(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接地体の先端部は、前記接地体の基端部に対して機体左右方向及び機体前後方向に退避回動可能に構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[コンバイン]
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1及び
図2において、Cはコンバインであって、該コンバインCは、機体フレーム2が左右一対のクローラ式走行装置1によって支持された走行機体3と、オペレータが乗り込んで操向操作等を行うキャビン10と、走行機体3の前側に昇降駆動可能に連結された刈取部4と、を備えている。
【0009】
刈取部4は、走行機体3の前部側から前方下側に向けて延設されるとともに、後端部基端側を回動支点として上下回動自在に設けられた支持体6に支持されており、支持体6側と走行機体3側とに連結された油圧シリンダ(図示せず)を伸縮させることによって、刈取部4が昇降駆動されるように構成されている。
【0010】
また、刈取部4は、前端下側で左右方向に複数(図示する例では7つ)並べて配置した分草デバイダ7によって圃場の穀稈を刈取側と非刈取側に分草し、分草された穀稈を引起装置8によって引起すとともに刈取部4側に掻込み、下端側に配置された刈刃(図示せず)によって穀稈を刈取る刈取作業を行う。そして、刈取部4により刈取られた穀稈は、刈取部4の搬送装置によって、走行機体3の左部に設置された脱穀装置12まで搬送され、脱穀装置12の左側面に設けられたフィードチェーン13に渡される。
【0011】
刈取部4の下部(分草デバイダ7の下部)には、地面(圃場面)に対する刈取部4の高さ(以下、適宜、対地高さという。)を検出する刈高さ検出装置14が設けられており、刈取部4は、刈高さ検出装置14により検出された対地高さに基づいて、刈取作業時における刈取部4の昇降位置が刈取作業に適した高さ位置に制御されるように構成されている。
【0012】
なお、刈高さ検出装置14は、図示する例では左右両端のデバイダ7L、7Rの内側に隣接する2つの分草デバイダ7にそれぞれ設けられているが、刈高さ検出装置14はその他の分草デバイダ7に設置されてもよく、設置する刈高さ検出装置14の数も1つであっても、3つ以上であってもよい。分草デバイダ7及び刈高さ検出装置14の具体的な構成については後述する。
【0013】
脱穀装置12に渡された穀稈は、株元側がフィードチェーン13と、該フィードチェーン13の上側に配置された挟持レール16とで挟持され、且つ、穂先側が脱穀装置12の扱胴(図示せず)側に向けられた状態で後方搬送される。扱胴は、前後方向に延びる筒状に形成されるとともに、前後方向の軸回りに回転駆動されるように構成されており、この扱胴の回転駆動によって、フィードチェーン13で後方に搬送される穀稈の穂先側が脱穀処理されて排藁になる。脱穀処理された処理物は、扱胴の下側に配置される選別室(図示せず)に落下供給される。
【0014】
選別室に落下供給された処理物は、回動選別及び風選別によって、籾等の穀粒と、藁屑等の排出物とに選別される。排出物は、走行機体3の後端部から機外に排出される一方で、穀粒は走行機体3における脱穀装置12の右側に位置するグレンタンク17内に搬送収容される。
【0015】
一方、排藁は、フィードチェーン13の後端側から、該フィードチェーン13の後方に配置された排藁搬送体18に渡されて走行機体3の後端側に向けて後方搬送され、そのまま走行機体3の後端部から機外に排出されるか、或いは、切断処理された後に機外に排出される。
【0016】
グレンタンク17内に貯留された穀粒は、走行機体3の後端右側に基端部が支持されて、上下方向の基端部を軸に左右旋回及び上下回動するオーガ19を介して機外へと排出される。
【0017】
つぎに、分草デバイダ7と、該分草デバイダ7に設けた刈高さ検出装置14の構成について、
図3〜
図10を参照して説明する。
【0018】
[分草デバイダ]
分草デバイダ7は、支持体6から刈取部4の前端側まで延設された分草フレーム21と、該分草フレーム21の前端部に設けられる取付板22とを介して支持体6に支持されている。本実施形態の分草デバイダ7は、取付板22にボルト固定されて前方に突出された分草板24と、該分草板24の上面側に設けられたガイド体26と、該分草板24の左右両面側に取付けられた左右一対のガイド杆27と、分草板24の左右両面側に設けたガイド板28と、を備えて構成されるとともに、分草板24の後部に刈高さ検出装置14が取付けられている。
【0019】
取付板22は、前方に向かって下方傾斜する長孔状の取付孔22aが上下一対穿設されており、該取付孔22aを介して分草板24がボルト固定される。これにより、刈取作業を行う作物の種類や、圃場の固さの状況に応じて、分草デバイダ7の取付位置を取付孔22aの範囲内で前後又は上下方向に調整することができる。
【0020】
ガイド体26は、前端側に分草板24の上端が嵌合される凹部26aを有し、側面視で凹部26aから後方上側に向かって傾斜するように延設されるとともに、凹部26aから後方に向かって左右外側に向かって幅広となるように形成されている。これにより、ガイド体26は、分草板24の左右側面側から上面側をカバーすることができる。
【0021】
ガイド杆27は、その前端側が分草板24の左右の側面側に固着されるとともに、後方に向かって分草板24の左右外側に向かって傾斜させた前後方向の棒状部材であって、分草板24の左右両側にそれぞれ設けられている。また、ガイド杆27は、側面視でガイド体26の凹部26a真下側から左右外側に屈曲形成されるとともに、ガイド体26と同様に後方上側に向かって傾斜するように形成されている。
【0022】
ガイド板28は、分草板24の左右側面側に取付けられ、後方に向かって左右外側に傾斜する直角三角形状に形成された部材であり、側面視でガイド杆27の下側で、且つ刈高さ検出装置14の前方側に配置されるとともに、圃場面側に対して略水平となるように設けられている。
【0023】
このような構成によれば、分草デバイダ7は、圃場の穀稈穀稈を分草板24の左右両側に分草し、該分草板24によって分草された穀稈を、刈刃側に近づくに伴って株元側をガイド体26及びガイド杆27によって分草板24の左右外側に向けて次第に湾曲させ、該穀稈を隣接する分草デバイダ7間に配置された引起装置8側へと案内することができる。
【0024】
また、図示されるように、刈高さ検出装置14は、側面視でガイド体26の下側で、且つ正面視で左右一対のガイド杆27、27の間に形成されるスペースSに配置されている。すなわち、ガイド杆27及びガイド体26により、圃場での前進走行により掻き込まれる穀稈が、刈高さ検出装置14の前方側で左右外側にかき分けるように案内されるため、刈高さ検出装置14側に穀稈が接触することによる故障等を防止することができる。
【0025】
また、分草デバイダ7は、ガイド板28によって、圃場での作業走行時に刈高さ検出装置14の前方側の圃場の泥や、ガイド杆27でガイドされない雑草等を突き崩して、かき分けることができるため、刈高さ検出装置14側に泥が付着したり雑草類が絡まったりすることを効率的に防止することができる。なお、ガイド板28は、圃場がぬかるんでいる場合に、分草デバイダ7が圃場側に沈み込むことを防止する沈下規制板としても機能させることができる。
【0026】
[刈高さ検出装置]
刈高さ検出装置14は、機体走行方向及び高さ方向に沿うように分草板24に取り付けられるプレート部材23と、該プレート部材23に上下回動可能に支持される接地体30と、該接地体30の上下回動位置を検出するポテンショメータ31と、を備え、圃場側に接地して上下回動する接地体30の上下回動位置をポテンショメータ31で検出することにより刈取部4の対地高さを検出するように構成されている。
【0027】
接地体30は、第1回動軸33を介してプレート部材23の左右一方(図示する例では左)側の面に上下回動可能に支持された検出部材34と、該検出部材34の下端側に取付固定された前後方向に延設されたボス部材35と、該ボス部材35に挿通される第2回動軸36と、該第2回動軸36を軸に軸回転するように構成された退避部材37と、該退避部材37の後端側に配置されて第3回動軸38を軸に前後回動可能に設けられた接地部材39とを備え、該接地体30は、走行機体3の前進走行時に接地部材39の下部側を圃場面側に接地させて対地高さを検出する検知姿勢と、走行機体3の後進走行時又は左右旋回時に接地部材39を上方に退避させた退避姿勢とに切換えることができるように構成されている。
【0028】
接地部材39は、退避部材37の後端側から下方に向かって延設された板状部材であって、その下端側が圃場側に接触する接地部39aと、該接地部39aの上端側を第3回動軸38に前後(上下)回動可能に支持される基端部39bと、第3回動軸38に挿通されて接地部39aを後方回動する側に付勢するトーションバネ41とを備え、基端部39bが退避部材37の後端側に形成された規制部37aと当接することにより、後方回動する側に付勢された接地部39aが側面視で下方に向かって後方傾斜した検出位置で保持されるように構成されている。
【0029】
これにより、接地部材39は、トーションバネ41の付勢力により検出位置で保持される一方で、接地部材39に前方回動する力が作用した場合には、該接地部材39がトーションバネ41の付勢力に抗して前方(上方)に退避回動するように構成されている。具体的な作動については後述する。
【0030】
退避部材37は、前後方向に延設された板状部材であって、全体がコ字状となるように前後端をそれぞれ屈曲することにより、第2回動軸36が連結される連結部37bと、退避部材37後端側の規制部37aと、が形成されている。
【0031】
連結部37bは、第2回動軸36が連結されるとともに、前方に向かって延設された突設ピン42が設けられている。また、連結部37bは、第2回動軸36が検出部材34下端側のボス部材35に挿通されるとともに、抜止めピンで抜け止めすることにより、ボス部材35(検出部材34)側に軸回転可能に支持されている。また、ボス部材35側には、トーションバネ43の筒状部が外装されており、該トーションバネ43から突出された一対のアーム部が、突設ピン42を挟むように配置されている。
【0032】
これにより、退避部材37は、その軸回転位置が、トーションバネ43の付勢力により接地部材39が正面視で圃場に向かって真っすぐ延設された検出位置となる位置で保持されている。これにより、接地部材39に左右回動する方向の力が作用した場合には、退避部材37をトーションバネ43の付勢力に抗して第2回動軸36の軸回りに軸回転させることによって、接地部材39が左右(上方)側に退避回動するように構成されている。具体的な作動については後述する。
【0033】
検出部材34は、第1回動軸33に固着されるとともに、第1回動軸33がプレート部材23側に形成されたボス部23aに回動自在に挿通されることにより、第1回動軸33を軸に上下回動するようにプレート部材23側に支持されている。
【0034】
検出部材34は、第1回動軸33の下方側に下限規制ピン46が設けられており、該下限規制ピン46が、プレート部材23の下面側と当接することにより検出部材34の下方(前方)回動が下限位置で規制されるように構成されている。その一方で、第1回動軸33の上方側にはプレート部材23から検出部材34側に突設された上限規制ピン47が設けられており、該上限規制ピン47が検出部材34の上部側と当接することにより、検出部材34の上方(後方)回動が上限位置で規制されるように構成されている。なお、本実施形態では、検出部材34に下限規制ピン46を設けているが、プレート部材23に下限規制ピン46を設け、該下限規制ピン46が、検出部材34の上面側と当接することにより検出部材34の下方(前方)回動が下限位置で規制されるようにしてもよい。
【0035】
また、第1回動軸33には、トーションバネ48の筒状部が挿通さ.れており、該トーションバネ48から突出された一対のアーム部の一方側が検出部材34側の下限規制ピン46側に係止され、アーム部の他方側が支持ブラケット34側の上限規制ピン47側に係止されている。
【0036】
これにより、検出部材34は、下限規制ピン46がプレート部材23側に当接した下限位置で付勢された状態を初期状態として、該初期状態からの上方回動量をポテンショメータ31で検出することにより、刈取部4の対地高さを検出するように構成されている。具体的な作動については後述する。
【0037】
上記のように構成された接地体30は、走行機体3が前進走行して接地部材39が地面に接触して押されることにより、接地部材39に前方から力が加わると、規制部37aにより接地部材39の後方回動(退避部材37に対する相対回動)が規制された状態で、接地体30全体(検出部材34)が、トーションバネ48の付勢力に抗して第1回動軸33を軸に上方回動する(
図7等参照)。
【0038】
また、接地体30は、走行機体3が後進走行して接地部材39が地面や切株等に接触して押されることによって接地部材39に後方から力が加わると、接地部材39は、トーションバネ41の付勢力に抗して、第3回動軸38を中心として前方に退避回動(退避部材37に対する相対回動)する(
図8参照)。これにより、接地部材39等が破損することを防止できる。このとき、第3回動軸38側のトーションバネ41よりも、第1回動軸33側のトーションバネ48の方が付勢力の大きいものが用いられるため、検出部材34が上下回動される前に、接地部材39が先に退避作動するように構成されている。
【0039】
また、接地体30は、走行機体3が旋回走行して接地部材39が地面や切株等に接触して押されることによって接地部材39に横方向から力が加わると、接地部材39は、第2回動軸36を中心として左右方向に退避回動(検出部材34に対して左右に相対回動)する(
図9及び
図10参照)。これにより、接地部材39等が破損することを防止できる。
【0040】
以上より、第1回動軸33は、検出部材34の回動軸であって刈取部4の対地高さが検出に関連する回動軸であり、第2回動軸36及び第3回動軸38は、接地部材39の退避作動に関連する回動軸となる。
【0041】
なお、接地体30は、検知姿勢から退避姿勢に切換えられる際には、接地体30の一部である接地部材39のみが前後左右に退避作動されるため、刈高さ検出装置14を設置するために分草デバイダ7の下側に確保するスペースをより小さくすることができる。
【0042】
ポテンショメータ31は、プレート部材23の左右一方(図示する例では右)側の面に取付固定されており、後述する連係部50を介して検知部材34の上下回動を検出できるように設けられている。すなわち、ポテンショメータ31は、接地体30(検知部材34、退避部材37、接地部材39)が回動作動された場合であっても取付位置が動かないため、ポテンショメータ31に接続する配線が配索し易くなる。
【0043】
つぎに、刈高さ検出装置14における連係部50の保護構造及び配置構成と、刈高さ検出装置14の取付構造について、
図11〜
図15を参照して説明する。
【0044】
[連係部の保護構造]
前述したように、本実施形態の刈高さ検出装置14は、機体走行方向及び高さ方向に沿うように刈取部4の下部に取り付けられるプレート部材23と、プレート部材23の一面側(図示する例では左側)に上下回動自在に配置される接地体30と、プレート部材23の他面側(図示する例では右側)に固定状態で配置され、連係部50を介して接地体30の回動角を検出するポテンショメータ31と、プレート部材23を一面側から他面側に亘って貫通し、一端側(図示する例では左端側)に連結される接地体30を上下回動自在に支持する第1回動軸33と、を備える。
【0045】
図12〜図
15に示すように、連係部50は、ポテンショメータ31の検出軸31aに
基端部51aが連結されたポテンショ側検出アーム51(ポテンショ側連係部材)と、第1回動軸33の他端側(図示する例では右端側)に
基端部52aが連結されるとともにポテンショ側検出アーム52に下方から係合され、第1回動軸33の回動をポテンショメータ31の検出軸31aに入力する接地側検出アーム52(接地側連係部材)と、を備える。
そして図13、15に示されるように、接地側検出アーム52及びポテンショ側検出アーム51は後述するように先端部52b、51b同士が係合されることで折り返し状に連結された構成になっている。
【0046】
プレート部材23の他面側(図示する例では右側)には、少なくとも接地側検出アーム52及びポテンショ側検出アーム51をプレート部材23との間で覆うカバー体60が取り付けられている。つまり、接地体30と接地側検出アーム52をプレート部材23の一面側と他面側に振り分けて配置するとともに、接地側検出アーム52及びポテンショ側検出アーム51をプレート部材23とカバー体60との間で覆ったので、接地側検出アーム52を接地体30と同じプレート部材23の一面側に配置する場合に比べ、カバー体60の構成を簡略化しつつ接地側検出アーム52及びポテンショ側検出アーム51を確実に覆い、接地側検出アーム52とポテンショ側検出アーム51との連係部分に対する泥や茎稈の付着を防止できる。また、ポテンショメータ31は、プレート部材23の他面側に固定状態で配置されるので、ポテンショメータ31に接続される配線の変位空間が不要になる。
【0047】
また、接地側検出アーム52及びポテンショ側検出アーム51は、プレート部材23とポテンショメータ31との間に配置されている。このような配置構成によれば、カバー体60の構成をさらに簡略化できるだけでなく、刈高さ検出装置14のコンパクト化が可能になる。
【0048】
また、プレート部材23には、接地側検出アーム52及びポテンショ側検出アーム51の少なくとも一部が入り込む凹部23bが形成される。本実施形態の凹部23bは、プレート部材23に形成された孔23cと、プレート部材23の一面側に溶着されて孔23cの一面側を覆蓋する覆蓋部材23dとから構成されている。このような凹部23bによれば、
左右方向他面側が一面側に入り込んだ形状になっていて、ポテンショメータ31の出っ張り量を減らし、刈高さ検出装置14のさらなるコンパクト化が可能になる。
【0049】
また、ポテンショメータ31は、スペーサ部材71を介してプレート部材23の他面側に取り付けられている。具体的に説明すると、ポテンショメータ31は、一対のネジ72を用いてプレート部材23の他面側に取り付けられるが、一対のネジ72は、スペーサ部材71に形成される孔71aを貫通し、プレート部材23及び覆蓋部材23dに亘って形成されるネジ孔23eにねじ込まれる。
【0050】
スペーサ部材71には、接地側検出アーム52及びポテンショ側検出アーム51の少なくとも一部が入り込む孔71bが形成されている。このようなスペーサ部材71によれば、接地側検出アーム52及びポテンショ側検出アーム51の少なくとも一部を保護する部材に兼用されるので、カバー体60の構成をさらに簡略化することが可能になる。
【0051】
本実施形態のカバー体60は、プレート部材23の他面側に取り付けられるカバー取付部材61と、カバー取付部材61に一対のネジ62を介して取り付けられるカバー本体63と、を備える。
【0052】
カバー取付部材61は、ポテンショメータ31をプレート部材23に取り付ける際、ポテンショメータ31とスペーサ部材71との間に挟まれると状態で取り付けられる。具体的に説明すると、ポテンショメータ31を取り付ける一対のネジ72は、カバー取付部材61に形成される孔61aと、スペーサ部材71に形成される孔71aとを貫通し、プレート部材23及び覆蓋部材23dに亘って形成されるネジ孔23eにねじ込まれる。
【0053】
カバー本体63は、カバー取付部材61に立設される一対の取付片61bに対し、それぞれネジ62を介して取り付けられる。本実施形態のカバー本体63は、接地側検出アーム52及びポテンショ側検出アーム51を覆うだけでなく、ポテンショメータ31とスペーサ部材71とを一緒に覆うように構成されている。このようなカバー本体63によれば、ポテンショメータ31及びスペーサ部材71に対する泥や茎稈の付着も防止することが可能になる。なお、本実施形態のカバー本体63は、接地側検出アーム52、ポテンショ側検出アーム51及びスペーサ部材71と一緒にポテンショメータ31を覆うように構成されるが、
図15に示すように、ポテンショメータ31を覆うことなく、接地側検出アーム52、ポテンショ側検出アーム51及びスペーサ部材71を覆うように構成されたカバー本体63B(カバー体60B)であってもよい。
【0054】
[連係部の配置構成]
前述したように、刈高さ検出装置14は、第1回動軸33を支点として上下回動する接地体30と、第1回動軸33と平行な検出軸31aを有し、該検出軸31aを支点として回動するポテンショ側検出アーム51の回動角を検出するポテンショメータ31と、第1回動軸33に設けられ、ポテンショ側検出アーム51と係合することで、第1回動軸33の回動をポテンショメータ31に入力する接地側検出アーム32と、を備える。
【0055】
図
13〜15に示すように、連係部50は、
先端部51b、52bにおいて折り返された接地側検出アーム52及びポテンショ側検出アーム51を備えて構成されるが、接地側検出アーム52は、前述したように先端部52bが回動軸33に連結されたものであるが、該基端部52aから凹部23b側に向けて折曲形成された折曲部52cと、該折曲部52cの先端から凹部23bの左右方向他面に沿うよう折曲され、少なくとも一部が凹部23bに入り込む状態で先端部52bに至るよう延出する延出部52dとを備えて構成されている。
これに対しポテンショ側検出アーム51は、前述したように基端部51aがポテンショメータ31の検出軸31aに連結されたものであり、そしてこれら両検出アーム51、52の先端部51b、52bは、係合部材50aを介して係合することで連携される係合部同士となっている。本実施形態の刈高さ検出装置14では、接地側検出アーム52とポテンショ側検出アーム51と
の先端部52b、51a同士を係合させるにあたり、接地側検出アーム52がポテンショ側検出アーム51よりも長く形成されるとともに、接地側検出アーム52とポテンショ側検出アーム51との係合位置が第1回動軸33から見て検出軸31aよりも遠くなるように構成されている。
つまり、ポテンショ側検出アーム51は、先端部51bから基端部51aまでの長さが接地側検出アーム52の先端部52bから折曲部52cに至るまでの長さよりも短くなる、換言すれば延出部52dの先端部52bからの長さの範囲に納まっていて、折曲部52cにまでには至らない長さになるよう形成されたものとなっている。
【0056】
具体的に説明すると、第1回動軸33は、検出軸31aよりも前側に配置され、第1回動軸33に連結される接地側検出アーム52は、検出軸31aの位置を越えて後方に延出され、検出軸31aに連結されるポテンショ側検出アーム51は、後方に延出して先端部の係合部51aが接地側検出アーム52の係合部52aと係合されている。
【0057】
このような連係部50の配置構成によれば、接地体30の第1回動軸33とポテンショメータ31の検出軸31aとを近接配置しつつ、接地側検出アーム52の長さを長くできるので、接地体30の角度検出精度を確保しながら刈高さ検出装置14をコンパクトに構成することが可能になる。
【0058】
また、第1回動軸33及び検出軸31aは、機体前後方向に並ぶとともに、分草板24の後部に形成されるスペースSの上方側に配置されており、第1回動軸33及び検出軸31aの下方には、接地体30の回動スペースが確保される。このような連係部50の配置構成によれば、刈高さ検出装置14をコンパクトに構成しつつ、接地体30の回動スペースを確保することが可能になる。また、本実施形態では、検出軸31aが、機体前後方向において第1回動軸33よりも後方に配置されるので、ポテンショメータ31の配線を後方に配索する場合に配線を短くできる。
【0059】
[刈高さ検出装置の取付構造]
図11に示すように、本実施形態の刈高さ検出装置14は、少なくとも、機体走行方向及び高さ方向に沿うプレート部材23と、プレート部材23の一面側に上下回動自在に配置される接地体30と、プレート部材23の他面側に配置されて接地体30の回動角を検出するポテンショメータ31と、を備えてユニット化されるとともに、プレート部材23の一面側が、分草板24に対して着脱可能に取り付けられる。具体的に説明すると、プレート部材23の前後両端部には一対の取付孔23fが形成される一方、分草板24の対応位置には孔又は溝からなる取付部24aが形成されており、取付孔23f及び取付部24aを貫通するボルト73を介して、プレート部材23の一面側が、分草板24に対して着脱可能に取り付けられる。
【0060】
このような刈高さ検出装置14によれば、ユニット化されるとともに、刈取部4の下部に対して着脱可能に取り付けられるので、刈高さ検出装置14の組立性や整備性を向上させることができる。また、接地体30が配置されるプレート部材23の一面側が、分草板24に対して着脱可能に取り付けられ、プレート部材23の他面側にポテンショメータ31が配置されるので、プレート部材23の一面側に接地体30及びポテンショメータ31を配置する場合に比べ、配置の自由度が高められるとともに、組立調整が容易となる。
【0061】
また、本実施形態の刈高さ検出装置14は、プレート部材23に取り付けられる前述のカバー体60を含めたユニットとして構成されている。このような刈高さ検出装置14によれば、組立性を向上できるだけでなく、接地側検出アーム52及びポテンショ側検出アーム51に対する泥や茎稈の付着を防止できる。
【0062】
[実施形態の効果]
叙述の如く構成された本実施形態によれば、走行機体3の前部に昇降自在に連結される刈取部4と、刈取部4の下部に設けられ、地面に対する刈取部4の高さを検出する刈高さ検出装置14と、を備えるコンバインCであって、刈高さ検出装置14は、第1回動軸33を支点として上下回動する接地体30と、第1回動軸33と平行な検出軸31aを有し、該検出軸31aを支点として回動するポテンショ側検出アーム51の回動角を検出するポテンショメータ31と、第1回動軸33に設けられ、ポテンショ側検出アーム51と係合することで、第1回動軸33の回動をポテンショメータ31に入力する接地側検出アーム52と、を備え、接地側検出アーム52は、ポテンショ側検出アーム51よりも長く形成され、接地側検出アーム52とポテンショ側検出アーム51との係合位置は、第1回動軸33から見て検出軸31aよりも遠いので、接地体30の第1回動軸33とポテンショメータ31の検出軸31aとを近接配置しつつ、接地側検出アーム52の長さを長くでき、その結果、接地体30の角度検出精度を確保しながら刈高さ検出装置14をコンパクトに構成できる。
【0063】
また、刈取部4は、茎稈を分草する分草デバイダ7の後方にスペースSを有し、第1回動軸33及び検出軸31aは、機体前後方向に並ぶとともに、スペースSの上方側に配置されることにより、第1回動軸33及び検出軸31aの下方に、接地体30の回動スペースが確保されるので、刈高さ検出装置14をコンパクトに構成しつつ、接地体30の回動スペースを確保できる。
【0064】
また、検出軸31aは、機体前後方向において第1回動軸33よりも後方に配置されるので、ポテンショメータ31の配線を後方に配索する場合に配線を短くできる。
【0065】
また、接地体30の先端部(接地部材39)は、接地体30の基端部(検出部材34)に対して機体左右方向及び機体前後方向に退避回動可能に構成されるので、接地体30を圃場に接地させた状態で機体を後進又は旋回させても、接地体30の破損を防止できる。