特許第6985957号(P6985957)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985957
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】半導体処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20211213BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   H01L21/306 J
   H01L21/304 642D
   H01L21/304 642F
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-28997(P2018-28997)
(22)【出願日】2018年2月21日
(65)【公開番号】特開2019-145686(P2019-145686A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2020年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】中岡 聡
(72)【発明者】
【氏名】杉田 智彦
(72)【発明者】
【氏名】木村 信介
(72)【発明者】
【氏名】蘆立 浩明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝広
【審査官】 長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−162903(JP,A)
【文献】 特開2009−098270(JP,A)
【文献】 特開2002−192054(JP,A)
【文献】 特開2019−102659(JP,A)
【文献】 特開2018−014470(JP,A)
【文献】 特開2017−195338(JP,A)
【文献】 特開平10−229065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液を貯留し半導体基板を該薬液に浸漬可能な処理槽と、
前記処理槽内に収容された前記半導体基板の下方に設けられ、前記半導体基板の下方から前記薬液に気泡を供給する気体供給部と、
前記気体供給部の上方かつ前記半導体基板の下方に設けられ、前記気体供給部から現れる気泡へ向かって、該気泡の移動方向を制御するために、前記処理槽から循環された前記薬液を吐出する薬液供給部とを備えた半導体処理装置。
【請求項2】
前記薬液供給部は、前記気体供給部の直上から略水平方向へずれて配置されており、前記気泡へ略水平方向または傾斜方向から前記薬液を吐出する、請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項3】
1対の前記薬液供給部が、1つの前記気体供給部の上方の両側に略対称の位置に配置されており、
前記1対の薬液供給部は、交互に前記薬液を吐出する、請求項2に記載の半導体処理装置。
【請求項4】
1つの前記薬液供給部が、1つの前記気体供給部の上方の片側にずれて配置されており、
前記薬液供給部は、周期的に前記薬液を前記気泡へ吐出する、請求項2に記載の半導体処理装置。
【請求項5】
前記薬液供給部が前記薬液の吐出を停止する吐出停止期間をToffとし、前記薬液供給部が前記薬液を吐出する吐出期間をTonとしたときに、或る前記薬液供給部において前記吐出期間および前記吐出停止期間に対する前記吐出停止期間の比率Toff/(Ton+Toff)は、0.765以上である、請求項4に記載の半導体処理装置。
【請求項6】
薬液を貯留し半導体基板を該薬液に浸漬可能な処理槽と、
前記半導体基板の下方の両側に略対称の位置に配置された1対の薬液供給部であって、前記薬液に浸漬された前記半導体基板の斜め下方から該半導体基板へ向かって前記薬液を吐出する1対の薬液供給部と、を備え、
前記1対の薬液供給部は、交互に前記薬液を前記半導体基板へ吐出し、
前記薬液供給部が前記薬液の吐出を停止する吐出停止期間をToffとし、前記薬液供給部が前記薬液を吐出する吐出期間をTonとしたときに、或る前記薬液供給部において前記吐出期間および前記吐出停止期間に対する前記吐出停止期間の比率Toff/(Ton+Toff)は、0.765以上である、半導体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バッチ式洗浄装置等の半導体処理装置において、処理槽内の薬液は、半導体基板の処理中においても、薬液の濃度等を均一に保つために循環されている。しかし、薬液の流速は、薬液を供給するノズルの近傍において速く、ノズルから離れるに従って遅くなる。このような薬液の流速のばらつきは、半導体基板の表面におけるエッチング速度等の処理速度のばらつきの原因となる。また、薬液の流速が遅い領域では、シリカのような副生成物が半導体基板の表面に析出するおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−108512号公報
【特許文献2】特開平10−335295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体基板の表面における処理速度を略均一化し、かつ、半導体基板の表面に副生成物が析出することを抑制できる半導体処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態による半導体処理装置は、薬液を貯留し半導体基板を該薬液に浸漬可能な処理槽を備える。気体供給部は、処理槽内に収容された半導体基板の下方に設けられ、半導体基板の下方から薬液に気泡を供給する。薬液供給部は、気体供給部の上方かつ半導体基板の下方に設けられ、気体供給部から現れる気泡へ向かって、処理槽から循環された薬液を吐出する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態による半導体処理装置の構成例および動作例を示す概念図。
図2】気体供給管および1対の薬液供給管の配置関係をより詳細に示す図。
図3】気体供給管および1対の薬液供給管の構成例を示す斜視図。
図4】第1実施形態による処理装置を用いた処理方法の一例を示すフロー図。
図5】第1実施形態の変形例による処理装置の構成例および動作例を示す概念図。
図6】第2実施形態による処理装置の構成例および動作例を示す概念図。
図7】薬液供給管の構成をより詳細に示す斜視図。
図8】第2実施形態による薬液Cの吐出停止期間の比率と副生成物の析出量との関係を示すグラフ。
図9】第3実施形態による処理装置1の構成例を示す概念図。
図10】リフタ60の揺動幅および揺動速度を示すグラフ。
図11】リフタ60の速度および加速度を示すグラフ。
図12】立体型メモリセルアレイの製造において、シリコン窒化膜を除去した後の断面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(A)および図1(B)は、第1実施形態による半導体処理装置1の構成例および動作例を示す概念図である。半導体処理装置(以下、単に、処理装置という)1は、例えば、バッチ式の洗浄装置、ウェットエッチング装置等のように複数の半導体基板Wを薬液Cに浸漬して処理する装置である。
【0009】
処理装置1は、処理槽10と、気体供給管20a、20bと、薬液供給管30a〜30dと、循環槽40と、コントローラ50と、バルブV1、V2と、ポンプP1、P2と、配管PP1、PP2、PP10a、PP10b、PP20a〜PP20dと、フィルタFとを備えている。
【0010】
処理槽10は、薬液Cを貯留しており、1または複数の半導体基板Wを略鉛直方向に立てた状態で収容可能である。半導体基板Wは、リフタ(図9の60参照)に略鉛直方向に立て掛けるように載置され、処理槽10内にリフタとともに収容される。半導体基板Wは、処理槽10に収容されることによって、薬液Cに浸漬される。
【0011】
気体供給部としての気体供給管20a、20bは、処理槽10の底部近傍に設けられており、処理槽10内に収容された半導体基板Wの下方に位置する。気体供給管20a、20bは、半導体基板Wの下方から薬液Cに気泡Bを供給する。
【0012】
薬液供給部としての薬液供給管30a〜30dは、気体供給管20a、20bの上方かつ半導体基板Wの下方に設けられる。薬液供給管30a〜30dは、気体供給管20a、20bから現れる気泡Bへ向かって、薬液Cを吐出する。このとき、薬液Cは、矢印A1またはA2に示す方向に吐出され、気泡Bの移動方向を曲げる。
【0013】
気泡Bは、薬液C中を略鉛直上方向へ上昇しようとする。しかし、薬液供給管30a〜30dからの薬液Cの流圧によって、気泡Bは、矢印A1またはA2の方向に押されて移動しながら上昇する。
【0014】
例えば、図1(A)では、薬液供給管30b、30dが矢印A1の方向へ薬液Cを吐出し、気泡Bは、矢印A1の方向へ曲がりながら上昇する。図1(B)では、薬液供給管30a、30cが矢印A2の方向へ薬液Cを吐出し、気泡Bは、矢印A2の方向へ曲がりながら上昇する。このように、薬液供給管30a〜30dは、薬液Cを吐出することによって、気泡Bの移動方向を或る程度制御することができる。
【0015】
循環槽40は、処理槽10から溢れた薬液Cを貯留する。循環槽40内の薬液Cは、配管PP1、PP2、ポンプP1、P2およびバルブV1、V2を介して処理槽10へ戻される。これにより、薬液Cは、処理槽10と循環槽40との間で循環される。薬液Cは、循環中にフィルタFでろ過されてもよい。
【0016】
循環槽40は、配管PP1を介してバルブV1に接続され、配管PP2を介してバルブV2に接続されている。配管PP1には、ポンプP1が設けられている。ポンプP1は、循環槽40からバルブV1へ薬液Cを送る。配管PP2には、ポンプP2が設けられている。ポンプP2は、循環槽40からバルブV2へ薬液Cを送る。フィルタFは、薬液C中に混在する不純物を取り除く。フィルタFは、配管PP1、PP2にそれぞれ設けられていてもよく、あるいは、配管PP1、PP2に共有されていてもよい。
【0017】
バルブV1は、配管PP10aを介して気体供給管20aに接続され、配管PP10bを介して気体供給管20bに接続されている。バルブV1は、薬液Cに気体を混合し、気体供給管20a、20bに略均等に薬液Cおよび気体を供給する。これにより、気体供給管20a、20bは、ほぼ等しい量の気泡Bを吐出することができる。気体には、例えば、窒素等の不活性ガスを用いている。薬液Cには、例えば、シリコン窒化膜を除去する場合には、熱リン酸溶液を用い、シリコン酸化膜を除去する場合には、フッ酸溶液を用いる。薬液Cは、被除去膜の種類によって任意に選択可能であり、これらに限定されない。
【0018】
また、バルブV1を調節することによって、薬液Cに混合する気体の量を調節することができる。気体供給管20a、20bから吐出される気泡Bの量が偏っている場合、バルブV1は、気体供給管20a、20bからほぼ等しい量の気泡Bを吐出するように調節される。これにより、気体供給管20a、20bから吐出される気泡Bの量およびバランスが調節され得る。
【0019】
バルブV2は、それぞれ配管PP20a〜PP20dを介して薬液供給管30a〜30dに接続されている。バルブV2は、薬液供給管30a〜30dのそれぞれに供給する薬液Cの量を調節する。例えば、図1(A)に示すように、薬液Cを矢印A1の方向に吐出する場合、バルブV2は、薬液供給管30b、30dへ薬液Cを供給し、薬液供給管30a、30cへの供給を停止する。これにより、薬液供給管30b、30dが、薬液Cを気泡Bへ向かって吐出する。一方、図1(B)に示すように、薬液Cを矢印A2の方向に吐出する場合、バルブV2は、薬液供給管30a、30cへ薬液Cを供給し、薬液供給管30b、30dへの供給を停止する。これにより、薬液供給管30a、30cが、薬液Cを気泡Bへ向かって吐出する。このように、バルブV2を調節することによって、薬液供給管30a〜30dから吐出される薬液Cの吐出方向を切り替えることができる。さらに、バルブV2を調節することによって、薬液供給管30a〜30dから吐出される薬液Cの流速または流圧を変更することもできる。尚、薬液Cの流速または流圧は、ポンプP2の出力を変更することによって調節してもよい。
【0020】
また、図1(A)の状態と図1(B)の状態との間の切り替えは、短時間に瞬時に行ってもよい。しかし、半導体基板Wの表面処理の均一性を向上させるために、図1(A)の状態と図1(B)の状態との切り替えは、或る程度長い時間を掛けて行ってもよい。この場合、コントローラ50は、バルブV2またはポンプP2の調節によって、薬液供給管30a〜30dから吐出される薬液Cの量や流圧を徐々に変化させればよい。
【0021】
コントローラ50は、バルブV1、V2、ポンプP1、P2の動作を制御する。
【0022】
このように、薬液Cは、半導体基板Wの処理に用いられるだけでなく、気体供給管20a、20bからの気泡Bに向かって吐出され、気泡Bの移動方向の制御にも用いられる。
【0023】
1対の薬液供給管30a、30bは、1つの気体供給管20aに対応して設けられている。薬液供給管30a、30bは、気体供給管20aの上方の両側に略対称の位置に配置されている。即ち、薬液供給管30aは、気体供給管20aの直上から略水平方向の一方側へずれた位置に配置されており、薬液供給管30bは、気体供給管20aの直上から略水平方向の他方側へずれた位置に配置されている。図1(A)および図1(B)に示すような垂直断面において、薬液供給管30a、30bおよび気体供給管20aは、薬液供給管30aと薬液供給管30bとを結ぶ直線を底辺とする略二等辺三角形の頂点に配置される。
【0024】
同様に、1対の薬液供給管30c、30dは、1つの気体供給管20bに対応して設けられている。薬液供給管30c、30dは、気体供給管20bの上方の両側に略対称の位置に配置されている。即ち、薬液供給管30cは、気体供給管20bの直上から略水平方向の一方側へずれた位置に配置されており、薬液供給管30dは、気体供給管20bの直上から略水平方向の他方側へずれた位置に配置されている。図1(A)および図1(B)に示すような垂直断面において、薬液供給管30c、30dおよび気体供給管20bは、薬液供給管30cと薬液供給管30dとを結ぶ直線を底辺とする略二等辺三角形の頂点に配置される。
【0025】
尚、本実施形態において、気体供給管および1対の薬液供給管のセットは、2セット設けられている。しかし、この組み合わせは、1つだけ設けられてもよいし、3つ以上設けられてもよい。
【0026】
図2(A)および図2(B)は、気体供給管20aおよび1対の薬液供給管30a、30bの配置関係をより詳細に示す図である。ここでは、薬液供給管30c、30dおよび気体供給管20bの配置関係は、薬液供給管30a、30bおよび気体供給管20aの配置関係と同様でよい。
【0027】
薬液供給管30a、30bは、気体供給管20aの直上から略水平方向へずれて配置されており、気泡Bへ向かって略水平方向(矢印A30_1)または傾斜方向(矢印A30_2)に薬液Cを吐出する。これにより、気泡Bは、矢印A20に示すように、気体供給管20aの直上から薬液Cの吐出方向(矢印A30_1、A30_2)へ曲げられながら上昇する。
【0028】
図3は、気体供給管20aおよび1対の薬液供給管30a、30bの構成例を示す斜視図である。尚、気体供給管20bおよび薬液供給管30c、30dの構成は、気体供給管20aおよび薬液供給管30a、30bの構成と同様でよいので、その図示を省略する。
【0029】
気体供給管20aは、複数の半導体基板Wの配列方向D1に延在する管である。また、気体供給管20aは、上方D2に向かって設けられた孔H20aを有する。気泡Bは、孔H20aから上方D2にある半導体基板Wへ向かって供給される。
【0030】
薬液供給管30a、30bは、複数の半導体基板Wの配列方向D1に延在する管である。また、薬液供給管30a、30bは、略水平方向D3または水平方向D3から斜め上方向へ向かって開口する孔H30a、H30bを有する。これにより、薬液供給管30a、30bは、薬液Cを気体供給管20aからの気泡Bへ向かって吐出する。
【0031】
ここで、薬液供給管30a、30bは、交互に薬液Cを吐出する。即ち、図2(A)の状態と図2(B)に示す状態とを交互に繰り返す。これにより、気泡Bを略水平方向D3に揺動させ、半導体基板Wの表面の全体に当てることができる。
【0032】
もし、気泡Bが半導体基板Wの表面の局所にのみ当たると、薬液Cの流速が半導体基板Wの表面においてばらつき、それにより処理速度(例えば、エッチング速等)も半導体基板Wの表面においてばらつく。この場合、半導体基板Wの表面が局所的に過剰に処理されたり、あるいは、逆に処理不足になり得る。また、薬液Cの流速が半導体基板Wの表面においてばらつくと、薬液Cの流速が遅い箇所において、副生成物(例えば、シリカ)が半導体基板Wの表面に析出してしまう。
【0033】
これに対し、本実施形態による処理装置1は、半導体基板Wの表面の全体に気泡Bを当てることができるので、半導体基板Wの表面全体の処理速度を略均一にすることができる。これにより、半導体基板Wの表面における処理速度を略均一化し、かつ、副生成物が半導体基板Wの表面に析出することを抑制することができる。
【0034】
薬液供給管30a、30bにおいて、薬液Cを吐出する周期は、特に限定しない。しかし、半導体基板Wの表面に気泡Bを略均一に当てるために、薬液供給管30aの吐出期間と薬液供給管30bの吐出期間は、ほぼ等しいことが好ましい。
【0035】
尚、図3では、気体供給管20a、20bおよび薬液供給管30a〜30dは、円形の断面を有する管である。しかし、気体供給管20a、20bおよび薬液供給管30a〜30dの断面形状は、これに限定されず、楕円、多角形等であってもよい。また、孔H20a、H30a、H30bの形状も円形の他、楕円、多角形であってもよい。
【0036】
次に、処理装置1の動作について説明する。
【0037】
図4は、第1実施形態による処理装置1を用いた処理方法の一例を示すフロー図である。処理槽10は薬液Cを貯留しているものとする。
【0038】
まず、半導体基板Wをリフタに搭載して、半導体基板Wを処理槽10内へ入れて、薬液Cに浸漬させる(S10)。
【0039】
次に、コントローラ50がバルブV1、V2、ポンプP1、P2を制御して気泡Bおよび薬液Cの吐出を開始する。このとき、気体供給管20a、20bはそれぞれ気泡Bを上方の半導体基板Wへ供給する。薬液供給管30a、30bは、薬液Cを交互に周期的に吐出する。薬液供給管30c、30dも、薬液Cを交互に周期的に吐出する(S20)。これにより、気泡Bは、略水平方向へ揺動しながら上方へ移動する。
【0040】
所定の時間が経過するまで(S30のNO)、ステップS20を継続する。
【0041】
所定の時間が経過すると(S30のYES)、リフタが半導体基板Wを処理槽10から引き上げる(S40)。これにより、一連の処理が終了する。
【0042】
以上のように、本実施形態による処理装置1は、気泡Bに薬液Cを吐出することによって気泡Bを揺動させ、半導体基板Wの表面全体に気泡Bを略均一に当てることができる。これにより、半導体基板Wの表面における処理速度を略均一化し、かつ、副生成物が半導体基板Wの表面に析出することを抑制することができる。
【0043】
(変形例)
図5(A)および図5(B)は、第1実施形態の変形例による処理装置1の構成例および動作例を示す概念図である。本変形例による処理装置1は、薬液供給管が各気体供給管20a、20bに対して1つずつ設けられている点で第1実施形態と異なる。例えば、図5(A)および図5(B)に示す例では、気体供給管20aに対して薬液供給管30bが設けられており、気体供給管20bに対して薬液供給管30cが設けられている。よって、薬液供給管30a、30d、配管PP20a、PP20dは設けられていない。
【0044】
薬液供給管30bは、気体供給管20aの上方の片側にずれて配置されており、薬液供給管30cは、気体供給管20bの上方の片側にずれて配置されている。薬液供給管30bと気体供給管20aとの配置関係および薬液供給管30cと気体供給管20bの配置関係は、第1実施形態のそれらと同様でよい。
【0045】
さらに、薬液供給管30b、30cは、交互に周期的に薬液Cを気泡Bへ吐出する。例えば、図5(A)に示すように、薬液供給管30bが薬液Cを矢印A1方向へ吐出しているときには、薬液供給管30cは、薬液Cの吐出を停止している。従って、気体供給管20aからの気泡Bは、矢印A1方向へ曲げられているが、気体供給管20bからの気泡Bは、あまり曲げられていない。一方、図5(B)に示すように、薬液供給管30cが薬液Cを矢印A2方向へ吐出しているときには、薬液供給管30bは、薬液Cの吐出を停止している。従って、気体供給管20bからの気泡Bは、矢印A2方向へ曲げられているが、気体供給管20aからの気泡Bは、あまり曲げられていない。
【0046】
このように薬液供給管30b、30cは、交互に薬液Cを吐出する。即ち、図5(A)の状態と図5(B)に示す状態とを交互に繰り返す。このようにしても、気泡Bを略水平方向に揺動させることができ、半導体基板Wの表面の処理速度のばらつきを或る程度緩和することができる。
【0047】
代替的に、薬液供給管30b、30cは、同時に周期的に薬液Cを気泡Bへ吐出してもよい。例えば、薬液供給管30bが薬液Cを矢印A1方向へ吐出するのと同時に、薬液供給管30cも薬液Cを矢印A2方向へ吐出する。この場合、気体供給管20aからの気泡Bは、矢印A1方向へ曲げられ、気体供給管20bからの気泡Bは、矢印A2方向へ曲げられる。一方、薬液供給管30bが薬液Cの吐出を停止するときには、薬液供給管30cも薬液Cの吐出を停止する。従って、気体供給管20aおよび気体供給管20bからの気泡Bは略鉛直上方へ上昇していく。
【0048】
このように薬液供給管30b、30cは、同時に薬液Cを吐出してもよい。このようにしても、気泡Bを略水平方向に揺動させることができ、半導体基板Wの表面の処理速度のばらつきを或る程度緩和することができる。
【0049】
(第2実施形態)
図6(A)および図6(B)は、第2実施形態による処理装置1の構成例および動作例を示す概念図である。第1実施形態では、気泡Bの移動方向を薬液供給管30a〜30dからの薬液Cで揺動させ、気泡Bで半導体基板Wの表面における薬液Cの流速を略均一化している。これに対し、第2実施形態による処理装置1は、気泡Bを用いず、薬液供給管30a、30bからの薬液Cで半導体基板Wの表面における薬液Cの流速を略均一化する。従って、第2実施形態による処理装置1は、薬液供給管30a、30bを備えるが、気体供給管20a、20bを有しない。
【0050】
循環槽40、配管PP1、ポンプP1、フィルタFは、第1実施形態のそれらと同様の構成でよい。
【0051】
バルブV1は、配管PP10aを介して薬液供給管30aに接続され、配管PP10bを介して薬液供給管30bに接続されている。バルブV1は、薬液供給管30a、30bに略均等に薬液Cを供給する。第2実施形態によるバルブV1は、薬液Cに気体を混合しない。これにより、薬液供給管30a、30bは、ほぼ等しい量の薬液Cを吐出する。薬液供給管30a、30bから吐出される薬液Cの量が偏っている場合、バルブV1は、薬液供給管30a、30bからほぼ等しい量の薬液Cを吐出するように調節され得る。
【0052】
1対の薬液供給管30a、30bは、半導体基板Wの下方の両側に略対称の位置に配置されている。薬液供給管30a、30bは、薬液Cに浸漬された半導体基板Wの斜め下方から半導体基板Wへ向かって薬液Cを吐出する。
【0053】
図7は、薬液供給管30a、30bの構成をより詳細に示す斜視図である。薬液供給管30a、30bは、半導体基板Wまたは処理槽10の中心へ向かって開口する孔H30a、H30bをそれぞれ有する。換言すると、孔H30a、H30bは、鉛直方向D2から互いに向き合う側(対向方向)へ傾斜させたDa方向およびDb方向へそれぞれ開口している。これにより、薬液供給管30a、30bは、薬液Cを半導体基板Wの中心へ向かって吐出することができる。
【0054】
第2実施形態において、コントローラ50は、1対の薬液供給管30a、30bから交互に薬液Cを半導体基板Wへ吐出するようにバルブV1を制御する。即ち、図6(A)に示す状態と図6(B)に示す状態とを交互に繰り返す。この場合、短期的には薬液供給管30a、30bの一方が薬液Cを吐出しているので、半導体基板Wの表面における薬液Cの流速は局所的に異なる。しかし、処理全体として長期的に平均化すると、薬液Cの流速は、半導体基板Wの表面において均一に近づけることができる。
【0055】
例えば、もし、薬液供給管30a、30bの両方が同時に薬液Cを吐出した場合、薬液供給管30aからの薬液Cの流れと薬液供給管30bからの薬液Cの流れとが半導体基板Wの中心近傍で衝突し、その流れを互いに打ち消し合う。従って、薬液Cの流速は、半導体基板Wの中心部までは比較的速いが、半導体基板Wの上部において遅くなる。これにより、処理の面内均一性が悪化する。
【0056】
また、薬液供給管30a、30bは継続的に薬液Cを吐出するので、薬液Cの流速は薬液供給管30a、30bの近傍において速くなっている。従って、半導体基板Wの表面うち薬液供給管30a、30b近傍の領域において、処理が進み易くなる。よって、処理の面内均一性がさらに悪化する。
【0057】
これに対し、第2実施形態では、薬液供給管30a、30bは、交互に薬液Cを半導体基板Wへ吐出する。この場合、薬液供給管30aからの薬液Cの流れおよび薬液供給管30bからの薬液Cの流れの一方は、他方に影響を与えず、その流れを阻害しない。従って、薬液Cの流速は、半導体基板Wの中心部からその先まで届き、半導体基板Wの下部の流速と上部の流速との差が小さくなる。これにより、処理の面内均一性を改善することができる。
【0058】
また、薬液供給管30a、30bは、交互かつ周期的に薬液Cを吐出する。従って、薬液Cの流速は薬液供給管30a、30bの近傍において断続的に速くなるものの、処理全体としては、薬液Cの平均流速は、半導体基板Wの表面において均一に近づく。よって、処理の面内均一性をさらに改善することができる。従って、第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
尚、図6(A)の状態と図6(B)の状態との間の切り替えは、短時間に瞬時に行ってもよい。しかし、半導体基板Wの表面処理の均一性を向上させるために、図6(A)の状態と図6(B)の状態との切り替えは、或る程度長い時間を掛けて行ってもよい。この場合、コントローラ50は、バルブV1またはポンプP1の調節によって、薬液供給管30a、30bから吐出される薬液Cの量や流速を徐々に変化させればよい。
【0060】
(薬液Cの吐出期間および吐出停止期間)
図8は、第2実施形態による薬液Cの吐出停止期間の比率と副生成物の析出量との関係を示すグラフである。このグラフの縦軸は、副生成物として、例えば、シリカ(SiO)の析出量を示す。横軸は、処理中に薬液供給管30a、30bが薬液Cの吐出を停止している期間の比率を示す。例えば、薬液供給管30a、30bがそれぞれ或る吐出周期で薬液Cを吐出しているものとする。また、薬液供給管30a、30bが薬液Cを吐出している吐出期間をTonとし、薬液Cの吐出を停止している吐出停止期間をToffとする。この場合、吐出周期は、吐出期間Tonおよび吐出停止期間Toffの和(Ton+Toff)となる。横軸は、1吐出周期(Ton+Toff)に対する吐出停止期間Toffの比率(Toff/(Ton+Toff))を示す。
【0061】
図8によれば、比率(Toff/(Ton+Toff))が低下すると、シリカの析出量が増大していることが分かる。例えば、NAND型EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)は、三次元的にメモリセルを配列した立体型メモセルアレイを有する場合がある。この場合、シリコン酸化膜とシリコン酸化膜との積層体の積層方向に溝TRを形成し、積層体のシリコン窒化膜を金属に置換する。溝TRを介してシリコン窒化膜を横方向(積層方向に対して垂直方向)に一旦除去する必要がある。例えば、図12は、立体型メモリセルアレイの製造において、シリコン窒化膜を除去した後の断面を示す図である。シリコン窒化膜の除去後に、シリコン酸化膜101の層間に横方向に延びる空隙Gが形成されるが、副生成物SPがシリコン酸化膜101の端部に堆積するため、溝TR近傍において空隙Gが狭くなる。図8に示す副生成物の析出量は、このシリコン酸化膜101に堆積した副生成物SPの積層方向の膜厚THである。即ち、副生成物SPの析出量は、溝TR近傍における積層方向の空隙Gの幅と溝TRから離れた箇所における積層方向の空隙Gの幅との差の約半分である。この副生成物SPの析出量は、約3nm以下にすることが好ましい。多くの副生成物SPが析出すると、配線(例えば、ワード線等)のオープン不良またはショート不良に繋がる。従って、上記の例では、副生成物SPの析出量は、約3nm以下にすることが好ましい。この場合、比率(Toff/(Ton+Toff))は、0.765以上とする。即ち、1吐出周期(Ton+Toff)において、薬液供給管30a、30bの吐出停止期間Toffの比率は0.765以上であり、薬液供給管30a、30bの吐出期間Tonの比率は0.235以下とすることが好ましい。ただし、吐出停止期間Toffの長さに比例して副生成物の析出量が増加してしまう。従って、吐出停止期間Toffの比率の下限は、処理時間に基づいて設定される。
このように、薬液供給管30a、30bの吐出周期に対する吐出停止期間の比率(Toff/(Ton+Toff))は、0.765以上とすることによって、半導体基板Wの処理の面内均一性を改善し、かつ、副生成物の析出を抑制することができる。
【0062】
尚、図8のグラフは、第1実施形態の変形例についても適用することができる。即ち、薬液供給管30b、30cが交互または同時に薬液Cを吐出する際に、薬液供給管30b、30cが薬液Cを吐出する期間を吐出期間Tonとし、薬液供給管30b、30cが薬液Cの吐出を停止する期間を吐出停止期間Toffとした場合に、比率(Toff/(Ton+Toff))は、0.765以上であることが好ましい。このように、吐出期間Tonおよび吐出停止期間Toffを設定することによって、上記変形例においても、半導体基板Wの処理の面内均一性を改善し、かつ、副生成物の析出を抑制することができる。
【0063】
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態による処理装置1の構成例を示す概念図である。第3実施形態では、リフタ60が半導体基板Wを処理槽10内において略鉛直方向に揺動させる。これにより、半導体基板Wの表面における薬液Cの流速のばらつきを低減させる。
【0064】
第3実施形態による処理装置1は、半導体基板Wを略鉛直方向に立て掛けるように載置可能なリフタ60を備えている。半導体基板Wは、リフタ60に載置された状態で処理槽10内に収容可能であり、半導体基板Wを薬液Cに浸漬させることができる。搭載部としてのリフタ60は、リフタ支持部70に接続されており、リフタ支持部70とともに略鉛直方向D2へ移動可能である。
【0065】
駆動部80は、リフタ支持部70とともにリフタ60を略鉛直方向D2に移動させることができる。駆動部80は、コントローラ50によって制御される。
【0066】
コントローラ50は、半導体基板Wの表面に対する薬液Cの流速が所定の閾値(第1閾値)以上となり、かつ、半導体基板Wがリフタ60から浮かないような速度および加速度でリフタ60を往復動作(揺動)させる。
【0067】
薬液C中において半導体基板Wを揺動させることによって、半導体基板Wの表面を薬液Cに対して相対的に移動させる。これにより、薬液Cが半導体基板Wの表面を流れている状態と同じ状態となる。半導体基板Wに対する薬液Cの流れは、半導体基板Wの表面全体において生じるので、半導体基板Wの表面における薬液Cの流速のばらつきは低減する。
【0068】
演算部90は、半導体基板Wの表面に対する薬液Cの流速が所定の閾値(第1閾値)以上となり、かつ、半導体基板Wがリフタ60から浮かないような速度および加速度を算出する。
【0069】
第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。尚、第3実施形態は、気体供給管および薬液供給管を備えていなくてもよい。また、第3実施形態は、第1実施形態の変形例または第2実施形態と組み合わせてもよい。これにより、第3実施形態は、第1実施形態、変形例または第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0070】
(リフタの速度および加速度)
図10は、リフタ60の揺動幅および揺動速度を示すグラフである。このグラフの縦軸は、リフタ60の往復運動の速度を示す。横軸は、リフタ60の往復幅を示す。速度は、リフタ60を略鉛直方向に往復運動させたときのリフタ60の最大速度である。往復幅は、リフタ60の往復運動の移動幅(揺動幅)である。
【0071】
また、ラインL1は、半導体基板Wの表面に対する薬液Cの流速(相対流速)を0.07m/sにするために必要な往復幅および速度を示す。ラインL2は、半導体基板Wの表面に対する薬液Cの相対流速を0.1m/sにするために必要な往復幅および速度を示す。ラインL1、L2を参照すると、往復幅を小さくすると、薬液Cの相対流速を維持するためにリフタ60の速度を上昇させる必要があることが分かる。
【0072】
ここで、副生成物の析出を抑制するためには、半導体基板Wの表面における薬液Cの相対流速は、0.1m/s以上であることが好ましいことが分かっている。従って、薬液Cの相対流速の閾値(第1閾値)は、0.1m/sとし、ラインL2を参照する。半導体基板Wの往復運動における往復幅をxとし、半導体基板Wの往復運動における速度をyとし、半導体基板Wの往復運動における加速度をzとしたときに、ラインL2は、近似的に、y=2.8×x−0.13と表される。従って、半導体基板Wの表面における薬液Cの相対流速が0.1m/s以上となるためには、式1を満たす必要がある。
y>2.8×x−0.13 (式1)
【0073】
図11は、リフタ60の速度および加速度を示すグラフである。このグラフの縦軸は、リフタ60の往復運動における加速度を示す。横軸は、リフタ60の往復運動における速度を示す。ラインL3は、半導体基板Wがリフタ60から浮かない領域R1を示す境界を示す。従って、グラフの領域R1においては、リフタ60は、半導体基板Wを浮かせることなく往復運動させることができる。一方、領域R2においては、半導体基板Wは往復運動によって浮いてしまうので、リフタ60は、半導体基板Wを往復運動に追従させることができない。また、半導体基板Wがリフタ60から浮くと、半導体基板Wがリフタ60から脱落してしまうおそれがある。
【0074】
ここで、ラインL3は、近似的に、z=−38.8×y+3.9×y+8.8と表される。従って、グラフの領域R1は、式2を満たす必要がある。
z<−38.8×y+3.9×y+8.8 (式2)
【0075】
往復幅xを設定すれば、式1に基づいて、薬液Cの相対流速を0.1m/s以上とするための速度yが算出される。さらに、式2を用いて、半導体基板Wを浮かせることなく往復運動可能な加速度zが算出される。
【0076】
演算部90は、往復幅xから式1および式2を用いて、速度yおよび加速度zを算出する。往復幅xは、外部からユーザが入力してもよく、あるいは、予めメモリ91に格納しておいてもよい。例えば、往復幅xが30mmである場合、式1から速度yは、約0.18m/s以上と算出される。また、式2から加速度zは、約8m/s以下と算出される。
【0077】
コントローラ50は、算出された速度yおよび加速度zに従って半導体基板Wを往復幅xで往復運動させるように駆動部80を制御する。これにより、リフタ60は、半導体基板Wの表面における薬液Cの流速を0.1m/s以上にしながら、薬液Cの流速の面内均一性を向上させることができる。その結果、半導体基板Wの処理の面内均一性を改善し、かつ、副生成物の析出を抑制することができる。
【0078】
コントローラ50は、半導体基板Wの往復運動の実行と該往復運動の停止とを交互に繰り返してもよい。このようにしても、処理装置1は、或る程度、半導体基板Wの処理の面内均一性を改善し、かつ、副生成物の析出を抑制することができる。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0080】
1 処理装置、10 処理槽、20a,20b 気体供給管、30a〜30d 薬液供給管、40 循環槽、50 コントローラ、60 リフタ、70 リフタ支持部、80 駆動部、90 演算部、V1,V2 バルブ、P1,P2 ポンプ、PP1,PP2,PP10a,PP10b,PP20a〜20d 配管、F フィルタ、H20a,H30a,H30b 孔、B 気泡、C 薬液、W 半導体基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12