【実施例】
【0061】
以下、実施例、製造例及び実験例で本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
本明細書中、「Me」はメチルを、「Et」はエチルを、「Ph」はフェニルを、「Bn」はベンジルを、「TMS」はトリメチルシリルを意味する。
【0062】
実施例1
【化21】
化合物(13)(65.0 kg)のテトラヒドロフラン(108.0 kg)溶液に、室温にて撹拌しながらジアザビシクロウンデセン(40.8 kg)及びテトラヒドロフラン(13.4 kg)を加えた。10℃にて化合物(12)(30.4 kg)及びテトラヒドロフラン(13.4 kg)を加えた後、反応混合物を室温にて21時間撹拌した。室温にてエタノール(119.8 kg)及び7.4%水酸化ナトリウム水溶液(358.2 kg)を加えて、混合物を2時間撹拌した。室温にて水(137.7 kg)、35%塩酸(69.0 kg)、水(15.2 kg)を順に加え、混合物を室温にて30分間、0℃にて1時間撹拌した。結晶をろ取し、該結晶をエタノール(24.0 kg)と水(60.9 kg)の混合液で洗浄し、さらに水(151.9 kg)で洗浄した。結晶を60℃以下で乾燥して、化合物(14)(28.6 kg)(収率65%)を得た。MS (ESI) : m/z 195.1 [M-H]
-【0063】
実施例2
【化22】
化合物(14)(28.4 kg)の1,2-ジメトキシエタン(124.4 kg)及びN,N-ジメチルホルムアミド(1.06 kg)の混合溶液に55℃にて、塩化チオニル(20.8 kg)及び1,2-ジメトキシエタン(24.7 kg)を加え、反応混合物を2時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、塩化リチウム(6.76 kg)、化合物(15)(23.6 kg)及び1,2-ジメトキシエタン(24.8 kg)を順に加え、混合物を55℃に昇温した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(46.8 kg)及び1,2-ジメトキシエタン(24.7 kg)を加え、混合物を55℃にて4時間、室温にて9時間撹拌した。室温でメタノール(22.4 kg)と水(114.2 kg)の混合液を加え、混合物を室温にて30分間撹拌した。結晶をろ取し、該結晶を水(28.4 kg)と1,2-ジメトキシエタン(49.4 kg)の混合液で洗浄した。結晶を60℃以下で乾燥して、化合物(2−a)(42.2 kg)(収率85%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6) 7.65-7.67 (m, 2H), 7.45-7.47 (m, 2H), 7.39-7.42 (m, 2H), 7.33-7.36 (m, 1H), 7.03-7.06 (m, 2H), 7.01 (d, 1H), 5.59 (t, 1H), 4.85 (t, 1H), 4.24 (t, 1H), 3.81 (s, 3H)、MS (ESI) : m/z 342.0 [M+H]
+【0064】
実施例3
【化23】
化合物(2−a)(42.1 kg)のテトラヒドロフラン(243.1 kg)溶液に、室温にてトリフルオロ酢酸(1.41 kg)、化合物(16)(52.7 kg)及びテトラヒドロフラン(19.0 kg)を順に加え、反応混合物を2時間撹拌した。室温にてメタノール(466.6 kg)を加え、混合物を0℃にて30分間撹拌した。結晶をろ取し、該結晶を0℃のテトラヒドロフラン(26.1 kg)とメタノール(43.5 kg)の混合液及び0℃のメタノール(66.5 kg)でさらに洗浄した。結晶を50℃以下で乾燥して、化合物(17−a)の粗体を得た。得られた粗体と1,2-ジメトキシエタン(164.9 kg)の混合物を80℃で30分間撹拌し、35℃まで冷却した後に、メタノール(150.0 kg)を加え、混合物を30分間撹拌した。結晶をろ取し、該結晶を1,2-ジメトキシエタン(36.6 kg)とメタノール(33.3 kg)の混合液で洗浄した。結晶を50℃以下で乾燥して、化合物(17−a)(33.4 kg)(収率57%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6) 7.29-7.42 (m, 7H), 7.23-7.29 (m, 3H), 7.17 (d, 2H), 6.82-6.85 (m, 2H), 5.42 (dd, 1H), 4.75 (dd, 1H), 4.20 (dd, 1H), 4.12 (ddd, 1H), 3.73 (s, 2H), 3.71 (s, 3H), 3.61 (dd, 1H), 3.19 (dd, 1H), 3.06 (dd, 1H), 2.83 (dd, 1H)、MS (ESI) : m/z 475.5 [M+H]
+【0065】
実施例4
【化24】
化合物(17−a)(33.3 kg)のテトラヒドロフラン(148.0 kg)溶液を5℃に冷却し、水酸化リチウム1水和物(3.53 kg)の水(33.3 kg)溶液及び水(16.7 kg)を加え、反応混合物を5℃で3.5時間、室温で30分間撹拌した。室温で35%塩酸(8.68 kg)を加え、混合物を1時間撹拌した。結晶をろ取し、該結晶をテトラヒドロフラン(29.6 kg)と水(10.0 kg)の混合液で洗浄した。結晶を50℃以下で乾燥して、化合物(18−a)(21.5 kg)(収率88%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6) 7.32-7.40 (m, 4H), 7.26-7.32 (m, 1H), 7.15 (d, 2H), 6.86 (d, 2H), 3.73-3.87 (m, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.43 (ddd, 1H), 3.15 (dd, 1H), 2.90-3.10 (m, 2H)、MS (ESI) : m/z 330.1 [M+H]
+【0066】
実施例5
【化25】
メタノール(126.0 kg)、化合物(18−a)(21.2 kg)、シクロペンタノン(13.3 kg)、10%パラジウム−炭素/水(2.24 kg、含水率53%)の混合物を、0.60 MPaの水素雰囲気下、50℃で21時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、50℃のメタノール(42.3 kg)で洗浄した。ろ液を55℃で42 Lまで濃縮し、メタノール(6.4 kg)を加え64Lとした。混合物を50℃で30分間撹拌した後、イソプロパノール(66.6 kg)を加え、混合物を50℃で30分間、20℃で30分間撹拌した。結晶をろ取し、該結晶をイソプロパノール(22.3 kg)及びメタノール(11.0 kg)の混合液で洗浄した。結晶を60℃以下で乾燥して、化合物(7−a)(17.4 kg)(収率93%)を得た。MS (APCI) : m/z 308.3 [M+H]
+【0067】
実施例6
【化26】
下記製造例1〜10に準じて製造された化合物(19)(15.2 kg)および塩化ナトリウム(6.00 kg)のトルエン(75.0 kg)懸濁液に、室温で炭酸水素ナトリウム(6.00 kg)の水(68.8 L)溶液及び水(6.9 L)を順に加え、混合物を室温で20分間撹拌した。水層を除き、有機層を水 (75.7 L) で洗浄し、濃縮した。トルエン(74.4 kg)を加え、35Lまで濃縮した。トルエン(22.0 kg)で希釈し、室温で化合物(7−a)(8.60 kg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(12.7 kg)、アセトニトリル(6.70 kg)を順に加え、室温で30分間撹拌した。混合物を10℃に冷却し、プロピルホスホン酸無水物(26.7 kg)を加え、反応混合物を13時間撹拌した。室温で炭酸カリウム(6.00 kg)の水(43.0 L)溶液、水(8.6 L)、酢酸エチル(38.8 kg)を順に加え、35℃で20分間撹拌した。水層を除き、有機層をクエン酸1水和物(7.70 kg)の水 (51.5 L) 溶液で洗浄後、濃縮し、イソプロパノール(67.4 kg)を加えた後、濃縮した。再度イソプロパノール(67.6 kg)を加え、35Lまで濃縮し、化合物(1’)の溶液を得た。
【0068】
実施例7
【化27】
実施例6で得た化合物(1’)の溶液をイソプロパノール(13.0 kg)で希釈し、75℃で1,2-エタンジスルホン酸水和物(3.09 kg)のイソプロパノール(33.8 kg)溶液、およびイソプロパノール(13.5 kg)を加え、混合物を75℃で1時間、5℃で1時間撹拌した。固体をろ取し、該固体をイソプロパノール(33.8 kg)で洗浄した。固体を50℃以下で乾燥して、化合物(1)(20.6 kg)(収率94%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6) 10.50 (br d, 1H), 7.34-7.64 (m, 2H), 7.21-7.33 (m, 2H), 6.89-7.10 (m, 2H), 4.20-4.53 (m, 1H), 3.57-4.13 (m, 11H), 2.50 (m, 17H), 1.39-2.30 (m, 11H)、MS (ESI) : m/z 690.4 [M+H]
+
次に、形成した固体をろ取して減圧乾燥した。得られた固体について、粉末X線構造解析を行い、結晶である事を確認した(
図1)。
【0069】
測定装置:D8 DISCOVER(Bruker AXS)
操作条件:
X線管球:セラミックス球管 銅、管電圧:40kV、管電流:40mA
入射光学系:ゲーベルミラー
受光検出器:VANTEC2000
サンプルステージ:UMC150 xyz
測定範囲:2θ=5〜35°
得られた結晶は、上記粉末X線回折において、回折角度(2θ±0.2°)として、表1に示す回折ピークを有した。本発明化合物は、回折角度(2θ±0.2°)として、少なくとも8.298、14.198、16.776、17.102、20.972、22.658、24.959に特徴的な回折ピークを有した。
【表1】
【0070】
実施例7の別法
化合物(1’)(276mg)のエタノール(1.4mL)溶液に1,2−エタンジスルホン酸水和物(38mg)を加え、室温で40分間撹拌した。結晶をろ取し、該結晶をエタノール(0.84mL)で2回洗浄した。40℃以下で乾燥して、化合物(1)(178mg)(収率57%)を取得し、元素分析を測定した。
【表2】
【0071】
実施例8
【化28】
化合物(1)(19.3 kg)の酢酸エチル(86.6kg)懸濁液に、室温で炭酸カリウム(3.40 kg)の水(77.0 L)溶液及び水(19.3 L)を順に加え、混合物を室温で20分間撹拌した。水層を除き、有機層を水 (96.3 L) で2回洗浄し、35Lまで濃縮した。エタノール(75.9 kg)を加え、35Lまで濃縮した。エタノール(45.4 kg)を加え、不溶物をろ去し、エタノール(30.2 kg)を加え、35Lまで濃縮した。エタノール(17.9 kg)で希釈することで58Lとし、室温で24%水酸化ナトリウム水溶液(6.1 kg)、水(15.6 kg)を順に加え、混合物を室温で5時間撹拌して、化合物(11)を得た。MS (ESI) : m/z 676.6 [M+H]
+【0072】
実施例8の別法
【化29】
化合物(1)(37.1 kg)の酢酸エチル(167.5 kg)懸濁液に、室温で炭酸カリウム(6.5 kg)の水(148.3 L)溶液及び水(36.8 L)を順に加え、混合物を室温で15分間撹拌した。水層を除き、有機層を水 (186 L) で2回洗浄し、酢酸エチル(67.2 kg)を加え、不溶物をろ過した。78 Lまで濃縮した後、エタノール(146.5 kg)を加え、78 Lまで濃縮した。エタノール(146.9 kg)を加え、56Lまで濃縮した。エタノール(44 kg)で希釈し、室温で24%水酸化ナトリウム水溶液(8.7 kg)、水(30.1 kg)を順に加え、混合物を40℃で5時間撹拌して、化合物(11)を得た。
【0073】
次に、実施例6に記載の化合物(19)の製造についての製造例を示す。
【0074】
製造例1
【化30】
水(101.5 L)に炭酸カリウム(26.1 kg)を溶解し、室温にて化合物(19−2)(18.4 kg)、トルエン(75.2 kg)及び化合物(19−1)(14.8 kg)を順に加え、反応混合物を85℃で22時間撹拌した。40℃に冷却した後に有機層を分取し、室温で水(101.5 L)及びクエン酸一水和物(14.5 kg)を加えて、混合物を撹拌した。分取した有機層に、室温で水(101.5 L)を加えて、混合物を撹拌し、分取した有機層を50℃で60 Lまで濃縮した。濃縮残渣にトルエン(47.7 kg)を加え、混合物を50℃で30 Lまで濃縮して、化合物(19−3)の溶液を得た。
【0075】
製造例2
【化31】
製造例1で得られた化合物(19−3)の溶液(30 L)に室温にて、ニトロメタン(47.0 kg)、トルエン(12.8 kg)及び28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(0.45 kg)を順に加え、反応混合物を4時間撹拌した。-5℃に冷却し、トルエン(102.3 kg)、メタンスルホニルクロリド(13.2 kg)及びトリエチルアミン(17.1 kg)を順に加え、混合物を1時間撹拌した。室温で水(29.7 L)を加えて撹拌し、分取した有機層を50℃で120 Lまで濃縮した。濃縮残渣にトルエン(79.5kg)を加え、混合物を50℃で120 Lまで濃縮した。再び、濃縮残渣にトルエン(77.0 kg)を加え、混合物を50℃で120 Lまで濃縮して、化合物(19−4)の溶液を得た。
【0076】
製造例3
【化32】
製造例2で得られた化合物(19−4)の溶液(120 L)に、室温にて水(29.6 L)、炭酸水素ナトリウム(2.96 kg)、マロン酸ジメチル(17.3 kg)及び化合物(19−5)(0.95 kg)を順に加え、反応混合物を19時間撹拌した。45℃で有機層を分取し、50℃で60 Lまで濃縮した。濃縮残渣に2-プロパノール(92.7 kg)を加え、混合物を65℃で90 Lまで濃縮した。再び、濃縮残渣に2-プロパノール(93.5 kg)を加え、混合物を65℃で90 Lまで濃縮した。混合物を25℃に冷却した後に16時間撹拌した。さらに、混合物を-9℃に冷却して2時間撹拌した後に、粗結晶をろ取し、水(147.8 L)で洗浄した。室温で粗結晶を1,2-ジメトキシエタン(106.3 kg)に溶解し、混合物を50℃で50 Lまで濃縮した。濃縮残渣に1,2-ジメトキシエタン(107.0 kg)を加え、混合物を50℃で50 Lまで濃縮した。再び、濃縮残渣に1,2-ジメトキシエタン(106.2 kg)を加え、混合物を50℃で50 Lまで濃縮して化合物(19−6)の溶液を得た。
【0077】
製造例4
【化33】
製造例3で得られた化合物(19−6)の溶液(50 L)に、室温にて1,2-ジメトキシエタン(91.6 kg)、5%ロジウム炭素(水分56.3%, 10.6 kg)及び酢酸(2.99 kg)を順に加え、反応混合物を60℃にて水素で加圧(0.6 MPa)し、20時間撹拌した。混合物を25℃に冷却した後に、反応混合物中の固体をろ過し、ろ液を得た。ろ過残渣を1,2-ジメトキシエタン(114.8 kg)で洗浄し、洗浄液をろ液と合わせ、50℃で60 Lまで濃縮した。濃縮残渣に1,2-ジメトキシエタン(115.0 kg)を加え、混合物を50℃で53 Lまで濃縮した。再び、濃縮残渣に1,2-ジメトキシエタン(114.9 kg)を加え、混合物を50℃で53 Lまで濃縮した。濃縮残渣を室温に冷却し1,2-ジメトキシエタン(11.5 kg)を加え、化合物(19−7)の濃縮液を得た。上述の手順で同様に調製した化合物(19−7)の濃縮液(スケールは1.0倍)と混合し、1,2-ジメトキシエタン(69.1 kg)を加えた。混合物を50℃で110 Lまで濃縮し、室温でメタノール(6.76 kg)、1,2-ジメトキシエタン(48.8 kg)を順に加えて化合物(19−7)の溶液(179 L)を得た。
【0078】
製造例5
【化34】
水素化ホウ素ナトリウム(7.99 kg)の1,2-ジメトキシエタン(146.7 kg)懸濁液に、45℃で製造例4で得られた化合物(19−7)の溶液及び1,2-ジメトキシエタン(49.1 kg)を順に加え、反応混合物を1時間撹拌した後に室温に冷却した。この反応溶液と1,2-ジメトキシエタン(25.0 kg)を、塩化アンモニウム(45.2 kg)の水(169.0 kg)溶液に25℃で順に加えた。室温で酢酸エチル(253.7 kg)を加えて混合物を撹拌した。有機層を分取し、室温で水(112.3 L)を加えて撹拌し、分取した有機層を50℃で170 Lまで濃縮した。濃縮残渣に酢酸エチル(253.7 kg)を加え、混合物を50℃で170 Lまで濃縮した。50℃でヘプタン(231.5 kg)を加え、混合物を0.7時間撹拌した後、10℃に冷却し、15時間撹拌した。結晶をろ取し、該結晶を10℃に冷却した酢酸エチル(25.6 kg)及びヘプタン(58.0 kg)の混合液で洗浄し、さらに室温の水(112.4 L)で洗浄した。結晶を50℃で乾燥して、化合物(19−8)(30.2 kg)(化合物(19−1)を基準として、収率44%)を得た。
【0079】
製造例6
【化35】
化合物(19−8) (29.0 kg) の1,2-ジメトキシエタン (163.6 kg) 溶液に、10℃にてトリフルオロメタンスルホン酸メチル (16.1 kg) の1,2-ジメトキシエタン (87.9 kg) 溶液を加え、反応混合物を2時間撹拌した。反応混合物に0℃にてテトラヒドロホウ素ナトリウム (2.5 kg) を加えた後に、混合物を10℃にて2時間撹拌した。トリエチルアミン (16.6 kg) を加えた後に、二炭酸ジ-tert-ブチル (13.6 kg) の1,2-ジメトキシエタン (25.0 kg) 溶液を加え、混合物を2時間撹拌した。さらに45℃にて2時間撹拌した後に、混合物を25℃に冷却した。トルエン (175.7 kg) を加えて有機層を分取し、塩化アンモニウム (20.3 kg) の水 (182.7 L) 溶液を加えて有機層を分取した。次いで、有機層を炭酸水素ナトリウム (5.8 kg) の水 (110.2 L) 溶液で洗浄し、104Lまで濃縮して化合物(19−9)の溶液を得た。
【0080】
製造例7
【化36】
N,N-ジメチルホルムアミド (97.9 kg) 、水酸化ナトリウム (15.7 kg)、およびトルエン(18.0 kg)からなる懸濁液に-10℃にてヨードメタン (37.2 kg) 、N,N-ジメチルホルムアミド (13.1 kg)、製造例6で得た化合物(19−9)の溶液(104L)を順に加えた後に、反応混合物を0℃にて10時間撹拌した。水 (117.6 L)、トリエチルアミン (26.5 kg)、およびトルエン(90.0 kg)を加え、有機層を分取した。有機層を塩化アンモニウム (41.5 kg) の水 (373.7 L) 溶液で2回、続いて炭酸水素ナトリウム (10.4 kg) の水 (197.2 L) 溶液で洗浄して、化合物(19−10)の溶液を得た。
【0081】
製造例8
【化37】
製造例7で得た化合物(19−10)の溶液の全量に、40℃にて水酸化カリウム (17.3 kg) のメタノール (213.6 L)溶液を加え、反応混合物を65℃にて18時間撹拌した。混合物を50℃に冷却し、水 (106.8 L) およびヘプタン (121.8 kg) を加えた後に、水層を分取した。メタノール (10.7 L)の水 (7.1 L) 溶液及びトルエン (110.4 kg) を順に加えた。10℃にて濃塩酸 (39.8 kg) の水 (159.7 L) 溶液を加え、混合物を撹拌した後に有機層を分取し、化合物(19−11)の溶液を得た。
【0082】
製造例9
【化38】
メタノール (127.6 L) に-10℃にて塩化アセチル (41.2 kg) を加えた後に、15℃にて製造例8で得た化合物(19−11)の溶液の全量及びメタノール(16.0 L)を滴下し、反応混合物を20℃にて4時間撹拌し、メタノール(16.0 L)を加えた。10℃にて24%水酸化ナトリウム水溶液 (80.9 kg)、水(129.8 L)及び炭酸ナトリウム (13.9 kg) の水 (127.7 L) 溶液を順に加え、混合撹拌した後に、有機層を分取した。有機層を塩化ナトリウム (9.6 kg) の水 (95.7 L) 溶液で洗浄し、化合物(19−12)の溶液を得た。
【0083】
製造例10
【化39】
製造例9で得た化合物(19−12)の溶液に、トルエン(55.2 kg)、エタノール (75.6 kg)、および2−メチルマロン酸 (4.9 kg) を加え、反応混合物を15℃〜8℃にて8時間撹拌した。結晶をろ取し、8℃に冷却したエタノール (12.4 kg) のトルエン (27.8 kg) 溶液で洗浄し、50℃にて乾燥することで、化合物(19)(15.3 kg) (化合物(19−8))を基準として、収率45%)を得た。
【0084】
実験例1:
化合物(1’)(20 mg)を各種有機溶媒(100 μL)に溶解し、表1に示す酸(モル当量比:1)を加え、完溶したものについて静置した。結果を下記表3に示す。表3に示す通り、1,2−エタンジスルホン酸2水和物とエタノールの組み合わせにおいて、検討した条件の中で唯一、固体のみを得ることができた。
【表3】
表中、-は酸が溶解しなかった、又は、検討を実施していない事を表し、×は固体のみを得ることができなかったことを表し、○は固体のみを得ることが出来たことを表す。
【0085】
実験例2:
下記の化合物(2−a)、化合物(20−a)及び化合物(21−a)について、以下実験例2−1〜2−3に示す通り、化合物(16)との環化反応を行い、生成物の立体選択性について比較検討を行った。
【化40】
【0086】
実験例2−1:
【化41】
化合物(2−a)(6.75 g)のジクロロメタン(30.0 mL)懸濁液に、室温にて化合物(16)(14.1 g)のジクロロメタン(30.0 mL)溶液、及びトリフルオロ酢酸(0.152 mL)を順に加え、反応混合物を加熱還流下30分間撹拌した。室温まで放冷し、氷冷したクエン酸(25.0 g)の水(250 mL)溶液を加え、クロロホルム(100 mL)で2回抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテルでトリチュレーションすることにより、化合物(17−a)と化合物(17−b)の混合物(7.39 g)(収率79%)を得た。得られた混合物中のジアステレオマー比率をNMRにより測定したところ、その比率は化合物(17−a):化合物(17−b)=5.1:1であった。
【0087】
実験例2−2
【化42】
化合物(20−a)(928 mg)と化合物(16)(2.15 g)のジクロロメタン(9.0 mL)溶液に、室温にてトリフルオロ酢酸(0.023 mL)を加え、反応混合物を加熱還流下撹拌した。室温まで放冷した後、氷冷下、クエン酸(3.0 g)の水(30 mL)溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1〜2:1)にて精製することにより、化合物(22−a)(588 mg)(収率44%)と化合物(22−b)(253 mg)(収率19%)を得た。得られたジアステレオマー比率は化合物(22−a):化合物(22−b)=2.3:1であった。
【0088】
実験例2−3
【化43】
化合物(21−a)(34.7 g)、化合物(16)(58.0 g)及びクロロホルム(200 mL)の混合物に、室温にてトリフルオロ酢酸(0.940 mL)を加え、反応混合物を室温で30分間、加熱還流下30分間撹拌した。室温まで放冷し、化合物(14)(11.6 g)とトリフルオロ酢酸(0.188 mL)を加え、反応混合物を加熱還流下30分間撹拌した。室温まで放冷し、氷冷したクエン酸(100 g)の水(1.00 L)溶液を加え、水層を除いた。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテル(150 mL)でトリチュレーションすることにより、化合物(23−a)と化合物(23−b)の混合物(35.5 g)を得た。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜1:1)にて精製することにより、化合物(23−a)(20.3 g)(収率43%)と化合物(23−b)(10.5 g)(収率22%)を得た。得られたジアステレオマー比率は化合物(23−a):化合物(23−b)=1.9:1であった。
【0089】
従って、上記実施例2−1〜2−3の結果において、反応生成物のジアステレオマー比は表4の通りであり、実験例2−1に示す化合物(2−a)と化合物(16)の反応が最も立体選択性が高いことが示された。すなわち、化合物(2−a)を用いることで、本発明化合物の中間体となる実施例3に示した化合物(17−a)が立体選択性の観点から効率よく得られることが示された。
【表4】