特許 6985938 ネットワーク配電システムのコミッショニング支援

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6985938

(24)【登録日】2021年11月30日

(45)【発行日】2021年12月22日

(54)【発明の名称】ネットワーク配電システムのコミッショニング支援

(51)【国際特許分類】

   H05B 47/185 20200101AFI20211213BHJP

   H05B 47/165 20200101ALI20211213BHJP

   H02J 13/00 20060101ALI20211213BHJP

   H02J 1/00 20060101ALI20211213BHJP

【ＦＩ】

   H05B47/185

   H05B47/165

   H02J13/00 311B

   H02J13/00 B

   H02J1/00 307C

【請求項の数】14

【全頁数】19

(21)【出願番号】特願2017-567422(P2017-567422)

(86)(22)【出願日】2016年6月23日

(65)【公表番号】特表2018-521474(P2018-521474A)

(43)【公表日】2018年8月2日

(86)【国際出願番号】EP2016064495

(87)【国際公開番号】WO2017001268

(87)【国際公開日】20170105

【審査請求日】2019年6月21日

(31)【優先権主張番号】15174615.3

(32)【優先日】2015年6月30日

(33)【優先権主張国】EP

(73)【特許権者】

【識別番号】516043960

【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ

【氏名又は名称原語表記】ＳＩＧＮＩＦＹ ＨＯＬＤＩＮＧ Ｂ．Ｖ．

(74)【代理人】

【識別番号】100163821

【弁理士】

【氏名又は名称】柴田 沙希子

(72)【発明者】

【氏名】エルドマン ボゼナ

(72)【発明者】

【氏名】ウェント マティアス

(72)【発明者】

【氏名】バン ハートスカンプ ミカエル アレクス

(72)【発明者】

【氏名】パスヴェー ウィレム フランク

【審査官】 野木 新治

(56)【参考文献】

【文献】 米国特許出願公開第２０１３／０１９１６５４（ＵＳ，Ａ１）

【文献】 米国特許出願公開第２００７／０２０６７４９（ＵＳ，Ａ１）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｈ０５Ｂ ４７／００

Ｈ０２Ｊ １３／００

Ｈ０２Ｊ １／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

１つ又はそれ以上の負荷装置に電力を供給し、通信データをやり取りするためのネットワーク配電システムのコミッショニングを支援するための支援システムであって、前記ネットワーク配電システムは、１つ以上の電源コネクタを備える、前記１つ以上の電源コネクタに電力を供給するための少なくとも１つの電源と、前記１つ又はそれ以上の負荷装置との間で通信データをやり取りするためのデータ通信インターフェースとを備え、前記支援システムは、
前記電源コネクタとの前記負荷装置の接続／切断を検出するための１つ又はそれ以上の負荷装置検出器と、
前記負荷装置に関して、前記ネットワーク配電システムをコミッショニングするステップを実行するためのコミッショニングツールと、を備え、
前記コミッショニングツールは、前記負荷装置の接続／切断の検出に応答して、前記コミッショニングするステップの少なくともいくつかを自動的に実行し、
前記１つ又はそれ以上の負荷装置検出器は、（i）前記接続及び（ii）前記切断の１つ又はそれ以上を示す情報を生成し、前記コミッショニングツールは、前記コミッショニングするステップの少なくともいくつかを実行する際に、前記情報を利用し、
前記情報は、前記負荷装置が接続及び／若しくは切断されている電源コネクタを示す電源コネクタ情報並びに／又は前記電源コネクタに電力を供給している前記電源を示す電源情報を含み、前記電源コネクタ情報及び／又は前記電源情報は、前記ネットワーク配電システムにおける前記負荷装置の位置に関する情報を示し、前記コミッショニングするステップの少なくともいくつかは、前記位置の情報を考慮に入れ、
前記コミッショニングツールは、前記位置の情報に基づいて、前記負荷装置と１つ以上のユーザインターフェース要素との間の１つ以上のアプリケーション制御関係を確立し、前記１つ以上のアプリケーション制御関係は、前記１つ以上のユーザインターフェース要素が前記負荷装置を制御することを可能にする、支援システム。

【請求項2】

前記１つ又はそれ以上の負荷装置検出器は、（i）電力の供給に関連する特性の変化の監視、(ii)前記少なくとも１つの電源と負荷装置との間で実行される電力ネゴシエーションプロセス、及び（iii）機械的プロセスのうちの少なくとも１つに基づいて、前記負荷装置の接続及び／又は切断を検出する、請求項１に記載の支援システム。

【請求項3】

前記コミッショニングするステップの少なくともいくつかは、前記負荷装置に関して、前記データ通信インターフェースをコミッショニングするステップを含む、請求項１に記載の支援システム。

【請求項4】

前記１つ又はそれ以上の負荷装置検出器は、さらに、（iii）前記負荷装置のタイプを示す前記負荷装置の特性を示す情報を生成し、前記コミッショニングツールは、前記コミッショニングするステップの少なくともいくつかを実行する際に、前記情報を利用する、請求項１に記載の支援システム。

【請求項5】

複数の負荷装置が前記電源コネクタに接続され、或る負荷装置が前記電源コネクタから切断されている場合、前記情報は、(i)切断されている負荷装置の識別を示す負荷装置識別情報、(ii)切断されている負荷装置のタイプを示す負荷装置の特性、(iii)前記負荷装置が切断されている前記電源コネクタを示す電源コネクタ情報、及び(iv)前記電源コネクタに電力を供給している電源を示す電源情報、のうちの１つ又はそれ以上を含む、請求項１に記載の支援システム。

【請求項6】

前記負荷装置の特性を示す情報を生成することは、前記負荷装置上でトレーニング手順を実行することを含み、前記トレーニング手順は、前記負荷装置が接続されている前記電源コネクタに、特徴的電力を供給するように前記少なくとも１つの電源を制御すること、及び／又は、前記データ通信インターフェースを介して特徴的なやり方で前記負荷装置を制御することを含む、請求項４に記載の支援システム。

【請求項7】

前記コミッショニングするステップの少なくともいくつかは、前記負荷装置が前記電源コネクタに接続されることが許可されているか否かを決定することを含む、請求項１に記載の支援システム。

【請求項8】

前記負荷装置が前記電源コネクタに接続されることを許可されないと決定される場合、前記コミッショニングツールは、前記負荷装置に電力が供給されないように、前記ネットワーク配電システムを制御するように適合される、請求項７に記載の支援システム。

【請求項9】

前記コミッショニングするステップの少なくともいくつかは、前記負荷装置に関するアプリケーションレベル制御関係を確立するステップを含む、請求項１に記載の支援システム。

【請求項10】

前記コミッショニングツールは、負荷装置のグループに関する確立されたアプリケーションレベル制御関係を検証し、前記検証することは、前記データ通信インターフェースを介して前記負荷装置のグループを制御することと、前記１つ又はそれ以上の負荷装置検出器からの情報を利用することとを含み、前記情報は、前記制御によって引き起こされる電力の供給に関連する特性の変化を示す、請求項１に記載の支援システム。

【請求項11】

前記コミッショニングツールは、いずれの電源コネクタによってもまだ電力供給されていない負荷装置に関して前記データ通信インターフェースをコミッショニングするステップを実行し、それに応答して、前記負荷装置が接続された電源コネクタに電力を供給するように及び／若しくは負荷装置がまだ接続されていない電源コネクタに電力を供給するように前記少なくとも１つの電源を制御し、並びに／又は、負荷装置検出器を起動する、請求項１に記載の支援システム。

【請求項12】

１つ又はそれ以上の負荷装置に電力を供給し、通信データをやり取りするためのネットワーク配電システムであって、前記ネットワーク配電システムは、
１つ又はそれ以上の電源コネクタを備える、前記１つ又はそれ以上の電源コネクタに電力を供給するための少なくとも１つの電源と、
前記１つ又はそれ以上の負荷装置と通信データをやり取りするためのデータ通信インターフェースと、
前記ネットワーク配電システムのコミッショニングを支援するための、請求項１に記載の支援システムと、を備える、
ネットワーク配電システム。

【請求項13】

１つ又はそれ以上の負荷装置に電力を供給し、通信データをやり取りするためのネットワーク配電システムのコミッショニングを支援するための支援方法であって、前記ネットワーク配電システムは、１つ又はそれ以上の電源コネクタを備える、前記１つ又はそれ以上の電源コネクタに電力を供給するための少なくとも１つの電源と、前記１つ又はそれ以上の負荷装置と通信データをやり取りするためのデータ通信インターフェースとを備え、前記支援方法は、
１つ又はそれ以上の負荷装置検出器によって、負荷装置と電源コネクタとの間の接続及び／又は切断を検出することと、
コミッショニングツールによって、前記負荷装置に関して前記ネットワーク配電システムをコミッショニングするステップを実行することとを、含み、
前記コミッショニングするステップの少なくともいくつかは、前記負荷装置の接続及び／又は切断の検出に応答して自動的に実行され、
前記１つ又はそれ以上の負荷装置検出器は、(i)前記接続及び(ii)前記切断のうちの１つ又はそれ以上を示す情報を生成し、前記コミッショニングツールは、前記コミッショニングするステップの少なくともいくつかを実行する際に前記情報を利用し、
前記情報は、前記負荷装置が接続されている及び／若しくは切断されている前記電源コネクタを示す電源コネクタ情報、並びに／又は、前記電源コネクタに電力を供給している電源を示す電源情報を含み、前記電源コネクタ情報及び／又は前記電源情報は、前記ネットワーク配電システムにおける前記負荷装置の位置に関する情報を示し、前記コミッショニングするステップの少なくともいくつかは、前記位置の情報を考慮に入れ、
前記支援方法は、前記コミッショニングツールによって、前記位置の情報に基づいて、前記負荷装置と１つ以上のユーザインターフェース要素との間の１つ以上のアプリケーション制御関係を確立することを更に含み、前記１つ以上のアプリケーション制御関係は、前記１つ以上のユーザインターフェース要素が前記負荷装置を制御することを可能にする、
支援方法。

【請求項14】

請求項１に記載された支援システムを制御するためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、該コンピュータプログラムが前記支援システム上で実行される場合に請求項１３に記載された支援方法を前記支援システムに実行させるプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、１又はそれ以上の負荷装置に電力を供給し、通信データをやり取り（exchanging）するためのネットワーク配電システムのコミッショニングを支援するための支援システムに関する。本発明は、さらに、ネットワーク配電システムのコミッショニングを支援するための対応する支援方法及び該支援システムを制御するためのコンピュータプログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

システムのコミッショニング（システム設定（configuration）とも称される。）は、特に、無線通信システムや電力線通信システムのような共有媒体通信を用いるシステムにとって、非常に困難な作業である。工場の事前設定（pre-configuration）は、通常、小型のシステムに対してのみ実現可能であり、大規模なシステムでは、見た目は同じだが異なるプログラム化デバイス（例として、例えば会議室やオフィス、フロアといった異なる場所で、或いは、例えばプレゼンテーションモードを含む異なるモードで動作するように予めプログラム化されている）が、正しくない場所にインストールされる場合、正しくない挙動をもたらす可能性がある。自動コミッショニングは、インテリジェントでも柔軟でもないことがある。例えば、無線、光、音、又は電力線技術に基づく自動距離及び位置推定は、共有媒体通信の本質によって十分に正確ではないであろう。さらに、自動アルゴリズム及びアプリケーション設定ルールは、様々な室内トポロジ、配置、及び意図された用途に対処することができないことがある。一方、手動のコミッショニング、すなわち、ユーザを巻き込んだコミッショニングは、しばしば時間がかかり、エラーを起こしやすく、また、一般に、ユーザインターフェース要素（例えば、ＬＥＤ、ボタン、ディスプレイ）又は専用ツールといった特別な手段を必要とする。さらに、ユーザーは、コミッショニングプロセスを正常に実行するために、通常、構成すべきシステムについての深い理解、さらには、基礎をなす通信技術（少なくともその典型的な挙動と潜在的な問題）の基本的な理解でさえも持たなければならない。

【0003】

ＥＭｅｒｇｅ ＡｌｌｉａｎｃｅのＥＭｅｒｇｅ ＤＣグリッドのようなバス駆動システムは、確かに、設置が容易であるといえる。訓練されていないエンドユーザであっても、電源バスのどこにでも簡単に負荷を取り付けることができる。同様に、Ｐｏｗｅｒ−ｏｖｅｒ−Ｅｔｈｅｒｎｅｔ（登録商標）（ＰｏＥ）システムでは、ＰｏＥ給電側機器（ＰｏＥ）のＰｏＥポートにイーサネット（登録商標）ケーブルを差し込むだけで、受電側機器（ＰＤ）に電力を供給し、通信ネットワークへのアクセスを提供する。これらの期待（promise）を満たすために、例えば、特定のデバイスのシステム識別子（例えば、ハードウェア識別子及び／又はネットワークアドレス）を物理デバイスインスタンス及びそれらの物理的位置にマッピングするために、比較的容易なコミッショニングソリューションが要求される。

【0004】

国際公開第２０１３／１１００７１号は、ケーブルを介して受電側機器に接続される給電側機器を開示する。給電側機器は、電力を異なるタイプの機器に供給するように構成される。給電側機器は、ケーブルに接続された受電側機器のタイプを決定するための制御システムを有し、その決定に応答して電力を供給する。また、マルチタイプのＰＳＥとの通信を確立することの可能な受電側機器が開示される。

【0005】

米国特許出願公開第２０１４／０１５２１０２号は、電子装置と共に使用し、それらの間でデータ及び電力を自動的に又は手動で送信する際に使用するためのスイッチングデバイスを開示する。スイッチングデバイスは、第１の送信モジュールと、分圧ユニットと、第２の送信モジュールと、スイッチングモジュールと、ハブモジュールと、拡張ユニットと、スイッチングユニットとを含む。スイッチング装置は、第１の送信モジュールと電子装置との接続に起因して発生する電圧変化に応じて、スイッチングモジュールとハブモジュールとから形成される複数の経路構成の間を自動的に切り替えて、これによって、電子装置は、該経路構成（path configuration）を介して、データ及び電力を送信することができる。或いは、スイッチングユニットは、電子機器が該経路構成の１つを介してデータ及び電力を送信することを可能にするように、経路構成の１つを手動で変更する。

【発明の概要】

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明の目的は、１つ又はそれ以上の負荷装置に電力を供給し、通信データをやり取りするためのネットワーク配電システムのコミッショニングを支援するための支援システムを提供することであり、これにより、ネットワーク配電システムの比較的簡単なコミッショニングを可能にすることである。本発明の他の目的は、ネットワーク配電システムのコミッショニングを支援するための対応する支援方法、及び該支援システムを制御するためのコンピュータプログラムを提供することである。

【0007】

本発明の第１の観点において、１つ又はそれ以上の負荷装置に電力を供給し、通信データをやり取りするためのネットワーク配電システムのコミッショニングを支援するための支援システムが提供される。該ネットワーク配電システムは、１つ又はそれ以上の電源コネクタを備える、該１つ又はそれ以上の電源コネクタに電力を供給するための少なくとも１つの電源と、該１つ又はそれ以上の負荷装置との間で通信データをやり取りするための通信インターフェースとを備える。前記支援システムは、
− 電源コネクタとの該負荷装置の接続／切断を検出するための１つ又はそれ以上の負荷装置検出器と、
− 該負荷装置に関して、該ネットワーク配電システムをコミッショニングするステップを実行するためのコミッショニングツールと、を備え、
該コミッショニングツールは、該負荷装置の接続／切断の検出に応答して、該コミッショニングするステップの少なくともいくつかを自動的に実行するように適合され、
該１つ又はそれ以上の負荷装置検出器は、（i）該接続及び（ii）該切断の１つ又はそれ以上を示す情報を生成するように適合され、該コミッショニングツールは、該コミッショニングするステップの少なくともいくつかの実行において、該情報を利用するように適合され、
該情報は、該荷装置が接続及び／若しくは切断されている電源コネクタを示す電源コネクタ情報並びに／又はそこに電力を供給している該電源を示す電源情報を含む。

【0008】

１つ又はそれ以上の負荷装置検出器は、電源コネクタとの負荷装置の接続及び／又は切断を検出するので、また、コミッショニングツールは、負荷装置の接続及び／又は切断の検出に応答して、コミッショニングするステップの少なくとも一部を自動的に実行するので、ネットワーク配電システムのコミッショニングを、少なくとも部分的に、自動化され、それにともに簡単化され得る。さらに、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器によって生成された情報を利用することによって、ネットワーク配電システムのコミッショニングは、さらに簡単化され得る。電源コネクタ情報及び／又は電源情報は、ネットワーク配電システムにおける負荷装置の位置に関する情報を表す。このような位置情報は、例えば、負荷装置に関するアプリケーションレベルの制御関係を確立するのに役立つ。例えば、生成された位置情報に基づいて、ネットワーク配電をコミッショニングする少なくとも部分的に自動化されたいくつかのステップは、特定の会議室、オフィス、又はフロア内のすべての負荷装置（それらはすべて、特定の電源コネクタ若しくは電源、又は電源コネクタ若しくは電源の特定のグループに接続されているかも知れない。）を、同じユーザインターフェース要素（例えば、ＬＥＤ、ボタン、ディスプレイ）によって制御され得るという効果を奏し得る。１つ又はそれ以上の負荷装置検出器によって生成された位置情報は、他の手段を介して、例えば、データ通信インターフェース（例えばリンク品質／ＲＳＳＩ、直接隣接負荷装置のリスト）、光通信を介して利用可能となった、又はユーザを介して（例えば、バーコード、ＱＲコード（登録商標）、ＲＦＩＤタグ等のようなあるデバイス／位置タグを選択し、タイプ入力し、又はスキャンすることによって）入力された、位置情報を補うために用いられ、その結果さらに、好ましくは完全に正確な位置情報（例えば、会議し、オフィス、又はフロア）が取得され得る。電源コネクタ及び／又は電源への負荷装置の割り当ては、負荷装置自体に構成することができ、又は、例えば、電源内に、専用の各ポート／各電源装置内（dedicated per-port/per-power supply device）に、若しくは集中装置（例えば、建物管理システム（ＢＭＳ）のようなマネージメントエンティティ）内に、コミッショニングツール又はネットワーク配電システムによって、格納され得る。この知識は、負荷装置の取り外し又は再配置に基づいて、さらに用いられるかも知れない。或いは、位置情報は、負荷装置の設定（例えば、ネットワークセグメントへの適切な割り当て及びアプリケーションレベル（制御）関係の設定）のために単に用いられ、その後に、必要に応じて再発見されるように、除去され得る。

【0009】

ネットワーク配電システムは、好ましくは共用電源の様々なタイプのものであり得る。例えば、１１０／１２０Ｖ又は２２０／２３０ＶのＡＣ主電源ケーブルであり得る。それは、例えば、ＥＭｅｒｇｅ ２４Ｖ占有スペース規格又は今後のＥＭｅｒｇｅスマートシーリングソリューションに基づいた（そして、それらは、僅かに高いＤＣ電圧（おそらくは依然として、クラス２の制限内にある）に基づく可能性が高い。）ＤＣ電源バスシステムであり得る。ＥＭｅｒｇｅシステムの利点は、限られた物理的スパンを有する識別可能な電気レールで構成されることであり、特定の電源装置との接続と組み合わせにおいて、これは「意味のある」場所を提供する。或いは、ネットワーク配電システムは、例えば、古典的な構成（すなわち、星形トポロジー）において、又は負荷装置のデイジーチェーン接続を可能にする、ＰｏＥシステムであり得る。

【0010】

データ通信インターフェースは、ＺｉｇＢｅｅ（登録商標）、ＺｉｇＢｅｅ（登録商標） Ｌｉｇｈｔ Ｌｉｎｋ、ＺｉｇＢｅｅ（登録商標）ビルディングオートメーション、８０２．１１／ＩＰｖ４／ＩＰｖ６、６ＬｏＷＰＡＮ、又はその他の適用可能なワイヤレスソリューションを含む、赤外線通信、可視光通信、又は無線通信のような、任意の非配線（wire-free）通信を利用することができる。データ通信インターフェースは、単純な信号伝達から、ヤマール（Yamar）によるＤＣバスシステム上で提供されるもののような専用制御ソリューションを介して、ＨｏｍｅＰｌｕｇのような本格的な通信プロトコルまでの電力線通信ソリューションを用いることによって、通信のために少なくとも１つの電源自体を利用することができる。ＰｏＥの場合、イーサネット（登録商標）が通信に利用され得る。

【0011】

負荷装置は、あらゆるタイプの負荷装置、例えば、照明装置（例えば、ランプ、センサ、スイッチ）、ＨＶＡＣ装置（暖房、換気及び空調）、セーフティ及びアクセスコントロール装置等、のような、ビルディングオートメーション及びマネージメント装置、（ラップトップ、ＩＰ電話、プリンタ、アクセスポイント、ビーマー等のような）ＩＴ機器、及び（冷蔵庫、蒸し器、コーヒーマシン等のような）白物家電製品、であり得る。さらに、負荷装置は、複数の負荷装置（例えば、温白色及び冷白色の２本の蛍光管を含む照明器具、例えばゾーンを作成するための、各セグメントが空間的に異なる照明効果を有するセグメント照明器具、複合機能照明器具、例えば下向きのタスク照明及び一般には上向きの周囲照明、又は白色及び着色された照明)の集合体であって良く、これらは、潜在的に別々に操作され得る。

【0012】

様々な実施形態において、電源コネクタに接続された及び／又は電源コネクタから切断された負荷装置の検出は、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器の異なる実現によって実行され得る。例えば、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器は、少なくとも１つの電源装置（例えば、ＰｏＥポート）によって、同じ電力バス上の他の負荷装置によって、電力バス自体（例えば、ＥＭｅｒｇｅレール）によって、構成され、及び／又はそれらは専用デバイスであってもよい。１つまたはそれ以上の負荷装置検出器は、モジュール式、すなわち、それらは、ネットワーク配電システム自体に接続された検出器と、それらが報告するインタフェースユニットとで構成され得る。１つ又はそれ以上の負荷装置検出器は、特に、それらが専用装置であり、さらに、ネットワーク配電システムとは独立して移動可能である場合、使用前にそれら自体が構成される必要がある。１つ又はそれ以上の負荷装置検出器が専用装置である場合、それらは、一時的装置であっても良く、ネットワーク配電システムの（再）設定時にのみ使用されても良く、又は、それらは、ネットワーク配電システムの不可分の一部、例えば、通信ブリッジ、電力制御装置等のような他の機能、ユニット又は装置と一体化されたものであっても良い。好ましくは、そのような専用装置の設置は、負荷装置自体の接続及び／又は切断と同じくらい簡単である。

【0013】

負荷装置の切断の検出は、データ通信インターフェースのためのいくつかの自動（再）設定動作、例えば、トラストセンタのリストにおける負荷装置の除去／停止（de-activation）、ネットワークキーの更新、割り当て層制御関係（ペアリング／バインディング）の除去／更新／停止、ネットワークトポロジーの最適化等、をトリガする。それは、例えば、修理された負荷装置を接続し直したり、負荷装置を新しい場所に移動させたりすることが可能となるように、即座に又はタイムアウト後に、トリガされ得る。分離（detachment）による動作は、ルールに基づいて固定されても良く、又は装置ごとにユーザによって制御可能であっても良い。

【0014】

１つ又はそれ以上の負荷装置検出器は、（i）電力の供給に関連する特性の変化を監視すること、（ii）少なくとも１つの電源と負荷装置との間で実行される電力ネゴシエーションプロセス、（iii）機械的プロセス（例えば、電源コネクタにケーブルを挿入／取り外すことよって引き起こされるコンタクトの開閉を監視することによって、又は、コネクタにケーブルを挿入／取り外すことによって引き起こされる光学的接続の中断若しくは再確立を監視することによって等）のうちの１つ又はそれ以上に基づいて、負荷装置の接続及び／又は切断を検出するように適合されることが好ましい。特に、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器によって用いられる検出技術は、典型的には、使用されるネットワーク配電システムに依存する。例えば、ＰｏＥシステムでは、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器は、電力ネゴシエーション（power negotiation exchange）を用いることができる。それらはまた、国際特許出願ＷＯ２０１２／０３８８５８Ａ２（「電気ネットワークにおける機器を識別するための分解装置」）に記載されている方法を用いることができ、その全内容は、参照により、本明細書に組み込まれる。これらの方法は、切り替え可能な負荷装置の切り替え、及び、切り替え可能な負荷装置が切り替えられている間の電圧の変化の監視に基づいて、電気ネットワークにおける負荷装置の動作状態の変化を監視することを可能にする。好ましい例では、負荷装置検出は、負荷装置が電源に接続され、そこから切断されたときに、電源コネクタに供給される電力の変化を監視することに基づいている。

【0015】

好ましくは、コミッショニングするステップの少なくともいくつかは、負荷装置に関するデータ通信インターフェースをコミッショニングするステップを含む。例えば、負荷装置をネットワーク配電システムの電源コネクタに接続する動作は、接続するためのネットワークを開放するステップ、ネットワークの（選択された）負荷装置をコミッショニングチャネルに移動させるステップ、新たな負荷装置をトラストセンタの（アクセスコントロール）リストに追加するステップ、ネットワークキーを送信するステップ、アドレスを割り当てるステップ、アプリケーションレベル制御関係（ペアリング／バインディング）を作成するステップ、ネットワーク・セグメントにあるノードを配置することを含み得るネットワークトポロジーを最適化するステップ、ノードのデータ通信インターフェース選択するステップ（複数のインターフェースがサポートされている場合、例えば、ＺｉｇＢｅｅ（登録商標）及びイーサネット（登録商標）の両方、及び／又は、グループメンバーシップを構成する等）をトリガし得る。ルールは、この設定情報を提供するために、事前定義／構成され、例えば、各電源は一意のアドレスプールを割り当てられ、各／特定のＮ個の電源コネクタはグループを構築することが定義され得る。バインディングルールは、例えば、グループ内のすべてのランプが同じグループ内のすべてのセンサからのコマンドに反応するというように、事前定義され得る。他のルールは、例えば、許容される負荷装置のタイプ、数等、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器で事前構成され得る。問題がある場合、新しい負荷装置への電力の供給及び／又はデータの通信が中断され、例えば、サービスエンジニアは、局所的に状況をチェックするよう通知され得る。様々な実施形態において、通信データのやり取りは、様々な通信ピア間、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器及び新たに接続された負荷、少なくとも１つの電源及び／又は電源コネクタ、ビルディングマネージメントシステム（ＢＭＳ）又はフロアコントローラ又はゲートウェイのようなコントローラ、及び／又はコミッショニングツール、で行われる。

【0016】

１つ又はそれ以上の負荷装置検出器は、（iii）負荷装置の特性を示す情報を生成するようにさらに適合され、コミッショニングツールは、コミッショニングするステップの少なくともいくつかを実行する際に情報を利用するように適合されることが好ましい。１つ又はそれ以上の負荷装置検出器によって生成されるそのような情報を利用することにより、ネットワーク配電システムのコミッショニングは、さらに簡単化され得る。１つ又はそれ以上の負荷装置検出器によって提供される機能は、様々であり得る。一実施形態では、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器は、負荷装置の電力消費を決定することができる。さらに別の実施形態では、それらは、例えば誘導性負荷装置よりもむしろ容量性負荷装置といった負荷装置のタイプを決定することができる。さらに別の実施形態では、それらは、正確なデバイスタイプ（例えば、１０Ｗ消費電力のＣＦＬ光（コンパクト蛍光灯））を決定することができる。この情報は、例えば、負荷装置が電源コネクタに接続されることが許可されているか否かを決定する場合に用いられ得る（下記参照）。

【0017】

複数の負荷装置が電源コネクタに接続され、負荷装置が電源コネクタから切断されている場合、情報は、(i)切断されている負荷装置の識別（identity）を示す負荷装置識別情報、(ii)切断されている負荷装置のタイプを示す負荷装置の特性、(iii)負荷装置が切断されている電源コネクタを示す電源コネクタ情報、及び(iv)電力を供給する電源を示す情報、のうちの１つ又はそれ以上を含む。実施形態に応じて、１つ以上の負荷装置検出器は、どの負荷装置が切断されているかを直接的に検出することができるかも知れない。より簡単な実施形態では、負荷装置が電源コネクタから切断されていることのみを検出することができるかも知れないし、まだ依然として接続されている負荷装置、したがって、切断された負荷装置を決定するように、発見手順をトリガする必要があっても良い。

【0018】

負荷装置の特性を示す情報を生成することは、負荷装置に対してトレーニング手順を実行することを含み、トレーニング手順は、負荷装置が接続された電源コネクタに特徴的電力（characteristic power）を供給するように少なくとも１つの電源を制御すること、及び／又は、データ通信インターフェースを介して特徴的なやり方で負荷装置を制御することを含む。上述したように、負荷装置の特性は、例えば負荷装置のタイプを含むことができ、トレーニング手順は、電源オン／オフのサイクル又は連続調光等の他の特別な動作（behavior）を含むことができる。この動作は、負荷装置に事前プログラムされても良く、又は、電源、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器、コミッショニングツール、若しくは他の装置から、データ通信インターフェースを介して、要求されても良い。それらは、トレーニング手順をトリガするための負荷装置でのローカルハードウェア手段であり得る。トレーニングの動作は、すべてのタイプの負荷装置で同じであることも、タイプに依存することもあり得る。負荷装置は、潜在的に別個に動作し得る複数の負荷（例えば、暖色及び冷白色用の２つの蛍光管を含む照明器具）の集合体であり得ることに留意されたい。そのような負荷装置は、トレーニング手順において追加のステップを要求することがあり、例えば、各要素は、別々に発見する必要があるかも知れない。

【0019】

コミッショニングするステップの少なくともいくつかは、負荷装置が電源コネクタに接続されることが許可されているか否かを決定することを含むことが更に好ましい。例えば、負荷装置がネットワーク配電システムにおいて許可されていない場合（一時的に、特定の場所で、又は全てで）、コミッショニングは、放棄され得る。好ましくは、負荷装置が電源コネクタに接続されることが許可されていないと決定される場合、負荷装置に電力を供給しないようネットワーク配電システムを制御するように、コミッショニングツールは適合される。例えば、負荷装置が電源コネクタに接続された唯一の装置である場合、又は負荷装置チェーンにおける最後の負荷装置である場合、そのような「不正な」負荷装置に供給される電力を除去することが可能であるかも知れない。

【0020】

コミッショニングするステップの少なくともいくつかは、負荷装置に関するアプリケーションレベル制御関係（ペアリング／バインディング）を確立するステップを含むことが好ましい。さらに、コミッショニングツールは、負荷装置のグループに関する確立されたアプリケーションレベル制御関係を検証するように適合され、該検証することは、データ通信インターフェースを介して負荷装置のグループを制御することと、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器からの情報を利用することとを含み、該情報は、該制御によって引き起こされる電力の供給に関連する特性の変化を示す。例えば、負荷装置のグループは、データ通信インターフェースを介してオン／オフされ、負荷装置に供給される電力の対応する変化は、１つ以上の負荷装置の検出器によって監視され、そして、電源／電源コネクタ及び制御グループへの負荷装置のマッピングの正確さを検証するようにコミッショニングツールによって用いられても良い。

【0021】

コミッショニングツールは、いずれの電源コネクタによってもまだ電力供給されていない負荷装置に関してデータ通信インターフェースをコミッショニングするステップを実行するように、それに応答して、負荷装置が接続された電源コネクタに電力を供給するために及び／又は負荷装置がまだ接続されていない電源コネクタに電力を供給するために少なくとも１つの電源を制御するように、及び／又は負荷装置検出器を起動するように適合される。特に、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器によって提供される負荷装置検出機能は、ネットワーク配電システムに常に存在し、常にアクティブであり得る。或いは、選択された瞬間、例えばコミッショニングプロセスが起動された時に、起動され得る。例えば、データ通信インターフェースを介してトリガされ得る。ネットワーク配電システム及びデータ通信インターフェースの仕様、及び、場合によっては意図されたコミッショニング動作のタイプ（負荷装置の追加、取り外し、交換等）に依存して、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器は、多数の負荷装置を備えても良く、負荷装置検出機能は、多数の負荷装置検出器のサブセットでのみ有効化され得る。例えば、ネットワーク配電システムが、限られた数の負荷装置及び／又は電源コネクタ当たりの制限されたワット数しか許容しない場合、完全に負荷されていない電源コネクタに対応する負荷検出器のみが起動されるであろう。これは、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器を個別にアドレス指定することによって、又は起動コマンドにおける起動条件を指定することによって、実現され得る。別の実現例では、物理的な動作、例えば、専用負荷装置検出器のネットワーク配電システムへの接続（例えば、ＥＭｅｒｇｅパワーレール上でそれをクリッピング）、又は新しい負荷装置が電源コネクタに接続される場合、例えばコンタクトの閉塞によって、自動的に起動され得る。さらに別の実現例では、コネクタ部品の挿入、取り外し又は移動によって引き起こされる光学的接続の遮断又は確立であり得る。負荷装置検出プロセスが非常にリソース集約的（resource-intensive）（例えば、大量の電力を要求する、多くの計算サイクルを必要とする、又は多くの通信パケット、特に、共有媒体を介したブロードキャスト通信パケットのやり取りを要求する）である場合、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器の一時的及び／又は選択的な起動は、とりわけ有益である。

【0022】

本発明のさらなる観点において、１つ又はそれ以上の負荷装置に電力を供給し、通信データをやり取りするためのネットワーク配電システムが提供される。前記ネットワーク配電システムは、
− １つ又はそれ以上の電源コネクタを備え、該１つ又はそれ以上の電源コネクタに電力を供給するための少なくとも１つの電源と、
− １つ又はそれ以上の負荷装置と通信データをやり取りするためのデータ通信インターフェースと、
− 前記ネットワーク配電システムのコミッショニングを支援するための、請求項１に記載された支援システムと、
を備える。

【0023】

本発明のさらなる観点において、１つ又はそれ以上の負荷装置に電力を供給し、通信データをやり取りするためのネットワーク配電システムのコミッショニングを支援するための支援方法が提示される。該ネットワーク配電システムは、１つ又はそれ以上の電源コネクタを備える、該１つ又はそれ以上の電源コネクタに電力を供給するための少なくとも１つの電源と、１つ又はそれ以上の負荷装置と通信データをやり取りするための通信インターフェースとを備える。該支援方法は、
− １つ又はそれ以上の負荷装置検出器によって、負荷装置と電源コネクタとの間の接続及び／又は切断を検出することと、
− コミッショニングツールによって、該負荷装置に関してネットワーク配電システムをコミッショニングするステップを実行することとを、含み、
コミッショニングするステップの少なくともいくつかは、該負荷装置の接続及び／又は切断の検出に応答して自動的に実行され、
１つ又はそれ以上の負荷装置検出器は、(i)接続及び(ii)切断のうちの１つ又はそれ以上を示す情報を生成し、該コミッショニングツールは、該コミッショニングするステップの少なくともいくつかを実行する際に該情報を利用し、
該情報は、負荷装置が接続されている及び／若しくは切断されている電源コネクタを示す電源コネクタ情報、並びに／又は、そこに電力を供給している電源を示す電源情報を含む。

【0024】

本発明のさらなる観点において、請求項１に記載された支援システムを制御するためのコンピュータプログラムが提示される。該コンピュータプログラムは、該コンピュータプログラムが前記配電システム上で実行される場合、支援システムに、請求項１３に記載された支援方法を遂行させるためのプログラムコード手段を含む。

【0025】

請求項１に記載された支援システム、請求項１３に記載されたサポート方法、及び請求項１４に記載されたコンピュータプログラムは、特に、従属請求項に規定された同様の及び／又は同一の好ましい実施形態を有することを理解されたい。

【0026】

本発明の好ましい実施形態は、それぞれの独立請求項との従属請求項又は上記実施形態の任意の組み合わせであり得ることを理解されたい。

【0027】

本発明のこれらの及び他の観点は、以下に記載される実施形態を参照して明らかであり、また、説明されるであろう。

【図面の簡単な説明】

【0028】

【図1】図１は、１つ又はそれ以上の負荷装置に電力を供給し、通信データをやり取りするためのネットワーク配電システムの一実施形態を概略的かつ例示的に示す。

【図2】図２は、図１に示すネットワーク配電システムのコミッショニングを支援するための支援方法の一実施形態を例示的に示すフローチャートを示す。

【図3】図３は、図３に示す支援方法によって実行される一連の動作を例示的に示すより詳細なフローチャートである。

【図4】図４は、図２に示した支援方法の変形例によって実行される一連の動作を例示的に示すより詳細なフローチャートを示す。

【発明を実施するための形態】

【0029】

図１は、１つ又はそれ以上の負荷装置３、４、５及び３ａに電力を供給し、通信データをやり取りするためのネットワーク配電システム１の実施形態を概略的、例示的に示している。ネットワーク配電システム１は、少なくとも１つ又はそれ以上の、ここでは、８個の電源コネクタ１２及び１２ａを備え、該１つ又はそれ以上の電源コネクタ１２及び１２ａに電力を供給するための少なくとも１つの電源２（そのうちの１つのみが図示されている。）を備える。本実施形態では、ネットワーク配電システム１はＰｏＥシステムであり、少なくとも１つの電源２は電源ユニット１１を備えるスイッチ（通常、ＰｏＥ側給電機器とも称される。）である。

【0030】

本実施形態では、電源コネクタ１２及び１２ａは、負荷装置３、４、５及び３ａが、通信データとともに供給された電力を伝送するように適合されたイーサネット（登録商標）ケーブル１３及び１３ａを介して接続されることを可能とするポートとして実現される。電源２は、主コンセント、ＤＣ電力グリッド又はバッテリ（図示せず）に直接的に接続され得る接続部（connection）１４を介して入力電力を受け取り、通信データの一部は、更なるポート１５で更なるイーサネット（登録商標）ケーブルを介して、他の装置（図示せず）、例えば他のスイッチから受信される。受け取った入力電圧から、電力ユニット１１は、電源コネクタ１２及び１２ａを介して負荷装置３、４、５及び３ａに供給されるべき電力を生成する。

【0031】

本例では、負荷装置３、４、５及び３ａは、照明器具３及び３ａ、スイッチング素子４、及び存在センサ５を含む。ネットワーク配電システム１では、スイッチング素子４及び存在センサ５が、スイッチング素子４が人によって作動された後、及び／又は、人の存在が存在センサ５によって検出された後、オン／オフ、シーン又は調光コマンドを照明器具３及び３ａに送信することが予見される。これは、ネットワーク配信システムのコミッショニングに対し、スイッチング素子４及び存在センサ５を照明器具３及び３ａに適切に関連付けることを要求する（確立された情報は、制御する装置（controlling device(s)）内、ここでは、スイッチング素子４及び／又は存在センサ５に、制御される装置（controlled device(s)）内、ここでは、照明３及び３ａに、また、コントローラ、ゲートウェイ等のような集中装置内に存在し、ここでは、この役割は、電源２又はそれらの任意の組み合わせによって実行され得る。）。このようなコミッショニングは、本発明の技術によって支援され得る。この目的に向けて、ネットワーク配電システム１のコミッショニングを支援するための支援システム６が提供される。支援システム６は、電源コネクタ１２ａとの負荷装置３ａ、ここでは、照明器具の接続及び／又は切断を検出するための１つ又はそれ以上の負荷装置検出器７、ここでは、各電源コネクタ１２ａ及び１２ａに対するもの、及び、負荷装置３ａに関してネットワーク配電システムをコミッショニングするステップを実行するためのコミッショニングツール８を備える。コミッショニングツール６は、負荷装置３ａの接続及び／又は切断の検出に応答して、コミッショニングするステップの少なくともいくつかを自動的に実行するように適合される。

【0032】

本実施形態では、負荷装置検出器７は、少なくとも１つの電源２と負荷装置３ａとの間で実行される電力ネゴシエーションプロセスに基づいて、負荷装置３ａの接続及び／又は切断を検出するように適合される。他の実施形態では、そのような検出はまた、電力供給及び／又は機械的プロセスに関連する特性の変化を監視することに基づき得る。

【0033】

負荷装置検出器７は、ここでは、接続を示す情報を生成するように適合され、ここでは、情報は、負荷装置３ａが電源コネクタ１２ａに接続されていることを示す電源コネクタ情報、及びそこに電力を供給している電源２を示す電源情報を含む。この情報は、コミッショニングするステップの少なくともいくつかを実行する際に該情報を利用するコミッショニングツール８に対して供給される。例えば、ネットワーク配電システムにおける負荷装置の位置についての情報を表す電源コネクタ情報及び／又は電源情報は、好ましくは、負荷装置３に関してデータ通信インターフェースのコミッショニングを少なくとも部分的に自動化するために用いられる。特に、それらは、好ましくは、負荷装置に関してアプリケーションレベル制御関係の確立を少なくとも部分的に自動化するために用いられる。

【0034】

１つ又はそれ以上の負荷装置検出器７は、ここでは、負荷装置３ａの特性を示す情報をさらに生成するように適合され得る。コミッショニングツール８は、コミッショニングのステップの少なくともいくつかを実行する際にこの情報を利用することもできるように適合され得る。例えば、特性は、負荷装置３ａの電力消費、例えば誘導性負荷装置よりもむしろ容量性負荷装置といった負荷装置３ａのタイプ、又は正確なデバイスタイプ（例えば、１０Ｗの消費電力のＣＦＬ光（コンパクト蛍光灯））を含む。この情報は、例えば、負荷装置３ａが電源コネクタ１２ａ（以下参照）に接続されることが許可されている否かを決定する際に用いられ得る。さらに、（正確な）デバイスタイプについての知識、例えば、照明器具対スイッチング素子対存在センサについての知識が、負荷装置３ａに関してアプリケーションレベル制御関係を確立する際に用いられ得る。

【0035】

負荷装置３ａの特性を示す情報を生成することは、ここでは、負荷装置に対してトレーニング手順を実行することを含み得る。トレーニング手順は、負荷装置が接続された電源コネクタに特徴的電力を供給するように少なくとも１つの電源を制御すること、及び又は
データ通信インターフェースを介して特徴的なやり方で負荷装置を制御することを含む。負荷装置の特性は、例えば、負荷装置のタイプを含むことができ、トレーニング手順は、電源オン／オフのサイクル又は連続調光等の他の特別な動作を含むことができる。

【0036】

以下では、図１に示すネットワーク配電システム１のコミッショニングを支援するための支援方法の実施形態を、図２に示すフローチャートを参照して例示的に説明する。

【0037】

ステップＳ１０１において、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器７は、負荷装置３ａの電源コネクタ１２ａへの接続及び／又は切断を検出する。

【0038】

ステップＳ１０２において、コミッショニングツール８は、負荷装置３ａに関してネットワーク配電システム１をコミッショニングするステップを実行する。コミッショニングするステップの少なくともいくつかは、負荷装置３ａの接続及び／又は切断の検出に応答して、自動的に実行される。

【0039】

図２に示す支援方法によって実行される一連の動作を例示的に示すより詳細なフローチャートを図３に示す。ここで、ネットワーク配電システム１の少なくとも１つの電源２は、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器７を備え、コミッショニングツール８は、専用装置である。この例では、負荷装置３ａ、ここでは照明装置は、電源コネクタ１２ａに接続されている（ステップＳ２０１）。ステップＳ２０２において、１つ又はそれ以上の負荷機器検出部７は、負荷機器３ａの接続を検出し、接続を示す情報を生成し、ここで、該情報は、負荷機器３ａが接続されている電源コネクタ１２ａを示す電源コネクタ情報及びそこに電力を供給している電源２を示す電源情報を含む。好ましくは、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器７は、負荷装置３ａの特性を示す情報を生成するようにさらに適合され、ここで、該情報は、負荷装置３ａのタイプ及び／又はその消費電力についてのより詳細な情報を含み得る。ステップＳ２０３において、該情報は、例えば、特定の電源コネクタの電圧レベル（例えばＮｅｘｔｅｃのＥＭｅｒｇｅ電源ユニットによって行われるような）を介して、イーサネット（登録商標）を介して、他の有線接続を介して、光通信システムを介して、又はそれらの手段の任意の組み合わせを介して、負荷装置３ａの接続の検出に応答して、負荷装置３ａに関してネットワーク配電システム１をコミッショニングするステップの少なくともいくつかを自動的に実行するコミッショニングツール８に伝達（報告又はポーリング（pollable））される。（他の実施形態では、例えば、通常電圧レベルレポートのフラグ又は専用アラート等、接続／切断のより明示的な表示（indication）が用いられ得ることに留意されたい。）この例では、負荷装置３ａは、ステップＳ２０４において、既にコミッショニングされているか否かをチェックし、そうでないと判断される場合には、ステップＳ２０５において、ネットワークを検索する。ネットワーク配電システム１は、特にデータ通信インターフェースの設定に用いられるコミッショニングツール８は、少なくとも１つの電源装置２から情報を受信し、新たな負荷装置３ａの初期データ通信（例えば、ネットワークスキャン、参加リクエスト、キーリクエスト）を受信し、そして、自動的に（少なくとも部分的に）新たな負荷装置３ａをネットワーク配電システム１（電源／コネクタ）におけるその場所にマッピングし、それに応じて、負荷装置３ａを構成することができるかも知れない。この例では、コミッショニング手順は、情報が少なくとも１つの電源２から受信されたか否かを決定すること（ステップＳ２０６）、負荷装置３ａが電源コネクタ１２ａに接続されることを許可されるか否かを決定し、さらに、適用可能な通信データを決定すること（ステップＳ２０７）、通信データ（例えば、識別されたネットワーク、固有アドレス及び／又はネットワークキー等）のやり取り（ステップＳ２０８）、及びグループ関係の設定（Ｓ２０９）を含む。この方法は、専用のコミッショニングツール８について、以下の利点を有する。すなわち、負荷装置３ａ及び電源２によって用いられるデータ通信インターフェースの仕様は、コミッショニングツール８がそれぞれを用いて通信することができる限り、異なり得る。したがって、レガシーな電源が用いられ得る。さらに、ＰｏＥ及びＥＭｅｒｇｅシステムに対して、電流制限がＵＬ−Ｃｌａｓｓ−２の分類システムに適用される必要があるため、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器を実現するために必要なハードウェアは、典型的には、電源内に既に存在する。

【0040】

図４は、図２に示した支援方法の変形例によって実行される一連の動作を例示的に示すより詳細なフローチャートを示す。ここで、ネットワーク配電システム１の少なくとも１つの電源２は、１つ以上の負荷装置検出器７と、コミッショニングツール８とを備える。この例では、負荷装置３ａは、ここでは照明装置は、電源コネクタ１２ａに接続されている（ステップＳ３０１）。ステップＳ３０２において、１つ以上の負荷装置検出器７は、負荷装置３ａの接続を検出し、接続を示す情報を生成する。ここで、該情報は、負荷装置３ａが接続されている電源コネクタ１２ａを示す電源コネクタ情報、及び電力を供給している電源２を示す電源情報を含む。好ましくは、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器７は、負荷装置３ａの特性を示す情報を生成するようにさらに適合され、ここで、該情報は、負荷装置３ａのタイプ及び／又はその消費電力についてのより詳細な情報を含み得る。この例では、負荷装置３ａは、ステップＳ３０３において、既にコミッショニングされているか否かをチェックし、そうでないと判断される場合、ステップＳ３０４において、ネットワークを検索する。新たな負荷装置３ａの接続が確認されると（ステップＳ３０５）、電源２は、当該場所での当該負荷装置のタイプを現在追加することが許可され（又はＢＭＳにアナウンスでさえされた）、及び／又は通信情報の提供を新たな負荷装置３ａに要求する場合には、マネージメントエンティティ（ＢＭＳ、トラストセンタ）（図示せず）に問い合わせるためにデータ通信インターフェースを用いる。或いは、電源２は、マネージメントエンティティからの許可が以前に得られたか否かに依存して異なる動作を実行する。電源装置２及びマネージメントエンティティは、接続された負荷装置３ａについての追加情報をやり取りし得る（ステップＳ３０６）。さらに、マネージメントエンティティは、例えば、負荷装置３ａのタイプ又は負荷装置３ａの電力消費及び／又はデータ通信インターフェースを介したある追加的データのやり取りを確認するために、例えば、接続された負荷装置の電力特性に関する追加的なテストを実行するよう、電源又は他の装置に要求し得る（ステップＳ３０７）。接続された負荷装置３ａがネットワーク配電システム１に追加されることが許可される場合、電源２は、新たな負荷装置３ａに、マネージメントエンティティから得られる設定情報を提供し（例えば、任意的に、マネージメントエンティティからの設定情報を転送のみ行う）、及び／又は要求される情報（例えば、固有のアドレス、ネットワークキー、グループメンバーシップ、バインディング等）自体を提供するためのプロセスをトリガする（ステップＳ３０８からＳ３１０）。

【0041】

開示された実施形態に対する他の変更は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、クレームされた発明を実施する当業者によって理解され、達成され得る。

【0042】

例えば、図１に示す１つ又はそれ以上の負荷装置３、４、５及び３ａに電力を供給し、通信データをやり取りするためのネットワーク配電システム１の実施形態において、複数の負荷装置が電源コネクタ１２ａに接続され、負荷装置３ａが電源コネクタ１２ａから切断されている場合、情報は、(i)切断されている負荷装置３ａの識別を示す負荷装置識別情報、(ii)切断されている負荷装置３ａのタイプを示す負荷装置３ａの特性、(iii)負荷装置３ａが切断されている電源コネクタ１２ａを示す電源コネクタ情報、及び(iv)電力を供給している電源２を示す電源情報のうちの１つ又はそれ以上を含み得る。実施形態に応じて、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器７は、どの負荷装置が切断されているかを直接的に検出することができる。より簡単な実施形態では、それらは、負荷装置３ａが電源コネクタ１２ａから切断されていることのみを検出することができ、依然として接続されている負荷装置、したがって、切断された負荷装置を決定するために発見手順をトリガすることを必要とするであろう。

【0043】

さらに別の実施形態において、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器７は、負荷装置３ａが特定の電源コネクタ１２ａから切断されていること、及び、どのような負荷装置がシステムにおける例えば電源２、コミッショニングツール８、ＢＭＳ等におけるどこかで利用可能であるかの情報のみを検出することができる。切断されている負荷装置についての該情報は、この負荷装置に関連する通信情報（例えば、アプリケーションレベル制御関係、グループメンバーシップ）を除去するため、隣接する負荷装置群に関連する情報をそれらの内部記憶装置から除去するよう該負荷装置群をトリガするため、除去された負荷装置３ａによって提供された接続を再確立する（例えば、除去された負荷装置３ａの前の子が新たな親をすでにサーチすることができ、削除された負荷装置３ａに通じているルートの負荷装置（load device which hat routes）がそれらを再発見することができる）ため、及び、ネットワーク設定を更新する（削除された装置３ａが再参加（re-joining）することを防止するためにネットワークキーを変更する）ため等に、用いられ得る。このために、例えば電源２、コミッショニングツール８及び／又はＢＭＳといった、該切断によって通知された１つ又はそれ以上の負荷検出器及び／又は任意のネットワーク接続されたデバイスは、除去された負荷装置３ａに代わってグッドバイメッセージ、すなわちエラーステータス、及び更新コマンドを送信し得る。切断された負荷装置３ａに関する情報は、さらに、除去された負荷装置３ａが以前に接続されていた電源コネクタ１２ａを無効にするために、又は、それが電力供給されている最後の／唯一の負荷装置であるならば、電源２全体をスイッチオフするためにさえ、用いられ得る。

【0044】

さらに、コミッショニングするステップの少なくともいくつかは、負荷装置３ａが電源コネクタ１２ａに接続されることが許可されているか否かを決定することを含み得る。例えば、負荷装置３ａがネットワーク配電システム１において（一時的に、この特定の動作モードの間に、例えばエネルギー管理システムの負荷制限要求に対する反応（reaction）としての例えば緊急時又は電力制限動作中に）許可されない場合、コミッショニングは放棄され得る。加えて、「不正な」負荷装置についての情報、好ましくは、その正確な位置及びタイプの情報は、例えばＢＭＳに転送されるかも知れない。さらに、コミッショニングツール８は、負荷装置３ａが電源コネクタ１２ａに接続されていないと判断された場合に、負荷配電装置３ａに電力を供給しないようにネットワーク配電システム１を制御するように適合され得る。例えば、負荷装置３ａがここでは電源コネクタ１２ａに接続されている唯一のものである場合や、それが負荷装置チェーン内の最後の負荷装置である場合、そのような「不正な」負荷装置３ａに供給される電力を除去することが可能であり得る。

【0045】

さらに、コミッショニングツール８は、負荷装置３及び３ａのグループに関する確立されたアプリケーションレベル制御関係を検証するように適合され得る。該検証は、負荷装置３及び３ａのグループを、ここでは照明装置を、データ通信インターフェースを介して制御すること、及び、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器７からの情報を利用することを含み、また、該情報は、該制御によって引き起こされる電力の供給に関連する特性の変化を示す。例えば、負荷装置３及び３ａのグループは、データ通信インターフェースを介してオン及びオフされ、また、負荷装置３及び３ａに供給される電力の対応する変化は、１つ又はそれ以上の負荷装置検出器に監視され、そして、負荷装置３及び３ａの、電源／電源コネクタ及び制御グループへのマッピングの正確さを検証するためにコミッショニングツール８によって用いられ得る。

【0046】

さらにまた、コミッショニングツール８は、いずれの電源コネクタ１２及び１２ａにもまだ接続されていない、及び／若しくは、電源コネクタがこれまでに用いられておらずそれゆえ停止している（deactivated）ので、電源コネクタに物理的に接続されているがそこを介して電力が供給されていない負荷装置３ａに関して、データ通信インターフェースをコミッショニングするステップを実行するように、また、それに応答して、負荷装置３ａが接続されるべきであるが負荷装置３、４、５又は３ａのいずれもまだ接続されていない電源コネクタ１２ａに電力を供給するように少なくとも１つの電源２を制御するように、及び／若しくは、負荷装置３ａが接続され若しくはおそらく接続されそうな電源コネクタ１２ａに（これは、例えば負荷装置３ａに関する通信情報、例えばその範囲における負荷装置等、又は装置が通信するイーサネット（登録商標）電力等、を解析することによって、決定され得る）電力を供給するように少なくとも１つの電源２を制御するように、並びに／又は、負荷装置検出器７をアクティベートするように、適合され得る。このステップを完了させるために、他の手段を介して電力が供給される、例えば、内蔵又は外付けバッテリから電力を引き出したり、無線電力伝送等によって供給されたりする必要があるかも知れない。

【0047】

さらに、ネットワーク配電システム上の装置、例えば同じ電源コネクタ又は専用負荷装置検出器に接続された別の負荷装置は、少なくとも、負荷装置が接続され及び／又は切断されているという事実を検出することが可能である。同じ電源コネクタ／電源への新たな負荷装置の接続が検出されると、この装置は、新たな装置及び又は（もしあれば）マネージメントエンティティにコンタクトするためにデータ通信インターフェースを用い、要求される設定情報を提供するためのプロセスをトリガし、参加のために、例えば装置自身及び又はネットワークにおける、好ましくは、新たな負荷装置に物理的に近接する、他の装置を開放し、コミッショニングチャネルに移行し、ネットワークキー、グループメンバーシップ、バインディング情報等を共有する。

【0048】

また、ネットワーク配電システムにより電力駆動されない装置、例えば、センサのようなバッテリ駆動コントローラ、又はエネルギーハーベストスイッチ（energy-harvesting switches）は、一旦、ネットワークにコミッショニングされると、すなわち、それらの機能及び場所が既知になると、たとえトリガが電力システムからやって来たとしても、データ通信インターフェース上で起こっているコミッショニングプロセスに含められ得る。そのような装置の初期コミッショニングのため、ネットワーク配電システムにより電力駆動されていない、すなわち引き出された電力にいかなる変化もない、という事実もまた、報告された装置のタイプ／能力の検証として用いられ得る。

【0049】

コミッショニングプロセスは、コミッショニングプロセスをサポートするために、通信と電源との間の接続の使用をすることができる。例えば、複数の負荷装置がほぼ同時に接続されていたならば（すなわち、それぞれの設定が完了する前に）、コミッショニングプロセスは、特定の負荷装置の電力を無効化し、データ通信インターフェースへの影響（特定の装置識別子からの通信の中断）を観測し、データ通信インターフェースを介した通信試行の再開をもたらしながら、選択された負荷装置への電力フローを再有効化（re-enable）し得たであろうし、或いは、負荷装置を制御する（例えばそれを最大電力消費に切り換える、オン／オフする等）ために、また、電源接続による結果を観測するために、データ通信インターフェースを用い得たであろう。ネットワーク配電システム上で動作するように既に設定された負荷装置についても同様であり得る。このようにして、複数の電源コネクタの１つの、複数の電源コネクタのうちの特定の電源コネクタへの接続が、決定され得る。また、複数の負荷装置を選択的に切り換えることによって、データ通信ネットワークのトポロジ（親／子関係、特定のゲートウェイ又は集線装置（concentrator）の使用）及び／又は制御関係（例えばバインディング、グループ）の作成に影響が及び得る。

【0050】

上述した実施形態では、ネットワーク配電システム１は、通信のためにイーサネット（登録商標）を利用するＰｏＥシステムであるが、他の実施形態では、ネットワーク配電システムは、例えばＤＣ電力バスシステム、一例として、ＥＭｅｒｇｅ ２４Ｖ 占有スペース規格（EMERGE 24 V Occupied Space standard）又は次世代のＥＭｅｒｇｅスマートシーリングソリューション（EMERGE Smart Ceiling Solutions）に基づくものであり得るし、データ通信インターフェースは、ＺｉｇＢｅｅ（登録商標）、ＺｉｇＢｅｅ（登録商標） Ｌｉｇｈｔ Ｌｉｎｋ、ＺｉｇＢｅｅ（登録商標）ビルディングオートメーション、８０２．１１／ＩＰｖ４／ＩＰｖ６、６ＬｏＷＰＡＮ、或いは他の適用可能な無線ソリューション、（例えば負荷装置と電源コネクタ間の）ＤＣベース電力線通信、（例えば電源とコミッショニングツール間の）任意の有線通信、又は、それらの任意の組み合わせを含む、赤外線通信、可視光通信、又は無線通信のような非配線通信を利用することができる。

【0051】

特許請求の範囲において、用語「含む（comprising）」は、他の要素又はステップを除外するものでなく、不定冠詞「ａ」又は「ａｎ」は、複数を除外するものでない。

【0052】

単一のユニット又はデバイスは、特許請求の範囲に記載されるいくつかの項目の機能を実現することができる。ある手段が相互に異なる従属する請求項に記載されているという単なる事実は、それらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものでない。

【0053】

１つ又はいくつかのユニット又は装置によって実行される、負荷装置の接続及び／又は切断の検出や、配電システムのコミッショニング等のような手順は、任意の数の装置又は装置によって実行することができる。これらの手順及び／又は配電システムをコミッショニングする方法に従う配電システムの制御は、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として及び／又は専用ハードウェアとして実装することができる。

【0054】

コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される、光学記憶媒体又は半導体素子（solid-state medium）といった適切な媒体に格納され／配付され得るが、インターネット又は他の有線若しくは無線の遠隔通信システムを介する等、他の形態でも配布され得る。

【0055】

特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、要旨を限定するものとして解釈されるべきではない。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】