【課題を解決するための手段】
【0014】
今回驚くべきことに、金属ホスフィン酸塩、ホスファゼン類、窒素含有相乗剤および亜鉛含有化合物の混合物が、効果的な難燃剤であり、その加工の際に腐食が検出できないこと、およびそれが良好な機械的特性を有するコンパウンドをもたらすことが見出された。
【0015】
さらに、驚くべきことに、コンパウンドの表面漏れ抵抗(Kriechstromfestigkeit)のような電気的パラメータが明確に改善されること、および使用試験の際に腐食が検出できないことが見出された。
【0016】
従って、本発明の対象は、以下を含む、熱可塑性ポリマー用難燃性調合物である:
成分Aとしての、20〜97.9重量%の式(I)のホスフィン酸塩および/または式(II)のジホスフィン酸塩および/またはそれらのポリマー
【0017】
【化1】
[式中、
R
1、R
2は、同一であるかまたは異なっており、Hまたは直鎖状もしくは分岐状のC
1−C
6−アルキル、および/またはアリールであり;
R
3は、直鎖状もしくは分岐状のC
1−C
10−アルキレン、C
6−C
10−アリーレン、C
6−C
10−アルキルアリーレンまたはC
7−C
20−アリールアルキレンを意味し;
Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、Kおよび/またはプロトン化窒素塩基を意味し;
mは、1〜4;nは、1〜4;xは、1〜4を意味する]
および、成分Bとしての、2〜50重量%の一般式(III)または(IV)のホスファゼン
【0018】
【化2】
[式中、
R
4およびR
4’は、同一であるかまたは異なっており、C
1−C
20−アルキル、C
6−C
30−アリール、C
6−C
30−アリールアルキルまたはC
6−C
30−アルキルで置換されたアリールを表し、そして
Xは、基−N=P(OPh)
3または−N=P(O)OPhを表し、そして
Yは、基−P(OPh)
4または−P(O)(OPh)
2を表す];
成分Cとしての、0.1〜30重量%の無機亜鉛化合物、および
成分Dとしての、0〜50重量%の窒素含有難燃剤。
【0019】
好ましくは、R
1およびR
2は、同一であるかまたは異なっており、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチルおよび/またはフェニルを意味する。
【0020】
好ましくは、R
3は、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソ−プロピレン、n−ブチレン、tert.−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレンまたはn−ドデシレン;フェニレンまたはナフチレン;メチルフェニレン、エチルフェニレン、tert.−ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレンまたはtert.−ブチルナフチレン;フェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレンまたはフェニルブチレンを意味する。
【0021】
好ましくは、上記難燃性調合物は、
30〜97.5重量%の成分A、
2〜40重量%の成分B、
0.5〜30重量%の成分Cおよび
0〜40重量%の成分D
[ここで、成分重量の合計は100重量%になる]
を含む。
【0022】
特に好ましくは、上記難燃性調合物は、
40〜94重量%の成分A、
5〜40重量%の成分B、
1〜20重量%の成分Cおよび
0〜35重量%の成分D
[ここで、成分重量の合計は100重量%になる]
を含む。
【0023】
特に、上記難燃性調合物は、
50〜82重量%の成分A、
10〜30重量%の成分B、
2〜19重量%の成分Cおよび
1〜30重量%の成分D
[ここで、成分重量の合計は100重量%になる]
を含む。
【0024】
極めて特に好ましくは、上記難燃性調合物は、
60〜86重量%の成分A、
10〜20重量%の成分B、
2〜18重量%の成分Cおよび
2〜20重量%の成分D
[ここで、成分重量の合計は100重量%になる]
を含む。
【0025】
好ましくは、上記ホスファゼン類は、フェノキシホスファゼンで類ある。
【0026】
好ましくは、成分Dは、
a)メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート類、メラムポリホスフェート類、メレムポリホスフェート類および/またはメロンポリホスフェート類、および/またはメラミン縮合生成物、例えばメラム、メレムおよび/またはメロン;
および/またはb)式(VII)〜(XII)の窒素化合物またはそれらの混合物
【0027】
【化3】
[式中、
R
5〜R
7は、水素、C
1−C
8−アルキル、C
5−C
16−シクロアルキルまたは−アルキルシクロアルキル(任意選択的にヒドロキシ−またはC
1−C
4−ヒドロキシアルキル−官能基で置換された)、C
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、−アシル、−アシルオキシ、C
6−C
12−アリールもしくは−アリールアルキル、−OR
8および−N(R
8)R
9、ならびにN−脂環式化合物またはN−芳香族化合物を意味し、 R
8は、水素、C
1−C
8−アルキル、C
5−C
16−シクロアルキルもしくは−アルキルシクロアルキル(任意選択的にヒドロキシ−またはC
1−C
4−ヒドロキシアルキルー官能基で置換された)、C
2−C
8−アルケニル、C
1−C
8−アルコキシ、−アシル、−アシルオキシまたはC
6−C
12−アリールもしくは−アリールアルキルを意味し、 R
9〜R
13は、R
8および−O−R
8のような同一の基を意味し、
mおよびnは、互いに独立に1、2、3または4であり、
Xは、トリアジン化合物(VII)との付加物を形成できる酸を意味する]、
および/またはc)トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートと芳香族ポリカルボン酸とのオリゴマーエステル、ベンゾグアナミン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、アラントイン、
グリコールウリル、メラミン、メラミンシアヌレート、ジシアンジアミドおよび/またはグアニジン;
および/またはd)式(NH
4)
yH
3−yPO
4または(NH
4PO
3)
z(yは同一で1〜3であり、zは同一で1〜10,000である)の窒素含有ホスフェート類、である。
【0028】
好ましくは、成分Cは、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、酸化亜鉛一水和物、ホウ酸亜鉛、塩基性ケイ酸亜鉛および/またはスズ酸亜鉛である。
【0029】
特に好ましくは、成分Cはスズ酸亜鉛である。
【0030】
本発明はまた、難燃剤としての、特にクリアコートおよび発泡塗料(Intumeszenzbeschichtungen)用の難燃剤としての、木材及び他のセルロース含有製品用の難燃剤としての、ポリマー用の反応性および/または非反応性難燃剤としての、難燃性ポリマー成形材料の製造のための、難燃性ポリマー成形体の製造のためのおよび/または含浸によるポリエステル−およびセルロース純紡ならびに混紡織布への難燃性付与のための、請求項1〜11のいずれか1つに記載の難燃性調合物の使用に関する。
【0031】
本発明は特に、請求項1〜12のいずれか1つに記載の本発明の難燃性調合物の、プラグコネクタ、電力分配器における電流接触部分(RCD保護)、プリント回路基板、キャスティングコンパウンド、電源プラグ、遮断器、ランプハウジング、LEDランプハウジング、コンデンサーハウジング、コイルフォーマー、ファン、接地コンタクト(Schutzkontakte)、プラグにおけるまたはこれらのための、プリント回路基板、プラグ用ハウジング、ケーブル、フレキシブルプリント基板、充電ケーブル、モーターカバー、テキスタイルコーティングおよび他の製品中/上での、使用に関する。
【0032】
本発明はまた、0.5〜45重量%の請求項1〜11のいずれか1つに記載の難燃性調合物、10〜95重量%の熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーまたはそれらの混合物、0〜55重量%の添加剤および0〜55重量%のフィラーまたは強化材料を含み、成分の合計が100重量%である、難燃性の熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマー成形材料、ポリマー成形体、−フィルム、−フィラメントおよび−繊維も含む。
【0033】
特に、本発明は、5〜30重量%の請求項1〜11のいずれか1つに記載の難燃性調合物、20〜95重量%の熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーまたはそれらの混合物、5〜55重量%の添加剤および10〜55重量%のフィラーまたは強化材料を含み、成分の合計が100重量%である、難燃性の熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマー成形材料、ポリマー成形体、−フィルム、−フィラメントおよび−繊維を含む。
【0034】
好ましくは、上記の難燃性の熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマー成形材料、ポリマー成形体、−フィルム、−フィラメントおよび−繊維は、ポリエステル類、ポリアミド類および/またはポリアミド類もしくはポリエステル類を含むポリマーブレンドである。
【0035】
ホスファゼン類の製造は、EP−A−0945478に記載されている。
【0036】
式P
3N
3C
36(V)の環状フェノキシホスファゼン類
【0037】
【化4】
または式(VI)に従う直鎖状フェノキシホスファゼン類が特に好ましい。フェニル残基は、任意選択的に置換されていてもよい。
【0038】
【化5】
本願の意味におけるホスファゼン類は、Mark, J.A.,Allcock, H.R., West, R., “Inorganic Polymers”, Prentice Hall International, 1992,61〜141頁に記載されている。
【0039】
本発明はまた、本発明の防食性難燃性調合物を含む難燃性が付与されたプラスチック成形材料であって、上記プラスチックが、ポリスチレン−HI(耐衝撃性)、ポリフェニレンエーテル類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート類のタイプの熱可塑性ポリマー、およびABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPPE/HIPS(ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン−HI)タイプのプラスチックのブレンドまたはポリマーブレンドである、プラスチック成形材料に関する。
【0040】
適切なホスフィン酸塩はPCT/WO97/39053に記載されており、これは明確に参照される。
【0041】
式(I)または(II)におけるMは、好ましくは、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムまたは亜鉛、特に好ましくはアルミニウムまたは亜鉛を意味する。
【0042】
以下、「ホスフィン酸塩」という語句は、ホスフィン酸およびジホスフィン酸の塩、およびこれらのポリマーを含む。
【0043】
水性媒体中で製造されるホスフィン酸塩は、本質的に、モノマー化合物である。反応条件に応じて、場合により、ポリマー性のホスフィン酸塩も生じる。
【0044】
ホスフィン酸塩の構成成分として適切なホスフィン酸は、例えば以下である:
ジメチルホスフィン酸、エチル−メチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチル−n−プロピル−ホスフィン酸、メタン−ジ(メチルホスフィン酸)、ベンゼン−1,4−(ジメチル−ホスフィン酸)、メチル−フェニル−ホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸。
【0045】
本発明におけるホスフィン酸の塩は、公知の方法、例えばEP−A−0699708により詳細に記載される方法に従って製造することができる。その際、ホスフィン酸を、例えば水溶液において、金属炭酸塩、金属水酸化物または金属酸化物と反応させる。
【0046】
上記のホスフィン酸塩は、本発明のポリエステルコンパウンドのために、それぞれ使用されるポリマーの種類および所望の特性に応じて、異なる物理的形態で使用することができる。従って、上記ホスフィン酸塩は、例えばポリマーにおいてより良好な分散を達成するために、微細形態に粉砕することができる。必要に応じて、異なるホスフィン酸塩の混合物も使用することができる。
【0047】
本発明のホスフィン酸塩は、熱安定性であり、加工時にポリマーを分解せず、プラスチック成形材料の製造プロセスに影響を及ぼすこともない。上記ホスフィン酸塩は、ポリエステルのための通常の製造−および加工条件下で揮発性ではない。
【0048】
好ましくは、上記ポリマーは、ポリエステル、ポリスチレンもしくはポリアミドのような熱可塑性ポリマーの群および/または熱硬化性ポリマーの群に由来する。
【0049】
特に好ましくは、上記の熱硬化性ポリマーは、エポキシド樹脂である。
【0050】
特に好ましくは、上記の熱硬化性ポリマーは、フェノール類、ジシアンジアミド、フェノール誘導体(レゾール類)、アルコール類またはアミン類、特にフェノール誘導体およびジシアンアミドで硬化されるエポキシド樹脂である。
【0051】
特に好ましくは、上記の熱硬化性ポリマーは、フェノール類および/またはジシアンジアミドおよび/または触媒で硬化されるエポキシド樹脂である。
【0052】
好ましくは、上記触媒は、イミダゾール化合物である。
【0053】
好ましくは、上記エポキシド樹脂は、ポリエポキシド化合物である。
【0054】
好ましくは、上記エポキシド樹脂は、ノボラックをベースとする樹脂である。
【0055】
好ましくは、上記エポキシド樹脂は、ビスフェノールAをベースとする樹脂である。
【0056】
本発明において使用可能なポリマーは、熱硬化性(duroplastische)および熱可塑性ポリマーである。
【0057】
好ましくは、上記ポリマーは、モノ−およびジオレフィン類のポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、ならびに例えばシクロペンテンまたはノルボルネンのようなシクロオレフィン類の重合体;さらにポリエチレン(任意選択的に架橋されていてもよい)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度・高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度・超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、分岐状低密度ポリエチレン(VLDPE)、ならびにこれらの混合物である。
【0058】
好ましくは、上記ポリマーは、モノ−およびジオレフィン類の互いのまたは他のビニルモノマーとのコポリマー、例えば、エチレン−プロピレン−コポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびそれと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン−ブテン−1−コポリマー、プロピレン−イソブチレン−コポリマー、エチレン−ブテン−1−コポリマー、エチレン−ヘキセン−コポリマー、エチレン−メチルペンテン−コポリマー、エチレン−ヘプテン−コポリマー、エチレン−オクテン−コポリマー、プロピレン−ブタジエン−コポリマー、イソブチレン−イソプレン−コポリマー、エチレン−アルキルアクリレート−コポリマー、エチレン−アルキルメタクリレート−コポリマー、エチレン−ビニルアセテート−コポリマーおよびそれの一酸化炭素とのコポリマー、またはエチレン−アクリル酸−コポリマーおよびそれらの塩(アイオノマー)、ならびにエチレンとプロピレンおよびジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンもしくはエチリデンノルボルネンとのターポリマー;さらにそれらのコポリマーの互いの混合物、例えば、ポリプロピレン/エチレン−プロピレン−コポリマー、LDPE/エチレン−ビニルアセテート−コポリマー、LDPE/エチレン−アクリル酸−コポリマー、LLDPE/エチレン−ビニルアセテート−コポリマー、LLDPE/エチレン−アクリル酸−コポリマーならびに交互またはランダム構造のポリアルキレン/一酸化炭素−コポリマーおよびそれらと他のポリマー、例えばポリアミド類との混合物である。
【0059】
好ましくは、上記ポリマーは、炭化水素樹脂(例えばC
5−C
9)であり、それらの水素化修飾物(例えば粘着付与樹脂)およびポリアルキレン類とデンプンの混合物を含む。
【0060】
好ましくは、上記ポリマーは、ポリスチレン(ポリスチレン143E(BASF))、ポリ−(p−メチルスチレン)、ポリ(アルファ−メチルスチレン)である。
【0061】
好ましくは、上記ポリマーは、スチレンまたはアルファ−メチルスチレンと、ジエン類またはアクリル誘導体とのコポリマー、例えばスチレン−ブタジエン、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−アルキルメタクリレート、スチレン−ブタジエン−アルキルアクリレート及び−メタクリレート、スチレン−無水マレイン酸、スチレン−アクリロニトリル−メチルアクリレート;スチレンコポリマーと他のポリマー(例えばポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン−プロピレン−ジエンターポリマー)からなる耐衝撃性の高い混合物;ならびにスチレンのブロックコポリマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン、またはスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンである。
【0062】
好ましくは、上記ポリマーは、スチレンまたはアルファ−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエン上にスチレンがグラフトしたコポリマー、ポリブタジエン−スチレンコポリマーまたはポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上にスチレンがグラフトしたコポリマー、ポリブタジエン上にスチレン及びアクリロニトリル(またはメタクリロニトリル)がグラフトしたコポリマー;ポリブタジエン上にスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレートがグラフトしたコポリマー;ポリブタジエン上にスチレン及び無水マレイン酸がグラフトしたコポリマー;ポリブタジエン上にスチレン、アクリロニトリル及び無水マレイン酸もしくはマレイン酸イミドがグラフトしたコポリマー;ポリブタジエン上にスチレン及びマレイン酸イミドがグラフトしたコポリマー、ポリブタジエン上にスチレン及びアルキルアクリレート類またはアルキルメタクリレート類がグラフトしたコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー上にスチレン及びアクリロニトリルがグラフトしたコポリマー、ポリアルキルアクリレート類上またはポリアルキルメタクリレート類上にスチレン及びアクリロニトリルがグラフトしたコポリマー、アクリレート−ブタジエンコポリマー上にスチレン及びアクリロニトリルがグラフトしたコポリマー、あるいはこれらの混合物、例えば所謂ABSポリマー、MBSポリマー、ASAポリマーまたはAESポリマーとして知られるものである。
【0063】
好ましくは、上記ポリマーは、ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化および臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化またはクロロスルホン化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−および−コポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、ポリビニルフルオリド、ポリビニリデンフルオリド;ならびにそれらのコポリマー、例えばビニルクロリド−ビニリデンクロリド、ビニルクロリド−ビニルアセテートまたはビニリデンクロリド−ビニルアセテートである。
【0064】
好ましくは、上記ポリマーは、α,β−不飽和酸およびその誘導体に由来するポリマー、例えばポリアクリレート類およびポリメタクリレート類、ブチルアクリレートで耐衝撃性に改質されたポリメチルメタクリレート類、ポリアクリルアミド類およびポリアクリルニトリル類、および上記のモノマーの互いのコポリマーまたは他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル−ブタジエン−コポリマー、アクリロニトリル−アルキルアクリレート−コポリマー、アクリロニトリル−アルコキシアルキルアクリレート−コポリマー、アクリロニトリル−ハロゲン化ビニル−コポリマーまたはアクリロニトリル−アルキルメタクリレート−ブタジエン−ターポリマーである。
【0065】
好ましくは、上記ポリマーは、不飽和アルコール類およびアミン類またはそれらのアシル誘導体またはアセタール類に由来するポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、−ステアレート、−ベンゾエート、−マレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート、ポリアリルメラミン;ならびにそれらとオレフィン類とのコポリマーである。
【0066】
好ましくは、上記ポリマーは、環状エーテル類のホモポリマーおよびコポリマー、例えばポリアルキレングリコール類、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはそれらとビスグリシジルエーテル類のコポリマーである。
【0067】
好ましくは、上記ポリマーは、ポリアセタール類、例えばポリオキシメチレン、および例えばエチレンオキシドのようなコモノマーを含むようなポリオキシメチレン類;熱可塑性ポリウレタン類、アクリレート類またはMBSで改質されたポリアセタール類である。
【0068】
好ましくは、上記ポリマーは、ポリフェニレンオキシド類および−スルフィド類、およびこれらとスチレンポリマーまたはポリアミド類との混合物である。
【0069】
好ましくは、上記ポリマーは、一方では末端のヒドロキシル基を有するポリエーテル類、ポリエステル類およびポリブタジエン類から、他方では脂肪族または芳香族ポリイソシアネート類から誘導されたポリウレタン類、ならびにそれらの前駆体である。
【0070】
好ましくは、上記ポリマーは、ジアミン類およびジカルボン酸類からおよび/またはアミノカルボン酸または対応のラクタム類から誘導されたポリアミド類およびコポリアミド類、例えばポリアミド2/12、ポリアミド4(ポリ−4−アミノ酪酸、Nylon
(登録商標)4、DuPont社)、ポリアミド4/6(ポリ(テトラメチレン−アジポアミド)、ポリ−(テトラメチレン−アジピン酸ジアミド)、Nylon
(登録商標)4/6、DuPont社)、ポリアミド6(ポリカプロラクタム、ポリ−6−アミノヘキサン酸、Nylon
(登録商標)6、DuPont社、Akulon
(登録商標)K122、DSM社;Zytel
(登録商標)7301、DuPont社;Durethan B29、Bayer社)、ポリアミド6/6((ポリ(N,N’−ヘキサメチレンアジピンジアミド)、Nylon
(登録商標)6/6、DuPont社、Zytel
(登録商標)101、DuPont社;Durethan
(登録商標)A30、Durethan
(登録商標)AKV、Durethan
(登録商標)AM、Bayer社;Ultramid
(登録商標)A3、BASF社)、ポリアミド6/9(ポリ(ヘキサメチレンノナンジアミド)、Nylon
(登録商標)6/9、DuPont社)、ポリアミド6/10(ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)、Nylon
(登録商標)6/10、DuPont社)、ポリアミド6/12(ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)、Nylon
(登録商標)6/12、DuPont社)、ポリアミド6/66(ポリ(ヘキサメチレンアジポアミド−コ−カプロラクタム)、Nylon
(登録商標)6/66、DuPont社)、ポリアミド7(ポリ−7−アミノヘプタン酸、Nylon
(登録商標)7、DuPont社)、ポリアミド7,7(ポリヘプタメチレン ピメルアミド、Nylon
(登録商標)7,7、DuPont社)、ポリアミド8(ポリ−8−アミノオクタン酸、Nylon
(登録商標)8、DuPont社)、ポリアミド8,8(ポリオクタメチレンスベルアミド、Nylon
(登録商標)8,8、DuPont社)、ポリアミド9(ポリ−9−アミノノナン酸、Nylon
(登録商標)9、DuPont社)、ポリアミド9,9(ポリノナメチレンアゼラミド、Nylon
(登録商標)9,9、DuPont社)、ポリアミド10(ポリ−10−アミノ−デカン酸、Nylon
(登録商標)10、DuPont社)、ポリアミド10,9(ポリ(デカメチレンアゼラミド)、Nylon
(登録商標)10,9、DuPont社)、ポリアミド10,10(ポリデカメチレンセバカミド、Nylon
(登録商標)10,10、DuPont社)、ポリアミド11(ポリ−11−アミノウンデカン酸、Nylon
(登録商標)11、DuPont社)、ポリアミド12(ポリラウリルラクタム、Nylon
(登録商標)12、DuPont社、Grillamid
(登録商標)L20、Ems Chemie社)、m−キシレン、ジアミンおよびアジピン酸由来の芳香族ポリアミド類;ヘキサメチレンジアミンおよびイソ−および/またはテレフタル酸(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)および任意選択的に調節剤としてのエラストマーから製造されたポリアミド類、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミドである。上述のポリアミド類と、ポリオレフィン類、オレフィンコポリマー、アイオノマーまたは化学的に結合したもしくはグラフトしたエラストマーとの;または
ポリエーテル類、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー。さらに、EPDMまたはABSで改質されたポリアミド類またはコポリアミド類;ならびに加工の間に縮合したポリアミド類(「RIMーポリアミド系」)。
【0071】
好ましくは、上記ポリマーは、ポリウレア類、ポリイミド類、ポリアミドイミド類、ポリエーテルイミド類、ポリエステルイミド類、ポリヒダントイン類およびポリベンズイミダゾール類である。
【0072】
好ましくは、上記ポリマーは、ジカルボン酸およびジアルコール類からおよび/またはヒドロキシカルボン酸または対応のラクトン類から誘導されたポリエステル類、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(Celanex
(登録商標)2500、Celanex
(登録商標)2002、Celanese社;Ultradur
(登録商標)、BASF社)、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート類、ならびにヒドロキシル末端基を有するポリエステル類から誘導されたブロック−ポリエーテル−エステル類;さらにポリカーボネート類またはMBSで改質されたポリエステル類である。
【0073】
好ましくは、上記ポリマーは、ポリカーボネート類およびポリエステルカーボネート類である。
【0074】
好ましくは、上記ポリマーは、ポリスルホン類、ポリエーテルスルホン類およびポリエーテルケトン類である。
【0075】
好ましくは、上記ポリマーは、一方ではアルデヒド類から、他方ではフェノール類、尿素またはメラミンから誘導された架橋されたポリマー、例えばフェノール−ホルムアルデヒド−、尿素−ホルムアルデヒド−およびメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である。
【0076】
好ましくは、上記ポリマーは、乾燥または非乾燥アルキド樹脂である。
【0077】
好ましくは、上記ポリマーは、飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコール類のコポリエステル、および架橋剤としてのビニル化合物から誘導された不飽和ポリエステル樹脂、ならびにそれらのハロゲン含有の難燃性改質物である。
【0078】
好ましくは、上記ポリマーは、置換されたアクリル酸エステル類、例えばエポキシアクリレート類、ウレタンアクリレート類またはポリエステルアクリレート類から誘導された架橋性アクリル樹脂である。
【0079】
好ましくは、上記ポリマーは、メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート類、イソシアヌレート類、ポリイソシアネート類またはエポキシド樹脂で架橋されている、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリレート樹脂である。
【0080】
好ましくは、上記ポリマーは、脂肪族、脂環式、複素環式または芳香族のグリシジル化合物から誘導された架橋されたエポキシド樹脂、例えば、通常の硬化剤、例えば無水物またはアミン類を用いて、促進剤を用いてもしくは促進剤なしで架橋された、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル類、ビスフェノール−F−ジグリシジルエーテル類の生成物である。
【0081】
好ましくは、上記ポリマーは、上述のポリマーの混合物(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM(ポリプロピレン/エチレン−プロピレン−ジエンゴム)、ポリアミド/EPDMまたはABS(ポリアミド/エチレン−プロピレン−ジエンゴムまたはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、PVC/EVA(ポリビニルクロリド/エチレンビニルアセテート)、PVC/ABS(ポリビニルクロリド/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、PVC/MBS(ポリビニルクロリド/メタクリレート−ブタジエン−スチレン)、PC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、PBTP/ABS(ポリブチレンテレフタレート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、PC/ASA(ポリカーボネート/アクリルエステル−スチレン−アクリロニトリル)、PC/PBT(ポリカーボネート/ポリブチレン−テレフタレート)、PVC/CPE(ポリビニルクロリド/塩素化ポリエチレン)、PVC/アクリレート(ポリビニルクロリド/アクリレート、POM/熱可塑性PUR(ポリオキシメチレン/熱可塑性ポリウレタン)、PC/熱可塑性PUR(ポリカーボネート/熱可塑性ポリウレタン)、POM/アクリレート(ポリオキシメチレン/アクリレート)、POM/MBS(ポリオキシメチレン/メタクリレート−ブタジエン−スチレン)、PPO/HIPS(ポリフェニレンオキシド/耐衝撃性ポリスチレン)、PPO/PA6.6(ポリフェニレンオキシド/ポリアミド6.6)およびコポリマー、PA/HDPE(ポリアミド/高密度ポリエチレン)、PA/PP(ポリアミド/ポリエチレン)、PA/PPO(ポリアミド/ポリフェニレンオキシド)、PBT/PC/ABS(ポリブチレンテレフタレート/ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)および/またはPBT/PET/PC(ポリブチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレート/ポリカーボネート)である。
【0082】
成分AおよびBおよびCおよび任意選択的にDの本発明の組み合わせには、添加剤、例えば、酸化防止剤、UV吸収剤および光安定剤、金属不活性化剤、過酸化物分解化合物、ポリアミド安定剤、塩基性共安定剤、核形成剤、フィラーおよび強化材、さらなる難燃剤およびその他の添加剤を添加することができる。
【0083】
適切な酸化防止剤は、例えばアルキル化モノフェノール類、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;1,2−アルキルチオメチルフェノール類、例えば、2,4−ジ−オクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール;ハイドロキノン類およびアルキル化ハイドロキノン類、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール;トコフェロール類、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびこれらの混合物(ビタミンE);ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル類、例えば、2,2’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオ−ビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3,6−ジ−sec.−アミルフェノール)、4,4’−ビス−(2,6−ジ−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−ジスルフィド;アルキリデン−ビスフェノール類、例えば2,2’−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール;
O−、N−およびS−ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル;ヒドロキシベンジル化マロネート類、例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)−マロネート;ヒドロキシベンジル芳香族化合物、例えば1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル)−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−フェノール;トリアジン化合物、例えば2,4−ビス−オクチルメルカプト−6(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン;ベンジルホスホネート類、例えばジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート;アシルアミノフェノール類、4−ヒドロキシラウリン酸アミド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−カルバミン酸オクチルエステル;β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸と一価もしくは多価アルコール類とのエステル;β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロピオン酸と一価もしくは多価アルコール類とのエステル;β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸と一価もしくは多価アルコール類とのエステル;3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と一価もしくは多価アルコール類とのエステル;β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸のアミド類、例えばN,N’−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−トリメチレンジアミン、N,N’−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヒドラジンである。
【0084】
適切なUV吸収剤および光安定剤は、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−フェニル)−ベンゾトリアゾール類、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール;2−ヒドロキシベンゾフェノン類、例えば4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクトキシ、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2’,4−トリヒドロキシ−、2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体;
任意選択的に置換された安息香酸のエステル、例えば、4−tert−ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシン、ビス−(4−tert−ブチルベンゾイル)−レゾルシン、ベンゾイルレゾルシン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸−2,4−ジ−tert−ブチルフェニルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸−オクタデシルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸−2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニルエステル;アクリレート類、例えば、α−シアン−β,β−ジフェニルアクリル酸エチルエステルまたは−イソオクチルエステル、α−カルボメトキシ−桂皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−桂皮酸メチルエステルまたは−ブチルエステル、α−カルボメトキシ−p−メトキシ−桂皮酸メチルエステル、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチル−インドリンである。
【0085】
さらに、ニッケル化合物、例えば2,2’−チオ−ビス−[4(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば、1:1−または1:2錯体(任意選択的に、追加的な配位子、例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミンまたはN−シクロヘキシル−ジエタノールアミンを有する)、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸−モノアルキルエステル、例えばメチルエステルまたはエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム類の、例えば、2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体(場合により、追加的な配位子を有する);立体障害アミン類、例えばビス−(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル)セバケート;オキサル酸ジアミド類、例えば4,4’−ジ−オクチルオキシ−オキサニリド;2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類、例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0086】
適切な金属不活性化剤は、例えば、N,N’−ジフェニルシュウ酸ジアミド、N−サリチラール−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス−(サリチロイル)−ヒドラジン、N,N’−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス−(ベンジリデン)−シュウ酸ジヒドラジド、オキサニリド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸−ビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチル−アジピン酸−ジヒドラジド、N,N’−ビス−サリチロイル−シュウ酸ジヒドラジド、N,N’−ビス−サリチロイル−チオプロピオン酸ジヒドラジドである。
【0087】
適切な過酸化物分解化合物は、例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル(例えばラウリル−、ステアリル−、ミリスチル−またはトリデシルエステル)、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトール−テトラキス−(β−ドデシルメルカプト)−プロピオネートである。
【0088】
適切なポリアミド安定剤としては、例えば、ヨウ化物と組み合わせた銅塩および/またはリン化合物および2価マンガンの塩が挙げられる。
【0089】
適切な塩基性共安定剤は、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、シラヌル酸トリアリル、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン類、ポリアミド類、ポリウレタン類、高級脂肪酸のアルカリ−およびアルカリ土類塩、例えば、ステアリン酸Ca、ステアリン酸Zn、ベヘン酸Mg、ステアリン酸Mg、リシノール酸Na、パルミチン酸K、アンチモンピロカテキネート(Antimonbrenzcatechinat)またはスズピロカテキネート(Zinnbrenzcatechinat)である。
【0090】
適切な核形成剤は、例えば4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸およびジフェニル酢酸である。
【0091】
フィラーおよび強化材には、例えば、炭酸カルシウム、シリケート類、ガラス繊維類、アスベスト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物および−水酸化物、カーボンブラック、グラファイトおよび他のものが含まれる。
【0092】
さらなる難燃剤としては、例えば、アリールホスフェート類、ホスホネート類、次亜リン酸の塩、および赤燐が適している。
【0093】
その他の添加剤としては、例えば、可塑剤、膨張黒鉛、潤滑剤、乳化剤、顔料、蛍光増白剤、難燃剤、静電防止剤および発泡剤が挙げられる。
【0094】
これらの追加的な添加剤は、ポリマーへの難燃剤の添加前に、添加と一緒にまたは添加後に、添加することができる。その際に、これらの添加剤の計量添加も難燃剤の計量添加も、固体として、溶液または溶融物において、ならびにまた固体混合物または液体混合物の形態で、またはマスターバッチ/濃厚物として、行うことができる。
【0095】
添加剤として、潤滑剤および/または離型剤を使用することができる。上記潤滑剤および/または離型剤は、長鎖脂肪酸、それらの塩、それらのエステル誘導体および/またはアミド誘導体、モンタンワックス類および/または低分子量ポリエチレン−および/またはポリプロピレンワックス類である。
【0096】
好ましくは、潤滑剤および/または離型剤は、ステアリン酸のエステルまたは塩、例えばグリセリンモノステアレートまたはカルシウムステアレートである。
【0097】
好ましくは、潤滑剤および/または離型剤は、モンタンワックス酸とエチレングリコールとの反応生成物である。
【0098】
好ましくは、上記反応生成物は、エチレングリコール−モノ−モンタンワックス酸エステル、エチレングリコール−ジモンタンワックス酸エステル、モンタンワックス酸およびエチレングリコールの混合物である。
【0099】
好ましくは、潤滑剤および/または離型剤は、モンタンワックス酸とカルシウム塩との反応生成物である。
【0100】
特に好ましくは、上記反応生成物は、1,3−ブタンジオール−モノモンタンワックス酸エステル、1,3−ブタンジオール−ジモンタンワックス酸エステル、モンタンワックス酸、1,3−ブタンジオール、モンタン酸カルシウムおよびカルシウム塩の混合物である。
【0101】
上記の添加剤は、異なる工程ステップにおいてプラスチックに供給することができる。例えば、ポリアミド類の場合、重合/重縮合の初めまたは終わりに既に、または後続のコンパウンディングプロセスにおいて、ポリマー溶融物に添加剤を混合することが可能である。さらに、後になるまで添加剤を添加しない加工方法もある。これは特に顔料−または添加剤マスターバッチの使用の際に当てはまる。さらに、特に粉末状の添加剤を、乾燥プロセスにより任意選択的に温かいポリマー粒状物と、ドラムミキサーを用いて混合することが可能である。
【0102】
特に好ましくは、上記ポリマーは、フィラーおよび/または強化材とともに供給可能な1種または複数種のポリエステル類および/またはポリアミド類である。
【0103】
好ましくは、上記ポリエステル類およびポリアミド類は、成形体、−フィルム、−フィラメントおよび/または−繊維として存在する。
【0104】
驚くべきことに、ジアルキルホスフィン酸の塩およびホスファゼンと亜鉛含有添加剤との本発明の組み合わせが、良好な難燃作用を、成形材料の加工の際の改善された安定性と組み合わせて示すことが見出された。この腐食防止効果は、この点に関して、従来技術において従来記載された組み合わせでは確認されなかった。
【0105】
好ましくは、上記の難燃性のポリエステルコンパウンドは、さらにカルボジイミド類を含む。
【0106】
好ましくは、上記の難燃性ポリエステルコンパウンドは、1種を超える熱可塑性ポリエステルを含む。特に好ましくは、上記の難燃性ポリエステルコンパウンドは、ブレンドにおいてPBTおよびPETを含む。
【0107】
好ましくは、上記の難燃性のポリエステルコンパウンドは、ポリカーボネート類も含む。
【0108】
本発明はまた、成分A〜Dを上記の重量比で溶融押出により混合することを特徴とする、本発明の難燃性ポリエステルコンパウンドまたはポリアミドコンパウンドの製造のための方法に関する。
【0109】
最後に、本発明は、本発明の難燃性ポリエステルコンパウンドまたはポリアミドコンパウンドからの繊維、フィルムおよび成形体の、家庭における、工業における、医薬における、自動車における、航空機における、船舶における、宇宙船における、および他の輸送手段における、事務機器における、および高度な防火対策が要求される物体および建築物における使用に関する。
【0110】
上記の熱可塑性ポリエステルは、ポリアルキレンテレフタレート類の群から選択される。本発明の意味において、ポリアルキレンテレフタレート類は、芳香族ジカルボン酸またはそれらの反応性誘導体(例えばジメチルエステル類または無水物)および脂肪族、脂環式もしくは芳香脂肪族のジオール類の反応生成物、ならびにこれらの反応生成物の混合物である。
【0111】
本発明において好ましくは使用されるべきポリアルキレンテレフタレート類は、テレフタル酸(またはそれらの反応性誘導体)および2〜10個のC原子を有する脂肪族もしくは脂環式ジオール類から、公知の方法に従って製造することができる(Kunststoff−Handbuch,Bd.VIII,695−710頁,Karl−Hanser−Verlag,Muenchen 1973)。
【0112】
本発明において好ましく使用されるべきポリアルキレンテレフタレート類は、ジカルボン酸を基準として、少なくとも80モル%、好ましくは90モル%のテレフタル酸残基を含む。
【0113】
本発明において好ましく使用されるべきポリアルキレンテレフタレート類は、テレフタル酸残基の他に、最大20モル%の他の8〜14個のC原子を有する芳香族ジカルボン酸の残基または4〜12個のC原子を有する脂肪族ジカルボン酸の残基、例えばフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シクロヘキサン二酢酸、シクロヘキサンジカルボン酸の残基を含むことができる。
【0114】
本発明で使用されるべきポリアルキレンテレフタレート類は、比較的少量の3もしくは4価アルコール類または三もしくは四塩基性カルボン酸、例えばDE−A−19 00 270に記載されるようなものの導入により、分岐させることができる。好ましい分岐剤の例は、トリメシン酸、トリメリット酸、トリメチロールエタンおよび−プロパンならびにペンタエリスリトールである。
【0115】
テレフタル酸およびその反応性誘導体(例えばそのジアルキルエステル類)およびエチレングリコールおよび/またはプロパンジオール−1,3および/またはブタンジオールー1,4のみから製造されたポリアルキレンテレフタレート類(ポリエチレン−およびポリトリメチレン−およびポリブチレンテレフタレート)、ならびにこれらのポリアルキレンテレフタレート類の混合物が本発明において特に好ましい。
【0116】
好ましいポリブチレンテレフタレート類は、ジカルボン酸を基準として少なくとも80モル%、好ましくは90モル%のテレフタル酸残基と、ジオール成分を基準として少なくとも80モル%、好ましくは少なくとも90モル%のブタンジオールー1,4−残基を含む。
【0117】
好ましいポリブチレンテレフタレート類はさらに、ブタンジオール−1,4−残基の他に、最大20モル%の他の2〜12個のC原子を有する脂肪族ジオール類または6〜21個のC原子を有する脂環式ジオール類、例えばエチレングリコール、プロパンジオール−1,3、2−エチルプロパンジオール−1,3、ネオペンチルグリコール、ペンタン−ジオール−1,5、ヘキサンジオール−1.6、シクロヘキサン−ジメタノール−1,4、3−メチルペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3および−1,6,2−エチルヘキサンジオール−1,3 2,2−ジエチルプロパンジオール−1,3、ヘキサンジオール−2,5、1,4−ジ−([ベータ]−ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチル−シクロブタン、2,2−ビス−(3−[ベータ]−ヒドロキシエトキシフェニル)−プロパンおよび2,2−ビス−(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)−プロパン(DE−A−2407 674、DE−A−24 07 776、DE−A−2715932)の残基を含むことができる。
【0118】
本発明において好ましくは使用されるべきポリアルキレンテレフタレート類はまた、少なくとも2つの上記酸成分から、および/または少なくとも2つの上記アルコール成分および/またはブタンジオール−1,4から製造されるコポリエステルである。特に好ましいコポリエステルは、ポリ−(エチレングリコール/ブタンジオール−1,4)−テレフタレート類である。
【0119】
成分C(ホスファゼン類)としては、Mark, J.A., Allcock, H.R., West, R., “Inorganic Polymers”,Prentice Hall International,1992,61〜141頁に記載される化合物が挙げられる。
【0120】
上記ホスファゼン類はまた、少なくとも1つの上記ホスファゼン(V)および(VI)が少なくとも1つの架橋基で架橋されている、架橋されたホスファゼン類であることもできる。架橋性基は、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ビフェニル基または式(XIII)により表される基からなる
【0121】
【化6】
[式中、
Aは、基−SO
2、基−S−、基−O−または基−C−(CH
3)
2−を意味し、ここで上記架橋基の各々は、基R
1の除去後に残る2つの酸素原子の間に配置され、架橋されたホスファゼンにおけるR
1基の数は、架橋前の上記ホスファゼンにおけるR
1基の全体の数を基準として、50〜99.9%である]。
【0122】
ハロゲン不含ホスファゼン類の上述の例は、単独でまたは組み合わせて使用することができる。
【0123】
環状ホスファゼンおよび直鎖状ホスファゼンの具体的な例には、フェノキシ基および/またはアルコキシ基が環状および直鎖状クロロホスファゼン類
、例えば、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン類、オクタクロロシクロテトラホスファゼン類等の混合物に導入されたホスファゼン化合物の混合物
が含まれる。クロロホスファゼン類は、120〜130℃で塩化アンモニウムと五塩化リンを互いに反応させることによって製造される。
【0124】
架橋されたホスファゼン類の具体的な例としては、4,4’−スルホニルジフェニレン(ビスフェノール−S−残基)を介して架橋された構造を有するフェノキシホスファゼン類;2,2−(4.4’−ジフェニレン)イソプロピリデン基で架橋された構造を有するフェノキシホスファゼン類;4,4’−ジフェニレン基で架橋された構造を有するフェノキシホスファゼン類等が挙げられる。
【0125】
好ましいホスファゼン類の具体的な例としては、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン類、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン類、
フェノキシ基で置換されたシクロペンタホスファゼン類
および類似のシクロホスファゼン類;フェノキシ基によって置換された直鎖状ホスファゼン類が挙げられる。
【0126】
リン酸もしくは縮合リン酸との反応生成物は、メラミンまたは縮合メラミン化合物、例えばメラム、メレムまたはメロン等とリン酸との反応により生成する化合物と理解される。これに関する例は、ジメラミンホスフェート、ジメラミンピロホスフェート、メラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メラムポリホスフェート、メロンポリホスフェートおよびメレムポリホスフェート、または例えばWOーAー98/39306に記載されるような混合ポリ塩である。
【0127】
特に好ましくは、成分Dは、メラミンポリホスフェートまたはメラミンシアヌレートである。
【0128】
特に好ましくは、本発明では、タルク、珪灰石、カオリンおよび/またはガラス繊維をベースとする鉱物性の微粒子形フィラーが使用される。
【0129】
特に、寸法安定性における等方性および高い熱寸法安定性が要求される用途のためには、例えば車体の外側部分に関する自動車用途においては、好ましくは、鉱物性のフィラー、特にタルク、珪灰石またはカオリンが使用される。
【0130】
特に好ましくは、さらに、針状の鉱物性フィラーも使用することができる。針状の鉱物性フィラーは、本発明において、非常に顕著な針状特性を有する鉱物性フィラーとして理解される。例としては、針状の珪灰石が挙げられる。好ましくは、上記鉱物は、2:1〜35:1、特に好ましくは3:1〜19:1、最も好ましくは4:1〜12:1の、長さと直径との比を有する。本発明において適切な針状鉱物の平均粒径は、好ましくは、20ミクロン未満、特に好ましくは15ミクロン未満、特に好ましくは10ミクロン未満である。
【0131】
上記のフィラーおよび/または強化材は、任意選択的に表面改質されていてよく、例えば接着促進剤または接着促進剤系(例えばシランベースの)で表面改質されていてもよい。しかしながら、前処理は必ずしも必要ではない。特に、ガラス繊維を使用する場合には、シラン類に加えて、ポリマー分散体、皮膜形成剤、分岐剤および/またはガラス繊維加工助剤も追加的に使用することができる。
【0132】
特に好ましい強化材は、概して7〜18ミクロン、好ましくは9〜15ミクロンの間の繊維直径を有するガラス繊維であり、連続繊維としてまたは切断されたもしくは粉砕された繊維として添加される。上記繊維は、適切なサイズ系および接着促進剤または接着促進剤系(例えばシランベースの)とともに供給されてもよい。
【0133】
好ましい接着促進剤は、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノブチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシランの群のシラン化合物、ならびに置換基としてグリシジル基を含む対応のシラン類である。
【0134】
フィラーの処理のためには、概して、シラン化合物が、鉱物性フィラーを基準として、0.05〜2重量%、好ましくは0.25〜1.5重量%、特に0.5〜1重量%の量で、表面コーティングのために使用される。
【0135】
上記の微粒子形フィラーは、成形材料または成形体への加工の結果、当該成形材料または成形体において、元々使用されたフィラーより小さいd97−またはd50値を有し得る。上記ガラス繊維は、成形材料または成形体への加工の結果、当該成形材料または成形体において、元々使用されたよりも小さい長さ分布を示す。
【0136】
別の代替的な好ましい実施形態において、上記成形材料は、成分A〜Dに追加的に、少なくとも1つの潤滑剤および/または離型剤を含むことができる。このためには、例えば、長鎖脂肪酸(例えばステアリン酸またはベヘン酸)、それらの塩(例えばステアリン酸Caまたはステアリン酸Zn)およびそれらのエステル誘導体またはアミド誘導体(例えばエチレン−ビス−ステアリルアミド)、モンタンワックス類(28〜32個のC原子の鎖長を有する直鎖状の飽和カルボン酸の混合物)ならびに低分子量ポリエチレン−もしくはポリプロピレンワックス類が適している。本発明において、低分子量ポリエチレンワックス類ならびに8〜40個のC原子を有する飽和または不飽和脂肪族カルボン酸と2〜40個のC原子を有する脂肪族飽和アルコール類とのエステルの群からの潤滑剤および/または離型剤が好ましくは使用され、ここで、ペンタエリスリトール−テトラステアレート(PETS)が特に極めて好ましい。
【0137】
別の代替的な好ましい実施形態において、上記成形材料は、成分A〜Dに追加的に、さらなる添加剤を含むことができる。慣用の添加剤は、例えば、安定剤(例えばUV安定剤、熱安定剤、γ線照射安定剤、加水分解安定剤)、静電防止剤、さらなる難燃剤、乳化剤、核形成剤、可塑剤、加工助剤、衝撃改質剤、染料および顔料である。上記添加剤は、単独でまたは混合物においてもしくはマスターバッチの形態で使用することができ、あるいは予め溶融物に混合するかまたはそれらの表面に塗布してもよい。
【0138】
安定剤としては、例えば、立体障害フェノール類および/またはホスファイト類、ヒドロキノン類、芳香族2級アミン、例えばジフェニルアミン類、置換されたレゾルシン類、サリチレート類、ベンゾトリアゾール類およびベンゾフェノン類、ならびにこれらの群の様々に置換された代替物およびそれらの混合物を使用することができる。適切なUV安定剤としては、様々に置換されたレゾルシン類、サリチレート類、ベンゾトリアゾール類およびベンゾフェノン類が挙げられる。
【0139】
衝撃改質剤(エラストマー改質剤、改質剤)は、ごく一般的に、好ましくは以下のモノマーのうちの少なくとも2つから構成されるコポリマーである:エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブテン、イソプレン、クロロプレン、ビニルアセテート、スチレン、アクリロニトリル、およびアルコール構成部分に1〜18個のC原子を有するアクリル−またはメタクリル酸エステル。
【0140】
無機顔料、例えば二酸化チタン、ウルトラマリンブルー、酸化鉄、硫化亜鉛、およびカーボンブラック、さらに有機顔料、例えばフタロシアニン類、キナクリドン類、ペリレン類、ならびに染料、例えば着色剤としてのニグロシンおよびアントラキノン類、ならびに他の着色剤を添加することができる。本発明の枠内においては、カーボンブラックの使用が好ましい。
【0141】
核形成剤としては、例えばナトリウム−もしくはカルシウムフェニルホスフィネート、酸化アルミニウムまたは二酸化ケイ素、および好ましくは滑石を使用することができる。
【0142】
加工助剤としては、例えば少なくとも1種の[α]−オレフィンと少なくとも1種の脂肪族アルコールのメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルとの共重合体を使用することができる。その際、[α]−オレフィンがエテンおよび/またはプロペンから構成されており、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルがアルコール構成部分として直鎖状または分岐状の4〜20個のC原子を含むアルキル基を含む共重合体が好ましい。アクリル酸ブチルエステルおよびアクリル酸−(2−エチル)−ヘキシルエステルが特に好ましい。
【0143】
可塑剤の例としては、フタル酸ジオクチルエステル、フタル酸ジベンジルエステル、フタル酸ブチルベンジルエステル、炭化水素油およびN−(n−ブチル)ベンゼンスルホンアミドが挙げられる。
【0144】
好ましくは、本発明の難燃性のポリエステルコンパウンドは、さらにカルボジイミド類を含む。
【0145】
成分A、B、CおよびDは、全成分を粉末および/または粒状物としてミキサー中で予め混合し、続いてコンパウンディングユニット(例えば二軸スクリュー押出機)においてポリマー溶融物に均質化することによって、熱可塑性ポリエステル類に導入することができる。当該溶融物は通常ストランドとして取られ、冷却され、造粒される。成分CおよびDは、別々に、計量添加系を介して、コンパウンディングユニットに直接導入することもできる。
【0146】
同様に、難燃性添加剤A、B、CおよびDを完成したポリマー粒状物または−粉末に混合し、混合物を直接射出成形機において成形部品に加工することが可能である。
【0147】
例えば、ポリエステル類の場合には、難燃性添加剤A、B、CおよびDは、重縮合の間に既に、ポリエステル材料に添加されてもよい。
【0148】
上記の難燃性ポリエステルコンパウンドは、例えば射出成形、押出または圧縮による、成形体、フィルム、フィラメントおよび繊維の製造に適している。