特許第6986484号(P6986484)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986484
(24)【登録日】2021年12月1日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】加熱調理器の情報報知システム
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20211213BHJP
   F24C 7/04 20210101ALI20211213BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20211213BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20211213BHJP
   A47J 27/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   F24C3/12 E
   F24C7/04 301A
   F24C7/04 301Z
   F24C15/00 M
   F24C15/00 D
   H05B6/12 313
   A47J27/00 109L
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-78251(P2018-78251)
(22)【出願日】2018年4月16日
(65)【公開番号】特開2019-184197(P2019-184197A)
(43)【公開日】2019年10月24日
【審査請求日】2020年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000190301
【氏名又は名称】新コスモス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】柴垣 俊浩
(72)【発明者】
【氏名】杉本 喜輝
(72)【発明者】
【氏名】越智 貴志
(72)【発明者】
【氏名】黒田 修平
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−203570(JP,A)
【文献】 特開2014−163537(JP,A)
【文献】 特開2018−031582(JP,A)
【文献】 特開2017−150724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
F24C 7/04
F24C 15/00
H05B 6/12
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電装部の駆動電源として乾電池を搭載し、音声出力部を備える加熱調理器と、情報出力部を備える外部機器とで構成される加熱調理器の情報報知システムであって、
加熱調理器および外部機器は相互にペアリング接続可能であり、
加熱調理器および外部機器相互がペアリング接続されていない状態では、加熱調理器の動作状態や操作ガイダンスなどの報知情報を、加熱調理器の音声出力部から報知音にて出力し、加熱調理器および外部機器相互がペアリング接続された状態では、前記報知情報を、加熱調理器の音声出力部から報知音にて出力するとともに、加熱調理器からの出力指示に応じて外部機器の情報出力部から音声にて出力可能としたことを特徴とする、加熱調理器の情報報知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理器の情報報知システムにおいて、
前記報知情報を記憶する外部記憶装置をさらに備え、
外部記憶装置に記憶された前記報知情報を、加熱調理器からの出力指示に応じて外部機器の情報出力部から出力可能としたことを特徴とする、加熱調理器の情報報知システム。
【請求項3】
請求項に記載の加熱調理器の情報報知システムにおいて、
外部記憶装置は、外部機器と異なる場所に設置されるネットワークサーバであり、
外部機器は、前記報知情報を、外部記憶装置から外部通信ネットワークを介して取得し、情報出力部から出力可能としたことを特徴とする、加熱調理器の情報報知システム。
【請求項4】
請求項又はに記載の加熱調理器の情報報知システムにおいて、
外部機器は、外部記憶装置から取得した報知情報を記憶保持する外機側情報記憶部を備え、前記報知情報を、外機側情報記憶部に記憶された報知情報の中から選択し、情報出力部から出力可能としたことを特徴とする、加熱調理器の情報報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器の動作状態や操作ガイダンスなどの情報を報知させる情報報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンロやグリル装置などの加熱調理器において、加熱調理器の動作状態や操作ガイダンスなどの報知情報を音声にて出力する報知機能を備えたものが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−078141号公報
【特許文献2】特開2004−205177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、この種の加熱調理器では、異常を検知して自動で加熱を制限する安全機能や選択された調理メニューに応じて自動で加熱量を調整する自動調理機能など、自動制御の多様化が進んでおり、その分、加熱調理器の動作状態や操作ガイダンスなどの報知情報も多くなってきている。そのため、上記従来の加熱調理器のように、上記報知情報を調理器本体に組み込まれた音声出力部から音声にて出力させるものでは、単なるブザー音を出力するものに比べて電力消費量が多くなる。従って、特に乾電池を電源として音声出力部や点火装置等の電装部を駆動させる乾電池式の加熱調理器においては、乾電池の使用期間が極端に短くなる問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、乾電池を電装部の駆動電源とする加熱調理器の情報報知システムにおいて、加熱調理器の省電力化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電装部の駆動電源として乾電池を搭載し、音声出力部を備える加熱調理器と、情報出力部を備える外部機器とで構成される加熱調理器の情報報知システムであって、加熱調理器および外部機器は相互にペアリング接続可能であり、加熱調理器および外部機器相互がペアリング接続されていない状態では、加熱調理器の動作状態や操作ガイダンスなどの報知情報を、加熱調理器の音声出力部から報知音にて出力し、加熱調理器および外部機器相互がペアリング接続された状態では、前記報知情報を、加熱調理器の音声出力部から報知音にて出力するとともに、加熱調理器からの出力指示に応じて外部機器の情報出力部から音声にて出力可能としたことを特徴とするものである。
このものでは、加熱調理器の動作状態や操作ガイダンスなどの報知情報を加熱調理器から報知音にて、外部機器から音声にて出力させることができるため、その分、加熱調理器の電力消費量を低減できる。従って、上記のような乾電池式の加熱調理器であっても、乾電池の使用期間が極端に短くなることがない。
【0008】
好ましくは、上記加熱調理器の情報報知システムにおいて、前記報知情報を記憶する外部記憶装置をさらに備え、外部記憶装置に記憶された前記報知情報を、加熱調理器からの出力指示に応じて外部機器の情報出力部から出力可能とする。
【0009】
このものでは、加熱調理器の機種や機能等に対応する種々の報知情報を外部記憶装置に一括して記憶保持させておけば、必要とする報知情報を外部記憶装置から外部機器に適宜取り込み、出力させることができるため、加熱調理器毎に異なる報知情報を外部機器に保有させておく必要がない。
【0010】
好ましくは、上記加熱調理器の情報報知システムにおいて、外部記憶装置は、外部機器と異なる場所に設置されるネットワークサーバであり、外部機器は、前記報知情報を、外部記憶装置から外部通信ネットワークを介して取得し、情報出力部から出力可能とする。
【0011】
このものでは、加熱調理器の機種や機能等に対応する種々の報知情報を外部機器と異なる場所に設置されたネットワークサーバ(外部記憶装置)に一括して記憶保持させておくことで、必要とする報知情報を上記ネットワークサーバから外部機器に適宜取り込み、出力させることができるため、加熱調理器毎に異なる報知情報を外部機器に保有させておく必要がない。
【0012】
また、既に保有している報知情報の更新や新たな報知情報の追加など、各所の外部機器から出力させる報知情報をネットワークサーバ側で一括して管理できるため、報知情報の管理も容易である。
【0013】
好ましくは、上記加熱調理器の情報報知システムにおいて、外部機器は、外部記憶装置から取得した報知情報を記憶保持する外機側情報記憶部を備え、前記報知情報を、外機側情報記憶部に記憶された報知情報の中から選択し、情報出力部から出力可能とする。
【0014】
このものでは、加熱調理器の動作状態や操作ガイダンスなどの報知情報を、外部記憶装置から外部機器の外機側情報記憶部に予め取り込んでおき、その外機側情報記憶部に記憶された報知情報の中から必要とする報知情報を選択し、情報出力部から出力させることができるため、加熱調理器の動作状態や設定条件などその時々に応じて外部記憶装置から外部機器に報知情報を取り込むように構成されたものに比べて、外部機器と外部記憶装置との間の通信を削減できる。よってその分、外部機器の電力消費量を低減できる。また、外部機器と外部記憶装置との間で余分な通信がない分、外部機器の応答速度も向上する。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、報知情報の出力に要する加熱調理器の電力消費量を低減することができ、加熱調理器の省電力化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の情報報知システムにおける加熱調理器および外部機器の概略斜視図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の情報報知システムの概略構成図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の情報報知システムの概略ブロック図である。
図4図4は、本発明の他の実施形態に係る加熱調理器の情報報知システムの概略構成図である。
図5図5は、本発明の他の実施形態に係る加熱調理器の情報報知システムの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、上記した本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳述する。
【0018】
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の情報報知システムは、加熱調理器1と、図示しない給湯器を遠隔操作するための外部機器としての給湯用リモコン(以下、単に「リモコン」という)3と、加熱調理器1の動作状態や操作ガイダンスなどの報知情報を保有する外部記憶装置としてのネットワークサーバ(以下、「外部サーバ」という)4とで構成される。
【0019】
加熱調理器1は、キッチンのカウンタトップ5に開設された取付口50に落とし込み状態で装着されるガスコンロ、所謂ビルトインコンロであり、天板11の上面には、五徳22上に載置された鍋やフライパン等の調理容器を加熱する単数或いは複数のコンロバーナ21が設けられている。
【0020】
加熱調理器1の本体(以下、「調理器本体」という)10の内部には、食材のグリル調理を行うためのグリル庫12が設けられており、グリル庫12内には、庫内に収容された食材や調理容器を加熱する単数又は複数のグリルバーナ23が配されている。尚、本明細書では、カウンタトップ5の前方側に面して配置される調理器本体10の前面(以下、「調理器前面」という)13を加熱調理器1の正面とし、調理器本体10を正面側から見たときの奥行き方向を前後方向、幅方向を左右方向、高さ方向を上下方向という。
【0021】
コンロバーナ21およびグリルバーナ23は何れも、燃料ガスと空気の混合ガスを燃焼させて燃焼排ガスを生成し、その燃焼排ガスを熱源として食材や調理容器などの被加熱物を加熱するバーナであり、図示しないガス配管から調理器本体10内に組み込まれたバルブユニット24を介して燃料ガスが供給される。尚、図示しないが、バルブユニット24は、対応するコンロ点消火操作子16又はグリル点消火操作子17による操作、および、調理器本体10内に組み込まれた調理器制御回路100からの指示に応じて開度調整される複数の弁体で構成されており、これら弁体によって各バーナ21,23へのガスの供給量が適宜調整される。
【0022】
コンロバーナ21の中央部には、五徳22上に載置された調理容器の底部に当接し、容器底面の温度状態を検出する鍋底温度センサ25が設けられている。グリル庫12内には、庫内の温度状態を検出する庫内温度センサ26が設けられている。コンロバーナ21およびグリルバーナ23の炎孔形成部の近傍にはそれぞれ、対応するバーナ21,23の燃焼炎の有無を検出する炎検知センサ27と、炎孔形成部の近傍で火花放電させる点火プラグ28とが設けられている。
【0023】
調理器前面13には、コンロバーナ21やグリルバーナ23による被加熱物の加熱条件を設定入力するための設定操作パネル14と、加熱調理器1の主電源のオンおよびオフを手動操作するための電源スイッチ15と、コンロバーナ21の点火や消火、火力調整を手動操作するためのコンロ点消火操作子16と、グリルバーナ23の点火や消火、火力調整を手動操作するためのグリル点消火操作子17とが設けられている。
【0024】
設定操作パネル14は、被加熱物の加熱制御方法(自動調理モード)や調理時間、加熱温度など自動調理の加熱条件を設定入力する複数の設定入力スイッチ14A、および、設定入力スイッチ14Aにより設定された加熱条件を表示する設定表示部14Bによって構成されている。
【0025】
尚、図示しないが、設定入力スイッチ14Aは、自動調理モードを選択設定するための調理モード設定スイッチ、調理時間を設定するためのタイマ設定スイッチ、加熱温度を設定するための温度設定スイッチ、設定された調理時間や加熱温度、自動調理モードのさらに詳細なコースメニューを変更するためのアップダウンスイッチ等からなり、これら各スイッチを用いて被加熱物の加熱条件を設定入力することができる。また、自動調理モードやその各コースメニューは、機種毎に異なった種類が搭載されており、例えば、自動調理モードとして、簡素型の加熱調理器1では「湯沸し」のみ搭載され、中級型および高級型の加熱調理器1では「湯沸し」、「煮物」、「揚げ物」、「炊飯」が搭載される。さらに、炊飯モードのコースメニューとして、中級型の加熱調理器1では「ごはん(標準)」、「おかゆ」のみ搭載され、高級型の加熱調理器では「ごはん(標準)」、「おかゆ」に加え、上記ごはん(標準)の炊飯モードとは異なる食感で炊き上げる「ごはん(もちもち)」、専用の土鍋を用いて炊飯する「専用土鍋」が搭載される。
【0026】
調理器本体10の内部には、各バーナ21,23の失火や火力制限機能が働いたことを示す報知音を出力する音声出力部(以下、「器具側音声出力部」という)18と、加熱調理器1の識別信号(以下、「器具識別信号」という)や、加熱調理器1の動作状態、設定された調理条件などの表示や音声の出力を要求する出力指示信号をリモコン3へ無線送信したり、リモコン3から送信される識別信号(以下、「外機識別信号」という)を無線受信したりする器具側通信部19と、加熱調理器1全体の動作を制御する調理器制御回路100とが組み込まれている。
【0027】
設定入力スイッチ14A、設定表示部14B、電源スイッチ15、コンロ点消火操作子16の各スイッチ、グリル点消火操作子17の各スイッチ、器具側音声出力部18、器具側通信部19、バルブユニット24の弁駆動部、鍋底温度センサ25、庫内温度センサ26、炎検知センサ27、および点火プラグ28に高電圧を印加する図示しないイグナイタは何れも、電気配線を通じて調理器制御回路100に接続されている。また、調理器制御回路100には、器具側音声出力部18や弁駆動部等の電装部に駆動電力を供給するための乾電池20が接続されている。即ち、加熱調理器1は、乾電池20を電装部の電源とする乾電池式のガスコンロである。
【0028】
調理器制御回路100は、点消火操作子16,17の操作や加熱調理器1の自動調理制御プログラムに基づいて各バーナ21,23の点火や消火、火力設定を行う加熱制御手段としてのバーナ制御部、設定表示部14Bの表示動作を制御する表示制御部、器具側音声出力部18の音声出力動作を制御する音声出力制御部、炎検知センサ27の出力値に基づいて対応するバーナ21,23の燃焼炎の有無を判定する点消火判定部、鍋底温度センサ25の検出温度(鍋底温度)に基づいて五徳22上に載置された調理容器の温度状態を判定する鍋温度判定部、庫内温度センサ26の検出温度(庫内温度)に基づいてグリル庫12内の温度状態を判定する庫内温度判定部、設定入力スイッチ14Aで設定された調理条件に基づいてバーナ21,23の火力や燃焼時間を自動で調整する自動調理動作制御部等の回路構成を有している。
【0029】
また、調理器制御回路100は、リモコン3との通信動作を制御する調理器/外機間通信制御部、器具側通信部19で受信された外機識別信号に基づいてその外機識別信号に対応するリモコン3との通信接続を許可するか否かを判定する外機判別部等の回路構成を有している。
【0030】
リモコン3は、キッチンのシンク横の壁面やキッチンに隣接する部屋の壁面など、リモコン3から出力される報知情報を使用者が適切に認識可能な場所に設置され、図示しない給湯器に電気配線を通じて有線接続されている。
【0031】
リモコン3の本体(以下、「リモコン本体」という)30の正面には、図示しない給湯器に対して給湯運転の開始を指示する給湯運転スイッチ31と、湯張り運転や追焚運転など種々の自動運転の開始を指示する自動運転スイッチ32と、出湯温度や湯張り量などの設定を変更するためのアップダウンスイッチ33と、給湯器の動作状態や設定された運転条件などを表示する情報表示部(以下、「外機側情報表示部」という)34Aと、上記自動運転が終了したことや加熱調理器1から出力指示された報知情報を音声にて出力する情報出力部としての音声出力部(以下、「外機側音声出力部」という)34Bとが設けられている。
【0032】
リモコン本体30の内部には、外機識別信号を加熱調理器1へ無線により送信したり、器具識別信号や出力指示信号を無線により受信したりする外機側通信部35と、外機識別信号や出力指示信号を外部通信ネットワークNTを通じて外部サーバ4へ無線送信したり、外部サーバ4から送信された報知情報の出力データを外部通信ネットワークNTを通じて無線受信したりする外機側ネットワーク通信接続部36と、リモコン3全体の動作を制御する外機制御回路300とが組み込まれている。
【0033】
給湯運転スイッチ31、自動運転スイッチ32、アップダウンスイッチ33、外機側情報表示部34A、外機側音声出力部34B、外機側通信部35、および外機側ネットワーク通信接続部36は何れも、電気配線を通じて外機制御回路300に接続されている。また、外機制御回路300は、図示しない電源線を通じて外部の電力供給源に接続されている。
【0034】
外機制御回路300は、給湯運転スイッチ31の操作や自動運転スイッチ32の操作、アップダウンスイッチ33の操作に基づいて図示しない給湯器の動作を指示する操作制御部、外機側情報表示部34Aの表示動作を制御する情報表示制御部、外機側音声出力部34Bの音声出力動作を制御する音声出力制御部等の回路構成を有している。
【0035】
また、外機制御回路300は、加熱調理器1との通信動作を制御する外機/調理器間通信制御部、外部サーバ4との通信動作を制御する外機/サーバ間通信制御部、外機側通信部35で受信された器具識別信号に基づいてその器具識別信号に対応する加熱調理器1との通信接続を許可するか否かを判定する調理器判別部等の回路構成を有している。
【0036】
図2および図3に示すように、外部サーバ4は、加熱調理器1の設置場所とは異なる遠隔地(例えば、加熱調理器1の製造会社が管理する施設内)に設置され、本情報報知システムに対応する複数の外部機器(ここでは、リモコン3)が外部通信ネットワークNTを介して無線接続される。
【0037】
外部サーバ4の本体(以下、「サーバ本体」という)40の内部には、加熱調理器1の機種毎の動作状態や操作ガイダンスなど複数の報知情報の出力データ(ここでは、音声データ)を記憶保持するサーバ側情報記憶部(以下、「サーバ側メモリ」という)41と、外機識別信号や出力指示信号を無線により受信したり、出力指示信号に対応する報知情報の出力データをリモコン3へ無線により送信したりするサーバ側ネットワーク通信接続部42と、外部サーバ4全体の動作を制御するサーバ制御回路400とが組み込まれている。尚、サーバ側メモリ41に記憶された上記出力データは、外部サーバ4を設置する前(例えば、製造時)に予め記憶されているものとしてもよいし、外部サーバ4を設置した後にサーバ管理コンピュータから外部通信ネットワークNTや通信ケーブルを介して送信記憶されるものとしてもよい。
【0038】
サーバ側メモリ41、およびサーバ側ネットワーク通信接続部42は何れも、電気配線を通じてサーバ制御回路400に接続されている。また、サーバ制御回路400は、図示しない電源線を通じて外部の電力供給源に接続されている。
【0039】
サーバ制御回路400は、リモコン3との通信動作を制御するサーバ/外機間通信制御部、リモコン3から送信された出力指示信号に基づき、対応する報知情報の出力データをサーバ側メモリ41に記憶されたデータの中から選定するデータ出力制御部等の回路構成を有している。
【0040】
尚、本情報報知システムにおける加熱調理器1とリモコン3との間の通信は、Bluetooth(登録商標)のように比較的電力消費量の少ない近距離無線通信規格に基づいて行なわれるが、赤外線通信により行われるものとしてもよいし、家庭内通信ネットワークを介して行われるものとしてもよい。また、本情報報知システムにおけるリモコン3と外部通信ネットワークNTとの間の通信は、室内に設置された無線中継器を介して行われるが、屋外に設置された通信基地局のアンテナを介して行われるものとしてもよい。
【0041】
上記情報報知システムによる加熱調理器1の情報報知動作の一例を、図2および図3を参照しながら説明する。加熱調理器1の電源スイッチ15にて主電源のオン操作が行なわれると、調理器制御回路100に組み込まれた加熱制御プログラムが起動し、各バーナ21,23が手動で点火可能な状態となる。また、設定表示部14Bには設定された調理時間や加熱温度、加熱調理器1の動作状態、設定情報などが表示される。
【0042】
上記のようにして、例えば、図3に示す加熱調理器1Aの主電源がオン状態になると、加熱調理器1Aは、予め設定された器具識別信号(001A)を器具側通信部19から外部へ送信する。一方、リモコン3Aは、外機側通信部35にて上記器具識別信号(001A)を受信すると、予め設定された外機識別信号(003A)を外機側通信部35から外部へ送信する。そして、加熱調理器1Aの器具側通信部19にて外機識別信号(003A)が受信されると、加熱調理器1Aとリモコン3Aとの間で出力指示信号や出力データの送受信が可能な状態、所謂ペアリング接続された状態となる。尚、このペアリング接続された状態は、加熱調理器1Aの主電源が再びオフになるまで維持される。
【0043】
加熱調理器1Aおよびリモコン3A相互がペアリング接続された後、コンロ点消火操作子16によって点火操作がなされた場合は、点火プラグ28から火花放電させると共に、対応するコンロバーナ21のバルブユニット24を所定の点火開度に調整する。その結果、コンロバーナ21へ点火に適した量の燃料ガスと空気の混合ガスが供給され、上記火花放電により点火される。
【0044】
上記のように点火されたコンロバーナ21が調理容器からのふきこぼれ等によって失火し、対応する炎検知センサ27にて燃焼炎が検出されなくなると、バルブユニット24を閉じてコンロバーナ21への燃料ガスの供給を停止させると共に、器具側音声出力部18から失火を示す報知音を出力させる。また、器具側通信部19からリモコン3Aに対して「コンロバーナが失火した」旨の音声メッセージおよび「コンロ点消火操作子の消火操作を行う」よう促す音声操作ガイダンスの出力(失火報知)を要求する出力指示信号(V101)を送信する。
【0045】
リモコン3Aの外機側通信部35にて失火報知を要求する出力指示信号(V101)が受信されると、リモコン3Aは、外機側ネットワーク通信接続部36から外部通信ネットワークNTを通じて外部サーバ4へ上記出力指示信号(V101)を転送する。
【0046】
外部サーバ4のサーバ側ネットワーク通信接続部42にて失火報知を要求する出力指示信号(V101)が受信されると、外部サーバ4は、サーバ側メモリ41に記憶されたデータの中から上記出力指示信号(V101)に対応する報知情報の出力データ(D101)を選出し、サーバ側ネットワーク通信接続部42から外部通信ネットワークNTを通じて出力指示信号(V101)の送信元のリモコン3Aへ送信する。
【0047】
リモコン3Aは、外部サーバ4から送信された上記出力データ(D101)を外機側ネットワーク通信接続部36にて受信し、「コンロバーナが失火した」旨の音声メッセージおよび「コンロ点消火操作子の消火操作を行う」よう促す音声操作ガイダンスを外機側音声出力部34Bから出力させる。これにより、使用者は、加熱調理器1Aから出力される報知音に加え、リモコン3Aから出力される音声メッセージによってもコンロバーナ21の失火を知ることができる。また、コンロバーナ21の失火に対して、リモコン3Aから出力される音声操作ガイダンスに従って適切に対処することもできる。
【0048】
同様に、図3に示す加熱調理器1Bの主電源がオン状態になると、加熱調理器1Bから外部へ器具識別信号(001B)が送信される一方、リモコン3Bから外部へ外機識別信号(003B)が送信され、相互に上記信号(001B,003B)を受信する。これにより、加熱調理器1Bおよびリモコン3B相互がペアリング接続された状態となる。
【0049】
そして、上記のように加熱調理器1Bのコンロバーナ21が点火された後、鍋底温度センサ25の検出温度が所定の過昇温度に達した場合、加熱調理器1Bは、バルブユニット24を最小開度に調整してコンロバーナ2への燃料ガスの供給量を一定以下に制限し、最小火力にすると共に、器具側音声出力部18から火力制限がなされたことを示す報知音を出力させる。また、器具側通信部19からリモコン3Bに対して「被加熱物が過熱状態である」旨の音声メッセージの出力(過熱報知)を要求する出力指示信号(V102)を送信する。
【0050】
リモコン3Bの外機側通信部35にて過熱報知を要求する出力指示信号(V102)が受信されると、リモコン3Bは、外機側ネットワーク通信接続部36から外部通信ネットワークNTを通じて外部サーバ4へ上記出力指示信号(V102)を転送する。
【0051】
外部サーバ4のサーバ側ネットワーク通信接続部42にて過熱報知を要求する出力指示信号(V102)が受信されると、外部サーバ4は、サーバ側メモリ41に記憶されたデータの中から上記出力指示信号(V102)に対応する報知情報の出力データ(D102)を選出し、サーバ側ネットワーク通信接続部42から外部通信ネットワークNTを通じて出力指示信号(V102)の送信元のリモコン3Bへ送信する。
【0052】
リモコン3Bは、外部サーバ4から送信された上記出力データ(D102)を外機側ネットワーク通信接続部36にて受信し、「被加熱物が過熱状態である」旨の音声メッセージを外機側音声出力部34Bから出力させる。これにより、使用者は、加熱調理器1Bから出力される報知音に加え、リモコン3Bから出力される音声メッセージによっても被加熱物が過熱状態であることを知ることができる。
【0053】
同様に、図3に示す加熱調理器1Cの主電源がオン状態になると、加熱調理器1Bから外部へ器具識別信号(001C)が送信される一方、リモコン3Cから外部へ外機識別信号(003C)が送信され、相互に上記信号(001C,003C)を受信する。これにより、加熱調理器1Cおよびリモコン3C相互がペアリング接続された状態となる。
【0054】
そして、加熱調理器1Cの設定入力スイッチ14Aにて「炊飯」の自動調理モードが選択設定された場合は、器具側通信部19からリモコン3Aへ「炊飯モードが選択された」旨の音声メッセージの出力(炊飯選択報知)を要求する出力指示信号(V103)を送信する。
【0055】
リモコン3Cの外機側通信部35にて炊飯選択報知を要求する出力指示信号(V103)が受信されると、リモコン3Cは、外機側ネットワーク通信接続部36から外部通信ネットワークNTを通じて外部サーバ4へ上記出力指示信号(V103)を転送する。
【0056】
外部サーバ4のサーバ側ネットワーク通信接続部42にて炊飯選択報知を要求する出力指示信号(V103)が受信されると、外部サーバ4は、サーバ側メモリ41に記憶されたデータの中から上記出力指示信号(V103)に対応する報知情報の出力データ(D103)を選出し、サーバ側ネットワーク通信接続部42から外部通信ネットワークNTを通じて出力指示信号(V103)の送信元のリモコン3Cへ送信する。
【0057】
リモコン3Cは、外部サーバ4から送信された上記出力データ(D103)を外機側ネットワーク通信接続部36にて受信し、「炊飯モードが選択された」旨の音声メッセージを外機側音声出力部34Bから出力させる。
【0058】
炊飯モードが選択された後、さらに設定入力スイッチ14Aによって炊飯モードのコースメニューが「おかゆ」に切り替えられた場合は、器具側通信部19からリモコン3Cへ「炊飯モードをおかゆに設定した」旨の音声メッセージの出力(おかゆ炊き選択報知)を要求する出力指示信号(V104)を送信する。
【0059】
リモコン3Cの外機側通信部35にておかゆ炊き選択報知を要求する出力指示信号(V104)が受信されると、リモコン3Cは、外機側ネットワーク通信接続部36から外部通信ネットワークNTを通じて外部サーバ4へ上記出力指示信号(V104)を転送する。
【0060】
外部サーバ4のサーバ側ネットワーク通信接続部42にておかゆ炊き選択報知を要求する出力指示信号(V104)が受信されると、外部サーバ4は、サーバ側メモリ41に記憶されたデータの中から上記出力指示信号(V104)に対応する報知情報の出力データ(D104)を選出し、サーバ側ネットワーク通信接続部42から外部通信ネットワークNTを通じて出力指示信号(V104)の送信元のリモコン3Cへ送信する。
【0061】
リモコン3は、外部サーバ4から送信された上記出力データ(D104)を外機側ネットワーク通信接続部36にて受信し、「炊飯モードをおかゆに設定した」旨の音声メッセージを外機側音声出力部34Bから出力させる。
【0062】
その後、上記のようにコンロバーナ21が点火され、対応する炎検知センサ27によってコンロバーナ21の点火が検知されれば、加熱調理器1は、おかゆ炊きの制御ルーチンにてコンロバーナ21の火力制御を開始させると共に、器具側通信部19からリモコン3Cへ「おかゆ炊きを開始した」旨の音声メッセージの出力(おかゆ炊き開始報知)を要求する出力指示信号(図示せず)を送信する。これにより、上記各音声メッセージの出力手順と同様、リモコン3Cから「おかゆ炊きを開始した」旨の音声メッセージが出力される。
【0063】
上記おかゆ炊きの制御ルーチンが終了し、コンロバーナ2が自動消火される(或いは最小火力に制限される)と、器具側音声出力部18から自動調理の終了を示す報知音を出力させると共に、器具側通信部19からリモコン3へ「おかゆ炊きが終了した」旨の音声メッセージの出力(おかゆ炊き終了報知)を要求する出力指示信号(図示せず)を送信する。これにより、上記各音声メッセージの出力手順と同様、リモコン3Cから「おかゆ炊きが終了した」旨の音声メッセージが出力される。
【0064】
ところで、グリル庫12内の上部および下部にそれぞれグリルバーナ23が設けられた所謂両面焼きのグリルを有する加熱調理器1の場合は、庫内に収容された食材を上下両面側から同時に加熱することができるため、調理中に食材を裏返す必要がない。しかしながら、グリル庫12内の上部又は下部の一方にのみグリルバーナ23が設けられた所謂片面焼きのグリルを有する加熱調理器1では、庫内に収容された食材の片面側が集中して加熱されるため、調理中に食材を裏返す必要がある。従って、片面焼きのグリルを有する加熱調理器1の場合は、グリルバーナ23が点火されてから所定時間が経過した時点で、リモコン3から「食材を裏返す」よう促す音声ガイダンスを出力させる。
【0065】
詳述すると、例えば、加熱調理器1Aおよびリモコン3A相互がペアリング接続された状態で、設定入力スイッチ14Aにて「焼き魚」の自動調理モードが選択設定された場合は、器具側通信部19からリモコン3Aへ「焼き魚モードが選択された」旨の音声メッセージの出力(焼き魚選択報知)を要求する出力指示信号(図示せず)を送信する。これにより、上記各音声メッセージの出力手順と同様、リモコン3Aから「焼き魚モードが選択された」旨の音声メッセージが出力される。
【0066】
その後、グリル点消火操作子17によって点火操作がなされた場合は、コンロバーナ21の点火動作と同様、点火プラグ28から火花放電させると共に、対応するバルブユニット24を点火開度に調整し、グリルバーナ23を点火させる。そして、対応する炎検知センサ27によってグリルバーナ23の点火が検知されれば、焼き魚調理の制御ルーチンにてグリルバーナ23の火力制御を開始させる。また、器具側通信部19からリモコン3Aへ「焼き魚調理を開始した」旨の音声メッセージの出力(焼き魚調理開始報知)を要求する出力指示信号を送信する。これにより、上記各音声メッセージの出力手順と同様、リモコン3Aから「焼き魚調理を開始した」旨の音声メッセージが出力される。
【0067】
焼き魚モードによる食材の加熱調理が開始されてから(グリルバーナ23が点火されてから)所定の半面焼き時間が経過すれば、器具側通信部19からリモコン3Aへ「食材を裏返す」よう促す音声ガイダンスの出力(裏返し指示報知)を要求する出力指示信号を送信する。これにより、上記各音声メッセージの出力手順と同様、リモコン3Aから「食材を裏返す」よう促す音声ガイダンスが出力される。
【0068】
上記焼き魚調理の制御ルーチンが終了し、グリルバーナ23が自動消火されると、器具側音声出力部18から自動調理の終了を示す報知音を出力させると共に、器具側通信部19からリモコン3へ「焼き魚調理が終了した」旨の音声メッセージの出力(焼き魚調理終了報知)を要求する出力指示信号を送信する。これにより、上記各音声メッセージの出力手順と同様、リモコン3から「焼き魚調理が終了した」旨の音声メッセージが出力される。
【0069】
このように、上記加熱調理器1の情報報知システムによれば、加熱調理器1の動作状態や操作ガイダンスなどの報知情報を、外部サーバ4から外部通信ネットワークNTを通じてリモコン3(外部機器)に取り込み、出力させることができるため、その分、加熱調理器1の電力消費量を低減でき、省電力化に寄与する。従って、上記のような乾電池20を電装部の駆動電源とする加熱調理器1であっても、乾電池20の使用期間が極端に短くなることはない。
【0070】
しかも、このものでは、外部サーバ4に記憶された報知情報を、外部通信ネットワークNTを通じてリモコン3に取り込み、出力させる構成としたことで、加熱調理器1の内部記憶装置に記憶された報知情報をリモコン3に送信し、出力させるよりも、加熱調理器1の電力消費量を低減できる。従って、より一層の省電力化を図ることが可能である。
【0071】
しかも、このものでは、加熱調理器1の機種や機能、使用言語等に対応する種々の報知情報の出力データを外部サーバ4に一括して記憶保持させておくことで、加熱調理器1の機種や機能、使用言語等に合わせて、必要とする報知情報の出力データを外部サーバ4からリモコン3に適宜取り込み、出力させることができるため、加熱調理器1毎に異なる報知情報の出力データを保有させておく必要もない。また、各所のリモコン3から出力させる報知情報の出力データを、外部サーバ4側で一括して管理することができるから、情報報知システムとしての拡張性も格段に向上する。
【0072】
さらに、上記加熱調理器1の情報報知システムでは、加熱調理器1およびリモコン3相互が無線により通信接続されているから、加熱調理器1およびリモコン3相互が有線にて通信接続されるものに比べて、施工作業性も向上する。
【0073】
尚、上記実施の形態では、外部サーバ4に記憶保持された報知情報の出力データを必要に応じて適宜リモコン3に取り込み、出力させるように構成されたものを説明したが、図4および図5に示すように、リモコン本体30の内部に、外部サーバ4から取得した報知情報の出力データを記憶保持する外機側情報記憶部(以下、「外機側メモリ」という)37が組み込まれており、加熱調理器1の機種や機能、使用言語等に対応する報知情報の出力データを予め外部サーバ4からリモコン3の外機側メモリ37に取り込み、その外機側メモリ37に記憶保持された出力データの中から必要とする報知情報をリモコン3から出力させるように構成されたものとしてもよい。
【0074】
詳述すると、リモコン本体30の内部には、外機側通信部35、外機側ネットワーク通信接続部36、外機制御回路300に加え、外部サーバ4から取得した報知情報の出力データを記憶保持する外機側メモリ37が設けられている。外機側メモリ37は、外機側通信部35や外機側ネットワーク通信接続部36と同様、電気配線を通じて外機制御回路300に接続されている。尚、外機側メモリ37は、リモコン本体30の内部に予め組み込まれた固定のメモリ装置であってもよいし、リモコン本体30に着脱して使用可能な汎用の外部メモリであってもよい。
【0075】
外機制御回路300は、上記操作制御部や音声出力制御部、外機/調理器間通信制御部、外機/サーバ間通信制御部、調理器判別部等の回路構成に加え、対応する加熱調理器1で必要とされる報知情報の出力データを外部サーバ4から外機側メモリ37に取り込み記憶保持させるデータ取得制御部の回路構成をさらに有している。
【0076】
このものでは、例えば、加熱調理器1Cおよびリモコン3C相互がペアリング接続されると、リモコン3Cは、外部サーバ4へ加熱調理器1Cの機種や機能、使用言語等に対応する報知情報の出力データの送信を要求する出力指示信号(図示せず)を送信する。
【0077】
外部サーバ4のサーバ側ネットワーク通信接続部42にて上記出力データの送信を要求する出力指示信号が受信されると、外部サーバ4は、サーバ側メモリ41に記憶されたデータの中から対応する出力データを選定し、サーバ側ネットワーク通信接続部42から外部通信ネットワークNTを通じて上記出力指示信号の送信元のリモコン3Cへ送信する。一方、リモコン3Cは、外部サーバ4から送信された上記出力データを外機側ネットワーク通信接続部36にて受信し、外機側メモリ37に記憶させる。
【0078】
その後、リモコン3Cとペアリング接続された加熱調理器1Cにて「炊飯」の自動調理モードが選択設定され、リモコン3Cの外機側通信部35にて炊飯選択報知を要求する出力指示信号(V103)が受信された場合、リモコン3Cは、加熱調理器1Cから送信される出力指示信号(V103)を外部サーバ4に転送しないで、外機側メモリ37に記憶されたデータの中から上記出力指示信号(V103)に対応する報知情報の出力データ(D103)を選出し、「炊飯モードが選択された」旨の音声メッセージを外機側音声出力部34Bから出力させる。
【0079】
また、炊飯モードが選択された後、さらに「おかゆ」のコースメニューが選択設定された場合、リモコン3は、加熱調理器1Cから送信される出力指示信号(V104)を外部サーバ4に転送しないで、外機側メモリ37に記憶されたデータの中から上記出力指示信号(V104)に対応する報知情報の出力データ(D104)を選出し、「炊飯モードをおかゆに設定した」旨の音声メッセージを外機側音声出力部34Bから出力させる。
【0080】
このように、加熱調理器1の機種や機能、使用言語等に対応する報知情報の出力データを予め外部サーバ4からリモコン3に取り込み、その出力データの中から必要とする報知情報を出力させる構成としたことで、リモコン3と外部サーバ4との間の通信を削減できる。よってその分、リモコン3の電力消費量も低減できる。また、リモコン3と外部サーバ4との間で余分な通信がない分、リモコン3の応答速度も向上する。
【0081】
上記実施の形態では、加熱調理器1の動作状態や操作ガイダンスなどの報知情報を、外部サーバ4から外部通信ネットワークNTを通じてリモコン3(外部機器)に取り込み、出力させるように構成されたものを説明したが、加熱調理器1に搭載された記憶装置に報知情報が記憶されており、上記記憶装置からリモコン3へ外部通信ネットワークNTを介さず、無線又は有線にて報知情報を取り込み、加熱調理器1からの出力指示に応じて出力させるように構成されたものとしてもよいし、リモコン3に搭載された記憶装置に報知情報が記憶されており、上記報知情報を加熱調理器1からの出力指示に応じて外機側音声出力部34Bから直接出力させるように構成されたものとしてもよい。また、汎用の外部メモリに記憶された報知情報をリモコン本体30の内部に組み込まれた記憶装置に取り込み、加熱調理器1からの出力指示に応じて出力させるように構成されたものとしてもよい。
【0082】
上記実施の形態では、給湯器用のリモコン3を用いて加熱調理器1の情報報知システムを構成したものを説明したが、本情報報知システム専用の通信端末を用いて加熱調理器1の情報報知システムを構成してもよいし、加熱調理器1の上方に設置される換気装置を用いて加熱調理器1の情報報知システムを構成してもよい。また、操作機能および表示機能を兼備する操作表示パネルと、外部通信ネットワークNTに無線接続可能な無線通信部とを備えた情報通信端末、所謂スマートフォンやタブレットPCを用いて加熱調理器1の情報報知システムを構成してもよいし、外部通信ネットワークNTに接続可能なテレビ受像機、家電用リモコン等を用いて加熱調理器1の情報報知システムを構成してもよい。
【0083】
上記実施の形態では、加熱調理器1の動作状態や操作ガイダンスなどの報知情報を外機側音声出力部34Bから音声にて出力するものを説明したが、上記報知情報を外機側情報表示部34Aから文字や記号にて表示出力するように構成されたものとしてもよいし、音声および表示の組み合わせにて出力するように構成されたものとしてもよい。このように、報知情報を音声および表示にて出力させることで、たとえ使用者が音声を聞き逃したとしても、表示により報知情報を確認できるから、使い勝手が向上する。
【0084】
上記実施の形態では、加熱調理器1にて異常が生じた場合に、加熱調理器1から出力される報知音と、リモコン3から出力される音声とで報知情報を出力するように構成されたものを説明したが、加熱調理器1に報知音の出力機能が搭載されておらず、リモコン3から出力される音声や報知音にて報知情報を出力するように構成されたものとしてもよいし、加熱調理器1およびリモコン3相互がペアリング接続された状態では、リモコン3から出力される音声にて報知情報を出力し、加熱調理器1およびリモコン3相互がペアリング接続されていない状態では、加熱調理器1からの報知音にて報知情報を出力するように構成されたものとしてもよい。
【0085】
本発明は、カウンタトップ5の取付口50に落とし込み状態で装着されるビルトインコンロの情報報知システムに限らず、キッチンのテーブルに載置して使用されるテーブルコンロの情報報知システムにも適用できる。
【0086】
また、本発明は、ガスの燃焼排ガスを熱源とするバーナ21,23を備えたガス加熱調理器の情報報知システムに限らず、電熱部からの輻射熱や伝導熱を熱源とする電熱ヒータを備えた電熱加熱調理器の情報報知システムにも適用できるし、電磁誘導により被加熱物を加熱する電磁誘導ヒータを備えた誘導加熱調理器の情報報知システムにも適用できるし、バーナや電熱ヒータ、電磁誘導ヒータなど異なる加熱手段を兼備した複合加熱調理器の情報報知システムにも適用できる。
【0087】
また、本発明は、天板11にのみバーナ等の加熱手段が設けられたコンロの情報報知システムにも適用できるし、グリル庫12内にのみバーナ等の加熱手段が設けられたグリル装置の情報報知システムにも適用できる。
【符号の説明】
【0088】
1 加熱調理器
20 乾電池
3 リモコン(外部機器)
34A 外機側情報表示部(情報出力部)
34B 外機側音声出力部(情報出力部)
4 外部サーバ(外部記憶装置)
図1
図2
図3
図4
図5