(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、スマートフォン、携帯電話、携帯情報端末などの電子機器の軽薄短小化の要求に伴い、それに使用される部品の小型化・薄型化が進んでいる。しかしながら、それらの電子機器の高機能化に伴い、それらの電子機器に使用される電流も増加する傾向にある。また、これらの電子機器は、電源として、一般に充電式のバッテリを使用することが多いが、短時間充電の要求もあり、小型の電気コネクタに大電流が流れる場合があり、その大電流による発熱が問題になってくる。その発熱により電子機器の温度が上昇すると、電子機器の不具合の原因にもなる。
【0005】
本発明は、上記のような問題を解決するために完成されたものであり、その目的は、電気コネクタ及び電気コネクタ組立体において、導電端子を流れる電流の増加による温度上昇を抑制することができる技術を提供することにある。
【0006】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される実施例のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0008】
すなわち、代表的な実施例による電気コネクタは、嵌合方向に向かって突出した凸状の形状を有する端子を備え、相手側コネクタとの嵌合時に、前記端子が、前記相手側コネクタの端子に挟み込まれて接触して電気的に接続される構成となっており、前記端子は、前記基板側に露出した第1の接続部及び第2の接続部を有することを特徴とするものである。
【0009】
また、代表的な実施例による電気コネクタは、基板側に窪んだ凹状の形状を有する端子を備え、相手側コネクタとの嵌合時に、前記端子が、前記相手側コネクタの端子を挟み込んで接触して電気的に接続される構成となっており、前記端子は、前記基板側に露出した第1の接続部及び第2の接続部を有することを特徴とするものである。
【0010】
また、代表的な実施例による電気コネクタ組立体は、第1の基板に実装される第1の電気コネクタと、第2の基板に実装される第2の電気コネクタとを含む電気コネクタ組立体であって、前記第1の電気コネクタは、嵌合方向に向かって突出した凸状の形状を有する第1の端子を備え、前記第2の電気コネクタとの嵌合時に、前記第1の端子が、前記第2の電気コネクタの第2の端子に挟み込まれて接触して電気的に接続される構成となっており、前記第1の端子は、前記第1の基板側に露出した第1の接続部及び第2の接続部を有し、前記第2の電気コネクタは、基板側に窪んだ凹状の形状を有する前記第2の端子を備え、前記第1の電気コネクタとの嵌合時に、前記第2の端子が、前記第1の電気コネクタの前記第1の端子を挟み込んで接触して電気的に接続される構成となっており、前記第2の端子は、前記第2の基板側に露出した第3の接続部及び第4の接続部を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される実施例のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0012】
電気コネクタ内の端子が、それぞれ2つの接続部を有しているので、基板上の回路パターンと接続される部分が2点となり、電気の流れる経路が2通りになり、電気の流れる距離も短くなるので、全体の抵抗が小さくなり、大電流を流した場合であっても、端子の発熱を抑えることができ、電気コネクタの温度上昇が抑制される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0016】
図1及び
図2は、本発明の一実施の形態に係るプラグコネクタの外観構成を示す斜視図であり、
図1は嵌合側から見た図、
図2は基板側から見た図である。
図3及び
図4は、本発明の一実施の形態に係るプラグコネクタの端子の構成を示す斜視図であり、
図3は嵌合側から見た図、
図4は基板側から見た図である。
図5及び
図6は、本発明の一実施の形態に係るレセプタクルコネクタの外観構成を示す斜視図であり、
図5は嵌合側から見た図、
図6は基板側から見た図である。
図7及び
図8は、本発明の一実施の形態に係るレセプタクルコネクタの端子の構成を示す斜視図であり、
図7は嵌合側から見た図、
図8は基板側から見た図である。
【0017】
本発明の一実施の形態に係る電気コネクタ組立体は、プラグコネクタ100及びレセプタクルコネクタ200から構成される。プラグコネクタ100及びレセプタクルコネクタ200は、それぞれ、プリント回路基板同士の回路を電気的に接続する基板対基板型電気コネクタの一種であって、一般に、プリント回路基板300,301に実装されて使用される。プリント回路基板300,301には、例えば、携帯電話、携帯情報端末等の充電式バッテリ、その制御回路などが接続される。そして、プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200が嵌合し、それぞれの電源端子同士及び信号端子同士が接触することにより電気的に接続され、プリント回路基板上の回路と電気的に接続される。
【0018】
まず、
図1〜
図4により、本実施の形態によるプラグコネクタ100の構成を説明する。本実施の形態によるプラグコネクタ100は、絶縁性のハウジング110、ハウジング110に保持された4個の電源端子120a〜120d、ハウジング110に保持された4個の信号端子130a〜130d、電源端子120a〜120dにそれぞれ結合された4個の補強金具140a〜140dなどから構成される。ハウジング110は、X
1X
2方向に沿った一対の側壁111と、2つの側壁111の端部同士を連結するY
1Y
2方向に沿った一対の端壁112と、側壁111及び端壁112に囲まれた嵌合凹部113などから構成される。嵌合凹部113の基板側(Z
1側)には底壁114が設けられている。また、側壁111のZ
2方向上面には、電源端子120a〜120d及び信号端子130a〜130dが配列されており、端壁112のZ
2方向上面には、補強金具140a〜140dが配列されている。プラグコネクタ100は、例えば、金型内に、補強金具140a〜140dが結合した電源端子120a〜120d、及び信号端子130a〜130dを配置し、樹脂を注入してハウジング110を形成する一体成形又はインサート成形などの方法で形成される。
【0019】
電源端子120a〜120dは、嵌合方向(Z
2方向)に向かって突出した凸状の形状を有し、それぞれ、基板側(Z
1側)に露出した外側接続部121a〜121d(第1の接続部)及び内側接続部122a〜122d(第2の接続部)を備えている。外側接続部121a〜121dと内側接続部122a〜122dとは、コネクタの幅方向(Y
1Y
2方向)において離間して配置されるように構成されている。外側接続部121a〜121dは、側壁111から幅方向(Y
1Y
2方向)外側に向けて伸びており、板厚方向(Z
1Z
2方向)がプリント回路基板300の表面(XY平面)と交差する方向となっている。内側接続部122a〜122dは、底壁114を貫通して露呈した端部として形成されており、板厚方向(Y
1Y
2方向)がプリント回路基板300の表面(XY平面)と並行する方向となっている。
【0020】
外側接続部121a〜121d及び内側接続部122a〜122dは、それぞれ、実装の際、プリント回路基板300上の個別の回路パターンに半田付けされる。また、電源端子120a〜120dの各々は、大電流を流すことができるように、レセプタクルコネクタ200の電源端子との接触部分が長手方向(X
1X
2方向)に長くなっており、端子間での十分な接触面積を確保している。電源端子120a〜120dは、大電流が流れるので、信号端子130a〜130dと比較して表面積が広くなっている。表面積を広くすることにより、電源電流を流した際に生じえる熱を放熱することができる。電源端子120a及び120bを同電位とし、電源端子120c及び120dを同電位とすることができる。ここで、電源端子120a〜120dに流れる電流量は特に限定されないが、例えば、数アンペアから数十アンペア、より具体的には、5アンペアから20アンペア程度の電流を流すことができる。
【0021】
信号端子130a〜130dは、電源端子120a〜120dと同様に、嵌合方向(Z
2方向)に向けて突状の形状を有し、それぞれ、基板側(Z
1側)に底壁114を貫通して露出した外側接続部131a〜131d及び内側接続部132a〜132dを備えている。外側接続部131a〜131d及び内側接続部132a〜132dは、それぞれ、実装の際、プリント回路基板300上の個別の回路パターンに半田付けされる。本実施の形態では、2つの信号端子130a,130cは、長手方向(X
1X
2方向)において隣接して配置されているとともに、電源端子120aと電源端子120cとの間に配置されている。同様に、2つの信号端子130b,130dは、長手方向(X
1X
2方向)において隣接して配置されているとともに、電源端子120bと電源端子120dとの間に配置されている。
【0022】
レセプタクルコネクタ200との嵌合時に、電源端子120a〜120d及び信号端子130a〜130dが、それぞれ、レセプタクルコネクタ200の電源端子220a〜220d及び信号端子230a〜230dに挟み込まれて接触して、電気的に接続されるようになっている。補強金具140a〜140dは、コネクタの強度を補強するためのものであり、プリント回路基板300に実装される。補強金具140a〜140dは、それぞれ、電源端子120a〜120dと一体になっており、同一部材が使用される。
【0023】
次に、
図5〜
図8により、本実施の形態によるレセプタクルコネクタ200の構成を説明する。本実施の形態によるレセプタクルコネクタ200は、絶縁性のハウジング210、ハウジング210に保持された電源端子220a〜220d、ハウジング210に保持された信号端子230a〜230d、ハウジング210に保持された補強金具240a,240bなどから構成される。ハウジング210は、X
1X
2方向に沿った一対の側壁212と、2つの側壁212の端部同士を連結するY
1Y
2方向に沿った一対の端壁213と、側壁212及び端壁213に囲まれた嵌合凹部211と、嵌合凹部211に囲まれた島状の嵌合凸部214と、嵌合凹部211の基板側(Z
2方向)の底壁215などから構成される。また、側壁212のZ
1方向上面には、電源端子220a〜220d及び信号端子230a〜230dが配列されており、端壁213のZ
1方向上面には、補強金具240a,240bが配置されている。レセプタクルコネクタ200は、例えば、金型内に、電源端子220a〜220d、信号端子230a〜230d、補強金具240a,240bを配置し、樹脂を注入してハウジング210を形成する一体成形又はインサート成形などの方法で形成される。
【0024】
電源端子220a〜220dは、基板側(Z
2方向)に窪んだ凹状の形状(「U」字状又は「S」字状)を有し、それぞれ、基板側(Z
2側)に底壁215を貫通して露出した外側接続部221a〜221d(第1の接続部又は第3の接続部)及び内側接続部222a〜222d(第2の接続部又は第4の接続部)を備えている。外側接続部221a〜221dと内側接続部222a〜222dとは、コネクタの幅方向(Y
1Y
2方向)において離間して配置されるように構成されている。外側接続部221a〜221dは、側壁212から幅方向(Y
1Y
2方向)外側に向けて伸びており、板厚方向(Z
1Z
2方向)がプリント回路基板301の表面(XY平面)と交差する方向となっている。内側接続部222a〜222dは、底壁215を貫通して露呈した部分として形成されており、板厚方向(Z
1Z
2方向)がプリント回路基板301の表面(XY平面)と交差する方向となっている。
【0025】
外側接続部221a〜221d及び内側接続部222a〜222dは、それぞれ、実装の際、プリント回路基板301上の個別の回路パターンに半田付けされる。また、電源端子220a〜220dの各々は、大電流を流すことができるように、プラグコネクタ100の電源端子との接触部分が長手方向(X
1X
2方向)に長くなっている。電源端子220a〜220dは、大電流が流れるので、信号端子230a〜230dと比較して表面積が広くなっている。表面積を広くすることにより、電源電流を流した際に生じえる熱を放熱することができる。また、電源端子220a及び220bを同電位とし、電源端子220c及び220dを同電位とすることができる。
【0026】
信号端子230a〜230dは、基板側(Z
2方向)に窪んだ凹状の形状(「U」字状)を有し、それぞれ、基板側に接続部231a〜231dを備えている。接続部231a〜231dは、それぞれ、プリント基板の回路パターンに半田付けされる。
【0027】
プラグコネクタ100との嵌合時に、電源端子220a〜220d及び信号端子230a〜230dが、それぞれ、プラグコネクタ100の電源端子120a〜120d及び信号端子130a〜130dを挟み込んで接触して、電気的に接続されるようになっている。補強金具240a,240bは、コネクタの強度を補強するためのものであり、プリント回路基板301に実装される。
【0028】
プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200とが嵌合される際、レセプタクルコネクタ200の矩形形状の嵌合凹部211に、プラグコネクタ100の電源端子及び信号端子が配列された突状部が嵌まり込み、端子同士が電気的に接続される。電源端子220a〜220d及び信号端子230a〜230dは、短手方向(Y
1Y
2方向)に拡がる弾性を有し、プラグコネクタ100の電源端子及び信号端子を両側から挟み込むようになっている。
【0029】
図9は、本発明の一実施の形態に係るプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタの嵌合前の構成を示す正面図であり、
図10は、
図9のA−A切断面における断面図、
図11は
図9のB−B切断面における断面図である。
図12は、本発明の一実施の形態に係るプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタの嵌合時の構成を示す正面図であり、
図13は、
図12のC−C切断面における断面図、
図14は
図12のD−D切断面における断面図である。
【0030】
図9〜
図14に示すように、プラグコネクタ100の電源端子120a〜120dの外側接続部121a〜121dは、端子の外側端部が基板側に露出しており、内側接続部122a〜122dは、端子の内側端部が基板側に露出しており、プリント回路基板300の回路パターンと半田付けされる。その際、外側接続部121a及び内側接続部122aは、基板上の同一の回路パターン310aに接続され、外側接続部121b及び内側接続部122bは、基板上の同一の回路パターン310bに接続され、外側接続部121c及び内側接続部122cは、基板上の同一の回路パターンに接続され、外側接続部121d及び内側接続部122dは、基板上の同一の回路パターンに接続される。信号端子130a〜130dも、電源端子120a〜120dと同様に、それぞれ、基板側(Z
1側)に露出した外側接続部131a〜131d及び内側接続部132a〜132dを備えている。
図11に示すように、信号端子130a〜130dの短手方向(YZ平面)における断面形状は、電源端子120a〜120dの短手方向(YZ平面)における断面形状と略同一である。これにより、断面形状が略同一であるため、インサート成形が容易となる。
【0031】
レセプタクルコネクタ200の電源端子220a〜220dの外側接続部221a〜221dは、端子の外側端部が基板側に露出しており、内側接続部222a〜222dは、端子の中央の「U」字状に凹んだ部分が基板側に露出しており、プリント回路基板300の回路パターンと半田付けされる。その際、外側接続部221a及び内側接続部222aは、基板上の同一の回路パターン320aに接続され、外側接続部221b及び内側接続部222bは、基板上の同一の回路パターン320bに接続され、外側接続部221c及び内側接続部222cは、基板上の同一の回路パターンに接続され、外側接続部221d及び内側接続部222dは、基板上の同一の回路パターンに接続される。
【0032】
プラグコネクタ100及びレセプタクルコネクタ200の嵌合時に、電源端子220a〜220d及び信号端子230a〜230dは、それぞれ、プラグコネクタ100の電源端子120a〜120d及び信号端子130a〜130dを両側から挟み込み、それぞれ複数の接点で接触して電気的に接続される。
【0033】
従来の導電端子は、基板上の回路パターンと接続される部分が、外側接続部の1点のみであったので、プラグコネクタの接続部とレセプタクルコネクタの接続部との間の距離が長くなり、その抵抗が大きくなる傾向があった。本実施の形態では、外側接続部以外に、内側接続部を有しているので、基板上の回路パターンと接続される部分が2点となり、電気の流れる経路が2通りになり(並列接続)、さらにプラグコネクタの接続部とレセプタクルコネクタの接続部との間の距離が短くなるので、全体の抵抗が小さくなり、大電流を流した場合であっても、端子の発熱を抑えることができる。また、それぞれの端子は、2点で基板上の回路パターンと接続されるので、基板との接続強度も高くなる。
【0034】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0035】
例えば、前記実施の形態においては、プラグコネクタ100における電源端子の内側接続部122a〜122dは、板厚方向(Y
1Y
2方向)がプリント回路基板300の表面(XY平面)と並行する方向となっているが、プリント回路基板300の表面(XY平面)と交差する方向となるように折り曲げて形成してもよい。
【0036】
例えば、前記実施の形態においては、レセプタクルコネクタの信号端子は内側接続部を備えていなかったが、電源端子と同様に、信号端子にも内側接続部を設けてもよい。例えば、信号端子の本数が多い場合、信号端子全体の電流が大きくなり、端子の発熱が問題になる可能性がある。その場合、信号端子にも内側接続部を設けることにより、端子の発熱を抑えることができる。
【0037】
また、前記実施の形態では、プリント回路基板同士を接続する基板対基板コネクタについて説明したが、これに限定されるものではなく、他の電気コネクタについても適用可能である。