特許第6986074号(P6986074)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6986074高効率熱経路およびモールドアンダーフィルを有する積層型半導体ダイアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986074
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】高効率熱経路およびモールドアンダーフィルを有する積層型半導体ダイアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/29 20060101AFI20211213BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20211213BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20211213BHJP
   H01L 25/065 20060101ALI20211213BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20211213BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   H01L23/36 A
   H01L23/30 R
   H01L21/56 T
   H01L25/08 C
【請求項の数】22
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-520564(P2019-520564)
(86)(22)【出願日】2017年9月26日
(65)【公表番号】特表2019-532514(P2019-532514A)
(43)【公表日】2019年11月7日
(86)【国際出願番号】US2017053517
(87)【国際公開番号】WO2018075204
(87)【国際公開日】20180426
【審査請求日】2019年5月20日
(31)【優先権主張番号】15/298,156
(32)【優先日】2016年10月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100106851
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 泰久
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】ヘンブリー,デイビッド アール.
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンソン,ウィリアム アール.
【審査官】 綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0279431(US,A1)
【文献】 特開2003−068979(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0013114(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0348954(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/56
H01L 23/28 − 23/31
H01L 23/34 − 23/36
H01L 23/373− 23/427
H01L 23/44
H01L 23/467− 23/473
H01L 25/00 − 25/07
H01L 25/10 − 25/11
H01L 25/16 − 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ支持基板と、
前記パッケージ支持基板に搭載された第一の半導体ダイであって、積層部位と、前記積層部位から横方向に伸びる横方向領域とを有する、第一の半導体ダイと、
相互に積層された複数の第二の半導体ダイを含むダイ積層であって、前記第一の半導体ダイの前記積層部位に搭載された底部の第二の半導体ダイと、前記ダイ積層の最上面領域を画定する最上面を有する最上部の第二の半導体ダイと、側面とを有する、ダイ積層と、
前記第一の半導体ダイの前記横方向領域と前記パッケージ支持基板とに付着され、かつ、前記ダイ積層を包囲する熱伝達構造であって、前記複数の第二の半導体ダイが配置された空洞を有し、かつ、前記ダイ積層の前記最上面領域よりも大きい開口を有する、熱伝達構造と、
前記熱伝達構造を前記第一の半導体ダイの前記横方向領域と前記パッケージ支持基板とに付着させる接着剤であって、(i)前記第一の半導体ダイの前記横方向領域上を覆い且つ第一の厚さを有する第一の部分と、(ii)前記パッケージ支持基板の上面上を覆い且つ前記第一の厚さよりも大きな第二の厚さを有する第二の部分とを含む接着剤と、
前記複数の第二の半導体ダイと前記熱伝達構造との間の前記空洞内のモールドアンダーフィル材料であって、前記ダイ積層の前記側面を前記ダイ積層の少なくとも前記最上面まで覆う、モールドアンダーフィル材料と、
を含む半導体ダイアセンブリ。
【請求項2】
前記熱伝達構造は、前記ダイ積層の前記側面から横方向に離隔された内部側壁と、最上部の前記第二の半導体ダイの前記最上面の位置またはその上方の位置にある上面とを含む、請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項3】
前記熱伝達構造の前記内部側壁は、前記熱伝達構造の前記開口を画定する、請求項2に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項4】
前記熱伝達構造の前記上面は、最上部の前記第二の半導体ダイの前記最上面よりも上の高さに配置され、
前記アンダーフィル材料は、最上部の前記第二の半導体ダイの前記最上面を覆う、請求項2に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項5】
前記アンダーフィル材料は、最上部の前記第二の半導体ダイの前記最上面に直接接触し、かつ、前記熱伝達構造の前記上面と少なくとも実質的に同一平面にある高さまで伸びる、請求項4に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項6】
前記アンダーフィル材料は、最上部の前記第二の半導体ダイの前記最上面を覆う、請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項7】
前記熱伝達構造はフレームを含む、請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項8】
前記フレームは、金属、金属合金、またはセラミックである、請求項7に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項9】
前記フレームは銅である、請求項8に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項10】
前記空洞は、上縁を有する側壁を有し、前記開口は前記側壁の前記上縁によって画定される、請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項11】
パッケージ支持基板と、
前記パッケージ支持基板に搭載された第一の半導体ダイであって、横方向領域と積層領域とを有する、第一の半導体ダイと、
複数の第二の半導体ダイを有するダイ積層であって、前記複数の第二の半導体ダイは、前記第一の半導体ダイの前記積層領域に取り付けられた底部の第二のダイと、前記ダイ積層の最上面を画定する最上部の第二のダイとを含む、ダイ積層と、
前記ダイ積層の周囲の熱伝導性フレームであって、前記ダイ積層の前記最上面の周囲の開口と、前記第一の半導体ダイの前記横方向領域と前記パッケージ支持基板とに付着され平坦な底面と、最上部の前記第二のダイの前記最上面よりも上の高さにある上面とを有する、熱伝導性フレームと、
前記熱伝導性フレームと前記ダイ積層との間の注入されたアンダーフィル材料であって、前記熱伝導性フレームの前記上面まで伸びる高さを有する、注入されたアンダーフィル材料と、
を含む半導体ダイアセンブリ。
【請求項12】
前記熱伝導性フレームの前記開口は、最上部の前記第二のダイの前記最上面よりも大きい、請求項11に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項13】
最上部の前記第二のダイの前記最上面は外周を有し、前記熱伝導性フレームの前記開口は、間隙によって、最上部の前記第二のダイの前記最上面の前記外周から横方向に離隔される、請求項11に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項14】
前記熱伝導性フレームは、金属、金属合金、またはセラミックを含む、請求項11に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項15】
前記熱伝導性フレームは銅を含む、請求項11に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項16】
パッケージ支持基板と、
第一の機能を有する第一のダイであって、前記パッケージ支持基板に取り付けられ、かつ、横方向領域と積層部位とを有する、第一のダイと、
前記第一のダイとは異なる第二の機能を有する複数の第二のダイであって、前記複数の第二のダイはダイ積層内に配置され、該ダイ積層は、前記第一のダイの前記積層部位に搭載された底部の第二のダイと、前記ダイ積層の最上面を画定する最上部の第二のダイとを含む、複数の第二のダイと、
前記第一のダイの少なくとも前記横方向領域と、前記パッケージ支持基板とに付着された熱伝達構造であって、前記第一のダイの前記横方向領域と前記パッケージ支持基板とに付着された平坦な底面と、前記複数の第二のダイが配置される空洞を有する、熱伝達構造と、
前記複数の第二のダイと前記熱伝達構造との間の前記空洞内のアンダーフィル材料であって、前記ダイ積層の前記最上面を覆う、アンダーフィル材料と、
を含む半導体ダイアセンブリ。
【請求項17】
前記熱伝達構造は、最上部の前記第二のダイの前記最上面の外周よりも大きい開口を有するフレームを含む、請求項16に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項18】
前記フレームは金属を含む、請求項17に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項19】
前記フレームは上面を有し、前記アンダーフィル材料は、前記フレームの前記上面と同一平面にある、請求項17に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項20】
半導体デバイスを製造する方法であって、
第一の半導体ダイの外側領域とパッケージ支持基板の上面との少なくとも一部分上に接着剤を配設することであって、前記接着剤は、(i)前記第一の半導体ダイの前記外側領域上を覆い且つ第一の厚さを有する第1の部分と、(ii)前記パッケージ支持基板の前記上面上を覆い且つ前記第一の厚さよりも大きな第二の厚さを有する第二の部分とを含む、ことと、
前記第一の半導体ダイの前記外側領域と、前記パッケージ支持基板とに、前記接着剤で熱伝達フレームを付着させることであって、前記熱伝達フレームは空洞を有し、前記第一の半導体ダイ上に搭載された複数の第二の半導体ダイのダイ積層、前記熱伝達フレームの前記空洞内にある、ことと、
アンダーフィル材料が前記ダイ積層の少なくとも最上面まで伸びるように、前記アンダーフィル材料で前記空洞を充填することと、
を含む方法。
【請求項21】
前記熱伝達フレームは上面を有し、前記アンダーフィル材料を充填することは、前記熱伝達フレームの前記上面に相対してモールドプラテンを配置することと、前記空洞に前記アンダーフィル材料を注入することとを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記モールドプラテンは、前記ダイ積層内の最上部の第二の半導体ダイの最上面から離隔され、前記アンダーフィル材料は、最上部の前記第二の半導体ダイの前記最上面を覆う、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された実施形態は半導体ダイアセンブリに関する。より詳細には、本技術は、高効率熱経路およびモールドアンダーフィル材料を有する積層型半導体ダイアセンブリと、それに関連付けられるシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリチップ、マイクロプロセッサチップおよびイメージャチップを含むパッケージ化された半導体ダイは、基板上に取り付けられ、プラスチック保護カバー内に収容された半導体ダイを典型的に含む。ダイは、メモリセル、プロセッサ回路、イメージャデバイスといった機能的機構を、その機能的機構に電気的に接続されたボンドパッドとともに含む。ボンドパッドは、ダイをより高レベルの回路に接続するために、保護カバーの外部にある端子に電気的に接続されることができる。
【0003】
動作パラメータを満たすために各パッケージの機能的容量を増加させつつ、電子デバイスの空間的制約に適合するように、半導体製造者は、ダイパッケージのサイズを縮小するよう努力している。パッケージによって覆われる表面積(すなわち、“フットプリント”)を実質的に増加させることなく、半導体パッケージの処理能力および/または記憶容量を増加させるための一つのアプローチは、単一のパッケージ内で相互に複数の半導体ダイを垂直方向に積み重ねることである。このように垂直方向に積み重ねられたパッケージ内のダイは、シリコン貫通ビア(TSV)を用いて、隣接するダイのボンドパッドと個々のダイのボンドパッドを電気的に結合することによって相互接続されることができる。ハイブリッドメモリキューブ(HMC)は、論理ダイの上に積み重ねられた複数のメモリダイを含む特に有用なデバイスの一つである。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本技術の実施形態に従う半導体ダイアセンブリを図示する断面図である。
図2A】本技術の実施形態に従う半導体ダイアセンブリを製造する方法の一態様を図示する断面図である。
図2B】本技術の実施形態に従う半導体ダイアセンブリを製造する方法の一態様を図示する上面図である。
図2C】本技術の実施形態に従う半導体ダイアセンブリを製造する方法の一態様を図示する断面図である。
図2D】本技術の実施形態に従う半導体ダイアセンブリを製造する方法の一態様を図示する上面図である。
図2E】本技術の実施形態に従う半導体ダイアセンブリを製造する方法の一態様を図示する断面図である。
図2F】本技術の実施形態に従う半導体ダイアセンブリを製造する方法の一態様を図示する上面図である。
図2G】本技術の実施形態に従う半導体ダイアセンブリを製造する方法の一態様を図示する断面図である。
図2H】本技術の実施形態に従う半導体ダイアセンブリを製造する方法の一態様を図示する上面図である。
図2I】本技術の実施形態に従う半導体ダイアセンブリを製造する方法の一態様を図示する断面図である。
図2J】本技術に従う半導体ダイアセンブリを製造する方法の一態様を図示する断面図である。
図3】本技術の実施形態に従う半導体ダイアセンブリを図示する断面図である。
図4】本技術の実施形態に従う半導体ダイアセンブリを図示する上面図である。
図5】本技術の実施形態に従って構成された半導体ダイアセンブリを含むシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
高効率熱経路およびモールドアンダーフィル材料を有する積層型半導体ダイアセンブリの幾つかの実施形態の具体的な詳細事項が、関連づけられるシステムおよび方法とともに、以下に記述される。用語“半導体ダイ(semiconductor die)”は、集積回路もしくはコンポーネント、データストレージ素子、処理コンポーネント、および/または半導体基板上に製造された他の機構を有するダイを一般的に指す。例えば、半導体ダイは、集積メモリ回路および/または論理回路を含むことができる。二つの構造が、例えば、伝導、対流、および/または放射を介して、熱を通じてエネルギーを交換することができる場合に、半導体ダイおよび/または半導体ダイパッケージ内の他の機構は、相互に“熱的接触(thermal contact)”しているといわれることができる。本技術はさらなる実施形態を有し得、また、本技術は、図1図5を参照して以下に記述される実施形態の詳細事項のうちの幾つかがなくても実施され得ることは、当業者にはまた、理解されるだろう。
【0006】
本明細書で用いられるように、用語“垂直方向(vertical)”、“横方向(lateral)”、“より上(upper)”、および“より下(lower)”は、図面内に図示された方向から見て、半導体ダイアセンブリ内の機構の相対的な方向または位置を指すことができる。例えば、“より上”または“最上(uppermost)”は、別の機構よりもページの最上部により近く配置された機構を指すことができる。しかしながら、これらの用語は、逆にされるか、または傾斜された方向付けといった他の方向付けを有する半導体デバイスを含むように、広く解釈されるべきであり、そこでは、最上部/底部(top/bottom)、上/下(over/under)、より上/より下(above/below)、上/下(up/down)、および左/右(left/right)は、方向付けによっては、入れ替えられることができる。
【0007】
論理ダイの最上部に取り付けられた複数のメモリダイの積層を有するHMCなどの積層型のダイの配置は、幾つかの製造上の課題を有する。例えば、垂直方向に積み重ねられたダイパッケージでは、個々のダイからの熱は累積的であり、集約された熱は放散し難い。これは、個々のダイ、ダイ間の接合、およびパッケージ全体の動作温度を上昇させ、それが、積層型ダイをそれらの最大動作温度T(max)を超えた温度に到達させ得る。問題点は、また、パッケージ内のダイの密度が増加するにつれて深刻化する。さらに、ダイ積層内に異なる種類のダイが存在するとき、デバイス全体のT(max)は、最低のT(max)を有するダイのT(max)に限定される。
【0008】
積層型ダイアセンブリの別の課題は、ダイからの熱の十分な放散が可能なパッケージングは、製造するためのコストが高いことである。多くの既存の設計は、ダイ間に液体分配アンダーフィル材料を最初に流し、その後、メモリダイ積層の最上面および側面を完全に包囲する熱伝導性を有する“蓋(lid)”でダイ積層を覆う。しかしながら、このプロセスは、完成したデバイスのコスト全体のうち、かなりの部分を構成する。
【0009】
これらの課題を処理するために、本技術の一実施形態は、パッケージ支持基板と、パッケージ支持基板に搭載された第一の半導体ダイと、相互に積み重ねられた複数の第二の半導体ダイを含むダイ積層と、を含む半導体ダイアセンブリである。第一の半導体ダイは、積層部位と、積層部位から横方向に伸びる横方向領域とを有する。ダイ積層は、第一の半導体ダイの積層部位に取り付けられた底部の第二の半導体ダイと、ダイ積層の最上部表面
積を画定する最上部表面を有する最上部の第二の半導体ダイと、側面と、を有する。半導体ダイアセンブリは、第一の半導体ダイの横方向領域に取り付けられた熱伝達構造をさらに含み、熱伝達構造は、ダイ積層を包囲する。熱伝達構造は、第二の半導体ダイが配置された空洞と、ダイ積層の最上部表面積よりも大きい開口と、を有する。半導体ダイアセンブリは、第二の半導体ダイと熱伝達構造との間の空洞内にモールドアンダーフィル材料をさらに含む。アンダーフィル材料は、ダイ積層の側面を覆う。
【0010】
本技術の別の実施形態は、パッケージ支持基板と、パッケージ支持基板に取り付けられた第一の半導体ダイと、複数の第二の半導体ダイを有するダイ積層と、を含む半導体ダイアセンブリである。第一の半導体ダイは、横方向領域と、横方向領域の内部の積層領域とを有し、ダイ積層は、第一のダイの積層領域に取り付けられた底部の第二の半導体ダイと、最上部表面を有する最上部の第二の半導体ダイと、を含む。この実施形態の半導体ダイアセンブリは、また、ダイ積層周囲の熱伝導性フレームと、熱伝導性フレームとダイ積層との間の注入されたアンダーフィル材料も含む。熱伝導性フレームは、第一の半導体ダイの横方向領域に取り付けられた底部表面と、最上部の第二のダイの最上部表面、またはその上方の高さにある最上部表面と、を有する。注入されたアンダーフィル材料は、熱伝導性フレームの上部表面と少なくとも同一平面の高さを有する。幾つかの実施形態においては、注入されたアンダーフィル材料は、最上部の第二の半導体ダイの最上部表面を覆うことができる。
【0011】
図1は、本技術の一実施形態に従う、半導体ダイアセンブリ100(“アセンブリ100”)を図示する断面図である。アセンブリ100は、パッケージ支持基板102と、パッケージ支持基板102に取り付けられた第一の半導体ダイ110と、中心領域、または中心からずれた領域といった第一のダイ110の積層領域111で積層122内に配置された複数の第二の半導体ダイ120と、を含む。第一のダイ110は、第一のダイ110の少なくとも一側面上の第二のダイ120の横方向の外側に少なくとも一つの横方向領域112をさらに含む。図1に図示された実施形態においては、第一のダイ110は、ダイ積層122の対向側面の外側に二つの横方向領域112を有する。ダイ積層122は、第一のダイ110に取り付けられた底部の第二のダイ120aと、最上部表面124を有する最上部の第二のダイ120bとを含むことができる。最上部表面124は、ある高さE1でダイ積層122の最上部表面積を画定する。
【0012】
アセンブリ100は、ダイ積層122周囲の熱伝達構造(TTS)130をさらに含むことができる。図1に図示された実施形態においては、TTS130は、接着剤133によって第一のダイ110の横方向領域112および支持基板102に接着された底部表面(底面)132と、ある高さE2での上部表面(上面)134と、内部側壁136と、を有するフレームである。上部表面134の高さE2は、図示された実施例においては、最上部の第二のダイ120bの最上部表面(最上面)124の高さE1より上方にある。他の実施形態においては、上部表面134は、最上部表面124と少なくとも実質的に同一平面であり得る。内部側壁136は、第二のダイ120が配置される空洞138と、側壁136が上部表面134とぶつかる上部端(上縁)139によって画定される開口とを画定する。図1に図示された開口は、最上部表面124の最上部表面積(最上面領域)よりも大きい。TTS130は、銅、アルミニウム、シリコン、または他の適切な熱伝導性材料など、高い熱伝導性を有する材料から製造される。幾つかの実施形態においては、TTS130は、また、第一のダイ110から効率的に熱を伝達するために、高い熱伝導性を有しつつ、通常使用での温度サイクリング中に引き起こされるダイ110/120上の応力を減少させるために、第一のダイ110の基板材料のCTEに類似の熱膨張係数(CTE)を有する。これによって、ダイ110/120におけるひび割れまたはTTS130の層間剥離の軽減が期待される。TTS130用の適切なCTE適合材料は、モリブデン(Mo)、銅・タングステン(Cu−W)の合金、銅・モリブデン(Cu−Mo)の合金、シリコン炭化物(SiC)、および/またはアルミニウム窒化物(AlN)を含むがそのいずれにも限定されない。幾つかの実施例においては、これらの材料は、また、銅よりも軽くなり得、結果として、顕著に軽いパッケージをもたらし得る。TTS130が金属から製造されるとき、TTS130は、開口を形成し、ダイ積層122の第二のダイ120を包囲するために、適切な形状にプレス加工されるか、またはレーザカットされることができる。接着剤133は、熱界面材料(“TIM”)または別の適切な接着剤とすることができる。例えば、TIMおよび他の接着剤は、シリコンベースのグリース、ゲル、または導電性材料をドープされた接着剤(例えば、カーボンナノチューブ、はんだ材料、ダイアモンド状炭素(DLC)など)、並びに、相変化材料含むことができる。
【0013】
アセンブリ100は、第二のダイ120の各々の間、ならびに第一のダイ110と底部の第二のダイ120aとの間に、アンダーフィル材料160(個々の部分が参照番号160aおよび160bで其々識別される)をさらに含む。図1に図示されたアンダーフィル材料160の実施形態は、ダイ積層122の側面に伸びるか、またはダイ積層122の側面を覆う側面アンダーフィル部分160aと、最上部の第二のダイ120bの最上部表面124の上の最上部アンダーフィル部分160bと、を有する。最上部アンダーフィル部分160bは、最上部の第二のダイ120bの最上部表面124に直接接触することができる。
【0014】
アセンブリ100は、接着剤172によって、TTS130の上部表面134および最上部アンダーフィル部分160bに接着された熱伝導性蓋170を任意で含むことができる。熱伝導性蓋170は、銅、アルミニウム、シリコン、または他の適切な材料といった高い熱伝導性を有する材料から製造されたプレートとすることができる。
【0015】
アセンブリ100は、第一のダイ110および第二のダイ120の積層122からの熱の向上した熱放散を提供することが期待される。例えば、TTS130は、高い熱伝導性を有する材料から製造され、TIMを介して、第一のダイ110の横方向領域112に直接取り付けられるため、第一のダイ110の横方向領域112から熱伝導性蓋170への直接の経路に沿って熱を効率的に伝達する。TTS130は、また、単純で、設置が容易であるため、第一のダイ110の高温の横方向部分112から熱を効率的に放散するための単純かつ費用効率の高い方法を提供する。さらに、空洞138にモールドアンダーフィル材料160を注入することも容易である。なぜなら、TTS130内の大きな開口が、単純な注入モールドプラテンをTTS130上に直接配置することを可能とするからである。
【0016】
図1に図示されたアセンブリ100の幾つかの実施形態は、これに応じて、それらがその指定された最大温度(Tmax)を超えないままであるようにアセンブリ100内の個々のダイ110、120の動作温度を低下させることができる。これは、アセンブリ100がHMCとして配置されるときに非常に有用となり得る。なぜなら、第一のダイ110は一般的により大きな論理ダイであり、第二のダイ120は一般的にメモリダイであり、論理ダイはメモリダイよりも非常に高い電力レベル(例えば、0.628Wと比較すると5.24W)で典型的に動作するからである。論理ダイHMC構造は、一般的に、第一のダイ110の横方向領域112で顕著な量の熱を集中させる。論理ダイは、また、横方向領域112でより高い電力密度を有し得、これは、熱をさらに集中させることになり、それによって横方向領域112において、より高い温度を生成する。このように、第一のダイ110の横方向領域112の大部分を接着剤133を介して高い伝導性のTTS130に直接結合することによって、熱は、第一のダイの横方向領域112から効率的に除去されることができる。
【0017】
図2A図2Jは、本技術の実施形態に従う、アセンブリ100を製造する方法の連続的な態様を図示する。図2Aは、TTSおよびアンダーフィル材料が設置される前のアセ
ンブリ100の断面図であり、図2Bはその上面図である。図2Aを参照すると、パッケージ支持基板102は、より高レベルのパッケージングの外部電気コンポーネント(図示せず)に、第一および第二のダイ110、120を接続するように構成される。例えば、パッケージ支持基板102は、半導体コンポーネント(例えば、ドープされたシリコンウェーハもしくはヒ化ガリウムウェーハ)、非導電性コンポーネント(例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)などの様々なセラミック基板)、および/または導電性部分(例えば、相互接続回路、TSVなど)を含むインターポーザまたはプリント回路基板とすることができる。図2Aに図示された実施形態においては、パッケージ支持基板102は、複数の第一の電気コネクタ104aを介してパッケージ支持基板102の第一の側面103aで、第一のダイ110に電気的に結合され、複数の第二の電気コネクタ104b(“電気コネクタ104”とまとめて呼ばれる)を介して、パッケージ支持基板102の第二の側面103bで外部回路(図示せず)に電気的に結合される。電気コネクタ104は、はんだボール、導電性バンプおよびピラー、導電性エポキシ、ならびに/または他の適切な導電性素子とすることができる。様々な実施形態においては、パッケージ支持基板102は、第一の半導体ダイ110の裏面での熱放散を高めるために、比較的高い熱伝導性を有する材料から製造されることができる。
【0018】
図2Aおよび図2Bに図示されるように、第一のダイ110は、積み重ねられた第二のダイ120よりも大きいフットプリントを有することができる。第一および第二のダイ110、120は、長方形、円形、および/または他の適切な形状とすることができ、様々な異なる寸法を有し得る。図2Bを参照すると、例えば、第一のダイ110は、長さL1および幅W1を有することができ、個々の第二のダイ120は、長さL2および幅W2を各々有することができる。第一のダイ110の各横方向領域112(“ポーチ(porch)”または“シェルフ(shelf)”として当業者に周知)は、第一および第二のダイ110、120の相対的な寸法と、第一のダイ110の前方表面114(図2A)上のダイ積層122の位置とによって画定されることができる。図2Aおよび図2Bに図示された実施形態においては、横方向領域112が等しい距離で積層122の二つの対向側面を越えて横方向に伸びるように、ダイ積層122は、第一のダイ110のW1について中心にある。第一のダイ110の幅および長さの双方が中央にあるダイ積層122の幅および長さよりも大きい実施形態においては、連続的な横方向領域112は、第二のダイ120の全周囲の周りに伸び得る。他の実施形態においては、一つだけの横方向領域112が積層122の一側面のみから外側に伸びるように、積層122は、第一のダイ110の前方表面114(図2A)についてずらされ得る。更なる実施形態においては、第一および第二のダイ110、120は円形とすることができ、それによって、第一および第二のダイ110、120の相対的な直径は、横方向領域112を画定する。
【0019】
第一および第二のダイ110、120は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、フラッシュメモリ、他の形式の集積回路メモリ、処理回路、イメージングコンポーネント、および/または他の半導体機構など、様々な種類の半導体コンポーネントおよび機能的機構を含むことができる。様々な実施形態においては、例えば、アセンブリ100はHMCとして構成され、該HMCにおいて、積み重ねられた第二のダイ120はデータストレージを提供するメモリダイであり、第一のダイ110は、HMC内のメモリ制御(例えば、DRAM制御)を提供する高速論理ダイである。他の実施形態においては、第一および第二のダイ110、120は、他の半導体コンポーネントを含み得、および/または積層122内の個々の第二のダイ120の半導体コンポーネントは異なり得る。
【0020】
図2Aに図示されるように、第二のダイ120は、積層122内で相互に、また、隣接するダイ110、120間に配置された複数の導電性素子125によって下にある第一のダイ110に、電気的に結合されることができる。図2Aに図示された積層122は互いに電気的に結合された8つの第二のダイ120を含むが、他の実施形態においては、積層122は、8つよりも多いか、8つ未満のダイ(例えば、2〜4つのダイ、または少なくとも9つのダイ)を含むことができる。導電性素子125は、ピラー、列、スタッ、バンプなどの様々な適切な構造を有することができ、銅、ニッケル、はんだ(例えば、SnAgベースのはんだ)、導体充填エポキシ、および/または他の導電性材料から製造されることができる。選択された実施形態においては、例えば、導電性素子125は銅ピラーとすることができ、他の実施形態においては、導電性素子125は、バンプ・オン・窒化物構造などのより複雑な構造を含むことができる。
【0021】
図2Aにさらに図示されるように、個々の第二のダイ120は、第二のダイ120の対向する側で電気的接続を提供するために、片側または両側で、対応する導電性素子125と位置整合された複数のTSV126を各々含むことができる。各TSV126は、個々の第二のダイ120を完全に通る導電性材料(例えば、銅)と、第二のダイ120の残りからTSV126を電気的に絶縁するための、上記導電性材料を包囲する電気絶性材料と、を含むことができる。図2Aには図示されていないが、第一のダイ110は、また、より高レベルの回路に第一のダイ110を電気的に結合するための複数のTSVを含むことができる。TSV126および導電性素子125は、電気的通信以外にも、が第一および第二のダイ110、120から伝達されることができる熱コンジットを提供する。幾つかの実施形態においては、導電性素子125および/またはTSV126の寸法は、積層122を垂直方向に通る熱伝達を高めるために増加することができる。例えば、個々の導電性素子125は、ダイ110、120を通る熱経路を向上させるために、約15−30μm、または他の適切な寸法の直径を各々有することができる。他の実施形態においては、第二のダイ120は、積層122を通る熱経路をも提供し得る他の種類の電気コネクタ(例えば、ワイヤボンド)を用いて、相互に、また第一のダイ110に電気的に結合されることができる。
【0022】
様々な実施形態においては、アセンブリ100は、導電性素子125の間の隙間に配置された複数の熱伝導素子128(破線で図示される)を任意で含む。個々の熱伝導素子128は、導電性素子125(例えば、銅ピラー)と少なくともほぼ類似の構造および組成とすることができる。しかしながら、熱伝導素子128は、ダイ110および120のTSV126または他の電気的にアクティブなコンポーネントに電気的に結合されていないため、熱伝導素子128は、第二のダイ120間の電気的接続は提供しない。その代わりに、熱伝導素子128は、ダイ積層122を上方に通る熱伝達を高めるために、積層122を通る全体の熱伝導性を増加させる電気的に絶縁された“ダム(愚鈍な)素子”である。例えば、アセンブリ100がHMCとして構成される実施形態においては、導電性素子125の間の熱伝導素子128の追加は、何度か(例えば、約6〜7℃)HMCの動作温度を低下させるために図示されている。
【0023】
図2Cは、TTS130が第一のダイ110およびパッケージ支持基板102に取り付けられた後のアセンブリ100を図示する断面図であり、図2Dはその上面図である。図2Cを参照すると、TTS130の内部は、第一のダイ110の横方向領域112の上に配置されるように構成される。TTS130の側壁136は、最上部の第二のダイ120bの最上部表面124の高さ、またはその上方の高さにある第二のダイ120の積層122に関する高さ(H1)に伸びる。TTS130が横方向領域112の大部分を覆い、端部139によって画定される開口が最上部の第二のダイ120bの最上部表面124の表面積よりも大きくなるように、側壁136は、また、間隙(G)によって第二のダイ120の積層122から離隔される。接着剤133はTIMとすることができる。図2Dに図示された実施形態においては、TTS130は、第二のダイ120を完全に包囲し、最上部の第二のダイ120bの最上部表面124を露出するフレームまたはリングである。
【0024】
図2Eは、モールドプラテン210がTTS130の上部表面134に相対して配置された後のアセンブリ100を製造する方法の別の段階を図示する断面図であり、図2Fは、第一のダイ110、ダイ積層120、およびTTS130の上のモールドプラテン210の上面図である。モールドプラテンは、注入口212を有し、圧力下で、この注入口212を通って、TTS130によって画定された空洞138(図2E中へアンダーフィル材料が注入されることができる。モールドプラテン210は、また、注入口212に対してダイ積層122の対向側面に、排出口214(図2F)も含むことができる。
【0025】
図2Gは、アンダーフィル材料160が注入口212を通って空洞138に注入されるときのアセンブリ100を図示する断面図である。アンダーフィル材料160が(a)第二のダイ120の各々の間、(b)第一のダイ110と底部の第二のダイ120aとの間、(c)ダイ積層122の側面とTTS130の内部側壁136との間、にあるまで、アンダーフィル材料160は、ダイ積層122の側面に沿って流れまた、最上部の第二のダイ120bの最上部表面124の上に流れる。アンダーフィル材料160は、典型的には、注入可能なモールドアンダーフィル材料である。
【0026】
図2Hは、図2Gの段階における本方法を図示する上面図である。図2Hに図示されるように、モールドアンダーフィル材料160は、最上部の第二のダイ120bの最上部表面にわたって流れる(矢印F)。なぜなら、モールドプラテン210は、最上部の第二のダイ120bの最上部表面から離隔されているからである。モールドアンダーフィル材料160は、したがって、最上部の第二のダイ120bの最上部表面に沿って伝搬する前縁(leading edge)162を有する。モールドアンダーフィル材料160は、空洞138(図2G)を充填すると、空洞138から排出された空気は、排出口214から外へ流出する。
【0027】
図2Iは、アンダーフィル材料160がモールドプラテン210の底部に到達するまで空洞に注入された後のアセンブリ100を図示する断面図である。結果として、モールドプラテン210の底部表面は、幾つかの実施形態においては、アンダーフィル材料の最上部表面を画定することができる。他の実施形態においては、モールドプラテン210の底部表面は、TTS130の上部表面134の高さよりも下方、またはその上方のところに、アンダーフィル材料160の最上部表面の所望の高さを作成するように形成されることができる。
【0028】
図2Jは、モールドプラテン210が除去された後のアセンブリ100を図示する断面図である。最上部アンダーフィル部分160bは、これに応じて、最上部の第二のダイ120bの最上部表面124を覆い、最上部アンダーフィル部分160bの最上部表面は、TTS130の上部表面134と少なくとも実質的に同一平面にある。側面アンダーフィル部分160aは、ダイ積層122中の全ての第二のダイの側面を完全に覆い、第二のダイ120間の隙間の空間と、第一のダイ110と底部の第二のダイ120aとの間の空間とを含む空洞138の残りを充填する。図1に図示された熱伝導性蓋170などの熱伝導性蓋は、接着剤(例えば、TIM)を用いて、TTS130の上部表面134および最上部アンダーフィル部分160bの最上部表面163に任意で取り付けられることができる。
【0029】
図2A図2Jに図示されたアセンブリ100を製造するプロセスは、第一のダイ110によって生成される熱を効率的に放散するために、高い熱伝導性を有するパッケージ化されたハイブリッド半導体デバイスを経済的に作成することが期待される。第二のダイのダイ積層の側面を完全に収容し、最上部を覆う従来の蓋の代わりに、アセンブリ100のTTS130は、製造が安価であり、再利用可能なモールドプラテン210を直接通じてアンダーフィル材料160の容易な注入モールディングを可能とし、また、設置が容易で
ある。これは、パッケージ化されたハイブリッド半導体デバイスを製造するコストを削減することが期待される。さらに、TTS130は、アンダーフィル材料160が空洞138に注入される前に、熱伝導性接着剤を介して第一のダイ110の横方向領域112に接着されるため、TTS130は、第一のダイ110の横方向領域112の大部分と接触することが可能である。これは、第一のダイ110からの熱の除去の熱効率をさらに高めることが期待される。
【0030】
図3は、本技術の別の実施形態に従う半導体ダイアセンブリ300の断面図である。類似の参照番号は、図1および図3中の類似のコンポーネントを指す。アセンブリ100とアセンブリ300との間の違いは、アセンブリ300のTTS130の上部表面134が最上部の第二のダイ120bの最上部表面124と同一平面にあることである。結果として、モールドアンダーフィル材料160は、ダイ積層122の側面を完全に覆うが、最上部の第二のダイ120bの最上部表面124を覆わない。最上部の第二のダイ120bの最上部表面124の上にモールドキャップがないことにより、接着剤172によって最上部の第二のダイ120bの最上部表面124に直接熱伝導性蓋170を接着することを可能とする。アセンブリ300を製造するプロセスは、図2A図2Jにおけるアセンブリ100を参照して上述されたものと類似しているが、モールドプラテンは、注入モールディングプロセス中に、TTS130の上部表面134および最上部の第二のダイ120bの最上部表面124の直接上に存在することができるか、または、TTS130のモールドプラテン210と最上部の第二のダイ120bの最上部表面124との間には除去可能な薄い保護フィルムが存在することができる。アンダーフィル材料160は、したがって、ダイ積層122の側面の周囲に流れるように限定される。結果として、アセンブリ300は、ダイ積層122から熱伝導性蓋170の中心部分への直接的な熱伝達を高める。
【0031】
図4は、上述された半導体ダイアセンブリ100および300に類似の半導体ダイアセンブリ400を製造する一態様の上面図である。この実施形態においては、モールドプラテン410は、一端に注入口412を有するが、他端には排出口はない。モールドプラテン410を通じて排出口を提供する代わりに、第一のダイ110にTTS130を接着する接着剤133が、デバイスの一端で排出口チャネル414を有する。アンダーフィル材料は、したがって、図2G図2Hおよび図3を参照して上述されたように、TTS130によって画定される空洞を通じて流れることができるが、空気は、接着剤133における排出口チャネル414を通じて空洞から排出される。
【0032】
図1図4を参照して上述された積層型半導体ダイアセンブリのうちの任意のものは、より大きなおよび/またはより複雑な多数のシステムのうちの任意のシステムに組み入れられることができ、その代表的な実施例が図5に概略的に図示されたシステム500である。システム500は、半導体ダイアセンブリ510、電源520、ドライバ530、プロセッサ540、および/または他のサブシステムもしくはコンポーネント550を含むことができる。半導体ダイアセンブリ510は、上述された積層型半導体ダイアセンブリの機構とほぼ類似の機構を含むことができ、したがって、熱放散を高める第一のダイ110の横方向領域112を十分にカバーする複数の熱経路を含むことができる。結果として生じるシステム500は、メモリストレージ、データプロセシング、および/または他の適切な機能などの様々な広範囲の機能のうちの任意の機能を実施することができる。したがって、代表的なシステム500は、ハンドヘルドデバイス(例えば、携帯電話、タブレット、デジタルリーダ、およびデジタル音声プレイヤ)、コンピュータおよび家電製品を含むことができるが、そのいずれにも限定されない。システム500のコンポーネントは、単一ユニットに収容され得るか、または(例えば、通信ネットワークを通じて)複数の相互接続されたユニットに分散され得る。システム500のコンポーネントは、また、リモートデバイスを含むことができ、様々な広範囲のコンピュータ可読媒体のうちの任意のものを含むことができる。
【0033】
前述から、本技術の具体的な実施形態が例示の目的で本明細書に記述されてきたが、本開示から逸脱することなく様々な改変が行われてもよいことが理解されるだろう。例えば、半導体ダイアセンブリの実施形態のうちの多くがHMCについて記述されたが、他の実施形態においては、半導体ダイアセンブリは、他のメモリデバイス、または他の種類の積層型ダイアセンブリとして構成されることができる。さらに、図1図5に図示された半導体ダイアセンブリは、第一の半導体ダイ上に積層で配列された複数の第二の半導体ダイを有するが、他の実施形態は、第二の半導体ダイのうちの一つ以上の上に積み重ねられた一つの第一の半導体ダイを有することができる。特定の実施形態の文脈で記述された新規技術のある態様は、また、他の実施形態においては、組み合わせられてもよいし、排除されてもよい。さらに、新規技術のある実施形態に関連付けられた利点がそれらの実施形態の文脈で記述されてきたが、他の実施形態がこの利点を示してもよく、本技術の範囲内にあるために必ずしもこの利点を全ての実施形態が示す必要はない。したがって、本開示および関連付けられる技術は、本明細書に明確に図示されていないか、記述されていない他の実施形態を包含することができる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2G
図2H
図2I
図2J
図3
図4
図5