特許第6986434号(P6986434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 鹿島建設株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6986434-設備機器の設置構造 図000002
  • 特許6986434-設備機器の設置構造 図000003
  • 特許6986434-設備機器の設置構造 図000004
  • 特許6986434-設備機器の設置構造 図000005
  • 特許6986434-設備機器の設置構造 図000006
  • 特許6986434-設備機器の設置構造 図000007
  • 特許6986434-設備機器の設置構造 図000008
  • 特許6986434-設備機器の設置構造 図000009
  • 特許6986434-設備機器の設置構造 図000010
  • 特許6986434-設備機器の設置構造 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986434
(24)【登録日】2021年12月1日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】設備機器の設置構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/06 20060101AFI20211213BHJP
   F21V 21/04 20060101ALI20211213BHJP
   E04B 9/00 20060101ALI20211213BHJP
   E04B 9/18 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   E04B9/06 E
   F21V21/04 100
   E04B9/00 H
   E04B9/18 F
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-247827(P2017-247827)
(22)【出願日】2017年12月25日
(65)【公開番号】特開2019-112847(P2019-112847A)
(43)【公開日】2019年7月11日
【審査請求日】2020年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】高田 輪太郎
(72)【発明者】
【氏名】桐島 徹
【審査官】 齋藤 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−047134(JP,A)
【文献】 特開2017−115300(JP,A)
【文献】 特開2000−110298(JP,A)
【文献】 特開2008−144500(JP,A)
【文献】 特開2017−155838(JP,A)
【文献】 特開2015−094068(JP,A)
【文献】 特開平11−193596(JP,A)
【文献】 実開昭58−183813(JP,U)
【文献】 特開昭54−135395(JP,A)
【文献】 米国特許第5873556(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/06
F21V 21/04
E04B 9/00
E04B 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性を有する天井面材による天井に連続的に設けられる設備機器の設置構造であって、
吊材と、
前記吊材によって構造体から吊られ、前記天井面材の上方に前記天井面材から離隔して配置される横材と、
前記横材に脱着自在に取付けられ、前記設備機器を前記天井面材の下方で固定するための固定部と、
を有し、
前記横材は、上部が開放面となる略凹字状の断面を有する長尺材であり、同一列において複数の設備機器を連続的に支持することを特徴とする設備機器の設置構造。
【請求項2】
前記固定部は、前記横材を下から覆い、前記固定部を前記横材に引掛けて保持可能とするための保持部を有し、
前記保持部は、弾性を有する材質で形成され、2枚の側板と底板により略凹字状に構成され、
前記両側板の上端部は、内側に折り返した折返部と、前記折返部の先端から下方に延びる爪部と、を更に有することを特徴とする請求項1に記載の設備機器の設置構造。
【請求項3】
前記設備機器は照明器具であり、
前記横材は、内部空間に前記照明器具の電気配線を配設することを特徴とする請求項1または請求項に記載の設備機器の設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備機器の設置構造および天井構造に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスターボードなどを天井面材とした一般的な天井への照明等の設置は、天井面材の施工後に天井面材に必要な開口を開け、天井面材に器具の全部あるいは一部の荷重を載せ掛けることで成立している。しかしながら、膜材のような柔らかい材質の天井面材を有する天井では上記のように荷重を掛けることができず、照明器具などを直接設置することができない。
【0003】
これに対し、特許文献1、2には、天井面材に空けた貫通孔を通して、吊材により照明器具や煙感知器を構造躯体から直接吊り下げる設置構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−226074号公報
【特許文献2】実開昭59-134219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1、2の方法では、吊り下げる設備機器ごとに吊材が必要であるため、施工や器具の設置の効率面で課題があり、また照明の位置が揃わず意匠面での課題もあった。
【0006】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、施工や器具の設置を効率よく行うことが可能な設備機器の設置構造等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決するための発明は、柔軟性を有する天井面材による天井に連続的に設けられる設備機器の設置構造であって、吊材と、前記吊材によって構造体から吊られ、前記天井面材の上方に前記天井面材から離隔して配置される横材と、前記横材に脱着自在に取付けられ、前記設備機器を前記天井面材の下方で固定するための固定部と、を有し、前記横材は、上部が開放面となる略凹字状の断面を有する長尺材であり、同一列において複数の設備機器を連続的に支持することを特徴とする設備機器の設置構造である。
【0008】
本発明によれば、照明器具等の設備機器を柔軟性を有する天井面材と干渉せずに取付けることができ、設置構造全体としても天井面材に荷重をかけずにすむ。しかも、設備機器は固定部により横材の任意の位置に取付けることができ設置時の自由度が高く、設備機器ごとに吊材を設ける必要もないので施工時や器具設置時の効率面で優れている。
【0009】
水平方向に対して斜めに設けられた、前記設置構造を補強するための補強材を有することが望ましい。
これにより、設備機器の設置構造の耐震性を向上させることができる。
【0010】
前記固定部は、前記設備機器の高さを調整可能であることが望ましい。
これにより、施工現場に応じて設備機器の高さを調整し、天井面材との干渉を防ぐことができる。また施工精度の向上にも寄与する。
【0011】
前記固定部は、前記横材を下から覆い、前記固定部を前記横材に引掛けて保持可能とするための保持部を有し、前記保持部は、弾性を有する材質で形成され、2枚の側板と底板により略凹字状に構成され、前記両側板の上端部は、内側に折り返した折返部と、前記折返部の先端から下方に延びる爪部と、を更に有することが望ましい。
これにより、固定部を下方から容易に取付けることができる。
【0012】
前記横材に、前記固定部を取付ける際の目印となるマーキングが形成されることが望ましい。
これにより、固定部の位置決めを、床レベルからの墨出しではなく横材上の位置決めにより行うことができ、施工が容易となる。
【0013】
前記設備機器は例えば照明器具であり、前記横材は、内部空間に前記照明器具の電気配線を配設すことが望ましい
本発明では、横材に沿って複数の照明器具を設置することでライン照明を簡単に形成でき、意匠面で優れている。
【0014】
発明の設備機器の設置構造と、前記天井面材を支持する野縁と、を有し、前記野縁は、第1の野縁材と、2本の前記第1の野縁材を接続すると共に、前記第1の野縁材と交差する方向に延びる第2の野縁材と、2本の前記第2の野縁材を接続すると共に、前記第1の野縁材と平行に延びる第3の野縁材と、前記第1の野縁材及び前記第3の野縁材を接続すると共に、前記第2の野縁材と平行に延びる第4の野縁材と、を備え、前記第2の野縁材の両端部は、それぞれ前記第1の野縁材の側面に対向し、前記第3の野縁材の両端部は、それぞれ前記第2の野縁材の側面に対向し、前記第4の野縁材の一方の端部は、前記第3の野縁材の側面に対向し、他方の端部は前記第1の野縁材の側面に対向することを特徴とする天井構造も好ましい
【0015】
井面材を上記の野縁によって支持することで、野縁材の間隔を広げ鋼材量を減らしてより軽量としつつ、安全性や耐久性を高めることができ、前記した設置構造による設備設置の自由度が高まる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、施工や器具の設置を効率よく行うことが可能な設備機器の設置構造等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】天井構造1を示す図。
図2】天井裏の平面を見た図。
図3】設置構造10を示す図。
図4】横材14を示す図。
図5】吊り金物12a、12bおよび横材14aの例。
図6】固定金具15aの例。
図7】固定金具15bの例。
図8】野縁2’を示す図。
図9】金物30を示す図。
図10】金物40を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】
(1.天井構造1)
図1は本発明の実施形態に係る設備機器の設置構造10を有する天井構造1を示す図であり、図2は天井裏の平面を見た図である。
【0020】
天井構造1は、図2に示すように等間隔で平行に配置された野縁2の上に、野縁2と直交する方向の野縁受け3を等間隔で平行に取付け、この野縁受け3を吊材4を介してスラブ等の構造体5に支持させたものである。膜材6は野縁2に取付けて支持され、この膜材6が天井面を構成する天井面材となる。この天井構造1は膜材6を用いたいわゆる軽量天井である。
【0021】
野縁2や野縁受け3は天井下地を構成する鋼材である。鋼材としてはLGS等の軽量鋼が用いられるが、これに限ることはない。
【0022】
吊材4には吊りボルト等が用いられ、野縁受け3を吊り支持する。
【0023】
膜材6は、ポリエステル樹脂などの合成樹脂による不織布の両面にガラス繊維などによる不燃層を設けたものであり、薄厚で柔軟性を有し、且つ軽量である。ただし、天井面材がこのような膜材6に限ることはない。天井面材としては少なくとも柔軟性を有していればよく、各種の布材を用いた膜材や、柔軟性を有するその他の軽量天井材を用いることができる。ここで、天井面材が柔軟性を有するとは、野縁2などの天井下地に取付けられていない状態の天井面材そのものが、その弾性又は可とう性により少なくとも面外方向に変形可能であることをいうものとする。
【0024】
(2.設備機器の設置構造10)
図3は設備機器の設置構造10を図2の矢印aに示す方向から見た図であり、図4は設置構造10の横材14を示す図である。
【0025】
図3に示すように、設置構造10は、吊材11、吊り金物12、補強材13、横材14、固定金具15等を有する。この設置構造10は、設置構造10に取付ける照明器具20とあわせて前記した野縁2、野縁受け3、吊材4、膜材6とは別の独立した機構として構成される。すなわち、この設置構造10はこれらの部材とは干渉せず、各部材に荷重を負担させないようになっている。
【0026】
吊材11は、構造体5から横材14を吊り支持するためのものであり、吊材4とは別の吊りボルト等が用いられる。図4に示すように、横材14は複数の吊材11を用いて支持される。隣接する吊材11同士を連結材等で連結し、補強することも可能である。
【0027】
吊り金物12は、各吊材11の下端部に取付けられ、横材14を保持するものである。吊り金物12は、頂板121、側板122、124および底板123等を有し、頂板121と底板123の側辺同士を側板122で連結し、底板123の上記側辺と反対側の側辺から上方に延びるように側板124を設けたものである。横材14は側板122、124および底板123で囲まれた内部空間に収容される。
【0028】
補強材13は設置構造10を補強してその耐震性等を向上させ、地震時等の落下を防ぐための補強ブレースであり、その下端部を吊材11の下部に取付け、上端部を構造体5に取付けることで水平方向に対し斜めに傾斜して配置される。ただし、補強材13の下端部の取付位置や固定方法は特に限定されない。また場合によっては補強材13を省略することも可能である。
【0029】
横材14は、照明器具20を連続的に設置させるための長尺材(レースウェイ)であり、野縁2の上方に膜材6及び野縁2から離隔して配置され、水平方向に延びるように設けられる。
【0030】
図2に示すように、横材14は平面において野縁受け3に平行に配置され、複数の野縁2と直交する。仮に横材14が平面において野縁受け3と交差する場合、横材14は野縁受け3より上方に配置しなければならず、横材14と膜材6の距離が離れて後述する固定金具15を長くする必要がある。しかしながら本実施形態では横材14を野縁受け3と平行に配置するので、横材14は野縁2より上方に配置すればよく、横材14と膜材6の距離を近付けて後述する固定金具15の長さを短くすることができ、地震時の揺れに対する耐震性を高めることができる。
【0031】
ただし、横材14の配置はこれに限らない。例えば隣り合う2本の横材14の間をつなぐように横材14を設け、これらの横材14を格子状あるいは梯子状に配置することも可能である。
【0032】
本実施形態では横材14として略凹字状の断面を有する鋼材が用いられ、その内部空間に照明器具20の電気配線を配設することも可能である。鋼材としてはLGS等の軽量鋼が用いられるが、横材14の素材や形状等は特に限定されない。
【0033】
固定金具15(固定部)は、照明器具20を膜材6の下方に設置して固定するためのものであり、照明器具20の荷重を膜材6に伝えないよう、膜材6からある程度の離隔をもって照明器具20を支持できる高さ調整機構を備えている。固定金具15の上端は横材14に取付けられ、固定金具15の下端に照明器具20が取付けられる。高さ調整機構は特に限定されないが、例えば固定金具15の上端に設けたネジを横材14のネジ孔(不図示)に螺合させ、当該ネジの締込量を調整することで照明器具20の高さを調整可能である。
【0034】
固定金具15は、天井面の下方から膜材6の開口61を貫通させて横材14の任意の平面位置に取付けることが可能である。そのため、照明器具20は横材14に沿った任意の平面位置に取付けることが可能である。固定金具15と開口61の開口縁の間には一定のクリアランスを設けることが望ましい。
【0035】
固定金具15は横材14に対して脱着自在であり、膜材6を設置する前に予め位置決めして横材14に取付けておくことも可能である。膜材6を設置する際は、予め用意した膜材6の開口61に固定金具15を通せばよく、容易に施工可能である。
【0036】
図4に示すように、横材14には固定金具15を取付ける際の目印となるマーキング141を形成しておき、固定金具15の位置決めを、床レベルからの墨出しではなく横材14上の位置決めにより行えるようにしてもよい。マーキング141は例えば横材14の製造時にその長手方向の所定の位置に予め形成されるが、これに限ることはない。またマーキング141の外観等も特に限定されない。
【0037】
照明器具20は、例えば光源であるLEDとその設置盤を備えた平面長方形状の照明ユニットとして構成され、横材14に沿って複数取付け、これらを連結することでライン状の天井照明を可能にする。
【0038】
照明器具20は、火災報知器や煙感知器等の小型防災器具など、別の設備機器を照明ライン上に配置できるようにするため、図3に示すように器具の長手方向の一方の端部あるいは両端部に平面部201を備えてもよい。照明ライン上の複数の照明器具20の平面部201同士を突き合わせて配置することで、天井構造1に荷重を加えることなく別の設備機器を設置可能なスペースを確保できる。
【0039】
なお、吊り金物12や横材14、固定金具15の形状等は特に限定されない。例えば図5(a)は他の吊り金物12aの例であり、頂板121’が側板122から横材14の反対側へと延びるように設けられ、横材14から偏心した位置にある吊材11によって横材14を保持できる。また図5(b)の吊り金物12bおよび横材14aの例では、横材14aが略凹字状であるが、その両上端部を内側に折り返した折返部142を更に有する。吊り金物12bは一対の鋼板125を有し、これらの鋼板125によって折返部142を上下から挟み込むことで横材14aを保持する。
【0040】
また図6(a)は他の固定金具15aの例であり、この例では固定金具15aが保持部150と取付柱156を有しており、固定金具15aが保持部150によって横材14に保持され、取付柱156の下端に照明器具20が取付けられる。
【0041】
保持部150は、横材14を下から覆い、且つ固定金具15aを横材14の両上端部に引掛けて保持可能とするためのものである。保持部150は2枚の側板151と底板153により略凹字状に構成されるが、両側板151の上端部を内側に折り返した折返部154、折返部154の先端から下方に延びる爪部155を更に有しており、側板151と爪部155の間に横材14の両上端部を挿入して引掛けることが可能である。
【0042】
固定金具15aの保持部150は弾性を有する鋼板等により形成されており、図6(b)に示すように両側板151を外側に開いた状態でこれらの側板151により横材14の両側壁部を外側から挟み、そのまま矢印に示すように固定金具15aを上方に移動させることで図6(a)に示すように固定金具15aを横材14に容易に取付けることができる。
【0043】
保持部150は横材14の長手方向に沿ってスライド可能であり、固定金具15aを横材14に取付けた後でその位置調整を行うことも可能である。
【0044】
図7(a)、(b)はさらに他の固定金具15bの例であり、図7(a)は固定金具15bを上から見た図、図7(b)は図7(a)の線b−bによる鉛直方向の断面を見たものである。
【0045】
この固定金具15bはボルト157と一対のナット158から構成されており、ボルト157が横材14bの底面に設けられた横材14bの長手方向の長孔143に通され、横材14bの底面を上下から挟み込むように一対のナット158がボルト157に螺合している。照明器具20はボルト157の下端に取付けられる。
【0046】
ナット158を緩めればボルト157が長孔143内を横材14bの長手方向に沿ってスライドすることが可能になり、これにより固定金具15bの横材14bの長手方向の位置調整を行うことが可能である。またこの例では両ナット158の締込量を調整することでボルト157を上下させ、照明器具20の高さを調整することができる。
【0047】
以上に説明した本実施形態によれば、照明器具20を、柔軟性を有する天井面材である膜材6と干渉せずに取付けることができ、設置構造10全体としても膜材6に荷重をかけずにすむ。しかも、照明器具20は固定金具15により横材14の任意の位置に取付けることができ設置時の自由度が高く、照明器具20ごとに吊材11を設ける必要もないので施工時や器具設置時の効率面で優れている。
【0048】
また、設置構造10は補強材13を有することで、耐震性を向上させることができ、地震時等の落下を軽減することができる。
【0049】
また、設置構造10では固定金具15によって照明器具20の高さが調整可能なので、施工現場に応じて照明器具20の高さを調整し、膜材6との干渉を防ぐことができる。また施工精度の向上にも寄与する。さらに、前記の固定金具15aを用いる場合、下方から横材14に容易に取付けることができ、施工が容易となる。
【0050】
また、横材14に、固定金具15を取付ける際の目印となるマーキング141が形成されることで、固定金具15の位置決めを、床レベルからの墨出しではなく横材14上の位置決めにより行うことができ、施工が容易となる。
【0051】
また本実施形態では横材14に沿って複数の照明器具20を設置することでライン照明を簡単に形成でき、意匠面で優れている。しかしながら、設置構造10に取付ける設備機器が照明器具20に限ることはなく、その他の各種の設備機器を取付けることが可能である。
【0052】
次に、本発明の別の例を第2の実施形態として説明する。第2の実施形態は野縁の構成が異なる例であり、その他の点については第1の実施形態と略同様なので図等で同じ符号を付して説明を省略する。
【0053】
[第2の実施形態]
図8(a)は、第2の実施形態に係る天井構造について図2と同様に天井裏の平面を示したものである。本実施形態は野縁2’が格子状に形成される点で第1の実施形態と異なる。設置構造10については第1の実施形態と略同様である。
【0054】
図8(b)は格子状の野縁2’の一部を図示したものである。本実施形態では野縁2’が長さの異なる野縁材2a〜2dから構成され、これらをバランスよく配置することで鋼材量を減らし、設備設置の自由度が高い軽量の天井下地となっているので、これを以下説明する。
【0055】
すなわち、野縁材2a(第1の野縁材)は膜材6に沿って長く延びる通し野縁であり、他の野縁材2b〜2dのいずれよりも長い。野縁受け3は、この野縁材2aと平面において直交するように交差し、野縁材2aの上部に接続される。設置構造10の横材14は平面において野縁受け3に平行に配置され、格子状の野縁2’で囲まれる平面の中央を通る。
【0056】
野縁材2b(第2の野縁材)は、平面において野縁材2aに交差する方向に延びるように配置され、2本の野縁材2aを接続する。本実施形態では野縁材2a、2bの長手方向が平面において直交しており、野縁材2bの両端部は、金物30によって野縁材2aに接続される。
【0057】
野縁材2c(第3の野縁材)は、平面において野縁材2bに交差し野縁材2aと平行となる方向に延びるように配置され、2本の野縁材2bを接続する。本実施形態では野縁材2b、2cの長手方向が平面において直交しており、野縁材2cの両端部は、金物40(40−1)によって野縁材2bに接続される。
【0058】
野縁材2d(第4の野縁材)は、平面において野縁材2a、2cに交差し野縁材2bと平行となる方向に延びるように配置され、野縁材2a、2cを接続する。本実施形態では野縁材2dと野縁材2a、2cの長手方向が平面において直交しており、野縁材2dの一方の端部が金物40(40−2)によって野縁材2aに接続され、野縁材2dの他方の端部が金物40(40−3)によって野縁材2cに接続される。
【0059】
これら野縁材2a〜2dの高さは同一であり、野縁材2a〜2dは同一平面内に配置される。
【0060】
図9は金物30を示す図である。金物30は野縁材2a、2bの交差部に配置され、当該交差部を同一平面内に収めつつ、これらを緊結して補強することで面剛性を確保する。金物30は、野縁材2a、2bの火打ちとしての機能も有する。この交差部において野縁材2bは分断され、各野縁材2bの端部は野縁材2aの側面に対向している。金物30は、野縁材2aと各野縁材2bの端部を接続する。
【0061】
野縁材2aの長手方向に直交する断面は略凹字状であり、その両上端が内側斜め下に折り返されて折返部21を形成している。これは他の野縁材2b〜2dについても同様である。
【0062】
金物30は全体として八角形状平面を有し、野縁材2a、2bを上方から覆うと共に側面を備えた箱状の被覆部31と、被覆部31を下から塞ぎ、被覆部31との間で野縁材2a、2bを上下から挟み込む底板部32と、被覆部31から下方に突出し野縁材2a、2bに嵌合する嵌合部33と、を備える。
【0063】
嵌合部33は被覆部31の8箇所に形成されており、野縁材2a、2bの折返部21の間に嵌合する形状とされている。具体的には、嵌合部33は、折返部21の内側(下側)に嵌り込む突出部を左右一対に備えている。嵌合部33は、野縁材2aに対して4箇所、野縁材2bのそれぞれに対して2箇所設けられ、野縁材2a、2bを2箇所以上で嵌合することにより野縁材2a、2bを強固に固定しこれらの回転が抑制され、野縁材2a、2bの交差角度が直角に保持される。
【0064】
なお図9の311、321はそれぞれ被覆部31と底板部32に設けられたビス止め用の突起であり、これらの突起311、321の位置を合せて突起311、321同士をビス止めすることで被覆部31に底板部32が取付けられる。
【0065】
図10は金物40を示す図である。図10は、野縁材2c、2dの交差部に配置される金物40(図8(b)の金物40−3参照)を示したものである。この交差部では野縁材2dが分断されており、各野縁材2dの端部が野縁材2cの側面に対向している。
【0066】
金物40は全体として長方形状平面とされており、野縁材2c、2dを上方から覆う被覆部41と、被覆部41から下方に突出し野縁材2c、2dのそれぞれに嵌合する嵌合部43と、を備える。図の例では嵌合部43が被覆部41の4箇所に形成されており、その形状は前記した嵌合部33と同様である。
【0067】
嵌合部43は野縁材2cに対して2箇所、野縁材2dのそれぞれに対して1箇所設けられており、各嵌合部43が野縁材2c、2dに対して嵌合する。こうして金物40により野縁材2c、2dを同一平面内で接続することができ、野縁材2c、2dの間で力を伝達させることが可能になる。
【0068】
野縁材2b、2cの交差部、野縁材2a、2dの交差部も上記の金物40(それぞれ、図8(b)の金物40−1、40−2参照)により同様に固定される。すなわち、野縁材2b、2cの交差部では野縁材2cが2本に分断されており、図10の例において野縁材2c、2dをそれぞれ野縁材2b、2cと読み替えた場合と同様の固定がなされる。また野縁材2a、2dの交差部では野縁材2dが2本に分断されており、図10の例において、野縁材2cを野縁材2aと読み替えた場合と同様の固定がなされる。
【0069】
この野縁2’では、各野縁材2a〜2dの交差部で一方の野縁材を必ず通すことになり、交差部において当該一方の野縁材が落下することを確実に防止でき、天井の落下を抑制することができる。またこれらの野縁材2a〜2dを格子状に配置し各野縁材2a〜2dを金物30、40によって接続することで、振動により生じる力を面的且つ均一に分散させることができ、局所的な力の集中等による部材の損傷や落下を防ぐことができる。さらに、野縁材2b〜2dは比較的短くなり折れにくくなる。結果、野縁材2a〜2dの間隔を広げ鋼材量を減らしてより軽量としつつ、安全性や耐久性を高めることができ、前記した設置構造10による設備設置の自由度が高まる。
【0070】
しかしながら、設置構造10は他の天井構造に対しても同様に適用することが可能である。例えば設置構造10は、野縁2(2’)と野縁受け3を備える吊り天井構造に限らず適用可能であり、構造体に支持したメッシュ構造などの天井下地材に膜材6等を貼る場合などにも適用可能である。さらに、膜材6等が水平面に対し傾斜している場合や、撓んでいる場合にも適用可能である。
【0071】
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0072】
1:天井構造
2、2’:野縁
2a〜2d:野縁材
3:野縁受け
4、11:吊材
5:構造体
6:膜材
10:設置構造
12、12a、12b:吊り金物
13:補強材
14、14a、14b:横材
15、15a、15b:固定金具
20:照明器具
61:開口
141:マーキング
150:保持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10