(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ステップc)中に、ステップb)中に取得された画像が、互いに異なるゾーンに分割され、デジタルフォーカシングアルゴリズムが各ゾーンに適用され、それぞれのために集束距離(dp)を取得し、
さらに、ステップc)において、
最大ばらつき指標(δmax)を考慮に入れ、
得られた集束距離(dp)のばらつきを表すばらつき指標(δ(dp))を計算し、
計算されたばらつき指標(δ(dp))と前記最大ばらつき指標(δmax)とを比較し、
比較の関数として、
各ゾーンで得られた集束距離(dp)の平均又は中央値(dp−)を計算し、ステップc)中に使用される前記集束距離を形成するか、
又は、ステップc)中に使用される前記集束距離(dmean)を確立するために、記憶された集束距離を考慮する、
請求項12に記載の方法。
ステップc)中に、ステップb)中に取得された画像が、互いに異なるゾーンに分割され、デジタルフォーカシングアルゴリズムが各ゾーンに適用され、それぞれのために集束距離(dp)を取得し、
さらに、ステップc)において、
フォーカシング下限(dinf)を考慮に入れ、
フォーカシング上限(dsup)を考慮に入れ、
各集束距離(dp)と前記フォーカシング下限(dinf)及び前記フォーカシング上限(dsup)とを比較し、
比較の関数として、
前記集束距離が前記フォーカシング下限(dinf)と前記フォーカシング上限(dsup)との間にある場合、各ゾーンで得られた集束距離(dp)の平均又は中央値(dp−)を計算し、ステップc)で使用される集束距離を形成し、
前記集束距離(dp)が前記フォーカシング下限(dinf)以下又は前記フォーカシング上限(dsup)以上の場合、ステップc)中に使用される前記集束距離(dmean)を確立するために、記憶された集束距離を考慮する、
請求項12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1Aは、本発明による装置の一例を示している。光源11は、伝搬軸Zに沿ってサンプル10に向かって伝搬する、入射光波として知られる光波12を放射できる。光波は、スペクトル帯域Δλで放射される。
【0034】
サンプル10は、粒子を含むサンプルであり、その中には、計数する対象粒子10aがある。粒子とは、例えば細胞、特に血球を意味するが、微生物、ウイルス、胞子、又はマイクロビーズであってもよく、通常生物学的応用、又は微細藻類でさえ使用される場合がある。それらは、水相に分散した油滴などの、液体媒体10mに不溶性の液滴でもある。好ましくは、粒子10aは、100μm未満、好ましくは50μm又は20μm未満の直径を有するか、そのような直径の円に内接する。好ましくは、粒子は、500nm又は1μmより大きい直径を有するか、そのような直径の円に内接する。
【0035】
図1Aに表される例では、サンプルは、対象粒子10aが浸される媒体10mを含む。この例の粒子10aは、血液細胞、例えば赤血球(赤血球)又は白血球(白血球)である。粒子が浸される媒体10mは、特に、希釈された血漿などの液体であってもよい。
【0036】
この例のサンプル10は、流体チャンバ15に含まれている。流体チャンバ15は、例えば、厚さe=100μmのCountess(登録商標)タイプの流体チャンバである。伝播軸Zに沿ったサンプル10の厚さeは、典型的には10μm〜1cmの間で変化し、好ましくは20〜500μmの間である。サンプル10は、サンプルの平面として知られる平面P
10に沿って延び、好ましくは伝播軸Zに垂直である。それは、画像センサ16から離れた支持体10s上に維持される。
【0037】
光源11とサンプル10との間の距離Dは、好ましくは1cmより大きい。これは、2〜30cmであることが好ましい。有利なことに、サンプルから見た光源は点状であると考えられる。これは、その直径(又はその対角線)が、サンプルと光源間の距離の10分の1未満、好ましくは100分の1未満であることを意味する。光源11は、
図1Aに示されるような発光ダイオードであってもよい。それは、絞り18すなわち空間フィルターに関連付けられてもよい。絞りの開口部は通常、5μm〜1mm、好ましくは50〜500μmである。この例では、絞りはThorlabs社製P150Sであり、その直径は150μmである。絞りは、光ファイバに置き換えてもよく、その第1の端部は光源11の反対側に配置され、その第2の端部はサンプル10に面して配置される。
【0038】
この装置は、光源11と絞り18との間に配置された拡散板17を含んでもよい。そのような拡散板の使用により、絞り18の開口に対する光源11の中心合わせの制約を克服できる。このような拡散板の機能は、光源によって生成された光ビームを角度αの円錐に沿って分配することである。好ましくは、拡散角αは10〜80°の間で変化する。拡散板を設けることによって、装置において、絞りに対する光源の偏心が許容され易くなり、サンプルの照明が均一化される。特にレーザー光源の場合、光源が十分に点状である場合、絞りは必要ない。
【0039】
光源11は、レーザーダイオードなどのレーザー光源であってもよい。この場合、空間フィルター18又は拡散板17と関連付けることは役に立たない。このような構成を
図1Bに示す。
【0040】
好ましくは、入射光波12のスペクトル放射帯域Δλは、100nm未満の幅を有する。スペクトル帯域幅とは、そのスペクトル帯域の中間高さでの幅を意味する。
【0041】
サンプル10は、光源11と前述の画像センサ16との間に配置される。画像センサ16は、サンプルの拡張面P
10と平行又は実質的に平行に伸びることが好ましい。実質的に平行という用語は、2つの要素が厳密に平行ではない可能性があることを意味し、20°又は10°未満の数度の角度公差が許可される。画像センサ16は、検出面P
0に沿って画像I
0を形成できる。示した例では、CCDタイプ又はCMOSのピクセルアレイを含む画像センサである。検出面P
0は、好ましくは、入射光波12の伝播軸Zに垂直に延びる。サンプル10と画像センサ16のピクセルアレイとの間の距離dは、有利には50μm〜2cm、好ましくは100μm〜2mmである。
【0042】
なお、画像センサ16とサンプル10との間に拡大光学素子などの画像形成光学素子は存在しない。これは、画像センサ16の各ピクセルの領域に集束マイクロレンズが存在する可能性を排除するものではなく、画像センサ16は取得した画像の拡大機能を有していない。
【0043】
入射光波12の影響下で、サンプル内に存在する粒子は回折波13を生成し、検出面P
0の領域で、サンプルが透過する入射光波12の一部12’と干渉する可能性がある。さらに、サンプルは入射光波12の一部を吸収してもよい。したがって、サンプル10によって送られ、画像センサ16が曝される暴露波として知られる光波14は、以下を含むことができる。
・サンプルの各粒子による入射光波12の回折から生じる成分13。
・サンプルによる入射光波12の透過から生じるコンポーネント12’。
【0044】
これらのコンポーネントは、検出面に干渉を生じる。したがって、画像センサ16によって取得された画像I
0は、干渉パターン(又は回折パターン)を含み、各干渉パターンは、サンプル10の粒子10aによって生成される。
【0045】
マイクロプロセッサなどのプロセッサ20は、画像センサ16によって取得された各画像I
0を処理するように設計されている。特に、プロセッサは、この説明で説明する画像処理及び計算操作を実行するための一連の命令が記憶されているプログラム可能なメモリ22に接続されたマイクロプロセッサである。プロセッサは、画像センサ16によって取得された画像又はプロセッサ20によって計算された画像の表示を可能にするスクリーン24に結合されてもよい。
【0046】
従来技術に関連して述べたように、ホログラムとしても知られる画像センサ16で取得された画像I
0は、観察されるサンプルの十分に正確な式を得ることができない。暴露波14を表す量を計算するために、画像センサによって取得された各画像に伝播演算子hを適用できる。ホログラフィック再構成として知られるそのような手順は、検出面P
0に平行な再構成面、特にサンプルの拡張面P
10において、光波14の絶対値(modulus)又は位相の画像の再構成を可能にする。このために、画像センサ16によって取得された画像I
0と伝播演算子hとの畳み込み積を作成する。次に、空間座標(x,y,z)の全てのポイントで、特に画像センサの反対側に延びる再構成面に沿って、光波14の複素式Aを計算できる。再構成面は、画像センサ16から、特にサンプルの平面P
10から距離|z|に位置する再構成面P
zであってもよい。
【数1】
*はコンボリューションから生成された演算子を示す。
【0047】
この説明の残りの部分では、座標(x,y)は、伝播軸Zに垂直な平面内の半径方向の位置を示す。座標zは、伝播軸Zに沿った座標を示す。
【0048】
複素式Aは、その偏角と絶対値がそれぞれ画像センサ16が曝される光波14の位相と強度を表す複素量である。画像I
0と伝播演算子hとの畳み込み積により、検出面P
0の座標zに及ぶ、再構成面P
zにおける複素式Aの空間分布を表す複素画像A
zが得られる。この例では、検出面P
0の方程式はz=0である。複素画像A
zは、再構成面P
zのサンプルの複素画像に対応する。同様に、暴露波14の光学特性の2次元空間分布を表す。伝播演算子hは、画像センサ16と画像センサ16からの距離|z|に位置する座標点(x,y,z)との間の光の伝播を記述する。したがって、再構成の距離として知られるこの距離|z|で、暴露波14の絶対値M(x,y,z)及び/又は位相φ(x,y,z)を決定できる。
【数2】
【数3】
【0049】
演算子absとargは、それぞれ絶対値と偏角を表している。
【0050】
換言すると、空間座標(x,y,z)の全ての点での暴露波14の複素式Aは、次のようになる。
【数4】
検出面P
0の反対側に延びる表面に、複素式Aの絶対値又は位相の分布をそれぞれ表す画像M
z及びφ
zを形成することが可能である。そのような表面は、特に検出面P
0から距離|z|に位置する平面P
zであってもよい。平面P
zでは、M
z=abs(A
z)及びφ
z=arg(A
z)が成立する。前述の表面は必ずしも平面ではないが、検出面に実質的に平行に延びてもよく、検出面に平行な平面P
zであることが好ましい。説明の残りの部分では、複素画像A
zの絶対値及び/又は位相から取得した画像を「再構成画像」と呼び、I
zで示す。
【0051】
本発明者らは、
図2A〜2Eを参照して説明する手順により、サンプル内に存在する粒子10aを計数する方法を開発した。この手順の主な手順は次の通りである。
【0052】
ステップ100:サンプルの照明。
このステップ中、サンプルは光源11によって照らされる。
【0053】
ステップ110:画像センサ16によるサンプル10の画像I
0の取得。
この画像はホログラムを形成する。
図1A又は1Bに示すように、レンズレス構成の興味深い特徴の1つは、広い観察野であり、大量のサンプルを同時に処理できる。観察野はセンサのサイズに依存するが、センサとサンプルとの間隔を設けるため、センサの検出面よりわずかに小さくなる。観察野は一般に10mm
2さらには20mm
2より大きい。
【0054】
ステップ120:再構成面P
zにおける複素画像A
zの計算。
複素画像は、画像センサ16が曝される暴露波14の位相と振幅に関する情報を運ぶ。再構成面は、サンプルの拡張面P
10である。ステップ120は、取得された画像I
0から生じる画像に前述の伝播演算子hを適用することにより実行され得る。ただし、取得した画像に伝播演算子を適用すると、多くの場合、ツイン画像として知られる実質的な再構成ノイズを含む複素画像A
zが生成され得る。再構成ノイズを制限して、使用可能な複素画像を取得するために、反復アルゴリズムを実行できる。これらのアルゴリズムの1つを、
図4A及び4Bを参照して以下に説明する。
【0055】
複素画像A
Zから、再構成面P
Z内の暴露波14の絶対値M
z及び/又は位相φ
zに基づいて再構成画像I
Zを得ることができる。画像センサ16に関する再構成距離は、画像センサ16に関するサンプル10の位置を知って演繹的に決定されるか、又はデジタルフォーカシングアルゴリズムに基づいて決定される。最適な再構成距離は、再構成画像I
Zが最も明確になる距離である。デジタルフォーカシングアルゴリズムは、当業者に知られている。
【0056】
図2Bは、
図4A及び4Bに関連して説明されたステップを実施する方法によって得られた複素画像A
zの絶対値M
zに基づく再構成画像I
zの一部の例である。この図では、コントラストが逆になっている。計数する対象粒子10aは赤血球である。それらは、再構成画像において分散され、互いに分離された関心領域ROIの形で表示される。サンプルと実験条件については、実験試行に関連して以下でより正確に説明する。
【0057】
ステップ130:セグメンテーション。
ステップ120中に形成された画像は、粒子に対応する関心領域ROIを分離するためにセグメンテーションにかけられる。画像のセグメンテーションとは、例えば強度の関数として、ピクセルを再グループ化するための画像の分割を意味する。画像セグメンテーションの結果、セグメンテーション画像I
z*が生成される。この画像では、互いに離間した関心領域ROIが区切られる。各関心領域は、以下に説明するように、粒子又は粒子のクラスターに対応する。セグメント化の異なる方法は、当業者に知られている。例えば、画像のヒストグラムから強度閾値の値を決定することからなる大津閾値処理を適用できる。この閾値は、2つのクラス(関心領域を表すピクセルのクラスと画像の背景を表すピクセルのクラス)に従ってピクセルの最適な分離を可能にする。
図2Cは、大津アルゴリズムに従って閾値処理を適用することにより、
図2Bの画像を分割した結果を示している。得られた画像は2値化され、画像の背景を表すピクセルは暗く(最小グレーレベル)、各関心領域ROIを表すピクセルは明るい(最大グレーレベル)。
【0058】
この例では、このステップで得られたセグメンテーション画像I
z*は、暴露波14の複素振幅A
zの絶対値の画像M
zのセグメンテーションから生じる。変形例として、このステップで得られる画像は、暴露波の位相の画像φ
zの分割から得られる。セグメンテーション画像I
z*は、同様に、絶対値の画像M
zのそれぞれのセグメンテーションの後に現れる関心領域と、暴露波の位相の画像φ
zとを組み合わせてもよい。
【0059】
セグメンテーション画像I
z*に表示される関心領域の単純な計数による対象粒子の計数は、対象粒子の量に関して1桁の大きさを提供する。しかし、発明者は、そのような計数がかなり不正確な結果をもたらすことを発見した。実際、特定の関心領域は、数えたい粒子とは異なる粒子に対応している。さらに、特定の関心領域は、クラスターを形成するいくつかの対象粒子を集める。これは、特定の対象粒子が互いに近く、同じ関心領域にマージされるという事実によるものである。
図1A及び1Bでは、2つの粒子を含むクラスター10a
2と3つの粒子を含むクラスター10a
3が描かれている。これらのエラーの原因は、以下で説明する手順で処理される。
【0060】
ステップ140:選択。
このステップ中、前のステップでモルフォロジーに応じて、つまり面積、形状、サイズなどの形態学的基準に応じて決定された関心領域の選択が行われる。これにより、計数したい対象粒子に対応する関心領域を選択できる。
【0061】
このステップは、対象粒子を代表する関心領域を選択するために、前述の形態学的基準の関数としての各関心領域のフィルタリングを含んでもよい。例えば、対象粒子が赤血球の場合、フィルタリングにより、直径が100μm未満か、そのような直径の円に内接する関心領域を選択できる。これにより、赤血球のクラスターを保持しながら、大きな塵埃や痕跡を考慮しなくてよい。
【0062】
対象粒子間の凝集の影響を考慮するために、選択された関心領域の分類は、例えば単一の対象粒子(シングルレット)に対応する関心領域を表す基準面積などの基準サイズS
refに特に基づいて、その面積及び/又は形状の関数として行われ得る。基準面積は、例えば各関心領域ROIの面積の平均又は中央値を計算し、関心領域の大部分が単一粒子に対応すると仮定することにより、セグメンテーション画像I
z*から事前に決定又は取得できる。次に、各関心領域のサイズは、各関心領域に多数の粒子が割り当てられる関数として、基準サイズS
refと比較される。サイズとは、直径、面積、又は別の特徴的な寸法を意味する。
例えば、
図2Dに関連して、
・関心領域のサイズが基準サイズS
refの0.5〜1.5倍の場合、ROI
1と付された関心領域のように、関心領域はシングルレットに対応する単一の対象粒子を表す。
図2Dでは、シングレットは白い点で表されている。
・関心領域のサイズが基準サイズS
refの1.5〜2.5倍の場合、関心領域は2つの対象粒子を表すと見なされる。
図2Dでは、ダブレットに対応するこのような関心領域ROI
2は、白い楕円形の輪郭で表されている。
・関心領域のサイズが基準サイズS
refの2.5〜3.5倍の場合、関心領域は3つの粒子を表すと見なされる。
図2Dでは、このような関心領域ROI
3は白い枠で表されている。
【0063】
表記ROI
nは、分類ステップの後、n個の粒子を含むと見なされる関心領域に対応する。nは厳密に正の整数である。
【0064】
代替的又は補足的な方法では、分類の前に、各関心領域の形状の関数として、選択を行ってもよい。例えば、関心領域ごとに最大直径と最小直径を決定する。最大直径と最小直径の比率により、対象となる関心領域の形状因子を定量化できる。この選択により、形状が球形であると見なせない関心領域を識別できる。これらの関心領域は、対象粒子の代表とは見なされず、計数では考慮されない。したがって、選択は、各関心領域の形状と、検出された対象粒子又は対象粒子のクラスターを表す形状との比較を伴い得る。
【0065】
セグメンテーション画像I
z*に存在する関心領域ごとに、信号ノイズ比(S/N)を確立できる。このような信号ノイズ比は、関心領域の中心に位置する中心ピクセルと呼ばれるピクセル(例えば9個の中心ピクセル)の平均値と、関心領域のない再構成画像に対応する画像の背景に対して計算された標準偏差との比を生成することによって計算できる。
図2Eは、
図2C及び2Dに示すサンプルで特定されたさまざまな関心領域について計算された信号ノイズ比の値のヒストグラムである。関心領域の大部分は4を超える信号ノイズ比を持っている。これは、検出が信頼でき、関心領域の選択での信頼度も高く、よって計数も信頼できることを意味する。ステップ140は、同様に、それらの信号ノイズ比の関数としての関心領域のフィルタリングを含み得る。実際、特定の閾値を下回ると、信号ノイズ比が低すぎて、関心領域が1つの粒子に対応していると効果的に判断できないと考えられる。
図3A及び3Bは、1.5に等しい信号ノイズ比の閾値に基づいた関心領域のフィルタリングの例を示している。
図3A及び3Bに示された関心領域の信号ノイズ比のヒストグラム(
図3C及び3D)に見られるように、
図3Aの太い円で囲まれた信号ノイズ比が低い関心領域を閾値処理により除去できる。信号ノイズ比が低い関心領域は、
図3Bには表示されていない。この例では、信号ノイズ比に基づく関心領域のフィルタリングはシングレットに限定されている。
図3A及び3Bでは、
図2Dと同様に、ダブレットは楕円形の輪郭で囲まれ、トリプレットは正方形の輪郭で囲まれている。
【0066】
一実施形態によれば、ステップ140は、
図3Eに示される以下の連続した操作を伴い得る。
・ステップ141:対象粒子を表す直径範囲(赤血球の場合は3〜12μmなど)、及び形状基準に従って、各関心領域ROIをフィルタリングする。
・ステップ142:このフィルタリングから生じる関心領域の平均サイズを計算する。この平均サイズは第1の基準サイズS
ref−1を構成する。
・ステップ143:整数n個の粒子を各関心領域ROI
nに割り当てるために、第1の基準サイズS
ref−1に基づいてセグメンテーション画像の各関心領域ROIを分類する。
・ステップ144:シングレットとみなされる各関心領域ROI
1の信号ノイズ比を計算する。
・ステップ145:閾値よりも大きい十分な信号ノイズ比を有するシングレットの平均サイズROI
1を計算する。閾値はおそらく1.5に等しく、この平均サイズは第2の基準サイズS
ref−2を構成する。
・ステップ146:ステップ145から得られた第2の基準サイズS
ref−2に基づいて、セグメンテーション画像の各関心領域ROIを分類する。
・ステップ147:分類中に決定された多数の粒子nを各関心領域ROIに割り当てる。
【0067】
このアルゴリズムにより、関心領域の分類の基礎として使用される基準サイズを漸進的に調整できる。これにより、より正確に分類できる。
【0068】
したがって、ステップ140は、対象粒子を表す関心領域を選択すること、及び/又は対象粒子を表すと考えられる各関心領域に多数の粒子を割り当てることを可能にする。
【0069】
ステップ150:計数。
このステップ中、ステップ140中に選択された関心領域、すなわち粒子の代表であると考えられる領域を、それらの各々におそらく割り当てられた多くの粒子を考慮して計数する。
【0070】
上述のステップ120は、伝播演算子と画像センサにより取得された画像との間の畳み込みを生成することにより実現され得る。ただし、このような演算子を適用すると、重大な再構成ノイズが発生し得る。再構成ノイズを制限することにより再構成を最適化するために、ステップ120は、2016年3月23日に出願された仏国特許出願第1652500号に記載されたようなアルゴリズムによって実行されてもよい。
図4A及び4Bを参照して、このアルゴリズムの主要なステップを説明する。それは反復アルゴリズムを含み、以下で説明されるステップ121〜125が繰り返され、kは反復のランクを指定する。この方法は、検出面での複素振幅A
0=A
z=0の推定値を段階的に取得するために、検出面P
0で暴露波14の位相を決定するように設計されている。各反復k中に、A
0k−1として示される前の反復中に取得された検出面の複素画像は、再構成面P
zで伝播され、再構成面P
zで複素画像A
zkを形成する。各反復は、検出面P
0の複素画像A
0kの位相φ
0kを、複素画像A
zkから決定されたノイズ基準ε
kの関数として調整することから成る。
【0071】
ステップ121:検出面の再構成面への伝播。
【0072】
このステップ中、検出面P
0で形成された画像が利用できる。最初の反復中に、画像センサによって取得された画像I
0から初期画像A
0k=0が決定される。初期画像A
0k=0の絶対値M
0k=0は、画像センサによって取得された画像I
0に平方根演算子を適用することで取得できる。この場合、M
0k=0=√I
0である。0などの任意の値が、初期画像の位相φ
0k=0に割り当てられる。次の反復中、検出面の画像は、前の反復で得られた複素画像A
0k−1である。検出面P
0で形成された画像は、再構成面P
zでサンプル10を表す複素画像A
zkを取得するために、前述の伝播演算子hの適用により、再構成面P
zで伝播される。伝播は、画像A
0k−1と伝播演算子h
−zの畳み込みによって実現される。
【数5】
【0073】
インデックス「−z」は、伝播が伝播軸Zとは反対の方向に実現されるという事実を表す。レトロプロパゲーションについて述べる。
【0074】
ステップ122:いくつかのピクセルでの指標の計算。
【0075】
このステップ中に、複素画像A
zkの複数のピクセル(x,y)の各ピクセルに関連付けられた量ε
k(x,y)を計算する。この量は、計算対象のピクセル(x,y)での画像A
zkの値A
zk(x,y)又はその絶対値に依存する。同様に、このピクセルの画像の次元微分、例えばこの画像の次元微分の絶対値に依存する場合がある。この例では、各ピクセルに関連付けられている量ε
k(x,y)は、各ピクセルの画像A
zkと値1の差の絶対値である。このような量は、次式で得られる。
【数6】
【0076】
ステップ123:画像A
zkに関連付けられたノイズ指標の確立。
【0077】
ステップ122中、複素画像A
zkのいくつかのピクセルにおける量ε
k(x,y)を計算する。これらの量はベクトルΕ
kを形成でき、その項は各ピクセル(x,y)に関連付けられた量ε
k(x,y)である。ステップ123では、ベクトルΕ
kのノルムからノイズ指標として知られる指標を計算する。複素画像A
zkから計算された量ε
k(x,y)は、複素画像A
zkの各ピクセル(x,y)で、複素画像A
refkに関連付けられたノイズ指標ε
kを構成するために合計される。
【0079】
このステップの重要な側面は、次の反復中、ノイズ指標ε
k+1がノイズ指標ε
kより小さい再構成画像A
zk+1を取得しつつ、検出面P
0で、サンプル平面内の画像A
0kの各ピクセルの位相値φ
0k(x,y)を決定することである。
【0080】
最初の反復中に利用可能な情報は、暴露波14の強度に関するもののみであり、その位相に関するものではない。したがって、再構成面P
z内の第1の再構成画像A
zk=1は、検出面P
0内の光波14の位相に関する情報がないために、実質的な再構成ノイズを割り当てられる。その結果、指標ε
k=1は上昇する。後続の反復中に、アルゴリズムは検出面P
0で位相φ
0k(x,y)の漸進的調整を実行し、指標ε
kを漸進的に最小化する。
【0081】
検出面の画像A
0kは、その強度と位相の両方の観点から、検出面P
0の光波14を表している。ステップ120〜125は、画像A
0kの各ピクセルの位相φ
0k(x,y)の値を反復的に確立し、再構成面P
zでの画像A
0k−1の伝播によって得られた画像A
zkのために取得された指標ε
kを最小化するように設計されている。
【0082】
最小化アルゴリズムは、勾配降下アルゴリズムでも共役勾配降下アルゴリズムでもよく、後者については以下で説明する。
【0083】
ステップ124:検出面における位相の値の調整。
【0084】
ステップ124は、次の反復k+1中、再構成面P
zにおける複素画像A
0kの伝播から生じる指標ε
k+1を最小化するように、複素画像A
0kの各ピクセルの位相φ
0k(x,y)の値を決定するように設計されている。このため、位相ベクトルφ
0kが確立される。各項は、複素画像A
0kのピクセル(x,y)の位相φ
0k(x,y)である。このベクトルの次元は(N
pix,1)である。ここで、N
pixは考慮されるピクセル数を示す。このベクトルは、次の更新式により、各反復中に更新される。
【数8】
ここで、
・α
kは整数で、「ステップ」として示され、距離を表す。
・p
kは次元(N
pix,1)の方向ベクトルで、各項p(x,y)は指標ε
kの勾配∇ε
kの方向を形成する。
【0085】
この方程式は、次のようにベクトル形式で表現できる。
【数9】
【0086】
また、次のように示される。
【数10】
ここで、
・∇ε
kは次元(N
pix,1)の勾配ベクトルで、その各項は問題の未知数(すなわちベクトルφ
0kの項)の自由度のそれぞれの関数として指標ε
kの変化を表す。
・p
k−1は、前の反復中に確立された方向ベクトルである。
・β
kは、方向ベクトルp
k−1に適用されるスケール係数である。
【0087】
勾配ベクトル∇εの各項は、次の通りである。
【数11】
ここで、Imは虚数演算子を表し、r’は検出面の座標(x,y)を表す。
【0088】
スケール係数β
kは、次のように表現できる。
【数12】
【0089】
ステップα
kは、反復に応じて、例えば、最初の反復中の0.03と最後の反復中の0.0005との間で変化し得る。
【0090】
更新式により、ベクトルφ
0kの調整が可能になり、複素画像A
0kの各ピクセルの位相φ
0k(x,y)が繰り返し更新される。検出面における複素画像A
0kは、各ピクセルに関連付けられたこれらの新しい位相値によって更新される。
【0091】
ステップ125:アルゴリズムの反復又は終了。
【0092】
収束基準が達成されていない場合、ステップ125において、ステップ124で更新された複素画像A
0kに基づいて、ステップ121〜125の新しい反復によりアルゴリズムを繰り返す。収束基準は、所定の反復回数K、又は指標の勾配∇ε
kの最小値、又は2つの連続する位相ベクトルφ
0k−1、φ
0kの間で無視できると考えられる差である。収束基準が達成されると、検出面P
0内のサンプルの複素画像について正しいと考えられる推定値が得られる。
【0093】
ステップ126:再構成面での複素画像の取得。
【0094】
最後の反復の終わりに、この方法は、再構成面における複素画像A
z=A
zkを取得するために、再構成面P
zの最後の反復から生じる複素画像A
0kの伝播を伴う。
【0096】
最初の一連の試験の過程で、赤血球を計数するために、前述の方法が希釈血液サンプルで使用された。
図5A〜5Dは、自動血液学機械ABX Pentra 120 DXによって生成された値の関数としての方法によって得られた結果を示している。実験条件は次の通りである。
・サンプル10:厚さ100μmのCountess(登録商標)流体チャンバに含まれる希釈血液であって、検査された容量は3mm
3、又は3μlである。
・光源11:発光ダイオードCree MC-E Color、スペクトル帯域Δλが、450〜465nm、520〜535nm、630〜640nmでそれぞれ発光する3つの発光ダイオードで構成される。この例では、各照明中に単一のダイオードがアクティブになる。また、
図1Bに示される実施形態によれば、405nmの波長で放射するレーザーダイオードが使用された。
・画像センサ:CMOS IDS μEyeモノクロセンサ、3840×2748ピクセル、各ピクセルのサイズは1辺1.67μm、検出面は約30mm
2
・光源11とサンプル10の間の距離D:光源11が発光ダイオードの場合は8cm、光源がレーザーダイオードの場合は15cm
・サンプル10と画像センサ16間の距離d:1500μm
・流体室15の厚さe:100μm
・光源11が発光ダイオードである場合の空間フィルター18の開口の直径:150μm
【0097】
この最初の一連の試験では、ヒトの血液を球状化試薬で希釈し、赤血球の表面張力を変更して球状化させた。当業者によく知られた方法で、血液の濃度と赤血球数の計数との間の再較正を行うため、基準機を用いて予備較正を行った。この再較正では、希釈係数、チャンバの厚さ、及び画像センサに曝されたサンプルの表面が考慮される。
【0098】
サンプル調製のプロトコルは次の通りである。
・球状化試薬で1/600に希釈。
・10μlの希釈血液のサンプルを採取し、画像センサの反対側に配置された流体チャンバに注入する。
【0099】
各サンプルは、参照方法として使用されたABX Pentra DX 120によって計数された。
【0100】
80個のサンプルが測定された。
図5A、
図5B、
図5C及び
図5Dは、それぞれ、基準測定値(横軸)の関数として本発明を実施することによって得られた結果(縦軸)を示している。光源は、以下である。
・450〜465nmのスペクトル帯域で発光する発光ダイオード
・520〜535nmのスペクトル帯域で発光する発光ダイオード
・630〜640nmのスペクトル帯域で発光する発光ダイオード
・レーザーダイオード
【0101】
これらの各数値に対して線形回帰が確立され、各回帰式はそれぞれ次の通りである。
・y=1.017x−0.04(r
2=0.98)
・y=1.019x−0.07(r
2=0.98)
・y=1.017x−0.07(r
2=0.98)
・y=1.027x−0.11(r
2=0.98)
【0102】
係数r
2は、Passing-Bablokタイプの各線形回帰に関連する決定係数である。
【0103】
2回目の試行では、溶解試薬を加えて赤血球を溶解した後、ヒトの血液サンプル内の白血球を計数した。画像のセグメント化は、最大エントロピー基準に基づく閾値処理に基づいて行われた。白血球の密度を考慮するために、使用された希釈係数は10だった。
図6Aは、サンプルの拡張面である再構成面P
zの複素画像の絶対値の画像を表している。
図6Bは、2つの白血球で構成されるクラスターのセグメンテーション、2値化、及び検出後の
図6Aの画像を表している。これらは白いリングで囲まれている。シングレットとダブレットとの識別により、関心領域の単純な計数と比較して、白血球をより正確に定量化できる。
図6C及び6Dは、それぞれ異なるサンプルである
図6A及び6Bに対応している。前述のように、取得はレーザータイプの光源を使用して行われた。
【0104】
この方法は、直径5μmのガラスビーズを使用して、3回目の一連の試行中に同様にテストされた。これらは、Bangs Laboratoriesの参照ビーズSS06Nであり、PBSタイプの生理食塩水バッファーで1/2000に希釈した。前述のように、取得はレーザータイプの光源を使用して行われた。2つのビーズを含むクラスターの検出が観察される。
図7Aは、サンプルの拡張面である再構成面P
zの複素画像の絶対値の画像を表している。
図7Bは、2つのビーズを含むクラスターのセグメンテーション、2値化、及び検出後の
図7Aの画像を表しており、これらのクラスターは白い輪郭で囲まれている。
【0105】
赤血球の場合、本発明者らは、計数対象の粒子の検出表面あたりの表面密度が2000個/mm
2未満であることが好ましいと考えている。これを超えると、粒子が近すぎ、各関心領域の信号ノイズ比が低下する。したがって、問題のさまざまな場合について、最大表面密度を推定し、サンプルに適用する希釈を調整することが有利である。
【0106】
意図する用途の1つは、赤血球、白血球、又は血小板などの血球の計数である。本発明者らは、白血球又は赤血球の場合、ステップ120中に、再構成画像I
zが再構成面P
zにおける複素振幅A
zの絶対値を表すことが好ましいことを発見した。セルに対応する関心領域のエッジの定義は、より明確である。一方、対象粒子が血小板である場合、再構成画像I
zが再構成面P
zにおける複素振幅A
zの位相を表すことが望ましいようである。
図8A及び8Bは、再構成された複素画像の絶対値又は位相にそれぞれ基づいた、赤血球に対応する関心領域の信号ノイズ比のヒストグラムを表す。検討された赤血球の数は、それぞれ12166及び12888であった。位相画像(平均13.9)に基づく場合よりも、絶対値の画像(平均18.6)に基づく場合の方が高い信号ノイズ比が観察される。これらの試験では、赤血球は青いスペクトル帯域で照らされた。
【0107】
本発明者らは実験的試験を実施した。これらの試験後、本発明者らは以下に示す変形例を定義した。各変形例は、全体又は一部を前述の手順と組み合わせることができる。
【0108】
第1の変形例によれば、前述のようにステップ100、110、及び120を実行する。ステップ120の過程において、考慮される再構成距離は、前述のように、デジタルフォーカシングアルゴリズムを実行することにより決定される集束距離(focusing distance)に対応する。ステップ120は、デジタルフォーカシングの有効性の基準の決定も含む。このため、ステップ110で取得された画像は、p個のゾーンに仮想的に分割され、pは厳密に正の整数である。通常、pは9などの1〜100の間である。各ゾーンで集束距離d
pを取得するために、デジタルフォーカシングアルゴリズムが各ゾーンに適用される。次に、集束距離のばらつき指標δ(d
p)を決定する。
・ばらつき指標δ(d
p)が所定の最大ばらつき指標δ
maxを超える場合、デジタルフォーカシングは無効になる。この場合、集束距離は、以前に分析されたk個のサンプルの記憶された集束距離d
kに基づいて確立された平均集束距離d
meanに等しいと考えられる。例えば、平均集束距離d
meanは、最後に分析されたk個のサンプルを考慮した移動平均によって計算され得る。kは、例えば2〜100の間の整数である。d
meanは、最後に分析されたk個の各サンプルの集束距離d
kの中央値でもよい。
・ばらつき指標δ(d
p)が最大ばらつき指標δ
maxより小さい場合、集束距離は、各ゾーンでそれぞれ取得された集束距離d
pの平均d
p−(又は中央値)と見なされる。
【0109】
ばらつき指標δ(d
p)は、最小集束距離d
p−minと最大集束距離d
p−maxとの差、すなわちδ(d
p)=d
p−max−d
p−minであり得る。また、ばらつき指標δ(d
p)は、集束距離d
pの標準偏差又は分散を含んでもよい。
【0110】
さらに、取得された画像を分割する各ゾーンでは、フォーカシング下限d
infとフォーカシング上限d
supを考慮することにより、デジタルフォーカシングアルゴリズムが確立される。デジタルフォーカシングアルゴリズムを各ゾーンに適用した後、少なくとも1つのゾーンについて、決定された集束距離が下限d
inf以下、又は上限d
sup以上である場合、集束距離は上記の平均(又は中央値)集束距離d
meanに等しいと見なされる。実際、フォーカシングアルゴリズムがd
inf以下又はd
sup以上の集束距離d
pを少なくとも1つ提供する場合、集束距離にエラーがある可能性がある。したがって、集束距離は、より確からしいと考えられる距離d
meanに置き換えられる。
【0111】
第2の変形例によれば、ステップ130の過程で、セグメンテーションは大津閾値処理によって行われる。そのようにして得られたセグメンテーション閾値の値は、再構成画像の位相画像又は絶対値の画像、又はこれらの組み合わせのいずれであっても、再構成画像I
zのヒストグラムのモードと比較される。ヒストグラムのモードは、再構成された画像のヒストグラムの最大値に対応するピクセルの強度のレベルに対応する。大津閾値処理によって決定されたセグメンテーション閾値がヒストグラムのモードの90%より大きい場合、適用されるセグメンテーション閾値は、ヒストグラムのモードの特定のパーセンテージ、例えば、80〜85%の間に設定される。実際、大津閾値がヒストグラムのモードに近い場合、ノイズのゾーンは1つ以上の関心領域であると見なされるため、再構成画像のセグメンテーションは一般に満足できるものではない。これらの条件では、ヒストグラムのモードの80〜85%の間にセグメンテーション閾値を課すという事実により、この落とし穴を回避できる。
【0112】
第3の変形例によれば、ステップ130中にセグメンテーション画像I
z*の品質Qの基準を決定する。品質の基準がセグメンテーション画像の品質の低下を示している場合、この方法は中断される。
【0113】
品質Qの基準は、ステップ130の過程で実行されたセグメンテーションから生じる関心領域の全体の面積に対応し得る。したがって、前述のようにステップ100、110、120、130を実行する。ステップ130の過程で、セグメンテーションにより決定された関心領域の総面積Aを決定する。セグメンテーションは、例えば、大津閾値処理の適用により実行される。
次に、
・総面積Aが定義済みの最大面積A
maxを超える場合、ステップ110で取得した画像は無効になる。
・総面積Aが最大面積A
maxより小さいが近い場合、セグメンテーション画像I
z*の信号ノイズ比SNR(I
z*)に基づいて、補助基準Q’を計算する。最大面積に近いということは、A
maxは、最大面積と最大面積の80%又は90%などの最大面積A
maxの割合との間を意味する。
【0114】
最大面積A
maxは、実験的試行に基づいて当業者によって決定され得る。セグメンテーション画像の信号ノイズ比SNR(I
z*)は、ステップ130でセグメント化された異なる関心領域ROIの強度I
ROIのレベルに対応し、関心領域外のノイズN
outの推定によって正規化される。強度I
ROIのレベルは、異なる関心領域ROIにおける強度の平均値μ又は中央値medによって推定され得る。関心領域外のノイズN
outは、関心領域ROI外のセグメント化画像I
z*の標準偏差σによって推定される。
したがって、
【数13】
【0115】
次に、そのように定義された信号ノイズ比は、所定の信号ノイズ比閾値SNR
minと比較される。信号ノイズ比SNR(I
z*)がこの閾値より大きい場合、セグメンテーション画像は有効であると見なされる。そうでない場合、セグメンテーション画像は無効になる。
【0116】
そのような実施形態によれば、ステップ130の後、セグメンテーション画像I
z*に関する少なくとも1つの品質Qの基準を決定する。品質の基準は、ステップ130の過程でセグメント化された全ての関心領域の面積Aと所定の最大面積A
maxとの間の比較に対応し得る。比較の関数として、セグメンテーション画像は有効化又は無効化される。セグメント化された全ての関心領域の面積Aが、最大面積A
maxより小さく、最大面積A
maxに近い場合、品質Q’の補助的な基準が決定される。前に定義したように、セグメンテーション画像の信号ノイズ比SNR(I
z*)と最小信号ノイズ比SNR
minとの比較が含まれ得る。この比較の関数として、セグメンテーション画像は有効化又は無効化される。
【0117】
この変形例は、赤血球である305個のサンプルに適用された。空の画像、粒子の数が少なすぎる又は多すぎる画像、又は取得中に発生した問題に起因する画像など、特定のケースに対応する画像を無効化できた。
【0118】
以下に説明する第4の変形例は、特に血液を含むサンプルに関するものである。実験的試行の過程で、発明者は、一般に、対象粒子が赤血球である場合、ステップ140で、Nタイプの関心領域ROI
nと1の区別を提供することが望ましいと考えた。Nは一般に3〜5の整数である。ステップ140に関連して説明したように、表記ROI
nは、n個の粒子を含む関心領域ROIに対応することが想起されるであろう。整数Nは、同じ関心領域内の許容可能な赤血球の最大数に対応する。N=5の場合、シングレット(n=1)、ダブレット(n=2)、トリプレット(n=3)、クワドラプレット(n=4)及びクイントプレット(n=5)に対応する5種類の関心領域を区別する。サイズが上限閾値S
maxを超える関心領域は、赤血球のクラスターに対応しないと考えられる。したがって、ステップ140は、最大サイズS
maxを考慮に入れ、そのサイズが最大サイズS
maxよりも大きい場合の関心領域の拒否を含む。最大サイズS
maxは、関心領域ROI
n=Nに対応するサイズより大きいサイズである。最大サイズS
maxはパラメーター化可能であり、例えば使用する流体チャンバなどの実験条件によって異なる。サイズが最大サイズS
maxを超える関心領域は拒否される。分析されたサンプルに凝集素を欠く血液が含まれている場合、拒否された関心領域の数は10未満であることが分かっている。拒否された関心領域の数は、以下を比較することで決定できる。
・セグメンテーションステップ130の終了時の関心領域の数。
・選択ステップ140の終了時の関心領域の数。
【0119】
拒否された関心領域の数が事前定義された許容レベルL
max以下、例えば10以下である場合、対象粒子の数が有効化される。許容レベルL
maxは、実験的学習段階の過程で、当業者によって調整され得る。拒否された関心領域の数が許容レベルL
maxを超えると、対象粒子の計数が無効になり、この無効が報告される。そのような状況は、例えば、冷たい凝集素を含む血液に対応し得る。これにより、血液には赤血球の多くのクラスターが含まれ、赤血球の最大許容数Nよりも多くの赤血球がある。そのような場合、発明者は、拒否された関心領域の数が数十、又は数百に達し得ることを観察した。拒否された関心領域の数を考えると、赤血球の数は非常に過小評価されている。
【0120】
冷たい凝集素を含む血液を含む6サンプルの実験的試験の過程で、N=5を考慮して、発明者らは、325、379、490、508、327、423にそれぞれ等しい多数の拒否された関心領域を測定した。許容レベルL
maxを超える拒否された関心領域の数を考えると、赤血球の数は無効になった。
【0121】
そのような実施形態によれば、ステップ130の後、画像のセグメンテーションから生じる関心領域の数を決定する。次に、ステップ140には以下が含まれる。
・そのサイズを超えると拒否される関心領域の最大サイズS
maxを考慮する。
・拒否された関心領域の数を決定する。
・対象粒子の計数が有効化又は無効化される関数として、許容レベルL
maxを考慮し、拒否された関心領域の数と許容レベルとを比較する。
【0122】
許容レベルL
maxは、実験的試行の過程で当業者によって定義される。
【0123】
本発明は、血液中の対象粒子の計数に使用できるが、尿、唾液、精子などの他の体液にも使用できる。また、細菌又は細菌コロニーなどの微生物の定量にも使用できる。生物学又はヘルスケアを含む用途を超えて、本発明は、例えば農業又は工業用流体の検査などの工業分野におけるサンプルの検査又は環境モニタリングに使用され得る。