(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
織り込まれて波状に延在する第1強化繊維により、少なくとも一方の端部に開口が設けられ、前記開口に連通する空間が内部に設けられるように形成された外側部材の、前記空間に、第2強化繊維に樹脂が含浸した内側部材を挿入する挿入ステップと、
前記内側部材の樹脂を硬化させることで、前記外側部材と前記内側部材とを接合して、前記外側部材と前記内側部材とが接合した複合材料を形成する、複合材料形成ステップと、
を有する、複合材料の製造方法。
前記挿入ステップにおいて、複数の前記外側部材の外周面同士が連結して形成された連結部材の、それぞれの前記外側部材の内部に、前記内側部材を挿入する、請求項1に記載の複合材料の製造方法。
前記挿入ステップにおいて、前記内側部材と前記外側部材との間に発熱部材を設けつつ、前記外側部材の内部に前記内側部材を挿入する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の複合材料の製造方法。
前記外側部材は、熱可塑性樹脂を含有する繊維が織り込まれており、前記複合材料形成ステップにおいて、前記外側部材が含む熱可塑性樹脂を溶融させた後硬化させることで、前記外側部材と前記内側部材とを接合する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の複合材料の製造方法。
前記内側部材は、一方向に向かって延在する複数の前記第2強化繊維に樹脂が含浸した一方向材である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の複合材料の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0022】
図1は、本実施形態に係る複合材料の構成を示す模式図である。本実施形態に係る複合材料10は、例えば航空機などの製品に用いられる部材である。本実施において、複合材料10は、断面がI字形状の部材であるが、形状はこれに限られない。また、以下、方向Xと、方向Xに直交する方向Yと、方向X及び方向Yに直交する方向Zを規定する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態に係る複合材料10は、芯材としての内側部材12A、12B、12Cと、芯材を覆う外側部材14A、14B、14Cと、を有する。外側部材14Aは、開口36Aが開口している筒状の部材である。外側部材14Bは、開口36Bが開口している筒状の部材である。外側部材14Cは、開口36Cが開口している筒状の部材である。外側部材14Aは、連結箇所37Aにおいて、外側部材14Bの連結箇所37B1に連結されている。また、外側部材14Cは、連結箇所37Cにおいて、外側部材14Bの連結箇所37B2に連結されている。連結箇所37Aは、外側部材14Aの筒形状の外周部分の箇所である。連結箇所37B1、37B2は、外側部材14Bの筒形状の外周部分の箇所である。連結箇所37Cは、外側部材14Cの筒形状の外周部分の箇所である。すなわち、外側部材14A、14B、14Cは、外周面同士が連結して、連結部材15を形成している。連結部材15は、筒状の外側部材14A、14B、14Cが連結して、開口36A、36B、26Cを有するI字形状となっている。外側部材14A、14B、14Cの詳細な構造については後述する。また、以下、外側部材14A、14B、14Cを区別しない場合は、外側部材14と記載する。同様に、開口36A、36B、36Cを区別しない場合は、開口36と記載する。
【0024】
内側部材12Aは、外側部材14Aの開口36A内に設けられ、外周面が外側部材14Aの内周面(開口36Aの外周面)に接合されている。内側部材12Bは、外側部材14Bの開口36B内に設けられ、外周面が外側部材14Bの内周面(開口36Bの外周面)に接合されている。内側部材12Cは、外側部材14Cの開口36C内に設けられ、外周面が外側部材14Cの内周面(開口36Cの外周面)に接合されている。すなわち、内側部材12A、12B、12Cは、外側部材14A、14B、14Cの開口36A、36B、26Cを閉塞するように設けられている。以下、内側部材12A、12B、12Cを区別しない場合は、内側部材12と記載する。
【0025】
図2は、内側部材の模式的な断面図である。内側部材12は、第2強化繊維としての強化繊維22と、樹脂24とを含む複合材であり、さらに言えば、強化繊維22に樹脂24が含浸した複合材である。強化繊維22は、樹脂24よりも強度が高い繊維である。強化繊維22は、材質が炭素である炭素繊維(Carbon Fiber)である。また、樹脂24は、所定の温度まで加熱すると溶融する熱可塑性樹脂である。樹脂24は、熱可塑性の樹脂として、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、及びポリフェニレンサルファイド(PPS)等が用いられる。すなわち、本実施形態では、内側部材12は、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP;Carbon Fiber Reinforced Thermo Plastics)である。ただし、強化繊維22は、炭素繊維に限られず、他のプラスチック繊維、ガラス繊維又は金属繊維でもよい。ただし、樹脂24は、熱可塑性樹脂であることに限られず、例えば熱硬化性樹脂であってもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂が用いられる。
【0026】
図2に示すように、内側部材12は、内側層25が複数積層して構成されている。内側層25は、母材である樹脂24の層内に、複数の強化繊維22が並んでいる層である。ただし、内側層25同士は接合されているため、内側層25同士に界面は無いといえる。従って、内側層25とは、一列に並んだ強化繊維22とそれらの強化繊維22を覆う樹脂24の層であるといえる。
【0027】
本実施形態では、内側部材12A、12Cは、内側層25が方向Zに沿って積層されており、内側層25において、強化繊維22が方向Xに沿って並んでいる。内側部材12A、12Cは、方向Xに沿った長さが、方向Zに沿った長さより長く、方向Yに沿った長さが、方向Xに沿った長さより長い。また、内側部材12Bは、内側層25が方向Xに沿って積層されており、内側層25において、強化繊維22が方向Zに沿って並んでいる。内側部材12Bは、方向Zに沿った長さが、方向Xに沿った長さより長く、方向Yに沿った長さが、方向Zに沿った長さより長い。ただし、内側部材12A、12B、12Cにおける内側層25の積層方向と、内側層25における強化繊維22の並ぶ方向は、任意である。
【0028】
また、
図2に示すように、内側部材12は、母材である樹脂24内に、複数の強化繊維22が方向Yに沿って直線状に延在している。すなわち、内側部材12は、一方向材、言い換えればUD(Uni Direction)材である。内側部材12は、長さが最も長い方向Yに沿って、強化繊維22が延在していることが好ましい。ただし、強化繊維22は、複数が配列して任意の一方向に向かって延在するものであれば、方向Yに沿って延在することに限られない。また、本実施形態では、内側部材12A、12B、12Cの全てにおいて、強化繊維22が同じ方向に延在している。ただし、強化繊維22の延在方向が内側部材12毎に異なっていてもよい。また、内側部材12は、内側層25毎に、強化繊維22の延在方向が異なってもよい。また、内側部材12は、強化繊維22の延在方向が一方向にのみ向いていなくてもよく、強化繊維22の延在方向が複数の方向を向いていてもよい。また、内側部材12は、内側層25内において、互いに異なる方向(例えばX方向及びY方向)に延在する強化繊維22同士が織り込まれていてもよい。すなわち、内側層25は、クロス材であってもよい。
【0029】
また、内側部材12は、必ずしも複数の内側層25を積層した積層体でなくてよく、例えば、複数の強化繊維22を束ねて一方向に延在するロープ状の強化繊維体とし、その強化繊維体が樹脂24で覆われた構成であってもよい。すなわち、内側部材12は、直線状に延在する樹脂24の周囲が樹脂24で覆われた構造であればよい。
【0030】
また、強化繊維22は、内側部材12のY方向に沿った一方の端部近傍から他方の端部近傍まで連続して延在する。すなわち、強化繊維22は、連続繊維である。ただし、強化繊維22は、連続繊維であることに限られず、途中で途切れてもよい。また、強化繊維22は、直線状に延在していることが好ましい。
【0031】
次に、外側部材14について説明する。
図3は、成形前の外側部材の模式図である。
図3に示す外側部材14aは、成形前の外側部材である。言い換えれば、外側部材14aは、内側部材12に接合される前の外側部材14である。
図3に示すように、外側部材14aとしての外側部材14Aaと外側部材14Baと外側部材14Caとは、連結して連結部材15aを形成している。なお、
図3では、便宜的に、外側部材14aの一部の領域のみ、強化繊維32と樹脂繊維34aとが形成されているように記載されているが、実際は、外側部材14aの全領域において、強化繊維32と樹脂繊維34aとが形成されている。
【0032】
外側部材14aは、方向Yに沿って延在する筒状の部材であり、開口36が、方向Yに沿った一方の端部から他方の端部にわたって開口している。外側部材14aは、第1強化繊維としての強化繊維32と、樹脂繊維34aとが織り込まれて形成されている。すなわち、外側部材14aは、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック製のコミングル材である。内側部材12の強化繊維22が樹脂24の層に覆われている一方、外側部材14aは、強化繊維32及び樹脂繊維34aが樹脂層などの他の層に覆われておらず、外部に露出している。ただし、強化繊維32は、外部に露出せず、周囲が樹脂で覆われていてもよい。なお、開口36は、外側部材14aの方向Yに沿った一方の端部に開口しており、内部に内側部材12を挿入可能であれば、他方の端部まで延在していなくてもよい。すなわち、外側部材14aは、袋状であってもよい。また、外側部材14aの表面に、衝撃を吸収する部材を設けてもよい。なお、
図3の例では、外側部材14aは、方向Yに沿った長さ、すなわち開口36が貫通する方向の長さが、方向X及び方向Zに沿った長さより長いが、長さの関係は、それに限られない。例えば、外側部材14aは、方向Yに沿った長さが、方向X及び方向Zに沿った長さより短くてよい。
【0033】
このように、外側部材14aは、筒状又は袋状であり、言い換えれば、空間35と開口36とが設けられた中空の部材であるということができる。開口36は、外側部材14aの一方の端部に開口している。空間35は、外側部材14aの内部に設けられた空間である。開口36と空間35とは、連通している。従って、外側部材14aは、後述するように、開口36から空間35内に、内側部材12が挿入可能となっている。なお、
図3の例では、外側部材14aは、一方の端部と他方の端部とに開口36が設けられ、それぞれが空間35と連通した形状(筒状)となっている。ただし、外側部材14aは、一方の端部のみに開口36が設けられてもよい。この場合、外側部材14aは、他方の端部が閉塞された形状(袋状)となる。
【0034】
外側部材14aの強化繊維32は、織り込まれることで、波状に延在している。
図3の例では、方向Zに向かって延在する強化繊維32は、延在方向である方向Zに向かうに従って、方向Yに沿った両方向にうねっている。すなわち、強化繊維32は、方向Zに向かうに従って、方向Y側に傾斜するように延在し、さらに方向Zに向かうに従って方向Yと反対側に傾斜するように延在し、それを繰り返すように波状に延在している。さらに言えば、強化繊維32の箇所32aと、箇所32aよりも方向Z側の箇所32bとは、方向Yにおいて異なる位置となっている。すなわち、箇所32bは、箇所32aよりも方向Y側に位置している。このように、内側部材12の強化繊維22が直線状に延在する一方、外側部材14aの強化繊維32は、波状に延在する。ただし、内側部材12の強化繊維22は、完全に直線状でなくてもよく、外側部材14aの強化繊維32の波状の起伏(箇所32aと箇所32bとの高さの差)が、内側部材12の強化繊維22の起伏より大きければよい。このように強化繊維32が波状に延在することで、外側部材14aは曲げ代が確保されて、形状成形が容易となる。
【0035】
強化繊維32は、材質が炭素である炭素繊維であり、内側部材12の強化繊維22と同じ材料で形成される。ただし、強化繊維32は、炭素繊維と樹脂繊維とが混ぜられた繊維であってもよい。また、強化繊維32は、強化繊維22と異なる材料であってもよく、例えば、炭素繊維の代わりに、他のプラスチック繊維、ガラス繊維又は金属繊維を含んでもよい。強化繊維32を、導電性を有する金属繊維とすることで、複合材料10の表面の導電性を向上することができ、耐雷特性を向上させることができる。また、内側部材12の強化繊維22が導電性を有する金属繊維にすることで、複合材料10の内部で、Y方向に沿って電流を流すことが可能となるため、電線としての機能を持たせることができる。
【0036】
樹脂繊維34aは、樹脂を含んだ繊維であり、より詳しくは、熱可塑性樹脂を含んだ繊維である。樹脂繊維34aは、熱可塑性樹脂により構成され、不可避的不純物を除き他の材料を含まないが、少なくとも熱可塑性樹脂を含有していれば、他の材料成分を含んでいてもよい。樹脂繊維34aは、内側部材12の樹脂24と同じ材料の熱可塑性樹脂を繊維状に形成したものである。樹脂繊維34aは、熱可塑性の樹脂として、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、及びポリフェニレンサルファイド(PPS)等が用いられる。また、樹脂繊維34aは、熱可塑性樹脂を含有する繊維状の部材であれば、内側部材12の樹脂24と異なる材料であってもよい。
【0037】
外側部材14aは、強化繊維32と樹脂繊維34aとが織り込まれることで、筒状に形成された部材である。本実施形態では、複数の強化繊維32が外周に沿って延在し、強化繊維32に交錯するように、複数の樹脂繊維34aが延在している。すなわち、強化繊維32は、樹脂繊維34aと交差する方向に延在しており、隣接する2つの樹脂繊維34aの間を通っている。同様に、樹脂繊維34aも、隣接する2つの強化繊維32の間を通っている。強化繊維32と樹脂繊維34aとは、例えば、平織の袋織で織り込まれている。また、
図3に示すように、強化繊維32は、方向Yから見た外側部材14aの中心軸を中心とした円周方向、すなわち周方向に沿って、延在している。強化繊維32は、方向Yに沿って複数設けられている。そして、樹脂繊維34aは、方向Yに沿って延在し、外側部材14aの周方向に沿って複数設けられており、強化繊維32に対して織り込まれている。ただし、強化繊維32は、外側部材14aの中心軸を中心とした周方向に沿って延在することに限られず、他の方向に沿って延在していてもよい。
【0038】
また、強化繊維32は、外側部材14aの周方向の一周にわたって連続して延在している。すなわち、強化繊維32は、連続繊維である。ただし、強化繊維32は、連続繊維であることに限られず、一周の途中で途切れてもよい。また、強化繊維32は、周方向に沿って延在しているため、内側部材12の強化繊維22の延在方向を軸方向とした場合の、周方向に沿って延在するといえる。すなわち、強化繊維32は、強化繊維22の周りを周方向に沿って延在しているということができる。さらに言えば、内側部材12の強化繊維22が、主荷重が生じる方向(ここでは方向Y)に延在し、外側部材14aの強化繊維32が、この強化繊維22を束ねる周方向に延在していることが好ましい。
【0039】
また、外側部材14aは、複数の強化繊維32を有しているが、強化繊維32を一本のみ有していてもよい。この場合、強化繊維32は、例えば、外側部材14aの周方向に複数周にわたって連続して延在する。同様に、外側部材14aは、Y方向に沿って延在する樹脂繊維34aを複数有しているが、樹脂繊維34aを一本のみ有していてもよい。この場合、樹脂繊維34aは、外側部材14aのY方向に沿った端部で折り返して、外側部材14aの周方向に沿って配列する。
【0040】
図4Aは、成形前の外側部材の模式的な部分図である。上述のように、外側部材14Aaと外側部材14Baと外側部材14Caとは連結している。この連結部分における強化繊維32について説明する。
図4Aの例では、外側部材14Baと外側部材14Caとの連結部分、すなわち連結箇所37B2、37Cについて説明している。連結箇所37B2と連結箇所37Cとは、互いに連結されているため一体となっている。強化繊維32と樹脂繊維34aとは、この連結箇所37B2、37Cにも設けられている。具体的には、外側部材14Baは、強化繊維32として、強化繊維32Aと強化繊維32Bとを有している。また、外側部材14Caは、強化繊維32として、強化繊維32Cを有している。強化繊維32Aは、外側部材14Baの周方向に沿って延在し、外側部材14Baの一周にわたって設けられている。すなわち、強化繊維32Aは、連結箇所37B2においても織り込まれている。また、強化繊維32Cは、外側部材14Caの周方向に沿って延在し、外側部材14Caの一周にわたって設けられている。すなわち、強化繊維32Cは、連結箇所37Cにおいても織り込まれている。
【0041】
一方、強化繊維32Bは、外側部材14Baの外周面から外側部材14Caの外周面にわたって設けられている。すなわち、強化繊維32Aが外側部材14Baの外周を一周して、他の外側部材14Aa、14Caには設けられていないのに対し、強化繊維32Bは、連結部材15a(外側部材14aの集合体)全体の外周を一周している。言い換えれば、強化繊維32Bは、複数の外側部材14にわたって設けられている。強化繊維32Bは、連結箇所37B2、37Cには設けられていない。なお、強化繊維32Bは、全ての外側部材14Aa、14Ba、14Caにわたって設けられているが、隣接する少なくとも2つの外側部材14aにわたっていればよい。外側部材14Aaと外側部材14Baとの連結箇所37A、37B1での強化繊維32は、連結箇所37B2、37Cでの強化繊維32と同様に織り込まれているため、説明を省略する。
【0042】
図4Bから
図4Dは、成形前の外側部材の模式的な部分図の他の例である。連結箇所37B2、37Cにおける強化繊維の配置は、
図4Aの例に限られない。例えば、
図4Bに示すように、強化繊維34Bsを、連結箇所37B2、37C内まで延在させてもよい。この場合、強化繊維34Bsは、連結箇所37B2、37C内において、方向Zに沿って延在させることが好ましい。外側部材14Baと外側部材14Caとが剥離する方向(ここでは方向Z)に荷重を受けた場合に、強化繊維34Bsによって、剥離を好適に抑制することができる。
【0043】
また、
図4Cに示すように、強化繊維32Btを連結箇所37B2、37C内において、交差させてもよい。
図4Cは、強化繊維を一本とした例であるが、強化繊維を複数設けた場合であっても、強化繊維32Btを連結箇所37B2、37C内において交差させてもよい。強化繊維32Btを連結箇所37B2、37C内において交差させることで、連結箇所37B2、37Cにおける強度低下を好適に抑制することができる。
【0044】
また、
図4Dに示すように、連結箇所37B2、37Cにおいて、部材40を設けてもよい。部材40は、強化繊維41と樹脂層42とを有する部材であり、内側部材12と同様のUD材である。連結箇所37B2、37Cに部材40を設けることで、連結箇所37B2、37Cにおける強度低下を好適に抑制することができる。ただし、部材40は、強化繊維を含む部材であれば、UD材に限られない。また、部材40は、
図4Aに示す構造に設けたものであるが、
図4B及び
図4Cに示す構造においても設けてよい。
【0045】
このように、外側部材14aは、強化繊維32と樹脂繊維34aとが織り込まれることで、強化繊維32が波状に延在し、筒状に形成された部材である。ただし、強化繊維32が、炭素繊維と樹脂繊維とが混ぜられた繊維である場合、樹脂繊維34aが織り込まれていなくてもよい。すなわち、外側部材14aは、炭素繊維と樹脂繊維とが混ぜられた強化繊維32同士が、織り込まれていてもよい。この場合、
図3の強化繊維32と樹脂繊維34aとで示すように、2本の強化繊維32が織り込まれたものに限られず、1本の強化繊維32が、織り込まれて、言い換えれば編み込まれていてもよい。また、炭素繊維と樹脂繊維とが混ぜられた強化繊維と、炭素繊維であって樹脂繊維を含まない強化繊維とが、織り込まれていてもよい。
【0046】
以上説明した外側部材14a内に、内側部材12が挿入され、加熱及び冷却することで、外側部材14が成形される。
図5Aは、成形後の外側部材の模式図である。外側部材14aが有する樹脂繊維34aは、熱可塑性樹脂であるため、加熱により溶融する。溶融した樹脂繊維34aは、液状の樹脂となって流動し、強化繊維32に含浸し、また、強化繊維32の周囲を覆う。この液状の樹脂を冷却すると、硬化して、樹脂34となる。外側部材14は、外側部材14a中の樹脂繊維34aが溶融した後、樹脂34に変わったものである。すなわち、
図5Aに示すように、外側部材14は、強化繊維32と樹脂34とを有する複合材料であり、強化繊維32に樹脂34が含浸している。さらに言えば、外側部材14は、母材である樹脂34内に、複数の強化繊維32が周方向に沿って延在している。また、強化繊維32は、外側部材14aの状態において、樹脂繊維34aに織り込まれていたため、波状に延在している。従って、外側部材14においても、強化繊維32は、外側部材14aの状態のまま、波状に延在している。
【0047】
図5Bは、成形後の外側部材の模式図の他の例である。樹脂繊維34aの代わりに、炭素繊維と樹脂繊維とが混ぜられた強化繊維が用いられた場合、炭素繊維の部分は溶融せずに残る。この場合は、
図5Bに示すように、強化繊維32に織り込まれた炭素繊維34bの部分が残った形態となる。この場合、成形後の外側部材14は、互いに織り込まれた強化繊維32と炭素繊維34bとが、樹脂34に覆われた(含浸された)構造となる。このように炭素繊維34bを残すことで、炭素繊維34bにより強化繊維32を束ねた状態を保つことができ、強度低下をより好適に抑制することができる。
【0048】
複合材料10は、以上のような構造の内側部材12と外側部材14とを有している。以下、複合材料10の製造工程について説明する。
図6は、複合材料の製造工程を説明する説明図である。
図6に示すように、複合材料10を製造する際は、まず、内側部材12と、成形前の外側部材14aとを準備する。樹脂24として熱硬化性樹脂を用いた場合、準備する内側部材12は、樹脂24の硬化前のプリプレグの状態であってもよいし、樹脂24を硬化させた後の状態であってもよい。
【0049】
内側部材12と外側部材14aとを準備した後、外側部材14aの内部に内側部材12を挿入する(ステップS10;挿入ステップ)。具体的には、外側部材14Aaの開口36Aから空間35内に、内側部材12Aを挿入して、外側部材14Aaの内部に内側部材12Aを配置する。また、外側部材14Baの開口36Bから空間35内に、内側部材12Bを挿入して、外側部材14Baの内部に内側部材12Bを配置する。また、外側部材14Caの開口36Cから空間35内に、内側部材12Cを挿入して、外側部材14Caの内部に内側部材12Cを配置する。なお、このステップS10において、外側部材14aの内周と内側部材12の外周とは、接合されていない。また、外側部材14aの内周と内側部材12の外周とは、密着しておらず一部が離間していてよい。また、外側部材14aの内周と内側部材12の外周との間に、樹脂製のフィルムを挿入して、接合性を向上させてもよい。
【0050】
なお、挿入ステップにおいては、全ての内側部材12を外側部材14aに挿入したが、一部の内側部材12のみを外側部材14aに挿入してもよい。例えば、挿入ステップにおいて後段のステップで加熱する箇所の内側部材12だけを、外側部材14aに挿入してもよい。例えば、複合材料10を別の部材に接合する場合は、後述するステップS16の後に、複合材料10を別の部材に接合する。この場合、別の部材に接合する面における内側部材12は、この挿入ステップで挿入しなくてもよい。この内側部材12は、別の部材に接合する際に、外側部材14aに挿入し、別の部材と接合するための加熱により、外側部材14に接合される。
【0051】
外側部材14aの内部に内側部材12を挿入した後、内側部材12が挿入された外側部材14aを、型50、52内に配置する。
図6の例では、型50は、外側部材14aの方向Xに沿った一方の表面に押当てられ、型52は、外側部材14aの方向Xに沿った他方の表面に押当てられる。すなわち、外側部材14aは、型50と型52とに挟まれ、型50、52内に収納される。外側部材14aは、型50、52内で、加圧されながら加熱される(ステップS12;加熱ステップ)。この加熱ステップにおいて、外側部材14aは、樹脂繊維34aの融点以上の温度まで加熱されるため、樹脂繊維34aが溶融し、液状の樹脂となる。この液状の樹脂は、流動して、強化繊維32に含浸しつつ、強化繊維32の周囲を覆う。外側部材14aは、この液状の樹脂により、外周の形状が例えば型50、52により定められた形となる。また、内側部材12の樹脂24も溶融する。従って、外側部材14aの内周と内側部材12の外周との間の空間は、内側部材12の溶融した樹脂24や、樹脂繊維34aの溶融した樹脂により、閉塞(充填)される。従って、外側部材14aの開口36が内側部材12によって閉塞される。
【0052】
内側部材12が挿入された外側部材14aを加熱した後、内側部材12が挿入された外側部材14aが冷却される(ステップS14;冷却ステップ)。この冷却ステップにおいては、内側部材12が挿入された外側部材14aは、型50、52内において、樹脂繊維34aの融点より低い温度まで冷却され、所定時間保持される。従って、樹脂繊維34aの溶融した樹脂は、樹脂34として硬化し、外側部材14となる。また、内側部材12の樹脂24も硬化する。型50、52によって所望の形状となった液状の樹脂が硬化することで、樹脂は、その所望の形状となったまま硬化する。これにより、複合材料10が、形成される。また、内側部材12と外側部材14とは、樹脂の硬化により、接合される。本実施形態においては、加熱ステップと冷却ステップとが、複合材料形成ステップに相当する。
【0053】
冷却ステップを実行して樹脂が硬化した後、複合材料10を型50、52から取り出し(ステップS16;取り出しステップ)、複合材料10の製造工程は終了する。なお、樹脂24として熱硬化性樹脂を用いた場合であって、準備工程においてプリプレグの状態の内側部材12を用いた場合は、加熱ステップにおいて樹脂24が硬化する。また、樹脂24として熱硬化性樹脂を用いた場合であって、準備工程において硬化済みの内側部材12を用いた場合は、内側部材12は、加熱ステップ及び冷却ステップにおいて、形状が変化しない。
【0054】
ここで、例えば内側部材12は、プリプレグの状態において、強化繊維に樹脂が含浸した部材である。例えば複合材料10のようなI字形状を、この部材のみから実現する場合、C字型とした2つの部材を背中合わせにし、上下にキャップとフィラーとを組み合わせる必要がある。このように、プリプレグの状態から強化繊維に樹脂が含浸した部材は、プリプレグの状態でも板状となっているため、曲げ加工などが困難となり、複雑な形状の形成が困難である。一方、例えば外側部材14のようなコミングル材は、プリプレグ(成形前)の状態において、樹脂である樹脂繊維と強化繊維とが織り込まれた構造となっており、さらに言えば、強化繊維が波状に延在している。従って、曲げ加工などによる、複雑な形状も実現可能である。しかし、コミングル材は、プリプレグの状態から強化繊維に樹脂が含浸した部材に比べ、強度が低い傾向にある。従って、強化繊維と樹脂とを有する複合材料において、所望の形状を容易に実現でき、かつ、強度の低下を抑制できるものが求められている。
【0055】
それに対し、本実施形態に係る複合材料10は、挿入ステップと複合材料ステップとによって製造される。挿入ステップは、外側部材14aの内部の空間35に内側部材12を挿入するステップである。外側部材14aは、織り込まれて波状に延在する強化繊維32(第1強化繊維)により、少なくとも一方の端部に開口36が設けられ、開口36に連通する空間35が内部に設けられるように形成された部材である。内側部材12は、強化繊維22(第2強化繊維)に樹脂24が含浸した部材である。複合材料形成ステップは、内側部材12の樹脂24を硬化させることで、外側部材14と内側部材12とを接合して、複合材料10を形成する。複合材料10は、外側部材14と内側部材12とが接合した部材である。
【0056】
本実施形態に係る複合材料10は、内側部材12として、強化繊維22に樹脂24が含浸したものである。そして、外側部材14aは、強化繊維32を織り込んで、開口36と空間35とが連通する形状、すなわち筒状に形成したものであり、強化繊維32は、織り込まれることで波状に延在している。そして、このような外側部材14aで、その内側部材12を覆う。そして、内側部材12の樹脂24を硬化させることで、外側部材14と内側部材12とを接合する。このように製造された複合材料10は、外側部材14の内部に内側部材12が設けられた構造となり、言い換えれば、外側部材14が内側部材12の周囲に密着した構造となる。外側部材14aは、強化繊維32が波状に延在するため、形状の自由度が高い。従って、この製造方法によると、外側部材14aで外側の形状を形成した上で、内部の強度を内側部材12によって向上させることができる。従って、このような製造方法で製造された複合材料10は、所望の形状を容易に実現でき、かつ、強度の低下がよく抑制されたものとなる。
【0057】
また、挿入ステップにおいて、連結部材15aが有するそれぞれの外側部材14aの内部に、内側部材12を挿入することが好ましい。連結部材15aは、複数の外側部材14aの外周面同士が連結して形成された部材である。本実施形態に係る製造方法は、筒状の外側部材14aの外周面を連結した連結部材15aを用いて、複合材料10を製造する。従って、このような製造方法で製造された複合材料10は、所望の形状を容易に実現でき、かつ、強度の低下が抑制されたものとなる。
【0058】
また、連結部材15aは、第1強化繊維としての強化繊維32が、複数の外側部材14aにわたって設けられている。従って、この連結部材15aは、表面の強度低下をより好適に抑制することができる。また、強化繊維32が複数の外側部材14にわたって連続しているため、例えば強化繊維32の一部が破損しても、強化繊維32の他の部分で強度を担保することができる。
【0059】
また、外側部材14aは、熱可塑性樹脂を含有する繊維が織り込まれている。そして、複合材料形成ステップにおいて、外側部材14aが含む熱可塑性樹脂を溶融させた後硬化させることで、外側部材14aと内側部材12とを接合する。この外側部材14aは、熱可塑性樹脂を含有する繊維が織り込まれたコミングル材である。従って、外側の形状を、コミングル材である外側部材14で形成した上で、内部の強度を、内側部材12によって向上させることができる。従って、このような製造方法で製造された複合材料10は、所望の形状をより容易に実現することができる。
【0060】
また、内側部材12の樹脂24は、樹脂繊維34aと同じ材料の熱可塑性樹脂であることが好ましい。内側部材12と外側部材14とで樹脂を同じ材料とすることで、内側部材12と外側部材14とを好適に接合することができる。
【0061】
また、内側部材12は、一方向に向かって延在する複数の強化繊維22(第2強化繊維)に樹脂24が含浸した一方向材であることが好ましい。内側部材12として一方向材を用いることで、複合材料10の強度低下をより好適に抑制することができる。
【0062】
また、強化繊維32(第1強化繊維)と強化繊維22(第2強化繊維)とは、同じ材料であることが好ましい。内側部材12と外側部材14とで強化繊維の材料を共通とすることで、複合材料10の強度低下をより好適に抑制することができる。ただし、上述のように、強化繊維32と強化繊維22とを異なる材料とすることもできる。この場合、内側部材12用に適切な機能を持たせつつ、外側部材14用の適切な機能を持たせることができる。
【0063】
なお、本実施形態においては、加熱ステップ及び冷却ステップにおいて、型50、52で外側部材14aを加圧していた。ただし、必ずしも型50、52を用いなくてもよい。
図7は、加熱工程の他の例を示す模式図である。加熱ステップにおいては、外側部材14aの外周面16に、加圧部材54を接触させる。加圧部材54は、外周面16を押圧する部材である。この場合、外側部材14aは、型50、52に入れられず、また、加圧部材54が接触される外周面16と反対側の表面が、加圧されず開放されている。外側部材14aは、外周面16が加圧部材54に押圧され、内周面18が、内側部材12に支持される。従って、外側部材14aは、加圧部材54と内側部材12とに、押圧(加圧)される。また、加熱ステップにおいては、例えば加圧部材54により、押圧した状態の外側部材14aの外周面16を加熱する。これにより、押圧された状態で外側部材14a内の熱可塑性樹脂が溶融する。内側部材12も熱可塑性樹脂を含んでいる場合、内側部材12の表面の熱可塑性樹脂も融解して、外側部材14aの熱可塑性樹脂と混ざり合う。その後、冷却ステップで熱可塑性樹脂を硬化させることで、所望の形状の外側部材14となる。
【0064】
なお、このように加熱する場合は、内側部材12がある程度の剛性を有していることが好ましい。従って、例えば、加圧部材54は、内側部材12に対し、樹脂24の溶融温度より低い温度に保ってもよい。また、内側部材12の樹脂24の溶融温度より高い温度に加熱して、内側部材12の界面が外側部材14の界面と混ざり合うようにしてもよい。または、熱硬化性樹脂である樹脂24を有し、かつ、樹脂24が硬化済みの内側部材12を用いることも好ましい。この場合、内側部材12と樹脂24との間に、内側部材12と樹脂24とを接着する接着層を設けることが好ましい。すなわち、内側部材12と樹脂24との間に、フィルム状の接着剤を挟んでもよいし、内側部材12と樹脂24との間に、接着剤を塗布してもよい。
【0065】
また、
図7に示すように、内側部材12と外側部材14aとの間に、発熱部材60を配置してもよい。この場合、加熱ステップにおいて、内側部材12と外側部材14aとの間に発熱部材60が設けられた状態で、外側部材14aの外周面16に、加圧部材54を接触させる。発熱部材60は、熱を発する部材であり、内側部材12の外周面、言い換えれば外側部材14aの内周面18を覆うシート状の部材である。発熱部材60は、加熱ステップにおいて、外側部材14aを内周面18側から加熱する。従って、発熱部材60は、例え加圧部材54により押圧した箇所だけ加熱されたとしても、外側部材14aの内側の加熱を補助して、加熱を促進することができる。発熱部材60は、例えば加熱ステップにおいて発熱するが、それ以外においては発熱しないことが好ましい。また、発熱部材60は、複合材料10内に残留しても強度への影響が低い部材であることが好ましい。発熱部材60としては、例えば、電磁場などで発熱する金属粉などを含む発熱フィルムや、発熱用電極が印字されたフィルムなどが挙げられる。又は、内側部材12に直接発熱回路を印字してもよい。また、加圧部材54として超音波振動するものを用いた場合、発熱部材60を、それに対するエネルギーダイレクタとなるような凹凸状のフィルムとしてもよい。また、内側部材12の表面を予め凹凸形状としてもよい。この場合、例えば、スパッタリングにより、内側部材12の表面に熱した樹脂を付着させることで、凹凸形状を実現できる。また、発熱部材60に用いるフィルムは、内側部材12や外側部材14の樹脂と同じ材料としておくと、加熱後に混ざり合うため、好ましい。なお、発熱部材60は、必ずしも設けられなくてもよい。
【0066】
図8は、複合材料の形状の他の例を示す図である。本実施形態では、複合材料10がI字形状であったが、上述のように、形状はこれに限られない。例えば、
図8に示すように、複合材料10bは、翼形状であってもよい。複合材料10bは、複合材料10と同様の工程で製造され、芯材としての内側部材12bの周囲に外側部材14bが覆われた形状となっている。
【0067】
図9は、成形後の外側部材の部分図の一例である。外側部材14aが、樹脂繊維を含まない強化繊維32と、樹脂繊維34aとが織り込まれて筒状に形成された場合であって、内側部材12の強化繊維22同士が、内側層25内において、互いに織り込まれている場合、成形後の複合材料10の構造は、
図9のようになる。すなわち、
図9に示すように、この複合材料10が有する外側部材14は、強化繊維32(第1強化繊維)と、強化繊維32を覆う樹脂34(樹脂層)を有する筒状の部材となる。この場合、強化繊維32は、他の繊維に織り込まれていない。一方、内側部材12は、外側部材14の内部に密着して設けられ、言い換えれば、外側部材14が、内側部材12の周囲に密着して設けられた形状となる。そして、内側部材12は、互いに交差する強化繊維22A、22B(第2強化繊維)と、強化繊維22A、22Bを覆う樹脂24を有する内側層25が重なった部材となる。このような複合材料10は、所望の形状を容易に実現でき、かつ、強度の低下がよく抑制されたものとなる。
【0068】
また、本実施形態では、外側部材14は、熱可塑性樹脂を含有する繊維が織り込まれたコミングル材であった。ただし、外側部材14は、織り込まれることで波状に延在する強化繊維32によって筒状に形成されているものであれば、コミングル材に限られない。
図10は、複合材料の他の例の模式図である。
図10に示すように、例えば、外側部材14Sは、強化繊維32X、32Y、32Z(第2強化繊維)が、三次元状に織り込まれていてもよい。強化繊維32X、32Y、32Zは、強化繊維32と同じ材料であり、樹脂繊維を含まないが、樹脂繊維を含んでもよい。
【0069】
強化繊維32Xは、例えば方向Xに沿って延在し、強化繊維32Yは、例えば方向Yに沿って延在し、強化繊維32Zは、例えば方向Zに沿って延在する。強化繊維32Xと強化繊維32Yとは、互いに織り込まれている。織り込まれるとは、例えば、X方向に沿って隣接する2つの強化繊維32Yのうち、一方の強化繊維32Yは、ある強化繊維32XよりもZ方向に沿った上側に位置しているのに対し、他方の強化繊維32Yは、同じ強化繊維32XよりもZ方向に沿った下側に位置しているような形状を指す。また、強化繊維32Zは、強化繊維32X、32Yの間に挿通されつつ蛇行して、方向Xや方向Yに沿って延在している。すなわち、強化繊維32X、32Y、32Zは、織り込まれることで波状に延在している。
【0070】
外側部材14Sは、成形前の状態においては、強化繊維32X、32Y、32Zが外部に露出しており、樹脂層に覆われていない。外側部材14Sは、成形時において、例えば内側部材12から溶け出した樹脂24が、強化繊維32X、32Y、32Zに含浸し、成形後に、強化繊維32X、32Y、32Zが樹脂24に覆われる。ただし、強化繊維32X、32Y、32Zの表面に、微量の樹脂を塗布することで、成形前から樹脂に覆われていてもよい。この場合でも、強化繊維32X、32Y、32Zが波状に延在しているため、この外側部材14Sも、所望の形状を容易に実現することができる。
【0071】
このように、
図10に示す複合材料10において、外側部材14Sは、互いに交差して織り込まれた強化繊維32X、32Y、32Z(複数の第1強化繊維)と、強化繊維32X、32Y、32Zを覆う樹脂層と有する筒状の部材となる。また、内側部材12は、外側部材14Sの内部に密着して設けられ、言い換えれば、外側部材14Sが、内側部材12の周囲に密着して設けられた形状となる。内側部材12は、一方向に向かって延在する複数の強化繊維22(第2強化繊維)と、強化繊維22を覆う樹脂24を有する内側層25が重なった部材となる。
【0072】
また、
図5Bに示すように、樹脂繊維34aの代わりに、炭素繊維と樹脂繊維とが混ぜられた強化繊維が用いられた場合、成形後の外側部材14は、互いに交差して織り込まれた複数の第1強化繊維と、第1強化繊維を覆う樹脂層を有する筒状の部材となる。そして、内側部材12は、一方向に向かって延在する複数の強化繊維22(第2強化繊維)と、強化繊維22を覆う樹脂24を有する内側層25が重なった部材となる。このような複合材料10は、所望の形状を容易に実現でき、かつ、強度の低下がよく抑制されたものとなる。
【0073】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。