特許第6986073号(P6986073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986073
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】足踏みスクータ用駆動トレイン
(51)【国際特許分類】
   B62M 1/28 20130101AFI20211213BHJP
【FI】
   B62M1/28
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-519947(P2019-519947)
(86)(22)【出願日】2017年6月26日
(65)【公表番号】特表2019-518666(P2019-518666A)
(43)【公表日】2019年7月4日
(86)【国際出願番号】NL2017050426
(87)【国際公開番号】WO2017222386
(87)【国際公開日】20171228
【審査請求日】2020年6月12日
(31)【優先権主張番号】15/192,858
(32)【優先日】2016年6月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519303025
【氏名又は名称】ワールドワイド トレーディング サービシズ インターナショナル ベー・フェー・ベー・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】ブロム,ゲラルダス ヨハネス クリスティアン
【審査官】 中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3174087(JP,U)
【文献】 特開昭58−221783(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0248731(US,A1)
【文献】 西独国特許第00806945(DE,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
足踏みスクータ用駆動トレインであって、前記足踏みスクータが、第1端と第2端とを有するフレームを含み、前記フレームの前記第1端が第1のホイールを回転可能に支持し、前記フレームの前記第2端が第2のホイールを回転可能に支持し、
前記駆動トレインが、
ロッカーボードであって、前記ロッカーボードの第1の部分と第2の部分との間の前記ロッカーボードの長手方向中心に近接した位置で前記フレームに枢動可能に取り付けられ、上面と下面とを有し、前記上面が、前記第1の部分上にユーザの第1の足を受け、前記第2の部分上にユーザの第2の足を受けるように構成された、ロッカーボードと、
前記フレームの前記第1端に近接した位置で、テンションばねによって前記フレームに取り付けられたテンションプーリと、
前記第2のホイールの右側に動作可能に関連付けられた第1のロッキングローラクラッチであって、前記第1のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが第1の方向に回転する時に前記第2のホイールを駆動方向に回転させ、前記第1のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが第2の方向に回転する時に前記第2のホイールの自由回転を可能にする第1のロッキングローラクラッチと、
前記第2のホイールの左側に動作可能に関連付けられた第2のロッキングローラクラッチであって、前記第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが第1の方向に回転する時に前記第2のホイールを駆動方向に回転させ、前記第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが第2の方向に回転する時に前記第2のホイールの自由回転を可能にする第2のロッキングローラクラッチと、
前記ロッカーボードの下方で前記フレームの前記第1端に近接した位置で前記フレームに取り付けられ、前記第1のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリーと動作可能に位置合わせされたガイドプーリと、
前記第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリの上方で前記フレームに取り付けられ、当該作動プーリと動作可能に位置合わせされた補助プーリと、
第1端において、前記第1の部分の遠位端に近接した位置で前記ロッカーボードの下部に取り付けられ、当該第1端より後方において、前記ガイドプーリと、前記第1のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリと、前記テンションプーリと、前記第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリと、前記補助プーリとに動作可能に関連付けられ、第2端において、前記第2の部分の遠位端に近接した位置で前記ロッカーボードの下部に取り付けられる駆動ラインであって、ユーザが前記ロッカーボードを作動させて前記ロッカーボードの第2端を降下させると、前記駆動ラインの前記第1端が上方に引っ張られて、前記第1のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが第1の方向に回転し、前記第2のホイールが前記駆動方向に回転し、前記第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが前記第2の方向に回転し、前記第2のホイールの自由回転が可能になり、ユーザが前記ロッカーボードを作動させて前記ロッカーボードの第1端を降下させると、前記駆動ラインの前記第2端が上方に引っ張られて、前記第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが前記第1の方向に回転し、前記第2のホイールが前記駆動方向に回転し、前記第1のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが前記第2の方向に回転し、前記第2のホイールの自由回転が可能になる駆動ライン、とを備える、
足踏みスクータ用駆動トレイン。
【請求項2】
前記補助プーリが、前記第1および前記第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた前記各作動プーリに作用する前記ロッカーボードの前記第1端および前記第2端による駆動ライン引っ張り長さを実質的に均等化する位置において前記フレームに取り付けられた、請求項1に記載の駆動トレイン。
【請求項3】
前記補助プーリが、前記第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリにかかる駆動ライン引っ張り力を、前記第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリの軸よりも前方の方向から誘導する位置において前記フレームに取り付けられた、請求項1または2に記載の駆動トレイン。
【請求項4】
左側から見た時に、前記補助プーリの軸が、前記第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリの軸に対して約12時の方向にある、請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動トレイン。
【請求項5】
左側から見た時に、前記補助プーリの周縁が、前記第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリの周縁にごく近接している、請求項1から4のいずれか1項に記載の駆動トレイン。
【請求項6】
前記補助プーリが、径方向に延びる歯の遠位端を越えて前記径方向に延びる歯の両側に径方向に延びる複数のフランジを有し、前記複数のフランジの遠位端が前記補助プーリの周縁を画定する、請求項5に記載の駆動トレイン。
【請求項7】
ユーザが前記ロッカーボードを枢動させない時に前記第2のホイールが前記駆動方向に自由に回転する、請求項1から6のいずれか1項に記載の足踏みスクータ用駆動トレイン。
【請求項8】
前記駆動ラインが、前記第1端および前記ガイドプーリの周囲と前記第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリとの間に延びる第1のチェーンセグメントと、前記第2端および前記補助プーリの周囲と前記第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリとの間に延びる第2のチェーンセグメントと、前記第1および前記第2のチェーンセグメントの間で前記テンションプーリおよび前記ガイドプーリの周囲に延びる中間ケーブル部とを有し、前記両作動プーリおよび前記補助プーリが、前記第1および前記第2のチェーンセグメントのそれぞれのリンクに係合するように構成された径方向に延びる歯を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の駆動トレイン。
【請求項9】
請求項1から8の何れかに記載の駆動トレインを含む足踏みスクータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は足踏みスクータに関し、より詳細には足踏みスクータ用駆動トレインに関する。
【背景技術】
【0002】
足踏みスクータは長年にわたって世界中で使用されており、その様式は様々である。概して、足踏みスクータは、フレームに枢動可能に取り付けられた、ロッカーボードとして一般的に知られているプラットフォームを含む。ユーザが自らの足を使ってプラットフォームをフレームに対して枢動させることによって、駆動力が、駆動トレインを通じて、フレームに回転可能に取り付けられたホイールに与えられる。
【0003】
図1は、従来技術による足踏みスクータ10の特定の形態を示す。足踏みスクータ10は、第1および第2の傾斜セグメント14、16によって形成された単純なトラスの形態であるフレーム12からなり、第1および第2の傾斜セグメント14、16はそれぞれの近位端において接続され、それぞれの遠位端は水平部材18によって接合されている。従来技術による足踏みスクータ10のフレーム12は更に、前方部材20からなる。第1のホイール22は、前方部材20の遠位端にあるフレーム12の第1端、すなわち前端に回転可能に装着されている。第2のホイール24は、傾斜部材16を構成する一対のステー16a、16bの間で、アクスル25によってフレーム12の第2端、すなわち後端に回転可能に装着されている。より詳細には、第1のホイールは、前方部材20の遠位端に取り付けられ、ハンドルバー30をその上端に有するステアリングシャフト28を受けるヘッドチューブ26によって、フレームの第1端に取り付けられている。フロントフォーク32がステアリングシャフト28の下端に取り付けられ、第1ホイール22は、フロントフォーク32の対向する両脚部間に受けられて、アクスル34によってフロントフォーク32に回転可能に取り付けられている。
【0004】
従来技術による足踏みスクータ10では、第2のホイール24の回転を駆動するために駆動トレイン36が設けられている。駆動トレイン36は、ヒンジ40(図2参照)によって両傾斜セグメント14、16の頂点でフレーム12に枢動可能に取り付けられたロッカーボード38からなる。ロッカーボード38は、ヒンジ40の両側にある第1の部分、すなわち前部42と第2の部分、すなわち後部44とからなる。ヒンジ40は、ロッカーボード38の長手方向中心に配されている。ロッカーボード38の第1の部分42の上面および第2の部分44の上面は、従来技術による足踏みスクータ10を操作するユーザの第1および第2の足を受けるように構成されている。第1の一方向クラッチ46は、第2のホイール24の右側に動作可能に関連付けられて、一方向クラッチ46に固定的に取り付けられた作動プーリ48が第1の方向に回転する時に第2のホイール24を駆動方向に回転させ、第1の一方向クラッチ46に取り付けられた作動プーリが第2の方向に回転する時に第2のホイールの自由回転または「フリーホイーリング」を可能にする。同様に、第2の一方向クラッチ50は、第2のホイール24の左側に動作可能に関連付けられて、第2の一方向クラッチ50に取り付けられた作動プーリ52が第1の方向に回転する時に第2のホイール24を駆動方向に回転させ、第2の一方向クラッチ50に取り付けられた作動プーリ52が第2の方向に回転する時に第2のホイール24の自由回転を可能にする。ガイドプーリ54は、フレーム12の前端に近接した位置で、より具体的には、傾斜セグメント14上でフレーム12に回転可能に装着され、駆動ライン56をガイドプーリ54と作動プーリ48との間において誘導するために、第1の一方向クラッチ46に取り付けられた作動プーリ48と動作可能に位置合わせされている。テンションプーリ58は、コイルばねの形態であるテンションばね60によってフレームの第1端に近接した位置でフレームに取り付けられている。駆動ライン56は、第1端62において、前部42の遠位端に近接した位置でロッカーボード38の下部に取り付けられている。駆動ライン56は、当該第1端62より後方において、ガイドプーリ54の周囲に約90°、第1の一方向クラッチ46に取り付けられた作動プーリ48の周囲に約180°巻き付けられる。駆動ライン56は更に、テンションプーリ58の周囲に180°、次に第2の一方向クラッチ50に取り付けられた作動プーリ52の周囲に約90°巻き付き、駆動ライン56の第2端64は、ロッカーボード38の第2端44の遠位端に近接した位置でロッカーボード38の下部に取り付けられている。図2に示す従来技術による実施形態において、駆動ライン56は、第1端62およびガイドプーリ54の周囲と第1の一方向クラッチ46に取り付けられた作動プーリ48との間に延びる第1のチェーンセグメント66と、第2端64と第2の一方向クラッチ50に取り付けられた作動プーリ52との間に延びる第2のチェーンセグメント68と、第1および第2のチェーンセグメント66、68の間でテンションプーリ58の周囲に延びる中間ケーブル部70とを含む。この実施形態において、ガイドプーリ54および両作動プーリ48、52の各々は、当技術分野において周知の方法で第1および第2のチェーンセグメントそれぞれの長さだけ係合するように構成された径方向に延びる歯を有する。他の実施形態は、ガイドプーリ54および各作動プーリ48、52の歯を周方向溝に置き換えたケーブルである駆動ライン56からなり得る。
【0005】
図3を参照して、使用時に、ユーザがロッカーボード38を作動させてロッカーボードの第2端、すなわち後端44を降下させると、ロッカーボードの第1端、すなわち前端42とそれに関連付けられた駆動ライン62の第2端とが上方に引っ張られて、作動プーリ48とそれに取り付けられた第1の一方向クラッチ46とが第1の方向に回転し、それによって第2のホイールが駆動方向に回転し、また、作動プーリ52とそれに取り付けられた第2の一方向クラッチ50とが第2の方向に回転し、第2のホイールの自由回転が可能になる。図4を参照して、ユーザがロッカーボード38を作動させてロッカーボード38の第1端42を降下させると、ロッカーボード38の第2端44とそれに関連付けられた駆動ライン56の第2端64とが上方に引っ張られて、作動プーリ52とそれに取り付けられた第2のロッキングローラクラッチ50とが第1の方向に回転し、それによって第2のホイール24が駆動方向に回転し、また、作動プーリ48とそれに取り付けられた第1の一方向クラッチ46とが第2の方向に回転し、第2のホイール24の自由回転が可能になる。ロッカーボード38が枢動しない場合、第1および第2の一方向クラッチは何れも第1の方向に係合されず、第2のホイールは駆動方向に回転自由なままとなる。
【0006】
当該技術分野において公知の一方向クラッチの一形態は、図5に概略的に示されているラチェットクラッチ71であり、ラチェットクラッチ71は、外方に延びるリング状の第1のフランジ72からなり、第1のフランジ72は、その内側凹部の周囲に延びる複数の歯状凹部73を有する。多数のラチェットまたはフィンガ74が設けられる(簡潔化のため、図5には1つを示す)。これらラチェットまたはフィンガ74は、各歯状凹部73に係合するように外側にばね付勢され(ばねは図示せず)、ラチェット71が一方向75に自由に回転できるように成形および配向されている一方、各フィンガが各凹部に係合するように付勢されているため、反対方向には回転しないようになっている。このようなラチェット構造は、米国特許第7,914,027号により詳細に記載され、その内容は参照により本明細書に明確に組み込まれる。このような一方向ラチェットクラッチはラチェット歯の間隔に等しいバックラッシュ4を有し、このバックラッシュ4は使用時における駆動力の即時作動を阻害する。更に、このような一方向ラチェットクラッチは、フリーホイーリング時にクリック音を発生させる。また、このような一方向ラチェットクラッチは、フリーホイーリング中に摩耗する。
【0007】
好ましい一方向クラッチは、図6に概略的に示す従来のロッキングローラクラッチ76を含み得るロッキングローラクラッチ、または図5に概略的に示すロッキングニードルローラクラッチ76aである。ロッキングローラクラッチ76においては、外側ケーシング78内にある各ローラ77がばね付勢されて(ばねは図示せず)、ロッキングローラクラッチ76内でシャフト80に関連付けられた各ランプ79を押し上げる。ロッキングニードルローラクラッチ76aは、外側ケーシング78a内の各ランプ79aと、外側ケーシング78a内にあるシャフト80aまたはハブに直接接触する各ローラ77aとを有し、各ローラ77aがばね付勢されて(ばねは図示せず)各ランプ79aを押し上げる。どちらの形式のロッキングローラクラッチも、駆動方向に回転する時にほぼ瞬間的な回転駆動をもたらし、フリーホイーリング時は静かであり、フリーホイーリング時にほとんど磨耗しない。ただし、使用時には、図1から図4に示すような従来技術による足踏みスクータ10に配置されるロッカーローラクラッチは、第2のロッキングローラクラッチ50を駆動するために、駆動トレインの左側においてわずかに少ないチェーン引っ張り力を用い、より大きな力をロッカーボード38の前部に加える必要がある。
【0008】
本発明は、ロッキングローラクラッチを用いた従来技術による足踏みスクータの駆動トレインのこれらの問題点の1つ以上を克服することを目的とする。
【発明の概要】
【0009】
本開示の第1の態様は、第1端と第2端とを有するフレームを含み、フレームの第1端が第1のホイールを回転可能に支持し、フレームの第2端が第2のホイールを回転可能に支持する足踏みスクータ用駆動トレインである。ロッカーボードが、ロッカーボードの第1の部分と第2の部分との間のロッカーボードの長手方向中心に近接した位置でフレームに枢動可能に取り付けられ、ロッカーボードは、第1の部分上にユーザの第1の足を受け、第2の部分上にユーザの第2の足を受けるように構成された上面と、下面とを有する。テンションプーリが、フレームの第1端に近接した位置で、テンションばねによってフレームに取り付けられる。第1のロッキングローラクラッチが、第2のホイールの右側に動作可能に関連付けられて、第1のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが第1の方向に回転する時に第2のホイールを駆動方向に回転させ、第1のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが第2の方向に回転する時に第2のホイールの自由回転を可能にする。第2のロッキングローラクラッチが、第2のホイールの左側に動作可能に関連付けられて、第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが第1の方向に回転する時に第2のホイールを駆動方向に回転させ、第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが第2の方向に回転する時に第2のホイールの自由回転を可能にする。ガイドプーリが、ロッカーボードの下方でフレームの第1端に近接した位置でフレームに取り付けられ、第1のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリーと動作可能に位置合わせされる。補助プーリが、第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリの上方でフレームに取り付けられ、当該作動プーリと動作可能に位置合わせされる。駆動ラインが、第1端において、第1の部分の遠位端に近接した位置でロッカーボードの下部に取り付けられ、当該第1端より後方において、ガイドプーリと、第1のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリと、テンションプーリと、第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリと、補助プーリとに動作可能に関連付けられ、第2端において、第2の部分の遠位端に近接した位置でロッカーボードの下部に取り付けられる。ユーザがロッカーボードを作動させてロッカーボードの第2端を降下させると、駆動ラインの第1端が上方に引っ張られて、第1のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが第1の方向に回転し、第2のホイールが駆動方向に回転し、また、第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが第2の方向に回転し、第2のホイールの自由回転が可能になる。ユーザがロッカーボードを作動させてロッカーボードの第1端を降下させると、駆動ラインの第2端が上方に引っ張られて、第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが第1の方向に回転し、第2のホイールが駆動方向に回転し、また、第1のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリが第2の方向に回転し、第2のホイールの自由回転が可能になる。
【0010】
更なる各態様は、第1および第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた各作動プーリに作用するロッカーボードの第1端および第2端による駆動ライン引っ張り長さを実質的に均等化する位置においてフレームに取り付けられる作動プーリを含んでもよい。
【0011】
有利には、補助プーリは、第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリにかかる駆動ライン引っ張り力を、第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリの軸よりも前方の方向から誘導する位置においてフレームに取り付けられてもよい。
【0012】
更なる各態様は、補助プーリの軸が、足踏みスクータの左側から見た時に、第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリの軸に対して約12時の方向にあることを含んでもよい。
【0013】
また、補助プーリの周縁は、第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリの周縁にごく近接して設けられてもよい。有利には、補助プーリは、径方向に延びる歯の遠位端を越えて径方向に延びる歯の両側に径方向に延びる複数のフランジを有してもよく、複数のフランジの遠位端は補助プーリの周縁を画定する。
【0014】
駆動トレインは、ユーザがロッカーボードを枢動させない時に第2のホイールが駆動方向に自由に回転するように構成されてもよい。
【0015】
駆動ラインは、第1端およびガイドプーリの周囲と第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリとの間に延びる第1のチェーンセグメントと、第2端および補助プーリの周囲と第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた作動プーリとの間に延びる第2のチェーンセグメントと、第1および第2のチェーンセグメントの間でテンションプーリおよびガイドプーリの周囲に延びる中間ケーブル部とを有し、両作動プーリおよび補助プーリは、第1および第2のチェーンセグメントそれぞれのリンクに係合するように構成された径方向に延びる歯を有してもよい。
【0016】
また、駆動ライン引っ張り長さは、第1および第2のロッキングローラクラッチに動作可能に関連付けられた各作動プーリに作用するロッカーボードの第1端および第2端によって均等化されてもよく、これによって使用時にユーザがロッカーボードの各側に加えなければならない力の量が均等化される。これにより、ロッカーボードの前部または後部の何れが押し下げられても、自分は等しい力を与えているという感覚をユーザに与えることが促進される。このことは更に、ロッカーボードの前部または後部の何れが押し下げられているかに拘わらず、後部ホイールに加えられる力の均等化をもたらす。様々な実施形態による補助プーリを用いることにより、ユーザがロッカーボードを激しく枢動させている時のチェーン飛びも排除される。これにより、ロッカーボードから駆動ホイールへのエネルギーの効率的な伝達が更に向上し得る。従って、ユーザーの指が、各プーリーと駆動ホイールに関連付けられたチェーンとの間に誤って挟み込まれてしまうことから保護され得る。
【0017】
説明した各実施形態に対して、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更および追加を行うことができる。例えば、上記各実施形態は特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲には、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態および上記の特徴の全てが含まれるわけではない実施形態も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
特定の実施形態の特質および利点の更なる理解は、同様の構成要素を指すのに同様の参照番号が用いられる、明細書の残りの部分および図面を参照することによって実現され得る。場合によっては、複数の同様の構成要素のうちの1つを示すために、サブラベルが参照番号に関連付けられる。既存のサブラベルを指定せずに参照番号を参照する場合、そのような複数の同様の構成要素全てを指すことが意図されている。
【0019】
図1】従来技術による駆動トレインを特徴として備えた従来技術による足踏みスクータの斜視図である。
【0020】
図2図1の足踏みスクータの下面平面図であり、その駆動トレインをより明瞭に示す図である。
【0021】
図3図1および図2の従来技術による駆動トレインの概略斜視図であり、ユーザがロッカーボードの後部に力を加えた場合の、駆動トレインの駆動ラインの経路を左側から示す図である。
【0022】
図4図1および図2の従来技術による駆動トレインの概略斜視図であり、ユーザがロッカーボードの前部に力を加えた場合の、駆動トレインの駆動ラインの経路を左側から示す図である。
【0023】
図5】ラチェットクラッチの概略正面立面図である。
【0024】
図6】従来のロッキングローラクラッチの概略正面立面図である。
【0025】
図7】ロッキングニードルローラクラッチの概略正面立面図である。
【0026】
図8】補助プーリを含む駆動トレインの実施形態を左側から見た概略斜視図である。
【0027】
図9図8に示されている実施形態の駆動ラインの経路の斜視図であり、第1および第2のチェーンセグメントとその間の中間ケーブル部とを含む駆動ラインを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
特定の各実施形態の様々な態様および特徴を上記に要約したが、以下の詳細な説明は、当業者がそのような各実施形態を実施することを可能にするためにいくつかの実施形態を更に詳細に示す。記載された各実施形態は例示を目的としたものであり、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【0029】
以下の説明において、記載された各実施形態の十分な理解をもたらすために、説明を目的として、多くの具体的な詳細事項が明記される。ただし、本発明の他の実施形態はこれらの具体的な詳細事項の一部なしに実施されてもよいことが当業者には明らかであろう。本明細書においていくつかの実施形態が説明および請求され、様々な特徴が種々の実施形態に帰するが、一実施形態に関して説明された特徴は他の実施形態にも組み込まれ得ることが理解されるべきである。ただし、同様に、説明または請求される任意の実施形態の単一または複数の特徴は何れも、本発明のあらゆる実施形態に必須であると見なされるべきではない。本発明の他の実施形態がそのような特徴を省略し得るからである。
【0030】
特記しない限り、使用される量、寸法などを表すために本明細書において用いられる全ての数字は、全ての場合において用語「約」によって修飾されていると理解されるべきである。本出願において、単数形の使用は、特に明記しない限り複数形を含み、用語「および」および「または」の使用は、特記しない限り「および/または」を意味する。更に、用語「含んでいる」ならびに「含む」および「含まれる」など他の形態の使用は、非排他的と見なされるべきである。また、「要素」または「構成要素」などの用語は、特に明記しない限り、1つの構成単位からなる要素および構成要素ならびに2つ以上の構成単位からなる要素および構成要素の両方を包含する。
【0031】
図8は、本開示による駆動トレインの実施形態を概略的に示す。この駆動トレインは、大部分が先行技術の図1から図4を参照して上記した通りであるが、図8の実施形態においてはロッキングローラクラッチ50aである第2の一方向クラッチ50に取り付けられた作動プーリ52の上方で、ブラケット82によって左後部傾斜部材16aに取り付けられた補助プーリ80を含む。図8および図9を参照して、補助プーリ80の軸84は、第2のロッキングローラクラッチ50aの軸86に対して約12時の方向に位置している。図9を参照して、補助プーリ80は、径方向に延びる歯90の両側に一対の径方向フランジ88を有し、径方向に延びる歯90を超えて径方向に延びる。各径方向フランジ88の周縁は、補助プーリ80の周縁を構成する。補助プーリ80の周縁は、図8および図9に見られるように、第2のロッキングローラクラッチ50aに取り付けられた作動プーリ52の周縁にごく近接している。このように、ユーザの指が補助プーリ80と第2のロッキングローラクラッチ50aとの間に入ってしまうことが防止される。径方向に延びる各フランジ88は、ユーザの指が補助プーリ80に引っ掛かってしまうことを防止するとともに、第2のチェーンセグメント68がプーリの歯から外れてしまう可能性を最小限にするように機能する。この位置において、補助プーリ80は、第1および第2のロッキングローラクラッチ48a、50aに取り付けられた作動プーリを作動させるロッカーボード38の第1端および第2端による駆動ライン引っ張り長さを実質的に均等化するように機能する。更に、この位置において、駆動ラインは、第2のロッキングローラクラッチ50aに取り付けられた作動プーリ52の軸よりも前方の方向から第2のロッキングローラクラッチ50aに取り付けられた作動プーリ52を引っ張るように接続される。このように、チェーンの引っ張り方向は、第1のロッキングローラクラッチ48aに設けられているチェーンの引っ張り方向と同様である(図3および図8参照)。補助プーリのこの配置はまた、駆動ラインを90°を超えて作動プーリ52の周囲に巻き付かせる。
【0032】
図9は、ブレーキ100が制動力を最大限にする配置も示す。図9に示すように、ブレーキ100は、ステー16aおよび16bから延びる取付ブラケット104に枢動可能に接続されたブレーキアーム102を含む。ブレーキケーブル106がブレーキアーム102の第1端に取り付けられ、ブレーキケーブル108に張力をかけるブレーキレバー108によって作動される。これにより、ブレーキシュー110が第2のホイール24の走行面112と接触するように枢動される。ばね112はブレーキアーム102を付勢して、ブレーキシュー110を走行面112との接触から解放させる。ブレーキ100は、ホイールが回転しながらブレーキシュー110内に入ってブレーキシュー110をステー16a、16bに向けて駆動し、それによって走行面112に増大した制動力が加わるように、第2のホイール24に対して位置決めされる。このため、ブレーキシュー110と接触するホイール24を回転させる走行面112に対するこの作用は、図1に見られるように配された従来技術によるブレーキに比べ、ブレーキ効果を高める。図1においては、ブレークシュー110aが10ホイールの走行面と接触し、この場合、回転するホイールが、ブレーキシューをフレーム12に向かって駆動する、すなわち積極的に制動力をもたらす可能性はない。
【0033】
明瞭化および簡潔な説明のために、特徴は同じまたは別個の実施形態の一部として本明細書に記載されるが、本発明の範囲は、記載された特徴の全てまたは一部の組み合わせを有する実施形態を含み得ることが理解されるであろう。示されている各実施形態は、それらが異なるものとして説明されている場合を除いて、同一または同様の構成要素を有することが理解され得る。
【0034】
多くの変形が、当業者にとって明らかであろう。全ての変形が、添付の特許請求の範囲において定義されている本発明の範囲内に含まれると理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9