(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るセルスタック装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1及び
図2に示すように、セルスタック装置1は、燃料電池セルと、締結部材21〜28と、を備えている。燃料電池セルは、燃料電池セル本体10と、セパレータ30と、第1接合材110と、を含んでいる。セルスタック装置1は、複数の燃料電池セルが複数積層された構造を有している。すなわち、セルスタック装置1は、いわゆる平板形のセルスタック構造である。
【0017】
締結部材21〜28は、複数の燃料電池セルを締結する。締結部材の4本には、積層方向(z軸)に沿って酸化剤ガスまたは燃料ガスが流れる流路が形成されている。本実施形態では、締結部材23は燃料ガス供給管として用いられ、締結部材27は燃料ガス排出管として用いられ、締結部材25は酸化剤ガス供給管として用いられ、締結部材21は酸化剤ガス排出管として用いられる。
【0018】
[燃料電池セル本体]
図2及び
図3に示すように、燃料電池セル本体10は、固体電解質11と、空気極12と、燃料極13と、を有している。本明細書において、固体電解質11、空気極12及び燃料極13の各層が積層されている方向を積層方向と言う。積層方向は、各層の主面と直交する。本実施形態の積層方向は、z軸方向である。燃料電池セル本体10は、積層方向視、すなわち平面視(z軸方向視)において、矩形状である。なお、燃料電池セル本体10は、固体酸化物形燃料電池として構成されている。
【0019】
固体電解質11は、平板状であり、主面が積層方向を向いている。空気極12は、固体電解質11の一方の主面に配置されている。燃料極13は、固体電解質11の他方の主面に配置されている。すなわち、固体電解質11は、空気極12と燃料極13とによって挟まれている。空気極12及び燃料極13は、平板状であり、主面が積層方向を向いている。なお、本実施形態では、固体電解質11の上面に空気極12が配置され、固体電解質11の下面に燃料極13が配置されている。
【0020】
燃料電池セル本体10は、積層方向と直交する方向(y軸方向)に延びる。燃料電池セル本体10の厚さ(z軸方向の寸法)は全体に渡って実質的に均一である。例えば、燃料電池セル本体10の厚さは、100〜2100μm程度である。本実施形態では、燃料極13は、固体電解質11及び空気極12の各々よりも厚く構成されている。このため、燃料極13は、固体電解質11及び空気極12を支持するように構成されている。
【0021】
固体電解質11は、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)を含む緻密質材料で構成される。固体電解質11の気孔率は、例えば0〜10%である。なお、固体電解質11は、GDC(ガドリニウムドープセリア)などの多孔質材料で構成されてもよい。固体電解質11の厚さは、例えば1〜50μmである。固体電解質11の熱膨張率は、例えば9〜11ppm/Kである。
【0022】
空気極12は、例えば、LSM(La(Sr)MnO
3:ランタンストロンチウムマンガナイト)、LSCF((La,Sr)(Co,Fe)O
3:ランタンストロンチウムコバルトフェライト)などを含む多孔質材料で構成される。空気極12の気孔率は、例えば15〜55%である。空気極12の厚さは、例えば50〜200μmである。空気極12の熱膨張率は、例えば11〜17ppm/Kである。
【0023】
燃料極13は、燃料極基板131及び燃料極活性部132を有している。燃料極基板131上に、燃料極活性部132が配置されている。燃料極基板131の積層方向と直交する方向の寸法は、燃料極活性部132よりも大きい。燃料極活性部132の全体は、固体電解質11に覆われている。燃料極基板131の外周部は、燃料極活性部132及び固体電解質11から露出している。
【0024】
燃料極基板131は、例えば、NiとYSZとを含む多孔質材料で構成される。燃料極基板131の気孔率は、例えば15〜55%である。燃料極基板131の厚さは、例えば50〜2000μmである。燃料極基板131の熱膨張率は、例えば11〜14ppm/Kである。
【0025】
燃料極活性部132は、例えば、NiとYSZとを含む多孔質材料で構成される。燃料極活性部132の気孔率は、例えば15〜55%である。燃料極活性部132の厚さは、例えば5〜100μmである。燃料極活性部132の熱膨張率は、例えば11〜14ppm/Kである。
【0026】
燃料電池セル本体10は、固体電解質11と空気極12との間に配置された反応防止膜(図示せず)をさらに備えてもよい。反応防止膜は、固体電解質11を構成する材料と空気極12を構成する材料とが反応して固体電解質11と空気極12との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するために設けられている。反応防止膜は、例えば、GDCから構成される。反応防止膜の気孔率は、例えば10〜30%である。反応防止膜の厚さは、例えば、3〜50μmである。
【0027】
[セパレータ]
図2〜
図4に示すように、セパレータ30は、燃料電池セル本体10に接続される。詳細には、セパレータ30は、第1接合材110により固体電解質11と接合されている。セパレータ30は、燃料ガスが流れる空間と酸化剤ガスが流れる空間とを区画する。セパレータ30は、酸化剤ガスと燃料ガスとの混合を防止する機能を有している。
【0028】
図5は、後述する第1接合材110の平面図である。
図5において、燃料電池セル本体10及びセパレータ30を仮想線で記載している。
図5の仮想線に示すように、セパレータ30は、開口部32を有する枠状である。すなわち、セパレータ30は、連続した一体の環状である。開口部32は、燃料電池セル本体10の外周縁部14を除く領域を露出している。本明細書では、開口部32の中心側を内周側、その反対側を外周側と言う。
【0029】
セパレータ30は互いに対向する主面を有する。主面は、セパレータ30の延びる方向に沿って延びる面である。
【0030】
セパレータ30は、例えば、金属で構成される。セパレータ30は、好ましくは、フェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、あるいはNi系耐熱合金(例えば、インコネル600及びハステロイ等)で構成されている。セパレータ30の厚みは、例えば10〜1000μmとすることができる。セパレータ30の熱膨張率は、例えば11〜18ppm/K程度とすることができる。
【0031】
図2及び
図3に示すように、セパレータ30は、湾曲部を有している。本実施形態のセパレータ30は、全体が湾曲している形状を有している。詳細には、セパレータ30は、外周側に向かうにつれて燃料電池セル本体10から離れるように湾曲している。
【0032】
セパレータ30は、燃料電池セル本体10の外周縁部14と重なる内周縁部31を有する。内周縁部31は、第1接合材110によって接合される。内周縁部31は、枠状である。内周縁部31については、後述する。
【0033】
[インターコネクタ]
図2及び
図3に示すように、インターコネクタ40は、燃料電池セル本体10間の導通を確保する。また、インターコネクタ40は、燃料電池セル本体10間でのガスの混合を防止する。インターコネクタ40は、板状であり、x軸方向及びy軸方向に延びる。インターコネクタ40は、例えば、金属で構成される。
【0034】
なお、
図2に示すように、最上層及び最下層には、インターコネクタ40の代わりに、保持板41が配置されてもよい。
【0035】
[集電体]
集電体50は、燃料電池セル本体10の空気極12及び燃料極13と、インターコネクタ40との間の導通を確保する。集電体50は、例えば、インターコネクタ40から空気極12に向けて突出する複数の突出部である。また集電体50は、例えば、インターコネクタ40から燃料極13に向けて突出する複数の突出部である。各突出部は、互いに間隔をあけて配置されている。各突出部の間は、ガス流路を構成する。例えば、集電体50は、y軸方向に間隔をあけて配置され、x軸方向に延びている。集電体50は、例えば、金属で構成される。
【0036】
[第1接合材]
図3〜
図5に示すように、第1接合材110は、燃料電池セル本体10の外周縁部14とセパレータ30の内周縁部31とを接合している。本実施形態の第1接合材110は、固体電解質11及び燃料極13の外周縁部14と、セパレータ30の内周縁部31とを接合している。第1接合材110は、燃料ガス及び酸化剤ガスと接する。
【0037】
図5に示すように、第1接合材110は、枠状である。すなわち、第1接合材110は、連続した一体の環状であり、開口部110aを有している。
図3及び
図4に示すように、第1接合材110の表面114は、湾曲している。
【0038】
第1接合材110の少なくとも一部は、燃料電池セル本体10とセパレータ30との間に配置されている。本実施形態の第1接合材110は、セパレータ30を埋設している。
図4及び
図5に示すように、第1接合材110は、中央部111、第1突出部112及び第2突出部113を有している。
【0039】
中央部111は、積層方向(z軸方向)視において、燃料電池セル本体10及びセパレータ30と重なる。中央部111には、セパレータ30の内周縁部31を埋設されている。すなわち、中央部111は、セパレータ30の積層方向上側及び下側に配置されている。また中央部111は、燃料電池セル本体10よりも積層方向下側に位置していない。
【0040】
第1突出部112は、中央部111から内周側に向けて突出する。第1突出部112は、積層方向視において、燃料電池セル本体10と重なり、セパレータ30とは重ならない。本実施形態の第1突出部112は、セパレータ30よりも積層方向上側に位置していない。
【0041】
第2突出部113は、中央部111から外周側に向けて突出する。第2突出部113は、積層方向視において、セパレータ30と重なり、燃料電池セル本体10とは重ならない。本実施形態の第2突出部113は、燃料電池セル本体10よりも積層方向下側に位置していない。
【0042】
図4及び
図5に示すように、第1接合材110は、内周端縁115及び外周端縁116を有している。内周端縁115は、開口部110aを画定する。また内周端縁115は、第1接合材110において燃料電池セル本体10と接する面の内周縁である。本実施形態の内周端縁115は、第1突出部112に含まれる。
【0043】
図5に示すように、積層方向視において、内周端縁115は、略矩形状である。内周端縁115は、互いに対向する2組の延伸部と、各延伸部を連結する連結部と、を有している。なお、2組の延伸部の間には、燃料電池セル本体10の外周縁部14を除く領域が位置している。このため、2組の延伸部は、燃料電池セル本体10を介して対向している。少なくとも1つの延伸部は、曲線部を有する。本実施形態の内周端縁115の全周は、曲線形状である。
【0044】
詳細には、内周端縁115は、第1〜第4延伸部115a〜115dと、第1〜第4連結部115e〜115hと、を有している。第1及び第2延伸部115a、115bは、互いに対向する。第3及び第4延伸部115c、115dは、互いに対向する。第1連結部115eは、第1及び第3延伸部115a、115cを連結する。第2連結部115fは、第3及び第2延伸部115c、115bを連結する。第3連結部115gは、第2及び第4延伸部115b、115dを連結する。第4連結部115hは、第4及び第1延伸部115d、115aを連結する。第1〜第4延伸部115a〜115dは、矩形の辺に相当する。第1〜第4連結部115e〜115hは、矩形の角部に相当する。
【0045】
第1〜第4延伸部115a〜115dの少なくとも1つは、曲線部を有している。本実施形態では、第1〜第4延伸部115a〜115dのそれぞれは、曲線部を有している。また各第1〜第4延伸部115a〜115dは、セパレータ30から離れるように湾曲している。また各第1〜第4延伸部115a〜115dの全体は、曲線である。
【0046】
本実施形態の曲線部は、各第1〜第4延伸部115a〜115dの中央部に位置している。中央部とは、積層方向視において、各第1〜第4延伸部115a〜115dの延びる方向に3等分したときの中央に位置する領域である。
【0047】
曲線部は、変曲点を有している。変曲点とは、曲線部において曲がる方向が変わる点である。本実施形態の変曲点は、第1突出部112の最大突出長さL112bとなる点である。変曲点は、各第1〜第4延伸部115a〜115dの中央部に位置している。
【0048】
各第1〜第4連結部115e〜115hのそれぞれは、R形状を有している。すなわち、第1〜第4連結部115e〜115hのそれぞれは、積層方向視において、円弧状に湾曲している。第1〜第4連結部115e〜115hのそれぞれは、セパレータ30に近づくように湾曲している。
【0049】
外周端縁116は、第1接合材110の外周縁である。本実施形態の外周端縁116は、第2突出部113に含まれる。また外周端縁116は、セパレータ30及び燃料電池セル本体10と接していない。
【0050】
外周端縁116は、積層方向視において、略矩形状である。詳細には、外周端縁116は、第5〜第8延伸部116a〜116dと、第5〜第8連結部116e〜116hと、を有している。第5及び第6延伸部116a、116bは、互いに対向する。第7及び第8延伸部116c、116dは、互いに対向する。第5連結部116eは、第5及び第7延伸部116a、116cを連結する。第6連結部115fは、第7及び第6延伸部116c、116bを連結する。第7連結部116gは、第6及び第8延伸部116b、116dを連結する。第8連結部116hは、第8及び第5延伸部116d、116aを連結する。第5〜第8延伸部116a〜116dは、矩形の辺に相当する。第5〜第8連結部116e〜116hは、矩形の角部に相当する。
【0051】
第5〜第8延伸部116a〜116dの少なくとも1つは、曲線部を有している。本実施形態では、各第5〜第8延伸部116a〜116dが燃料電池セル本体10から離れるように湾曲している。また、各第5〜第8延伸部116a〜116dの全体が曲線である。
【0052】
各第5〜第8連結部116e〜116hのそれぞれは、R形状を有している。すなわち、第5〜第8連結部116e〜116hのそれぞれは、積層方向視において、円弧状に湾曲している。第5〜第8連結部116e〜116hのそれぞれは、燃料電池セル本体10から離れるように湾曲している。第1〜第4連結部115e〜115h及び第5〜第8連結部116e〜116hは、同じ方向に湾曲している。
【0053】
積層方向と直交する方向において、第1突出部112の突出長さL112及び第2突出部113の突出長さL113は、一定でない。第1突出部112の突出長さL112は、第1接合材110において、セパレータ30の内周端縁33から内周側に突出する距離である。第2突出部113の突出長さL113は、第1接合材110において、燃料電池セル本体10の外周端縁から外周側に突出する距離である。積層方向と直交する方向において、中央部111の幅L111は、略一定である。中央部111の幅L111は、燃料電池セル本体10の外周端縁とセパレータ30の内周端縁33との間を延びる距離である。幅L111、突出長さL112、及び幅L113は、積層方向視において、内周側から外周側に向かう方向の距離である。
【0054】
具体的には、
図5に示すように、第1突出部112の最小突出長さL112aに対する、第1突出部112の最大突出長さL112bの比(L112b/L112a)は、好ましくは1.01以上10.0以下であり、より好ましくは1.10以上8.00以下である。比(L112b/L112a)が1.01以上10.0以下であると、第1接合材110の内周縁部に残留する応力が分散され、応力の集中が抑制されやすくなる。比(L112b/L112a)は、曲線部を有する1つの延伸部において、
図4に示す積層方向の断面から測定される最小突出長さL112a及び最大突出長さL112bにより特定される。
【0055】
第2突出部113の最小突出長さL113aに対する、第2突出部113の最大突出長さL113bの比(L113b/L113a)は、好ましくは1.01以上10.0以下であり、より好ましくは1.10以上8.00以下である。比(L113b/L113a)が1.01以上10.0以下であると、第1接合材110の外周縁部に残留する応力が分散され、応力の集中が抑制されやすくなる。比(L113b/L113a)は、曲線部を有する1つの延伸部において、
図4に示す積層方向の断面から測定される最小突出長さL113a及び最大突出長さL113bにより特定される。
【0056】
図4に示すように、中央部L111の幅L111に対する、第1突出部112の最大突出長さL112bの比(L112b/L111)は、0.1以上3以下である。比(L112b/L111)が0.1以上3以下であると、燃料電池セル本体10とセパレータ30との接合強度を確保した上で、第1突出部112による応力分散効果を得ることができる。すなわち、燃料電池セル本体10とセパレータ30との接合強度不足に起因して発生する応力を低減させた上で、第1突出部112による応力分散効果を得ることができるため、第1接合材110の内周縁部への応力の集中がさらに抑制されやすくなる。比(L112b/L111)は、曲線部を有する1つの延伸部において、
図4に示す積層方向の断面から測定される幅L111及び最大突出長さL112bにより特定される。
【0057】
中央部111の幅L111に対する、第2突出部113の最大突出長さL113bの比(L113b/L111)は、0.1以上3以下である。比(L113b/L111)が0.1以上3以下であると、燃料電池セル本体10とセパレータ30の接合強度を確保した上で、第2突出部113による応力分散効果を得ることができる。すなわち、燃料電池セル本体10とセパレータ30との接合強度不足に起因して発生する応力を低減させた上で、第2突出部113による応力分散効果を得ることができるため、第1接合材110の外周縁部への応力の集中がさらに抑制されやすくなる。比(L113b/L111)は、曲線部を有する1つの延伸部において、
図4に示す積層方向の断面から測定される幅L111及び最大突出長さL113bにより特定される。
【0058】
中央部111は、燃料電池セル本体10及びセパレータ30と接している。詳細には、中央部111は、燃料電池セル本体10の燃料極13及びセパレータ30の内周縁部31と接している。セパレータ20と燃料電池セル本体10との間における中央部111の厚さH111に対する、第1突出部112の最大突出長さL112bの比(L112b/H111)は、2.0以上150以下である。比(L112b/H111)が2.0以上150以下であると、内周端縁に応力が集中することを抑制できる。セパレータ20と燃料電池セル本体10との間における中央部111の厚さH111は、中央部111において、セパレータ20と燃料電池セル本体10との積層方向の距離である。なお、本実施形態の厚さH111は、中央部111の厚みよりも小さい。比(L112b/H111)は、曲線部を有する1つの延伸部において、
図4に示す積層方向の断面から測定される厚さH111及び最大突出長さL112bにより特定される。
【0059】
また、第2突出部113は、燃料電池セル本体10と接している。詳細には、第2突出部113は、燃料極13の側面と接している。セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の厚さH111に対する、燃料電池セル本体10の側面と接する部分の第2突出部113の厚さH113の比(H113/H111)は、0.02以上5以下である。比(H113/H111)が0.02以上5以下であると、燃料電池セル本体10にも応力を分散できるので、局所的に応力が集中することを抑制できる。なお、本実施形態の厚さH113は、燃料極13の厚みよりも小さい。比(H113/H111)は、曲線部を有する1つの延伸部において、
図4に示す積層方向の断面から測定される厚さH111及びH113により特定される。
【0060】
また
図4に示すように、セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の厚さH111に対する、第2突出部113の露出長さE113の比(E113/H111)は、1を超えて10以下である。比(E113/H111)が1を超えて10以下であると、外周端縁116に加えられる応力を分散することができる。第2突出部113の露出長さE113は、
図4に示す矢印の部分の長さであって、第2突出部113において、燃料電池セル本体10との接点から、セパレータ30の接点までの最大長さである。比(E113/H111)は、曲線部を有する1つの延伸部において、
図4に示す積層方向の断面から測定される厚さH111及び露出長さE113により特定される。
【0061】
上述した比(L112b/L112a)、比(L113b/L113a)、比(L112b/L111)、比(L113b/L111)、比(L112b/H111)、比(H113/H111)、及び比(E113/H111)は、例えば、燃料電池セル本体10とセパレータ30とに第1接合材110となる材料を塗布する工程において、燃料電池セル本体10にマスキングして第1接合材110となる材料を塗布する方法や燃料電池セル本体10とセパレータ30との間の空間を制御した上で第1接合材110となる材料の塗布量を精密に制御する方法などによって制御できる。
【0062】
第1突出部112及び第2突出部113は、ガスに露出する露出面を有する。詳細には、第1突出部112及び第2突出部113の露出面は、酸化剤ガス、燃料ガスなどのガスに露出する。一方、セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111は、ガスに露出する露出面を有していない。詳細には、積層方向において、セパレータ30の下面と燃料電池セル本体10の上面との間における中央部111は、ガスに露出する露出面を有していない。
【0063】
第1突出部112の気孔率と、中央部111の気孔率とは、異なる。詳細には、第1突出部112の気孔率は、セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の気孔率よりも大きい。この場合、セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111よりも大きな応力が加えられる第1突出部112の変形性を向上できるので、応力を緩和できる。セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の気孔率に対する、第1突出部112の気孔率の比は、例えば1.25以上200以下である。
【0064】
第2突出部113の気孔率と、中央部111の気孔率とは、異なる。詳細には、第2突出部113の気孔率は、セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の気孔率よりも大きい。この場合、中央部111よりも大きな応力が加えられる第2突出部113の変形性を向上できるので、応力を緩和できる。中央部111の気孔率に対する、第2突出部113の気孔率の比は、例えば1.25以上200以下である。
【0065】
なお、セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の気孔率と、セパレータ30上における中央部111の気孔率とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。本実施形態のセパレータ30上における中央部111は、ガスに露出する露出面を有する。
【0066】
第1突出部112の気孔率は、例えば1.0%以上25%以下であり、好ましくは5.0%以上25%以下である。セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の気孔率は、例えば0.10%以上4.0%以下である。セパレータ30上における中央部111の気孔率は、例えば1.0以上25%以下である。第2突出部113の気孔率は、例えば1.0%以上25%以下であり、好ましくは5.0%以上25%以下である。
【0067】
上記「気孔率」は、FE−SEMの断面画像を画像解析により気孔部分を数値化することで測定される値である。具体的には、FE−SEMで1000〜20000倍に拡大した画像をMVTec社製の画像解析ソフトHALCONによって解析する。解析後の断面画像上で接合材部材を構成する材料部分と気孔部分とのそれぞれの面積占有率を求め、気孔部分の面積占有率を気孔率として定義する。断面画像は、中央部111、第1突出部112及び第2突出部113の各10視野について撮影して気孔率を数値化し、その平均値を中央部111、第1突出部112及び第2突出部113の気孔率とする。
【0068】
また、第1突出部112の最大気孔径は、セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の最大気孔径よりも大きい。第2突出部113の最大気孔径は、セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の最大気孔径よりも大きい。第1突出部112の最大気孔径は、例えば0.1μm以上20μm以下であり、セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の最大気孔径は、例えば0.05μm以上10μm以下であり、第2突出部113の最大気孔径は、例えば0.1μm以上20μm以下である。
【0069】
上記「気孔径」は、FE−SEMの断面画像の画像解析により求めた気孔の円相当径の値である。ここで、円相当径とは、断面の画像解析により求められる測定対象(粒子や気孔)の面積値を有する円の直径である。気孔率の算出と同様に、断面画像は10視野について撮影して気孔径を数値化する。各視野の平均気孔径を算出し、10視野の平均気孔径をさらに平均したものを気孔径として定義する。ただし、平均気孔径の算出の際には、0.01μm以下の気孔径のものを除く。
【0070】
なお、中央部111、第1突出部112及び第2突出部113の気孔率及び気孔径は、例えば、熱処理前に添加される有機成分を含有する造孔材の大きさ及び量(体積割合)を調整することによって制御できる。
【0071】
第1接合材110は、例えば、結晶化ガラスである。結晶化ガラスとしては、例えば、SiO
2−B
2O
3系、SiO
2−CaO系、またはSiO
2−MgO系が採用され得る。なお、本明細書では、結晶化ガラスとは、全体積に対する「結晶相が占める体積」の割合(結晶化度)が60%以上であり、全体積に対する「非晶質相及び不純物が占める体積」の割合が40%未満のガラスを指す。なお、第1接合材110の材料として、非晶質ガラス、ろう材、またはセラミックス等が採用されてもよい。具体的には、第1接合材110は、SiO
2−MgO−B
2O
3−Al
2O
3系及びSiO
2−MgO−Al
2O
3−ZnO系よりなる群から選ばれる少なくとも一種である。第1接合材110は、単一の材料で構成されてもよく、複数の材料で構成されてもよい。複数の材料で構成されている場合、それらの材料は接触して一体化されていてもよいし、一部もしくは全体として非接触となっていてもよい。
【0072】
[第1接合材によるセパレータの接合]
図3及び
図4に示すように、セパレータ30の内周縁部31は、第1接合材110により、燃料電池セル本体10の外周縁部14に接合されている。セパレータ30の内周縁部31の主面は、積層方向(z軸方向)と直交する方向(y軸方向)に対して傾斜している。すなわち、内周縁部31は、燃料電池セル本体10に対して傾斜している。内周縁部31は、第1接合材110の表面114に接している。
【0073】
積層方向は、燃料電池セル本体10において第1接合材110に接合されている領域で特定される。詳細には、発電していない状態の燃料電池セル本体10において第1接合材110に接合されている領域を確定し、その領域を構成する層の主面と直交する方向を積層方向と特定する。このように特定される積層方向と直交する方向に対して、発電していない状態のセパレータ30の内周縁部31が傾斜している。すなわち、発電していないセルスタック装置1において第1接合材110に接合されている内周縁部31及び外周縁部14を観察することにより、セパレータ30の内周縁部31の主面が積層方向と直交する方向に対して傾斜しているか否かが特定される。
【0074】
セパレータ30の内周縁部31と燃料電池セル本体10の外周縁部14とは、第1接合材110を介して対向している。内周縁部31及び外周縁部14の対向面(主面の一方)は、互いに非平行である。詳細には、発電していない状態のセルスタック装置1において、第1接合材110に接合された内周縁部31及び外周縁部14の互いに向かい合う主面は、平行でない。
図4では、外周縁部14の対向面は水平方向に延び、内周縁部31の対向面は上方に延びている。
【0075】
内周縁部31の主面の延びる方向と、積層方向と直交する方向とのなす角度θは、0度を超える。角度θは、例えば0.05度以上30度以下である。この角度θは、内周縁部31のy軸方向長さに対する、内周縁部31のz軸方向高さ(高さ/長さ)によって求められる値である。
【0076】
内周縁部31は、開口部を画定する内周端縁33を含んでいる。
図4に示す積層方向において、セパレータ30の内周端縁33は、面取りされている。詳細には、セパレータ30の内周端縁33の少なくとも一部は、円弧状に湾曲している。すなわち、内周端縁33は、R形状を有している。本実施形態では、内周端縁33の空気極側の角部は、丸みを帯びている。なお、内周端縁33の燃料極13側の角部が丸みを帯びてもよく、空気極12側及び燃料極13側の両方の角部が丸みを帯びてもよい。内周端縁33がR形状などに面取りされることによって、発電による温度変化などでセパレータ30が変形しても、応力を緩和することができる。
【0077】
[第2接合材]
図2及び
図3に示すように、第2接合材120は、空気極12に供給する酸化剤ガスの流路、及び燃料極13に供給する燃料ガスの流路を構成する部材に設けられている。詳細には、第2接合材120は、セパレータ30、インターコネクタ40及び締結部材23、27を接合する。第2接合材120は、セルスタック装置1の内部と外部とを隔離している。すなわち、第2接合材120は、複数の部材の隙間を密閉した結果、セルスタック装置1の内部空間と外部空間とを区画している。
【0078】
第2接合材120は、枠状である。すなわち、第2接合材120は、連続した一体の環状である。
【0079】
なお、セルスタック装置1は、第3接合材(図示せず)をさらに備えてもよい。第3接合材は、例えばセパレータ30とインターコネクタ40とを接合する接合材である。詳細には、第3接合材は、セパレータ30とインターコネクタ40とを、他の部材を用いずに単独で、または、他の部材が配置された状態で、接合する。他の部材は、例えばセパレータ30とインターコネクタ40との間を絶縁するための絶縁材、コンプレッションシール材などである。セパレータ30とインターコネクタ40とが他の部材で封止されている場合には、第3接合材は、省略されてもよい。
【0080】
以上のように構成されたセルスタック装置1は、次のようにして発電する。空気極12に酸化剤ガスを流すとともに、燃料極13に燃料ガス(水素ガス等)を流す。そして、このセルスタック装置1を外部の負荷に接続すると、空気極12において下記(1)式に示す電気化学反応が起こり、燃料極13において下記(2)式に示す電気化学反応が起こり、電流が流れる。
(1/2)・O
2+2e
−→O
2− …(1)
H
2+O
2−→H
2O+2e
− …(2)
【0081】
この発電による温度変化などの熱サイクルによって、例えば、燃料電池セル本体10の燃料極13が体積変化する。本実施形態では、第1接合材110の内周端縁115は曲線部を有し、第1突出部112の最小突出長さL112aに対する第1突出部112の最大突出長さL112bの比(L112b/L112a)は、1.01以上10.0以下である。このため、燃料極13の変形により第1接合材110に加えられる応力の方向が分散される。これにより、第1接合材110の内周縁部に残留する応力が分散されて、応力の集中が抑制されやすくなる。したがって、第1接合材110における応力を緩和できる。
【0082】
また本実施形態では、第1接合材110によって接合されるセパレータ30の内周縁部31の主面は、積層方向と直交する方向に対して傾斜している。このため、セパレータ30は、燃料電池セル本体10に対して傾斜するので、セパレータ30の可撓性が高くなる。これにより、熱サイクルによって、燃料極13が変形すると、セパレータ30が追従して変形する。このセパレータ30の変形により、第1接合材110に加えられる応力をより緩和できる。
【0083】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0084】
変形例1
上述した実施形態では、各第1〜第4延伸部115a〜115dの全体が湾曲している構造を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、1つの延伸部の全体が湾曲し、残りの延伸部は直線であってもよい。また、例えば、少なくとも1つの延伸部の一部が湾曲していてもよい。すなわち、少なくとも1つの延伸部は、曲線部と直線部とを有していてもよい。
【0085】
また、例えば、
図6に示すように、内周端縁115の少なくとも1つの延伸部は、セパレータ30に近づくように湾曲してもよい。
図6では、各第1〜第4延伸部115a〜115dの全体が、セパレータ30に近づくように湾曲している。
【0086】
また、例えば
図7に示すように、第1〜第4延伸部115a〜115dの一部または全部は、波形状であってもよい。なお、波形状とは、凹部と凸部とが交互に繰り返す凹凸形状である。
【0087】
変形例2
上述した実施形態では、内周端縁115及び外周端縁116の少なくとも一部が曲線であるが、外周端縁116は直線で構成されてもよい。また外周端縁116の第5〜第8延伸部116e〜116hは、例えば、
図6に示すように燃料電池セル本体10に近づくように湾曲してもよく、
図7に示すように波形状であってもよい。
【0088】
変形例3
上述した実施形態では、内周縁部31は、第1接合材110に埋設されているが、これに限定されない。例えば、
図8に示すように、セパレータ30の内周縁部31は、第1接合材110の表面114に接していてもよい。
図8の場合、中央部111は、燃料電池セル本体10とセパレータ30との間に挟み込まれている。すなわち、中央部111は、セパレータ30よりも積層方向上側に配置されておらず、かつ、燃料電池セル本体10よりも積層方向下側に配置されていない。この場合、中央部111全体は、ガスに露出する露出面を有していない。詳細には、中央部111の外表面は、燃料電池セル本体10及びセパレータ30に接している。
【0089】
また、例えば
図9に示すように、内周縁部31の一部のみが埋設されてもよい。詳細には、内周縁部31の一部が第1接合材110の表面114と接し、内周縁部31の他の一部が第1接合材110に埋設されている。
【0090】
変形例4
上述した実施形態では、内周縁部31の外周側が燃料電池セル本体10から離れるように傾斜しているが、これに限定されない。
図10及び
図11に示すように、内周縁部31は、外周側に向かうにつれて燃料電池セル本体10に近づくように傾斜してもよい。
【0091】
本変形例では、内周縁部31は、第1接合材110の表面114に沿って延びる。この場合、セパレータ30において、第1接合材110との接合面積が増加する。
【0092】
図10のセパレータ30は、下方に湾曲している。詳細には、セパレータ30は、全体として下方に湾曲している。
図11のセパレータ30は、下方及び上方に湾曲している。詳細には、セパレータ30において内周縁部31よりも外周側は、上方に湾曲している。
【0093】
変形例5
上述した実施形態では、第1接合材110は、断面視において楕円の一部が欠けた形状を有しているが、これに限定されない。第1接合材110は、種々の形状を有することができ、例えば、断面視において
図9、11〜14に示す形状であってもよい。
【0094】
変形例6
上述した実施形態では、セパレータ30全体が湾曲しているが、これに限定されない。セパレータ30の一部が湾曲してもよく、例えば屈曲部、段差部などを有していてもよい。また、セパレータ30は、燃料電池セル本体10に対して直線的に傾斜するように延びてもよい。セパレータ30は、少なくとも一部が撓む形状である。
【0095】
変形例7
上述した実施形態では、第1接合材110は、第1突出部112及び第2突出部113を有しているが、
図13に示すように第2突出部113は省略されてもよい。なお、
図13の場合、第1接合材110の外周端縁116の延伸部が曲線部を有することが好ましい。詳細には、第1接合材110の外周端縁116は、積層方向視において、互いに対向する2組の延伸部と、各延伸部を連結する連結部と、を有し、少なくとも1つの延伸部は曲線部を有する。
【0096】
変形例8
上述した実施形態では、第1接合材110における燃料電池セル本体10と接する面の内周端縁115は、第1接合材110において最も内周側に位置しているが、これに限定されない。例えば、積層方向視において、燃料電池セル本体10と接する面の内周端縁115よりも内周側に、燃料電池セル本体10と接しない第1接合材110が配置されてもよい。
【0097】
変形例9
上述した実施形態では、積層方向と直交する方向がy軸方向で、内周縁部31がy軸方向に対して傾斜しているが、これに限定されない。例えば、積層方向と直交する方向がy軸方向に対して傾斜しており、内周縁部31がy軸方向に延びてもよい。また、積層方向と直交する方向がy軸方向に対して傾斜しており、内周縁部31もy軸方向に対して傾斜しており、互いに交差してもよい。この場合であっても、セパレータ30は可撓性を有しているので、燃料電池セル本体10の変形に応じて、セパレータ30がその変形を吸収できる。なお、本発明の内周縁部31の主面は、積層方向と直交する方向に対して平行であってもよい。
【0098】
変形例10
上述した実施形態では、燃料極基板131及び燃料極活性部132の外周部は、段差構造を有しているが、これに限定されない。例えば、燃料極基板131と燃料極活性部132の外周面は、揃っていてもよい。
【0099】
[実施例1]
本実施例では、第1突出部112の最小突出長さL112aに対する、第1突出部112の最大突出長さL112bの比(L112b/L112a)による効果について調べた。
【0100】
(サンプルNo.1〜5)
図1〜
図5に示すセルスタック装置を準備した。第1接合材は、結晶化ガラスである。
図5に示すように、第1接合材110の内周端縁115の4つの延伸部は、曲線部を有していた。各サンプルの第1突出部112の最小突出長さL112aに対する、第1突出部112の最大突出長さL112bの比(L112b/L112a)は、下記の表1の通りであった。
【0101】
(サンプルNo.6)
サンプルNo.6は、4つの延伸部は、曲線部を有していなかった点において、サンプルNo.1と異なっていた。詳細には、2組の延伸部は、互いに平行であり、第1突出部112の突出長さL112は一定であった。このため、サンプルNo.6の比(L112b/L112a)は、1であった。
【0102】
(評価方法)
サンプルNo.1〜6のセルスタック装置について、熱サイクル試験により、ガスリーク量及びクラックの有無を調べた。具体的には、各セルスタック装置を電気炉内に設置し、室温から800℃まで昇降温速度400℃/hrでの上げ下げを10回繰り返した後、電気炉から取り出して、ガスリーク量とクラック発生の有無とを調べた。
【0103】
ガスリーク量については、空気極から燃料極へリークするガスの流量を測定した。詳細には、セルスタック装置1の酸化剤ガス排出管出口端部及び燃料ガス排出管入口端部を封止した上で、酸化剤ガス供給管よりアルゴンガスを供給し、酸化剤ガス供給側の圧力を10kPa加圧した条件において燃料ガス供給管の出口端部に設けた流量計によりガスリーク量を測定した。クラック有無の確認については、セルスタック装置を解体して第1接合材の表面に浸透探傷剤を塗布し、マイクロスコープで観察することにより行った。これらの結果を下記の表1の「評価結果」に記載する。
【0104】
表1の「評価結果」については、クラック及びガスリーク量によって、4段階に評価した。「◎」はクラックがなく、かつガスリークがなかったことを意味し、「○」は微小なクラックが発生し、かつガスリークがなかったことを意味し、「△」は微小なクラックが発生し、かつガスリーク量が少なかった(1cc/分未満)ことを意味し、「×」は大きなクラックが発生し、かつガスリーク量が多かった(1cc/分以上)ことを意味する。
【0106】
(評価結果)
表1に示すように、第1接合材の内周端縁の延伸部が曲線部を有していなかったサンプルNo.6は、第1接合材の応力を十分に緩和できなかったので、大きなクラックが発生した。その結果、内部空間に導入されたアルゴンガスが多く漏れ出してしまった。
【0107】
一方、第1接合材の内周端縁の延伸部が曲線部を有していたサンプルNo.1〜5は、第1接合材の内周縁部に残留する応力が分散されたので、応力を緩和できた。このため、第1接合材に発生するクラックを抑制できた。その結果、ガスリークを抑制できることを確認した。特に、第1突出部112の最小突出長さ112aに対する第1突出部112の最大突出長さ112bの比(L112b/L112a)が1.01以上10.0以下であったサンプルNo.1〜4では、貫通クラックが発生しなかったので、ガスリークが発生しなかった。比(L112b/L112a)が1.10以上8.00以下であったサンプルNo.2及び3では、クラックの発生を非常に抑制できた。
【0108】
[実施例2]
本実施例では、中央部L111の幅L111に対する、第1突出部112の最大突出長さL112bの比(L112b/L111)による効果について調べた。
【0109】
(サンプルNo.7〜10)
サンプルのNo.7〜10のセルスタック装置は、第1突出部112の最小突出長さL112aに対する、第1突出部112の最大突出長さL112bの比(L112b/L112a)が1.01以上10.0以下であり、下記の表2に示すように、第1突出部112の最大突出長さL112b及び中央部111の幅L111を変更した。
【0110】
(評価方法)
サンプルNo.7〜10のセルスタック装置について、上述した実施例1の熱サイクル試験を過酷にして、ガスリーク量及びクラックの有無を調べた。具体的には、各セルスタック装置を電気炉内に設置し、室温から800℃まで昇降温速度600℃/hrでの上げ下げを20回繰り返した後、電気炉から取り出して、ガスリーク量とクラック発生の有無とを調べた。その結果を下記の表2に示す。なお、評価基準は、実施例1と同様である。
【0112】
(評価結果)
表2に示すように、中央部L111の幅L111に対する、第1突出部112の最大突出長さL112bの比(L112b/L111)が0.1以上3以下であるサンプルNo.8及び9は、サンプルNo.7及び10に比べて、過酷な熱サイクル試験においても、クラックの発生を抑制できることがわかった。
【0113】
[実施例3]
本実施例では、セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の厚さH111に対する、第1突出部112の最大突出長さL112bの比(L112b/H111)による効果について調べた。
【0114】
(サンプルNo.11〜14)
サンプルNo.11〜14のセルスタック装置は、第1突出部112の最小突出長さL112aに対する、第1突出部112の最大突出長さL112bの比(L112b/L112a)は、1.01以上10.0以下であり、下記の表3に示すように、第1突出部112の最大突出長さL112b及び中央部111におけるセパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の厚さH111を変更した。
【0115】
(評価方法)
サンプルNo.11〜14のセルスタック装置について、実施例1よりも過酷にした実施例2の熱サイクル試験により、ガスリーク量及びクラックの有無を調べた。
【0117】
(評価結果)
表3に示すように、第1突出部112の最大突出長さL112bに対する、セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の厚さH111の比(H111/L112b)が2.0以上150以下であるサンプルNo.12及び13は、サンプルNo.11及び14に比べて、過酷な熱サイクル試験においても、クラックの発生を抑制できることがわかった。
【0118】
[実施例4]
本実施例では、第1突出部112の気孔率と、セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の気孔率とによる効果について調べた。
【0119】
(サンプルNo.15〜17)
サンプルのNo.15〜17のセルスタック装置は、第1突出部112の最小突出長さL112aに対する、第1突出部112の最大突出長さL112bの比(L112b/L112a)が1.01以上10.0以下であり、下記の表4に示すように、セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111及び第1突出部112の気孔率を変更した。
【0120】
(評価方法)
サンプルNo.15〜17のセルスタック装置について、実施例1よりも過酷にした実施例2の熱サイクル試験により、ガスリーク量及びクラックの有無を調べた。
【0122】
(評価結果)
表4に示すように、第1突出部112の気孔率がセパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の気孔率よりも大きいサンプルNo.16は、第1突出部112の気孔率がセパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の気孔率と同じサンプルNo.15、及び、セパレータ30と燃料電池セル本体10との間における中央部111の気孔率が第1突出部112の気孔率よりも大きいサンプルNo.17に比べて、クラックの発生をより抑制できることがわかった。