【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの目的は、独立請求項に記載のノズル、方法、および使用によって達成される。
以下において、本発明を、空気を導入するためのボアを有するノズルを用いて説明する。交絡のために、空気の代わりに他のガス状流体を使用してもよい。
【0007】
また、フィラメントという用語が使用される。この用語は、個々のフィラメントにも、一本の糸にも使用され、縫い糸または紡ぎ糸と呼ばれるフィラメントの集合にも使用される。ここでのフィラメントは、かさ高加工されたものであってもよく、または、かさ高加工されていない、すなわち扁平なものであってもよい。扁平フィラメントから作られた糸は、扁平糸と記載される。
【0008】
本発明に従うと、星糸を製造するためのノズルは糸道ダクトを有し、糸道ダクト内で、空気交絡を利用して結び目を作ることができる。長手方向軸を有する少なくとも1つの空気ボアが、合流開口部内で糸道ダクトに合流する。空気は、空気ボアを通して糸道ダクトに導入することができる。空気ボアの長手方向軸は、星糸の搬送方向に対して90°未満の角度で配置されている。この、長手方向軸と搬送方向との間の90°未満という角度は
、上流側の角度である。空気ボアの合流開口部の反対側に、バッフル面が配置されている。本発明に従うと、バッフル面は、空気ボアの長手方向軸に対して実質的に垂直方向になるように構成されている。
【0009】
紡糸プロセスでは、個々のフィラメントを、ノズルを通して、疑似撚糸プロセスではおよそ2000〜6000m/分のプロセス速度で、ドローイング(drawing)プロセスで
は好ましくはおよそ300〜1200m/分のプロセス速度で、搬送することが好ましい。空気ボアからの空気は、およそ1〜6bar、特に4barでフィラメントに与えることが好ましい。
【0010】
上記長手方向軸が搬送方向に対して90°未満傾いているので、空気は斜め方向に糸道ダクトに導入される。このため、搬送方向において空気の塊の正の流れが生じる。フィラメントは、搬送方向の空気の塊の流れによって搬送される。加えて、たとえばパッケージの変更の場合等の、プロセスにおける変則が生じた場合の、ノズル内における糸の張力の低下が防止される。
【0011】
空気は、バッフル面に対して実質的に垂直に衝突する。空気は、この衝突によって、相反する2つの乱流を形成するように構成される。乱流が相反しているので、フィラメントの一部分はある方向に移動し、フィラメントの他の部分はその逆方向に移動する。バッフル面に対して垂直に衝突する結果、均一的で強力な交絡が得られることが証明されている。この均一的で強力な交絡の結果、糸の結び目の間隔についても、結び目の厚みについても、1メートル当たりの結び目の数についても、ばらつきのない結び目を有する星糸が得られる。ばらつきのない結び目、または、最大開放長さすなわち結び目と結び目との間の非交絡糸の最大長さは、星糸の品質特徴である。
【0012】
この場合の、空気ボアの長手方向軸に対して実質的に垂直とは、合流開口部の反対側にある領域内の、バッフル面が、少なくとも一部、上記長手方向軸に対して約85°〜95°の角度になるように構成されていることを意味する。全体的に平坦ではなく、たとえば、この文脈ではわずかな起伏またはこぶを有するように構成されたバッフル面も、バッフル面の基本的な向きが空気ボアの長手方向軸に対して実質的に垂直になるように構成されているという条件において、空気ボアの長手方向軸に対して実質的に垂直であると記載される。
【0013】
空気ボアを1つだけ備えるように実装されているので、同じ品質の結び目形成に対する空気の消費量は、複数の空気ボアを有するノズルと比較して、少なくなる。空気消費量が減少するので、エネルギ消費量が減少し、結果としてランニングコストが減少する。
【0014】
これに代えて、複数の空気ボアを与えることも可能である。この場合、複数の空気ボアは、たとえば、糸道ダクトを中心とする1つの面に配置してもよい。
【0015】
好ましくは、入口開口部の領域内の糸道ダクトは、空気ボアの合流開口部の領域内の糸道ダクトの断面と比較して、くびれている。このくびれは、入口開口部における糸道ダクトの高さが、合流開口部の領域内の糸道ダクトの高さの10%と70%の間、好ましくは40%となるように構成されていることが、好ましい。このくびれは、入口開口部に直接形成されていてもよい。
【0016】
これに代わるものとして、入口開口部の領域内で、糸道ダクトは、最初に、空気ボアの合流開口部の領域内の糸道ダクトの高さよりも広くなり、その後に、上記のくびれが形成されている。上記最初に広くなっている部分は、広くなっている部分の領域における糸道ダクトの高さが、合流開口部とバッフル面との間の高さよりも、好ましくは5〜55%、
特に好ましくは30%広がるように構成されている。
【0017】
このくびれ部分において、フィラメントは、くびれ部分の端部の周りで、合流開口部を介して導入された空気によって偏向し得る。この偏向により、フィラメントは、丸い形状から、テープ形状に変化する。テープ形状は交絡を容易にする。なぜなら、前者は空気の乱流との接触面がより大きいからである。この偏向とフィラメントの変形に関する詳細は、本発明の以下の実施形態から得られるであろう。
【0018】
上記入口開口部の領域内のくびれに加えてまたは代えて、糸道ダクトの出口開口部は、空気ボアの合流開口部の領域内の糸道ダクトの断面よりも広がっている。この種の構成により、入口開口部を介して放出される空気の正味量よりも多くの空気の正味量が出口開口部を介して放出される。
【0019】
入口開口部の領域内のくびれおよび/または出口開口部の広がった部分を備えた実施形態では、出口開口部の直径が入口開口部の直径よりも大きい。その結果、入口開口部の近傍では背圧が生じ得る。出口開口部を介して空気の正味の流出が発生する。出口の方向に空気が流れるので、糸の搬送がさらにサポートされる。このため、搬送と糸の張力の維持がさらに改善される。このため、フィラメントの張力は、プロセスにおける変則が生じた場合でも実質的に一定の割合に保たれる。
【0020】
好ましくは空気ボアの合流開口部の反対側にある、入口開口部の領域内のくびれはさらに、フィラメントを安定させる効果を有する。これは、フィラメントの横方向の振動が少なくなるので、フィラメントが糸道ダクトの中央部で一貫してより均一的に搬送されることを意味する。これにより、結び目の均一的な品質が保証され、したがって、時間が経過しても星糸の均一的な品質が保証される。
【0021】
さらに、交絡空気の乱流は、空気源の合流開口部からの距離が増すのに伴なって、その強度を失う。加えて、反対方向の乱流のうちの一方が他方よりも交互に強くまたは弱くなるように構成されている。この場合、脈動する乱流を参考にする。出口開口部が広がっているので、乱流はさらに力を失いフィラメントから離れるように導かれる。出口領域におけるこれらの放出された乱流は、フィラメントに実質的に影響しない。したがって、フィラメントは、糸道ダクトの中央部において安定し抑制された状態を保つ。このため、星糸の変則とその結果生じる劣化した品質が防止される。
【0022】
これに代えて、入口および/または出口開口部は、合流開口部の領域内の糸道ダクトの直径と比較して、くびれが形成されていない、または、広がっていない。
【0023】
本発明の他の局面に従うと、星糸を製造するためのノズルは、糸道ダクトを有し、この糸道ダクト内で、空気交絡を利用して結び目を作ることができる。長手方向軸を有する少なくとも1つの空気ボアは、合流開口部において糸道ダクトと合流する。この空気ボアを通して空気を糸道ダクトに導入することができる。空気ボアの長手方向軸は、星糸の搬送方向に対して90°の角度で配置されている。入口開口部の領域において、糸道ダクトは、空気ボアの合流開口部の領域における糸道ダクトの断面と比較してくびれている。これに加えてまたは代えて、糸道ダクトの出口開口部は、空気ボアの合流開口部の領域における糸道ダクトの断面と比較して広がっている。この種の構成では、入口開口部を介して放出される空気よりも、出口開口部を介して放出される空気の方が多い。
【0024】
結果として得られる、このノズル内の、入口開口部の領域におけるくびれの利点および/または広がった出口開口部の利点は、入口開口部の領域におけるくびれおよび/または広がった出口開口部を有する上記ノズルの利点と同一である。
【0025】
ここで、バッフル面を、空気ボアの長手方向軸に対して実質的に垂直になるように構成することが好ましい。そうすると、空気は、バッフル面に、実質的に垂直に衝突する。空気ボアの長手方向軸に対してバッフル面が垂直な位置にあることで、垂直なバッフル面を有する先の実施形態の場合と同一の利点が得られる。
【0026】
さらに、垂直な位置の評価について、上述の基準が適用される。これに代えて、バッフル面を、長手方向軸に対して傾斜するように構成してもよい。
【0027】
本明細書に記載の実施形態のノズルは、ノズルプレートおよびカバープレートという2つの部品で構成されることが好ましい。これらのノズルプレートおよびカバープレートは、離すことが可能な状態で互いに接続可能である。
【0028】
空気ボアの合流開口部を示すプレートを、ノズルプレートと記載する。結果として、カバープレートは、糸道ダクトの反対側にあるプレートであり、好ましくはバッフル面を示す。
【0029】
ノズルプレートおよびカバープレートは、相互に離すことができる。相互に離されているプレートの場合、たとえば複雑化を回避するためにまたは洗浄作業を実施するために、糸道ダクトに容易にアクセスできる。
【0030】
これらのプレートは、たとえばねじ等の周知の接続要素を用いて互いに接続される。これらのプレートは、出願WO99/45185に記載の接続装置を用いて結合することが好ましい。
【0031】
これに代わるものとして、ノズルを一体的に構成してもよい。簡単にするために、ここでは、カバーとノズルプレートを引用しているが、厳密に説明すると、これらは、糸道ダクトの側面であって、個別のプレートではない。
【0032】
搬送方向におけるバッフル面の長さは、好ましくは空気ボアの直径の2〜4倍、好ましくは4〜6mmである。
【0033】
空気ボアの直径は、断面の直径であり、したがって、空気ボアの長手方向軸に対して垂直に測定されるものである。
【0034】
搬送方向におけるバッフル面の長さが空気ボアの直径の2〜4倍であることによって、空気交絡の均一性が保証される。バッフル面の長さはできる限り短く保たれる。バッフル面は、カバープレートの表面に対して角度をなしていてもよい。一方では、ここにおけるバッフル面自体がフィラメントの搬送を損なうかもしれず、他方では、フィラメントの搬送を損なう他の乱流が発生するかもしれない。バッフル面の長さが、好ましくは4〜6mmに対応する、空気ボアの直径の2〜4倍である構成によって、均一的な空気交絡が保証され、同時に、フィラメントの搬送が損なわれる程度はできる限り小さくなる。
【0035】
当然ながら、バッフル面をできる限り短くまたは長くなるように構成することも考えられる。しかしながら、この場合は、星糸の品質または搬送いずれかが損なわれることになるので、上記直径の2〜4倍の長さが好ましい。
【0036】
入口開口部の領域におけるくびれおよび/または出口開口部における広がりを示す実施形態の場合、入口開口部の領域におけるくびれおよび/または出口開口部における広がりを、糸道ダクトのカバープレートの表面の輪郭によって形成することが好ましい。
【0037】
したがって、カバープレートの表面は、少なくとも、2つの開口部のうちの一方において、搬送方向に対して角度をなすように構成される。
【0038】
ここでのくびれは、上記表面を、糸道ダクトの内部に対してある距離にわたって傾斜させることによって形成してもよい。ここで、傾斜は、一様である、したがって、傾斜の長さにわたって角度が同一であることが、好ましい。この角度は、好ましくは1°〜7°であり、特に好ましくは4°である。
【0039】
これに代わるものとして、くびれを、入口開口部の表面によって形成してもよい。この入口開口部の表面は、搬送方向に対して実質的に垂直に延びることにより、入口開口部自体のみが、くびれることになる。ここでの糸道ダクトはすでに、合流開口部の領域における直径に概ね対応する直径を、入口開口部の直後において有している。
【0040】
ここでのこのくびれは同時に、以下でさらに説明する機能モードとして、糸を偏向させるための段差の役割を果たし得る。
【0041】
上記広がりは、カバープレートを、糸道ダクトの内部よりも上昇させることによって得られる。この上昇を、均一にすることによって、この上昇する部分の長さにわたって角度が同一になるようにすることが、好ましい。1つの角度ではなく、表面を、糸道ダクトの内部に対して凸状に湾曲するように構成してもよい。そうすると、コアンダ効果が得られる。この効果によって、空気の流れが、表面に沿って、糸から離れるように導かれる。ここでの湾曲は、出来る限り長く空気が表面に沿って導かれるように構成される。
【0042】
しかしながら、入口開口部の領域および出口開口部の領域において、ノズルプレートの表面は、実質的に直線状に延びて搬送方向に平行である、すなわち、実質的に角度をなしていないことが好ましい。ノズルプレートの表面は、わずかな湾曲を示していてもよい。
【0043】
角度をなしている表面がないプレートは、表面が角度をなしているプレートよりも、簡単にかつ高い費用対効果を生むように製造することができる。したがって、カバープレートの表面の輪郭のみが上記くびれおよび/または上記広がりを形成するノズルは、両方のプレートの表面の輪郭がくびれおよび/または広がりを形成するノズルよりも、高い費用対効果を生むように製造することができる。
【0044】
入口開口部の領域におけるくびれおよび/または出口開口部の広がりを示すノズルの代替の好ましい実施形態の場合、上記くびれおよび/または広がりは、入口開口部の領域/出口開口部における、カバープレートの表面の輪郭とノズルプレートの表面の輪郭によって形成される。
【0045】
ここで、これら2つのプレートそれぞれの表面は、少なくとも、2つの開口部のうちの一方において、ある角度を示す。
【0046】
上記くびれは、2つのプレートの、糸道ダクトの内部に対する傾斜によって、または、2つのプレートの、入口開口部における、搬送方向に対する垂直な輪郭によって、構成してもよい。糸道ダクトの内部に対してこれらのプレートが傾斜している場合、これらの傾斜を均一になるように構成することで、傾斜の長さにわたって角度が同一になるようにすることが、好ましい。
【0047】
上記広がりは、ノズルプレートおよびカバープレートを、糸道ダクトの内部に対して上昇させることによって得られる。この上昇は、均一であることによって、上昇している部
分の長さにわたって角度が同一であることが好ましい。
【0048】
この解決策の利点は、くびれおよび/または広がりが、より均一的に構成されることによって、乱流が、フィラメントから離れるように、より好適に導かれる点にある。フィラメントの種類、搬送速度、および、たとえば糸道ダクトの内圧等の他のパラメータによっては、ノズルプレートの直線状の表面輪郭の構成の実施形態が好ましい。
【0049】
直線状の表面輪郭、または、糸道ダクトの内部に沿って凸状に湾曲した表面が好ましい。ここでの表面は、コアンダ効果を有するので、空気の不規則な/脈動する乱流がこの表面に沿って生じる。このため、出てゆく糸は、糸道ダクトの中央から外れて移動することはない。
【0050】
本発明のさらに他の局面は、星糸を製造するためのノズルに関する。このノズルは、その中で空気交絡を利用して結び目を作ることができる糸道ダクトを有する。長手方向軸を有する少なくとも1つの空気ボアが、合流開口部において糸道ダクトと合流する。空気は、空気ボアを通して糸道ダクトに導入することができる。糸道ダクトの入口開口部と、空気ボアの合流開口部との間の、空気ボアの反対側にある糸道ダクトの側面に、斜めの段差が構成されていることが好ましい。この段差は、搬送方向における合流開口部から離れるように延びているので、糸はこの段差の端部を中止として偏向する。
【0051】
段差を有するノズルの構成を、上記ノズルのさまざまな実施形態と組合わせることができる。
【0052】
段差の高さまたは高さの増加が糸に対して垂直ではなく斜めになっており、したがって0°と90°の間の角度がある、段差を、斜めの段差と記載する。
【0053】
空気ボアの空気により、フィラメントはカバープレートに実質的に沿って延びる。段差で、フィラメントは、空気によって偏向するので、フィラメントは、搬送方向において、少なくとも一部が合流開口部から離れるように導かれる。段差における偏向によって、好ましくは段差の端部で、フィラメントは、丸い形状から、テープ形状またはテープの形状に類似する形状に変化する。この平坦な形状によって、フィラメントの、交絡空気との接触面が、大きくなる。このため、フィラメントはより均一的に交絡し、それによって、結び目の数と均一性が増し、したがって星糸の品質が高くなる。
【0054】
好ましくは、星糸の搬送方向において、段差の終端部における、糸道ダクトの断面は、段差が始まる部分における、糸道ダクトの断面よりも大きい。
【0055】
これは、段差が斜めの段差として構成される場合である。ここで、糸道ダクトの断面は、均一的に拡大していることが好ましい。均一的に拡大していることで、フィラメントの搬送に悪影響を及ぼす望ましくない乱流、たとえば上昇する乱流は、概ね防止される。
【0056】
これに代わるものとしては、段差を、径方向内側への突起として構成する。ここでのフィラメントは、この突起上で偏向することで、平坦になる。
【0057】
この段差は、糸道ダクトの入口開口部の領域において構成されることが好ましい。
斜めの段差の場合、入口開口部がこの段差の始まる部分を示していてもよい。これに代わるものとして、段差を、搬送方向においてオフセットされるように配置してもよい。
【0058】
この突起は、入口開口部に直に構成してもよい。ここでの入口開口部は、合流開口部における糸道ダクトの直径と比較してくびれている。これには、フィラメントを平坦するこ
とに加えて、入口開口部のくびれが有する上記利点がある。
【0059】
これに代わるものとして、糸道ダクト、したがって、糸道ダクトにおける糸の搬送方向が、糸の挿入方向に対して角度をなすようにしてもよい。ここで、好ましくは、挿入方向に対して少なくともカバープレートを、180°未満の角度をなすように配置する。このカバープレートの外壁の角度および挿入方向の角度を測定する。ここでのノズルプレートは、カバープレートに対して平行になるように構成することが好ましい。しかしながら、カバープレートはまた、挿入方向に対して平行であってもよく、または、挿入方向に対して別の角度をなしていてもよい。挿入方向に対してカバープレートが角度をなしていることにより、フィラメントは、糸道ダクトに入ったときに、入口開口部の端部の周りで偏向する。ここで、フィラメントが丸い形状から平坦な形状に変化することには、上記の利点がある。
【0060】
ここでの斜めの段差は、搬送方向に対して好ましくは2°〜6°、特に好ましくは4°となるように構成することが好ましい。
【0061】
上記ノズルは、好ましくは非対称の断面を示す。実質的にU字形、半球状、T字形、またはV字形の断面が、特に好ましい。
【0062】
ここで、ノズルプレートは、尖ってまたは丸く収束する部分を形成し、カバープレートは、搬送方向に対して実質的に直線状の部分を形成する。
【0063】
これに代わるものとして、たとえば、円形、矩形、または正方形の断面等の対称形の断面も考えられる。
【0064】
星糸の最高品質は、紡糸プロセスにおけるV字形の断面によって得られることが証明されている。
【0065】
交絡したかさ高加工糸の場合、最高品質は、U字形の断面を有する糸道ダクトによって得られる。
【0066】
本発明はさらに、ノズルの糸道ダクト内で空気交絡を利用して星糸を製造する方法に関する。搬送方向に対して90°未満の角度をなす長手方向を有し、合流開口部において糸道ダクトと合流する、空気ボアを通して、空気が導入される。ここでの空気は、バッフル面に対して導かれる。バッフル面は、糸道ダクト内の空気ボアの合流開口部の反対側にあり、空気ボアの長手方向軸に対して垂直になるように構成されている。
【0067】
上記方法は、好ましくは、搬送方向に対して斜めの長手方向軸を有する空気ボアを備えた、上記のようなノズルにおいて、実施される。
【0068】
好ましい方法では、糸道ダクトの入口開口部の領域における、空気ボアの合流開口部の領域における糸道ダクトの断面と比較してくびれた部分により、および/または、糸道ダクトの出口開口部が、空気ボアの合流開口部の領域における糸道ダクトの断面よりも広がっていることにより、入口開口部を介して放出される空気よりも多くの空気が出口開口部を介して放出される。
【0069】
ノズルの糸道ダクト内で空気交絡を利用して星糸を製造するための代替の方法において、空気は、長手方向を有し合流開口部において糸道ダクトと合流する少なくとも1つの空気ボアを通して、星糸の搬送方向に対して90°の角度をなす長手方向軸の方向に導入されることで、バッフル面に向けて導かれる。空気ボアの合流開口部の領域における糸道ダ
クトの断面よりも、糸道ダクトの入口開口部の領域においてくびれている部分によって、および/または、空気ボアの合流開口部の領域における糸道ダクトの断面よりも、糸道ダクトの出口開口部が広がっていることによって、入口開口部を介して放出される空気よりも多くの空気が出口開口部を介して放出される。
【0070】
この方法は、好ましくは、搬送方向に対して垂直な長手方向軸を有する空気ボアを備えた上記のようなノズルにおいて実施される。
【0071】
空気ボアの長手方向軸に対して実質的に垂直になるように配置されたバッフル面に向けて空気が導かれる方法が好ましい。
【0072】
ノズルの糸道ダクト内で空気交絡を利用して星糸を製造するための他の代替の方法において、空気は、長手方向を有し合流開口部において糸道ダクトと合流する少なくとも1つの空気ボアを通して導入される。段差、好ましくは斜めの段差を利用して、糸を、空気ボアから出た空気を用いて、段差の端部の周りで偏向させる。この段差は、糸道ダクトの入口開口部と空気ボアの合流開口部との間において、糸道ダクト内の、空気ボアの反対側にあり、この段差は、搬送方向における合流開口部から離れるように延びている。
【0073】
この方法は、段差を有する上記ノズルにおいて実施されることが好ましい。
本発明はさらに、本明細書および請求項1〜12に記載の星糸を製造するためのノズルの使用に関する。
【0074】
本発明のさらに他の好都合な側面を、以下、代表的な実施形態および図面を用いて説明する。図面には下記のものが概略的に示されている。