(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態(第1実施形態)に係る逆止弁が設けられた包装袋を示す。また、
図2は、
図1の包装袋の持手部付近を示す。さらに、
図3は
図2のA−A線断面を示し、
図4は
図2のB−B線断面を示し、
図5は
図2のC−C線断面を示す図である。なお、以下に示す説明では、各図において共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0021】
図1及び
図2において、包装袋100は、袋本体10、持手20、指掛30、40を備えている。袋本体10は、被包装体(トイレットペーパー)Tが収容される包装袋の本体を構成する。袋本体10は、柔らかい樹脂フィルム等で形成することができる。袋本体10は、樹脂フィルムがサイドシールにより袋状にされ、袋状になった樹脂フィルムがガセット状に折り込まれた構造になっている(
図1、
図2参照)。
【0022】
袋本体10を形成する樹脂フィルムの材質は、任意である。このような樹脂フィルムには、例えば、ポリエチレン(PE)、PE−エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)−PEの積層体(PE/EVOH/PE)等の樹脂フィルムを用いることができる。また、樹脂フィルムの厚みは、任意である。例えば、樹脂フィルムとしてPE、PE/EVOH/PEを用いる場合、樹脂フィルムの厚みは10〜70μmとすることができ、好ましくは15〜60μm、より好ましくは20〜50μmである。
【0023】
袋本体10は、被包装袋としてロール状のトイレットペーパーTが12個収容されている(
図1参照)。被包装体の形態は、ロール状に限定されず、積層状等の他の形態で収容されていてもよい。また、袋本体10に収容される被包装体は、トイレットペーパーに限定されるものではなく、キッチンペーパー、ベビー用または介護用の紙おむつ、生理用ナプキン等の物品を収容することができる。
【0024】
さらに、袋本体10に被包装体として収容される物品の個数は限定されず、1つでもよく、
図1に示すように複数であってもよい。なお、
図1に示す例では、ロール状のトイレットペーパーTを1段に4つ並べたものを3段に積み上げた状態で合計12個のトイレットペーパーTが袋本体10内に収容されている。しかしながら、袋本体10内に収容される被包装体の配列はこの配列に限定されるものではなく、例えば、12個のトイレットペーパーTを一段に並べた状態で袋本体10に収容しても良い。
【0025】
持手20は、
図1、
図2に示すように、袋本体10の上部11に設けられ、包装袋100を手指で掴む部分を構成する。持手20は、袋本体10と同様に、樹脂フィルム等で形成することができる。持手20は、図示しない熱融着(ヒートシール)により、袋本体10の上部11に形成される。持手20は、袋本体10と連続するベース12で構成される(
図3参照)。持手20が設けられる位置は、袋本体10の上部11に限定されず、袋本体10の側面でもよい。なお、熱融着(ヒートシール)は、例えば、上述のガセット状に折り込まれた樹脂フィルムを、持手成形用の熱版で型押しする手法(スタンプ方式)により行うことができる。
【0026】
持手20は、この折り込まれた樹脂フィルムがベース12として、持手20の長手方向(
図2のX方向)の両端23、24では4枚重ねで、持手20の中央部25付近ではベース12を構成するベース半部12Aとベース半部12Bとが2枚重ねで、それぞれヒートシールHで形成されたシール部50で接着されている(
図2〜
図5参照)。
【0027】
また、シール部50は、指掛30、40を上下で挟み込むように持手20の上端21及び下端22に配置されている。なお、持手20には、持手20が設けられた袋本体10が包装袋100の製造時または流通時に破裂しないように、袋本体10と包装袋100の外部とを連通する図示しない空気穴を設けてもよい。
【0028】
持手20には、持手20を掴む際に手指を掛けるための指掛30、40が設けられている。指掛30、40は、持手20の内側に配置されている。また、指掛30、40は、上述のシール部50で上下に挟まれた形で持手20に配置されている。
【0029】
本実施形態では、
図1、
図2に示すように、指掛30、40のそれぞれ一部が楕円形状のスリットSで形成されている。指掛30は、中央部31が持手20の下端22側に配置され、両端部32、33が持手20の上端21側に配置されている。一方、指掛40は、中央部41が持手20の下端22側に配置され、両端部42、43が持手20の上端21側に配置されている。なお、スリットSの形状は楕円形状に限定されず、例えば、直線状のスリットを設けてもよい。また、スリットSの形態は任意であり、例えば、ミシン目で形成し、該ミシン目を破ることで指掛を形成することができる。
【0030】
また、持手20には、指掛30、40を覆う図示しない補強フィルムを設けてもよい。この補強フィルムは、帯状の樹脂フィルムで形成することができる。なお、補強フィルムの材質は任意であり、持手20を構成する樹脂フィルムの材質と同じでも良く、また異なっていても良い。
【0031】
このような樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびPE−エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)−PEの積層体(PE/EVOH/PE)等の樹脂フィルムを用いることができる。このような補強フィルムを設けることにより、持手20の指掛30、40が設けられる部分を補強することができる。
【0032】
また、補強フィルムの厚み寸法は、任意である。例えば、補強フィルムの厚みは、20μm以上にすることができ、好ましくは30μm〜150μm、より好ましくは50μm〜130μmである。補強フィルムの厚み寸法をこのような範囲にすることにより、持手20が伸びたり、破断するのを防ぐことができる。また、上述の熱溶着等により、持手20に補強フィルムを確実に接着することができる。
【0033】
本実施形態(第1実施形態)では、さらに持手20にシール部60が設けられている。
シール部60は、2枚の樹脂フィルムが重ねられて構成されている。具体的には、
図1〜
図3に示すように、上述のベース半部12Aとベース半部12Bとの2枚重ねでシール部60が形成されている。なお、シール部60は、本発明に係る逆止弁が設けられる膨出体の一例である。このようなシール部60は、シール部50と同様に熱融着(ヒートシールH)で形成されている。なお、シール部60は、熱融着に限定されず、接着剤、粘着剤等を塗布することによって形成してもよい。
【0034】
また、シール部60の形状は、持手20の厚み方向(
図1のZ方向)に視て矩形状になっている(
図1、
図2参照)。このような矩形状のシール部60を設けることにより、膨出体を構成するシール部60の形成が容易である。
【0035】
なお、シール部60の形状は、このような矩形状に限定されるものではない。例えば、その他の形状としては、シール部60の形状を正面視で(
図1のZ方向に視たときに)図示しない楕円形状等にしてもよい。このような楕円形状のシール部60を設けることにより、膨出体を構成するシール部60の中央部で膨らみが大きくなり、持手20を持ち上げた際に、手指等にシール部60が当たる面積大きくなるため、持手20が握り易くなる。
【0036】
シール部60は、
図1、
図2に示すように、持手20の内側に上述のシール部50で上下に挟まれた形で配置されている。また、シール部60は、指掛30、40の上方(持手20の上端21側)に配置され、持手20の高さ方向(
図2のY方向)に指掛30、40と対向する。持手20の高さ方向に対向するとは、指掛30、40とシール部60とが持手20の高さ方向に間隔を開けて並んでいることを意味する。
【0037】
また、シール部60は、
図2に示すように、空気室62と空気導入口63を備える。空気室62は、
図2〜
図5に示すように、上述のベース半部12Aとベース半部12Bとの間に形成されている。また、空気室62は、ヒートシールHで囲まれた空間ARで形成されており、内部に空気を溜めることができるようになっている。空気室62は、内部に空気が溜まることにより、ベース半部12Aの一部とベース半部12Bの一部とが持手20の厚み方向(
図3のZ方向)に膨らんだ空間ARを構成することができる(
図2〜
図5参照)。
【0038】
なお、空気室62は、本発明の逆止弁が用いられる膨出体が有する気体室の一例である。また、空気室62の内部に溜める空気は、本発明における気体室に溜める気体の一例である。なお、気体室に溜める気体は、空気に限定されず、ヘリウムガス、窒素ガス、またはこれらと空気の混合ガス等を用いてもよい。
【0039】
空気導入口63は、
図2、
図4に示すように、空気室62と連通して、空気室62に空気を導入することができる開口を形成する。すなわち、シール部60において、空気導入口63から空気室62内に空気を供給することができる。なお、空気導入口63は、本発明における導入口の一例である。
【0040】
本実施形態では、
図2に示すように、空気導入口63がシール部60の下端60Aに設けられている。なお、空気導入口63の位置は限定されず、シール部60の両端部60B、60Cの少なくとも一方の端部に設けてもよい。また、本実施形態では1個の空気導入口63が設けられているが、空気導入口63の個数は限定されず、複数の空気導入口63を設けてもよい。
【0041】
シール部60は、
図1、
図2に示すように、さらに逆止弁70を備える。逆止弁70は、
図2、
図4に示すように、空気導入口63に設けられている。逆止弁70は、後述のように、シール部60の空気室62内への空気の流れを許容し、空気室62からシール部60の外側に空気が逆流するのを抑制することができる。逆止弁70は、本発明に係る逆止弁の一例である。
【0042】
本実施形態では、逆止弁70は、シール部60と同様に熱融着(ヒートシールH)で形成されている。空気導入口63に設けられた逆止弁70をこのようなヒートシールHで形成することにより、逆止弁70をシール部50およびシール部60と一緒に形成することができる。そのため、シール部60の空気導入口63に対して逆止弁70を容易に配置することができる。
【0043】
なお、
図1、
図2では、シール部60に対して逆止弁70を構成するヒートシールHの幅が異なっているが、両者は同じ幅のヒートシールで構成されていてもよい。また、逆止弁70の形成は、ヒートシールによる形成に限定されず、接着剤、粘着剤等を塗布することによって形成してもよい。
【0044】
本実施形態では、膨出体としてのシール部60が、指掛30、40の上方に配置され、持手20の高さ方向(
図2のY方向)に指掛30、40対向している。そのため、持手20の指掛30、40に手指を掛けて、持手20を持ち上げると、膨らんだシール部60が手指等に対して面として当たり易くなる。すなわち、持手20を持ち上げた際に、持手20が線として手指等に当たり難くなる。その結果、本実施形態によれば、持手20によって手指等が締め付けられたり、手指等が痛くなるのを抑制することができる。
【0045】
また、本実施形態では、内部に空気を溜める空気室62と、空気室62と連通して空気室62に空気を導入する空気導入口63とが、シール部60に設けられているため、シール部60内に空気を供給することができる。これにより、空気室62内の空気が抜けてシール部60の膨らみが減少しても、空気導入口63から空気室62内に空気を供給することにより、シール部60を膨らますことができる。
【0046】
さらに、本実施形態では、空気導入口63に、空気室62からの空気の逆流を抑制する逆止弁70が設けられているため、シール部60内の空気が抜け難くなっている。これにより、シール部60が膨んだ状態を維持することができ、膨らんだシール部60が手指または掌(以下、手指等という)に対して面として当たる状態を維持することができる。そのため、持手20によって手指が締め付けられたり、手指等が痛くなるのを抑制することができ、包装袋100を持ち易くすることができる。この状態で持手20を掴むことにより、被包装体(トイレットペーパー)Tが収容された包装袋100を安定して持ち運ぶことができる。
【0047】
また、本実施形態では、指掛30、40の上方に設けられたシール部60の存在により、持手20によって手指等が締め付けられたり、手指等が痛くなるのが抑制されるため、持手20の形状が変化し難い。そのため、本実施形態では、袋本体10に被包装体Tが収容された状態で包装袋100を持ち運ぶ際に、持手20が伸びたり、破断するのを抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態では、シール部60が、上述のようにヒートシールHで形成されているため、シール部60を持手20に対して容易に配置することができる。また、シール部60内では、空気室62と空気導入口63を容易に配置することができる。さらに、持手20をシール部50でシールする際に、シール部50と一緒にシール部60を配置することができるため、包装袋100の製造が容易である。
【0049】
本実施形態では、
図1、2に示すように、シール部60の空気導入口63が、袋本体10の内部に連通している。このように空気導入口63が、シール部60の空気室62に連通するため、シール部60の空気室62は袋本体10の内部に連通することができる。具体的には、
図2に示すように、持手20の内側に通路80が設けられている。通路80は、一端80Aが空気導入口63に連通し、かつ他端80Bが袋本体10の内部に連通している。
【0050】
本実施形態では、通路80が指掛30と指掛40の間を通って、シール部60の下端60Aに連通する空気導入口63に設けられた逆止弁70に接続されている。すなわち、通路80は、持手20の中央寄り(中央部25)に配置されている。通路80をこのような配置にすることで、空気導入口63と袋本体10とを最短距離で連通することができる。これにより、袋本体10とシール部60の空気室62との間で、通路80の長さを短くすることができる。そのため、空気が移動する距離が短くなり、シール部60の空気室62内に空気が供給され易くなる。
【0051】
通路80は、シール部60と同様にヒートシールHで形成されている。具体的には、通路80は、ヒートシールHで囲まれた空間APで形成されている。なお、
図2では、シール部60に対して通路80を構成するヒートシールHの幅が異なっているが、両者は同じ幅のヒートシールで構成されていてもよい。
【0052】
このように通路80をヒートシールHで形成することにより、通路80を持手20、シール部50及びシール部60に対して容易に配置することができる。また、持手20をシール部50でシールする際に、シール部50と一緒に通路80を配置することができるため、包装袋100の製造が容易である。なお、通路80の形成は、熱融着による形成に限定されず、接着剤、粘着剤等を塗布することによって形成してもよい。
【0053】
本実施形態によれば、シール部60の空気導入口63が袋本体10の内部に連通するため、袋本体10内の空気をシール部60の空気室62に供給することができる。その結果、袋本体10内の圧力をシール部60に逃がすことができる。
【0054】
袋本体10は、被包装体(トイレットペーパー)Tを収容する際に空気が入り易く、包装袋100の保管時や持ち運び時に、袋本体10内の圧力が高くなると、包装袋100の袋本体10が破裂する場合がある。しかしながら、本実施形態では、袋本体10内の圧力が高くなった場合でも、上述のように袋本体10内の圧力をシール部60内に逃がすことができるため、袋本体10が破裂するのを防ぐことができる。
【0055】
また、シール部60の空気導入口63に逆止弁70が設けられているため、シール部60の空気室62内への空気の流れを許容しながら、シール部60の空気室62から袋本体10内へ空気が逆流するのを抑制することができる。そのため、本実施形態によれば、袋本体10の破裂を確実に防ぐことができる。
【0056】
さらに、本実施形態では、持手20に形成された通路80によって、シール部60の内部と袋本体10の内部とを確実に連通させることができる。そのため、袋本体10内の空気をシール部60の空気室62に確実に供給することができる。
【0057】
なお、本実施形態では、シール部60の下端60Aの空気導入口63に1つの逆止弁70を介して1つの通路80が設けられているが、逆止弁70、通路80の数は限定されない。したがって、例えば、通路80を図示しない2つの通路で構成し、一方の通路は、持手20の長手方向の一端23側で袋本体10の内部に連通させ、且つ持手20の長手方向の一端23側のシール部60の端部60Bに連通させる。また、他方の通路は、持手20の長手方向の他端24側で袋本体10の内部に連通し、且つ持手20の他端24側のシール部60の端部60Cに連通させる(
図2のX方向参照)。
【0058】
このように持手20の一端23側に一方の通路を配置し、持手20の他端24側に他方の通路を配置することで、2つの通路は、指掛30、40が形成された領域を回避して形成することができる。そのため、通路80が指掛30、40に干渉するのを防ぐことができる。これにより、指掛30、40の寸法を大きくしたり、指掛30、40の代わりに1つの指掛(例えば、直線状の1つのスリットS)を持手20に配置することができるため、指掛の形成が容易になる。また、持手20の厚み方向(
図1のZ方向参照)への手指Pの挿入が容易になるため、包装袋100がさらに持ち易くなる。
【0059】
図6は、本実施形態(第1実施形態)で用いられる逆止弁70を示す。本実施形態では、
図6に示すように、逆止弁70が基部71と延長部72とを備えている。逆止弁70の基部71は、シール部60の外側からシール部60の空気室62内に延びている。また、基部71の幅W1は、シール部60の外側からシール部60の空気室62内に向かって狭まる。すなわち、逆止弁70の基部71は、シール部60の外側からシール部60の空気室62内に向かってテーパになっている。なお、テーパとは、先に進むほど狭くまたは細くなる(先細である)ことを意味する。
【0060】
逆止弁70の延長部72は、基部71と連続してシール部60の空気室62内に配置され、空気室62内に向かって開口する開口部73を有する。また、逆止弁70は、延長部72の幅W2が、基部71側の端部72Aから延長部72の中央部72Bに向かって広がる。すなわち、逆止弁70の延長部72は、基部71側から中央部72Bに向かって逆テーパになっている。なお、逆テーパとは、上述のテーパと反対に、先に進むほど広くまたは太くなる(先太である)ことを意味する。
【0061】
また、延長部72の幅W2は、さらに中央部72Bから開口部73側の端部72Cに向かって狭まる。すなわち、逆止弁70の延長部72は、さらに逆止弁70の中央部72Bから開口部73側の端部72Cに向かってテーパになっている。
【0062】
本実施形態では、逆止弁70の延長部72が、基部71側の端部72Aから延長部72の中央部72Bに向かって逆テーパになっているため、逆止弁70の基部71と延長部72との間に幅が狭い狭窄部NSが形成される。本実施形態では、このような狭窄部NSが2枚の柔らかい樹脂フィルム間に形成されるため、空気室62内の圧力が空気室62の外部の圧力より高くなると、この柔らかい樹脂フィルムで形成される狭窄部NSが空気室62内の圧力に押されて狭くなる。これにより、空気室62からの空気の逆流が抑制され、空気室62内に供給された空気は空気室62からシール部60の外側に向かって流れ難くなる。その結果、シール部60内の空気が抜け難くなり、膨出体であるシール部60の膨らみが維持される。
【0063】
また、本実施形態では、逆止弁70の延長部72が、さらに中央部72Bから逆止弁70の開口部73側の端部72Cに向かってテーパであるため、逆止弁70の延長部72の中央部72Bに幅が広い拡張部ESが形成される。本実施形態では、このような拡張部ESが存在することで、空気室62内の圧力が空気室62の外側より高くなった場合に、空気室62内の空気がシール部60の下端60A側に形成された狭窄部NS付近に溜り易くなり、狭窄部NSはさらに空気室62内の圧力に押されてより狭くなる。
【0064】
また、
図6に示すように、逆止弁70は、拡張部ESの幅に比べて開口部73の幅が狭くなっているため、空気室62内の圧力が空気室62の外側より高くなった場合に、開口部73が空気室62内の圧力に押されることで開口部73の開口幅が狭くなり易い。そのため、このような拡張部ESが形成された逆止弁70により、膨出体としてのシール部60内の空気がさらに抜け難くなるため、シール部60の膨らみを確実に維持することができる。その結果、空気室62からの空気の逆流がさらに抑制され、シール部60の膨らみを確実に維持することができる。
【0065】
また、
図6に示すように、逆止弁70は、延長部72の幅W2が、基部71側の端部72Aから延長部72の中央部72Bに向かって広がり、さらに中央部72Bから開口部73側の端部72Cに向かって狭まっている。これにより、逆止弁70の延長部72は、上述のように、基部71側の端部72Aから中央部72Bに向かって逆テーパになり、且つ中央部72Bから開口部73側の端部73Cに向かってテーパになる。このような延長部72の幅W2を有する逆止弁70を採用することにより、空気室62からの空気の逆流が確実に抑制され、膨出体としてのシール部60の膨らみが確実に維持される。
【0066】
逆止弁70の形状は、任意であるが、本実施形態では、
図6に示すように、延長部72の輪郭形状が正面視で(
図1のZ方向に視て)四角形状になっている。このような四角形状の延長部72を有する逆止弁70を採用することにより、逆止弁70の延長部72の中央部72Bには拡張部ESを確実に形成することができ、逆止弁70の基部71と延長部72との間には狭窄部NSを確実に形成することができる。
【0067】
このような拡張部ESと狭窄部NSの存在により、シール部60の空気室62内の圧力が空気室62の外部より高くなると、延長部72の中央部72Bに形成された拡張部ESでは、空気室62内の圧力に押されても内側に潰れ難い。一方、基部71と延長部72との間に形成された狭窄部NSでは、空気室62内の圧力に押されてより狭くなる。さらに、逆止弁70の開口部73でも、空気室62内の圧力に押されて、開口幅が狭くなる(
図8〜
図10参照)。そのため、このような逆止弁70を採用することにより、空気室62からの空気の逆流を確実に抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態では、逆止弁70の基部71がシール部60の外側から空気室62内に向かってテーパになっているため、逆止弁70の基部71から延長部72に向かって空気が流れる際に、基部71内の圧力が延長部72寄りで高くなる。そのため、逆止弁70内では、基部71から延長部72に空気が流れ易くなる。これにより、シール部60の外部からシール部60の空気室62に向かって空気が流れ易くなり、シール部60内に空気が供給され易くなる。
【0069】
また、逆止弁70は、基部71の幅W1が、シール部60の外側からシール部60の空気室62内に向かって狭まっているため、逆止弁70の基部71を、シール部60の外側から空気室62内に向かって確実にテーパにすることができる。本実施形態では、このような基部71の幅W1を有する逆止弁70を採用することにより、シール部60内に空気が確実に供給され易くなる。
【0070】
なお、逆止弁70は、開口部73の開口幅W3が拡張部ESの中央部72Bとシール部60の両端部60B、60Cとの距離W4よりも短いことが好ましい(
図6参照)。シール部60の空気室62内の圧力が空気室62の外部より高くなると、空気室62内の空気は開口部73または狭窄部NSの方向に逃げる。この場合に、開口部73の開口幅W3が距離W4より長いと、空気室62内の空気は開口部73から逆止弁70内に流れ、空気室62の外部に逃げ易い。
【0071】
これに対して、
図6に示すように、開口部73の開口幅W3が距離W4より短い場合は、空気室62内の空気は逆止弁70の拡張部ESとシール部60の両端部60B、60Cとの間を通過し、シール部60の下端60A側に流れ易く、逆止弁70の狭窄部NSの外側に溜り易い。狭窄部NSの外側に溜まった空気は、逆止弁70の狭窄部NSを外側から押す形となり、逆止弁70の狭窄部NSは内側に潰されて、逆止弁70の狭窄部NSの内側では空気が通過し難くなる。そのため、シール部60に対して逆止弁70をこのような配置にすると、空気室62からの空気の逆流を確実に抑制することができる。
【0072】
図7は、本実施形態(第2実施形態)で用いられる逆止弁70を示す。第2実施形態では、
図7に示すように、延長部72の輪郭形状が正面視で(
図1のZ方向に視て)円形状になっている。このような円形状の延長部72を有する逆止弁70を採用することによっても、逆止弁70の延長部72の中央部72Bに拡張部ESが形成され、逆止弁70の基部71と延長部72との間に狭窄部NSを形成することができる。そのため、このような逆止弁70を採用することにより、第2実施形態でも、空気室62からの空気の逆流を確実に抑制することができる。
【0073】
図8〜
図10は、本実施形態(第1実施形態)で用いられる逆止弁70における空気の流れを示す。なお、
図8〜
図10で示される矢印は、いずれも空気の流れを示している。
図8、空気室62内よりも空気室62の外部で圧力が高い状態を示す。この場合、空気は、
図9に示すように、シール部60の外部から逆止弁70を通ってシール部60の空気室62内に流れる。
【0074】
図10では、空気室62の外部よりも空気室62の内部で圧力が高い状態を示す。この場合、空気室62内の空気は逆止弁70の拡張部ESとシール部60の両端部60B、60Cとの間を通過し、シール部60の下端60A側に流れる。シール部60の下端60A側に流れた空気は、逆止弁70の狭窄部NSの外側に溜まり、溜まった空気によって逆止弁70の狭窄部NSが外側から押され、狭窄部NSの内側が狭まる。また、一部の空気は逆止弁70の開口部73付近に流れ、これにより開口部73が外側から押され開口部73の開口幅が狭められる(
図10参照)。
【0075】
このように、空気室62内よりも空気室62の外部で圧力が高い状態では、空気室62の外部から空気室62内に空気が供給される。一方、空気室62の外部よりも空気室62内で圧力が高い状態(空気室62に空気が供給された状態)では、空気室62からシール部60の外側に空気が逆流するのを抑制することができる。そのため、シール部60の空気導入口63に設けられた逆止弁70は、シール部60の空気室62内への空気の流れを許容し、空気室62からシール部60の外側に空気が逆流するのを抑制することができる(
図8〜
図10参照)。
【0076】
図11〜
図13は、
図1〜
図5に示す本実施形態(第1実施形態)の包装袋を手指で持ち上げる手順を示す。なお、持手20は、袋本体10に対して通常は倒れた状態になっているが、
図10〜
図12では、理解を容易にするため、持手20を袋本体10に対して持手20の高さ方向(Y方向)に立てた状態で示している。
【0077】
包装袋100を持ち上げる場合、まず、
図10に示すように、持手20に手指Pを掛ける前の状態から、スリットSを介して手指Pを持手20の厚み方向(
図11のZ方向)に挿入すると、
図11に示すように、持手20の指掛30、40に手指Pが掛かる。
【0078】
この状態から、
図12に示すように、持手20を掴むと、膨らんだシール部60を手指Pで握ることができる。この状態で、
図12に示すように、持手20を持ち上げると、シール部60が手指Pに面として当たることができる(持手20が線として手指Pに当たり難い)。これにより、持手20によって手指Pが締め付けられたり、手指が痛くなるのが抑制される。
【0079】
このように、本実施形態によれば、被包装体(トイレットペーパーT)が収容された状態で包装袋100を持ち運ぶ場合でも、包装袋100は、持ち易いものとなる。また、
図12に示すように、持手20を持ち上げた際に、シール部60を手指Pで掴むことにより、指掛30、40の形状が変化し難く、持手20が伸びたり、破断するのが抑制される。
【実施例】
【0080】
以下、本実施形態について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。各実施例、比較例の測定、評価は、以下のようにして行った。
【0081】
[空気抜け試験]
試験体として、内側にシール部60が形成された持手20を用意した。持手20の寸法は、長手方向(
図2のX方向)に約200mm、高さ方向(
図2のY方向)に約50mmとした。膨出体としてのシール部60の寸法は、長手方向(
図2のX方向)に約90mm、高さ方向(
図2のY方向)に約30mmとした。シール部60内に空気が供給された持手20を平坦な机の上に置き、持手20の上にアクリルプレート(縦:約100mm、横:約50mm、厚さ:約3mm)を載せ、さらにアクリルプレートの上に直方体の錘(重さ:1.5kg、底面積:80mm×20mm)を置いた。そして、錘を10秒間置いた後、空気の抜け具合を確認した。空気の抜け具合は、錘を置く前の机とアクリルプレートとの距離に対して、錘を10秒間置いた後の机とアクリルプレートとの距離の割合が50%以上であるか否かを確認し、以下の基準で評価した。
○:距離の割合が50%以上であった(空気が抜け難かった)
×:距離の割合が50%未満であった(空気が抜けやすかった)
【0082】
[振り子試験]
12個のロール状のトイレットペーパーT(大王製紙株式会社製の「エリエール トイレットティシュー 60mシングル(147g/ロール)」)を収容した包装袋100の指掛30、40に、ユーザが右手の人差し指、中指、薬指、小指を掛けて、包装袋100の持手20を持ち、180°の範囲で振り子のように10往復移動させた。このとき、包装袋100の耐久性を、以下の基準で評価した。なお、振り子試験は、各実施例及び比較例につき5回の試験を行った。
○:5回中1回も破損が確認できなかった
×:5回中1回以上破損が確認された
【0083】
[指掛け試験]
上記の振り子試験を1往復行った後、1人のユーザにおける指への締め付けの程度を、下記の5段階で評価した。この場合、実施例及び比較例ごとに10人のユーザにより試験を行った結果を点数化し、その平均値を算出した。平均値が3.0以上の場合に指掛け試験の結果が良好であると判断した。
5点:指への締め付けを感じない
4点:指への締め付けをごくわずかに感じる
3点:指への締め付けをわずかに感じる
2点:指への締め付けを感じる
1点:指への締め付けを強く感じる
【0084】
以下、実施例及び比較例について、説明する。
【0085】
[実施例1]
包装袋100を、厚み25μmのポリエチレンのフィルムから製袋機を用いて作製した。
図1に示すように、持手20を袋本体10の上部11に形成し、長手方向(
図2のX方向)の寸法約200mm、高さ方向(
図2のY方向)の寸法約50mmとした。
図2、
図3に示すように、指掛30、40としてそれぞれ楕円状のスリットSを設けた。スリットSは、楕円の形状が略左右対称になるように配置した。指掛30は、中央部31を持手20の下端22側に配置し、両端部32、33を持手20の上端21側に配置した。指掛40は、中央部41を持手20の下端22側に配置し、両端部42、43を持手20の上端21側に配置した。スリットSの寸法は、いずれも楕円の長軸が約30mm、短軸が約15mm、X方向におけるスリットS、S間の距離が最短で約20mmとした。また、指掛30、40の上方に、膨出体として正面視で(
図2のZ方向に視て)矩形状のシール部60を配置した。シール部60の寸法は、長手方向(
図2のX方向)に約90mm、高さ方向(
図2のY方向)に約30mmとした。指掛30、40とシール部60との距離は、約5mmとした。さらに、シール部60の空気導入口63に、基部71と延長部72を有する逆止弁70を設けた。逆止弁70は、基部71の幅W1が空気室62の外側から空気室62内に向かって狭まり(テーパであり)、延長部72の幅W2が基部71側の端部72Aから中央部72Bに向かって広がり(逆テーパであり)、且つ中央部72Bから開口部73側の端部72Cに向かって狭まっている(テーパである)。また、逆止弁70の延長部72は、四角形状にした(
図2、
図6参照)。また、袋本体10に連通し、指掛30と指掛40の間を通って、シール部60の下端60Aで空気導入口63の逆止弁70に接続する通路80を設けた。結果を表1に示す。
【0086】
[実施例2]
図7に示すように、逆止弁70の延長部72を円形状にした以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0087】
[比較例1]
図14に示すように、逆止弁70を設けず、シール部60の下端60Aで空気導入口63に連通する通路80のみを設けた以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0088】
[比較例2]
図15に示すように、逆止弁70に延長部72が設けられていない以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0089】
[比較例3]
図16に示すように、シール部60は設けず、指掛30として楕円状のスリットSを設けた。スリットSは、楕円の周囲のうち下端の一部を残すように配置した。指掛30は、指掛30の中央部31を持手20の上端21側に配置し、両端部32、33を持手20の下端22側に配置した。スリットSの寸法は、X方向に約80mm、Y方向に約20mmとした。これらの条件以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0090】
[比較例4]
図17に示すように、シール部60は設けず、指掛30、40としてそれぞれ楕円状のスリットSを設けた。スリットS、Sは、楕円の形状が略左右対称になるように配置した。指掛30は、中央部31を持手20の下端22側に配置し、両端部32、33を持手20の上端21側に配置した。また、指掛40は、中央部41を持手20の下端22側に配置し、両端部42、43を持手20の上端21側に配置した。スリットSの寸法は、いずれも楕円の長軸が約30mm、短軸が約15mm、X方向におけるスリットS、S間の距離が最短で約20mmとした。これらの条件以外は、実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0091】
【表1】
表1より、延長部72が基部71側の端部72Aから中央部72Bに向かって逆テーパである逆止弁70が持手20に設けられた構成では、空気抜け試験の結果はいずれも○となった。また、振り子試験の結果はいずれも〇となった。さらに、指掛け試験の結果はいずれも3.0以上となった(実施例1、2)。
【0092】
これに対して、逆止弁70を設けずシール部60の下端60Aで空気導入口63に連通する通路80を設けた構成、及び逆止弁70に延長部72が設けられていない構成では、いずれも、空気抜け試験の結果は×となった。また、振り子試験の結果は×となった。さらに、指掛け試験の結果は3.0未満となった(比較例1、2)。
【0093】
また、指掛部として楕円状の1つのスリットSを設けた構成および指掛部として楕円状の2つのスリットSを設けた構成では、指掛け試験の結果は3.0未満となった(比較例3)。また、指掛部として楕円状の2つのスリットSを設けた構成では、振り子試験の結果は〇となったが(比較例4)、指掛部として楕円状の1つのスリットSを設けた構成では、振り子試験の結果は×であった(比較例3)。
【0094】
これらの結果から、延長部が基部側から延長部の中央部に向かって逆テーパである逆止弁を膨出体の導入口に設けることにより、膨出体の空気が抜け難く、膨出体の膨らみが維持され易いことが判った。そのため、このような膨出体としてシール部60を備える持手20を包装袋100に設けることにより、持手20のシール部60から空気が抜け難く、被包装体(トイレットペーパー)Tが収容された状態で持ち運ぶ場合でも、持ち易く、破損し難いものであることが判った。
【0095】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した特定の実施形態および実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。