(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係るサーバ装置100について図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係るサーバ装置100と、これに接続される情報提供装置200の機能構成の一例を示した図である。サーバ装置100は、例えばクラウドソーシングのサービスを利用したPOI検索のリクエストを情報提供装置200から受け付ける装置である。情報提供装置200は、例えば経路探索や経路案内など通常のナビゲーション機能を提供可能なカーナビゲーション装置あるいはナビゲーション機能を実現するためのアプリケーションソフトウェアがインストールされたスマートフォンやタブレット端末である。
【0013】
なお、サーバ装置100は、ネットワークNを介して情報提供装置200と相互通信可能に接続されている。ネットワークNは、例えばインターネット等の公衆網やLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などである。
【0014】
図示するように、サーバ装置100は、記憶部110と、演算部120と、通信部130とを有している。
【0015】
記憶部110は、様々な情報を記憶する機能部である。具体的には、記憶部110は、辞書情報111と、POI情報112と、POI読み方情報113とを有している。
【0016】
辞書情報111は、単語(地名や施設名などの名称を含む)の読み方や漢字表記を対応付けた語彙辞典である。
【0017】
図2は、クラウドソーシングのサービスで利用されるPOI情報112の一例を示した図である。POI情報112は、ユーザが興味があると思った特定の場所や施設に関する情報である。なお、POI情報112は、クラウドソーシングのサービスで安価に利用される情報であるため、簡略化された構成すなわち通常のカーナビゲーション装置が有するPOI情報112には含まれているPOI名称の読み方など所定情報が対応付けられていない。
【0018】
具体的には、POI情報112は、POI ID112aと、POI名称112bと、住所112cと、位置情報112dと、電話番号112eと、案内情報112fとが対応付けたレコードを有している。
【0019】
POI ID112aは、POIを一意に識別するための識別情報である。POI名称112bは、POIの名称を示す情報である。住所112cは、POIの住所を示す情報である。電話番号112dは、POIの電話番号を示す情報である。案内情報112fは、POIがどのような場所(あるいは施設)であるのかを案内するための情報である。
【0020】
図3は、POI読み方情報113の一例を示した図である。POI読み方情報113は、POIの読み方を管理する情報である。具体的には、POI読み方情報113は、POI ID113aと、POI名称113bと、位置情報113cと、読み方113dと、ユーザ住所113eと、地点間距離113fとが対応付けられたレコードを有している。
【0021】
POI ID113aは、POIを一意に識別するための識別情報であって、POI情報112のPOI ID112aと共通の情報である。POI名称113bは、POIの名称を示す情報であって、POI情報112のPOI名称112bと共通の情報である。位置情報113cは、POIの地図上における位置を特定する情報である。読み方113dは、POI名称の読み方を示す情報である。ユーザ住所113eは、情報提供装置200の所有者であるユーザの自宅位置を示す情報である。地点間距離113fは、POIとユーザの自宅位置との間の距離を示す情報である。
【0022】
なお、辞書情報111およびPOI情報112は、後述のPOI読み方情報生成処理で用いられる。また、POI読み方情報113は、POI読み方情報生成処理で生成される。
【0023】
図1に戻って説明する。演算部120は、音声認識部121と、POI検索部122と、POI読み方情報生成部123、POI読み方通知部124とを有している。
【0024】
音声認識部121は、音声認識処理を行う機能部である。具体的には、音声認識部121は、POI名称についてユーザ発話の音声情報を取得し、公知の音声認識技術により音声情報をテキスト情報に変換する。
【0025】
POI検索部122は、POI情報112を用いて、ユーザが発話したPOI名称に対応するPOIを検索する機能部である。
【0026】
POI読み方情報生成部123は、POIの読み方を対応付けたPOI読み方情報113を生成する機能部である。
【0027】
POI読み方通知部124は、POI名称の読み方を対応付けた音声情報を生成する機能部である。また、POI読み方通知部124は、通信部130を介して、生成した音声情報を情報提供装置200に送信する。
【0028】
通信部130は、外部装置(例えば、情報提供装置200)との間で情報通信を行う機能部である。例えば、通信部130は、情報提供装置200からPOI名称についてユーザ発話の音声情報を取得する。また、通信部130は、検索されたPOIの情報を情報提供装置200に送信する。また、通信部130は、目的地に設定されたPOIの情報を取得する。また、通信部130は、POI名称の読み方を対応付けた音声情報を情報提供装置200に送信する。
【0029】
以上、サーバ装置100の機能ブロックについて説明した。
【0030】
次に、情報提供装置200の機能構成について説明する。情報提供装置200は、記憶部210と、演算部220と、通信部230とを有している。
【0031】
情報提供装置200の記憶部210は、様々な情報を記憶する機能部である。具体的には、記憶部210は、地図情報211と、POI検索アプリ212と、ユーザ情報213とを有している。
【0032】
地図情報211は、所定の地域(メッシュ領域)に含まれる道路や施設などを含む地図を表示するための情報である。
【0033】
POI検索アプリ212は、ユーザが発話したPOI名称をクラウドソーシングのサービスを利用して検索する機能を実現するためのアプリケーションプログラムである。
【0034】
ユーザ情報213は、情報提供装置200(例えば、カーナビゲーション装置)を搭載した車両の所有者あるいは情報提供装置200(例えば、スマートフォンなど)の所持者であるユーザの情報である。例えば、ユーザ情報213は、氏名と、自宅住所と、電話番号などを有している。なお、ユーザ情報213は、情報提供装置200が備える入力装置(例えば、タッチパネルやテンキーなど)を介してユーザ自身により入力される。
【0035】
情報提供装置200の演算部220は、入力受付部221と、表示情報生成部222と、音声取得部223と、経路探索部224と、音声読み上げ部225とを有している。
【0036】
入力受付部221は、情報提供装置200の入力装置を介してユーザからの指示入力を受け付ける機能部である。例えば、入力受付部221は、入力装置(例えば、タッチパネル)を介して、ディスプレイに表示された目的地候補のPOIについてユーザからの選択を受け付ける。
【0037】
表示情報生成部222は、画面情報を生成する機能部である。具体的には、表示情報生成部222は、ディスプレイの表示画面を構成する画面情報を生成する。また、表示情報生成部222は、生成した画面情報を情報提供装置200のディスプレイに出力する。また、表示情報生成部222は、例えばサーバ装置100から取得した画面情報をディスプレイ402に出力し、かかる画面情報を表示する。
【0038】
音声取得部223は、情報提供装置200が有する入力装置(例えば、マイクロフォン)を介してユーザが発話した音声情報を取得する機能部である。
【0039】
経路探索部224は、入力受付部221を介してユーザが選択したPOIを目的地として設定し、ダイクストラ法など所定の方法により、出発地(現在地)から目的地までの推奨経路を探索する機能部である。
【0040】
音声読み上げ部225は、POI名称の読み方を含む音声情報を取得し、これをスピーカに出力することで目的地に設定されたPOIの名称を読み上げる機能部である。
【0041】
通信部230は、外部装置(例えば、サーバ装置100)との間で情報通信を行う機能部である。例えば、通信部230は、POI名称についてユーザ発話の音声情報をサーバ装置100に送信する。また、通信部230は、目的地に設定されたPOIの情報をサーバ装置100に送信する。また、通信部230は、POI名称の読み方を対応付けた音声情報をサーバ装置100から取得する。
【0042】
以上、情報提供装置200の機能ブロックについて説明した。
【0043】
図4は、サーバ装置100のハードウェア構成の一例を示した図である。図示するように、サーバ装置100は、入力装置301と、出力装置302と、外部記憶装置303と、演算装置304と、主記憶装置305と、通信装置306と、これらを電気的に相互接続するバス307とを有している。なお、サーバ装置100は、例えばワークステーションなどの高性能な情報処理装置により実現される。
【0044】
入力装置301は、例えばキーボードやマウスあるいはタッチパネルなどのポインティングデバイスである。出力装置302は、例えばディスプレイやスピーカである。外部記憶装置303は、例えばデジタル情報を記憶可能なフラッシュメモリやSD(Secure Digital)メモリカードなどの不揮発性記憶装置である。
【0045】
演算装置304は、例えばCPUなどの処理装置である。主記憶装置305は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリ装置である。通信装置306は、外部装置との間で情報通信を行うための通信モジュールなどである。
【0046】
以上、サーバ装置100のハードウェア構成について説明した。
【0047】
図5は、情報提供装置200のハードウェア構成の一例を示した図である。情報提供装置200は、通常のナビゲーション機能を実現するための処理を実行可能なカーナビゲーション装置あるいはナビゲーション機能を実現するためのアプリケーションプログラムがインストールされたスマートフォンやタブレット端末である。なお、
図5に示す情報提供装置200は、カーナビゲーション装置のハードウェア構成の一例である。
【0048】
図示するように、情報提供装置200は、演算装置401と、ディスプレイ402と、記憶装置403と、音声出力装置404と、入力装置405と、ROM装置406と、車速センサ407と、ジャイロセンサ408と、GPS(Global Positioning System)受信装置409と、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)受信装置410と、FM多重放送受信装置411と、ビーコン受信装置412と、通信装置413とを有している。
【0049】
演算装置401は、情報提供装置200の様々な処理を行う中心的なユニットである。例えば、演算装置401は、通常のナビゲーション機能を実現する。具体的には、演算装置401は、車速センサ407などの各種センサおよびGPS受信装置409から出力された情報を用いて現在地を検出する。また、演算装置401は、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図情報211を記憶装置403あるいはROM装置406から読み出す。また、演算装置401は、読み出した地図情報211をグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ402へ表示させる信号を出力する。また、演算装置401は、記憶装置403あるいはROM装置406に記憶されている地図情報211などを用いて、出発地と目的地とを結ぶ案内経路を探索する。また、演算装置401は、ディスプレイ402やスピーカ404aなどに信号を出力して経路誘導を行う。
【0050】
このような演算装置401は、各デバイス間をバスで接続した構成となっている。具体的には、演算装置401は、数値演算や各デバイスの制御など様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)401aと、記憶装置403またはROM装置406から読み出した地図情報211や演算データなどを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)401bと、CPU401aで実行されるブートプログラムなどを格納するROM(Read Only Memory)401cと、演算装置401に各種ハードウェアを接続するためのI/F(インターフェイス)401dと、これらを相互に接続するバス401eと、を有している。
【0051】
ディスプレイ402は、グラフィックス情報を表示する出力装置であって、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどで構成される。
【0052】
記憶装置403は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体であって、様々な情報(例えば、地図情報211など)が格納されている。
【0053】
音声出力装置404は、例えば、運転者などへの案内を音声として出力するスピーカ404aなどである。
【0054】
入力装置405は、タッチパネル405a、ダイヤルスイッチ405b、マイクロフォン405cあるいはスクロールキーなどユーザからの指示入力を受け付ける装置である。
【0055】
ROM装置406は、CD-ROMやDVD-ROMなどのROM、IC(Integrated Circuit)カードなどの、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体であって、例えば動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0056】
車速センサ407は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ408は、光ファイバジャイロや振動ジャイロなどで構成され、移動体の回転による角速度を検出するセンサである。GPS受信装置409は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定する。
【0057】
VICS受信装置410は、現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などを含むVICS情報を受信する装置である。FM多重放送受信装置411は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する装置である。ビーコン受信装置412は、VICS情報の現況交通情報などを受信する装置である。
【0058】
通信装置413は、外部装置(例えば、サーバ装置100)との間で情報通信を行う通信装置である。
【0059】
以上、情報提供装置200のハードウェア構成について説明した。
【0060】
なお、サーバ装置100の演算部120に含まれる各機能部は、CPUに処理を行わせるプログラムによって実現される。これらのプログラムは、主記憶装置305であるROMあるいは外部記憶装置303に格納されており、実行にあたってRAM上にロードされ、CPUにより実行される。また、記憶部110は、RAM、ROMまたは外部記憶装置303によって実現されても良く、これらの組み合わせによって実現されても良い。また、通信部130は、通信装置306によって実現される。
【0061】
また、情報提供装置200の演算部220に含まれる各機能部は、CPU401aに処理を行わせるプログラムによって実現される。これらのプログラムは、ROM401cあるいは記憶装置403に格納されており、実行にあたってRAM401b上にロードされ、CPU401aにより実行される。また、記憶部210は、RAM401b、ROM401cまたは記憶装置403によって実現されても良く、これらの組み合わせによって実現されても良い。また、通信部230は、通信装置413によって実現される。
【0062】
また、サーバ装置100および情報提供装置200の各機能ブロックは、本実施形態に係るこれらの装置の機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。したがって、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。また、サーバ装置100および情報提供装置200の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0063】
また、各機能部の全部または一部は、コンピュータに実装されるハードウェア(ASICといった集積回路など)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0064】
[動作の説明]
図6は、POI読み上げ情報生成処理の一例を示したシーケンス図である。かかる処理は、情報提供装置200のPOI検索アプリ212が起動すると開始される。すなわち、POI読み上げ情報生成処理は、情報提供装置200がクラウドソーシングのサービスを利用したPOI検索の実行指示をユーザから受け付けると開始される。
【0065】
処理が開始されると、音声取得部223は、検索対象となるPOI名称について、ユーザ発話を取得したか否かを判定する(ステップS100)。具体的には、音声取得部223は、マイクロフォン405cを介して、検索対象となるPOI名称についてユーザ発話による音声情報を取得したか否かを判定する。
【0066】
そして、かかる音声情報を取得していないと判定した場合(ステップS100でNo)、音声取得部223は、再度ステップS100の処理を行う。一方で、かかる音声情報を取得したと判定した場合(ステップS100でYes)、音声取得部223は、処理をステップS110に移行する。なお、本例では、ユーザが「やまとまち」と発話した場合を例に以下の処理を説明する。
【0067】
次に、音声取得部223は、通信部230を介して、POI名称の音声情報をサーバ装置100に送信する(ステップS110)。
【0068】
次に、サーバ装置100の音声認識部121は、通信部130を介して取得したユーザ発話によるPOI名称の音声情報を公知の音声認識技術を用いてテキスト情報に変換する(ステップS120)。本例では、音声認識部121は、ユーザ発話による音声情報を「やまとまち」というテキスト情報に変換する。
【0069】
次に、POI検索部122は、POI情報112を用いてPOI検索を行う(ステップS130)。例えば、POI検索部122は、辞書情報111を用いて、テキスト情報の読み方に当て嵌まる漢字を組み合わせた単語候補を特定する。また、POI検索部122は、特定した単語候補とPOI情報112のPOI名称112bとを比較し、単語候補に一致するPOI名称をPOI情報112から特定する。なお、本例では、「やまとまち」の読み方に当て嵌まるPOI名称「大和町」が特定された場合について以下の処理を説明する。
【0070】
次に、POI検索部122は、通信部130を介して、検出したPOIの情報(以下、「目的地候補POI情報」という場合がある)を情報提供装置200に送信する(ステップS140)。具体的には、POI検索部122は、特定したPOI名称を含むPOI情報112のレコードを特定する。また、POI検索部122は、特定したレコードに対応付けられた項目情報を抽出する。また、POI検索部122は、抽出した項目情報を含む目的地候補POI情報を生成し、通信部130を介して情報提供装置200に送信する。
【0071】
図7は、目的地候補POI情報500の一例を示した図である。図示するように、目的地候補POI情報500は、ユーザ発話の音声情報に基づき特定された各POIのPOI ID500aと、POI名称500bと、住所500cと、位置情報500dとが対応付けられたレコードを有している。
【0072】
次に、情報提供装置200の経路探索部224は、表示情報生成部222を介して、目的地候補のPOIを表示する(ステップS150)。具体的には、経路探索部224は、表示情報生成部222を介して、目的地候補POI情報500に含まれる各POIのPOI名称および住所を対応付けたリスト表示情報を生成し、ディスプレイ402に表示する。
【0073】
図8は、リスト表示情報が表示された画面例600を示した図である。図示するように、ディスプレイ402には、目的地候補のPOIのPOI名称601と住所602とが対応付けられたリスト603が表示されている。本例では、所定の都道府県に存在する「大和町」と、その住所とがリスト表示されることになる。
【0074】
なお、目的地候補のPOIを表示する際の表示形態は特に限定されるものではない。例えば、経路探索部224は、表示情報生成部222を介して、目的地候補のPOIを示すマークを地図上の対応する位置に重ねて表示しても良い。また、経路探索部224は、表示情報生成部222を介して、目的地候補のPOIのリスト表示情報と、POIのマークを重畳表示した地図の両方を表示しても良い。また、経路探索部224は、表示情報生成部222を介して、対象POIの電話番号や案内情報を含めたリスト表示情報を生成し、表示するようにしても良い。
【0075】
次に、入力受付部221は、POIの選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS160)。具体的には、入力受付部221は、入力装置405を介して、ディスプレイ402に表示したPOIのうち、いずれか1つのPOIが選択されたか否かを判定する。そして、POIが選択されていないと判定した場合(ステップS160でNo)、入力受付部221は、再度ステップS160の処理を行う。一方で、POIが選択されたと判定した場合(ステップS160でYes)、入力受付部221は、処理をステップS170に移行する。
【0076】
ステップS170では、経路探索部224は、選択されたPOIを目的地に設定し、例えば現在地から目的地に設定したPOIまでの推奨経路を探索する。また、経路探索部224は、推奨経路を探索すると、処理をステップS180に移行する。
【0077】
次に、経路探索部224は、通信部230を介して、目的地に設定したPOIの情報と、ユーザ情報213とをサーバ装置100に送信する(ステップS180)。具体的には、経路探索部224は、通信部230を介して、目的地に設定したPOIのPOI IDを含むPOIの情報と、記憶部210から取得したユーザ情報213とをサーバ装置100に送信する。
【0078】
次に、サーバ装置100のPOI読み方情報生成部123は、POI読み方情報113を生成する(ステップS190)。具体的には、POI読み方情報生成部123は、通信部130を介して取得したPOIの情報からPOI IDを抽出する。また、POI読み方情報生成部123は、記憶部110内のPOI情報112を用いて、抽出したPOI IDに対応付けられているPOI名称と、位置情報とを抽出する。
【0079】
また、POI読み方情報生成部123は、ステップS120でテキスト変換したユーザ発話のテキスト情報をPOIの読み方として特定する。
【0080】
また、POI読み方情報生成部123は、通信部130を介して取得したユーザ情報213からユーザの住所を抽出する。また、POI読み方情報生成部123は、POIとユーザの住所との間の地点間距離を算出する。具体的には、POI読み方情報生成部123は、記憶部110内の所定情報(例えば、図示しない地図情報)を用いて、地図上におけるユーザの自宅位置を特定する。また、POI読み方情報生成部123は、特定したユーザの自宅位置と、抽出したPOIの位置情報とから両地点の地点間距離を算出する。
【0081】
また、POI読み方情報生成部123は、POI IDと、POI名称と、位置情報と、POIの読み方と、ユーザの住所と、POIとユーザの自宅位置との地点間距離と、を対応付けたPOI読み方情報113を生成(または更新)し、これを記憶部110に格納する。また、POI読み方情報生成部123は、POI読み方情報113を生成(または更新)すると、POI読み方情報生成処理を終了する。
【0082】
以上、POI読み方情報生成処理について説明した。このようなサーバ装置100によれば、POIの名称について信頼度の高い読み方を収集することができる。特に、サーバ装置100は、POI読み方情報生成処理の実行により、当初不明であったPOIの読み方を特定する情報を収集することができる。
【0083】
特に、サーバ装置100は、かかる処理で収集されるPOIの読み方に、その読み方を行ったユーザの自宅位置とPOIとの距離を対応付けたPOI読み方情報113を生成することができる。一般的に、ある地域に住む人々は、その地域の地名や施設名の正しい読み方を知っているのが通常である。したがって、ユーザ発話のテキスト情報をPOIの読み方とし、これにユーザの自宅位置からPOIまでの地点間距離を対応付けたPOI読み方情報113を生成することにより、サーバ装置100は、その読み方の信頼度(確からしさ)を評価することが可能となる。
【0084】
図9は、POI読み方通知処理の一例を示したシーケンス図である。かかる処理は、例えばPOI読み方情報生成処理の終了と共に開始される。
【0085】
処理が開始されると、サーバ装置100のPOI読み方通知部124は、目的地に設定されたPOIの読み方を所定のルールに従って特定する(ステップS200)。具体的には、POI読み方通知部124は、POIからユーザの自宅位置までの地点間距離と、POIについてその読み方をした人の数とに基づきその読み方の信頼度(確からしさ)を評価し、その評価値に基づきPOIの読み方を特定する。
【0086】
例えば、POI読み方通知部124は、ステップS180で取得したPOI IDが対応付けられたレコードをPOI読み方情報113から特定する。また、POI読み方通知部124は、特定したレコードのうち地点間距離が第1圏内(例えば、30km圏内)に含まれるレコードに対応付けられたPOIの各読み方に対して所定のポイント数(例えば、10ポイント)を付与する。
【0087】
また、POI読み方通知部124は、同様にして、地点間距離が第2圏内(例えば、30km〜100km圏内)に含まれるレコードに対応付けられたPOIの各読み方に対して所定のポイント数(例えば、5ポイント)を付与する。同様に、POI読み方通知部124は、地点間距離が第3圏内(例えば、100km〜200km)、第4圏内(例えば、200km〜500km)および第5圏内(例えば、500km〜1000km)に含まれる各レコードに対応付けられたPOIの各々の読み方に対して所定のポイント数(例えば、第3圏内の読み方には3ポイント、第4圏内の読み方には2ポイント、第5圏内の読み方には1ポイントなど)を付与する。
【0088】
また、POI読み方通知部124は、POIの読み方毎にポイント数を集計して各読み方の評価値を算出する。また、POI読み方通知部は、最も高い評価値(最も高い信頼度)の読み方を目的地に設定されたPOIの読み方として特定する。
【0089】
なお、POIの読み方を特定する方法は上記の方法に限定されるものではなく、POIからユーザの自宅位置までの地点間距離と、POIについてその読み方をした人の数とを用いて算出する方法であればどのような方法であっても良い。
【0090】
次に、POI読み方通知部124は、特定したPOIの読み方を情報提供装置200で音声出力するための音声情報を生成する(ステップS210)。例えば、POI読み方通知部124は、特定したPOIの読み方を含む所定の音声情報(例えば、「目的地を”たいわまち”に設定しました」など)を生成し、処理をステップS220に移行する。
【0091】
なお、サーバ装置100は、音声情報の生成に変えて、図示しない所定の機能(例えば、表示情報を生成する機能部)により「目的地を”たいわまち”に設定しました」といった所定のテキストメッセージを表示する画面情報を生成しても良い。
【0092】
次に、POI読み方通知部124は、通信部130を介して、生成した音声情報(あるいはテキストメッセージの画面情報)を情報提供装置200に送信する(ステップS220)。
【0093】
次に、情報提供装置200の音声読み上げ部225は、通信部230を介して取得した音声情報をスピーカ404aに出力し、目的地に設定されたPOIを読み上げる(ステップS230)。例えば、音声読み上げ部225は、「目的地を”たいわまち”に設定しました」といった音声情報をスピーカ404aに出力する。
【0094】
なお、サーバ装置100からテキストメッセージの画面情報を取得した場合、情報提供装置200の表示情報生成部222は、「目的地を”たいわまち”に設定しました」というテキストメッセージをディスプレイ402に表示する。そして、音声読み上げ部225は、POI読み方通知処理を終了する。
【0095】
以上、POI読み方通知処理について説明した。このようなサーバ装置100によれば、POIの名称について信頼度の高い読み方を提供することができる。特に、POI名称の読み方が含まれていないPOI情報112を用いた場合でも、サーバ装置100は、POI読み方情報113を用いてPOIの読み方の確からしさを評価し、より正しいPOIの読み方を情報提供装置に提供することができる。
【0096】
また、サーバ装置100は、複数通りの読み方ができるPOI名称(例えば、「大和町」は「やまとまち」、「だいわまち」、「たいわまち」、「おおわまち」と読むことができる)の中で最も確からしい読み方を特定し、その読み方を情報提供装置200に提供することができる。その結果、情報提供装置200は、目的地に設定されたPOIの名称を正しい読み方で読み上げることができる。
【0097】
なお、本発明は前述の実施形態に限られるものではなく、様々な変形例が可能である。例えば、第一変形例に係るサーバ装置100は、特定したPOIの読み方とユーザ発話とが異なっている場合、ユーザが誤った読み方をしていることを通知する音声情報あるいはテキストメッセージを生成する。
【0098】
具体的には、サーバ装置100のPOI読み方通知部124は、ステップS210の処理において、ステップS120で変換したユーザ発話のテキスト情報と、ステップS200で特定したPOIの読み方とを比較する。そして、ユーザ発話のテキスト情報と、特定したPOIの読み方とが異なっていると判定した場合、所定の音声情報(例えば、「この地域では”たいわまち”と読みます」など)あるいは音声情報と同様の内容を示すテキストメッセージを生成する。また、POI読み方通知部124は、通信部130を介して、生成した音声情報あるいはテキストメッセージを情報提供装置200に送信する。
【0099】
このような変形例に係るサーバ装置100によれば、ユーザがPOI名称の読み方を間違っていた場合、その誤りに気づかせることができる。
【0100】
また、本発明の第二変形例に係るサーバ装置100のPOI読み方通知部124は、POI読み方情報113が既に生成されている場合(ある程度の数のPOIの読み方が収集されている場合)、ステップS140の処理において、検出されている各POIの読み方を特定し、通信部130を介して、特定したPOIの読み方を含む所定の音声情報をPOIの情報に付加して情報提供装置200に送信する。
【0101】
具体的には、POI読み方通知部124は、ステップS130の処理で検出された各POIのPOI IDに対応付けられたレコードをPOI読み方情報113から特定する。また、POI読み方通知部124は、ステップS200と同様の方法により、特定したレコードの地点間距離と、各POIについてその読み方をした人の数とに基づき各POIの読み方の確からしさを評価し、かかる評価に基づいて検出されている各POIの読み方を特定する。
【0102】
また、POI読み方通知部124は、特定したPOI毎にその読み方を情報提供装置200で音声出力するための音声情報を生成し、POI検索部122により検出されたPOIの情報に付加する。
【0103】
また、POI検索部122は、各POIの読み方の音声情報を含むPOIの情報を、通信部130を介して情報提供装置200に送信する(ステップS140)。
【0104】
また、情報提供装置200の経路探索部224は、表示情報生成部222を介して、目的地候補のPOIを表示する(ステップS150)。また、入力受付部221は、POIの選択を受け付けたか否かを判定し(ステップS160)、POIが選択されたと判定した場合(ステップS160でYes)、音声読み上げ部225は、選択されたPOIの情報に付加されている音声情報(例えば、「目的地を”たいわまち”に設定しました」)を読み上げる。
【0105】
このような第二変形例によれば、POI読み方通知処理を実行した場合と同様に、情報提供装置200は目的地に設定されたPOI名称を正しい読み方で読み上げることができる。特に、情報提供装置200は、検出された目的地候補のPOIの情報を取得するタイミングで各POIの正しい読み方の音声情報についても取得できる。そのため、情報提供装置200は、目的地の選択を受け付けた際により迅速にPOI名称を読み上げることができる。
【0106】
また、本発明の第三変形例に係るサーバ装置100の音声認識部121は、ステップS120の処理でユーザ発話をテキスト変換する際、ユーザ発話のイントネーションについても記録する。また、POI読み方情報生成部123は、POIのイントネーションを付加したPOI読み方情報113を生成する(ステップS190)。
【0107】
また、サーバ装置100のPOI読み方通知部124は、POI読み方情報113を用いて、目的地に設定されたPOIの読み方にユーザ発話のイントネーションを反映した音声情報を生成し(ステップS210)、通信部130を介してこれを情報提供装置200に送信する(ステップS220)。
【0108】
このような第三変形例によれば、情報提供装置200の音声読み上げ部225は、ユーザ発話のイントネーションを反映したPOI名称を読み上げることができる。そのため、ユーザは、その地域におけるPOI名称の読み方に加え、POI名称を発話する際の抑揚や音の高低についても知ることができる。
【0109】
また、前述の実施形態に係るサーバ装置100は、音声認識部121と、POI検索部122と、POI読み方情報生成部123と、POI読み方通知部124とを有していたが、本発明はこのような実施形態に限られるものではなく、例えば音声認識部121およびPOI検索部122とを備えたPOI検索サーバと、POI読み方情報生成部123およびPOI読み方通知部124を備えたPOI読み方通知サーバとに分けて構成しても良い。すなわち、ステップS120〜ステップS140の処理をPOI検索サーバで実行し、ステップS190の処理と、ステップS200〜ステップS220の処理とをPOI読み方通知サーバで実行するようにしても良い。
【0110】
このようにすれば、POI検索に関する処理を実行するサーバ装置100と、POIの読み方に関する情報を生成するサーバ装置100とを別個に構成することができる。
【0111】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
【0112】
また、上記説明では、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。