(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御機能は、前記第1サブコンテンツに対して再生の前提となる少なくとも一つの前記第2サブコンテンツが設定されている場合、前記前提となる第2サブコンテンツに基づいて前記同期ポイントIDが検出されたことを条件に、前記第1サブコンテンツを再生するように制御する
請求項1に記載のコンテンツ再生プログラム。
前記第1サブコンテンツは、前記第2サブコンテンツと共に前記メインコンテンツの進行に応じて再生されるテキスト情報、音、画像、又は光や振動による演出のコンテンツであり、前記第2サブコンテンツは、前記メインコンテンツの進行に応じて再生される音、画像、又は光による演出のコンテンツである、
請求項1又は2に記載のコンテンツ再生プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。また、説明において、各タイミングにおける時刻を記載する場合、hh:mm:ss形式(時=hh、分=mm、秒=ss)で記載する。なお、各タイミングを表す形式は、当該時刻情報に限られず、例えば、固定サイクルでインクリメントされるタイマー値等を用いてもよい。
【0017】
本実施形態では、本実施形態に係るコンテンツ再生システム(以下、単に「コンテンツ再生システム」という)を舞台で行われる実演を含むコンテンツに適用した場合を例に説明するが、これに限る趣旨ではない。
【0018】
<1.システム概要>
図1は、コンテンツ再生システムの概略構成を示す図である。コンテンツ再生システムは、
図1に示すように、オペレータ端末100、ユーザ端末200a、200b及び200c(コンテンツ再生装置)(以下、特に区別の必要がない場合、総称して「ユーザ端末200」という)、及びスピーカ300a、300b(以下、特に区別の必要がない場合、総称して「スピーカ300」という)を備える。
【0019】
スピーカ300は、劇場や球場等の実演の本番が行われる施設に設置され、オペレータ端末100は、スピーカ300から出力されるBGM等のコンテンツに対する人(オペレータ)の操作(例えば、BGM等の再生操作等)に利用される。ユーザ端末200では、当該コンテンツの再生に連動して、字幕や音声ガイド等の別のコンテンツが再生される。以降、舞台上で実演を行う演者やオペレータ端末100又はスピーカ300等の施設に設置されている機器等を総称して「舞台側」という。
【0020】
舞台で行われる実演を含むコンテンツに適用した場合の本例では、例えば、舞台上ではメインとなるコンテンツ(メインコンテンツ)である実演が行われ、BGM等のサブコンテンツ(第2サブコンテンツ)が当該実演の進行に合わせてオペレータ端末100におけるオペレータの操作で再生される。ユーザ端末200では、実演の進行に合わせてBGMと共に、実演の進行の変動によるずれを反映するための二つテーブルを用いて、字幕等の別のサブコンテンツ(第1サブコンテンツ)が自動で再生される。本例におけるコンテンツ再生システムの概要を次の(1)〜(3)で説明する。なお、コンテンツ再生システムに含まれるコンテンツは、前述のとおり、「メインコンテンツ」と、「第1サブコンテンツ」と、「第2サブコンテンツ」とに大きく分かれて構成されるが、各コンテンツの詳細は後述する。
【0021】
(1)コンテンツ再生システムが適用される実演では、本番前に、舞台側において、先ず、メインコンテンツである実演が予定どおり進行した場合のBGMや字幕の再生スケジュールが設定される。次に、BGMが再生される区間中に同期ポイントが設定される。具体的には、実演の開始時刻等の同期基準タイミングを基準としたBGM再生区間中の任意の再生タイミングに、透かしデータとして同期ポイントIDを埋め込む。なお、当該スケジュール及び同期ポイントの設定は、オペレータ端末100等に当該設定の情報を登録し、オペレータの操作等によって適宜編集されてもよい。
【0022】
ここで、「同期ポイント」とは、メインコンテンツの進行に対して、サブコンテンツの進行の同期を図るポイントをいう。また「同期ポイントID」とは、同期ポイントを特定するための識別情報である。また、「同期基準タイミング」とは、例えば、メインコンテンツの開始時刻や場面が切り替わるシーンの開始時刻等のタイミングである。以降の説明では、同期基準タイミングとしてメインコンテンツの開始時刻「00:00:00」を採用した場合について説明する。
【0023】
(2)コンテンツ再生システムで用いられるユーザ端末200には、同期ポイントIDと、同期基準タイミングを基準とした同期ポイントの予定タイミングとを対応付けて格納した第1テーブルと、同期基準タイミングを基準として実演の進行に合わせて再生する字幕等の第1サブコンテンツの開始予定タイミングを格納する第2テーブルとが予め記憶される(又は、アクセス可能に設定される)。
【0024】
(3)実演の本番当日において、舞台側でオペレータは、メインコンテンツである実演が開始されると、当該メインコンテンツの進行をモニターし、遅延等が発生した場合は、それを考慮してBGMの再生タイミングを修正して再生制御する。この結果、メインコンテンツの実際の進行に応じたタイミングでBGMが再生され、当該BGMの再生と共に同期ポイントIDが出力される。ユーザ端末200において、当該BGMがマイク等で集音されると、当該BGMに埋め込まれている同期ポイントIDを検出し、検出された同期ポイントIDと第1テーブルとに基づき、該当する同期ポイントの予定タイミングを取得する。コンテンツ再生システムは、当該取得された同期ポイントの予定タイミングと、当該同期ポイントIDが検出されたタイミングとの差分(進行の遅延等による予定とのずれ)を取得し、当該差分と第2テーブルに基づき、実演の進行予定とのずれを反映させて、字幕を実際に開始させるタイミングを判定する。コンテンツ再生システムは、当該判定した開始タイミングに基づき、ユーザ端末200において字幕を再生させる。
【0025】
上記構成によれば、進行時間が変動してしまう実演等のメインコンテンツにおいても、BGM等の第2サブコンテンツの透かしデータの埋め込みタイミングに限定されず、任意のタイミングで、第1サブコンテンツの再生を制御することができる。
【0026】
また、上記構成によれば、オペレータが張り付いて舞台の進行に合わせて字幕の再生操作を行わなくとも、少ない誤差で、舞台上の進行とユーザ端末200の字幕の再生進行とを同期させることもできる。
【0027】
<2.ハードウェア構成>
図2は、オペレータ端末100及びユーザ端末200(以下、「ユーザ端末200等」という)のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ端末200等は、第1サブコンテンツを再生可能な端末であれば足り、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップ端末、デスクトップ端末又はメガネ型やリストバンド型等のウェアラブル端末等の情報端末であってもよい。
図2に示すように、ユーザ端末200等は、プロセッサ110、記憶装置115、通信インタフェース(I/F)120、音声入力装置125、音声出力装置130、操作入力装置135及び表示出力装置140を備える。
【0028】
プロセッサ110は、データの演算、加工及び転送並びにプログラムの実行や他の装置の制御等を担う処理装置である。プロセッサ110は、記憶装置115に格納されているプログラムを実行することにより、ユーザ端末200における様々な機能を実現することができる。
【0029】
記憶装置115は、主記憶装置(例えば、揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ等)、補助記憶装置(例えば、不揮発性メモリ等)又は外部記憶装置等のプログラムやデータを記憶する装置である。
【0030】
通信インタフェース120は、外部の装置との間でプログラムやデータの送受信を行うためのインタフェース装置である。通信インタフェース120は、例えば、携帯電話の通信網用のインタフェースや、無線LAN(Local Area Network)用のインタフェースを含む。通信インタフェース120は、有線のインタフェースを含んでもよい。
【0031】
音声入力装置125は、周囲の音を検出するための入力装置である。音声入力装置125は、例えば、マイク等である。音声入力装置125は、可聴域の音に限らず、非可聴域の音も検出することができる。音声入力装置125は、ユーザ端末200等の外部に設けられていてもよい。
【0032】
音声出力装置130は、音を出力するための出力装置である。音声出力装置130は、例えば、スピーカ等である。また、音声出力装置130は、イヤホンに音を出力するための装置であってもよい。第1サブコンテンツが音(例えば音声ガイドや吹き替え音声)を含む場合、当該音は音声出力装置130から出力される。
【0033】
操作入力装置135は、ユーザやオペレータからの操作入力を受け付けるための装置である。操作入力装置135は、例えば、表示出力装置140と一体的に形成されたタッチパネルであってもよい。操作入力装置135は、ユーザ端末200等の外部に設けられてもよく、例えば、キーボードやマウスパット等でもよい。
【0034】
表示出力装置140は、画像(静止画又は動画)を表示するための出力装置である。表示出力装置140、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイである。表示出力装置140は、ユーザ端末200等の外部に設けられていてもよい。第1サブコンテンツが画像(例えば字幕)を含む場合、当該画像はユーザ端末200の表示出力装置140に表示される。
【0035】
<3.機能構成>
<3.1 オペレータ端末100の機能構成>
図3は、オペレータ端末100の機能構成の一例を示す図である。オペレータ端末100は、入力部150と、出力部155と、制御部160と、記憶部165とを備える。
図3に示す各部は、例えば、記憶装置115の記憶領域を用いたり、記憶装置115に格納されたプログラム(コンテンツ再生プログラム)をプロセッサ110が実行したりすることにより実現することができる。
【0036】
入力部150は、オペレータ端末100において各種情報の入力を受け付ける。入力部150は、例えば、オペレータからの第2サブコンテンツの再生に関する入力を受け付けてもよい。入力部150は、オペレータ端末100に接続されたキーボードへの操作入力を受け付けたり、オペレータ端末100に内蔵されたマイクを用いて音声入力したりと、様々な入力態様を含む。
【0037】
出力部155は、オペレータ端末100において各種情報を出力する。出力部155は、オペレータ端末100の画面に表示したり、オペレータ端末100に内蔵されたスピーカを用いて音声出力したりと、様々な出力態様を含む。また、出力部155は、例えば、第2サブコンテンツを出力してもよい。
【0038】
制御部160は、入力部150が受け付けた入力内容に基づいて、第2サブコンテンツの再生を制御する。
【0039】
記憶部165は、例えば、第2サブコンテンツを記憶してもよい。また、記憶部165は、例えば、オペレータからの操作内容を示す操作データを記憶してもよい。
【0040】
<3.2 ユーザ端末200の機能構成及び再生制御の仕組み>
最初に、
図5〜6を用いて、コンテンツ再生システムの再生制御の仕組みについて説明する。
図5〜6は、舞台側において、メインコンテンツとして実演が行われ、当該実演に合わせた第2サブコンテンツとして「BGM1」〜「BGM2」が再生される状況と、ユーザ端末200において、当該実演に合わせてBGMと共に、第1サブコンテンツとして「字幕1」〜「字幕2」が再生される状況とを表している。
【0041】
ここで、「メインコンテンツ」とは、進行時間が変動するコンテンツである。この様なメインコンテンツとしては、例えば、人による演劇、ダンス若しくはパフォーマンス又は動物を用いたショー等の生物による実演等のコンテンツが考えられる。また、メインコンテンツは、各サブコンテンツの再生制御において基準となるコンテンツでもある。メインコンテンツは、具体的には、各サブコンテンツの再生を同期させるための基準とするタイミングを示す同期基準タイミングが設定されている。
【0042】
また、「第1サブコンテンツ」とは、メインコンテンツの進行に応じてユーザ端末200等で再生されるコンテンツである。この様なサブコンテンツとしては、例えば、テキスト情報(例えば、字幕やガイド等)、音(例えば、音楽又は音声ガイド等)、画像(例えば、手話画像又は説明画像等)、光や振動等による演出(例えば、端末に内蔵されるランプの点滅、携帯のバイブレーション又は端末に接続されたペンライトによる発光等)等のコンテンツが考えられる。第1サブコンテンツは、例えば、メインコンテンツが実演の場合、当該実演に連動して再生される字幕等のテキスト情報であってもよい。
【0043】
また、「第2サブコンテンツ」とは、第1サブコンテンツと共にメインコンテンツの進行に応じて再生されるコンテンツである。第2サブコンテンツは、例えば、オペレータ端末100におけるオペレータの操作等に基づいて、スピーカ300等の劇場等の施設に設置される機器によって再生される。この様なサブコンテンツとしては、例えば、音(例えば、BGM又は効果音等)、画像(例えば、ライブ映像又はスクリーン映像等)、光による演出(例えば、スポットライトやサイリウム等による発光)等のコンテンツが考えられる。第2サブコンテンツには、第1サブコンテンツの再生を制御するための透かしデータが埋め込まれており、第2サブコンテンツの再生によって、第1サブコンテンツの再生を制御することができる。ここで「透かしデータ」とは、任意の電子透かし技術を利用して、画像や音楽等のコンテンツに埋め込まれる、特定の情報(本例の場合、「同期ポイントID」)を示すデータである。
【0044】
図5は、予め設定されたコンテンツ再生のスケジュールを示している。
図5に示す例では、舞台側では、同期基準タイミングである実演開始時刻「00:00:00」を基準として、「BGM1」は「00:05:00」、「BGM2」は「00:30:00」の開始予定タイミングで再生されることがスケジューリングされている。
【0045】
一方、ユーザ端末200では、「字幕1」は「00:12:00」、「字幕2」は「00:43:00」の開始予定タイミングで再生されることがスケジューリングされている。また、
図5において、実演における「字幕2」を開始させたいポイントについて、Pの丸マーク(以下、「ポイントP」という)を付与する。当該スケジュールにおいては、ポイントPのタイミングと「字幕2」の開始予定タイミングが合うようにスケジューリングされている。
【0046】
図6の舞台側においては、実演の本番当日において、実演の進行が、実演者の演技が長引く等して予定より遅延している(本例では、1秒遅延しているものとする)状況を示している。遅延の発生以降のBGMの再生は、オペレータが遅延を考慮して再生タイミングを修正する結果、予定より5分ずつおくれて再生される。
図6では、遅延以降に再生されるBGMの再生タイミングが予定されていた「00:30:00」より5分遅れて「00:35:00」に再生される様子が示されている。
【0047】
一方、
図6のユーザ端末200においては、コンテンツ再生システムが当該遅延による進行のずれを吸収し、実演の進行に「字幕2」の進行を同期させている状況を示している。具体的には、「BGM2」に埋め込まれた透かしデータとして同期ポイントID「ID:002」が「BGM2」と共に出力されると、ユーザ端末200において、(1)当該同期ポイントIDを検出し、(2)当該検出された同期ポイントIDと同期ポイントIDと当該同期ポイントの予定タイミングとを対応付けて格納した第1テーブルとに基づき、同期ポイントID「ID:002」の予定タイミング「00:30:00」を取得し、当該取得された予定タイミングと当該同期ポイントIDが検出されたタイミング「00:35:00」との差分(遅延によるずれ5分)を取得し、(3)ユーザ端末200は、「字幕2」の開始タイミングを、予め設定された開始予定タイミング「00:43:00」に対して当該差分を反映させることで「00:48:00」と判定し、当該開始タイミングで「字幕2」の再生を開始させる。
【0048】
上記構成によれば、舞台側の実演等のメインコンテンツにおいて遅延が発生し、予定より進行時間が変動しても、実演等のメインコンテンツの遅延の発生した進行に合わせた適切なタイミングで、字幕等の第1サブコンテンツの再生を開始させることができる。
【0049】
図4は、ユーザ端末200の機能構成の一例を示す図である。ユーザ端末200は、検出部210と、取得部215と、判定部220と、制御部225と、記憶部230と、を備える。
図4に示す各部は、例えば、記憶装置115の記憶領域を用いたり、記憶装置115に格納されたプログラム(コンテンツ再生プログラム)をプロセッサ110が実行したりすることにより実現することができる。
【0050】
検出部210は、メインコンテンツの進行に応じて再生される第2サブコンテンツから、透かしデータとして埋め込まれている同期ポイントIDを検出する。
【0051】
取得部215は、検出部210で検出された同期ポイントIDと第1テーブルとに基づき、同期ポイントのタイミングを取得する。取得部215は、当該取得した同期ポイントのタイミングと同期基準タイミングを基準とした同期ポイントIDの検出タイミングとの差分を取得する。
【0052】
判定部220は、取得部215で取得された差分と、第2テーブルとに基づき、第1サブコンテンツの開始タイミングを判定する。
【0053】
制御部225は、判定部220で判定された第1サブコンテンツの開始タイミングに基づき、第1サブコンテンツの再生を制御する。
【0054】
記憶部230は、第1テーブルと、第2テーブルとを記憶する。記憶部230は、例えば、後述する第3テーブルを記憶してもよい。なお、記憶部230は、各テーブルの記憶にあたっては、RDBやNoSQL等のデータベースシステムを利用してもよいし、ファイルシステムを利用してもよい。記憶部230は、例えば、コンテンツ再生プログラムを記憶してもよい。
【0055】
<テーブル構成>
ここで、
図7を用いて、第1テーブル410と、第2テーブル420とについて詳細に説明する。なお、各テーブルは理解を容易にするため、各情報を直接的に対応付けて一つのテーブルで格納するよう表現しているが、これに限定せず、複数のテーブルに渡って間接的に対応付けて格納するようにしてもよい。
【0056】
図7に示すように、第1テーブル410は、同期ポイントID412と、同期予定タイミング414とを対応付けて格納する。第1テーブル410は、例えば、同期ポイントID412「001」と、当該同期ポイントIDが特定する同期予定タイミング414「00:05:00」とを対応付けて格納する。なお、同期予定タイミング414は、同期基準タイミングを基準として、例えば、メインコンテンツに対する第1サブコンテンツの編成又は演出等に応じて任意のタイミング等を設定すればよい。同期予定タイミング414は、具体的には、同期基準タイミングから5秒、10秒、1分等の等間隔で設定してもよいし、各BGMが再生開始となるタイミングで設定してもよい。
【0057】
第2テーブル420は、同期基準タイミングを基準とした第1サブコンテンツの開始予定タイミング422を格納する。第2テーブル420は、例えば、開始予定タイミング422と、第1サブコンテンツを示す情報(以下、「第1サブコンテンツ情報」という)424とを対応付けて格納してもよい。第1サブコンテンツ情報は、例えば、第1サブコンテンツを特定するための識別情報等である。第1サブコンテンツ情報は、例えば、第1サブコンテンツID、第1サブコンテンツのタイトル名、第1サブコンテンツが実装されたファイル名、ファイルパス等を含んで構成してもよい。第2テーブル420は、例えば、第1サブコンテンツの開始予定タイミング422「00:45:00」と当該開始予定の第1サブコンテンツ情報「映像1」とを対応付けて格納してもよい。
【0058】
ユーザ端末200は、上記の各部の他に、コンテンツ取得部(不図示)を設けてもよい。コンテンツ取得部は、例えば、ユーザ端末200で再生制御される第1サブコンテンツやユーザ端末200で実行されるコンテンツ再生プログラムを、例えばインターネットや外部媒体を介して取得し、記憶部230に格納してもよい。なお、第1サブコンテンツは、ユーザ端末200において、必ずしも、コンテンツ取得部によって取得され、記憶部230に格納等されなくてもよい。ユーザ端末200は、例えば、他の端末に記憶されている第1サブコンテンツを、ユーザ端末200からの再生制御メッセージの送信によって、再生させてもよい。
【0059】
<4.処理の流れ>
図8は、ユーザ端末200におけるコンテンツ再生処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示す処理は、例えば、ユーザによるコンテンツ再生プログラムが実装されたアプリケーションに対するインストールリクエスト又は当該アプリケーションを起動したことをトリガーにより開始される。なお、以下に示す処理の順番は一例であって、適宜、変更されてもよい。
【0060】
図8に示すように、ユーザ端末200は、メインコンテンツの進行に応じて再生される第2サブコンテンツから、透かしデータとして埋め込まれている同期ポイントIDを検出する(S701)。
【0061】
ユーザ端末200は、当該検出された同期ポイントIDと第1テーブルとに基づき、同期ポイントのタイミングを取得する(S702)。ユーザ端末200は、当該取得した同期ポイントの予定タイミングと同期基準タイミングを基準とした同期ポイントIDの検出タイミングとの差分を取得する(S703)。ユーザ端末200は、当該取得された差分と第2テーブルとに基づき、第1サブコンテンツの開始タイミングを判定する。(S704)。
【0062】
ユーザ端末200は、当該判定された第1サブコンテンツの開始タイミングに基づき第1サブコンテンツの再生を制御する(S705)。
【0063】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0064】
(変形例)
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記実施の形態に限定されない。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0065】
(1)上記実施の形態では、メインコンテンツとして進行時間が変動する実演等を例にしたが、本発明は、例えば、進行時間が実質的に変動しない映画やライブ映像等のコンテンツにおいても適用することが可能である。例えば、メインコンテンツが映画の場合、第1サブコンテンツは映画の字幕等としてもよい。メインコンテンツが、進行時間が変動しないコンテンツであっても、メインコンテンツを再生させる機器と、オペレータ端末100と、ユーザ端末200との間でシステム時刻のずれを生じることがあり、本発明を用いることで、各コンテンツ間のこの様なずれを実質的に解消することができる。なお、本発明を用いるにあたっては、ユーザ端末200のシステム時刻を用いて、当該システム時刻から取得した同期ポイントIDの検出タイミングと、第1テーブル410に当該同期ポイントIDに対応付けられている同期ポイントの予定タイミングとの差分を用いて第1サブコンテンツを再生制御する。
【0066】
(2)上記実施の形態では、制御部225は、判定部220で判定された開始タイミングで第1サブコンテンツを再生制御するが、例えば、第1サブコンテンツに対して再生の前提となる少なくとも一つの第2サブコンテンツが設定されている場合、前提となる第2サブコンテンツに埋め込まれた同期ポイントIDが検出されたことを条件に、当該第1サブコンテンツを再生するように制御してもよい。
【0067】
ここで、
図9と
図10とを用いて、制御部225の上記構成について説明する。
図9は、コンテンツ再生制御における事象の一例の概要を示す模式図である。
図10は、
図9の事象に対するコンテンツ再生システムにおけるコンテンツ再生制御の概要を示す模式図である。
【0068】
図9に示すように、第1サブコンテンツにおける「字幕1」と「字幕2」について、「字幕1」に続いて、実演のポイントPのタイミング及び第2サブコンテンツの「BGM2」と合わせて「字幕2」を再生させるよう自走させていたとする。当該自走の間、メインコンテンツの実演において何らかの遅延(本例での遅延は3分とする)が発生した場合、ユーザ端末200において第2サブコンテンツ「BGM2」の同期ポイントIDが検出される前に「字幕2」が実演に対して「00:20:00」に先に出力されてしまう。その後、「BGM2」が検出されると、当該検出タイミングにおいて遅延発生による差分を取得して、開始タイミングを判定するため、再度、「00:23:00」に「字幕2」が出力されてしまう事象が考えられる。なお、ここで「自走」とは、ユーザ端末200等において、外部からの送信メッセージ等のトリガーなく、自端末内で各処理を開始し、実行させていくことをいい、例えば、スケジューラーに予め第1サブコンテンツの再生スケジュールを登録し、当該登録された再生スケジュールに基づき、第1サブコンテンツを順次再生させていくことをいう。
【0069】
当該事象に対し、
図10に示すように、制御部225は、第1サブコンテンツ「字幕2」に対して再生の前提となる第2サブコンテンツとして「BGM2」を予め設定し、当該前提となる「BGM2」の同期ポイント「ID:001」が検出部210で検出されたことを条件に、「字幕2」を再生するように制御する。当該制御によって、実演の進行が遅れてしまっても、「字幕2」の再生を待機させて、「BGM2」の同期ポイントIDが検出されて初めて「字幕2」を再生させることができる。この様な態様によれば、第1サブコンテンツの再生を自走させている間において、メインコンテンツの再生で遅延が生じても、メインコンテンツの進行に応じた第2サブコンテンツの進行に合わせて第1サブコンテンツを再生することができる。このため、ユーザにとって使用性の高いコンテンツ再生システムを提供することができる。
【0070】
また、
図11を用いて、制御部225の上記構成における再生制御処理の一例について説明する。
図11に示すように、イベントドリブン又は固定サイクルで、ユーザ端末200は、現在時刻(例えば、ユーザ端末200のシステム時刻等)を取得し、当該取得した現在時刻において開始タイミングとなっている第1サブコンテンツは存在するか判定する(S711)。当該開始タイミングとなっている第1サブコンテンツが存在しない場合(S711のNO)、処理を終了する。
【0071】
ユーザ端末200は、当該開始タイミングとなっている第1サブコンテンツが存在する場合(S711のYES)、当該第1サブコンテンツに対して再生の前提となる第2サブコンテンツが設定されているか判定する(S712)。当該前提となる第2サブコンテンツが設定されている場合(S712のYES)、当該前提となる第2サブコンテンツに埋め込まれ同期ポイントIDが検出されたか判定する(S713)。ユーザ端末200は、当該同期ポイントIDが検出されていると判定した場合(S713のYES)、上記第1サブコンテンツの開始タイミングに基づき、第1サブコンテンツを再生する(S714)。一方、当該同期ポイントIDが検出されていないと判定した場合(S713のNO)、処理を終了する。
【0072】
ユーザ端末200は、当該第1サブコンテンツに対して再生の前提となる第2サブコンテンツが設定されていない場合(S712のNO)、上記第1サブコンテンツの開始タイミングに基づき、第1サブコンテンツを再生する(S714)。
【0073】
(3)上記実施の形態では、検出部210が検出する透かしデータは、例えば、非可聴領域の音に埋め込まれたデータを含んでもよい。この様な態様によれば、BGM等の第2サブコンテンツが配置されていない区間においても、当該非可聴音域の音であればユーザに気付かせることなく、当該音に埋め込んだ同期ポイントIDの透かしデータを出力させることもできる。
【0074】
(4)上記実施の形態では、第1テーブルと、第2テーブルとを用いて制御部225でコンテンツの再生制御をする例をしたが、本発明は、例えば、同期ポイントIDと、第1サブコンテンツ情報とを対応付けて格納する第3テーブルをさらに備え、当該検出された同期ポイントIDと第3テーブルとに基づき、当該同期ポイントIDに対応付けられた第1サブコンテンツ情報が示す第1サブコンテンツの再生を制御する第2制御部と、を備えてもよい。第2制御部は、例えば、第2テーブルに、当該検出された同期ポイントIDが格納されておらず、第3テーブルに当該検出された同期ポイントIDが格納されている場合に、当該検出された同期ポイントIDと第3テーブルとに基づき、当該同期ポイントIDに対応付けられた第1サブコンテンツの再生を制御してもよい。
【0075】
上記構成によれば、例えば、(1)従来技術のように、第1サブコンテンツを自走させたい区間においては、第1テーブル410及び第2テーブル420を用いて、一方、(2)第1サブコンテンツを第2サブコンテンツの再生タイミング(透かしデータの埋め込みタイミング等)に合わせて開始させたい区間においては、第1テーブル410及び第3テーブルを用いることで、二つの種類の第1サブコンテンツの再生制御を実現することができる。この様な構成によれば、様々なバリエーションのコンテンツ再生制御を、ユーザの操作入力なく実現することができる。
【0076】
(5)上記変形例(4)では、第3テーブルは、第1テーブル410とは別途一つのテーブルとして構成しているが、例えば、第1テーブル410とまとめて一つのテーブルを構成してもよい。第3テーブルは、具体的には、第1テーブル410とまとめて、第1同期ポイントIDを主キーとして、同期予定タイミングと、第1サブコンテンツ情報との3つのカラムから構成してもよいし、同期予定タイミングと第1サブコンテンツ情報とを一つのカラムで共有するよう構成してもよい。この様な構成によれば、参照先のテーブル数を減らすことができ、処理効率のよいコンテンツ再生システムを提供することができる。
【0077】
(6)上記実施の形態では、第1サブコンテンツ(字幕)を直列で再生する例について説明しているが、
図12で示すように、第1サブコンテンツを第1サブコンテンツ1と第1サブコンテンツ2とで大きく分けて、例えば、一つのユーザ端末200において並列で複数の第1サブコンテンツを同時に再生するよう制御してもよい。また、別の例として、複数のユーザ端末200の間で、ユーザ端末200aでは第1サブコンテンツ1を再生するように、また、他方のユーザ端末200bでは第1サブコンテンツ2を再生するように、端末ごとに制御してもよい。また、
図12で示すように、舞台側において、なお、「BGM1」には同期ポイントID「ID:001」及び「ID:002」が設定され、「BGM2」には同期ポイントID「ID:003」が設定されているように、第2サブコンテンツの単位と、設定されている同期ポイントの数は1対1に限らず、1対他でも、他対1でも、他対他でもいずれでもよい。
【0078】
上記構成によれば、一つの透かしデータに対して、ユーザ端末200側で多様に、かつ、柔軟に、第1サブコンテンツを再生することができるので、拡張性の高いコンテンツ再生システムを提供することができる。
【0079】
(7)上記実施の形態では示していないが、ユーザ端末200は、例えば、スマートフォンの通知ランプやLEDランプ等の発光装置を備えてもよい。発光装置は、例えば、第1サブコンテンツが光による演出を含む場合、当該演出のための光は、当該発光装置によって発光されてもよい。このような構成によれば、ユーザ端末200を用いてメインコンテンツの進行に合わせて、ユーザにとって趣向性の高い、また、会場全体で様々な演出を実現することができるコンテンツ再生システムを提供することができる。
【0080】
(8)上記実施の形態では、電子透かし技術を用いて同期ポイントIDを検出させる例を説明したが、音声フィンガープリント技術を用いてもよい。「音声フィンガープリント技術」とは、オリジナルとなるデジタル音源から音声波形の特徴を電子的に抽出し、オリジナルの音源よりも小さなデータ(フィンガープリント)として当該抽出された特徴を扱うデジタル音声信号処理技術をいう。コンテンツ再生システムは、例えば、音声入力装置125が受け付けた音の波形等の特徴量を抽出し、記憶装置115に予め記憶させた音の波形の教師データと照合することで、同期ポイントIDを判定し、検出してもよい。
【0081】
上記構成によれば、第2サブコンテンツのオリジナルから得られる識別性ある特徴を用いることができるため、第2サブコンテンツに透かしデータを埋め込むことなく、同期ポイントを検出することができる。これにより、汎用性の高いコンテンツ再生システムを提供することができる。