特許第6985964号(P6985964)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6985964基板処理装置用のピトー管式流量計、基板処理装置、および基板処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985964
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】基板処理装置用のピトー管式流量計、基板処理装置、および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20211213BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   H01L21/306 R
   H01L21/304 648G
   H01L21/304 648L
【請求項の数】16
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-57253(P2018-57253)
(22)【出願日】2018年3月23日
(65)【公開番号】特開2019-169642(P2019-169642A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2020年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀧 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】下村 辰美
【審査官】 田中 崇大
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−046518(JP,A)
【文献】 特開2015−172572(JP,A)
【文献】 特開2002−093688(JP,A)
【文献】 特開2015−119042(JP,A)
【文献】 特開昭63−021565(JP,A)
【文献】 特開平02−068108(JP,A)
【文献】 特開2000−124099(JP,A)
【文献】 特開平04−343018(JP,A)
【文献】 特開平07−198435(JP,A)
【文献】 特開平10−055948(JP,A)
【文献】 特開2001−004421(JP,A)
【文献】 特開2004−259742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、
排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、
前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、
前記ケーシングの内部に流体を供給する少なくとも一つの流体ノズルとを備え、
前記洗浄液配管は、前記少なくとも一つの流体ノズルに接続されている基板処理装置用のピトー管式流量計。
【請求項2】
前記少なくとも一つの流体ノズルは、前記ケーシング内に配置されており、前記ピトー管の外周面に向けて流体を吐出する流体ノズルを含む、請求項に記載の基板処理装置用のピトー管式流量計。
【請求項3】
基板を処理する薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、
排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、
前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、
前記ピトー管に接続された測定配管と、
前記測定配管を介して前記ピトー管内の流体を吸引する吸引配管とを備える基板処理装置用のピトー管式流量計。
【請求項4】
基板を処理する薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、
排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、
前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、
前記ピトー管に接続された測定配管と、
前記測定配管を介して前記ピトー管に接続されており、前記測定配管を介して前記ピトー管に供給される気体を案内するガス配管とを備える基板処理装置用のピトー管式流量計。
【請求項5】
基板を処理する薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、
排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、
前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、
前記ケーシング内に配置されており、前記ピトー管の外周面に向けて流体を吐出する流体ノズルと、
前記流体ノズルに接続されており、前記流体ノズルに供給される気体を案内するガス配管とを備える基板処理装置用のピトー管式流量計。
【請求項6】
基板を処理する薬品を基板に供給する処理ユニットと、
前記薬品を含む排気が通過する排気通路と、
前記排気通路に配置されており、前記薬品を含む排気の流量を測定する、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理装置用のピトー管式流量計とを備える、基板処理装置。
【請求項7】
前記基板処理装置用のピトー管式流量計は、前記基板処理装置が設置されるクリーンルームの床の下に配置される、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記基板処理装置内に供給される気体の流量を表す給気流量および前記基板処理装置から排出される気体の流量を表す排気流量の少なくとも一方を変更する気体流量変更ユニットと、
前記基板処理装置用のピトー管式流量計の測定値に基づいて、前記気体流量変更ユニットに前記給気流量および排気流量の少なくとも一方を変更させる制御装置とをさらに備える、請求項6または7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
基板を処理する薬品を基板に供給する処理ユニットと、
前記薬品を含む排気が通過する排気通路と、
前記排気通路に配置されており、前記薬品を含む排気の流量を測定する、基板処理装置用のピトー管式流量計とを備え、
前記基板処理装置用のピトー管式流量計は、
前記薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、
排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、
前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、を備え、
前記ケーシングは、前記ケーシングの中心線が水平な水平姿勢、または、前記ケーシングの中心線が水平面に対して斜めに傾いた傾斜姿勢で、前記排気通路に配置されており、
前記ピトー管は、前記ケーシングを前記ケーシングの中心線の方向に見たときに前記ピトー管の中心線が水平面に対して斜めに傾いた傾斜姿勢、または、前記ケーシングを前記ケーシングの中心線の方向に見たときに前記ピトー管の中心線が水平な水平姿勢で、前記ケーシング内に配置されている基板処理装置。
【請求項10】
基板を処理する薬品を基板に供給する処理ユニットと、
前記薬品を含む排気が通過する排気通路と、
前記排気通路に配置されており、前記薬品を含む排気の流量を測定する、基板処理装置用のピトー管式流量計と、
前記排気通路に加わる圧力を測定する圧力計と、
前記基板処理装置用のピトー管式流量計の測定値と前記圧力計の測定値とに基づいて、前記基板処理装置用のピトー管式流量計のピトー管の測定孔の詰まりを検知する制御装置とを備え、
前記基板処理装置用のピトー管式流量計は、
前記薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、
排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、
前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、を備える、基板処理装置。
【請求項11】
請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理装置用のピトー管式流量計を備える基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、
基板を処理する薬品を基板に供給する基板処理ステップと、
前記薬品を含む排気を案内する排気通路に配置された、前記基板処理装置用のピトー管式流量計に、前記薬品を含む排気の流量を測定させる排気流量測定ステップと、
前記排気流量測定ステップの後に、前記基板処理装置用のピトー管式流量計の洗浄液配管によって案内された洗浄液を前記基板処理装置用のピトー管式流量計のピトー管に供給することにより、前記ピトー管を洗浄するピトー管洗浄ステップと、を含む、基板処理方法。
【請求項12】
前記排気流量測定ステップは、前記基板処理装置が設置されるクリーンルームの床の下に配置された、前記基板処理装置用のピトー管式流量計に、前記薬品を含む排気の流量を測定させるステップを含む、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記基板処理装置用のピトー管式流量計の測定値に基づいて、前記基板処理装置内に供給される気体の流量を表す給気流量および前記基板処理装置から排出される気体の流量を表す排気流量の少なくとも一方を変更する気体流量変更ステップをさらに含む、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項14】
基板処理装置用のピトー管式流量計を備える基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、
前記基板処理装置用のピトー管式流量計は、
基板を処理する薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、
排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、
前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、を備え、
前記基板処理方法は、
基板を処理する薬品を基板に供給する基板処理ステップと、
前記薬品を含む排気を案内する排気通路に配置された前記ピトー管式流量計に、前記薬品を含む排気の流量を測定させる排気流量測定ステップと、
前記排気流量測定ステップの後に、前記ピトー管式流量計の洗浄液配管によって案内された洗浄液を前記ピトー管式流量計のピトー管に供給することにより、前記ピトー管を洗浄するピトー管洗浄ステップと、を含み、
前記基板処理装置用のピトー管式流量計のケーシングは、前記ケーシングの中心線が水平な水平姿勢、または、前記ケーシングの中心線が水平面に対して斜めに傾いた傾斜姿勢で、前記排気通路に配置されており、
前記排気流量測定ステップは、前記ケーシングを前記ケーシングの中心線の方向に見たときに前記ピトー管の中心線が水平面に対して斜めに傾いた傾斜姿勢で、前記ケーシング内に配置された、前記基板処理装置用のピトー管式流量計に、前記薬品を含む排気の流量を測定させるステップ、または、前記ケーシングを前記ケーシングの中心線の方向に見たときに前記ピトー管の中心線が水平な水平姿勢で、前記ケーシング内に配置された、前記基板処理装置用のピトー管式流量計に、前記薬品を含む排気の流量を測定させるステップを含む基板処理方法。
【請求項15】
基板処理装置用のピトー管式流量計を備える基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、
前記基板処理装置用のピトー管式流量計は、
基板を処理する薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、
排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、
前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、を備え、
前記基板処理方法は、
基板を処理する薬品を基板に供給する基板処理ステップと、
前記薬品を含む排気を案内する排気通路に配置された前記ピトー管式流量計に、前記薬品を含む排気の流量を測定させる排気流量測定ステップと、
前記排気流量測定ステップの後に、前記ピトー管式流量計の洗浄液配管によって案内された洗浄液を前記ピトー管式流量計のピトー管に供給することにより、前記ピトー管を洗浄するピトー管洗浄ステップと、
前記排気通路に加わる圧力を測定する圧力計の測定値と前記基板処理装置用のピトー管式流量計の測定値とに基づいて、前記基板処理装置用のピトー管式流量計のピトー管の測定孔の詰まりを検知する詰まり検知ステップとを含む、基板処理方法。
【請求項16】
基板処理装置用のピトー管式流量計を備える基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、
前記基板処理装置用のピトー管式流量計は、
基板を処理する薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、
排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、
前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、を備え、
前記基板処理方法は、
基板を処理する薬品を基板に供給する基板処理ステップと、
前記薬品を含む排気を案内する排気通路に配置された前記ピトー管式流量計に、前記薬品を含む排気の流量を測定させる排気流量測定ステップと、
前記排気流量測定ステップの後に、前記ピトー管式流量計の洗浄液配管によって案内された洗浄液を前記ピトー管式流量計のピトー管に供給することにより、前記ピトー管を洗浄するピトー管洗浄ステップと、
前記ピトー管洗浄ステップの後に、流体の吸引および供給の少なくとも一方によって気流を形成することにより、前記ピトー管を乾燥させるピトー管乾燥ステップとを含む、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置用のピトー管式流量計、ピトー管式流量計を備える基板処理装置、およびピトー管式流量計を備える基板処理装置によって実行される基板処理方法に関する。
処理対象の基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板、有機EL(electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板を処理する基板処理装置が用いられる。
特許文献1には、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置が開示されている。この基板処理装置は、基板を処理する複数の処理ユニットと、複数の処理ユニットから排出された排気から液体を分離する複数の気液分離ボックスと、複数の気液分離ボックスにそれぞれ接続された複数の個別排気ダクトと、各個別排気ダクトに接続された集合排気ダクトとを備えている。
【0003】
特許文献1に記載の基板処理装置は、さらに、集合排気ダクト内を流れる排気の流量を調整する集合ダンパーと、集合排気ダクト内を流れる排気の流量を検出する集合流量計とを備えている。特許文献1の段落0081には、集合流量計は、たとえば差圧流量計であり、集合ダンパーの上流で排気圧を検出する第1集合流量計と、集合ダンパーの下流で排気圧を検出する第2集合流量計と、を含む、と記載されている。同段落には、集合流量計は、差圧流量計に限らず、熱式質量流量計、渦流量計、超音波流量計などの他の形式の流量計であってもよい、との記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−119042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板処理装置から排出される排気には、微量の薬品が含まれていることがある。たとえば、酸性薬液、アルカリ性薬液、および有機薬液などの複数種の薬液を同一の基板に順次供給するときには、酸性薬液を含んだ排気と、アルカリ性薬液を含んだ排気と、有機薬液を含んだ排気とが、排気ダクトを順次通過する。この場合、塩などの結晶が排気ダクト内に発生し、排気ダクト内で徐々に蓄積される。同じ基板に供給される薬液の種類が一つだけであっても、薬液に含まれる水分が失われると、残渣や結晶が排気ダクト内に残り、排気ダクト内で徐々に蓄積される。
【0006】
特許文献1には、差圧流量計、熱式質量流量計、渦流量計、または超音波流量計等を集合流量計として用いることが記載されているものの、集合流量計がどの形式の流量計であっても、基板の処理を続けると、残渣や結晶などの異物が集合流量計に付着し、集合流量計に徐々に溜まる。付着した異物の量がわずかであれば、流量の測定に殆ど影響しないものの、異物の量が増えると、流量の測定精度に影響をきたすおそれがある。
【0007】
そこで、本発明の目的の一つは、長期にわたって安定した精度で排気の流量を測定できる基板処理装置用のピトー管式流量計、基板処理装置、および基板処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板を処理する薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、前記ケーシングの内部に流体を供給する少なくとも一つの流体ノズルと、を備え、前記洗浄液配管は、前記少なくとも一つの流体ノズルに接続されている、基板処理装置用のピトー管式流量計である。
この構成によれば、基板を処理する薬品を含む排気が、ケーシング内を下流に流れる。ピトー管は、ケーシング内に配置されている。ケーシング内を下流に流れる排気の全圧(静圧と動圧の和)および静圧は、ピトー管によって検出される。排気の流量、つまり、単位時間においてケーシングを通過する排気の量は、排気の動圧に基づいて計算される。これにより、ケーシングを通過する排気の流量を測定できる。
【0009】
ケーシング内を下流に流れる排気は、測定孔が設けられたピトー管の外周面に接する。ピトー管が長時間排気に晒されると、塩などの異物がピトー管の測定孔に付着する。洗浄液配管によって案内された洗浄液は、ピトー管の測定孔に供給される。これにより、ピトー管の測定孔が残渣や結晶などの異物で詰まることを防止でき、長期にわたって安定した精度で排気の流量を測定できる。
【0010】
さらに、洗浄液をピトー管やケーシングに供給するので、これらに付着している異物が洗浄液に溶ける場合には、異物を洗浄液で溶かしながら除去することができる。たとえば、酸性薬品とアルカリ性薬品との接触によって発生した塩や、水分の消失によって薬液から析出した結晶は水に溶けるので、水を含む洗浄液をピトー管等に供給すれば、塩や結晶を効果的に除去できる。したがって、洗浄液の代わりに洗浄ガスを用いる場合に比べて異物を確実に除去できる。
この構成によれば、前述の効果(以下、「前者の効果」という。)に加え、次の効果を奏することができる。具体的には、洗浄液が、洗浄液配管から流体ノズルに供給され、流体ノズルから吐出される。これにより、ケーシングの内部に洗浄液が供給される。したがって、ケーシングの内面を洗浄液で洗浄できる。それだけでなく、ピトー管などのケーシングの内部に配置された部材も洗浄液で洗浄できる。これにより、長期にわたって安定した精度で排気の流量を測定できる。
【0011】
基板を処理する薬品は、薬液の蒸気(薬品の気体)またはミスト(薬品の微小な液滴)であってもよいし、薬液(薬品の液体)であってもよい。同様に、排気に含まれる薬品は、薬品の蒸気(薬品の気体)であってもよいし、薬品のミスト(薬品の微小な液滴)であってもよい。
排気の全圧および静圧は、2つのピトー管によって測定されてもよいし、1つのピトー管によって測定されてもよい。つまり、基板処理装置用のピトー管式流量計は、排気の全圧および静圧をそれぞれ測定する2つのピトー管(全圧測定管および静圧測定管)を備えていてもよいし、全圧測定管および静圧測定管が一体化された1つのピトー管を備えていてもよい。
【0012】
前記基板処理装置用のピトー管式流量計は、前記ピトー管に接続された測定配管をさらに備えていてもよい。前記洗浄液配管は、前記測定配管を介して前記ピトー管に接続されていてもよい
この構成によれば、ピトー管の測定孔に加わる圧力(全圧または静圧)が測定配管を介して差圧計に伝達される。洗浄液配管によって案内された洗浄液は、測定配管を介してピトー管の内部空間に供給される。ピトー管内の洗浄液は、測定孔からピトー管の外に排出される。異物が測定孔に付着していれば、この異物は測定孔から排出される洗浄液によって洗い流される。これにより、ピトー管の測定孔が異物で詰まることを防止でき、長期にわたって安定した精度で排気の流量を測定できる。
【0013】
加えて、測定配管を介してピトー管の内部空間に洗浄液を供給するので、洗浄液を吐出する流体ノズルをケーシング内に配置しなくてもよい。流体ノズルをケーシング内に配置すると、わずかではあるが、排気の流れに影響が及ぶ。したがって、排気の流れに影響を及ぼすことなく、ピトー管を洗浄できる。さらに、流体ノズルを設けなくてもよいので、部品点数を減らすことができる。
【0015】
請求項に記載の発明は、前記少なくとも一つの流体ノズルは、前記ケーシング内に配置されており、前記ピトー管の外周面に向けて流体を吐出する流体ノズルを含む、請求項に記載の基板処理装置用のピトー管式流量計である。
この構成によれば、洗浄液配管によって案内された洗浄液が、ケーシング内に配置された流体ノズルに供給され、流体ノズルからピトー管の外周面に向けて吐出される。これにより、洗浄液がピトー管の測定孔に供給される。異物が測定孔に付着していれば、この異物は流体ノズルから吐出された洗浄液によって洗い流される。これにより、ピトー管の測定孔が異物で詰まることを防止でき、長期にわたって安定した精度で排気の流量を測定できる。
【0016】
請求項に記載の発明は、基板を処理する薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、前記ピトー管に接続された測定配管と、前記測定配管を介して前記ピトー管内の流体を吸引する吸引配管と備える基板処理装置用のピトー管式流量計である。
この構成によれば、前者の効果に加え、次の効果を奏することができる。具体的には、ピトー管が洗浄液で洗浄された後に、ピトー管内の流体が、ピトー管に接続された測定配管を介して吸引配管に吸引される。異物や洗浄液がピトー管の中に残留していたとしても、これらは測定配管を介して吸引配管に吸引される。さらに、ピトー管の外から測定孔を介してピトー管の中に入る気流が形成されるので、測定孔に付着している洗浄液の乾燥が促進される。したがって、ピトー管を排気の流れで乾燥させる場合に比べて短時間でピトー管を乾燥させることができる。
【0017】
請求項に記載の発明は、基板を処理する薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、前記ピトー管に接続された測定配管と、前記測定配管を介して前記ピトー管に接続されており、前記測定配管を介して前記ピトー管に供給される気体を案内するガス配管と備える基板処理装置用のピトー管式流量計である。
この構成によれば、前者の効果に加え、次の効果を奏することができる。具体的には、ピトー管が洗浄液で洗浄された後に、ガス配管によって案内された気体が、測定配管を介してピトー管の内部空間に供給される。ピトー管内の気体は、測定孔からピトー管の外に排出される。これにより、測定孔を介してピトー管の中からピトー管の外に出る気流が形成されるので、測定孔に付着している洗浄液の乾燥が促進される。したがって、ピトー管を排気の流れで乾燥させる場合に比べて短時間でピトー管を乾燥させることができる。
【0018】
請求項に記載の発明は、基板を処理する薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、前記ケーシング内に配置されており、前記ピトー管の外周面に向けて流体を吐出する流体ノズルと、前記流体ノズルに接続されており、前記流体ノズルに供給される気体を案内するガス配管と備える基板処理装置用のピトー管式流量計である。
【0019】
この構成によれば、前者の効果に加え、次の効果を奏することができる。具体的には、ピトー管が洗浄液で洗浄された後に、ガス配管によって案内された気体が、ケーシング内に配置された流体ノズルに供給され、流体ノズルからピトー管の外周面に向けて吐出される。これにより、測定孔に付着している洗浄液の乾燥が促進される。したがって、ピトー管を排気の流れで乾燥させる場合に比べて短時間でピトー管を乾燥させることができる。
【0020】
洗浄液配管が流体ノズルに接続される場合、基板処理装置用のピトー管式流量計は、洗浄液配管が接続された洗浄液ノズルと、ガス配管が接続されたガスノズルとを備えていてもよいし、洗浄液配管およびガス配管の両方が1つの流体ノズルに接続されていてもよい。
請求項に記載の発明は、基板を処理する薬品を基板に供給する処理ユニットと、前記薬品を含む排気が通過する排気通路と、前記排気通路に配置されており、前記薬品を含む排気の流量を測定する、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理装置用のピトー管式流量計とを備える、基板処理装置である。
【0021】
この構成によれば、基板を処理する薬品が基板に供給される。これにより、基板が処理される。薬品を含む排気は、排気通路を通じて排出される。ピトー管式流量計は排気通路に配置されている。これにより、排気通路を流れる排気の流量を測定できる。さらに、ピトー管式流量計のピトー管が洗浄液で洗浄されるので、ピトー管の測定孔が異物で詰まることを防止でき、長期にわたって安定した精度で排気の流量を測定できる。加えて、ピトー管式流量計は、オリフィス流量計などの他の形式の流量計と比べて圧力損失が小さいので、エネルギーの消費量を減らすことができる。
【0022】
請求項に記載の発明は、前記基板処理装置用のピトー管式流量計は、前記基板処理装置が設置されるクリーンルームの床の下に配置される、請求項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、ピトー管式流量計がクリーンルームの床の下に配置される。作業者が自身の手に持ったノズルやブラシを利用して、ケーシングの内部やピトー管を洗浄することが考えられる。しかしながら、ピトー管式流量計が地下に配置されている場合、ピトー管式流量計を簡単にはこのように洗浄できない。これは、クリーンルームの地下に配置された部材へのアクセスが容易ではないからである。したがって、ピトー管に洗浄液を供給する洗浄液配管を設けることにより、ピトー管式流量計を簡単に洗浄できる。
請求項8に記載の発明は、前記基板処理装置内に供給される気体の流量を表す給気流量および前記基板処理装置から排出される気体の流量を表す排気流量の少なくとも一方を変更する気体流量変更ユニットと、前記基板処理装置用のピトー管式流量計の測定値に基づいて、前記気体流量変更ユニットに前記給気流量および排気流量の少なくとも一方を変更させる制御装置とをさらに備える、請求項6または7に記載の基板処理装置である。
前記気体流量変更ユニットは、前記基板処理装置内に気体を送る送風機であってもよいし、前記排気通路の流路断面積を変更する排気ダンパーであってもよいし、これら両方を備えていてもよい。送風機の設定値、つまり、送風機が基板処理装置内に送る気体の流量の設定値が同じであっても、基板処理装置内の気体の流速が一定であり続けるとは限らない。これは、基板処理装置の状態が変わるからである。制御装置は、流量計の測定値に基づいて送風機から基板処理装置内に送られる気体の流量を変更する。したがって、基板処理装置内の気体の流速を一定に維持したり、意図的に変化させたりすることができる。
【0023】
請求項に記載の発明は、基板を処理する薬品を基板に供給する処理ユニットと、前記薬品を含む排気が通過する排気通路と、前記排気通路に配置されており、前記薬品を含む排気の流量を測定する、基板処理装置用のピトー管式流量計とを備え、前記基板処理装置用のピトー管式流量計は、前記薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、を備え、前記ケーシングは、前記ケーシングの中心線が水平な水平姿勢、または、前記ケーシングの中心線が水平面に対して斜めに傾いた傾斜姿勢で、前記排気通路に配置されており、前記ピトー管は、前記ケーシングを前記ケーシングの中心線の方向に見たときに前記ピトー管の中心線が水平面に対して斜めに傾いた傾斜姿勢、または、前記ケーシングを前記ケーシングの中心線の方向に見たときに前記ピトー管の中心線が水平な水平姿勢で、前記ケーシング内に配置されている基板処理装置である。
【0024】
この構成によれば、前者の効果に加え、次の効果を奏することができる。具体的には、ケーシングの中心線が、水平に延びている、もしくは、水平面に対して斜めに傾いている。ピトー管は、通常、ケーシングの内周面の直径、つまり、ケーシングの中心線を通り、両端がケーシングの内周面上に配置された線分上に配置される。ケーシングが前述のような姿勢であり、ピトー管の中心線が鉛直である場合、残渣や結晶などの異物がピトー管の下端部に溜まり易い。したがって、ピトー管を鉛直面に対して斜めに傾けるもしくは鉛直面に直交させることにより、このような異物の付着を軽減できる。
【0027】
請求項10に記載の発明は、基板を処理する薬品を基板に供給する処理ユニットと、前記薬品を含む排気が通過する排気通路と、前記排気通路に配置されており、前記薬品を含む排気の流量を測定する、基板処理装置用のピトー管式流量計と、前記排気通路に加わる圧力を測定する圧力計と、前記基板処理装置用のピトー管式流量計の測定値と前記圧力計の測定値とに基づいて、前記基板処理装置用のピトー管式流量計のピトー管の測定孔の詰まりを検知する制御装置とを備え、前記基板処理装置用のピトー管式流量計は、前記薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、を備える、基板処理装置である。
この構成によれば、前者の効果に加え、次の効果を奏することができる。具体的には、排気通路に加わる圧力が圧力計によって測定される。排気通路内を流れる排気の流速が一定であれば、ピトー管式流量計の測定値もほぼ一定であり、圧力計の測定値もほぼ一定である。言い換えると、ピトー管の測定孔に詰まりがなく、ピトー管式流量計が適切に機能していれば、ピトー管式流量計の測定値と圧力計の測定値は、一定の関係にある。したがって、ピトー管式流量計の測定値と圧力計の測定値との関係が崩れていると、ピトー管の測定孔に異物が付着している可能性がある。制御装置は、ピトー管式流量計の測定値と圧力計の測定値とに基づいてこれを検知する。これにより、測定孔の詰まりを未然に検知できる。
【0028】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理装置用のピトー管式流量計を備える基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、基板を処理する薬品を基板に供給する基板処理ステップと、前記薬品を含む排気を案内する排気通路に配置された、前記基板処理装置用のピトー管式流量計に、前記薬品を含む排気の流量を測定させる排気流量測定ステップと、前記排気流量測定ステップの後に、前記基板処理装置用のピトー管式流量計の洗浄液配管によって案内された洗浄液を前記基板処理装置用のピトー管式流量計のピトー管に供給することにより、前記ピトー管を洗浄するピトー管洗浄ステップと、を含む、基板処理方法である。この構成によれば、前述の効果と同様な効果を奏することができる。
【0029】
請求項12に記載の発明は、前記排気流量測定ステップは、前記基板処理装置が設置されるクリーンルームの床の下に配置された、前記基板処理装置用のピトー管式流量計に、前記薬品を含む排気の流量を測定させるステップを含む、請求項11に記載の基板処理方法である。この構成によれば、前述の効果と同様な効果を奏することができる。
請求項13に記載の発明は、前記基板処理装置用のピトー管式流量計の測定値に基づいて、前記基板処理装置内に供給される気体の流量を表す給気流量および前記基板処理装置から排出される気体の流量を表す排気流量の少なくとも一方を変更する気体流量変更ステップをさらに含む、請求項11に記載の基板処理方法である。この構成によれば、前述の効果と同様な効果を奏することができる。
請求項14に記載の発明は、基板処理装置用のピトー管式流量計を備える基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、前記基板処理装置用のピトー管式流量計は、基板を処理する薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、を備え、前記基板処理方法は、基板を処理する薬品を基板に供給する基板処理ステップと、前記薬品を含む排気を案内する排気通路に配置された前記ピトー管式流量計に、前記薬品を含む排気の流量を測定させる排気流量測定ステップと、前記排気流量測定ステップの後に、前記ピトー管式流量計の洗浄液配管によって案内された洗浄液を前記ピトー管式流量計のピトー管に供給することにより、前記ピトー管を洗浄するピトー管洗浄ステップと、を含み、前記基板処理装置用のピトー管式流量計のケーシングは、前記ケーシングの中心線が水平な水平姿勢、または、前記ケーシングの中心線が水平面に対して斜めに傾いた傾斜姿勢で、前記排気通路に配置されており、前記排気流量測定ステップは、前記ケーシングを前記ケーシングの中心線の方向に見たときに前記ピトー管の中心線が水平面に対して斜めに傾いた傾斜姿勢で、前記ケーシング内に配置された、前記基板処理装置用のピトー管式流量計に、前記薬品を含む排気の流量を測定させるステップ、または、前記ケーシングを前記ケーシングの中心線の方向に見たときに前記ピトー管の中心線が水平な水平姿勢で、前記ケーシング内に配置された、前記基板処理装置用のピトー管式流量計に、前記薬品を含む排気の流量を測定させるステップを含む基板処理方法である。この構成によれば、前述の効果と同様な効果を奏することができる。
【0031】
請求項15に記載の発明は、基板処理装置用のピトー管式流量計を備える基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、前記基板処理装置用のピトー管式流量計は、基板を処理する薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、を備え、前記基板処理方法は、基板を処理する薬品を基板に供給する基板処理ステップと、前記薬品を含む排気を案内する排気通路に配置された前記ピトー管式流量計に、前記薬品を含む排気の流量を測定させる排気流量測定ステップと、前記排気流量測定ステップの後に、前記ピトー管式流量計の洗浄液配管によって案内された洗浄液を前記ピトー管式流量計のピトー管に供給することにより、前記ピトー管を洗浄するピトー管洗浄ステップと、前記排気通路に加わる圧力を測定する圧力計の測定値と前記基板処理装置用のピトー管式流量計の測定値とに基づいて、前記基板処理装置用のピトー管式流量計のピトー管の測定孔の詰まりを検知する詰まり検知ステップとを含む、基板処理方法である。この構成によれば、前述の効果と同様な効果を奏することができる。
【0032】
請求項16に記載の発明は、基板処理装置用のピトー管式流量計を備える基板処理装置によって実行される基板処理方法であって、前記基板処理装置用のピトー管式流量計は、基板を処理する薬品を含む排気が通過する筒状のケーシングと、排気に接する測定孔が開口した外周面を含み、前記ケーシング内に配置されたピトー管と、前記ピトー管に供給される洗浄液を案内する洗浄液配管と、を備え、前記基板処理方法は、基板を処理する薬品を基板に供給する基板処理ステップと、前記薬品を含む排気を案内する排気通路に配置された前記ピトー管式流量計に、前記薬品を含む排気の流量を測定させる排気流量測定ステップと、前記排気流量測定ステップの後に、前記ピトー管式流量計の洗浄液配管によって案内された洗浄液を前記ピトー管式流量計のピトー管に供給することにより、前記ピトー管を洗浄するピトー管洗浄ステップと、前記ピトー管洗浄ステップの後に、流体の吸引および供給の少なくとも一方によって気流を形成することにより、前記ピトー管を乾燥させるピトー管乾燥ステップとを含む、基板処理方法である。この構成によれば、前述の効果と同様な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置を上から見た模式図である。
図2】基板処理装置を側方から見た模式図である。
図3】基板処理装置に備えられた処理ユニットの内部を水平に見た模式図である。
図4】制御装置のハードウェアを示すブロック図である。
図5】基板処理装置によって行われる基板の処理の一例について説明するための工程図である。
図6】基板処理装置の排気システムについて説明するための模式図である。
図7】ケーシングの中心線を含む平面で切断された流量計の断面を示す断面図である。
図8図7に示す矢印VIIIの方向に流量計を見た図である。
図9図7に示すIX−IX線に沿う流量計の断面を示す断面図である。
図10図9に示すX−X線に沿うピトー管の断面を示す断面図である。
図11A】ピトー管を洗浄している状態を示す断面図である。
図11B】ピトー管を乾燥させている状態を示す断面図である。
図12】本発明の第1実施形態の第1変形例を示す断面図であり、ケーシングの中心線を含む平面で切断された流量計の断面を示している。
図13】本発明の第1実施形態の第2変形例を示す断面図であり、ケーシングの中心線を含む平面で切断された流量計の断面を示している。
図14】本発明の第1実施形態の第3変形例を示す断面図であり、ケーシングの中心線に直交する平面で切断された流量計の断面を示している。
図15】本発明の第2実施形態に係るタイムチャートであり、基板の回転速度とFFUからチャンバー内に供給されるクリーンエアーの流量とチャンバーから排出される排気の流量の経時的な変化を示している。
図16】本発明の第3実施形態に係るフローチャートであり、制御装置が流量計の洗浄を行うか否かを判断するときの流れを示している。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1を上から見た模式図である。図2は、基板処理装置1を側方から見た模式図である。
図1に示すように、基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、1つのロットを構成する1枚以上の基板Wを収容するキャリアCを保持するロードポートLPと、ロードポートLP上のキャリアCから搬送された基板Wを処理液や処理ガスなどの処理流体で処理する複数の処理ユニット2と、ロードポートLP上のキャリアCと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する搬送ロボットと、基板処理装置1を制御する制御装置3とを備えている。
【0035】
搬送ロボットは、ロードポートLP上のキャリアCに対して基板Wの搬入および搬出を行うインデクサロボットIRと、複数の処理ユニット2に対して基板Wの搬入および搬出を行うセンターロボットCRとを含む。インデクサロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送し、センターロボットCRは、インデクサロボットIRと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、基板Wを支持するハンドH1を含み、インデクサロボットIRは、基板Wを支持するハンドH2を含む。
【0036】
複数の処理ユニット2は、平面視でセンターロボットCRのまわりに配置された複数のタワーTWを形成している。図1は、4つのタワーTWが形成されている例を示している。図2に示すように、各タワーTWは、上下に積層された複数(たとえば3つ)の処理ユニット2を含む。各タワーTWは、基板処理装置1が設置されるクリーンルームの床Fの上方に配置されている。
【0037】
図3は、基板処理装置1に備えられた処理ユニット2の内部を水平に見た模式図である。
処理ユニット2は、内部空間を有する箱型のチャンバー4と、チャンバー4内で1枚の基板Wを水平に保持しながら基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線A1まわりに回転させるスピンチャック8と、回転軸線A1まわりにスピンチャック8を取り囲む筒状の処理カップ13とを含む。
【0038】
チャンバー4は、基板Wが通過する搬入搬出口5bが設けられた箱型の隔壁5と、搬入搬出口5bを開閉するシャッター7とを含む。処理ユニット2のFFU6(ファン・フィルター・ユニット)は、隔壁5の上部に設けられた送風口5aの上に配置されている。FFU6は、クリーンエアー(フィルターによってろ過された空気)を送風口5aからチャンバー4内に常時供給する。チャンバー4内の気体は、処理カップ13の底部に接続された排気ダクト41を通じてチャンバー4から排出される。これにより、クリーンエアーのダウンフローがチャンバー4内に常時形成される。
【0039】
スピンチャック8は、水平な姿勢で保持された円板状のスピンベース10と、スピンベース10の上方で基板Wを水平な姿勢で保持する複数のチャックピン9と、スピンベース10の中央部から下方に延びるスピン軸11と、スピン軸11を回転させることによりスピンベース10および複数のチャックピン9を回転させるスピンモータ12とを含む。スピンチャック8は、複数のチャックピン9を基板Wの外周面に接触させる挟持式のチャックに限らず、非デバイス形成面である基板Wの裏面(下面)をスピンベース10の上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持するバキューム式のチャックであってもよい。
【0040】
処理カップ13は、基板Wから外方に排出された液体を受け止めるガード14と、ガード14によって下方に案内された液体を受け止めるカップ15と、ガード14およびカップ15を取り囲む円筒状の外壁部材16とを含む。処理カップ13は、複数のガード14と複数のカップ15とを備えていてもよい。
ガード14は、スピンチャック8を取り囲む円筒状の筒状部14bと、筒状部14bの上端部から回転軸線A1に向かって斜め上に延びる円環状の天井部14aとを含む。カップ15は、筒状部14bの下方に配置されている。カップ15は、上向きに開いた環状の受液溝を形成している。ガード14によって受け止められた液体は、受液溝に案内される。
【0041】
処理ユニット2は、ガード14を昇降させるガード昇降ユニット17を含む。ガード昇降ユニット17は、上位置(図3に示す位置)から下位置までの任意の位置にガード14を位置させる。上位置は、ガード14の上端14uがスピンチャック8に保持されている基板Wが配置される保持位置よりも上方に配置される位置である。下位置は、ガード14の上端14uが保持位置よりも下方に配置される位置である。天井部14aの円環状の上端は、ガード14の上端14uに相当する。ガード14の上端14uは、平面視で基板Wおよびスピンベース10を取り囲んでいる。
【0042】
スピンチャック8が基板Wを回転させている状態で、処理液が基板Wに供給されると、基板Wに供給された処理液が基板Wの周囲に振り切られる。処理液が基板Wに供給されるとき、ガード14の上端14uが、基板Wよりも上方に配置される。したがって、基板Wの周囲に排出された薬液やリンス液などの処理液は、ガード14に受け止められ、カップ15に案内される。
【0043】
処理ユニット2は、スピンチャック8に保持されている基板Wに向けて処理液を吐出する複数の処理液ノズルを含む。複数の処理液ノズルは、基板Wに向けて酸性の薬液を吐出する酸性薬液ノズル18と、基板Wに向けてアルカリ性の薬液を吐出するアルカリ性薬液ノズル21と、基板Wに向けて有機薬液を吐出する有機薬液ノズル24と、基板Wに向けてリンス液を吐出するリンス液ノズル27とを含む。
【0044】
酸性薬液ノズル18は、チャンバー4内で水平に移動可能なスキャンノズルであってもよいし、チャンバー4の隔壁5に対して固定された固定ノズルであってもよい。アルカリ性薬液ノズル21、有機薬液ノズル24、およびリンス液ノズル27についても同様である。たとえば酸性薬液ノズル18がスキャンノズルである場合、チャンバー4内で酸性薬液ノズル18を移動させるノズル移動ユニットを処理ユニット2に設ければよい。
【0045】
処理ユニット2は、酸性薬液ノズル18に接続された酸性薬液配管19と、酸性薬液配管19の内部を開閉する酸性薬液バルブ20とを含む。同様に、処理ユニット2は、アルカリ性薬液ノズル21に接続されたアルカリ性薬液配管22と、アルカリ性薬液配管22の内部を開閉するアルカリ性薬液バルブ23と、有機薬液ノズル24に接続された有機薬液配管25と、有機薬液配管25の内部を開閉する有機薬液バルブ26と、リンス液ノズル27に接続されたリンス液配管28と、リンス液配管28の内部を開閉するリンス液バルブ29とを含む。
【0046】
図示はしないが、酸性薬液バルブ20は、液体が流れる内部流路と内部流路を取り囲む環状の弁座とが設けられたバルブボディと、弁座に対して移動可能な弁体と、弁体が弁座に接触する閉位置と弁体が弁座から離れた開位置との間で弁体を移動させるアクチュエータとを含む。他のバルブについても同様である。アクチュエータは、空圧アクチュエータまたは電動アクチュエータであってもよいし、これら以外のアクチュエータであってもよい。制御装置3は、アクチュエータを制御することにより、酸性薬液バルブ20を開閉させる。
【0047】
酸性薬液バルブ20が開かれると、酸性薬液供給源からの酸性薬液が、基板Wの上面に向けて酸性薬液ノズル18から吐出される。同様に、アルカリ性薬液バルブ23、有機薬液バルブ26、およびリンス液バルブ29のいずれかが開かれると、アルカリ性薬液、有機薬液、およびリンス液のいずれかが、アルカリ性薬液ノズル21、有機薬液ノズル24、およびリンス液ノズル27のいずれかから基板Wの上面に向けて吐出される。これにより、基板Wの上面に処理液が供給される。
【0048】
酸性薬液の一例は、フッ酸(フッ化水素酸)であり、アルカリ性薬液の一例は、SC−1(アンモニア過酸化水素水)である。有機薬液の一例は、IPA(イソプロピルアルコール)であり、リンス液の一例は、純水(脱イオン水:DIW(Deionized Water))である。IPAは、水よりも表面張力が低く、水よりも揮発性が高い有機溶剤の一例である。
【0049】
酸性薬液は、硫酸や塩酸などのフッ酸以外の酸性薬液であってもよい。アルカリ性薬液は、TMAH(トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド)などのSC−1以外のアルカリ性薬液であってもよい。有機薬液は、HFE(ハイドロフロロエーテル)などのIPA以外の有機薬液であってもよい。リンス液は、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、および希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水などの純水以外のリンス液であってもよい。
【0050】
図4は、制御装置3のハードウェアを示すブロック図である。
制御装置3は、コンピュータ本体31と、コンピュータ本体31に接続された周辺装置34とを含む、コンピュータである。コンピュータ本体31は、各種の命令を実行するCPU32(central processing unit:中央処理装置)と、情報を記憶する主記憶装置33とを含む。周辺装置34は、プログラムP等の情報を記憶する補助記憶装置35と、リムーバブルメディアMから情報を読み取る読取装置36と、ホストコンピュータ等の他の装置と通信する通信装置37とを含む。
【0051】
制御装置3は、入力装置38、表示装置39、および警報装置40に接続されている。入力装置38は、ユーザーやメンテナンス担当者などの操作者が基板処理装置1に情報を入力するときに操作される。情報は、表示装置39の画面に表示される。入力装置38は、キーボード、ポインティングデバイス、およびタッチパネルのいずれかであってもよいし、これら以外の装置であってもよい。入力装置38および表示装置39を兼ねるタッチパネルディスプレイが基板処理装置1に設けられていてもよい。警報装置40は、光、音、文字、および図形のうちの1つ以上を用いて警報を発する。入力装置38がタッチパネルディスプレイの場合、入力装置38が、警報装置40を兼ねていてもよい。
【0052】
CPU32は、補助記憶装置35に記憶されたプログラムPを実行する。補助記憶装置35内のプログラムPは、制御装置3に予めインストールされたものであってもよいし、読取装置36を通じてリムーバブルメディアMから補助記憶装置35に送られたものであってもよいし、ホストコンピュータなどの外部装置から通信装置37を通じて補助記憶装置35に送られたものであってもよい。
【0053】
補助記憶装置35およびリムーバブルメディアMは、電力が供給されていなくても記憶を保持する不揮発性メモリーである。補助記憶装置35は、たとえば、ハードディスクドライブ等の磁気記憶装置である。リムーバブルメディアMは、たとえば、コンパクトディスクなどの光ディスクまたはメモリーカードなどの半導体メモリーである。リムーバブルメディアMは、プログラムPが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体の一例である。
【0054】
補助記憶装置35は、複数のレシピを記憶している。レシピは、基板Wの処理内容、処理条件、および処理手順を規定する情報である。複数のレシピは、基板Wの処理内容、処理条件、および処理手順の少なくとも一つにおいて互いに異なる。制御装置3は、ホストコンピュータによって指定されたレシピにしたがって基板Wが処理されるように基板処理装置1を制御する。以下の各工程は、制御装置3が基板処理装置1を制御することにより実行される。言い換えると、制御装置3は、以下の各工程を実行するようにプログラムされている。
【0055】
次に、基板処理装置1によって行われる基板Wの処理の一例について説明する。
図5は、基板処理装置1によって行われる基板Wの処理の一例について説明するための工程図である。以下では、図1図3および図5を参照する。
基板処理装置1によって基板Wが処理されるときは、チャンバー4内に基板Wを搬入する搬入工程が行われる。
【0056】
具体的には、ガード14が下位置に位置している状態で、センターロボットCRが、基板WをハンドH1で支持しながら、ハンドH1をチャンバー4内に進入させる(図5のステップS1)。その後、センターロボットCRは、ハンドH1上の基板Wをスピンチャック8の上に置く。センターロボットCRは、基板Wをスピンチャック8の上に置いた後、ハンドH1をチャンバー4の内部から退避させる。
【0057】
次に、酸性薬液の一例であるフッ酸を基板Wに供給する酸性薬液供給工程が行われる。
具体的には、ガード昇降ユニット17は、ガード14を上位置まで上昇させて、ガード14の内面を基板Wの外周面に水平に対向させる。スピンモータ12は、基板Wがチャックピン9によって把持されている状態で回転を開始する。これにより、基板Wの回転が開始される(図5のステップS2)。この状態で、酸性薬液バルブ20が開かれ、酸性薬液ノズル18がフッ酸の吐出を開始する(図5のステップS3)。
【0058】
酸性薬液ノズル18から吐出されたフッ酸は、基板Wの上面に着液した後、回転している基板Wの上面に沿って外方に流れる。これにより、基板Wの上面全域を覆うフッ酸の液膜が基板W上に形成される。酸性薬液バルブ20が開かれてから所定時間が経過すると、酸性薬液バルブ20が閉じられ、酸性薬液ノズル18からのフッ酸の吐出が停止される。
次に、リンス液の一例である純水を基板Wに供給する第1リンス液供給工程が行われる。
【0059】
具体的には、リンス液バルブ29が開かれ、リンス液ノズル27が純水の吐出を開始する(図5のステップS4)。リンス液ノズル27から吐出された純水は、基板Wの上面に着液した後、回転している基板Wの上面に沿って外方に流れる。これにより、基板W上のフッ酸が純水に置換され、基板Wの上面全域を覆う純水の液膜が形成される。その後、リンス液バルブ29が閉じられ、リンス液ノズル27からの純水の吐出が停止される。
【0060】
次に、アルカリ性薬液の一例であるSC−1を基板Wに供給するアルカリ性薬液供給工程が行われる。
具体的には、アルカリ性薬液バルブ23が開かれ、アルカリ性薬液ノズル21がSC−1の吐出を開始する(図5のステップS5)。アルカリ性薬液ノズル21から吐出されたSC−1は、基板Wの上面に着液した後、回転している基板Wの上面に沿って外方に流れる。これにより、基板W上の純水がSC−1に置換され、基板Wの上面全域を覆うSC−1の液膜が形成される。その後、アルカリ性薬液バルブ23が閉じられ、アルカリ性薬液ノズル21からのSC−1の吐出が停止される。
【0061】
次に、リンス液の一例である純水を基板Wに供給する第2リンス液供給工程が行われる。
具体的には、リンス液バルブ29が開かれ、リンス液ノズル27が純水の吐出を開始する(図5のステップS6)。リンス液ノズル27から吐出された純水は、基板Wの上面に着液した後、回転している基板Wの上面に沿って外方に流れる。これにより、基板W上のSC−1が純水に置換され、基板Wの上面全域を覆う純水の液膜が形成される。その後、リンス液バルブ29が閉じられ、リンス液ノズル27からの純水の吐出が停止される。
【0062】
次に、有機薬液の一例であるIPAを基板Wに供給する有機薬液供給工程が行われる。
具体的には、有機薬液バルブ26が開かれ、有機薬液ノズル24がIPAの吐出を開始する(図5のステップS7)。有機薬液ノズル24から吐出されたIPAは、基板Wの上面に着液した後、回転している基板Wの上面に沿って外方に流れる。これにより、基板W上の純水がIPAに置換され、基板Wの上面全域を覆うIPAの液膜が形成される。その後、有機薬液バルブ26が閉じられ、有機薬液ノズル24からのIPAの吐出が停止される。
【0063】
次に、基板Wの回転によって基板Wを乾燥させる乾燥工程(スピンドライ工程)が行われる。
具体的には、スピンモータ12が基板Wを回転方向に加速させ、第1薬液供給工程から有機薬液供給工程までの期間における基板Wの回転速度よりも大きい乾燥速度(たとえば数千rpm)で基板Wを回転させる。これにより、液体が基板Wから除去され、基板Wが乾燥する(図5のステップS8)。基板Wの高速回転が開始されてから所定時間が経過すると、スピンモータ12が回転を停止する。これにより、基板Wの回転が停止される(図5のステップS9)。
【0064】
次に、基板Wをチャンバー4から搬出する搬出工程が行われる。
具体的には、ガード昇降ユニット17がガード14を下位置まで下降させる。この状態で、センターロボットCRが、ハンドH1をチャンバー4内に進入させる。センターロボットCRは、複数のチャックピン9が基板Wの把持を解除した後、スピンチャック8上の基板WをハンドH1で支持する。その後、センターロボットCRは、基板WをハンドH1で支持しながら、ハンドH1をチャンバー4の内部から退避させる。これにより、処理済みの基板Wがチャンバー4から搬出される(図5のステップS10)。
【0065】
次に、基板処理装置1の排気システムについて説明する。
図6は、基板処理装置1の排気システムについて説明するための模式図である。以下の説明における上流および下流は、排気通路44内における排気の流れ方向Dfの上流および下流を意味する。
基板処理装置1は、基板処理装置1内で発生した排気を基板処理装置1が設置される工場に設けられた排気処理設備の方に案内する排気ダクト41を備えている。排気ダクト41は、複数の処理ユニット2から排気処理設備の方に延びる排気通路44を形成している。排気ダクト41は、複数の処理ユニット2にそれぞれ対応する複数の個別排気ダクト42と、複数のタワーTWにそれぞれ対応する複数の集合排気ダクト43とを含む。
【0066】
複数の個別排気ダクト42は、それぞれ、複数の処理ユニット2に接続されている。集合排気ダクト43は、1つのタワーTWに対応する全ての個別排気ダクト42に接続されている。言い換えると、1つのタワーTWに含まれる全ての処理ユニット2に接続された全ての個別排気ダクト42が、1つの集合排気ダクト43に接続されている。
各集合排気ダクト43は、基板処理装置1の排気を常時吸引する排気処理設備に接続されている。基板処理装置1は、排気通路44に加わる圧力(負圧)を測定する複数の圧力計45と、排気通路44を流れる排気の流量を測定する複数の流量計46と、排気通路44の流路断面積(排気の流れ方向Dfに直交する断面の面積)を変更する複数の排気ダンパー47とを備えている。排気ダンパー47は、マニュアルダンパーであってもよいし、オートダンパーであってもよい。排気ダンパー47がオートダンパーである場合、排気ダンパー47は、バタフライバルブなどのバルブと、バルブの開度を変更するアクチュエータとを含む。
【0067】
複数の圧力計45は、それぞれ、複数の個別排気ダクト42に対応している。同様に、複数の流量計46は、それぞれ、複数の個別排気ダクト42に対応しており、複数の排気ダンパー47は、それぞれ、複数の個別排気ダクト42に対応している。つまり、圧力計45、流量計46、および排気ダンパー47は、個別排気ダクト42ごとに設けられており、対応する個別排気ダクト42に接続されている。
【0068】
図6は、圧力計45、流量計46、および排気ダンパー47が、上流側から圧力計45、流量計46、排気ダンパー47の順番で排気の流れ方向Dfに並んでいる例を示している。圧力計45は、流量計46の上流に配置されており、流量計46は、排気ダンパー47の上流に配置されている。圧力計45、流量計46、および排気ダンパー47の順番は、これに限られない。
【0069】
圧力計45、流量計46、および排気ダンパー47は、クリーンルームの床Fの下の空間である床下空間に配置されている。したがって、個別排気ダクト42の一部は、クリーンルームの床下空間に配置されている。個別排気ダクト42の下流端は、クリーンルームの床下空間で集合排気ダクト43に接続されている。集合排気ダクト43は、クリーンルームの床下空間に配置されている。
【0070】
次に、排気の流量を測定する流量計46について説明する。
以下の説明において、全圧測定管55tおよび静圧測定管55sのいずれでも構わない場合はピトー管55といい、全圧測定孔56tおよび静圧測定孔56sのいずれでも構わない場合は測定孔56という。
図7は、ケーシング51の中心線L1を含む平面で切断された流量計46の断面を示す断面図である。図8は、図7に示す矢印VIIIの方向に流量計46を見た図である。図9は、図7に示すIX−IX線に沿う流量計46の断面を示す断面図である。図10は、図9に示すX−X線に沿うピトー管55の断面を示す断面図である。
【0071】
流量計46は、ピトー管式流量計である。図7に示すように、流量計46は、排気通路44の一部を形成するケーシング51と、ケーシング51内を下流に流れる排気の全圧および静圧を測定する2つのピトー管55と、2つのピトー管55にそれぞれ接続された2つの測定配管57と、ケーシング51内を下流に流れる排気の流れを2つのピトー管55の上流で整える整流部材59とを含む。2つのピトー管55は、2つの測定配管57を介して差圧計58に接続されている。
【0072】
ケーシング51は、排気通路44の一部を形成するメインチューブ53と、メインチューブ53の上流端からメインチューブ53の径方向外方に延びる環状の上流フランジ52と、メインチューブ53の下流端からメインチューブ53の径方向外方に延びる環状の下流フランジ54とを含む。メインチューブ53の内周面は、排気通路44の一部を形成するケーシング51の内周面51iに相当する。図9に示すように、メインチューブ53の内周面は、円形の断面を有している。メインチューブ53の内周面の断面は、四角形などの円形以外の形状であってもよい。
【0073】
図7に示すように、ケーシング51は、ケーシング51の中心線L1(メインチューブ53の中心線)が水平な水平姿勢で排気通路44上に配置されている。ケーシング51は、個別排気ダクト42の第1ダクト42aおよび第2ダクト42bの間に配置されている。第1ダクト42aは、ケーシング51の上流に配置されており、第2ダクト42bは、ケーシング51の下流に配置されている。ケーシング51は、シールを介して第1ダクト42aおよび第2ダクト42bに連結されている。図8に示すように、ケーシング51の上流フランジ52を第1ダクト42aに固定するボルトは、上流フランジ52を流れ方向Dfに貫通する複数の通り穴h1に挿入される。同様に、ケーシング51の下流フランジ54を第2ダクト42bに固定するボルトは、下流フランジ54を流れ方向Dfに貫通する複数の通り穴に挿入される。
【0074】
図7に示すように、2つのピトー管55は、ケーシング51内を下流に流れる排気の全圧を測定する全圧測定管55tと、ケーシング51内を下流に流れる排気の静圧を測定する静圧測定管55sとを含む。全圧測定管55tおよび静圧測定管55sは、メインチューブ53に挿入されている。全圧測定管55tおよび静圧測定管55sは、ケーシング51に取り付けられている。全圧測定管55tは、静圧測定管55sの上流に配置されている。
【0075】
全圧測定管55tおよび静圧測定管55sは、メインチューブ53の径方向に延びている。図7は、全圧測定管55tおよび静圧測定管55sの中心線L2が鉛直である例を示している。全圧測定管55tおよび静圧測定管55sは、メインチューブ53をメインチューブ53の径方向に貫通している。全圧測定管55tおよび静圧測定管55sの両端は、メインチューブ53の外周面からメインチューブ53の径方向外方に突出している。2つの測定配管57は、ケーシング51の外で全圧測定管55tおよび静圧測定管55sに接続されている。
【0076】
図8に示すように、全圧測定管55tおよび静圧測定管55sは、メインチューブ53の内周面の直径、つまり、両端がメインチューブ53の内周面上に配置された線分上に配置されている。全圧測定管55tおよび静圧測定管55sは、形状、大きさ、および素材が等しい2つの管である。ケーシング51をケーシング51の上流側からケーシング51の中心線L1の方向(流れ方向Dfと平行な方向)に見ると、全圧測定管55tが静圧測定管55sの全体に重なっており、静圧測定管55sのいずれの部分も見えない。全圧測定管55tおよび静圧測定管55sは、ケーシング51の中心線L1に重なっている。
【0077】
図9に示すように、全圧測定管55tは、全圧測定管55tの軸方向に並んだ複数の全圧測定孔56tを含む。図9は、6つの全圧測定孔56tが全圧測定管55tに設けられている例を示している。全圧測定管55tの軸方向は、メインチューブ53の径方向に一致している。複数の全圧測定孔56tは、複数の対を構成している。対をなす2つの全圧測定孔56tは、ケーシング51の中心線L1に関して180度回転対称な位置に配置されている。複数の全圧測定孔56tのピッチP1、つまり、隣接する2つの全圧測定孔56tの間隔は、ケーシング51の中心線L1から離れるにしたがって減少している。
【0078】
図10は、全圧測定管55tおよび静圧測定管55sの軸方向に直交する平面で切断された全圧測定管55tおよび静圧測定管55sの断面がひし形である例を示している。全圧測定管55tの断面の短い方の対角線Ldは、流れ方向Dfに延びており、静圧測定管55sの断面の短い方の対角線Ldは、流れ方向Dfに延びている。全圧測定管55tおよび静圧測定管55sの断面は、円形などのひし形以外の形状であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0079】
図10に示すように、全圧測定孔56tは、全圧測定管55tの外周面55oおよび内周面55iで開口しており、全圧測定管55tを貫通している。全圧測定孔56tは、上流に向けられている。静圧測定管55sは、複数(たとえば、複数の全圧測定孔56tと同数)の静圧測定孔56sを含む。静圧測定孔56sは、静圧測定管55sの外周面55oおよび内周面55iで開口しており、静圧測定管55sを貫通している。静圧測定孔56sは、下流に向けられている。
【0080】
図7に示すように、複数の静圧測定孔56sは、メインチューブ53の径方向に一致する静圧測定管55sの軸方向に並んでいる。複数の静圧測定孔56sは、複数の対を構成している。対をなす2つの静圧測定孔56sは、ケーシング51の中心線L1に関して180度回転対称な位置に配置されている。複数の全圧測定孔56tと同様に、複数の静圧測定孔56sのピッチ、つまり、隣接する2つの静圧測定孔56sの間隔は、ケーシング51の中心線L1から離れるにしたがって減少している。
【0081】
図7に示すように、整流部材59は、全圧測定管55tおよび静圧測定管55sの上流に配置されている。整流部材59は、ケーシング51に取り付けられている。整流部材59は、ケーシング51の内周面51iによって取り囲まれている。図8に示すように、ケーシング51をケーシング51の上流側からケーシング51の中心線L1の方向に見ると、整流部材59は、ケーシング51の内周面51iによって取り囲まれた空間を複数の領域に仕切っている。
【0082】
図8は、ケーシング51の中心線L1で交わる2枚の整流板59aが整流部材59に設けられている例を示している。ケーシング51をケーシング51の上流側からケーシング51の中心線L1の方向に見ると、整流板59aは、メインチューブ53の径方向に延びている。整流部材59は、整流板59aに加えてまたは代えて、ケーシング51の中心線L1を取り囲む整流リングを備えていてもよい。また、整流部材59は、格子であってもよいし、網であってもよい。
【0083】
図7に示すように、排気は、ケーシング51の上流端に設けられた入口46iからケーシング51の中に流入する。ケーシング51内に流入した排気は、整流部材59を通過する。これにより、排気の流れが整えられる。整流部材59を通過した排気は、全圧測定管55tおよび静圧測定管55sを通過する。その後、排気は、ケーシング51の下流端に設けられた出口46oを介してケーシング51から下流に排出される。
【0084】
ケーシング51内を下流に流れる排気の全圧は、全圧測定管55tの複数の全圧測定孔56tに加わる。排気の全圧は、全圧測定管55tに接続された測定配管57を介して差圧計58に伝達される。同様に、ケーシング51内を下流に流れる排気の静圧は、静圧測定管55sの複数の静圧測定孔56sに加わる。排気の静圧は、静圧測定管55sに接続された測定配管57を介して差圧計58に伝達される。
【0085】
差圧計58は、2つの測定配管57を介して全圧測定管55tおよび静圧測定管55sから伝達された排気の圧力に基づいて排気の動圧を計算する。差圧計58によって計算された排気の動圧は、制御装置3に入力される。制御装置3は、差圧計58から入力された排気の動圧とケーシング51の流路断面積とに基づいて排気の流量を計算する。排気の流量は、差圧計58によって計算されてもよい。
【0086】
制御装置3は、制御装置3によって計算された排気の流量、または、差圧計58から入力された排気の流量が適切な範囲内に維持されているかを常時監視する。排気の流量が適切な範囲外であれば、制御装置3は、警報装置40(図4参照)に警報を発生させ、排気の流量の異常を基板処理装置1のユーザーに伝える。これにより、排気の流量の異常を即座に検知することができる。
【0087】
このように、排気は、ケーシング51の内周面51i、整流部材59の表面、およびピトー管55の表面に接触しながらケーシング51内を下流に流れる。ピトー管55の表面には、ピトー管55の外周面55oおよび内周面55iと、測定孔56の内周面が含まれる。ケーシング51の内周面51i等は、基板Wに供給される薬品に対する耐性を有する樹脂で形成されている。つまり、ケーシング51の内周面51i等は、薬品に接触しても腐食したり変形したりしない性質を有する樹脂で形成されている。
【0088】
図7は、メインチューブ53の全体とピトー管55の全体と整流部材59の全体とが耐薬品性を有する樹脂(たとえば、ポリ塩化ビニル)で形成されている例を示している。メインチューブ53は、透明な樹脂で形成されていてもよいし、非透明な樹脂で形成されていてもよい。メインチューブ53が透明であれば、ケーシング51の外からケーシング51の中を見ることができる。したがって、ケーシング51を個別排気ダクト42から外さずに、ケーシング51の中を見ることができる。
【0089】
次に、流量計46を洗浄および乾燥させる洗浄システムについて説明する。
図7に示すように、流量計46は、全圧測定管55tおよび静圧測定管55sに供給される洗浄液を案内する洗浄液配管62と、洗浄液配管62を開閉する洗浄液バルブ63と、2つの測定配管57を開閉する2つの常時開弁61とを含む。流量計46は、さらに、2つの測定配管57を介して全圧測定管55tおよび静圧測定管55s内の流体を吸引する吸引配管64と、吸引配管64を開閉する吸引バルブ65とを含む。吸引配管64は、アスピレーターなどの吸引装置66に接続されていてもよいし、基板処理装置1が設置される工場に設けられた吸引設備に接続されていてもよい。
【0090】
洗浄液配管62の下流端は、2つの測定配管57のそれぞれに接続されている。吸引配管64の上流端は、2つの測定配管57のそれぞれに接続されている。常時開弁61は、洗浄液配管62と測定配管57との接続位置よりも差圧計58側の位置で測定配管57に介装されている。常時開弁61は、流量計46を洗浄および乾燥させるときだけ閉じられる。常時開弁61は、たとえば、空圧アクチュエータによって開閉されるエアバルブである。洗浄液配管62によって案内される洗浄液は、たとえば純水である。洗浄液は、純水以外の液体であってもよい。たとえば、前述のリンス液の具体例のうちのいずれかを洗浄液として用いてもよい。
【0091】
図11Aは、ピトー管55を洗浄している状態を示す断面図である。図11Bは、ピトー管55を乾燥させている状態を示す断面図である。
図11Aに示すように、全圧測定管55tおよび静圧測定管55sを洗浄するときは、制御装置3が洗浄液バルブ63を開く。これにより、洗浄液の一例である純水が、2つの測定配管57を介して洗浄液配管62から全圧測定管55tおよび静圧測定管55sに供給される。全圧測定管55t内の純水は、複数の全圧測定孔56tから全圧測定管55tの外に排出される。同様に、静圧測定管55s内の純水は、複数の静圧測定孔56sから静圧測定管55sの外に排出される。これにより、全圧測定孔56tおよび静圧測定孔56sに純水が供給され、全圧測定孔56tおよび静圧測定孔56sに付着している異物が洗い流される。
【0092】
洗浄液バルブ63が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、洗浄液バルブ63を閉じる。これにより、全圧測定管55tおよび静圧測定管55sへの純水の供給が停止される。その後、制御装置3は、吸引バルブ65を開く。これにより、図11Bに示すように、全圧測定管55tおよび静圧測定管55s内の流体が、2つの測定配管57を介して吸引配管64に吸引される。異物や洗浄液がピトー管55の中に残留していたとしても、これらは2つの測定配管57を介して吸引配管64に吸引される。これにより、全圧測定管55tおよび静圧測定管55sが乾燥する。
【0093】
流量計46の洗浄は、1枚の基板Wを処理するごとに実行されてもよいし、複数枚の基板Wを処理するごとに実行されてもよいし、一定時間ごとに実行されてもよいし、任意の時期に実行されてもよい。複数枚の基板Wを処理するごとに流量計46を洗浄する場合、1つのロットに含まれる全ての基板Wを処理するごとに流量計46が洗浄されてもよいし、任意の枚数の基板Wを処理するごとに流量計46が洗浄されてもよい。
【0094】
以上のように本実施形態では、基板Wを処理する薬品を含む排気が、ケーシング51内を下流に流れる。ピトー管55は、ケーシング51内に配置されている。ケーシング51内を下流に流れる排気の全圧(静圧と動圧の和)および静圧は、ピトー管55によって検出される。排気の流量、つまり、単位時間においてケーシング51を通過する排気の量は、排気の動圧に基づいて計算される。これにより、ケーシング51を通過する排気の流量を測定できる。
【0095】
ケーシング51内を下流に流れる排気は、測定孔56が設けられたピトー管55の外周面55oに接する。ピトー管55が長時間排気に晒されると、塩などの異物がピトー管55の測定孔56に付着する。洗浄液配管62によって案内された洗浄液は、ピトー管55の測定孔56に供給される。これにより、ピトー管55の測定孔56が残渣や結晶などの異物で詰まることを防止でき、長期にわたって安定した精度で排気の流量を測定できる。
【0096】
さらに、洗浄液をピトー管55やケーシング51に供給するので、これらに付着している異物が洗浄液に溶ける場合には、異物を洗浄液で溶かしながら除去することができる。たとえば、酸性薬品とアルカリ性薬品との接触によって発生した塩や、水分の消失によって薬液から析出した結晶は水に溶けるので、水を含む洗浄液をピトー管55等に供給すれば、塩や結晶を効果的に除去できる。したがって、洗浄液の代わりに洗浄ガスを用いる場合に比べて異物を確実に除去できる。
【0097】
本実施形態では、ピトー管55の測定孔56に加わる圧力(全圧または静圧)が測定配管57を介して差圧計58に伝達される。洗浄液配管62によって案内された洗浄液は、測定配管57を介してピトー管55の内部空間に供給される。ピトー管55内の洗浄液は、測定孔56からピトー管55の外に排出される。異物が測定孔56に付着していれば、この異物は測定孔56から排出される洗浄液によって洗い流される。これにより、ピトー管55の測定孔56が異物で詰まることを防止でき、長期にわたって安定した精度で排気の流量を測定できる。
【0098】
加えて、測定配管57を介してピトー管55の内部空間に洗浄液を供給するので、洗浄液を吐出する流体ノズル73(図13参照)をケーシング51内に配置しなくてもよい。流体ノズル73をケーシング51内に配置すると、わずかではあるが、排気の流れに影響が及ぶ。したがって、排気の流れに影響を及ぼすことなく、ピトー管55を洗浄できる。さらに、流体ノズル73を設けなくてもよいので、部品点数を減らすことができる。
【0099】
本実施形態では、ピトー管55が洗浄液で洗浄された後に、ピトー管55内の流体が、ピトー管55に接続された測定配管57を介して吸引配管64に吸引される。異物や洗浄液がピトー管55の中に残留していたとしても、これらは測定配管57を介して吸引配管64に吸引される。さらに、ピトー管55の外から測定孔56を介してピトー管55の中に入る気流が形成されるので、測定孔56に付着している洗浄液の乾燥が促進される。したがって、ピトー管55を排気の流れで乾燥させる場合に比べて短時間でピトー管55を乾燥させることができる。
【0100】
本実施形態では、基板Wを処理する薬品が基板Wに供給される。これにより、基板Wが処理される。薬品を含む排気は、排気通路44を通じて排出される。流量計46は排気通路44に配置されている。これにより、排気通路44を流れる排気の流量を測定できる。さらに、流量計46のピトー管55が洗浄液で洗浄されるので、ピトー管55の測定孔56が異物で詰まることを防止でき、長期にわたって安定した精度で排気の流量を測定できる。加えて、流量計46は、オリフィス流量計などの他の形式の流量計と比べて圧力損失が小さいので、エネルギーの消費量を減らすことができる。
【0101】
本実施形態では、流量計46がクリーンルームの床Fの下に配置される。作業者が自身の手に持ったノズルやブラシを利用して、ケーシング51の内部やピトー管55を洗浄することが考えられる。しかしながら、流量計46が地下に配置されている場合、流量計46を簡単にはこのように洗浄できない。これは、クリーンルームの地下に配置された部材へのアクセスが容易ではないからである。したがって、ピトー管55に洗浄液を供給する洗浄液配管62を設けることにより、流量計46を簡単に洗浄できる。
【0102】
なお、図12に示すように、流量計46は、吸引配管64に代えてもしくは加えて、2つの測定配管57を介して全圧測定管55tおよび静圧測定管55sに供給される気体を案内するガス配管71と、ガス配管71を開閉するガスバルブ72とを備えていてもよい。
図12に示す構成の場合、制御装置3は、全圧測定管55tおよび静圧測定管55sが洗浄液で洗浄された後に、ガスバルブ72を開いて、クリーンエアーやドライエアーなどの気体を全圧測定管55tおよび静圧測定管55sに供給する。これにより、測定孔56を介してピトー管55の中からピトー管55の外に出る気流が形成されるので、測定孔56に付着している洗浄液の乾燥が促進される。したがって、ピトー管55を排気の流れで乾燥させる場合に比べて短時間でピトー管55を乾燥させることができる。
【0103】
また、図13に示すように、流量計46は、少なくとも一つの流体ノズル73を備えていてもよい。図13は、10個の流体ノズル73a、73b、73c、73d、73eが設けられている例を示している。洗浄液配管62およびガス配管71は、ピトー管55ではなく、各流体ノズル73a、73b、73c、73d、73eに接続されている。洗浄液配管62およびガス配管71は、ピトー管55および流体ノズル73の両方に接続されていてもよい。流量計46は、流体ノズル73の代わりに、洗浄液配管62が接続された洗浄液ノズルと、ガス配管71が接続されたガスノズルとを備えていてもよい。
【0104】
2つの流体ノズル73aは、ケーシング51の外に配置されており、残り8つの流体ノズル73b、73c、73d、73eは、ケーシング51の中に配置されている。6つの流体ノズル73b、73c、73dは、2つのピトー管55の上流に配置されており、2つの流体ノズル73eは、2つのピトー管55の下流に配置されている。2つの流体ノズル73dは、整流部材59とピトー管55との間に配置されている。
【0105】
2つの流体ノズル73aは、洗浄液およびガスなどの流体を整流部材59の上流端に向けて吐出する。2つの流体ノズル73bは、ケーシング51の内周面51iに向けて流体を吐出する。2つの流体ノズル73cは、整流部材59の側面に向けて流体を吐出する。2つの流体ノズル73dは、全圧測定管55tの外周面に向けて流体を吐出する。2つの流体ノズル73eは、静圧測定管55sの外周面に向けて流体を吐出する。
【0106】
図13に示す構成の場合、制御装置3は、洗浄液バルブ63を開いて、全ての流体ノズル73に洗浄液を吐出させる。これにより、洗浄液が、ケーシング51の内周面51i、整流部材59の表面、およびピトー管55の外周面に供給される。制御装置3は、洗浄液バルブ63を閉じた後、ガスバルブ72を開いて、全ての流体ノズル73に気体を吐出させる。これにより、ケーシング51の内周面51i、整流部材59の表面、およびピトー管55の外周面が乾燥する。
【0107】
このようにして、流量計46が洗浄される。異物がピトー管55の測定孔56に付着していれば、この異物は流体ノズル73から吐出された洗浄液によって洗い流される。その後、全ての流体ノズル73からの気体の吐出によって、測定孔56に付着している洗浄液の乾燥が促進される。したがって、ピトー管55を排気の流れで乾燥させる場合に比べて短時間でピトー管55を乾燥させることができる。
【0108】
また、図14に示すように、ピトー管55は、ケーシング51をケーシング51の中心線L1の方向に見たときにピトー管55の中心線L2が水平面に対して斜めに傾いた傾斜姿勢、または、ケーシング51をケーシング51の中心線L1の方向に見たときにピトー管55の中心線L2が水平な水平姿勢で、ケーシング51内に配置されていてもよい。図14は、前者の例を示している。
【0109】
図14中の黒丸は、ケーシング51の内周面51iの下端部に付着した、残渣や結晶などの異物を示している。ケーシング51の中心線L1が水平または水平面に対して斜めに傾いており、ピトー管55の中心線L2が鉛直である場合、残渣や結晶などの異物がピトー管55の下端部に溜まり易い。したがって、ピトー管55を鉛直面に対して斜めに傾けるもしくは鉛直面に直交させることにより、このような異物の付着を軽減できる。
【0110】
第2実施形態
図15は、本発明の第2実施形態に係るタイムチャートであり、基板Wの回転速度とFFU6からチャンバー4内に供給されるクリーンエアーの流量とチャンバー4から排出される排気の流量の経時的な変化を示している。以下では、図6図15とを参照する。
第1実施形態に対する第2実施形態の主要な相違点は、流量計46の測定値に基づいて、制御装置3が、FFU6の出力設定値、つまり、FFU6がチャンバー4内に送るクリーンエアーの流量の設定値を変更することである。
【0111】
具体的には、基板Wの処理が行われているとき、基板Wの回転速度は、一定ではなく処理の内容に応じて変化する。図15は、基板Wの回転速度が零から液処理速度に増加し、その後、液処理速度から乾燥速度に増加する例を示している。液処理速度は、薬液やリンス液などの処理液を基板Wに供給しているときの基板Wの回転速度であり、乾燥速度は、基板Wを乾燥させているときの基板Wの回転速度である。基板Wの乾燥が終了すると、基板Wの回転速度は、乾燥速度から零まで減少する。
【0112】
チャンバー4内に流入するクリーンエアーの流量とチャンバー4から排出される排気の流量は、FFU6の出力設定値を変えなくても変化する。これは、チャンバー4内の状態が変化するからである。たとえば、基板Wの回転速度が上昇すると、FFU6の出力設定値が同じであっても、チャンバー4内に流入するクリーンエアーの流量とチャンバー4から排出される排気の流量とが増加する。図15において二点鎖線で示すように、基板Wの回転速度が液処理速度のときは、基板Wの回転速度が零のときよりも排気の流量が大きく、基板Wの回転速度が乾燥速度のときは、基板Wの回転速度が液処理速度のときよりも排気の流量が大きい。
【0113】
排気の流量が変化すると、流量計46の測定値も変化する。図15に示すように、制御装置3は、流量計46の測定値に基づいてFFU6の出力設定値を変更し、チャンバー4から排出される排気の流量の変動幅を減少させる。たとえば、制御装置3は、基板Wの回転速度が液処理速度のときは、基板Wの回転速度が零のときよりもFFU6の出力設定値を減少させ、基板Wの回転速度が乾燥速度のときは、基板Wの回転速度が液処理速度のときよりもFFU6の出力設定値を減少させる。
【0114】
FFU6の出力設定値をこのように変化させれば、ダウンフローの速度を安定させながら、FFU6の出力設定値を変更しない場合に比べてFFU6で消費されるエネルギーを減らすことができる。さらに、FFU6の出力設定値をこのように変化させれば、基板処理装置1が必要とするクリーンエアーの最大流量を減らすことができ、クリーンエアーの使用量を減らすことができる。
【0115】
第2実施形態では、第1実施形態に係る作用効果に加えて、次の作用効果を奏することができる。具体的には、送風機の一例であるFFU6が気体を基板処理装置1内に送る。FFU6の出力設定値、つまり、FFU6が基板処理装置1内に送る気体の流量の設定値が同じであっても、基板処理装置1内の気体の流速が一定であり続けるとは限らない。これは、基板処理装置1の状態が変わるからである。制御装置3は、流量計46の測定値に基づいてFFU6から基板処理装置1内に送られる気体の流量を変更する。したがって、基板処理装置1内の気体の流速を一定に維持したり、意図的に変化させたりすることができる。
【0116】
なお、前述の説明では、流量計46の測定値に基づいてFFU6の出力設定値を変更する場合について説明したが、排気ダンパー47(図6参照)がオートダンパーである場合、FFU6の出力設定値の変更に加えてもしくは代えて、排気ダンパー47の開度を変更してもよい。排気ダンパー47の開度が変わると、排気ダンパー47での圧力損失が変わるので、個別排気ダクト42を通じてチャンバー4内から排出される排気の流量が変化する。排気の流量を調整することで、基板処理装置1が設置される工場に設けられた排気処理設備の負荷を低減することができる。
【0117】
第3実施形態
図16は、本発明の第3実施形態に係るフローチャートであり、制御装置3が流量計46の洗浄を行うか否かを判断するときの流れを示している。以下では、図6図16とを参照する。
第1実施形態に対する第3実施形態の主要な相違点は、流量計46の測定値と圧力計45の測定値とに基づいて制御装置3が流量計46の洗浄の必要性を判断することである。
【0118】
具体的には、排気通路44に加わる圧力は、圧力計45によって測定される。排気通路44内を流れる排気の流速が一定であれば、流量計46の測定値もほぼ一定であり、圧力計45の測定値もほぼ一定である。言い換えると、ピトー管55の測定孔56に詰まりがなく、流量計46が適切に機能していれば、流量計46の測定値と圧力計45の測定値は、一定の関係にある。したがって、流量計46の測定値と圧力計45の測定値との関係が崩れていると、ピトー管55の測定孔56に異物が付着している可能性がある。
【0119】
図16に示すように、制御装置3は、流量計46の測定値と圧力計45の測定値とを取得する(ステップS11)。その後、制御装置3は、流量計46の測定値と圧力計45の測定値との関係に基づいて流量計46の測定値が適切な範囲内であるか否かを判断する(ステップS12)。流量計46の測定値と圧力計45の測定値との関係は、予め測定された実験値に基づいて作成され、制御装置3の補助記憶装置35(図4参照)に記憶される。
【0120】
流量計46の測定値が適切な範囲内であれば(ステップS12でYes)、制御装置3は、流量計46の測定値と圧力計45の測定値とを再び取得する(ステップS11に戻る)。流量計46の測定値が適切な範囲外であれば(ステップS12でNo)、制御装置3は、ピトー管55の測定孔56に異物が付着していると判断し、洗浄システムに流量計46を洗浄させる(ステップS13)。これにより、測定孔56の詰まりを未然に検知でき、長期にわたって安定した精度で排気の流量を測定できる。
【0121】
他の実施形態
本発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
たとえば、ピトー管55に付着している洗浄液等の液体を排気の流れで蒸発させる場合は、吸引配管64およびガス配管71を省略してもよい。
【0122】
ケーシング51は、ケーシング51の中心線L1が水平な水平姿勢ではなく、ケーシング51の中心線L1が水平面に対して斜めに傾いた傾斜姿勢で、排気通路44に配置されていてもよい。もしくは、ケーシング51は、ケーシング51の中心線L1が鉛直な鉛直姿勢で、排気通路44に配置されていてもよい。
ケーシング51のメインチューブ53の全体ではなく、メインチューブ53の内周面だけが耐薬品性を有する樹脂で形成されていてもよい。たとえば、メインチューブ53は、金属などの樹脂以外の材料で形成された外筒と、外筒の内周面の全体にコーティングされた樹脂層とを備えていてもよい。
【0123】
同様に、ピトー管55の全体ではなく、ピトー管55の表面だけが、耐薬品性を有する樹脂で形成されていてもよい。つまり、流量計46において排気に接するいずれの部分も耐薬品性を有する樹脂で形成されているのであれば、それ以外の部分は、どのような材料で形成されてもよい。
流量計46は、処理ユニット2ごとではなく、タワーTWごとに設けられていてもよい。つまり、集合排気ダクト43だけに流量計46が設けられていてもよい。
【0124】
流量計46は、クリーンルームの床Fの上方に配置されてもよい。たとえば、基板処理装置1の内部に流量計46が配置されていてもよい。
基板処理装置1は、円板状の基板Wを処理する装置に限らず、多角形の基板Wを処理する装置であってもよい。
基板処理装置1は、枚葉式の装置に限らず、複数枚の基板Wを一括して処理するバッチ式の装置であってもよい。
【0125】
前述の全ての構成の2つ以上が組み合わされてもよい。前述の全てのステップの2つ以上が組み合わされてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0126】
1 :基板処理装置
2 :処理ユニット
3 :制御装置
42 :個別排気ダクト
43 :集合排気ダクト
44 :排気通路
45 :圧力計
46 :流量計
47 :排気ダンパー
51 :ケーシング
51i :ケーシングの内周面
52 :上流フランジ
53 :メインチューブ
54 :下流フランジ
55 :ピトー管
55i :ピトー管の内周面
55o :ピトー管の外周面
55s :静圧測定管
55t :全圧測定管
56 :測定孔
56s :静圧測定孔
56t :全圧測定孔
57 :測定配管
58 :差圧計
61 :常時開弁
62 :洗浄液配管
63 :洗浄液バルブ
64 :吸引配管
65 :吸引バルブ
66 :吸引装置
71 :ガス配管
72 :ガスバルブ
73 :流体ノズル
Df :排気の流れ方向
F :クリーンルームの床
L1 :ケーシングの中心線
L2 :ピトー管の中心線
W :基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16