(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する気体噴射装置および気体噴射システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0009】
また、以下では、実施形態に係る気体噴射システムが、車両に搭載され、車両の周辺を撮像するカメラのレンズに圧縮空気を噴射してレンズに付着した雨滴や雪片、埃、泥などの付着物を除去するシステムである場合を例に挙げて説明する。
【0010】
なお、実施形態に係る気体噴射システムの搭載対象は、車両に限定されるものではない。また、実施形態に係る気体噴射システムが車両に搭載される場合、気体の噴射対象は、車載カメラのレンズに限定されるものではなく、例えば、フロントガラス、リアガラス、ヘッドライト、およびサイドミラーなどであってもよい。また、気体の噴射対象は、車両周辺の物標を検出するレーダ装置など種々の光学センサであってもよい。
【0011】
また、以下では、本実施形態に係る気体噴射システム1の構成の概要について
図1A〜
図1Cを用いて説明した後に、本実施形態に係る気体噴射システム1のより具体的な構成について、
図2A以降を用いて説明する。
【0012】
図1Aは、本実施形態に係る気体噴射システム1の斜視透視図である。また、
図1Bは、空気圧縮部10の構成を示す斜視透視図である。また、
図1Cは、空気圧縮部10の動作説明図である。
【0013】
図1Aに示すように、気体噴射システム1は、気体噴射装置1aと、ホース1bと、噴射ノズル1cと、カメラ50とを備える。気体噴射装置1aは、車両に取り付けられるケース6と、ケース6の内部に設けられる空気圧縮部10と、ケースを覆うカバー7とを備え、空気圧縮部10によって圧縮した圧縮空気を送出する装置である。なお、
図1Aには、互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸による直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、以下の説明に用いる他の図面においても示す場合がある。
【0014】
ホース1bは、一端が気体噴射装置1aにおける圧縮空気の出力管1dに連結され、他端が噴射ノズル1cに連結される。噴射ノズル1cは、気体の噴射口が噴射対象であるカメラ50のレンズ50aへ向けてカメラ50に取り付けられる。カメラ50は、車両の周辺を撮像する。
【0015】
噴射ノズル1cは、ホース1bを介して気体噴射装置1aから送出される圧縮空気を噴射口から噴射することで、カメラ50のレンズ50aに付着した雨滴等の付着物を除去する。これにより、気体噴射システム1は、運転者の視界補助や接近物のセンシングなどの精度を確保することができる。
【0016】
かかる噴射ノズル1cは、屋外に設置された場合、空気の噴射口周辺に雨滴が付着すると、毛細管現象によって噴射口から内部へ水を吸い上げることがある。気体噴射装置1aは、噴射ノズル1cの内部に水が吸い上げられた状態でカメラ50のレンズ50aへ空気を噴射すると、レンズ50aに水滴を付着させてしまう。
【0017】
このため、噴射ノズル1cは、噴射口の周辺および空気の流路表面を水との接触角が90度以上となるような撥水加工が施される。これにより、噴射ノズル1cは、噴射口周辺に水滴が付着しても、噴射口から内部へ水が浸入することを防止することができる。
【0018】
空気圧縮部10は、回転式の空気圧縮機構である。具体的には、空気圧縮部10は、
図1Bに示すように、シリンダ11と、回転体12とを備える。シリンダ11は、シリンダ壁11aと、送出口11bと、流路11cと、吸気口11dとを備える。なお、車両に搭載される場合、小型、軽量かつ安価であることが求められることから、シリンダ11および回転体12は、樹脂等で形成されることが好ましい。
【0019】
シリンダ11は、例えば円筒状に形成され、内部にシリンダ室CCが形成されている。シリンダ壁11aは、例えば平板状に形成され、回転軸axRを中心に点対称となる位置で、円筒状のシリンダ室CCをほぼ径方向に沿って仕切るように設けられる。したがって、シリンダ室CCは、シリンダ壁11aによって2つに区画されることとなる。
【0020】
送出口11bは、排気口の一例であって、2つのシリンダ壁11a付近のシリンダ室CCの天井部に、2つに区画されたシリンダ室CCのそれぞれとシリンダ11の外部とが連通するように、回転軸axRを中心に点対称となる位置に開口されている。後述する回転体12の回転に基づいて生成された圧縮空気は、かかる送出口11bを介してシリンダ室CCの各区画から排気される。
【0021】
流路11cは、送出口11bのそれぞれに接続され、回転軸axRを中心に点対称となるような形状に形成されている。また、流路11cは、回転軸axRの軸線上において出力管1dに接続されている。送出口11bを介してシリンダ室CCから出力される圧縮空気は、かかる流路11cを通過して出力管1dへ誘導され(図中の矢印101参照)、ホース1bを通って噴射ノズル1cの噴射口からカメラ50のレンズ50aへ噴射されることとなる。
【0022】
吸気口11dは、2つの送出口11bのほぼ下方のシリンダ11の外壁に、シリンダ11の外部とシリンダ室CCとが連通するように開口されている。後述する回転体12の回転に基づいて吸気される空気は、かかる吸気口11dを介してシリンダ室CCへ吸気される。
【0023】
回転体12は、羽根部12aと、回転ベース12bと、シャフト部12cとを備える。回転ベース12bは、円形の平板状に形成され、回転軸axRまわりに回転可能に設けられている(図中の矢印102参照)。
【0024】
具体的には、回転ベース12bは、シリンダ11側とは反対側の面に、従動ギア12dを有しており、かかる従動ギア12dが、例えば、モータに連結された駆動側ギアに噛み合うことによってモータの駆動力を受け、回転軸axRまわりに所定方向に回転する。
【0025】
また、回転ベース12bは、モータの駆動力を受けない自由状態においては、モータによる回転の所定方向とは逆方向にばね部材によって付勢されている。羽根部12aは、平板状に形成され、従動ギア12dが設けられている面とは反対側の面で、回転ベース12bを径方向に沿って仕切るように立設される。また、羽根部12aは、その壁面に、吸気弁14を有する。
【0026】
シャフト部12cは、回転軸axRまわりの回転におけるシャフト部分であり、2つの羽根部12aの間に設けられ、2つの羽根部12aを連接する。このように構成された回転体12の回転ベース12bが回転可能にシリンダ11に嵌合されて、シリンダ室CC内で回転することによって、吸気および排気を含む一連のサイクルが実行され、圧縮空気が生成される。
【0027】
具体的には、
図1Cに示すように、空気圧縮部10では、まず「吸気前」の状態においては、回転体12は前述のモータによって駆動されない自由状態であり、羽根部12aがばね部材の「ばね力」によって付勢されて、シリンダ壁11aに押し付けられた状態となっている。
【0028】
かかる状態から「モータによる駆動力」によって羽根部12aがシリンダ壁11aから離間する方向へ回転すると、羽根部12aとシリンダ壁11aとの間の空間SPが膨張して空間SPには負圧が生じ、空気が「吸気」される。
【0029】
そして、羽根部12aが所定位置まで回転すると、モータの駆動力は解除される。すると、モータの駆動力から解放された羽根部12aは、ばね部材の「ばね力」によってシリンダ壁11aと当接した状態へ勢いよく戻る。このとき、空間SPが圧縮され、すなわち空間SPに「吸気」されていた空気から圧縮空気が生成され、送出口11bから高圧状態で「排気」される。
【0030】
以下、かかる回転機構を含む、本実施形態に係る気体噴射装置1aのさらなる具体的な構成について、
図2A以降を用いて順次説明する。
図2Aは、気体噴射装置1aの内部構造を示す斜視図である。
【0031】
まず、既に述べたが、
図2Aに示すように、気体噴射装置1aは、空気圧縮部10を備え、空気圧縮部10は、シリンダ11と、回転体12とを備える。回転体12は、従動ギア12dを有する。従動ギア12dは、回転軸axRに同軸配置される。このように空気圧縮部10は、回転式であるので、ピストン式に比べてスペースをとらないコンパクトな構成とすることができる。
【0032】
また、回転体12は、前述の「ばね部材」に対応する付勢ばね12eを有する。付勢ばね12eは、回転体12がモータによって回転する所定方向とは逆方向に回転体12を付勢するように設けられている。また、空気圧縮部10は、駆動部13をさらに備える。駆動部13は、モータ13aと、第1ギア13bと、第2ギア13cと、第3ギア13dと、前段ギア13eとを有する。
【0033】
モータ13aは、回転駆動源の一例であって、例えば電動モータである。なお、油圧モータなどであってもよい。本実施形態では、モータ13aは、基本的に同一方向へ回転する。また、モータ13aの出力軸には、例えば図示略のウォームギアが形成され、かかるウォームギアを介してモータ13aの出力軸は第1ギア13bに連結される。
【0034】
また、第1ギア13bは、第2ギア13cに連結される。第2ギア13cは、第3ギア13dに連結される。第3ギア13dには、前段ギア13eが同軸配置され、回転体12の従動ギア12dと噛み合うように設けられる。
【0035】
モータ13aからの回転駆動力は、このように連結された第1ギア13b、第2ギア13c、第3ギア13dを介して前段ギア13eまで伝達される。なお、モータ13aから前段ギア13eまでのギアの個数や噛み合わせ方は図示した場合に限られるものではない。
【0036】
次に、
図2Bは、従動ギア12dおよび前段ギア13eの構成を示す平面模式図である。なお、
図2Bでは、従動ギア12dおよび前段ギア13eのみをZ軸の正方向から視た場合を模式的に示している。
【0037】
図2Bに示すように、従動ギア12dは、連続した歯の一部が切り欠かれた欠歯ギアとして形成されており、少なくとも、第1歯12daと、第2歯12dbと、最終歯12dcと、欠歯部12ddとを有する。
【0038】
第1歯12daは、吸排気の1サイクルにおいて前段ギア13eと最初に噛み合う歯であり、最終歯12dcは最後に噛み合う歯である。なお、以下では、従動ギア12dは、Z軸の正方向から視た場合に、前段ギア13eから伝達されるモータ13aの回転駆動力によって回転軸axRまわりに左回り(反時計回り)するものとする。したがって、これに伴い、付勢ばね12eは、従動ギア12dを右回り(時計回り)に付勢しているものとする。
【0039】
前段ギア13eもまた、連続した歯の一部が切り欠かれた欠歯ギアとして形成されており、少なくとも、第1歯13eaと、最終歯13ebと、欠歯部13ecとを有する。
【0040】
第1歯13eaは、吸排気の1サイクルにおいて従動ギア12dと最初に噛み合う歯であり、最終歯13ebは最後に噛み合う歯である。なお、以下では、前段ギア13eは、Z軸の正方向から視た場合に、モータ13aの回転駆動力によって回転軸axRまわりに右回り(時計回り)するものとする。
【0041】
次に、かかる従動ギア12dおよび前段ギア13eの噛み合いによる空気圧縮部10のより具体的な動作について
図3を用いて説明する。
図3は、空気圧縮部10のより具体的な動作説明図である。
【0042】
なお、従動ギア12dおよび前段ギア13eは、前述のように欠歯ギアとして形成されているので、欠歯により互いに噛み合わない状態が存在する構成となっている。本実施形態は、かかる互いに噛み合わない状態をあえて利用するものである。
【0043】
図3の(a)に示すように、モータ13aが駆動され、前段ギア13eが図中の矢印301に示すように回転するものの、まだ従動ギア12dと噛み合っていない状態であるものとする。かかる状態は、図中に示すように、空気圧縮部10の「吸気前」の状態に対応する。
【0044】
かかる「吸気前」の状態では、空気圧縮部10の羽根部12aは、付勢ばね12eのばね力によってシリンダ壁11aへ押し付けられた状態となっている。
【0045】
そして、かかる状態から、
図3の(b)に示すように、前段ギア13eがさらに同一方向へ回転すると(図中の矢印302参照)、従動ギア12dと前段ギア13eとが噛み合い始める(図中のM1部参照)。かかる状態は、空気圧縮部10において吸気が開始された状態に対応する。
【0046】
そして、
図3の(c)に示すように、前段ギア13eの同一方向へのさらなる回転は(図中の矢印303参照)、噛み合った従動ギア12dを付勢ばね12eの付勢力に抗して左回りに回転させる(図中の矢印304参照)。かかる状態は、空気圧縮部10において吸気中の状態に対応する。
【0047】
すなわち、従動ギア12dは、前段ギア13eと噛み合った場合に、前段ギア13eに連結されたモータ13aの駆動によって所定方向(左回り)へ回転する力が、付勢ばね12eによる付勢で逆方向(右回り)へ回転する力よりも強いため、左回りに回転する。
【0048】
言い換えれば、付勢ばね12eによる付勢で逆方向(右回り)へ従動ギア12dを回転させる力は、モータ13aの駆動によって従動ギア12dが所定方向(左回り)へ回転する力よりも弱い。
【0049】
一方で、従動ギア12dと前段ギア13eとが噛み合っていない場合、つまり、前述の欠歯により従動ギア12dと前段ギア13eとの噛み合いが外れ、従動ギア12dが自由状態となる場合、従動ギア12dには、付勢ばね12eによる付勢力のみが作用するため、従動ギア12dは逆方向(右回り)へ回転することとなる。
【0050】
すなわち、付勢ばね12eは、付勢によって従動ギア12dを逆方向(右回り)へ回転させる力が、モータ13aにより従動ギア12dを所定方向(左回り)へ回転させる力よりも弱い付勢力を有する。
【0051】
具体的には、
図3の(d)に示すように、前段ギア13eおよび従動ギア12dの
図3の(c)からのさらなる回転により(図中の矢印305,306参照)、従動ギア12dと前段ギア13eとの噛み合いが外れる瞬間が到来する(図中のM2部参照)。かかる瞬間の状態は、図中に示すように、空気圧縮部10の「排気開始」の状態に対応する。
【0052】
そして、
図3の(e)に示すように、前段ギア13eとの噛み合いから外れた従動ギア12dは、付勢ばね12eのばね力によって右回りに勢いよく戻り(図中の矢印307参照)、空間SPに吸気された空気を圧縮しつつ排気することとなる。また、前段ギア13eは、同一方向へ回転し(図中の矢印308参照)、次なる吸排気の1サイクルを実行するに際しては
図3の(a)からの工程が繰り返される。
【0053】
このように、本実施形態では、前段ギア13eおよび従動ギア12dが噛み合わないタイミングを欠歯部分により発生させ、かかるタイミングにおいて従動ギア12dを付勢ばね12eにより逆方向へ戻す構成としたので、モータ13aの回転を同一方向のみで済ますことができる。したがって、シンプルな構成で圧縮空気を生成することができる。
【0054】
また、本実施形態では、空気圧縮部10を、回転式の空気圧縮機構として構成することとしたので、例えばシリンダ内をピストンが往復するピストン構造の空気圧縮機構などに比してスペースをとらないコンパクトな構成とすることができる。すなわち、本実施形態によれば、シンプルかつコンパクトな構成で圧縮空気を生成することができる。
【0055】
かかる気体噴射システム1は、例えば、車両にオプションとして取り付けられる場合、気体噴射装置1aの取付スペースが予め用意されているわけではない。このため、気体噴射装置1aは、可能な限りコンパクトな方が望ましい。
【0056】
そこで、本実施形態では、ケース6およびカバー7の内部に収納する気体噴射装置1aの各構成要素の配置を工夫することによって、サイズをよりコンパクトにした。次に、
図4を参照し、気体噴射装置1aを構成する構成要素の配置について説明する。
【0057】
図4は、実施形態に係る気体噴射装置1aを構成する構成要素の配置を示す説明図である。
図4では、カバー7の図示を省略し、シリンダ11、出力管1d、ホース1b、モータ13a、および後述するウォームギア14aを二点鎖線によって示している。
【0058】
図4に示すように、ケース6の内部に収納される主な構成要素は、シリンダ11、モータ13a、制御基板81、複数のギアである。制御基板81は、モータ13aを制御して気体を圧縮する。複数のギアは、例えば、
図4に示すように、ウォームギア14a、第1駆動ギア14b、第2駆動ギア14c、第1連結ギア14d、第1ギア13b、第2ギア13c、第2連結ギア14e、第3ギア13d、前段ギア13eなどを含む。
【0059】
なお、
図4では、ウォームギア14aを二点鎖線の平面視矩形で示している。また、
図4では、第1駆動ギア14bを第2駆動ギア14cと同心で第2駆動ギア14cよりも径が大きな実線円で示している。
【0060】
上記した構成要素のうち、シリンダ11は、十分な量の圧縮空気を生成するための空間を確保する必要があるため、ケース6の内部で最も大きなスペースを占める。また、シリンダ11は、空気圧縮部10が空気を圧縮する構造上、略円筒の形状を変更することができない。
【0061】
そして、シリンダ11の次にケース6の内部で大きなスペースを占めるのは、複数のギアである。ただし、複数のギアは、モータ13aの動力を回転体12の従動ギア12d(
図2A参照)に伝達することができる配置であればよいため、各ギアの配置には、ある程度の自由度がある。
【0062】
これに対して、複数のギアの次にケース6の内部で大きなスペースを占めるモータ13aは、形状が決まっているため、配置の自由度が比較的小さい。しかも、モータ13aは、制御基板81から電力の供給を受ける必要がある。
【0063】
一方、制御基板81は、ある程度の主面の面積を必要とするが、厚さが他の構成要素に比べて極めて薄い。ただし、制御基板81は、外部の制御装置(図示略)からモータ13aの駆動制御を行うために入力される制御信号の入力端子や電力の入力端子が設けられるため、これらの入力端子がケース6の側面の近くに設けられることが望ましい。
【0064】
そこで、本実施形態では、上記した気体噴射装置1aを構成する各構成要素の特徴を鑑みて、気体噴射装置1aのサイズが極力コンパクトになるように、各構成要素の配置を工夫した。
【0065】
本実施形態では、ケース6内において、モータ13aとシリンダ11をケース6の平面方向に並列に配置するとともに、制御基板81は立設され側面方向に配置する。具体的には、
図4に示すように、ケース6は、平面視略矩形状の取付面61と、取付面61の縁部を囲むように取付面61に立設される第1側壁62、第2側壁63、第3側壁64、および第4側壁65を備える。
【0066】
そして、制御基板81は、主面が取付面61と直交するように第1側壁62に寄せて取付面61に立設される。これにより、本実施形態では、制御基板81、第2側壁63、第3側壁64、および第4側壁65によって囲まれる領域、すなわち、取付面61の大半の領域を制御基板81以外の構成要素の配設領域として有効活用することができる。
【0067】
そして、モータ13aは、制御基板81が寄せて立設される第1側壁62と隣接する第2側壁63に寄せて、制御基板81上に直付けされる。具体的には、モータ13aは、回転軸が制御基板81における主面の法線方向となる姿勢で、端子15aが制御基板81に挿入されてはんだ付けされる。
【0068】
これにより、本実施形態では、例えば、モータ13aを
図4に示す姿勢以外の姿勢で配置し、モータ13aと制御基板81とを配線で接続する場合に比べて、配線を取回すスペースが必要ないため、その分、気体噴射装置1aをコンパクトにすることができる。
【0069】
しかも、形状が決まっているモータ13aは、第1側壁62および第2側壁63に寄せて配置される。これにより、本実施形態では、制御基板81、モータ13a、第3側壁64、および第4側壁65によって囲まれる比較的広いスペースを他の構成要素の配設領域として有効活用することができる。そして、シリンダ11は、こうして形成された制御基板81、モータ13a、第3側壁64、および第4側壁65によって囲まれる比較的広いスペースに配置される。
【0070】
このように、本実施形態では、制御基板81を第1側壁62に寄せて立設し、空きスペースに形状が決まっているシリンダ11およびモータ13aを平面視横並びの状態で近接配置することにより、気体噴射装置1aのサイズをよりコンパクトにすることができる。
【0071】
なお、モータ13aのハウジングと制御基板81との間には、スプリングワッシャ85が挟み込まれる。かかるスプリングワッシャ85の機能については、
図5Aおよび
図5Bを参照して後述する。
【0072】
また、複数のギアのうち、ウォームギア14aおよび第1駆動ギア14b以外のギアは、モータ13aと取付面61との間に設けられる(
図2A参照)。ここで、複数のギアの配置および動作について、さらに具体的に説明する。
【0073】
ウォームギア14aは、モータ13aの回転軸に取り付けられる。第1駆動ギア14bおよび第2駆動ギア14cは、平面視においてウォームギア14aよりもY軸負方向側に設けられる。そして、第1駆動ギア14bは、Z軸方向の位置(高さ位置)がウォームギア14aのZ軸方向の位置と同一の位置に設けられて、ウォームギア14aと噛合する。
【0074】
一方、第2駆動ギア14cは、Z軸方向の位置が第1駆動ギア14bよりも低い位置、すなわち、第1駆動ギア14bよりも取付面61に近い位置に設けられる。かかる第2駆動ギア14cは、第1駆動ギア14bと同軸周りに、第1駆動ギア14bとともに回転する。
【0075】
第1連結ギア14dおよび第1ギア13bは、平面視において第2駆動ギア14cよりもX軸負方向側で、モータ13aと取付面61との間に設けられる。第1連結ギア14dは、第2駆動ギア14cと噛合し、第2駆動ギア14cの回転に連動して回転する。第1ギア13bは、第1連結ギア14dと同軸周りに、第1連結ギア14dとともに回転する。
【0076】
第2ギア13cおよび第2連結ギア14eは、平面視において第1ギア13bよりもY軸正方向側で、モータ13aと取付面61との間に設けられる。第2ギア13cは、第1ギア13bと噛合し、第1ギア13bの回転に連動して回転する。第2連結ギア14eは、第2ギア13cと同軸周りに、第2ギア13cとともに回転する。
【0077】
第3ギア13dおよび前段ギア13eは、第2連結ギア14eよりもX軸負方向側で、モータ13aと取付面61との間に設けられる。第3ギア13dは、第2連結ギア14eと噛合し、第2連結ギア14eの回転に連動して回転する。前段ギア13eは、第3ギア13dと同軸周りに、第3ギア13dとともに回転する。かかる前段ギア13eは、回転体12の底面に設けられる従動ギア12d(
図2A参照)を回転させる。
【0078】
このように、本実施形態では、複数のギアのうち、ウォームギア14aおよび第1駆動ギア14b以外の大半のギアをモータ13aと取付面61との間に設ける。具体的には、第2駆動ギア14c、第1連結ギア14d、第1ギア13b、第2ギア13c、第2連結ギア14e、第3ギア13d、および前段ギア13eと、モータ13aとをZ軸方向に重ねた状態で配置する。
【0079】
これにより、本実施形態では、モータ13a下のスペースを有効に利用して複数のギアを配置することができるので、気体噴射装置1aのサイズをよりコンパクトにすることができる。
【0080】
また、本実施形態では、モータ13aの駆動力を一度Y軸負方向へ伝達した後、Z軸負方向へ伝達し、その後、モータ13aの下を通してY軸正方向へ伝達するように複数のギアを配置した。
【0081】
これにより、気体噴射装置1aは、例えば、モータ13aの駆動力をY軸正方向へ直線的に伝達するように複数のギアを配置する場合に比べて、ギアが配置されるY軸方向の長さを短くすることで、気体噴射装置1aのサイズをよりコンパクトにすることができる。
【0082】
また、気体噴射装置1aは、ケース6の外部から内部へ気体を吸気する吸気口82を備える。吸気口82は、モータ13aとシリンダ11の並列配置において、モータ13a側の位置でケース6に設けられる。具体的には、ケース6は、制御基板81が寄せて立設される第1側壁62におけるモータ13aと対向する位置に、ケース6の外部から内部へ気体を吸気する吸気口82を備える。これにより、気体噴射装置1aは、ケース6の外部から内部へ吸気する空気によってモータ13aを冷却することができる。
【0083】
また、吸気口82には、吸気口82を覆う撥水メッシュシートが設けられる。これにより、気体噴射装置1aは、吸気口82からケース6の内部へ水滴が侵入することを防止することができる。
【0084】
また、かかる気体噴射装置1aは、吸気口82が鉛直下側に位置する姿勢で車両に取り付けられる。つまり、吸気口82は、取り付け時において、ケース6下側に位置するように設置される。これにより、気体噴射装置1aは、吸気口82からケース6内部への水滴の侵入をより確実に防止することができる。
【0085】
また、気体噴射装置1aは、制御基板81が配置されるケース6側面にコネクタ83を備える。具体的には、気体噴射装置1aは、制御基板81が寄せて立設される第1側壁62の外側面における制御基板81を介してシリンダ11と対向する位置に、コネクタ83を備える。かかるコネクタ83は、防水加工が施され、図示しない防水コネクタが挿嵌される。
【0086】
さらに、気体噴射装置1aは、制御基板81におけるコネクタ83と面する側から引き出され、コネクタ83に接続される複数の接続端子84を備える。複数の接続端子84は、例えば、外部の制御装置(図示略)からモータ13aの駆動制御を行うために入力される制御信号の入力端子や電力の入力端子、グランド端子などを含む。
【0087】
前述のように、本実施形態では、制御基板81を第1側壁62に寄せて取付面に立設しているため、制御基板81から配線を引き回すことなく、制御基板81から直接、コネクタ83の内部へ接続端子84を引き出すことができる。これにより、気体噴射装置1aは、制御基板81と接続端子84とを接続する配線が不要な分、サイズをコンパクトにすることができる。
【0088】
また、コネクタ83は、防水加工が施され、図示しない防水コネクタが挿嵌されるため、内部へ水滴が侵入する可能性は低いが、吸気口82と同様に、気体噴射装置1aが車両に取り付けられる場合に鉛直下側に位置するため、より確実に水滴の侵入を防止することができる。
【0089】
また、本実施形態では、シリンダ11から送出される圧縮された気体を出力する出力管1dは、長手方向が取付面61と平行な方向(
図4では、X軸正方向)となるように設けられる。
【0090】
これにより、気体噴射装置1aは、例えば、長手方向がZ軸正方向となるように出力管1dが設けられる場合に比べて、厚さ(Z軸正方向の寸法)を小さくすることができるので、厚さ方向のサイズをコンパクトにすることができる。
【0091】
次に、
図5Aおよび
図5Bを参照し、モータ13aのハウジング15bと制御基板81との間に挟み込まれるスプリングワッシャ85の機能について説明する。スプリングワッシャ85は、モータ13aと密着する導電部材の一例であり、制御基板81のグランドに電気的に接続される。
【0092】
図5Aは、実施形態に係るスプリングワッシャ85の取付方法の説明図である。
図5Bは、実施形態に係るスプリングワッシャ85の取付後の状態を示す説明図である。なお、
図5Bの左図には、スプリングワッシャ85の取付後のモータの全体図を示しており、
図5Bの右図には、取付後のスプリングワッシャ85部分の拡大図を示している。
【0093】
図5Aに示すように、モータ13aは、内部に回転子および電機子巻線を収納し導電性を有するハウジング15bを備える。ハウジング15bの一方の端面からは、モータ13aの回転軸が突出しており、回転軸にはウォームギア14aが取り付けられる。また、ハウジング15bの他方の端面からはモータ13aの端子15aおよびボス15cが突出している。
【0094】
かかるモータ13aは、電機子巻線に電流が供給されて回転子が回転する場合に、ハウジング15bの内部からノイズが放射される。かかるノイズは、モータ13aの駆動制御に悪影響を与える。
【0095】
そこで、本実施形態では、モータ13aのハウジング15bと制御基板81との間に導電性のスプリングワッシャ85を挟み込むことによって、ノイズの放射量を低減した。具体的には、制御基板81には、直付けされるモータ13aの端子が挿入される端子用孔86と、モータ13aのボス15cが挿入されるボス用孔87が設けられる。
【0096】
さらに、制御基板81には、ボス用孔87を囲むように環状のグランドパターン88が設けられる。かかるグランドパターン88は、銅箔によって形成され、制御基板81上に形成される配線パターンおよび複数の接続端子84のうちのグランド端子を介してグランドに接続される。
【0097】
そして、モータ13aを制御基板81へ取り付ける場合には、モータ13aの端子15aと端子用孔86との位置を合わせ、ボス15cとスプリングワッシャ85の孔およびボス用孔87との位置を合わせる。
【0098】
そして、ボス15cをスプリングワッシャ85の孔に挿入した後、ボス15cをボス用孔87へ挿入するとともに、モータ13aの端子15aを端子用孔86に挿入して、モータ13aを制御基板81に圧接させた状態で端子15aを制御基板81にはんだ付けする。
【0099】
これにより、
図5Bの左図に示すように、モータ13aのハウジング15bと制御基板81との間に導電性のスプリングワッシャ85が挟みこまれ、ハウジング15bがグランドに接続される。
【0100】
これにより、ハウジング15bの内部から放射されるノイズを、ハウジング15b、スプリングワッシャ85、グランドパターン88、制御基板81上の配線、およびグランド端子を介してグランドへ放出することで、ノイズの放射量を低減することができる。
【0101】
また、本実施形態では、モータ13aのハウジング15bと制御基板81との間に、平面形状のワッシャではなく、平面形状のワッシャを湾曲させた立体形状のスプリングワッシャ85を挟み込む。
【0102】
これにより、
図5Bの右図に示すように、制御基板81に直付けしたモータ13aと制御基板81との間に多少の隙間が生じていても、湾曲したスプリングワッシャ85により、ハウジング15bとグランドパターン88とを確実に接続することができる。
【0103】
なお、ここでは、平面形状のワッシャを湾曲させたスプリングワッシャ85を使用したが、らせん形状のスプリングワッシャを使用してもよいし、スプリングワッシャの代わりに、導電性を有するガスケットを使用してもよい。
【0104】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。