特許第6986030号(P6986030)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986030
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】相変化保温パック
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/03 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   A61F7/08 331
   A61F7/08 332A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-554665(P2018-554665)
(86)(22)【出願日】2018年5月22日
(65)【公表番号】特表2019-522502(P2019-522502A)
(43)【公表日】2019年8月15日
(86)【国際出願番号】CN2018087869
(87)【国際公開番号】WO2019007160
(87)【国際公開日】20190110
【審査請求日】2018年10月15日
【審判番号】不服2020-10434(P2020-10434/J1)
【審判請求日】2020年7月27日
(31)【優先権主張番号】201710540616.1
(32)【優先日】2017年7月5日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518365204
【氏名又は名称】北京航天新材科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Aerospace New Materials Technology Co.Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】▲ざん▼ 万初
【合議体】
【審判長】 千壽 哲郎
【審判官】 栗山 卓也
【審判官】 莊司 英史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/070543(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第104383643(CN,A)
【文献】 特開2004−149796(JP,A)
【文献】 特開2006−328143(JP,A)
【文献】 特開2000−325384(JP,A)
【文献】 特開平10−251627(JP,A)
【文献】 実開昭57−17612(JP,U)
【文献】 特開2016−79351(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/073010(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パック本体と固定装置を備える相変化保温パックであって、
前記パック本体は顔の形状に対応し、鼻と口に対応する部分に開口部を設け、
前記固定装置は、前記パック本体に設けられ、前記パック本体を顔に固定するのに用いられ、
前記パック本体は、外側から内側まで順に、ハウジング、断熱層、少なくとも一層の蓄熱層、遷移層、及び表面層を含み、
前記蓄熱層は、相変化点が38℃から80℃の間にある、変化材料であり、前記相変化材料は、比率が3%から20%のグラフェンおよび膨張グラファイトを含み、骨格材料によって保形されることで定型材料に加工され、
前記遷移層は、多孔質の材料から構成され、
前記多孔質材料の層を貫通する貫通孔が設けられ、
電気加熱方式で加熱される発熱層をさらに備え、
前記発熱層は、前記蓄熱層と前記遷移層の間に設けられ、もしくは、前記断熱層と前記蓄熱層の間に設けられ、または、前記蓄熱層が2層の蓄熱材料を含む場合に前記2層の蓄熱材料の間に設けられ
ことを特徴とする相変化保温パック。
【請求項2】
前記相変化保温パックは、更に制御装置を備え、
前記制御装置は、電源、変圧器及びタイマーを備え、
前記制御装置は、前記発熱層を加熱し、前記加熱のプロセスを制御するのに用いられることを特徴とする請求項1に記載の相変化保温パック。
【請求項3】
36V以下の電圧で前記発熱層を加熱することを特徴とする請求項2に記載の相変化保温パック。
【請求項4】
前記発熱層は、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate;PET)シート及び/又はポリイミド(polyimide;PI)シートを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の相変化保温パック。
【請求項5】
前記表面層の片面に設置された温度測定用熱電対と、
前記温度測定用熱電対によって測定された温度データをリアルタイムで伝送する伝送装置と、
さらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の相変化保温パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日用品の応用技術に関し、特に相変化保温パックに関する。
【背景技術】
【0002】
保温パック(肌を温める)は、昔から利用されている有効な保健、物理療法、治療方法である。保温パックから生まれた足浴、浴槽、サウナ、保温パック、赤外線物理療法等は、広く知られており受け入れられている。顔を温めることで、筋肉の緊張を和らげ、炎症や於血を解消することができる。スキンケア製品のエッセンスの保温パックは、スキンケア製品を、局部を通して吸収させることができ、所望の部位にスキンケア製品を直接到達させる目的を達成し、治療効果をより直接且つより有効にすることができる。
【0003】
通常パックをする時、顔とマスクの温度は約25℃から31℃である。マスクの温度と顔の温度が比較的高い時、毛穴を開くことができ、血液の循環を促進し、マスクの養分の吸収を高めることができる効果を奏している。しかし、マスクの含水量が多いため、顔にパックした後、水分が蒸発すると共に大量の熱量が奪われ、顔の温度が3℃から5℃程度低下し、毛穴が収縮し、マスクのエッセンスの吸収を妨げる。適切な温度は、顔の血液循環、及びフェイシャルマスク内のエッセンスの吸収にとって非常に重要である。たとえフェイシャルマスクがなくても、顔を温めると、顔の血液循環を促進することができ、新陳代謝を促進し、疲労を緩和し、リフレッシュ効果を奏することができる。また、温度を適切に高めることで、顔の脂肪を消耗し、小顔効果を奏することができる。しかし、室温が低い場合(秋と冬)、顔に直接パックすることは、冷たい刺激を受けるだけでなく、マスクのスキンケア効果を悪化させてしまう。
【0004】
フェイシャルマスクの温度を高め、効果を向上させるため、様々な保温パックが開発された。例えば、赤外線保温パック、トルマリンマスク、電気マスク、使い捨て保温パック等である。しかし、上記マスクには下記のような問題点がある。
【0005】
電気ヒーティングマスク(TWM384295等)は電気で加熱するため、使用中に電気を通す必要がある。さらに、測定された温度のフィードバックによって加熱電力と温度を調整しなければならない。また、使用中に電気を通すことは利便性に欠けており、安全性を確保することができない。
【0006】
トルマリンマスクは、水を蓄熱媒体として使用し、電気を使わないため、安全性を確保することができる。しかし、この種のマスクは、適応する温度範囲が狭く、保温時間が短いため、ユーザーの評価が悪い。
【0007】
使い捨てのアイマスクは、熱源として殆ど化学反応を利用しており、繰り返し使用することができない。さらに、このような反応のアイマスクは顔全体のパック効果を提供することができない。また、このような熱反応のアイマスクをフェイシャルマスクとした場合、コストが高くなってしまう。
要約すると、市販の保温パックは、利便性と安全性の面で改良が必要であり、コストが高すぎる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した保温パックの問題を解決するため、本発明は、直接の熱源として、電気熱源の代わりに相変化蓄熱材料を用い、電気を通さない状態でパックすることで最適な効果を得ることができる。
【0009】
本発明の1つの態様は、パック本体と固定装置を備える相変化保温パックを提供し、
前記パック本体は顔の形状に対応し、鼻と口に対応する部分に開口部を設け、
前記固定装置は、前記パック本体に設けられ、前記パック本体を顔に固定するのに用いられ、
前記パック本体は、外側から内側まで順に、ハウジング、断熱層、蓄熱層、遷移層、及び表面層を含み、
前記蓄熱層は、相変化点が38℃から80℃の間ある相変化材料であり、
前記遷移層は、柔らかくて多孔質の材料からなる。
本発明のその他の態様の相変化保温パックは、更に発熱層を備え、
前記発熱層は、前記蓄熱層と前記遷移層の間に設けられ、または、
前記発熱層は、前記断熱層と前記蓄熱層の間に設けられ、または、
前記発熱層は、前記蓄熱層の2層の蓄熱材料の間に設けられる。
【0010】
本発明の他の態様の相変化保温パックは、前記発熱層にPI加熱シート又はPET加熱シートが設けられる。
【0011】
本発明のその他の態様の相変化保温パックは、更に制御装置を備え、
前記制御装置は、電源、変圧器及びタイマーを備え、
前記制御装置は、前記発熱層を加熱し、前記加熱のプロセスを制御する。
【0012】
本発明の他の態様の相変化保温パックは、36V以下の電圧で前記発熱層を加熱する。
【0013】
本発明のその他の態様の相変化保温パックは、前記発熱層に更に温度リミッタを有する。
【0014】
本発明のその他の態様の相変化保温パックは、前記発熱層に、PETシート及び/又はPIシートを有する。
【0015】
本発明のその他の相変化保温パックは、電気加熱方式で加熱する場合、相変化材料は、定型材料に加工し、熱伝導率の高い成分を配合する。
【0016】
本発明のその他の態様の相変化保温パックは、前記遷移層と前記表面層が一体形成される。
【0017】
本発明のその他の態様の相変化保温パックは、前記表面層の片面に温度測定用熱電対が設置され、
前記温度測定用熱電対は、相変化保温パックの温度をリアルタイムで記録する。
【0018】
本発明の提供する相変化保温パックは、相変化材料を用いて蓄熱し、前記相変化材料を直接熱源として顔のパックを行う。また、電気熱源、電子レンジ等を間接的な熱源とし、前記相変化材料を加熱して、蓄熱される。前記相変化材料は、相変化点及び用量を調節可能にしており、相変化保温パックの温度と時効も制御、調整可能であり、必要に応じて最適なパック効果を奏することができる。本発明の提供する相変化保温パックは、使用が容易であり、安全安心の使用ができ、且つコストが低い効果を奏している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の他の特徴、目的及び利点は、以下の図面を参照して非限定的な実施形態の以下の詳細な説明を読むことによって、より明らかになる。
図1】本発明の実施例の相変化保温パックの構造概略図である。
図2】本発明の実施例の相変化保温パックのパック本体の構造概略図である。
図3】本発明の実施例の保温パックを使用する際のマスクの温度と通常のマスクを使用する際のマスク温度の比較図である。
図4】本発明の実施例の保温パックを使用する際の時間に沿った温度変化を示す図である。 図面の同一の部品は同一の符号を用いて表す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の開示は、本発明の異なる構造を実施するための異なる実施形態又は実施例を提供する。本発明の開示を簡単にするために、以下、本発明の特定の実施例の構成要素及び設置について説明する。更に、本発明は、異なる実施例において数字及び/又は符号を繰り返して使用する。それは、簡潔明瞭に本発明を説明することを目的としており、以下の各実施形態及び/又は実施例を示すものではない。図面に示された構成要素は、実際の比率と関係なく、本発明を説明するための概略図である。本発明に対する必要でない制限を避けるため、以下は、本発明における周知技術及び処理プロセスの記載を省略する。
【0021】
図1は、本発明の実施例の相変化保温パックの構造概略図である。当該相変化保温パックは、パック本体10と固定装置20を備えている。
【0022】
パック本体10は、顔の形状に対応し、鼻と口には呼吸のための開口が設けられている。
【0023】
固定装置20は、パック本体10を顔に固定するためのものであり、パック本体10に固定されている。固定装置20は、パック本体10の両端に固定される帯構造であり、帯構造の端部に固定するためのベルクロ(登録商標)やバックル等を設けることができる。また、ユーザーの頭部に掛けるための一体化された弾力バンドであってもよい。さらに、相変化保温パックの重量を100gから300gにすることが好ましい。このようにすることで、相変化保温パックの構造の完全性を確保し、装着時のユーザーの負担も低減することができる。
【0024】
図2に示すように、パック本体10は、外部から内部まで順に、ハウジング11、断熱層12、蓄熱層14、遷移層15、及び表面層16を含んでいる。
【0025】
パック本体10の外観は、主にハウジング11によって決められ、パック本体10の他の構造層を保護するための保護機能を有する。
【0026】
断熱層12は、加熱と使用時のパック本体10の熱損失を低減し、保温時間を延長し、相変化保温パックの使用効果を高めることができる。
【0027】
蓄熱層14は、相変化点が38℃から80℃の相変化材料である。好ましくは、蓄熱層14の相変化点が50℃から60℃の相変化材料である。相変化材料は、熱を迅速に吸収して蓄えることができる。蓄熱層14は、当該相変化保温パックのコア層である。相変化材料の相変化点は、遷移層15の厚さに対応している。遷移層15の層の厚さを増加するか又は熱伝導率を減少させれば、蓄熱層14の顔への伝熱抵抗が増加し、温度差を増大させる必要がある。即ち、相変化温度点を高めて、蓄熱量を増加させる必要がある。実際の応用においては、必要とされるフェイシャルマスクの温度は38℃から41℃である。しかし、遷移層15は所定の厚さ(例えば3mm)を有するため、相変化材料の相変化点は、好ましくは55℃である。遷移層15の厚さが変化すると、相転移温度点も顔の温度に応じて調整する必要がある。
【0028】
相変化保温パックは、電子レンジで加熱することができる。電子レンジで加熱する時、相変化材料は保形する必要はないが、電子レンジのマイクロ波の熱を吸収する機能を持つ必要がある。電子レンジで加熱する場合、加熱時間は、20秒から40秒の間に制御される。電子レンジで加熱する必要がある場合、当該相変化保温パックは、蓄熱層14よりマイクロ波の熱を吸収する能力が高い成分、例えば金属を含む加熱シート、接続ワイヤー等を含まないようにする。
【0029】
遷移層15は、柔くて多孔質材料からなる。好ましくは、遷移層15は、厚さが1mmから7mmのスポンジ材料を使用する。より好ましくは3mmから5mmを使用する。さらに好ましくは、厚さが3mmのスポンジ材料を使用する。スポンジ自体は、多孔質材料ではあるが、熱交換性及び通気性を高めるため、スポンジ内にさらに貫通孔を追加してもよい。
【0030】
スキンケア効果を高めるため、スキンケアオイル及び/又は漢方(例えば、ビャクシ、パールパウダー)等の美容成分を遷移層15に添加することができる。
【0031】
また、相変化保温パックの効率を高めるため、遷移層15と表面層16の間にマッサージ装置を追加してもよい。使用中、効果を高めるため、保温しながらマッサージをすることができる。
【0032】
蓄熱層14の熱量は、遷移層15の貫通孔を介して表面層16とフェイスパックへ伝達される。遷移層15の輪郭及び厚さは、顔の輪郭に対応しており、その柔軟性及び伸縮性によって、様々な顔のタイプに適していることを確保する。遷移層15に、その他の機能成分、例えばヘルスケア機能を有する漢方成分を添加することができる。このような成分は、直接表面層16に伝達することができ、これによって顔に直接マスクをすることができる。または、フェイシャルマスクの効果と結合し、フェイシャルマスクの使用効果を向上させることができる。
【0033】
その他、このようなヘルスケア効果を有する成分は、遷移層15と表面層16の間に設置して単独の機能層を形成することができる。
【0034】
表面層16の布は、フェイシャルマスクに付着しやすく、フェイシャルマスク上の水分が遷移層15に浸入することを防止し、かつ、清潔で、洗浄しやすい。好ましくは、コストを低減するため、遷移層15及び表面層16が一体形成される。例えば、遷移層15はスポンジ材料を使用する。スポンジを布とシリコーン等で包み、柔らかいパッドを形成し、片面は、防水性、防油性のあるマスク用のシリコーン材料を使用し、他面は、フェイシャルマスクとして使用しない多孔性・通気性の布を使用する。
さらに、表面層16または一体化された表面層と遷移層15は、洗浄しやすく、及び交換しやすい条件を満たす必要がある。
【0035】
好ましくは、相変化保温パックは、発熱層13を更に含み、発熱層13は、蓄熱層14と遷移層15の間に配置されるか又は断熱層と蓄熱層の間に配置され、或いは、蓄熱層14の2つの蓄熱材料の間に配置される。好ましくは、発熱層は、PET(polyethyleneterephthalate,ポリエチレンテレフタレート)加熱シート及び/又はPI(polyimide,ポリイミド)加熱シートを使用する。加熱シートの内部温度は、バランスがとれており、顔マスクの効果が良好である。発熱層13には、発熱線が設けられており、発熱線のレイアウトは相変化材料のレイアウトと対応している。発熱層13は、発熱線を介して電気エネルギーを熱エネルギーに変化して、蓄熱層に蓄積する。かつ、電気をオフにした後、熱エネルギーを解放することができる。好ましくは、使用の安全性をより確実に保証するため、36V以下の電圧で発熱層を加熱する。例えば、24V、12Vの低電圧で発熱層13を過熱する。
【0036】
電気加熱方式で加熱する場合、相変化材料は、定型材料に加工し、熱伝導率の高い成分を配合する必要がある。通常、グラフェン、膨張グラファイト、炭素繊維、アルミナ、窒化ケイ素等の粉末、又は短切繊維、高熱伝導性充填材、銅及び他の高熱伝導性の金属の気泡フォーム、メッシュ等を使用する。例を挙げると、比率が3%から20%、好ましくは5%から15%のグラフェンと膨張グラファイトを使用する。熱伝導率の高い成分を配合することにより、発熱層13の加熱、吸熱の速度を増加させることができ、相変化保温パックの使用効果を向上させる。
【0037】
電気で加熱する場合、相変化材料は、他の材料で骨格を作って保形する必要があり、これによって、外観中の固相変化を保証するため、液体移動現象が、加熱保証効果及び使用安全を確保することができる。骨格を作って保形するには、吸油性樹脂、吸油性ゴム、無機吸着材料、例えば、POE(polyolefin elastomer,ポリオレフリンエラストマー)、モレキュラーシーブ、活性炭素等が挙げられる。好ましくは、HDPE(High Density Polyethylene,高密度ポリエチレン)を使って骨格を作って保形する。
【0038】
好ましくは、相変化保温パックは、さらに制御装置を含む。当該制御装置は、電源、変圧器及びタイマーを備える。あるいは、当該変圧器、タイマー及び/又はその他の部品を集積回路基板と組み合わせる。実際の用途では、電源と集積回路基板の組み合わせを使用することが好ましい。制御装置は、発熱層を加熱し、加熱プロセスを制御するのに用いる。また、当該発熱層13には温度リミッタが設けられている。温度リミッタは、相変化保温パックの温度が高過ぎないことを保証し、これによって使用安全性を向上させる。
【0039】
好ましくは、電気を用いて加熱する場合、表面層16の片面に温度測定用熱電対が設置され、この温度測定用熱電対を用いて相変化保温パックの温度をリアルタイムで記録する。好ましくは、相変化保温パックは、リアルタイムで温度を表示する表示装置をさらに備える。当該表示装置は、LEDディスプレイであってもよい。好ましくは、相変化保温パックは、更に熱電対によって測定された温度データをリアルタイムで伝送する伝送装置を備える。受信装置は、モバイル端末、PC、クラウドストレージデバイス等であってもよい。
【0040】
本発明の提供する相変化保温パックは、マスクを過熱することができ、それによってマスクの使用効果を高めている。また、本発明の提供する相変化保温パックは、それだけでなく、フェイシャルマスクがない場合であっても使用することができる。フェイシャルマスクがない場合、相変化保温パックを加熱してから顔に当てるだけでよい。顔痩せ効果を達成するため、相変化点を高めて、相変化保温パックの温度を上昇させる必要がある。快適性を向上させるために、表面層16を除去することができ、遷移層15は、汗の吸収及び換気を容易にするために親水性材料で作ることができる。
【0041】
電子レンジを間接的な熱源として使用する場合、本発明の提供する相変化保温パックは、電子レンジで20から40秒間過熱することができる。電気発熱層を備えた場合、電源はオンにして、一回で2分から10分(好ましくは3分から5分)加熱して、その後自動的に電源をオフにさせる。この過程で、未開封のフェイシャルマスクを同時に加熱することができる。パックする時、通常の手順に従ってパックするか、またはフェイシャルマスクをパック本体の表面層の布に広げてから、相変化保温パックを顔に着用する。また、本発明の提供する相変化保温パックは、様々な用途に用いることができ、例えば、フェイシャルマスクをパックする前に、先ず相変化保温パックを用いて顔に当て、顔の毛穴を広げ、デトックスさせ、その後、顔を洗って、フェイシャルマスクをパックする。続いて、当該相変化保温パックを用いてフェイシャルマスクを熱して顔をパックする。これによって、良好な効果を実現する。
【0042】
図3に示すように、本発明の提供する相変化保温パックを使用することにより、パックする際の温度を適切に高めることができ、毛穴を広げ、フェイシャルマスクのスキンケア製品の吸収を促進させることができる。また、顔の温度に適する温度を保持することでユーザーの使用の快適性を向上させることができる。
【0043】
図4に示すように、パックする過程で、相変化保温パックは長時間適切な温度範囲内に保持することができる。
【0044】
本発明の提供する相変化マスクは、正確で妥当な温度制御、安全な使用、再使用可能で低コストであり、様々な美容効果例えば顔痩せ効果等を奏している。
【0045】
以上、実施例を用いて、本発明の利点を詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に限定されない。本発明の精神及び添付の請求項の保護範囲から逸脱しない範囲で、本発明の実施例に対して様々な変更、置換、及び修飾などを行うことができる。
その他の実施例について、当業者は、本発明の保護範囲内でプロセスを変更することができる。
【0046】
さらに、本発明の適用範囲は、明細書に記載された特定の実施例のプロセス、メカニズム、製造、材料組成、手段、方法、及びステップに限定されない。本発明の開示から、当業者は容易に本発明を理解することができ、既存又は今後の開発のプロセス、構造、製造、物質組成、手段、方法又はステップに、本発明の対応する実施例と大体同等の機能又は大体同等の効果を得るため、本発明を使用することができる。よって、本発明に添付された特許請求の範囲は、これらのプロセス、構造、プロセス、物質の組成、手段、方法又はステップを含んでいる。
図1
図2
図3
図4