納可能な防塵ボックス13を有し、防塵ボックス13は
図2で説明した回動支持部材11の後方に配置される。
図4に示すように、防塵ボックス13は、例えばカップ状で形成され、上方に可動ギア38や固定ギア12を受容する上方開口13cを有し、その周囲に側面13bが立設されている。側面13bの下端には、固定ギア12の脚部12aを挿通可能な下面13aが設けられている。
【0020】
図5に示すように、下面13aには、後述の可動ギア38のサポート側突起に対応する位置に、レール状のベース側突起13dが形成されている。詳しくは、ベース側突起13dは、左右の側面13b間で上方に向けて突出しており、可動ギア38のサポート側突起38bの軌跡に沿うような円弧状に形成されている。
図4に示すように、固定ギア12は脚部12aの上方に台状部12bを有し、台状部12bの側面には、可動ギア38に噛み合う歯形が形成されている。台状部12bの上面には位置検出板14が設置される。位置検出板14には、例えば中央位置、左15°の位置、右15°の位置に相当する位置に、白色や銀色のマークが設けられている。
【0021】
駆動ユニット30は、平板状のユニットベース31を有している。ユニットベース31は、
図3(B)に示した下面47が回転支持部材11の上面に例えば直に連結されており、回転支持部材11と一体的に回転できる。一方、ユニットベース31の上面45には、
図1で説明した表示画面2を固定できる。
図3(A),(B)や
図8に示すように、ユニットベース31には、上面45と下面47を貫通して設けられた曲線状のスライドカバー用の開口46が設けられ、
図4や
図7に示す第1スライドカバー60の上向き突起64、第2スライドカバー70の上向き突起74を例えば下方から受け入れ可能である。
【0022】
図8に示すように、ユニットベース31は、スライドカバー用の開口46の後側に、矩形状のフォトセンサ用の開口47aを有している。この開口47aも上面45と下面47を貫通して形成されている。また、フォトセンサ用の開口47aの左右両側には、ハーフパンチ部48、49が設けられる。ハーフパンチ部48は、
図8で見てフォトセンサ用の開口47aの右側に位置し、ユニットベース31の下面47から下方に向けて突出しており、第1スライドカバー60の開口63の端部に当接可能である。ハーフパンチ部49は、
図8で見てフォトセンサ用の開口47aの左側に位置し、ユニットベース31の下面47から下方に向けて突出し、第2スライドカバー70の開口73の端部に当接可能である。
【0023】
図4に示すように、駆動軸39は電動モータ33に対して回転自在に支持されている。電動モータ33は、ユニットベース31に例えばネジで固定されている。電動モータ33は、その回転量・回転方向・回転速度が制御可能な例えばACサーボモータなどであり、制御部(図示省略)からの駆動信号に基づいて、駆動軸39を正逆転可能である。
駆動軸39は例えば断面D字形状に形成され、
図6に示す可動ギア38の軸孔38aも断面D字形状に形成されており、例えば止めネジ(図示省略)を止めネジ孔38cに挿入することにより、可動ギア38は駆動軸39に固定される。
【0024】
可動ギア38は、その下端に、防塵ボックス13のベース側突起13dに向けて突出したサポート側突起38bを有する。サポート側突起38bは例えば半球状(円錐形状でもよい)に形成されており、仮に、可動ギア38が駆動軸39から下方に移動しても、サポート側突起38bの先端(半球の頂点)からベース側突起13dの先端面までの距離が、可動ギア38と固定ギア12との噛合を維持する長さに形成されている。
なお、
図6に示すように、固定ギア12の歯幅(図示の上下方向の長さ)が可動ギア38の歯幅よりも大きく形成されており、可動ギア38と固定ギア12との噛合を容易に維持する。
【0025】
可動ギア38は駆動軸39の下端に設けられ、ユニットベース31の下方で固定ギア12に噛み合っている。電動モータ33は、略筒状のばねガイドリング50を用いてユニットベース31の上面45に固定される。
ばねガイドリング50は、内面で電動モータ33を案内し、外面で引張りばね55を案内する案内部53を有し、案内部53の中央には、駆動軸39を挿通させる中央孔(図示省略)が形成されている。案内部53の前側には、ユニットベース31の上面45に例えばネジで固定するための固定部52が設けられ、案内部53の後側には、プリント基板56を下方に押える押圧部54が設けられている。
【0026】
引張りばね55は、2分割された第1,2スライドカバー60,70の位置を戻すためのものであり、引張りばね55の一端は第1スライドカバー60の上向き突起64に、他端は第2スライドカバー70の上向き突起74にそれぞれ取り付けられる。
プリント基板56は、裏面の中央にフォトセンサ57を設置し、ばねガイドリング50の押圧部54に上方から押さえられて、ユニットベース31の上面45に固定される。
【0027】
フォトセンサ57は下方に位置する位置検出板14に向けて光を照射でき、位置検出板14の白色や銀色の各マークで反射した光をフォトセンサ57で検出することにより、駆動ユニット30の回動位置を得ることができる。
第1スライドカバー60は平面視で左側に、第2スライドカバー70は平面視で右側にそれぞれ配置され、ユニットベース31の回動にそれぞれ連動可能である。
【0028】
図7(A)に示すように、第1スライドカバー60は、
図4で説明した防塵ボックス13の上方開口13cに覆い被さる水平面部61を有し、上向き突起64は水平面部61の上面から上方に向けて突出し、引張りばね55の端部を保持できる。上向き突起64の前側には、駆動軸39を受容するための駆動軸用の開口62が曲線状で設けられ、上向き突起64の後側には、フォトセンサ57を受容するためのフォトセンサ用の開口63が曲線状で設けられている。
【0029】
第1スライドカバー60はユニットベース31の下方に配置され、上向き突起64を、ユニットベース31の下方からスライドカバー用の開口46に遊嵌させて、ユニットベース31の上方に突出させる。
また、
図7(B)に示すように、第1スライドカバー60はL字状の下向き突片65を有している。下向き突片65は、水平面部61の前端から側端にかけて形成され、水平面部61から下方に突出しており、
図3(B)に示したように、防塵ボックス13の側面13bに接触可能に形成されている。
【0030】
第2スライドカバー70も、第1スライドカバー60と同様に、防塵ボックス13の上方開口13cに覆い被さる水平面部71を有する。上向き突起74は水平面部71の上面から上方に向けて突出している。上向き突起74の前側には、駆動軸39を通すための駆動軸用の開口72が曲線状で設けられ、上向き突起74の後側には、フォトセンサ57を受容するためのフォトセンサ用の開口73が曲線状で設けられている。第2スライドカバー70もユニットベース31の下方に配置され、上向き突起74はスライドカバー用の開口46に遊嵌する。
【0031】
また、
図7(B)に示すように、第2スライドカバー70も、水平面部71の前端から側端にかけて形成されたL字状の下向き突片75を有し、防塵ボックス13の側面13bに接触可能である。
【0032】
図9は、スタンドの動作を説明するための図である。なお、
図9では、ユニットベース31と第1,2スライドカバー60,70との関係を説明するために、表示装置や防塵ボックス13、引張りばね55などを省略している。
可動ギア38が固定ギア12のほぼ中央に位置し、表示装置の表示画面が真正面を向いていた状態において、電動モータ33の駆動に伴って駆動軸39が平面視で例えば時計回りに回転し始めると、ユニットベース31の一端(
図9(A)で見たユニットベース31の左端)が前方に向けて移動(回動)を開始する。
【0033】
ユニットベース31の一端が回動を開始した後、
図9(B)に示すように、ユニットベース31のハーフパンチ部48が第1スライドカバー60のフォトセンサ用の開口63の端部に接触すると、第1スライドカバー60の下向き突片65と防塵ボックス13の側面13bとの接触が解かれる。そして、第1スライドカバー60は、引張りばね55の付勢力に抗して、防塵ボックス13の上方開口13cを覆いつつ、ユニットベース31と共に回動を開始する。
【0034】
一方、第1スライドカバー60がユニットベース31の回動に連動して防塵ボックス13の上方開口13cを覆う際に、第2スライドカバー70の下向き突片75と防塵ボックス13の側面13bとの接触は解かれないため、
図9(B)に示すように第1スライドカバー60がユニットベース31と共に回動しても、第2スライドカバー70は、回動せずに、防塵ボックス13の上方開口13cを覆い続ける。
そして、駆動軸39が平面視で例えば時計回りに回転すると、
図9(A)に示すように、ユニットベース31の左端が回動するので、表示画面の向きが左向きに変更される。
【0035】
その後、フォトセンサ57の検出結果に基づき、駆動軸39が平面視で例えば反時計回りに回転した場合、ユニットベース31の一端(
図9(A)で見たユニットベース31の右端)が前方に向けて移動(回動)を開始する。
ユニットベース31の一端が回動を開始した後、ハーフパンチ部48とフォトセンサ用の開口63の端部との接触が解かれると、第1スライドカバー60は、引張りばね55の付勢力によって、防塵ボックス13の上方開口13cを覆いつつ、下向き突片65が防塵ボックス13の側面13bに接触するまで、第2スライドカバー70に向けて移動する。
【0036】
このように、ユニットベース31には、防塵ボックス13の上方開口13cを覆う第1,2スライドカバー60,70が設置されているので、防塵ボックス13内への塵埃の侵入を防止することができる。
また、可動ギア38がサポート側突起38bを有し、ベース側突起13dと点で接触可能になるため、駆動軸39と可動ギア38との締結が緩んだとしても、可動ギア38のスムーズな移動を維持することができる。また、サポート側突起38bの先端からベース側突起13dの先端までの距離は、この距離が小さくなっても可動ギア38と固定ギア12との噛合を維持する長さに設定されているので、駆動軸39と可動ギア38との締結が緩んだとしても、可動ギア38と固定ギア12との噛合を維持し、動力の伝達を維持することができる。
【0037】
さらに、防塵ボックス13にベース側突起13dを設ければ、ベース側突起13dだけを平滑化すれば足りるので、防塵ボックス13の下面13aを全て平滑化する場合に比べて製造が容易になる。
また、
図9に示した動作で説明すれば、ユニットベース31の回動に遅れて連動する第1スライドカバー60と、ユニットベース31の回動に連動しない第2スライドカバー70とに分割されていることから、第1,2スライドカバー60,70を一体形成した場合に比べてユニットベース31の幅(左右方向の長さ)を短くすることができ、駆動ユニット30の小型化を達成することができる。
【0038】
(実施形態2,3)
図6では、止めネジを用いて可動ギア38を駆動軸39に固定する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこの例に限定されない。例えば、駆動軸39を軸孔38aに圧入し、可動ギア38を駆動軸39に固定する場合に、止めネジを省略してもよい。あるいは、駆動軸39と軸孔38aを接着剤で固定することより、止めネジを省略することも可能である。止めネジを省略した場合において、駆動軸39と可動ギア38との締結が緩んだとしても、可動ギア38のスムーズな移動を維持することができるとともに、可動ギア38と固定ギア12との噛合を維持し、動力の伝達を維持することができる。