【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明のファイルホルダーは、バインダー式綴じ具の綴じ込み用紙群を保持する断面コの字形ファイルホルダーであって、そのオモテ表紙または裏表紙の少なくとも一方には背表紙に隣接する隣接領域および背表紙に隣接しない把手領域の2区画に分割する折曲溝が設けられ、当該把手領域には複数個の雄雌綴じ具および棒状体が立設されていることを特徴とする。
【0021】
本発明のファイルホルダーは、隣接領域を左手で抑えることによって折曲溝を支点に定位する。その結果、折曲溝を支点とした力のモーメントのつり合い原理を利用して閉じたファイルホルダーを右手で簡単に開くことができる。そして、綴じ具が解放されると瞬時に隣接領域の折曲溝が綴じ込み用紙群を押さえつける。このため綴じ込み用紙群の多少にかかわらず、綴じ具が解放される際の衝撃力によって綴じ込み用紙群がばらけることはなく、強力な雄雌綴じ具を用いることができる。
【0022】
また、本発明の綴じホルダーは、バインダー式綴じ具の綴じ込み用紙群を保持する綴じホルダーであって、1枚の紙基材からなる当該綴じホルダーは、覆部、仕切り部および係合部から構成され、当該覆部および当該係合部は空隙部を介して当該仕切り部上に積層され、当該係合部および当該仕切り部は同一の所定位置に複数個の留め穴を有し、かつ、当該覆部の縁は当該仕切り部の平坦面と円弧状に連接していることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の綴じホルダーキットは、上記の綴じホルダーの複数個および上記のファイルホルダー1個が組み合わされたことを特徴とする。すなわち、本発明の綴じホルダーキットは、バインダー式綴じ具の綴じ込み用紙群を保持する綴じホルダーであって、1枚の紙基材からなる当該綴じホルダーは、覆部、仕切り部および係合部から構成され、当該覆部および当該係合部は空隙部を介して当該仕切り部上に積層され、当該係合部および当該仕切り部は同一の所定位置に複数個の留め穴を有し、かつ、当該覆部の縁は当該仕切り部の平坦面と円弧状に連接している綴じホルダーの複数個、並びに、バインダー式綴じ具の綴じ込み用紙群を保持する断面コの字形ファイルホルダーであって、そのオモテ表紙には背表紙に隣接する隣接領域および背表紙に隣接しない把手領域の2区画に分割する折曲溝が設けられ、当該把手領域には複数個の雌綴じ具が配設され、他方、その裏表紙には当該雌綴じ具に対峙する棒状の雄綴じ具が立設されているファイルホルダーが組み合わされたことを特徴とする。
【0024】
本発明のファイルホルダーにおいて好ましい実施態様は以下のとおりである。すなわち、前記雄綴じ具は嵌入頭部を備え、前記雌綴じ具は着脱可能な受口部および遊嵌穴部を備えていることが好ましい。棒状の雄綴じ具と雌綴じ具が斜めの関係になっても、雌綴じ具の遊嵌穴部が力のモーメントのつり合い原理に従って最適な向きに移動するからである。
【0025】
以下、本発明の構成要件について説明する。
本発明のファイルホルダーにおいて、隣接領域の幅は背表紙の幅よりも等しいか長いことが好ましい。隣接領域の幅が短いと、綴じ具が解放される際に把手領域で綴じ込み用紙群を押さえつけることになるからである。折曲溝の形状は1条の直線が好ましい。ただし、折曲溝の形状に曲線を含んでいても、力のモーメントのつり合い原理は維持されれば、本発明のファイルホルダーに含まれる。
【0026】
複数個の雄雌綴じ具は棒状体の一端または中間部分に設けることができる。雄雌綴じ具は、オモテ表紙および裏表紙に直接取り付けてもテープ状基材などを介して間接的に取り付けても、棒状体に直接取り付けても棒状体を加工してもよい。好ましくは雌綴じ具をオモテ表紙の把手領域に取り付け、雄綴じ具を棒状体に直接取り付けることが好ましい。雄雌綴じ具の材質はプラスチック樹脂でもよいが、金属が好ましい。繰り返し使用しても強力な着脱機能が維持できるからである。金属製の綴じ具を用いると、1回の操作でファイルホルダーを開けることができるからである。
【0027】
棒状体の材質はプラスチック樹脂でもよいが、金属が好ましい。棒状体は中実であっても、中空であっても、中実部材と中空部材の組合せであってもよい。カバンの中に入れて持ち歩いても安易に綴じ具が破損や変形することがないからである。棒状体の長さは背表紙の高さを基準に定めることができる。背表紙の高さと同等か、またはそれよりも低いことが好ましい。棒状体は、オモテ表紙および裏表紙に直接取り付けてもテープ状基材などを介して間接的に取り付けてもよい。
【0028】
雌綴じ具および雄綴じ具の結合は、嵌合、咬合、噛合等または挾持、咬持、把持等、あるいは、磁力などを用いることができる。繰り返しの着脱作業に耐えることから嵌合が好ましい。雄綴じ具の先端の形状は棒状の金属に嵌合頭部を備えていることが好ましい。嵌合頭部は、一組の金属ボタンの一方をスポット溶接、はんだ付け、カシメ等の接合手段によって棒状の金属に接合することができる。また、半球状の金型を備えたヘッダー加工機を用いて棒状金属の先端面を半球状に膨出することができる。また、グラインダ加工機によって棒状金属の先端部をくびれのある半球状に成形することができる。また、トーチバーナーによって棒状金属の先端部に溶融ボールを形成することができる。
【0029】
本発明の綴じホルダーにおいて、仕切り部上に覆部および係合部を設けたのは、綴じ込み用紙群の一部を両側から挟み込むためである。挟み込むことによって綴じ込み用紙群がばらけるのを防ぐことができる。また、挟み込むことによって綴じ込み用紙群の横幅より長くなるので、しおりの機能も発揮される。ここで、「ばらける」というのは、綴じ込み用紙群の移しかえによって綴じ込み用紙群が雄雌綴じ具の綴じ込み穴にはまらなくなる状態をいう。このため、仕切り部の横幅は綴じ込み用紙の横幅よりも留め穴の半径未満の範囲にとどめることが望ましい。より望ましくは、綴じ込み用紙の横幅は綴じ込み穴の直径×2/5の長さを超えないことである。綴じ込み用紙群からのはみだし幅が少なければ、システム手帳等の横幅から出っ張ることがなく持ち運びに便利である。
【0030】
本発明の綴じホルダーにおいて、仕切り部上の覆部および係合部のあいだに空隙部を設けたのは、綴じ込み用紙群の記載内容を呼び戻すためである。自分が記載したメモ等の内容は、その一部を見るだけでも記載した当時の全体の記憶がよみがえるというヒトの習性を利用するものである。表側から覆部を押さえて裏側から仕切り部を押し上げると、綴じ込み用紙群が反って空隙部がひろがり、さらに綴じ込み用紙群の記載内容がより思い出しやすくなる。
【0031】
本発明の綴じホルダーにおいて、覆部の円弧状曲面が仕切り部の平坦面と連接していることとしたのは、綴じ込み用紙群から覆部を開きやすくするためである。1枚の紙基材から仕切り部上に覆部を構成すると、覆部の外側の縁が半円状に伸ばされ、内側の縁は圧縮される。他方、覆部の他端は自由端である。覆部の縁から覆部の自由端のほうに向かってロール圧延するなどして両側から覆部の外側の縁を圧縮すると、覆部の外側の縁は半円状に引き伸ばされ、覆部の縁では引っ張り状態となる。これが仕切り部の平坦面と円弧状に連接している状態を保つ理由である。また、円弧状に連接している状態にあれば、円弧状の箇所を指で押さえることによって本発明の綴じホルダーをつかんだまま雄雌綴じ具から取り外し、別の雄雌綴じ具へ取り付けることができる。
【0032】
この円弧状態は、綴じ込み用紙群を入れ替える回数が増えるとより大きな円弧状となり、手帳を閉じっぱなしにすると小さな円弧状となる。また、本発明の綴じホルダーは、綴じ込み用紙群の用紙と同じく紙基材であるから、指で仕切り部の平坦面を裏側から表側に押しあてれば、空隙部を簡単に広げることができ、内容確認がさらに容易になる。また、覆部が円弧状曲面となっているので、綴じ込み用紙群が数ページと薄くなっても簡単に綴じ込み用紙群の一部のページを差し替えることが可能になる。
【0033】
また、本発明の綴じホルダーの製造方法のひとつは、1枚の紙基材の両側を同一方向に折り曲げて仕切り部上に空隙部を介して覆部および係合部を積層した、雄雌綴じ具の綴じ込み用紙群を保持する綴じホルダーの製造方法であって、少なくとも当該仕切り部上の当該覆部をロール圧延する工程、および、当該係合部および当該仕切り部の同一の所定位置に複数個の留め穴を形成する工程とからなる。
【0034】
また、本発明の綴じホルダーの製造方法のもうひとつは、1枚の紙基材の両側を同一方向に折り曲げて仕切り部上に空隙部を介して覆部および係合部を積層した、雄雌綴じ具の綴じ込み用紙群を保持する綴じホルダーの製造方法であって、1枚の紙基材の第一たるみ部分をロール圧延する工程、そのロール圧延された紙基材の第二たるみ部分をロール圧延する工程、および、その第一たるみ部分またはその第二たるみ部分の同一の所定位置に複数個の留め穴を穿孔する工程とからなる。
【0035】
本発明の綴じホルダーの製造方法において、少なくとも当該仕切り部上の当該覆部をロール圧延する工程を設けたのは、覆部の縁から覆部の自由端のほうに向かってロール圧延すると、覆部の外側の縁は半円状により引き伸ばされ、仕切り部の平坦面とより円弧状に連接している状態をつくるからである。より円弧状に連接している状態になれば、そのまま開いて綴じ込み用紙のページをめくりやすく、記入しやすくなるからである。これらの綴じホルダーの製造方法は、綴じホルダーの覆部が効率よくめくれやすくなるようにする綴じホルダーの製造方法を提供することができる。
【0036】
また、本発明の綴じ込み用紙群の移送方法は、あるバインダー式金具の一部の綴じ込み用紙群を別のバインダー式金具に移しかえる綴じ込み用紙群の移送方法において、以下の(a)〜(d)からなる綴じホルダーを用いて綴じ込み用紙群を移しかえることができる。
(a)1枚の紙基材からなる当該綴じホルダーは、覆部、仕切り部および係合部から構成されていること、(b)当該覆部および当該係合部は空隙部を介して当該仕切り部上に積層されていること、(c)当該係合部および当該仕切り部は同一の所定位置に複数個の留め穴を有していること、かつ、(d)当該仕切り部は横方向に上記留め穴の直径未満の範囲で上記綴じ込み用紙より長いこと。
【0037】
本発明の綴じホルダーにおいて好ましい実施態様は以下のとおりである。
本発明の仕切り部は横方向に上記留め穴の半径未満の範囲で上記綴じ込み用紙より長いことが好ましい。また、本発明の綴じホルダーは色分けされていることが好ましい。
【0038】
本発明の綴じホルダーにおいて、仕切り部上に覆部および係合部を設けたのは、綴じ込み用紙群の一部を両側から挟み込むためである。挟み込むことによって綴じ込み用紙群がばらけるのを防ぐことができ、同時に、抜き取られた残りの用紙がばらけるのを防ぐことができる。また、挟み込むことによって、後述する
図4の部分拡大図に示すように、仕切り部上の覆部が湾曲するので覆部が開閉しやすくなり、綴じ込み用紙群の出し入れが容易になる。また、仕切り部の横方向は綴じ込み用紙群の横幅より長いので、しおりの機能も発揮される。ここで、「ばらける」というのは、綴じ込み用紙群の移しかえによって綴じ込み用紙群がバインダー式金具の綴じ込み穴にはまらなくなる状態をいう。このため、仕切り部の横幅は綴じ込み穴の直径×2/5の長さを超えないことが望ましい。より望ましくは、綴じ込み用紙の横幅は綴じ込み用紙の横幅よりも留め穴の半径未満の範囲にとどめることである。綴じ込み用紙群からのはみだし幅が少なければ、スリムなシステム手帳等の横幅から出っ張ることがなく持ち運びに便利である。
【0039】
本発明の綴じホルダーにおいて、仕切り部上の覆部および係合部のあいだに空隙部を設けたのは、綴じ込み用紙群の記載内容を呼び戻すためである。自分が記載したメモ等の内容は、その一部を見るだけでも記載した当時の全体の記憶がよみがえるというヒトの記憶の習性を利用するものである。表側から覆部を押さえて裏側から仕切り部を押し上げると、綴じ込み用紙群が反って空隙部がひろがり、情報量が多くなるのでさらに綴じ込み用紙群の記載内容がより思い出しやすくなる。
【0040】
本発明の綴じホルダーを使用すると、後述する
図4の部分拡大図に示すように、覆部の円弧状曲面が仕切り部の平坦面と連接している状態になる。このため本発明の綴じ込み用紙群の移送方法によると、綴じ込み用紙群から覆部を開きやすくなる。1枚の紙基材から仕切り部上に覆部を構成すると、覆部の外側の縁が半円状に伸ばされ、内側の縁は圧縮される。特に綴じ込み用紙群が厚くなった場合、適当な個所で折り目を設けることによって綴じホルダーの背表紙およびタイトル記入欄とすることができ、本発明のファイルホルダーに綴じたとき検索が容易になる。
【0041】
他方、覆部の他端は自由端である。覆部の縁から覆部の自由端のほうに向かってロール圧延するなどして両側から覆部の外側の縁を圧縮すると、覆部の外側の縁は半円状に引き伸ばされ、覆部の縁では引っ張り状態となる。これが仕切り部の平坦面と円弧状に連接している状態になりやすい理由である。また、ひとたび円弧状に連接している状態になれば、以後は円弧状の箇所を指で押さえることによって本発明の綴じホルダーをつかんだままバインダー式金具から取り外し、別のバインダー式金具へ取り付けることができるようになる。
【0042】
この円弧状態は、綴じ込み用紙群を入れ替える回数が増えるとより大きな円弧状となり、手帳を閉じっぱなしにすると小さな円弧状となる。また、本発明の綴じホルダーは、綴じ込み用紙群の用紙と同じく紙基材であるから、指で仕切り部の平坦面を裏側から表側に押しあてれば、空隙部を簡単に広げることができ、内容確認がさらに容易になる。また、覆部が円弧状曲面となっているので、綴じ込み用紙群が数ページと薄くなっても簡単に綴じ込み用紙群の一部のページを差し替えることが可能になる。
【0043】
本発明の綴じホルダーの製造方法において、少なくとも当該仕切り部上の当該覆部をロール圧延する工程を設けたのは、覆部の縁から覆部の自由端のほうに向かってロール圧延すると、覆部の外側の縁は半円状により引き伸ばされ、仕切り部の平坦面とより円弧状に連接している状態をつくりやすくなるからである。より円弧状に連接している状態になれば、そのまま開いて綴じ込み用紙のページをめくりやすく、記入しやすくなるからである。
【発明の効果】
【0044】
本発明のファイルホルダーを用いると、1回の操作でファイルホルダーを開き、かつ、綴じ具を開放することができる効果がある。しかも、硬く閉じた綴じ具を開放する力が少なくて済む効果がある。また、本発明のファイルホルダーを用いると、たとえ開放した際に衝撃力が発生してもこの衝撃力によって綴じ込み用紙群がばらけることはない効果がある。特に雄綴じ具の嵌合頭部が雌綴じ具の遊嵌穴部で遊嵌すると、解放力の垂直成分によって屈曲溝が自律的に綴じ込み用紙群を抑える効果がある。また、本発明のファイルホルダーを用いると、綴じ具を閉じたまま綴じ込み用紙群の内容を視認することができる効果がある。
【0045】
他方、本発明の綴じホルダーを用いると、バインダー式金具に綴じられた用紙群から必要なページ部分だけをバインダー式金具から簡単に取り去ることができる効果がある。また、本発明の綴じホルダーは、綴じ込み用紙群を両側から挟み込んでいるので、左右にばらけることがなく簡単に別のバインダー式金具へ綴じなおすことができる効果がある。綴じ込み用紙はリフィル、バインダーノート、ルーズリーフなど様々な名前で呼ばれているが、本発明の綴じホルダーよるとこれらすべての綴じ込み用紙群に用いることができる。特にバインダー式金具に綴じられた綴じ込み用紙群の一枚が薄くても、本発明の綴じホルダー上でそのままめくることができ、綴じ込み用紙の差し替えも容易に行うことができるという効果がある。
【0046】
また、本発明の綴じホルダーは、紙製なので下敷きとして利用することができ、綴じ込み用紙群の必要なページ部分に書き込みをすることができる。また、本発明の綴じホルダーに罫線や図表やスコアシートなどを設けると、簡単なタイトルなどを書きこむことができる効果がある。また、本発明の綴じホルダーのエッジに目盛りを設けたり、0〜9までの数字で区切ったりすると、簡単な物差しや分類表として利用することができる。
【0047】
さらに、本発明の綴じホルダーに綴じ込み用紙群と異なる複数のカラー色を施した場合、カラー色に合わせたインデックス機能も兼ねることができる効果がある。この場合、バインダー式金具に綴じられた綴じ込み用紙群の端面からカラーエッジが覗くことで、出っ張りのないスマートなカラーインデックス機能を兼ね備えることができる。また、このカラーインデックス機能は、1冊のシステム手帳等の場合や保管ファイルの場合でも、テーマ別、プロジェクト別、取引先別など案件ベースで色分けし、整理することができる効果がある。
【0048】
本発明の綴じホルダーの製造方法によると、本発明の綴じホルダーを簡単に精度よく製造することができる効果がある。本発明のロール圧延によると、綴じホルダーの覆部が仕切り部の平坦面とより円弧状に連接している状態をつくることができる効果がある。特に、たるみ部分をロール圧延することによって同一の所定位置に複数個の留め穴を穿孔することが容易になる効果がある。
【0049】
本発明の綴じホルダーの使用方法によると、あるバインダー式金具の一部の綴じ込み用紙群を別のバインダー式金具に移しかえる綴じ込み用紙群の移送が簡単になる。また、その移送に用いる本発明の綴じホルダーの覆部が開きやすくなり、綴じ込み用紙群の出し入れが簡単になるという効果がある。
【0050】
本発明のホルダーキットによると、小さく取り扱いにくいA5以下の大きさの穴明き用紙群の整理が容易になる効果がある。特に、手帳用のリフィルは紙が薄く滑りやすいので、このような穴明き用紙群の整理に最適なものになる効果がある。