(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1,2には、搬出ローラコンベア上の水平状態の加工品を、搬出手段に備えたバキュームパッドによって吸着して、パレット上へ搬出する構成が記載されている。さらに、特許文献2には、加工品を、パレット上に傾斜した状態に載置する構成が記載されている。
【0005】
ところで、折曲げ加工機によって折曲げ加工された加工品には、例えば穴や折曲げ加工した立上り部等の存在により、バキュームパッドによって吸着することができない場合がある。この場合、折曲げ加工機の側方に備えた搬出コンベア上へ加工品を移送し、この搬出コンベア上から加工品を取り出すことになる。前述のごとく搬出コンベア上から加工品を取り出すとき、搬出コンベアを傾斜することにより、加工品を、搬出コンベアの一側に寄せることができる。したがって、搬出コンベアの一側方においての加工品の取り出しが容易になる。
【0006】
ところで、搬送コンベアを傾斜して加工品を一側方に寄せるには、搬送コンベアの上面に複数のフリーベアを備えた構成とすることができる。この場合、例えば前工程のテーブルからの加工品の搬入を受ける場合、加工品が水平に回転(旋回)し、搬入方向に対して傾斜することがある。したがって、加工品の回転(傾斜)を防止する対策が必要であると、いう問題がある。
【0007】
そこで、フリーベアに代えて、搬送コンベアに複数のローラを備えた構成とすることも可能である。この場合、前工程のテーブルからの加工品の搬入を受ける場合には、ローラが回転するので、搬入方向に対する傾斜を抑制して、搬入を容易に行うことができる。しかし、搬送コンベアを、搬入方向に対して直交する方向に傾斜して加工品を搬送コンベアの一側に寄せようとする場合、ローラと加工品との間に滑りを生じて、加工品に擦り傷を生じることがある、という問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、板材加工機からの加工品の搬出装置であって、前記加工品を支持自在な搬送テーブルをテーブル架台に傾斜自在に備え、前記搬送テーブルの傾斜時に、当該搬送テーブルから前側へ滑落する前記加工品を左右方向へ移動可能に支持する加工品支持部材を、前記テーブル架台に備えていることを特徴とするものである。
【0009】
また、前記搬出装置において、前記搬送テーブルの支持面に対して出没自在なローラを備えている。
【0010】
また、前記搬出装置において、前記搬送テーブルの傾斜下端側に、傾斜下端側へ移動する前記加工品を制動するブレーキ機構を備えている。
【0011】
また、前記搬出装置において、前記搬送テーブル上から前側への加工品の取り出しを容易にするために、搬送テーブルの支持面から加工品の一部を浮いた状態に支持する加工品持上
げ部材を前記傾斜下端側に備えている。
【0012】
また、前記搬出装置において、前記ブレーキ機構を構成する摩擦部材を、前記加工品持上
げ部材と前記搬送テーブルの支持面との間に前側が高くなるように傾斜して備えている。
【0013】
また、前記搬出装置において、前記搬送テーブルの傾斜下端側への侵入を防止自在な開閉ドア装置を、前記搬送テーブルの一側方に備えている。
【0014】
また、前記搬出装置において、前記開閉ドア装置には、前記搬送テーブルの傾斜下端側への侵入を検出するための人体検出センサを備えている。
【0015】
また、前記搬出装置において、前記開閉ドア装置は、引戸である。
【0016】
また、前記搬出装置において、前記開閉ドア装置において前側へ移動される引戸の前側に前記人体検出センサとしてのレーザスキャナを備え、前記搬送テーブルを間にして前記開閉ドア装置の反対側にフェンスを備え、前記開閉ドア装置における前記引戸を前側へ移動した状態にあるときに、前記レーザスキャナと対向した前記フェンスの対向位置の前側に、前記レーザスキャナにおける防護範囲と前記フェンスとの間に形成される帯状の空間からの手等の侵入を防止するための侵入防止部材を備えている。
【0017】
また、前記搬出装置において、前記開閉ドア装置における引戸の左右方向への揺れを規制するための揺れ規制部材が、引戸における下端部が通過自在な間隔を保持して左右両側に配置してある。
【0018】
また、板状のワークの折曲げ加工を行う板材加工機の一側に、折曲げ加工された加工品を水平に支持する支持テーブルを備え、この支持テーブルの前側に、前側が低くなるように傾斜自在な搬送テーブルを備え、前記搬送テーブルの傾斜時に、当該搬送テーブルから滑落した前記加工品を、左右方向へ移動可能に支持する支持ローラを、前記搬送テーブルを支持したテーブル架台に備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、搬送テーブルを傾斜して、搬送テーブル上の加工品を搬送テーブルの前側に寄せるようにする場合、加工品は、搬送テーブルに備えた加工品支持部材に支持されて滑落して前側に寄せられる。そして、滑落した加工品は、加工品を左右方向へ移動可能に支持する加工品支持部材に支持される。したがって、加工品の左右方向へ容易に移動することができる。
【0020】
また、搬送テーブルから加工品を滑落するとき、加工品の傾斜が抑制される。また、滑りによる擦り傷等が加工品に生じることを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照するに、本発明の実施形態に係る板材加工システム1は、板状のワークWの折曲げ加工を行う板材加工機3を備えている。この板材加工機3の前側(Y軸方向の前側)には、前記板材加工機3へ供給するワークWを水平に支持する左右のワークテーブル5が備えられている。さらに、前記板材加工機3の前側には、前記板材加工機3に対してワークWの供給を行うマニュピレータ7が備えられている。
【0023】
前記板材加工機3及びマニュピレータ7は、例えば特開平2006-75880号公報等によって既に良く知られた構成である。したがって、板材加工機3及びマニュピレータ7等についてのより詳細な説明は省略する。
【0024】
前記板材加工機3における前側上部には、左右方向(X軸方向)に長いガイド部材9が備えられている。このガイド部材9は、前記ワークテーブル5の上方位置から、前記ワークテーブル5の左右方向に隣接して備えた支持テーブル11の上方位置に亘って水平に設けられている。前記ガイド部材9には、ワーク搬出入装置13が左右方向へ往復動自在に備えられている。
【0025】
前記ワーク搬出入装置13は、支持テーブル11上に供給されたワークWを前記ワークテーブル5上に搬入する機能及び前記板材加工機3によって加工された加工品を、前記ワークテーブル5上から前記支持テーブル11上へ搬出する機能を有するものである。前記ワーク搬出入装置13は、ワークWを吸着する複数のバキュームパッドを上下動可能に備えた構成、又はワークWの端縁をクランプ自在なワーククランプを上下動自在に備えた構成とすることができる。さらには、前記ワーク搬出入装置13は、バキュームパッド及びワーククランプの両方を備えた構成とすることができる。
【0026】
すなわち、ワーク搬出入装置13は、支持テーブル11上からワークテーブル5へのワークWの搬入機能、及びワークテーブル5上から支持テーブル11上への加工品の搬出機能を有すればよいものである。したがって、構成としては、前述したように、バキュームパッドを備えた構成、ワーククランプを備えた構成や、ワークや加工品を下側から支持するフォークを備えた構成など種々の構成を採用可能である。なお、この種のワーク搬出入装置13は既に知られた構成である。したがって、ワーク搬出入装置13の構成についてのより詳細な説明は省略する。
【0027】
前記支持テーブル11は、前記ワークテーブル5上から搬出された加工品を前側へ送り出す機能を有するものである。前記支持テーブル11上の加工品を前側へ送り出す動作は、例えば支持テーブル11に前後動自在に備えたプッシャー(図示省略)によって行われるものである。そして、前記支持テーブル11の前側には、搬送テーブル15が配置されている。したがって、前記支持テーブル11は、前記ワークテーブル5からX軸方向に搬出された加工品を支持する。そして、支持テーブル11は、ワークテーブル5上から
搬出された加工品を、前側の前記搬送テーブル15上へ送り出す機能を有するものである。
【0028】
前記搬送テーブル15は、本実施形態に係る搬出装置17の一部を構成するものであって、次のように構成してある。すなわち、前記搬送装置17は、
図3に示すように、テーブル架台19を備えている。そして、このテーブル架台19上に前記搬送テーブル15が備えられている。この搬送テーブル15は、
図4に示すように、Y軸方向の前側が低くなるように傾斜自在に備えられている。すなわち、搬送テーブル15は、前記支持テーブル11から送り出された加工品を、傾斜することによって前側へ滑落するように構成してある。
【0029】
前記搬送テーブル15には、加工品をY軸方向へ移動自在
に支持する複数の加工品支持部材20が備えられている。この加工品支持部材20は、X軸方向の軸心回りに回転自在なローラ(コロコンローラ)から構成してある。したがって、搬送テーブル15上において加工品をY軸方向へ軽快に移動することができる。この際、加工品支持部材20がローラであることにより、Y軸方向への移動時に、移動方向に対して交差する方向への移動(傾斜)は抑制することになる。換言すれば、搬送テーブル15上においての加工品のY軸方向への移動は容易であるものの、搬送テーブル15上においての加工品の回転(旋回)は抑制されるものである。
【0030】
前述のごとく、前記支持テーブル11から搬送テーブル15上に送り出された加工品が、Y軸方向の前側(搬送テーブル15を傾斜したときの傾斜下端側)から勢いよく飛び出すことを防止するために、加工品の移動を制動するブレーキ機構21が搬送テーブル15の傾斜下端側(Y軸方向の前側)に備えられている。すなわち、前記搬送テーブル15のY軸方向の前側上面には、
図5に示すように、摩擦板等のごとき摩擦部材23が備えられている。
【0031】
前記摩擦部材23は、
図5に示すように、搬送テーブル15が水平状態にあるときに、Y軸方向の前側が高くなるように傾斜してある。したがって、搬送テーブル15上に送り出された加工品は、搬送テーブル15の前側に移動すると、加工品の移動方向の前側(Y軸方向の前側)が前記摩擦部材23上に乗り上げて制動されることになる。よって、搬送テーブル15上に送り出された加工品が、搬送テーブル15から前側へ飛び出すようなことはないものである。
【0032】
また、前記搬送テーブル15の前端縁には、搬送テーブル15上からの比較的小さな加工品の取り出しを行うときに、搬送テーブル15の上面(支持面)から加工品の一部を浮いた状態に持上げて支持する加工品持上げ部材25が備えられている。より詳細には、前記搬送テーブル15の前端縁には、X軸方向に適宜間隔に離隔して複数のローラブラケット27が立設してある。そして、上記各ローラブラケット27には、前記加工品持上げ部材25の一例としてのローラがX軸方向の軸心回りに回転自在に備えられている。なお、前記加工品持上げ部材25は、前記搬送テーブル15が水平状態にあるときに、前記摩擦部材23の前端縁よりも高く備えられている。
【0033】
換言すれば、前記摩擦部材23は、前記加工品持上げ部材25と搬送テーブル15の支持面との間に、前側が高くなるように傾斜して備えられているものである。
【0034】
上記構成により、前記支持テーブル11上から、水平状態にある搬送テーブル15上へ加工品を送り出すと、加工品の前側が摩擦部材23上に乗り上げて、前方向への移動が停止される。その後、加工品を前側へ取り出すとき、加工品を前側へ引き出して、加工品の前端側を前記加工品持上げ部材25上に載置する。この際、加工品の前側は、搬送テーブル15の支持面及び摩擦部材23から浮いた状態となる。したがって、加工品の前端縁が持ち易くなると共に、加工品の前側への引き出しを容易に行い得るものである。
【0035】
したがって、加工品が比較的小さい場合や軽い場合には、作業者によって、搬送テーブル15上から前側への加工品の取り出しを容易に行い得るものである。
【0036】
ところで、加工品が比較的大きく重い場合であっても、前記搬送テーブル15上の加工品を、左右方向(X軸方向)へ容易に搬送可能に構成している。すなわち、前記テーブル架台19におけるY軸方向の前側には、加工品の端縁をX軸方向へ移動自在に支持する複数の加工品支持部材(支持ローラ)29がX方向に適宜間隔に備えられている。
【0037】
より詳細には、前記テーブル架台19のY軸方向の前側下部には、
図3に示すように、ローラブラケット31が前方向へ突出して備えられている。そして、上記ローラブラケット31には、前記支持ローラ(加工品支持部材)29がほぼ水平に、かつY軸方向の軸心回りに回転自在に備えられている。上記支持ローラ29は、前記ローラブラケット27間のX軸方向の間隙33(
図5参照)に対応して備えられている。そして、前述したように、前記搬送テーブル15を傾斜したときに、
図6に示すように、前記間隙33内に入り込み、搬送テーブル15上を滑落する加工品の下端縁を支持する構成である。
【0038】
すなわち、搬送テーブル15上に比較的大きな加工品が送り出された後に、搬送テーブル15の前側が低くなるように傾斜すると、前記摩擦部材23も同様に傾斜される。したがって、搬送テーブル15上を滑落した加工品の下端縁は、複数の支持ローラ29によって支持される。よって、支持ローラ29及び搬送テーブル15に支持された状態にある加工品を、左右方向(X軸方向)に移動可能である。
【0039】
ここで、前記搬送テーブル15に備えた前記コロコンローラ20は、搬送テーブル15上の加工品がX軸方向へ移動することを抑制する機能を有するものである。したがって、加工品の、搬送テーブル15に支持された部分は、X軸方向へ円滑に移動することは難しいものである。そこで、本実施形態においては、搬送テーブル15の前側が低くなるように傾斜した際に、搬送テーブル15の支持面(前記コロコンローラ20が加工品を支持する支持面)に対して出没自在な複数のローラ35(
図3参照)がX軸方向に適宜間隔に備えられている。
【0040】
より詳細には、前記搬送テーブル15は、
図7に示すように、X軸方向の枢軸37を介して前記テーブル架台19に傾斜自在に支持されているものである。そして、前記枢軸37を中心として前記搬送テーブル15を傾斜するために、前記テーブル架台19には、傾斜作動用のアクチュエータと1例としての流体圧シリンダ39が備えられている。そして、流体圧シリンダ39におけるピストンロッド39Pの先端部は、ヒンジピン41を介して前記搬送テーブル15と枢支連結してある。したがって、前記流体圧シリンダ39のピストンロッド39Pを伸縮作動することにより、搬送テーブル15は、枢軸37を中心として傾斜動作されるものである。
【0041】
前記ローラ35は、前記搬送テーブル15のY軸方向の前側が低くなるように傾斜したときに、前記搬送テーブル15の支持面から突出するように備えられている。すなわち、前記搬送テーブル15の下面であって、Y軸方向の後側には、
図7に示すように、当該搬送テーブル15の下面とほぼ平行なY軸方向に長い桁部材43が一体的に備えられている。そして、この桁部材43の後端側に備えたブラケット45には、枢軸47を介してローラベース49の後端側が揺動可能に支持されている。前記ローラベース49の上面には、前記ローラ35が回転自在に備えられている。
【0042】
前記ローラベース47の前端側には、当該ローラベース49の長手方向に沿ったスリット51が備えられている。このスリット51には、前記桁部材43の前端側において枢軸53を介して揺動自在に支持されたベルクランク55の一端部に備えたローラが移動自在に係合してある。そして、前記ベルクランク55の他端部には、揺動ロッド57の先端部がヒンジピン59を介して枢支連結してある。前記揺動ロッド57の他端部は、前記テーブル架台19の前端側に一体的に備えたブラケット61にヒンジピン63を介して枢支連結してある。
【0043】
上記構成において、
図7に示すように、搬送テーブル15の上面に対してローラ35が没入した状態にあるときに、流体圧シリンダ39のピストンロッド39Pを伸長作動すると、搬送テーブル15は、枢軸37を中心として前端側(
図7においての右端部)が次第に低くなるように傾斜する。換言すれば、搬送テーブル15の後端側(
図7において左端側)が次第に高くなるように傾斜することになる。
【0044】
搬送テーブル15が前述したように次第に傾斜すると、揺動ロッド57の他端側を相対的に引っ張ることとなる。したがって、ベルクランク55は、前記揺動ロッド57の作用によって、枢軸53を中心として時計回り方向に回動することになる。上述のようにベルクランク55が回動すると、ベルクランク55の一端側が、ローラベース49のスリット51内を移動することになる。したがって、ローラベース49は、枢軸47を中心として、搬送テーブル15に対して上昇するように回動する。
【0045】
よって、搬送テーブル15の後端側が上昇すると、
図8に示すように、ローラ35は搬送テーブル15の搬送面から突出することになる。したがって、搬送テーブル15に支持されている加工品の支持は、コロコンローラ20による支持状態からローラ35による支持状態に切り換わることになる。すなわち、前記搬送テーブル15の前端側が低くなるように傾斜すると、搬送テーブル15上に支持されていた加工品の一端縁(下端縁)は支持ローラ29に支持される。そして、コロコンローラ20に支持されていた部分は、前記ローラ35に支持されることになる。したがって、加工品が大きく重い場合であっても、加工品を傾斜した状態においてX軸方向に容易に移動することができることになる。
【0046】
ところで、
図1,2に示すように、前記板材加工機3のX軸方向の側方及び前記ワークテーブル5,支持テーブル11のX軸方向の側方には、それぞれフェンス65が配置してある。そして、前記支持テーブル11と搬送テーブル15との間には、加工品が通過自在な間隙を備えたフェンス67が配置してある。さらに、前記搬送テーブル15のX軸方向の一側にはフェンス69が配置してあり、他側には、開閉ドア装置71が配置してある。なお、前記搬送テーブル15のY軸方向の前方は、フェンス又は壁(図示省略)によって閉じられた状態にある。
【0047】
すなわち、ワークの加工領域やワークの移動領域の周辺は、フェンス69等によって囲繞されており、安全性が確保されているものである。
【0048】
ところで、前記搬送テーブル15のY軸方向の前側が低くなるように傾斜した状態において、搬送テーブル15に支持されている加工品を左右方向(X軸方向)に移動して、前記開閉ドア装置71から左右方向の外側へ移動するには、前記開閉ドア装置71を開いて、前記搬送テーブル15の前側の領域に、作業者が入る必要がある。
【0049】
そこで、前記開閉ドア装置71は、次のように構成してある。すなわち、
図1,2及び
図9を参照するに、開閉ドア装置71は、
図1,2に示すように、前記搬送テーブル15のX方向の側方であって、かつ搬送テーブル15のY軸方向の後側部分に対応して配置された控え壁73を備えている。この控え壁73の上部には、前後方向(Y軸方向)であって、前記搬送テーブル15に前側の領域に対応した位置にまで水平に延伸した上レール75が備えられている。
【0050】
前記上レール75は、例えば並列したリップ溝型鋼(C形鋼)から構成してあって、上吊りランナ(図示省略)が移動自在に備えられている。そして、前記上吊りランナには、2枚連動片引の引戸77A,77Bが吊り下げられている。すなわち、開閉ドア装置71は、上吊り引戸に構成してある。したがって、下レールが無く、例えば台車等を前記搬送テーブル15に対して容易に近接することができるものである。
【0051】
前記開閉ドア装置71における前記引戸77Aには、引戸77A,77Bの開閉を行う引手79が備えられていると共に、前記搬送テーブル15の前側の領域への作業者等の侵入を検出するための、例えばレーザスキャナなどのごとき人体検出センサ81が備えられている。
【0052】
したがって、例えば、前記搬送テーブル15の傾斜動作時や、開閉ドア装置71の開閉動作時に、前記搬送テーブル15の前側領域に作業者等が侵入すると、人体検出センサ81によって検出される。よって、作業者等の侵入を検出した際には、例えば搬送テーブル15の傾斜動作を停止するなど、必要な安全対策を講じることができる。すなわち、安全性の向上を図ることができるものである。
【0053】
以上のごとき説明より理解されるように、テーブル架台19上に傾斜自在に備えた搬送テーブル15の上面には、複数のコロコンローラ20を備えた構成である。したがって、搬送テーブル15を傾斜して加工品を滑落するとき、加工品は蛇行したり、旋回したりするようなことはない。すなわち、加工品は直線的に滑落(下降)するものである。そして、加工品とコロコンローラ20は、転がり接触であるから、加工品に擦り傷等を生じることはないものである。
【0054】
また、前記搬送テーブル15の傾斜下端側には、滑落する加工品の移動を制動するための摩擦部材23を備えた構成である。したがって
、加工品を搬送テーブル15上に送り出した場合、加工品の前方への移動は制動されることになる。よって、搬送テーブル15の傾斜下端側(前側)から勢いよく加工品が飛び出るようなことはないものである。
【0055】
そして、搬送テーブル15を水平に保持した状態において、前側(傾斜下端側)から加工品の取り出しを行う際、前側に備えたローラ25によって、加工品の一部を搬送テーブル15の上面から浮いた状態(持上げ状態)に保持することができる。したがって、水平状態にある搬送テーブル15の前側からの加工品の取り出しを容易に行うことができる。
【0056】
前記搬送テーブル15の前側が低くなるように傾斜したときには、搬送テーブル15上の加工品の下端縁は、テーブル架台19に備えた支持ローラ29によって支持される。そして、搬送テーブル15が傾斜されると、搬送テーブル15の支持面からローラ35が突出して、加工品を支持する。すなわち、搬送テーブル15の支持面における加工品の支持状態は、コロコンローラ20による支持からローラ35による支持状態に切り換わる。
【0057】
したがって、搬送テーブル15を傾斜した状態において、加工品を左右方向に移動するとき、円滑に移動することができる。よって、加工品が大きく重い場合であっても、左右方向への搬出が容易なものである。
【0058】
また、前記実施形態においては、搬送テーブル15の左右方向の一側に開閉ドア装置71を備えた構成である。そして、開閉ドア装置71には、前記搬送テーブル15の前側領域への作業者等の侵入を検出する人体検出センサ81を備えている。したがって、人体検出センサ81の検知作動によって、例えば前記搬送テーブル15の動作を停止することができる。よって、安全性の向上を図ることができる。
【0059】
また、前記開閉ドア装置71は、引戸77A,77Bを備えた構成である。したがって、開閉ドア装置71の占有面積を小さくして、省スペース化を図ることができるものである。
【0060】
既に理解されるように、
図1に示すように、搬送テーブル15を間にして、搬送テーブル15の左右方向の一側にフェンス69を配置し、搬送テーブル15の左右方向の他側に開閉ドア装置71を配置した構成である。そして、
図9に示すように、前記開閉ドア装置71において前後方向(Y軸方向)へ開閉自在な引戸77A(最も前側へ引出し可能な引戸)の前側に人体検出センサ81を備えた構成である。したがって、開閉ドア装置71における引戸77A,77Bを引出して閉鎖した状態においては、前記搬送テーブル15の前側に作業者等が進入することを検出できるものである。したがって、搬送テーブル15の前側に作業者等が近接したことを、人体検出センサ81によって検出し、搬送テーブル15等の動作を停止することにより、安全性の向上を図ることができる。
【0061】
ところで、前記人体検出センサ81としてのレーザスキャナは、レーザ光がスキャンして作業者等を検出する防護範囲81A(
図12参照)は、任意に調節可能である。したがって、前記搬送テーブル15を間にして、前記人体検出センサ(レーザスキャナ)81と対向した前記フェンス69の対向位置をレーザスキャナ81が検出することのないように、前記防護範囲81Aの領域を設定する必要がある。
【0062】
この場合、レーザスキャナ81の特性として、検出エラーを防止するために、前記防護範囲81Aとフェンス69の支柱69Aとの間には所定の空間、例えば100mmの間隔、すなわち上下方向の帯状の空間91が必要である。前述のように、空間91として、約100mmの間隔を備えると、この空間91から誤って手を入れる可能性がある。
【0063】
したがって、前記空間91からの手等の侵入を防止するために、前記支柱69Aには、適宜形状の侵入防止部材93が備えられている。よって、レーザスキャナ81における防護範囲81Aと支柱69Aとの間の空間91から作業者の手等が入ることを防止でき、安全性がより向上するものである。
【0064】
前記開閉ドア装置71における引戸77A,77Bは、前後方向の上レール75に吊り下げられて前後方向に移動する構成である。したがって、引戸77A,77Bの下部は、左右方向(X軸方向)に揺れを生じ易いものである。そこで、前記引戸77Aの下端部が前後方向(Y軸方向)に通過する床上には、
図13に示す如き一対の揺れ規制部材95A,95Bが左右方向(X軸方向)に離隔して備えられている。本実施形態においては、前記一対の揺れ規制部材95A,95Bは、X軸方向に対向して備えられている。しかし、前記揺れ規制部材95A,95Bは、X軸方向に対向することなく、Y軸方向に位置ずれして配置してもよいものである。
【0065】
前記揺れ規制部材95A,95Bは、引戸77Aの下端部における、X軸方向の側面に当接可能な垂直な揺れ規制面97A,97Bを対向して備えている。この揺れ規制部材95A,95Bにおける揺れ規制面97A,97Bの間隔は、引戸77Aの下端部が通過自在な間隔であり、かつ引戸77Aにおける下端部が左右方向(X軸方向)に大きく揺れることを規制する間隔に設定してある。
【0066】
そして、この揺れ規制面97A,97BのY軸方向の両側には、Y軸方向の両側方が次第に広くなるようにX軸方向に傾斜したガイド面99A,99Bを備えている。さらに、前記揺れ規制部材95A,95Bには、X軸方向、Y軸方向の外側面は、外側が低くなるように傾斜した傾斜面101Aが備えられている。なお、揺れ規制部材95A,95Bの上面は、躓きや引っ掛かり等を生じないように、突起部のないように形成してある。
【0067】
上記構成により、開閉ドア装置71における上レール75に沿ってY軸方向の前側へ移動された引戸77Aの下端部は、揺れ規制部材95A,95Bの揺れ規制面97A,97Bによって左右方向への揺れを規制されるものである。したがって、引戸77Aに備えたレーザスキャナ81は常に安定した姿勢に保持されるものである。よって、引戸77Aの下端部が揺動することに起因するレーザスキャナ81の誤動作を防止することができる。
【0068】
また、前記構成においては、揺れ防止部材95A,95BのX軸方向、Y軸方向の外側面は外側が低くなるように傾斜した傾斜面101Aに形成してある。したがって、例えば移動台車等における車輪が揺れ防止部材95A,95Bを容易に乗り越えることができる。また、作業者が躓くことを防止できるものである。