(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)反応性希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)非反応性希釈剤と、を含む感光性樹脂組成物であって、
前記(E)非反応性希釈剤が、25℃において液相である有機化合物を複数種含み、前記(E)非反応性希釈剤中に、25℃における表面張力が30.0mN/m未満の前記有機化合物を15質量%以上60質量%以下含み、
25℃における表面張力が30.0mN/m未満の前記有機化合物が、下記式(1)
R1−O−R2−O−R3−O−R4 (1)
(式中:R1、R2、R3、R4、は、それぞれ、独立して、炭素数1〜3のアルキル基を意味する。)で表される有機化合物であり、
前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対し、前記(E)非反応性希釈剤を80質量部以上120質量部以下含む、感光性樹脂組成物。
前記(E)非反応性希釈剤中に、25℃における表面張力が28.0mN/m未満の前記有機化合物を15質量%以上60質量%以下含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の感光性樹脂組成物について詳細に説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)反応性希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)非反応性希釈剤と、を含む感光性樹脂組成物であって、前記(E)非反応性希釈剤が、25℃において液相である有機化合物を複数種含み、前記(E)非反応性希釈剤中に、25℃における表面張力が30.0m
N/m未満の前記有機化合物を10質量%以上60質量%以下含む。
【0016】
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
カルボキシル基含有感光性樹脂は、遊離のカルボキシル基を有する感光性の樹脂であれば、その化学構造は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂として、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基に多塩基酸又は多塩基酸無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0017】
多官能性エポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であれば、その化学構造は、特に限定されない。多官能性エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に限定されないが、その上限値は、3000g/eqが好ましく、1000g/eqがより好ましく、500g/eqが特に好ましい。一方で、多官能性エポキシ樹脂のエポキシ当量の下限値は、100g/eqが好ましく、200g/eqが特に好ましい。
【0018】
多官能性エポキシ樹脂には、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0019】
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などを挙げることができる。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0020】
エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法は、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸とを適当な有機溶剤中で加熱処理することにより、反応させることができる。
【0021】
多塩基酸又は多塩基酸無水物は、前記エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応により生成した水酸基に反応させることで、感光性樹脂に遊離のカルボキシル基を導入するためのものである。感光性樹脂に遊離のカルボキシル基が導入されることで、感光性樹脂にアルカリ現像性が付与される。多塩基酸又は多塩基酸無水物は、特に限定されず、多塩基酸には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、多塩基酸無水物としてはこれらの無水物が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と多塩基酸又は多塩基酸無水物との反応方法は、特に限定されず、例えば、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と多塩基酸又は多塩基酸無水物とを適当な有機溶剤中で加熱処理することにより、反応させることができる。
【0022】
本発明においては、上記した多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂もカルボキシル基含有感光性樹脂として使用できるが、必要に応じて、上記多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物を付加反応させることにより、カルボキシル基含有感光性樹脂にラジカル重合性不飽和基を更に導入し、感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂としてもよい。
【0023】
この感光性をより向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂は、前記グリシジル化合物の反応によって、ラジカル重合性不飽和基が、多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂骨格の側鎖に結合するため、光重合反応性が高く、より優れた感光特性を発揮することができる。1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリメタアクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】
カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価は、特に限定されないが、その下限値は、確実なアルカリ現像性を得る点から30mgKOH/gが好ましく、40mgKOH/gが特に好ましい。一方で、カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価の上限値は、アルカリ現像液による露光部の溶解防止の点から200mgKOH/gが好ましく、カルボキシル基含有感光性樹脂の硬化物の耐湿性と絶縁性の低下防止の点から150mgKOH/gが特に好ましい。
【0025】
カルボキシル基含有感光性樹脂の質量平均分子量は、特に限定されないが、その下限値は、硬化物の強靭性、機械的強度及び指触乾燥性の点から6000が好ましく、7000が特に好ましい。一方、カルボキシル基含有感光性樹脂の質量平均分子量の上限値は、アルカリ現像性を確実に得る点から200000が好ましく、100000がより好ましく、50000が特に好ましい。
【0026】
カルボキシル基含有感光性樹脂は、上記各原材料を用いて上記反応工程にて合成してもよく、上市されているカルボキシル基含有感光性樹脂を使用してもよい。上市されているカルボキシル基含有感光性樹脂としては、例えば、「SP−4621」(昭和電工(株))、「ZAR−2000」、「ZFR−1122」、「FLX−2089」、「ZCR−1569H」(以上、日本化薬(株))、「サイクロマーP(ACA)Z−250」(ダイセル・オルネクス(株))等を挙げることができる。これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
(B)光重合開始剤
光重合開始剤は、特に限定されず、公知のものを使用することができる。光重合開始剤としては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−
モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。また、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系光重合開始剤を使用してもよい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
光重合開始剤の含有量は、特に限定されず、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部(固形分、以下同じ。)に対して、5質量部〜50質量部が好ましく、10質量部〜30質量部が特に好ましい。
【0029】
(C)反応性希釈剤
反応性希釈剤とは、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つ、好ましくは1分子当たり少なくとも2つの重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する硬化物を得るために使用する。少なくとも光重合性を有さない非反応性希釈剤とは、光重合性の有無の点で相違する。
【0030】
反応性希釈剤は、上記化合物であれば特に限定されず、例えば、モノ(メタ)アクリレートモノマー類、2官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマー類等を挙げることができる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールモノ(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシ‐3‐フェノキシプロピル(メタ)アクリルレート、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0031】
反応性希釈剤の含有量は、特に限定されず、例えば、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、5質量部〜100質量部が好ましく、10質量部〜50質量部が特に好ましい。
【0032】
(D)エポキシ化合物
エポキシ化合物は、硬化塗膜の架橋密度を上げて十分な強度の硬化塗膜を得るためのものである。エポキシ化合物としては、例えば、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂としては、例えば、上記したカルボキシル基含有感光性樹脂の調製に使用するエポキシ樹脂を挙げることができ、具体的には、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0033】
エポキシ化合物の含有量は、特に限定されないが、硬化後に十分な強度の塗膜を得つつ感光性の低下を防止する点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、10〜70質量部が好ましく、20〜60質量部が特に好ましい。
【0034】
(E)非反応性希釈剤
非反応性希釈剤は、25℃において液相である非反応性希釈剤を複数種含む混合物であり、非反応性希釈剤中には、25℃における表面張力が30.0m
N/m未満の非反応性希釈剤が10質量%以上60質量%以下含まれている。非反応性希釈剤中に、25℃における表面張力が30.0m
N/m未満の反応性希釈剤が10質量%以上60質量%以下含まれることにより、ブラインドビアホール埋まり性、膜厚均一性、カバーリング性に優れた硬化物を得ることができる感光性樹脂組成物とすることができる。
【0035】
非反応性希釈剤中に10質量%以上60質量%以下含まれている非反応性希釈剤の25℃における表面張力は30.0m
N/m未満であれば、特に限定されないが、25℃における表面張力は29.0m
N/m未満が好ましく、25℃における表面張力は28.0m
N/m未満が特に好ましい。25℃における表面張力が30.0m
N/m未満の非反応性希釈剤について、該表面張力の下限値は、特に限定されないが、塗工性の点から10.0m
N/mが好ましい。非反応性希釈剤としては、例えば、有機溶剤等の有機化合物を挙げることができる。
【0036】
25℃における表面張力が30.0m
N/m未満の有機溶剤としては、例えば、下記式(1)
R
1−O−R
2−O−R
3−O−R
4 (1)
(式中:R
1、R
2、R
3、R
4、は、それぞれ、独立して、炭素数1〜3のアルキル基を意味する。)で表され、且つ上記表面張力が30.0m
N/m未満の有機化合物、下記式(2)
HO−R
5−O−R
6−O−R
7 (2)
(式中:R
5、R
6、R
7は、それぞれ、独立して、炭素数1〜3のアルキル基を意味する。)で表され、且つ上記表面張力が30.0m
N/m未満の有機化合物が好ましい。これらのうち、式(1)で表される有機化合物としては、ジエチレングリコールジエチルエーテル(25℃における表面張力25m
N/m)が特に好ましく、式(2)で表される有機化合物としては、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(25℃における表面張力27.9m
N/m)が特に好ましい。
【0037】
上記の通り、25℃における表面張力が30.0m
N/m未満の有機化合物は、全非反応性希釈剤中(非反応性希釈剤の総計100質量%中)に10質量%以上60質量%以下含まれている。25℃における表面張力が30.0m
N/m未満の有機化合物が全非反応性希釈剤中に10質量%未満では、ブラインドビアホール埋まり性が得られず、60質量%超ではカバーリング性が得られない。25℃における表面張力が30.0m
N/m未満の有機化合物の配合割合は、全非反応性希釈剤中に10質量%以上60質量%以下であれば、特に限定されないが、ブラインドビアホール埋まり性、膜厚均一性、カバーリング性をよりバランスよく向上させる点から、全非反応性希釈剤中に15質量%以上55質量%以下が好ましく、全非反応性希釈剤中に20質量%以上50質量%以下が特に好ましい。
【0038】
感光性樹脂組成物中における全非反応性希釈剤の配合割合は、特に限定されないが、ブラインドビアホール埋まり性、膜厚均一性、カバーリング性に優れた硬化物を得つつ、感光性樹脂組成物の粘度や乾燥性を適度に調節する点から、10質量%以上100質量%以下が好ましく、15質量%以上50質量%以下がより好ましく、20質量%以上30質量%以下が特に好ましい。
【0039】
全非反応性希釈剤の含有量は、特に限定されないが、ブラインドビアホール埋まり性、膜厚均一性、カバーリング性に優れた硬化物を得つつ、感光性樹脂組成物の粘度や乾燥性を適度に調節する点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、40質量部以上400質量部以下が好ましく、60質量部以上200質量部以下がより好ましく、80質量部以上120質量部以下が特に好ましい。
【0040】
非反応性希釈剤中における残部は、25℃における表面張力が30.0m
N/m以上の非反応性希釈剤である。従って、非反応性希釈剤中には、25℃における表面張力が30.0m
N/m以上の非反応性希釈剤が40質量%以上90質量%以下含まれている。25℃における表面張力が30.0m
N/m以上の非反応性希釈剤は、特に限定されず、25℃における表面張力が30.0m
N/m以上の有機溶剤等の有機化合物を挙げることができる。25℃における表面張力が30.0m
N/m以上の有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(25℃における表面張力31m
N/m)、プロピレングリコールジアセテート(25℃における表面張力31m
N/m)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(25℃における表面張力31m
N/m)等を挙げることができる。
【0041】
本発明の感光性樹脂組成物には、上記した(A)成分〜(E)成分の他に、必要に応じて、種々の成分、例えば、着色剤、体質顔料、各種添加剤(例えば、硬化触媒、有機フィラー、チキソ性付与剤等)、難燃剤等を、適宜、含有させることができる。
【0042】
着色剤は、顔料、色素等、特に限定されず、また、白色着色剤、青色着色剤、緑色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤、黒色着色剤、橙色着色剤等、いずれの色彩の着色剤も使用可能である。上記着色剤には、例えば、白色着色剤である酸化チタン、黒色着色剤であるカーボンブラック等の無機系着色剤や、緑色着色剤であるフタロシアニングリーン及び青色着色剤であるフタロシアニンブルーやリオノールブルー等のフタロシアニン系、黄色着色剤であるクロモフタルイエロー等のアントラキノン系等の有機系着色剤などを挙げることができる。
【0043】
体質顔料には、タルク、硫酸バリウム、疎水性シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、マイカ、ウレタンビーズ等を挙げることができる。各種添加剤には、メルカプトベンゾオキサザール及びその誘導体、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)及びその誘導体、グアナミン及びその誘導体、アミンイミド(AI)並びにポリアミン等の硬化触媒等を挙げることができる。消泡剤には、シリコーン系、炭化水素系及びアクリル系等を挙げることができる。
【0044】
難燃剤は、感光性樹脂組成物の光硬化物に難燃性を付与するためのものである。難燃剤としては、例えば、リン系の難燃剤を挙げることができる。具体的には、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェートなどのノンハロゲン系脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどのノンハロゲン系芳香族リン酸エステル;トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのホスフィン酸の金属塩、9,10-ジヒドロ-9-
オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド、ジフェニルビニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリアルキルホスフィンオキサイド、トリス(ヒドロキシアルキル)ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。これらのうち、有機リン酸塩系が好ましい。
【0045】
上記した本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されず、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合してもよい。また、まず、(E)非反応性希釈剤以外を所定割合で配合後、混練または混合して樹脂組成物としてから、(E)非反応性希釈剤を添加してさらに混練または混合してもよい。
【0046】
次に、上記した本発明の感光性樹脂組成物の使用方法例について説明する。ここでは、まず、銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有し、ブラインドビアホールが設けられたプリント配線板上に、本発明の感光性樹脂組成物を塗工して、ソルダーレジスト膜を形成する方法を例にとって説明する。
【0047】
銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有し、ブラインドビアホールが設けられたプリント配線板上に、上記のように製造した感光性樹脂組成物を、スクリーン印刷、スプレーコータ、バーコータ、アプリケータ、ブレードコータ、ナイフコータ、ロールコータ、グラビアコータ等の公知の方法を用いて、所望の厚さに塗布し、また、ブラインドビアホール内部に感光性樹脂組成物を充填する。次に、感光性樹脂組成物中の非反応性希釈剤(例えば、有機溶剤)を揮散させるために60〜90℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行い、感光性樹脂組成物から非反応性希釈剤を揮発させて塗膜の表面をタックフリーの状態にする。塗布した感光性樹脂組成物上に、前記回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルムを密着させ、その上から紫外線(例えば、波長300〜400nmの範囲)を照射させる。そして、前記ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜を現像する。現像方法には、スプレー法、シャワー法等が用いられ、使用される希アルカリ水溶液としては、例えば、0.5〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液が挙げられる。次いで、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアを行うことにより、プリント配線板上に、目的のパターンを有する硬化塗膜であり、ブラインドビアホールも硬化塗膜で充填されたソルダーレジスト膜を形成させることができる。
【実施例】
【0048】
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
【0049】
実施例1〜6、比較例1〜3
非反応性希釈剤以外の下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて樹脂組成物を調製した。その後、得られた樹脂組成物に非反応性希釈剤を添加して上記と同様に混合分散させることで、実施例1〜6、比較例1〜3にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示す。なお、下記表1中の配合量の空欄部は、配合なしを意味する。
【0050】
なお、表1、2中の各成分についての詳細は、以下の通りである。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・FLX−2089:固形分(樹脂分)65質量%、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(25℃における表面張力が31m
N/m)35質量%。エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸を反応させて、エポキシアクリレートを得、生成した水酸基に多塩基酸を反応させて得られる構造である、多塩基酸変性エポキシアクリレート。日本化薬(株)
(B)光重合開始剤
・Chemcure DETX:日本シイベルヘグナー(株)
・イルガキュア 907:BASF(株)
(C)反応性希釈剤
・KRM 8296:ダイセル・オルネクス(株)
(D)エポキシ化合物
・EPICRON 860:DIC(株)
【0051】
着色剤
・LIONOL BLUE FG7351:トーヨーカラー(株)
・クロモフタルイエロー:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)
体質顔料
・RHC−730クリアー:大日精化工業(株)
・ハイジライト H−42STV:昭和電工(株)
添加剤
・DICY−7:三菱化学(株)
・メラミン:日産化学工業(株)
消泡剤
・KS−66:信越化学工業(株)
難燃剤
・エクソリット OP−935:クラリアントジャパン(株)
【0052】
(E)非反応性希釈剤
・ハイソルブ EDE:25℃における表面張力が25m
N/m、東邦化学(株)
・ハイソルブ DPM:25℃における表面張力が28m
N/m、東邦化学(株)
・EDGAC:25℃における表面張力が31m
N/m、三洋化成品(株)
【0053】
試験片作製工程
基板:φ100μm、深さ70μmのブラインドビアホール部および導体厚18μmの配線パターンが設けられた基板
表面処理:酸処理(5質量%の硫酸溶液)
印刷法:スクリーン印刷
DRY膜厚:20〜23μm
予備乾燥:80℃、20分
露光:塗膜上に250mJ/cm
2 (オーク製造所(株)、HMW−680GW)
現像:1質量%炭酸ナトリウム水溶液、現像時間60秒、スプレー圧0.2MPa
ポストキュア:150℃、30分
【0054】
評価項目
(1)ブラインドビアホール埋まり性
上記のようにして得られた試験片のブラインドビアホール部100箇所に感光性樹脂組成物が埋まっているかを、光学顕微鏡(×40倍)で観察し、埋まっているブラインドビアホール部を算出して、以下のように評価した。
◎:100箇所ともブラインドビアホール部が埋まっている。
○:90〜99箇所のブラインドビアホール部が埋まっている。
△:80〜89箇所のブラインドビアホール部が埋まっている。
×:79箇所以下のブラインドビアホール部が埋まっている。
【0055】
(2)膜厚均一性
上記のようにして得られた試験片の配線パターン間の硬化塗膜の断面を封止、研磨後、光学顕微鏡(×40倍)にてN=9で観察し、膜厚を測長して、以下のように評価した。○:膜厚の最大、最小の差が3μm未満。
△:膜厚の最大、最小の差が3μm以上、5μm未満。
×:膜厚の最大、最小の差が5μm以上。
【0056】
(3)カバーリング性
上記のようにして得られた試験片の単独配線パターン上の硬化塗膜の断面を封止、研磨後、光学顕微鏡(×40倍)にてN=9で観察し、膜厚を測長して、以下のように評価した。
○:配線上エッジ部の硬化塗膜の膜厚15μm以上。
△:配線上エッジ部の硬化塗膜の膜厚10μm以上15μm未満。
×:配線上エッジ部の硬化塗膜の膜厚10μm未満。
【0057】
評価結果を下記表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
表1に示すように、25℃における表面張力が30m
N/m未満の非反応性希釈剤が、全非反応性希釈剤中に15質量%〜50質量%含まれる実施例1〜6では、ブラインドビアホール埋まり性、膜厚均一性、カバーリング性に優れた硬化塗膜を得ることができた。特に、実施例4、5から、25℃における表面張力が25m
N/mの非反応性希釈剤が配合されると、少量の配合割合でもブラインドビアホール埋まり性、膜厚均一性、カバーリング性に優れた硬化塗膜を得ることができた。
【0060】
一方で、25℃における表面張力が30m
N/m未満の非反応性希釈剤が、全非反応性希釈剤中に0質量%〜8質量%含まれる比較例1、2では、ブラインドビアホール埋まり性が得られず、25℃における表面張力が30m
N/m未満の非反応性希釈剤が、全非反応性希釈剤中に61質量%含まれる比較例3では、カバーリング性が得られなかった。