特許第6985962号(P6985962)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985962
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/04 20060101AFI20211213BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20211213BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   G02B5/04 A
   G02B5/00 B
   G09F9/00 313
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-52034(P2018-52034)
(22)【出願日】2018年3月20日
(65)【公開番号】特開2018-159924(P2018-159924A)
(43)【公開日】2018年10月11日
【審査請求日】2020年6月29日
(31)【優先権主張番号】201720275296.7
(32)【優先日】2017年3月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517364444
【氏名又は名称】誠屏科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 中豪
(72)【発明者】
【氏名】劉 勁谷
(72)【発明者】
【氏名】劉 法致
(72)【発明者】
【氏名】蔡 宜育
(72)【発明者】
【氏名】李 信宏
(72)【発明者】
【氏名】楊 喬智
【審査官】 吉川 陽吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−006776(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第1467787(CN,A)
【文献】 特開2001−067005(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0061556(KR,A)
【文献】 特開2012−230391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/04
G02B 5/00
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置であって、
ディスプレイと、
前記ディスプレイに設置されたプリズムモジュールと、
フィルター層とを含み、
前記プリズムモジュールは透光基板及び複数のプリズム構造を含み、前記透光基板が外部からの環境光束の偏光状態を破壊し、前記複数のプリズム構造が前記透光基板上に位置し、且つ前記複数のプリズム構造の複数の先端が前記ディスプレイから離れており、
前記フィルター層が前記プリズムモジュールと前記ディスプレイとの間に設置され、
前記フィルター層が吸収式偏光層であり、且つ前記吸収式偏光層の吸収軸の軸方向が前記ディスプレイからの映像光束の偏光方向に垂直であり、
前記ディスプレイが表示領域及び前記表示領域を囲むフレーム領域を有し、
前記プリズムモジュールの投影領域が、少なくとも前記フレーム領域及び前記フレーム領域に隣接する前記表示領域と重なる、表示装置。
【請求項2】
前記プリズムモジュールは複数の領域を有し、前記複数のプリズム構造が複数の部分に分けられ、前記複数のプリズム構造の一つの前記部分が一つの前記領域中に対応して位置し、各前記プリズム構造が第一底角及び第二底角を有し、前記第一底角の位置が前記第二底角の位置よりも前記フレーム領域に近く、
前記複数の領域中の前記複数の第一底角が前記表示領域から前記フレーム領域の方向へ次第に大きくなる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
各前記領域中、前記複数のプリズム構造の前記部分の前記複数の第一底角が互いに同じであり、且つ前記複数のプリズム構造の前記部分の前記複数の第二底角が互いに同じである、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記ディスプレイにおける前記プリズムモジュールの投影領域が前記フレーム領域及び前記表示領域と完全に重なる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示装置は第一出光エリア及び第二出光エリアを有し、前記第一出光エリアが前記表示領域に位置し、前記第二出光エリアが前記フレーム領域及び前記フレーム領域に隣接する一部の前記表示領域に位置し、
前記ディスプレイは映像光束を提供し、前記映像光束の第一部分が前記第一出光エリアから出射され、且つ、前記映像光束の第二部分が前記プリズムモジュールを経由した後前記第二出光エリアから出射される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
表示装置であって、
表示領域及び前記表示領域を囲むフレーム領域を有するディスプレイと、
前記ディスプレイに設置されたプリズムモジュールと、
フィルター層とを含み、
前記プリズムモジュールは透光基板及び複数のプリズム構造を有し、前記透光基板が外部からの環境光束の偏光状態を破壊し、前記複数のプリズム構造が前記透光基板上に位置し、且つ前記複数のプリズム構造の複数の先端が前記ディスプレイから離れており、
前記フィルター層が前記プリズムモジュールと前記ディスプレイとの間に設置され、
前記フィルター層が吸収式偏光層であり、且つ前記吸収式偏光層の吸収軸の軸方向が前記ディスプレイからの映像光束の偏光方向に垂直であり、
前記プリズムモジュールの投影領域が、少なくとも前記フレーム領域及び前記フレーム領域に隣接する前記表示領域と重なり、
前記プリズムモジュールは複数の領域を有し、前記複数のプリズム構造が複数の部分に分かられ、前記複数のプリズム構造の一つの前記部分が一つの前記領域中に対応して位置し、各前記プリズム構造が第一底角及び第二底角を有し、前記第一底角の位置が前記第二底角の位置よりも前記フレーム領域に近く、
前記複数の領域中の前記複数の第一底角は前記表示領域から前記フレーム領域の方向へ次第に大きくなる、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、特にプリズム構造を有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大画面表示システムは、様々な共用情報を大画面で表示したいというユーザのニーズに応えることができる。現在、大画面表示システムを達成する方法として、複数の表示スクリーンを繋ぎ合わせることで、より大きい映像画面を実現している。例を挙げると、複数の液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)を繋ぎ合わせて大画面の表示システムを形成する方法は、常用方法である。しかし、液晶ディスプレイのフレーム領域は、通常、回路及び液晶ディスプレイの内部素子を固定する機構部品を有するため、このフレーム領域に画面を表示することができず、液晶ディスプレイの無効表示エリアと言われている。複数の液晶ディスプレイを繋ぎ合わせて大画面表示システムを形成する場合、これらの液晶ディスプレイの複数の映像画面の間に無効表示エリアが存在するため、映像画面全体として不連続となり、映像品質を影響する。
【0003】
上記問題を解決するために、一つの解決法は、無効表示エリアの上方に対応させてプリズムシートを設置することである。液晶ディスプレイにおいて無効表示エリアに隣接する表示領域が発した映像光束はプリズムシートまで伝達されることが可能であるため、映像光束はプリズムシートによって光学経路が変更され、ユーザの目まで伝達される。従って、ユーザが無効表示エリアを見た時に映像画面が見えるため、映像画面全体として不連続現象を感じ難い。
【0004】
しかし、上記の解決法にも以下のような欠点がある。外部の環境光が上記プリズムシートを照射した時に、プリズムシートによって環境光がユーザの目へ反射される。これにより、ユーザが映像画面を見た時に、プリズムシートから伝達された一部の映像画面の輝度は環境光によって比較的に明るくなるが、その他の部分の映像画面が比較的に暗いため、映像画面のコントラストを劣化させるほか、ユーザにプリズムシートの存在を感じさせることになる。また、ユーザが映像画面を見た時に、プリズムシートの屈折作用が関係して、液晶ディスプレイの縁部に対応する映像画面の位置が液晶ディスプレイの縁部に隣接する映像画面とずれることがある。且つ、ユーザが映像画面を見た時に、プリズムシートに対応する位置の映像画面の輝度が大幅に低減したように感じることがある。上記映像画面のずれ及び輝度のばらつき現象から、ユーザの視覚上の違和感を引き起こす。
【0005】
「背景技術」部分は本発明の内容に対する理解を促すものであり、「背景技術」部分で開示された内容に、当業者に知られている従来技術を構成しないものが含まれている可能性もある。「背景技術」部分で開示された内容は、当前記内容又は本発明の一つ若しくは複数の実施例で解決しようとする課題が本発明の出願前に既に当業者に把握又は認識されていたことを意味するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、フレームレスの表示効果及び優れた表示品質を実現できる表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のその他の目的と利点について、本発明が開示する技術特徴からより一層理解を深めることができる。
【0008】
上記一部又は全部の目的、及びその他の目的を達成するために、本発明の実施例はディスプレイ、プリズムモジュール及びフィルター層を含む表示装置を提供する。プリズムモジュールはディスプレイに設置される。プリズムモジュールは透光基板及び複数のプリズム構造を含む。これらのプリズム構造は透光基板上に位置し、且つこれらのプリズム構造の複数の先端がディスプレイから離れている。フィルター層はプリズムモジュールとディスプレイとの間に設定され、又はプリズムモジュールがフィルター層とディスプレイとの間に設置される。
【0009】
上記一部又は全部の目的、及びその他の目的を達成するために、本発明の実施例はディスプレイ、プリズムモジュール及びフィルター層を含む表示装置を提供する。プリズムモジュールはディスプレイに設置される。プリズムモジュールは透光基板及び複数のプリズム構造を含む。これらのプリズム構造は透光基板上に位置し、且つこれらのプリズム構造の複数の先端がディスプレイから離れている。フィルター層はプリズムモジュールとディスプレイとの間に設置され、又は、プリズムモジュールがフィルター層とディスプレイとの間に設置される。そして、ディスプレイは表示領域及び表示領域を囲むフレーム領域を有し、且つプリズムモジュールが複数の領域を有し、これらのプリズム構造が複数の部分に分けられ、これらのプリズム構造の一つの部分が一つの領域中に対応して位置し、各プリズム構造が第一底角及び第二底角を有し、第一底角の位置が第二底角の位置よりもフレーム領域に近く、且つ、これらの領域中のこれらの第一底角は表示領域からフレーム領域の方向へ次第に大きくなる。
【0010】
以上により、本発明の実施例の表示装置は少なくとも以下の一つ又は複数の利点を有する。表示装置はフィルター層を設置することによってプリズムモジュールに対する環境光束の影響を低減できるため、表示装置はフレームレスの表示効果を実現できるとともに、表示される映像画面のコントラストが良好である。
【0011】
本発明の上記特徴及び利点をより明確且つわかり易く示すべく、以下は実施例において、図面を参照しながら詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】本発明の一実施例の表示装置の断面概略図である。
図1B図1Aの実施例の表示装置中のディスプレイの上面概略図である。
図1C図1Aの実施例の表示装置中のプリズムモジュールとフィルター層の部分拡大概略図である。
図1D】本発明の一実施例において図1A及び図1Bの表示装置を複数繋ぎ合わせた場合を示す上面概略図である。
図2】本発明の異なる実施例の表示装置の断面概略図である。
図3】本発明の異なる実施例の表示装置の断面概略図である。
図4】本発明の異なる実施例の表示装置の断面概略図である。
図5A図4中の左側第一領域に位置するプリズム構造の拡大概略図である。
図5B図4中の左側第二領域に位置するプリズム構造の拡大概略図である。
図5C図4中の左側第三領域に位置するプリズム構造の拡大概略図である。
図6A図5C中のプリズム構造の有効領域面積の概略図である。
図6B】二等辺三角形のプリズム構造の有効領域面積の概略図である。
図7図4中のディスプレイの出射光角度と輝度の関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の上記及びその他の技術内容、特徴及び効果は、以下の図面に基づいて行われる好ましい実施例の詳細説明において明確に示されている。以下の実施例で言及される方向用語、例えば、上、下、左、右、前又は後などは図面を参照するための方向のみである。従って、これらの方向用語は説明目的で用いられたものであり、本発明を制限するものではない。
【0014】
図1Aは本発明の一実施例の表示装置の断面概略図である。図1B図1Aの実施例の表示装置中のディスプレイの上面概略図である。図1C図1Aの実施例の表示装置中のプリズムモジュールとフィルター層の部分拡大概略図である。図1Dは本発明の一実施例において、図1A及び図1Bの表示装置を複数繋ぎ合わせた場合を示す上面概略図である。
【0015】
まず、図1Aを参照すると、本実施例において、表示装置100はディスプレイ110、プリズムモジュール120及びフィルター層130を含む。プリズムモジュール120はディスプレイ110に設置される。プリズムモジュール120は透光基板122及び複数のプリズム構造124を含む。これらのプリズム構造124は透光基板122上に位置し、且つ透光基板122はこれらのプリズム構造124とフィルター層130との間に位置する。これらのプリズム構造124は、例えば、三角プリズム構造であり、且つこれらのプリズム構造124の複数の先端Sがディスプレイ110から離れている。これらのプリズム構造124は、例えば互いに実質的に同じである。プリズムモジュール120は例えば透明材料によって作製され、透明材料は例えばポリメタクリル酸メチル(Polymethylmethacrylate、PMMA)、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ガラス(Glass)、又はポリエチレンテレフタラート(Polyethylene Terephthalate、PET)であるが、本発明はこれに限定されない。フィルター層130は、プリズムモジュール120とディスプレイ110との間に設置される。フィルター層130は、例えば直接に貼り付ける(Directing Bonding)方式で透光基板122の下表面に貼り付けられる。
【0016】
図1Bを参照すると、本実施例において、ディスプレイ110の種類が例えば非自発光式のディスプレイである。ディスプレイ110は例えば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)である。ディスプレイ110は液晶表示パネル112、バックライトモジュール114、外枠116及びブラックマトリクス118を含む。液晶表示パネル112はフィルター層130とバックライトモジュール114との間に設置される。バックライトモジュール114は、液晶表示パネル112が映像を表示するために必要な光源を提供して、液晶表示パネル112に映像光束IBを出射させる。外枠116は液晶表示パネル112及びバックライトモジュール114を固定するものである。別の実施例において、ディスプレイ110の種類が自発光式のディスプレイであってもよい。例を挙げると、ディスプレイ110は、発光ダイオードディスプレイ(Light Emitting Diode Display、LED Display)、量子ドット発光ダイオードディスプレイ(Quantum Dots Light Emitting Diode Display、QLED Display)又は有機発光ダイオードディスプレイ(Organic Light Emitting Diode Display、OLED Display)であってもよいが、本発明はこれに限定されない。ディスプレイ110の操作及び実施形態について、本技術分野の周知知識から十分な教示、提案及び実施説明が得られるため、ここで省略する。
【0017】
図1A及び図1Bを同時に参照すると、本実施例において、ディスプレイ110は表示領域DR及び表示領域DRを囲むフレーム領域FRを有する。表示領域DRは複数の表示画素(図示せず)を有し、表示画面を表示する。ディスプレイ110中の一部配線(図示せず)、外枠116及びブラックマトリクス118がフレーム領域FR内に対応して設置されている。フレーム領域FRはディスプレイ110の非表示領域である。詳しく言うと、本実施例において、プリズムモジュール120はディスプレイ110上の投影領域PRにおいて、フレーム領域FR及びフレーム領域FRに隣接する一部表示領域DR(即ち、表示領域DRの縁領域ER)と重なる。表示装置100は第一出光エリアE1及び第二出光エリアE2を有する。第一出光エリアE1は表示領域DRの上に位置する。第二出光エリアE2はフレーム領域FR及びフレーム領域FRに隣接する一部表示領域DRの上(即ち、表示領域DRの縁領域ER)に位置する。ディスプレイ110は映像光束IBを提供する。映像光束IBの第一部分IB1(細い黒実線で示す)は第一出光エリアE1から出射され、表示領域DRの表示効果を達成する。映像光束IBの第二部分IB2(破線で示す)は、プリズムモジュール120を経て、垂直出光の方式で第二出光エリアE2から出射され、フレーム領域FRの表示効果を達成する。言い換えれば、従来なら非表示エリアであったフレーム領域FRは、プリズムモジュール120によって映像光束IBのうち第二部分IB2を第二出光エリアE2に出射することができて、ディスプレイ110のフレーム領域FRにおいても画面を表示できる。従って、本実施例の表示装置100は、プリズムモジュール120を設置することによってボーダーレス(Borderless)の表示効果を達成できる。
【0018】
本実施例において、フィルター層130は、例えば、吸収式偏光層130(Absorptive Polarizing Layer)である。吸収式偏光層130は吸収軸(図示せず)を有する。吸収軸の軸方向は、ディスプレイ110からの映像光束IBの偏光方向に対し垂直である。吸収式偏光層130は光束中の吸収式偏光層130の吸収軸と平行な一部光束を吸収するが、吸収式偏光層130の吸収軸と異なる軸方向を有する一部光束を吸収しない。ディスプレイ110の映像光束IBの偏光方向が固定であるため、吸収式偏光層130はディスプレイ110からの映像光束IBを吸収することなく、映像画面の輝度を維持できる。
【0019】
図1Cを参照すると、環境光束EBがフレーム領域FRに対応する位置のプリズムモジュール120まで伝達された場合、環境光束EBはこれらのプリズム構造124及び透光基板122を順に透過して、吸収式偏光層130まで伝達される。環境光束EBは固定の偏光方向を有しないため、環境光束EBのうち吸収式偏光層130の吸収軸と平行な偏光方向を有する一部の環境光束EBが吸収式偏光層130に吸収されて、環境光束EBのエネルギが半減される。環境光束EBのうち吸収式偏光層130の吸収軸に垂直な一部の環境光束EB’は、吸収式偏光層130の上表面S1を通って、吸収式偏光層130の下表面S2に反射される。透光基板122はその製造過程において成形延伸ステップを経るため、吸収式偏光層130の下表面S2に反射された後の環境光束EB’が吸収式偏光層130の上表面S1を経由して透光基板122内に入射された場合、環境光束EB’が透光基板122内に伝達される間にその偏光状態が透光基板122に破壊されて、環境光束EB’から、吸収式偏光層130の吸収軸と平行な偏光方向を有する環境光束EB’’及び吸収式偏光層130の吸収軸に垂直な偏光方向の環境光束EB’’’がさらに形成される。上記説明と同じように、環境光束EB’’も吸収式偏光層130に吸収され、環境光束EB’’’が再度吸収式偏光層130の下表面S2に反射されて透光基板122内に入射し、且つその偏光状態が再度透光基板122に破壊され、吸収式偏光層130の吸収軸と平行な偏光方向を有する環境光束(図示せず)及び吸収式偏光層130の吸収軸に垂直な偏光方向の環境光束(図示せず)が形成される。環境光束EBの強度が上記過程において大幅に低減されるため、本実施例の表示装置100は上記フィルター層130(吸収式偏光層)を設置することでプリズムモジュール120に対する環境光束EBの影響を低減し、これにより、表示装置100で表示される映像画面のコントラストが良くなり、且つフレームレスの表示効果を実現できる。言い換えれば、ユーザが本実施例の表示装置100で表示される映像画面を観賞する時、環境光束EBの強度が大幅に低減され、プリズムモジュール120によって環境光束EBがユーザの目まで反射されにくいため、ユーザがプリズムモジュール120の存在を感じにくい。本実施例において、吸収式偏光層130をフィルター層130とする例を示したが、これに限定されず、本発明中のフィルター層130は環境光の反射を防止可能な光学層又は光学コーティング膜全般を意味し、例えば、反射防止層(Anti Reflection Coating)、ライトフィルター(Light Filter)などである。
【0020】
図1Dを参照すると、本実施例において、比較的に大きい映像画面を実現するために、四つの表示装置100が2×2の方式で繋ぎ合わせられている。しかし、別の実施例においてこれらの表示装置100を異なる方法で繋ぎ合わせることが可能であり、本発明はこれに限定されない。
【0021】
なお、下記実施例では上記実施例の一部内容を引用し、同じ技術内容の説明を省略し、同じ素子の名称について上記実施例の一部内容を参照し、下記実施例では省略する。
【0022】
図2から図4は本発明の異なる実施例の表示装置の断面概略図である。図5A図4中の左側第一領域に位置するプリズム構造の拡大概略図である。図5B図4の左側第二領域に位置するプリズム構造の拡大概略図である。図5C図4中の左側第三領域に位置するプリズム構造の拡大概略図である。図6A図5C中のプリズム構造の有効領域面積の概略図である。図6Bは二等辺三角形のプリズム構造の有効領域面積の概略図である。図7図4中のディスプレイの出射光角度と輝度の関係図である。
【0023】
図2を参照すると、本実施例の表示装置100’は図1A及び図1Bの表示装置100に類似するが、主な差異点は、プリズムモジュール120’がディスプレイ110上の投影領域PR’においてフレーム領域FR及び表示領域DRと完全に重なっている。本実施例の表示装置100’の上記設置により、ディスプレイ110からの映像光束IBがプリズムモジュール120’によって異なる方向へ伝達され、表示装置100’の映像画面を異なる位置にいるユーザが共有することができる。且つ、フィルター層130’を設置することにより、本実施例の表示装置100’の映像画面が外部環境光束の影響を受けにくく、良好なコントラストを有する。
【0024】
図3を参照すると、本実施例の表示装置100’’は図2の表示装置100’に類似するが、その主な相違点は、プリズムモジュール120’がフィルター層130’’とディスプレイ110との間に設置されている。且つ、フィルター層130’’は複数の遮光部132と複数の透光部134を含む。これらの遮光部132とこれらの透光部134はこれらのプリズム構造124の配列方向Dに沿って交互に配列されている。遮光部132の材料は例えば吸光材料であり、吸光材料が例えば黒色インク又は黒色樹脂などであり、透光部134の材料が例えば透光材料又は空気であるが、本発明はこれに限定されない。環境光束EBがプリズムモジュール120’まで伝達された時に、比較的に大きい入射角を有する環境光束EB1(一本の環境光束EB1のみを例示)はこれらの遮光部132に遮蔽又は吸収されて、プリズムモジュール120’’に反射されてユーザの目に入ることはない。比較的に小さい入射角を有する環境光束EB2(一本の環境光束EB2のみを例示)はこれらの透光部134を通って、プリズムモジュール120’まで伝達される。環境光束EB2はこれらのプリズム構造124’に屈折されて、透光基板122’の下表面まで伝達される。環境光束EB2は透光基板122’の下表面に反射された後、再度これらのプリズム構造124’に入射し、環境光束EB2がこれらのプリズム構造124’に屈折されて、比較的に大きい入射角を有する環境光束EB2’を形成する。環境光束EB2’はフィルター層130’’中のこれらの遮光部132に遮蔽又は吸収される。従って、本実施例中の表示装置100’’は上記フィルター層130’’を設置することによって、プリズムモジュール120’’に対する環境光束EBの影響を低減させることができるため、表示装置100’’で表示される映像画面のコントラストが良好である。また、別の実施例において、図3の実施例のフィルター層130’’を図1Aの実施例に設置することも可能であり、フィルター層130(吸収式偏光層)の代わりにフィルター層130’’を用いて、プリズムモジュール120をフィルター層130’’とディスプレイ110との間に設置し、フィルター層130’’のディスプレイ110上における投影領域がプリズムモジュール120のディスプレイ110上における投影領域PRと重なることでも上記効果が得られる。また、フィルター層130’’を図4の実施例に設置することも可能であり、その効果が以上の説明に類似するため、ここで省略する。
【0025】
図4を参照すると、本実施例の表示装置100’’’は図1A及び図1Bの表示装置100に類似するが、その主な相違点は、本実施例の表示装置100’’’は透明板140をさらに含む。透明板140はプリズムモジュール120’’とディスプレイ110との間に設置される。透明板140はプリズムモジュール120’’とディスプレイ110との間に間隔をもたらし、且つプリズムモジュール120’’を搭載するが、本発明はこれに限定されない。本実施例において、プリズムモジュール120’’は複数の領域Rを有し、例えば三つの領域R1、R2、R3であるが、本発明はこれに限定されない。第一領域R1は表示領域DRに最も近い。第二領域R2は表示領域DRに二番目に近い。第三領域R3は表示領域DRから最も離れている。プリズムモジュール120’’中のこれらのプリズム構造124’’は複数の部分Pに分けられ、例えば三つの部分P1、P2、P3であるが、本発明はこれに限定されない。これらのプリズム構造124’’の一つの部分Pが一つの領域R中に対応して位置する。詳しく言うと、これらのプリズム構造124’’の第一部分P1(例えば、二つのプリズム構造1241)が第一領域R1中に対応して位置している。これらのプリズム構造124’’の第二部分P2(例えば、三つのプリズム構造1242)が第二領域R2中に対応して位置している。これらのプリズム構造124’’の第三部分P3(例えば、三つのプリズム構造1243)が第三領域R3中に対応して位置している。図5Aから図5Cを参照すると、本実施例において、各プリズム構造124’’は第一底角θ1及び第二底角θ2を有する。各プリズム構造124’’中に、第一底角θ1の位置が第二底角θ2の位置よりもフレーム領域FRに近い。これらの領域R(R1、R2、R3)中のこれらの第一底角θ1は表示領域DRからフレーム領域FRの方向へ次第に大きくなる。図5Aから図5Cを参照して詳しく言うと、これらのプリズム構造1241のこれらの第一底角θ1’がこれらのプリズム構造1242のこれらの第一底角θ1’’より小さく、且つ、これらのプリズム構造1242のこれらの第一底角θ1’’がこれらのプリズム構造1243のこれらの第一底角θ1’’’より小さい。各領域Rにおいて、これらのプリズム構造124’’の部分Pのこれらの第一底角θ1が互いに同じであり、且つこれらのプリズム構造124’’の部分Pのこれらの第二底角θ2が互いに同じである。図4を参照してさらに詳しく言うと、第一領域R1において、これらのプリズム構造124’’の第一部分P1のこれらの第一底角θ1’が互いに同じであり、これらのプリズム構造124’’の第一部分P1のこれらの第二底角θ2’が互いに同じである。第二領域R2において、これらのプリズム構造124’’の第二部分P2のこれらの第一底角θ1’’が互いに同じであり、これらのプリズム構造124’’の第二部分P2のこれらの第二底角θ2’’が互いに同じである。第三領域R3において、これらのプリズム構造124’’の第三部分P3のこれらの第一底角θ1’’’が互いに同じであり、これらのプリズム構造124’’の第三部分P3のこれらの第二底角θ2’’’が互いに同じである。フィルター層130は透明板140とプリズムモジュール120’’との間に設置され、フィルター層130はプリズムモジュール120’’に対する環境光束EBの影響を大幅に低減することが可能であり、その効果が上記の説明と類似するため、ここで省略する。
【0026】
再度図4及び図5Aを参照すると、本実施例において、第一領域R1に位置するプリズム構造1241の第一底角θ1’は例えば10度であり、第二底角θ2’は例えば72度であり、先端Sからプリズム構造1241の底面までの高さH1は例えば6マイクロメートル(6um)であり、且つプリズム構造1241の底面の幅D1は例えば36マイクロメートル(36um)であるが、本発明はこれに限定されない。再度図4及び図5Bを参照すると、本実施例において、第二領域R2のプリズム構造1242の第一底角θ1’’は例えば22度であり、第二底角θ2’’は例えば72度であり、先端Sからプリズム構造1242の底面までの高さH2は例えば13マイクロメートルであり、且つプリズム構造1242の底面の幅D2は例えば36マイクロメートルであるが、本発明はこれに限定されない。再度図4及び図5Cを参照すると、本実施例において、第三領域R3のプリズム構造1243の第一底角θ1’’’は例えば45度であり、第二底角θ2’’’は例えば72度であり、先端Sからプリズム構造1243の底面までの高さH3は例えば27マイクロメートルであり、且つプリズム構造1243の底面の幅D3は例えば36マイクロメートルであるが、本発明はこれに限定されない。
【0027】
再度図4を参照すると、本実施例において、表示領域DRの一部領域DR1が発する一部の映像光束IBは第一出光エリアE1から出射され、且つ第一領域R1中に位置するプリズム構造1241を経由して第二出光エリアE2から出射される。言い換えれば、一部領域DR1によって表示される映像は、第一出光エリアE1から直接出射され、又はプリズム構造1241によって複製されて第二出光エリアE2から出射される。表示領域DRの一部領域DR2が発する一部の映像光束IBは、第二領域R2中のプリズム構造1242及び第三領域R3中のプリズム構造1243を同時に経由して、第二出光エリアE2から出射される。言い換えれば、一部領域DR2によって表示される映像は、プリズム構造1242、1243によって複製されて、第二出光エリアE2の二箇所から出射される。本実施例の表示装置100’’’において、プリズムモジュール120’’中のプリズム構造124’’が複数類の異なる第一底角θ1を有し、且つこれらの第一底角θ1が表示領域DRからフレーム領域FRの方向へ次第に大きくなるように設計されている。同じフレーム領域FRの大きさにおいて、映像光束IBはこれら異なる第一底角θ1を有するプリズム構造124’’を経由し、屈折されて複数段の映像画面を形成し、ユーザに映像画面の明らかなズレを感じさせず、ユーザの視覚的な違和感を低減している。
【0028】
再度図4から図7を同時に参照すると、本実施例において、第二出光エリアE2に対応する映像画面の輝度は、映像光束IBが各領域R中のプリズム構造124’’に入る比例、及び対応するプリズム構造124’’の出射光角度の最大値が出射光角度0度に対する出射光輝度比例この両者の積と正比例となる。以下の段落において、映像光束IBがプリズム構造124’’に入る比例、及び対応するプリズム構造124’’の出射光角度の最大値が出射光角度0度に対する出射光輝度比例の意味について詳しく説明する。
【0029】
詳しく言うと、映像光束IBがこれらのプリズム構造124’’に入る比例は、プリズム構造124’’中の第一底角θ1と第二底角θ2に関係している。映像光束IBがこれらのプリズム構造124’’に入る比例は、例えば、プリズム構造124’’の有効領域面積の比例である。以下は図6A及び図6Bを組み合わせて有効領域面積の比例について説明する。図6Aを参照すると、図6A図5Cのプリズム構造の有効領域面積の概略図である。プリズム構造1243は底面BS、第一側面SS1及び第二側面SS2を有する。底面BSはプリズム構造1243の頂角Sに対応する。第一側面SS1はプリズム構造1243の第一底角θ1’’’に対応する。第二側面SS2はプリズム構造1243の第二底角θ2’’’に対応する。図6Aにおいて、第二側面SS2の面積が第一側面SS1の面積より大きい。第二底角θ2’’’が第一底角θ1’’’よりも表示領域DRに近いため、第二側面SS2を経由してプリズム構造1243に入った順方向光束Iはプリズム構造1243に屈折された後、一部底面BS’から出射されて、表示領域DRの方向へ伝達される。一方、第一側面SS1を経由してプリズム構造1243に入った光束(図示せず)はプリズム構造1243に屈折された後、フレーム領域FRの方向へ伝達される。光学的可逆性により、表示領域DRからの映像光束IBは一部底面BS’を経由してプリズム構造1243に入って、第二側面SS2から順方向に出光するが、これに対し、フレーム領域FRからの光束の強度が映像光束IBの光強度より遥かに小さいため、第一側面SS1から出光される光束を無視してもよい。有効領域面積比例の定義は、映像光束IBがプリズム構造124’’に入る一部底面の面積とプリズム構造124’’の底面全体の面積の比例である。図6Aを例にすると、有効領域面積比例は一部底面BS’の面積と底面BSの面積の比例に等しい。計算の結果、図5C(又は図6A)のプリズム構造1243の有効領域面積比例は99%であり、図5Bのプリズム構造1242の有効領域面積比例は93%であり、図5Aのプリズム構造1241の有効領域面積比例が95%であり、当業者は実際の設計ニーズに応じて有効領域面積比例を適宜調整することが可能であり、本発明はこれに限定されない。
【0030】
図6Bを参照すると、図6Bに二等辺三角形のプリズム構造IPSが示されている。図6Bにおいて、第二側面SS2’の面積が第一側面SS1’の面積に等しい。第二底角θII(例えば、45度)は第一底角θ(例えば、45度)よりも表示領域DRに近いため、第二側面SS2’を経由して二等辺三角形のプリズム構造IPSに入った順方向光束Iは二等辺三角形のプリズム構造IPSに屈折された後、一部底面PBS’から出光して、表示領域DRの方向へ伝達される。これに対し、第一側面SS1’を経由して二等辺三角形のプリズム構造IPSに入った光束(図示せず)は、二等辺三角形のプリズム構造IPSに屈折された後、フレーム領域FRの方向へ伝達される。光学的可逆性により、表示領域DRからの映像光束IBは一部底面PBS’を経由して二等辺三角形のプリズム構造IPSに入り、第二側面SS2’から順方向に出光するが、これに対し、フレーム領域FRからの光束の強度が映像光束IBの光強度より遥かに小さいため、第一側面SS1’から出光する光束を無視してもよい。図6Bの二等辺三角形のプリズム構造IPSの有効領域面積は、例えば、一部底面PBS’の面積と底面BS’の面積の比例に等しい。計算の結果、図6Bの有効領域面積比例は、例えば66%である。本実施例のプリズム構造124’’(図5A図5C)は非対称的なプリズム構造124’’であるため、対称的な二等辺三角形のプリズム構造PBS(図6B)に比べると、本実施例のプリズム構造124’’は比較的に高い有効領域面積比例を有する。
【0031】
続いて、図4及び図7を参照すると、本実施例において、表示領域DRの出射光角度は、映像光束IBのうちプリズム構造124’’の対応する部分Pによって順方向光束へ導かれる角度と定義されている。図4を参照すると、表示領域DR中の一部領域がこれらのプリズム構造124’’の第一部分P1(プリズム構造1241)に対応する出射光角度はγであり、γは例えば5.4度であり、図7からわかるように、γが5.4度で測定された出射光輝度と角度0度(即ち、順方向光束)で測定された出射光輝度との間の出射光輝度比例は97%である。表示領域DR中の一部領域がこれらのプリズム構造124’’の第二部分P2(プリズム構造1242)に対応する出射光角度はβであり、βは例えば17度であり、図7からわかるように、βが17度で測定された出射光輝度と角度0度(即ち、順方向光束)で測定された出射光輝度との間の出射光輝度比例は90%である。表示領域DR中の一部領域がこれらのプリズム構造124’’の第三部分P3(プリズム構造1243)に対応する出射光角度はαであり、αは例えば28度であり、図7からわかるように、αが28度で測定された出射光輝度と角度0度(即ち、順方向光束)で測定された出射光輝度との間の出射光輝度比例は80%である。以上からわかるように、第二出光エリアE2の各領域Rに対応する映像画面の輝度は、映像光束IBが各領域R中のプリズム構造124’’に進入する比例、及び対応するプリズム構造124’’の出射光角度最大値が出射光角度0度に対する出射光輝度比例この両者の積である。以下の表1は本実施例の上記各パラメータを整理した表であり、当業者はその実際のニーズに応じて下記パラメータを適宜調整することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0032】
【表1】
以上の通り、本実施例の表示装置100’’’はその上記配置により、表示領域DRに最も近い第一領域R1に対応する映像画面の輝度が表示領域DRに二番目に近い第二領域R2に対応する映像画面の輝度より大きく、且つ、表示領域DRに二番目に近い第二領域R2に対応する映像画面の輝度が表示領域DRから最も離れている第三領域R3に対応する映像画面の輝度より大きい。言い換えれば、上記配置により、プリズムモジュール120’’に対応する位置の映像画面の輝度は、表示領域DRからフレーム領域FRの方向へ次第に小さくなり、従来技術のような輝度が激減する状況と異なるため、ユーザの視覚的違和感を低減できる。
【0033】
以上をまとめると、本発明の実施例の表示装置は少なくとも以下の利点の一つを有する。表示装置はフィルター層を設置することによって、プリズムモジュールに対する環境光束の影響を低減することができるため、表示装置はフレームレスの表示効果を達成できるとともに、その表示する映像画面のコントラストが良好である。
【0034】
かつ、本発明の実施例の表示装置は、プリズムモジュールの投影領域がディスプレイの表示領域及びフレーム領域と完全に重なるようにすることで、プリズムモジュールが映像光束を異なる方向へ伝達することができるため、表示装置の映像画面を異なる位置にいるユーザに提供する。
【0035】
また、本発明の実施例の表示装置は、プリズムモジュール中のこれらのプリズム構造が異なる多種の第一底角を有する設計であり、これらの第一底角が表示領域からフレーム領域へ次第に大きくなる。映像光束はこれらの異なる第一底角を有するプリズム構造によって屈折され、複数段の映像画面が形成されるため、ユーザは映像画面の明らかなズレを感じにくい。且つ、上記配置により、プリズムモジュール位置に対応する映像画面の輝度は表示領域からフレーム領域の方向へ次第に小さくなり、従来技術のように輝度が激減する状況と異なるため、ユーザの視覚的違和感が低減される。
【0036】
以上に記載したのは本発明の好ましい実施例であり、本発明の実施範囲がこれに限定されるべきではない。即ち、本発明の請求の範囲及び発明の詳細な説明を基に行った簡単な等価変更及び修正も本発明の請求範囲内に属する。また、本発明の実施例又は請求項のいずれかが必ずしも本発明の開示した目的又は利点又は特徴を全て満たすとは限らない。その他、要約書と発明の名称は特許文献の検索のために用いられるものであり、本発明の権利範囲を制限するものではない。また、明細書又は請求の範囲に言及された「第一」、「第二」などの用語は、素子(element)を示す名称であり、素子の数量の上限又は下限を制限するものではない。
【符号の説明】
【0037】
100、100’、100’’、100’’’ 表示装置
110 ディスプレイ
112 液晶表示パネル
114 バックライトモジュール
116 外枠
118 ブラックマトリクス
120、120’、120’’ プリズムモジュール
122、122’、122’’ 透光基板
124、124’、124’’、1241、1242、1243 プリズム構造

130、130’、130’’ フィルター層
132 遮光部
134 透光部
140 透明板
BS、BS’ 底面D:配列方向
DR 表示領域
D1、D2、D3 幅
E1 第一出光エリア
E2 第二出光エリア
EB、EB’、EB’’、EB’’’、EB1、EB2、EB2’ 環境光束
ER 縁領域
FR フレーム領域
PR、PR’ 投影領域
H1、H2、H3 高さ
I 光束
IPS 二等辺三角形のプリズム構造
IB:映像光束
IB1:映像光束の第一部分
IB2:映像光束の第二部分
S 先端
S1 上表面
S2 下表面
SS1、SS1’ 第一側面
SS2、SS2’ 第二側面
R 領域
R1 第一領域
R2 第二領域
R3 第三領域
P 部分
P1 第一部分
P2 第二部分
P3 第三部分
PBS、PBS’ 一部底面
θ1、θ1’、
θ1’’、θ1’’’、θI 第一底角
θ2、θ2’、θ2’’、θ2’’’、θII 第二底角
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7