特許第6986154号(P6986154)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6986154-自動車の車体構造 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986154
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】自動車の車体構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/04 20060101AFI20211213BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   B60R13/04 A
   B62D25/20 F
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-525548(P2020-525548)
(86)(22)【出願日】2019年6月10日
(86)【国際出願番号】JP2019022890
(87)【国際公開番号】WO2019244690
(87)【国際公開日】20191226
【審査請求日】2020年10月23日
(31)【優先権主張番号】特願2018-116901(P2018-116901)
(32)【優先日】2018年6月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】特許業務法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 聖明
(72)【発明者】
【氏名】佐原 健
【審査官】 上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−220433(JP,A)
【文献】 特開2003−237496(JP,A)
【文献】 特開2007−283997(JP,A)
【文献】 実開平02−121920(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/04
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドシル(17)の上方に位置するドアアウターパネル(13)の下部に固定されたドアロアガーニッシュ(19)を備え、前記ドアロアガーニッシュ(19)の車幅方向外壁(19a)の下縁およびサイドシルガーニッシュ(18)の車幅方向外壁(18a)の上縁の境界部において、前記ドアロアガーニッシュ(19)の車幅方向外壁(19a)の下縁は前記サイドシルガーニッシュ(18)の車幅方向外壁(18a)の上縁に対して車幅方向外側にオフセットし、
前記ドアアウターパネル(13)の下部に形成した凹部(13b)に前記ドアロアガーニッシュ(19)を固定して閉断面を構成し、前記ドアアウターパネル(13)および前記ドアロアガーニッシュ(19)の車幅方向外壁(19a)を段差なく連続させ、
前記サイドシル(17)の骨格の上端の高さは、前記ドアロアガーニッシュ(19)の上端の高さに略一致することを特徴とする自動車の車体構造。
【請求項2】
前記ドアロアガーニッシュ(19)は車幅方向外壁(19a)および下壁(19b)を有するL字状断面であり、前記下壁(19b)の車幅方向内端が、前記ドアアウターパネル(13)の周縁ヘム加工部(13a)に当接することを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
【請求項3】
前記ドアロアガーニッシュ(19)は、前記車幅方向外壁(19a)の上端に設けられて前記ドアアウターパネル(13)に設けた段部(13c)に当接する上部位置決め部(19c)と、前記下壁(19b)に形成した補強リブ(19e)の車幅方向内端に設けられて前記ドアアウターパネル(13)に当接する下部位置決め部(19d)と、前記上部位置決め部(19c)および前記下部位置決め部(19d)間に設けられて前記ドアアウターパネル(13)に係合するクリップ(28)を支持するクリップ座(19f)とを備えることを特徴とする、請求項に記載の自動車の車体構造。
【請求項4】
前記サイドシルガーニッシュ(18)の前後方向外端部は上方に突出する突出部(18h)を備え、前記突出部(18h)およびフェンダーパネル(14,15)の見切り線(31,32)と、前記ドアロアガーニッシュ(19)の車幅方向外壁(19a)および前記ドアアウターパネル(13)の見切り線(33)とは、側面視で直線状に連続することを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
【請求項5】
前記サイドシルガーニッシュ(18)は、上側が車幅方向外側に向かって傾斜する外壁下部(18c)と、前記外壁下部(18c)の上方に連続して上側が車幅方向内側に向かって傾斜する外壁上部(18b)とを備え、前記外壁下部(18c)は前記フェンダーパネル(14,15)に滑らかに連続することを特徴とする、請求項に記載の自動車の車体構造。
【請求項6】
前記サイドシルガーニッシュ(18)の前記突出部(18h)の前後方向内端は、前記ドアロアガーニッシュ(19)の車幅方向外壁(19a)と、前記サイドシルガーニッシュ(18)の前記外壁上部(18b)とに接続する略三角形状の縦壁(18i)を備えることを特徴とする、請求項に記載の自動車の車体構造。
【請求項7】
サイドシル(17)の上方に位置するドアアウターパネル(13)の下部に固定されたドアロアガーニッシュ(19)を備え、前記ドアロアガーニッシュ(19)の車幅方向外壁(19a)の下縁およびサイドシルガーニッシュ(18)の車幅方向外壁(18a)の上縁の境界部において、前記ドアロアガーニッシュ(19)の車幅方向外壁(19a)の下縁は前記サイドシルガーニッシュ(18)の車幅方向外壁(18a)の上縁に対して車幅方向外側にオフセットし、
前記ドアアウターパネル(13)の下部に形成した凹部(13b)に前記ドアロアガーニッシュ(19)を固定して閉断面を構成し、前記ドアアウターパネル(13)および前記ドアロアガーニッシュ(19)の車幅方向外壁(19a)を連続させ、
前記サイドシル(17)の骨格の上端の高さは、前記ドアロアガーニッシュ(19)の上端の高さに略一致し、
前記サイドシル(17)のスチフナ(22)は、前記ドアロアガーニッシュ(19)の下方で車幅方向外側に張り出す膨出部(22a)を備え、前記膨出部(22a)の車幅方向内面に補強部材(24)が重ね合わされることを特徴とする自動車の車体構造。
【請求項8】
サイドシル(17)の上方に位置するドアアウターパネル(13)の下部に固定されたドアロアガーニッシュ(19)を備え、前記ドアロアガーニッシュ(19)の車幅方向外壁(19a)の下縁およびサイドシルガーニッシュ(18)の車幅方向外壁(18a)の上縁の境界部において、前記ドアロアガーニッシュ(19)の車幅方向外壁(19a)の下縁は前記サイドシルガーニッシュ(18)の車幅方向外壁(18a)の上縁に対して車幅方向外側にオフセットし、
前記ドアアウターパネル(13)の下部に形成した凹部(13b)に前記ドアロアガーニッシュ(19)を固定して閉断面を構成し、前記ドアアウターパネル(13)および前記ドアロアガーニッシュ(19)の車幅方向外壁(19a)を連続させ、
前記サイドシル(17)の骨格の上端の高さは、前記ドアロアガーニッシュ(19)の上端の高さに略一致し、
前記サイドシルガーニッシュ(18)の前後方向外端部は上方に突出する突出部(18h)を備え、前記突出部(18h)およびフェンダーパネル(14,15)の見切り線(31,32)と、前記ドアロアガーニッシュ(19)の車幅方向外壁(19a)および前記ドアアウターパネル(13)の見切り線(33)とは、側面視で直線状に連続し、
前記ドアロアガーニッシュ(19)はフロントフェンダーパネル(14)およびリヤフェンダーパネル(15)間に配置されたフロントドア(11)およびリヤドア(12)にそれぞれ設けられ、前記ドアロアガーニッシュ(19)と前記サイドシルガーニッシュ(18)の上部とにより、前記フロントフェンダーパネル(14)の後端から前記リヤフェンダーパネル(15)の前端に亘って前後方向に延びる帯状の凹部(34)が形成されることを特徴とする自動車の車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドシルの上方に位置するドアアウターパネルの下部にドアロアガーニッシュを固定した自動車の車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼板製のサイドシル(ロッカパネル)51を石跳ねから保護すべく、サイドシル51の下面から車幅方向外面を覆うように合成樹脂製のサイドシルガーニッシュ(モールディング)30を取り付けるものが、下記特許文献1により公知である。
【0003】
またリヤドア10のガーニッシュ取り付け部とフロントドア30のガーニッシュ取り付け部との間のドア閉じ合い部92を、両ガーニッシュ取り付け部間のガーニッシュ見切り部91に対して前方にオフセットすることで、ガーニッシュ見切り部91を通しての中見えを防止するものが、下記特許文献2により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本実開平6−39617号公報
【特許文献2】日本特許第4388047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載されたものは、サイドシルガーニッシュ(モールディング)30がドアロアガーニッシュ(ドアモール)55よりも車幅方向外側に突出しているので、サイドシルガーニッシュ30の車幅方向外端の上向き面が車外から目視可能になり、その上向き面に照明等の光が反射して明るく見えることで、周辺の他のデザイン等を見え難くするノイズとなって美観を低下させる問題がある。
【0006】
また上記特許文献2には、ドアロアガーニッシュとサイドシルガーニッシュとの関係については開示されていない。
【0007】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、石跳ねによるドアアウターパネルの損傷をドアロアガーニッシュにより防止しながら、ドアロアガーニッシュおよびサイドシルガーニッシュ間の境界部を目立たなくして美観を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴によれば、サイドシルの上方に位置するドアアウターパネルの下部に固定されたドアロアガーニッシュを備え、前記ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁の下縁およびサイドシルガーニッシュの車幅方向外壁の上縁の境界部において、前記ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁の下縁は前記サイドシルガーニッシュの車幅方向外壁の上縁に対して車幅方向外側にオフセットし、前記ドアアウターパネルの下部に形成した凹部に前記ドアロアガーニッシュを固定して閉断面を構成し、前記ドアアウターパネルおよび前記ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁を段差なく連続させ、前記サイドシルの骨格の上端の高さは、前記ドアロアガーニッシュの上端の高さに略一致することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
【0009】
また本発明の第の特徴によれば、前記第1の特徴に加えて、前記ドアロアガーニッシュは車幅方向外壁および下壁を有するL字状断面であり、前記下壁の車幅方向内端が、前記ドアアウターパネルの周縁ヘム加工部に当接することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
【0010】
また本発明の第の特徴によれば、前記第の特徴に加えて、前記ドアロアガーニッシュは、前記車幅方向外壁の上端に設けられて前記ドアアウターパネルに設けた段部に当接する上部位置決め部と、前記下壁に形成した補強リブの車幅方向内端に設けられて前記ドアアウターパネルに当接する下部位置決め部と、前記上部位置決め部および前記下部位置決め部間に設けられて前記ドアアウターパネルに係合するクリップを支持するクリップ座とを備えることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
【0011】
また本発明の第の特徴によれば、前記第1の特徴に加えて、前記サイドシルガーニッシュの前後方向外端部は上方に突出する突出部を備え、前記突出部およびフェンダーパネルの見切り線と、前記ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁および前記ドアアウターパネルの見切り線とは、側面視で直線状に連続することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
【0012】
また本発明の第の特徴によれば、前記第の特徴に加えて、前記サイドシルガーニッシュは、上側が車幅方向外側に向かって傾斜する外壁下部と、前記外壁下部の上方に連続して上側が車幅方向内側に向かって傾斜する外壁上部とを備え、前記外壁下部は前記フェンダーパネルに滑らかに連続することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
【0013】
また本発明の第の特徴によれば、前記第の特徴に加えて、前記サイドシルガーニッシュの前記突出部の前後方向内端は、前記ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁と、前記サイドシルガーニッシュの前記外壁上部とに接続する略三角形状の縦壁を備えることを特徴とする自動車の車体構造が提案される
【0014】
た本発明の第の特徴によれば、サイドシルの上方に位置するドアアウターパネルの下部に固定されたドアロアガーニッシュを備え、前記ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁の下縁およびサイドシルガーニッシュの車幅方向外壁の上縁の境界部において、前記ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁の下縁は前記サイドシルガーニッシュの車幅方向外壁の上縁に対して車幅方向外側にオフセットし、前記ドアアウターパネルの下部に形成した凹部に前記ドアロアガーニッシュを固定して閉断面を構成し、前記ドアアウターパネルおよび前記ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁を連続させ、前記サイドシルの骨格の上端の高さは、前記ドアロアガーニッシュの上端の高さに略一致し、前記サイドシルのスチフナは、前記ドアロアガーニッシュの下方で車幅方向外側に張り出す膨出部を備え、前記膨出部の車幅方向内面に補強部材が重ね合わされることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
【0015】
また本発明の第の特徴によれば、サイドシルの上方に位置するドアアウターパネルの下部に固定されたドアロアガーニッシュを備え、前記ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁の下縁およびサイドシルガーニッシュの車幅方向外壁の上縁の境界部において、前記ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁の下縁は前記サイドシルガーニッシュの車幅方向外壁の上縁に対して車幅方向外側にオフセットし、前記ドアアウターパネルの下部に形成した凹部に前記ドアロアガーニッシュを固定して閉断面を構成し、前記ドアアウターパネルおよび前記ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁を連続させ、前記サイドシルの骨格の上端の高さは、前記ドアロアガーニッシュの上端の高さに略一致し、前記サイドシルガーニッシュの前後方向外端部は上方に突出する突出部を備え、前記突出部およびフェンダーパネルの見切り線と、前記ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁および前記ドアアウターパネルの見切り線とは、側面視で直線状に連続し、前記ドアロアガーニッシュはフロントフェンダーパネルおよびリヤフェンダーパネル間に配置されたフロントドアおよびリヤドアにそれぞれ設けられ、前記ドアロアガーニッシュと前記サイドシルガーニッシュの上部とにより、前記フロントフェンダーパネルの後端から前記リヤフェンダーパネルの前端に亘って前後方向に延びる帯状の凹部が形成されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
【0016】
なお、実施の形態のフロントフェンダーパネル14およびリヤフェンダーパネル15は本発明のフェンダーパネルに対応する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1の特徴によれば、サイドシルの上方に位置するドアアウターパネルの下部に固定されたドアロアガーニッシュを備えるので、路面から撥ね上げられた小石等をドアロアガーニッシュで受け止めてドアアウターパネルの下部が傷つくのを防止できる。ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁の下縁およびサイドシルガーニッシュの車幅方向外壁の上縁の境界部において、ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁の下縁はサイドシルガーニッシュの車幅方向外壁の上縁に対して車幅方向外側にオフセットするので、境界部におけるサイドシルガーニッシュの上向き面をドアロアガーニッシュで覆い隠して見え難くすることで、外観上のノイズを減少させて美観を高めることができる。
【0018】
た、ドアアウターパネルの下部に形成した凹部にドアロアガーニッシュを固定して閉断面を構成し、ドアアウターパネルおよびドアロアガーニッシュの車幅方向外壁を段差なく連続させたので、ドアロアガーニッシュの剛性を閉断面構造により高めながら、ドアアウターパネルおよびドアロアガーニッシュの車幅方向外壁の段差をなくして美観の向上および空気抵抗の減少が可能になる。
【0019】
また更に、サイドシルの骨格の上端の高さは、ドアロアガーニッシュの上端の高さに略一致するので、ドアロアガーニッシュを取り付ける凹部を形成したことでドアの下部の車幅方向厚さが減少して強度が低下しても、その強度低下をサイドシルの骨格の強度で補って耐側面衝突性能を確保できる。
【0020】
また本発明の第の特徴によれば、ドアロアガーニッシュは車幅方向外壁および下壁を有するL字状断面であり、下壁の車幅方向内端が、ドアアウターパネルの周縁ヘム加工部に当接するので、下壁の長さを長くすることでドアロアガーニッシュの下縁の車幅方向外側へのオフセット量を増加できるだけでなく、小石等の衝突によりドアロアガーニッシュが受ける荷重をドアアウターパネルの周縁ヘム加工部で確実に支持できる。
【0021】
また本発明の第の特徴によれば、ドアロアガーニッシュは、車幅方向外壁の上端に設けられてドアアウターパネルに設けた段部に当接する上部位置決め部と、下壁に形成した補強リブの車幅方向内端に設けられてドアアウターパネルに当接する下部位置決め部と、上部位置決め部および下部位置決め部間に設けられてドアアウターパネルに係合するクリップを支持するクリップ座とを備えるので、ドアアウターパネルに対するドアロアガーニッシュの取付精度の向上と取付剛性の向上とを両立させることができる。
【0022】
また本発明の第の特徴によれば、サイドシルガーニッシュの前後方向外端部は上方に突出する突出部を備え、突出部およびフェンダーパネルの見切り線と、ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁およびドアアウターパネルの見切り線とは、側面視で直線状に連続するので、見切り線がフェンダーパネルおよびドアアウターパネルに跨がるように直線状に連続してデザイン上の特徴となり、見切り線の周辺の凹凸が目立たなくなって美観が向上する。
【0023】
また本発明の第の特徴によれば、サイドシルガーニッシュは、上側が車幅方向外側に向かって傾斜する外壁下部と、外壁下部の上方に連続して上側が車幅方向内側に向かって傾斜する外壁上部とを備え、外壁下部はフェンダーパネルに滑らかに連続するので、サイドシルガーニッシュの外壁下部からフェンダーパネルに跨がる連続面が構成されて美観が向上する。
【0024】
また本発明の第の特徴によれば、サイドシルガーニッシュの突出部の前後方向内端は、ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁と、サイドシルガーニッシュの外壁上部とに接続する略三角形状の縦壁を備えるので、ドアロアガーニッシュの車幅方向外壁とサイドシルガーニッシュの外壁上部とによりサイドシルガーニッシュの縦壁に至る溝状の凹部を形成し、この凹部内にドアロアガーニッシュおよびサイドシルガーニッシュのオフセットした境界部を配置して目立たなくすることができる
【0025】
た本発明の第の特徴によれば、サイドシルのスチフナは、ドアロアガーニッシュの下方で車幅方向外側に張り出す膨出部を備え、膨出部の車幅方向内面に補強部材が重ね合わされるので、補強部材でサイドシルの強度を高めて耐側面衝突性能を一層確実に確保できる。
【0026】
また本発明の第の特徴によれば、ドアロアガーニッシュはフロントフェンダーパネルおよびリヤフェンダーパネル間に配置されたフロントドアおよびリヤドアにそれぞれ設けられ、ドアロアガーニッシュとサイドシルガーニッシュの上部とにより、フロントフェンダーパネルの後端からリヤフェンダーパネルの前端に亘って前後方向に延びる帯状の凹部が形成されるので、ドアの下部およびサイドシル間に帯状の凹部よりなる意匠面を構成して美観を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は自動車の車体左側面を示す斜視図である。(第1の実施の形態)
図2図2図1の2−2に線拡大断面図である。(第1の実施の形態)
【符号の説明】
【0028】
11 フロントドア
12 リヤドア
13 ドアアウターパネル
13a 周縁ヘム加工部
13b 凹部
13c 段部
14 フロントフェンダーパネル(フェンダーパネル)
15 リヤフェンダーパネル(フェンダーパネル)
17 サイドシル
18 サイドシルガーニッシュ
18a 車幅方向外壁
18b 外壁上部
18c 外壁下部
18h 突出部
18i 縦壁
19 ドアロアガーニッシュ
19a 車幅方向外壁
19b 下壁
19c 上部位置決め部
19d 下部位置決め部
19e 補強リブ
19f クリップ座
22 スチフナ
22a 膨出部
24 補強部材
28 クリップ
31 見切り線
32 見切り線
33 見切り線
34 凹部
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図1および図2に基づいて本発明の実施の形態を説明する。尚、本明細書において前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向とは、運転席に着座した乗員を基準として定義される。
【第1の実施の形態】
【0030】
図1に示すように、自動車の側面にはフロントドア11およびリヤドア12が配置されており、フロントドア11のドアアウターパネル13の前側にはフロントフェンダーパネル14が配置され、リヤドア12のドアアウターパネル13の後側にはリヤフェンダーパネル15が配置される。フロントフェンダーパネル14、フロントドア11のドアアウターパネル13、リヤドア12のドアアウターパネル13およびリヤフェンダーパネル15の下方には、サイドシル17(図2参照)の車幅方向外面を覆う合成樹脂製のサイドシルガーニッシュ18が取り付けられ、フロントドア11のドアアウターパネル13の車幅方向外面の下部には合成樹脂製のドアロアガーニッシュ19が取り付けられ、リヤドア12のドアアウターパネル13の車幅方向外面の下部には合成樹脂製のドアロアガーニッシュ19が取り付けられる。
【0031】
図1および図2に示すように、サイドシル17は、車幅方向外向きに開放するハット状断面のサイドシルインナー21と、車幅方向内向きに開放する略ハット状断面のスチフナ22と、スチフナ22の車幅方向外壁の一部および上壁を覆うサイドシルアウター23と、スチフナ22の車幅方向外壁の一部を車幅方向外側に膨出させ膨出部22aの車幅方向内面に重ね合わされる溝状断面の補強部材24とを結合して構成され、サイドシルインナー21およびスチフナ22がサイドシル17の主要な閉断面骨格を構成する。
【0032】
フロントドア11の外郭はドアアウターパネル13の外周部を周縁ヘム加工部13aでドアインナーパネル25の外周部に結合して構成されており、ドアアウターパネル13の下端に沿って車幅方向内向きに窪む凹部13bが形成される。そしてドアインナーパネル25には、サイドシルアウター23に当接して車室内への水の浸入を阻止する2個のウエザーストリップ26,27が設けられる。
【0033】
ドアアウターパネル13の凹部13bに嵌合するドアロアガーニッシュ19は、ドアアウターパネル13の下端に滑らかに連続して下向きに延びる車幅方向外壁19aと、車幅方向外壁19aの下端から略直角に折れ曲がって車幅方向内向きに延びる下壁19bとを備えて略L字状断面に構成される。車外から目視可能な車幅方向外壁19aは、ドアロアガーニッシュ19の意匠面を構成する。
【0034】
ドアロアガーニッシュ19の車幅方向外壁19aの車幅方向内面には、前後方向に延びる上部位置決め部19cが車幅方向内向きに突設されており、上部位置決め部19cの車幅方向内端はドアアウターパネル13の凹部13bに形成した段部13cに当接して位置決めされる。ドアロアガーニッシュ19の下壁19bの車幅方向内端には、前後方向に延びる下部位置決め部19dが上向きに突設されており、下部位置決め部19dはドアアウターパネル13の周縁ヘム加工部13aに当接して位置決めされる。ドアロアガーニッシュ19の下壁19bの上面には、車幅方向外壁19aの下端および下部位置決め部19dを車幅方向に連結する複数の補強リブ19eが形成される。
【0035】
ドアロアガーニッシュ19は、上部位置決め部19cおよび下部位置決め部19d間に形成された複数のクリップ座19fを備えており、これらのクリップ座19fがドアアウターパネル13の凹部13bに複数のクリップ28で締結される。ドアロアガーニッシュ19の上部位置決め部19cおよび下部位置決め部19dとドアアウターパネル13の凹部13bとの間には、それぞれシール部材20が挟まれる。
【0036】
サイドシルガーニッシュ18は、車外から目視可能な意匠面を構成する車幅方向外壁18aを備えており、車幅方向外壁18aは上側に位置してサイドシルアウター23の下部を覆う外壁上部18bと、外壁上部18bの下方に連続してスチフナ22の下半部を覆う外壁下部18cとからなる。外壁上部18bおよび外壁下部18cはそれらの境界において車幅方向外側に最も突出しており、外壁上部18bは前記境界から車幅方向内向きに凸に湾曲しながら上方に延び、外壁下部18cは前記境界から車幅方向外向きに凸に湾曲しながら下方かつ車幅方向内方に延びている。
【0037】
サイドシルガーニッシュ18の外壁上部18bの上端から上壁18dが車幅方向内向きに延びており、外壁上部18bおよび上壁18dに跨がるように突設された複数のクリップ座18eが、サイドシルアウター23の下部に形成した凸部23aに複数のクリップ29で締結される。このとき、クリップ座18eに形成した位置決め部18fが、サイドシルアウター23の凸部23aに連続する段部23bに当接して位置決めされる。またサイドシルガーニッシュ18の外壁下部18cの車幅方向内端には複数のクリップ座18gが上向きに突設されており、これらのクリップ座18gがスチフナ22の下面に複数のクリップ30で締結される。
【0038】
ドアロアガーニッシュ19の下縁、つまり車幅方向外壁19aおよび下壁19bの境界の位置は、サイドシルガーニッシュ18の上縁、つまり車幅方向外壁18aの外壁上部18bおよび上壁18dの境界の位置に対して、距離αだけ車幅方向外側にオフセットしている(図2参照)。したがって、サイドシルガーニッシュ18の上壁18dの上向き面は、それよりも車幅方向外側に張り出すドアロアガーニッシュ19の下壁19bで上方から覆われることになる。
【0039】
以上、フロントドア11のドアロアガーニッシュ19およびサイドシルガーニッシュ18の前半部の形状および構造を中心に説明したが、リヤドア12のドアロアガーニッシュ19およびサイドシルガーニッシュ18の後半部の形状および構造は、前後方向に対称な実質的に同一の形状および構造である。
【0040】
フロントドア11の前端を超えてフロントフェンダーパネル14の下方に延びるサイドシルガーニッシュ18の前部から突出部18hが上向きに突出するとともに、リヤドア12の後端を超えてリヤフェンダーパネル15の下方に延びるサイドシルガーニッシュ18の後部から突出部18hが上向きに突出しており、これらの突出部18hの車幅方向外面はフロントフェンダーパネル14の下部およびリヤフェンダーパネル15の下部に滑らかに連続している。
【0041】
そしてサイドシルガーニッシュ18の前端の突出部18hの上縁とフロントフェンダーパネル14の下縁との間の見切り線31と、その後方に位置するフロントドア11およびリヤドア12のドアロアガーニッシュ19の上縁とドアアウターパネル13の下縁との間の見切り線33と、その後方に位置するサイドシルガーニッシュ18の後端の突出部18hの上縁とリヤフェンダーパネル15の下縁間との見切り線32とは、車幅方向に見て直線状に整列している(図1参照)。
【0042】
また前後方向に見たとき、ドアロアガーニッシュ19の車幅方向外壁19aおよびサイドシルガーニッシュ18の車幅方向外壁18aの外壁上部18bは、サイドシルガーニッシュ18の突出部18hの車幅方向外面に対して車幅方向内側に後退しているため(図2参照)、フロントドア11およびリヤドア12のドアロアガーニッシュ19と、その下方に沿うサイドシルガーニッシュ18の外壁上部18bとは、フロントフェンダーパネル14の後端からリヤフェンダーパネル15の前端に亘って前後方向に帯状に延びる略三角形断面の浅い凹部34を構成する(図1の鎖線参照)。
【0043】
その結果、サイドシルガーニッシュ18の前側の突出部18hの後端には前記凹部34の前端が臨む略三角形状の後向きの縦壁18iが形成され、同様にサイドシルガーニッシュ18の後側の突出部18hの前端には前記凹部34の後端が臨む略三角形状の前向きの縦壁18iが形成される。
【0044】
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
【0045】
自動車の走行中にタイヤが路面から小石等を撥ね上げ、その小石等が鋼板製のドアアウターパネル13の下縁に衝突すると、塗装が剥げて鋼板に錆が発生する原因となる問題がある。しかしながら、本実施の形態によれば、ドアアウターパネル13の下部をドアロアガーニッシュ19で覆ったことにより、小石等との衝突によるドアアウターパネル13の損傷を防止することができる。ドアロアガーニッシュ19は合成樹脂製であるため、小石等との衝突により傷ついても錆が発生する虞はない。
【0046】
ドアロアガーニッシュ19の下縁およびサイドシルガーニッシュ18の上縁の境界部において、仮にドアロアガーニッシュ19の下縁の位置がサイドシルガーニッシュ18の上縁の位置に対して車幅方向内側にオフセットしている場合、自動車の近くに立った人の目線でサイドシルガーニッシュ18の上向き面である上壁18dの一部が見えるため、光を反射しないために暗く見える境界部と光を反射するために明るく見える上壁18dとが隣り合って目立ってしまい、外観上のノイズとなって美観を低下させる可能性がある。
【0047】
しかしながら、本実施の形態によれば、ドアロアガーニッシュ19およびサイドシルガーニッシュ18の境界部において、ドアロアガーニッシュ19の下縁の位置がサイドシルガーニッシュ18の上縁の位置に対して車幅方向外側に距離αだけオフセットしているので、自動車の近くに立った人の目線でサイドシルガーニッシュ18の上向き面である上壁18dが見えなくなり、境界部が目立たなくなって美観が向上する。
【0048】
またサイドシルガーニッシュ18の前部および後部は上向きに突出する突出部18hを備えており、前側の突出部18hの上縁およびフロントフェンダーパネル14の下縁間の見切り線31と、後側の突出部18hの上縁およびリヤフェンダーパネル15の下縁間の見切り線32とは、ドアロアガーニッシュ19の上縁およびドアアウターパネル13の下縁間の見切り線33と直線状に整列しているので、それらの見切り線31,32,33がフロントフェンダーパネル14、フロントドア11のドアアウターパネル13、リヤドア12のドアアウターパネル13およびリヤフェンダーパネル15に跨がるように直線状に連続してデザイン上の特徴となり、見切り線31,32,33の周辺の凹凸が目立たなくなって美観が向上する。
【0049】
特に、樹脂製のサイドシルガーニッシュ18およびドアロアガーニッシュ19を例えば艶消しの黒色とし、フロントフェンダーパネル14、フロントドア11のドアアウターパネル13、リヤドア12のドアアウターパネル13およびリヤフェンダーパネル15を車体色とすれば、一直線状の見切り線31,32,33が一層強調されるために更に効果的である。
【0050】
またドアロアガーニッシュ19と、サイドシルガーニッシュ18の車幅方向外壁18aの外壁上部18bとにより、サイドシルガーニッシュ18の前側の縦壁18iから後側の縦壁18iに亘って前後方向に帯状に延びる浅い三角形状断面の凹部34が形成されるので、その帯状の凹部34よりなる意匠面を構成して美観を高めることができる。
【0051】
しかもドアロアガーニッシュ19の下縁およびサイドシルガーニッシュ18の上縁間のオフセットした境界部が前記凹部34内に配置されるので、オフセットした境界部を目立たなくして美観を高めることができる。
【0052】
またサイドシルガーニッシュ18の車幅方向外壁18aは、上側が車幅方向外側に向かって傾斜する外壁下部18cと、外壁下部18cの上方に連続して上側が車幅方向内側に向かって傾斜する外壁上部18bとを備え、外壁下部18cは前方に位置するフロントフェンダーパネル14および後方に位置するリヤフェンダーパネル15に滑らかに連続するので、サイドシルガーニッシュ18の外壁下部18cからフロントフェンダーパネル14およびリヤフェンダーパネル15に跨がる連続面が構成されて美観が向上する。
【0053】
またドアアウターパネル13の下部に形成した凹部13bにドアロアガーニッシュ19を固定して閉断面を構成したので、閉断面構造によりドアロアガーニッシュ19の剛性を高めることができるだけでなく、ドアアウターパネル13およびドアロアガーニッシュ19の車幅方向外壁19aを段差なく滑らかに連続させ、美観の向上および空気抵抗の減少を図ることができる。
【0054】
またドアロアガーニッシュ19は車幅方向外壁19aおよび下壁19bを有するL字状断面であり、下壁19bの車幅方向内端が、ドアアウターパネル13をドアインナーパネル25に結合する周縁ヘム加工部13aに当接するので、下壁19bの車幅方向長さを長くすることでドアロアガーニッシュ19の下縁の車幅方向外側へのオフセット量αを増加できるだけでなく、小石等の衝突によりドアロアガーニッシュ19が受ける荷重をドアアウターパネル13の強度の高い周縁ヘム加工部13aで確実に支持できる。
【0055】
またドアロアガーニッシュ19は、車幅方向外壁19aの上端に設けられてドアアウターパネル13に設けた段部13cに当接する上部位置決め部19cと、下壁19bに形成された補強リブ19eの車幅方向内端に設けられてドアアウターパネル13に当接する下部位置決め部19dと、上部位置決め部19cおよび下部位置決め部19d間に設けられてドアアウターパネル13に係合するクリップ28を支持するクリップ座19fとを備えるので、ドアアウターパネル13に対するドアロアガーニッシュ19の取付精度の向上と取付剛性の向上とを両立させることができる。
【0056】
またサイドシルインナー21およびスチフナ22で構成されるサイドシル17の骨格の上端の高さは、ドアロアガーニッシュ19の上端の高さに略一致するので、ドアロアガーニッシュ19を取り付ける凹部13bをドアアウターパネル13に形成したことでフロントドア11およびリヤドア12の下部の車幅方向厚さが減少して強度が低下しても、その強度低下をサイドシル17の骨格の強度で補って耐側面衝突性能を確保できる。
【0057】
またサイドシル17のスチフナ22は、ドアロアガーニッシュ19の下方で車幅方向外側に張り出す膨出部22aを備え、膨出部22aの車幅方向内面に補強部材24が重ね合わされるので、補強部材24でサイドシル17の強度を高めて耐側面衝突性能を一層確実に確保できる。
【0058】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0059】
例えば、本発明は、フロントドア11およびリヤドア12の両方を備える自動車に限らず、フロントドア11だけを備える自動車に対しても適用することができる。
図1
図2