(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
化合物(A)が3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド(青色63、CAS番号:69898-40-4)、2 '-(ジベンジルアミノ)-6'-(ジエチルアミノ)フルオラン(CAS番号:34372-72-0)、N、N-ジメチル-4- [ 2- [2-(オクチルオキシ)フェニル] -6-フェニル-4-ピリジニル]ベンゼンアミン(黄色CK37、CAS番号:144190-25-0)、7-(4-ジエチルアミノ-2-ヘキシルオキシフェニル)-7-( 1-エチル-2-メチル-1H-インドール-3-イル)-7H-フロ[3,4-b]ピリジン-5-オン(青色203、CAS番号:98660-18-5)、2-( 2,4-ジメチルフェニルアミノ)-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン(黒色15、CAS番号:36431-22-8)及び3,3,-ビス-(1-ブチル-2-メチル-インドール-3-イル)-3H-イソベンゾフラン-1-オン(赤色40、CAS番号:50292-91-6)から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物 。
化合物(B)が、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC、CAS番号:79-97-0)、4-ヘキシル-1,3-ジヒドロキシベンゼン(4-ヘキシルレゾルシノール、CAS番号:136-77-6)、4,4'-シクロヘキシリデンビスフェノール(BPZ、CAS番号:843-55-0)、4,4 '-( ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール(ビスフェノールAF、CAS番号:1478-61-1)、4,4 '-(1-フェニルエチリデン)ビスフェノール(CAS番号:1571-75-1)、2,2'-ジヒドロキシビフェニル(CAS番号 :1806-29-7)、4,4 '-(1,4-フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール(CAS 番号: 2167-51-3)、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキサン( CAS番号:2362-14-3)、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フッ素(CAS番号:3236-71-3)、4,4 '-(1,3-フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール(CAS番号 :13595-25-0)、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン(CAS番号: 27955-94-8)、4,4 '-(2-エチルヘキシリデン)ジフェノール(CAS番号: 74462-02-5)、およびα、α、α'-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼン(CAS番号: 110726-28-8)から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】これらの変化は、
図1の図式に従う。この図式では、インクの初期の色消失温度はT3、インクの色が完全に消失したT4、TGはT3とT4の間の中間温度である。逆に、インクの初期色再現温度はT1で、THはT1とT2の間の温度である。(TH)と(TG)の間の範囲は、色変化ヒステリシス範囲(ΔH)と呼ばれる。
【0006】
驚くべきことに、発明者らは、熱色変性顔料組成物の反応展色剤として使用できる特定の化合物を発見した。前記組成物は、これらの化合物の脱色温度と再着色温度にそれぞれ対応する最適な融解温度と結晶化温度範囲を示す熱色変性顔料マイクロカプセルの調製を可能にする。従って、本発明の化合物は、熱色変性インクの温度変化調節剤として使用される多くの利点を示し、顕著なヒステリシス特性と、着色状態と脱色状態との間の非常に高い色コントラストを有する。
【0007】
第一実施形態によれば、本発明の技術目的は、以下を含む熱色変性顔料組成物を提供することである。
(A)少なくとも1つの電子供与体有機色素化合物、
(B)少なくとも1つの電子受容体化合物、及び
(C)次の式(I)で表される少なくとも1つの化合物
【0008】
【化1】
【0009】
ここで:
-R
1はH又はフェニル基を表し、
-R
2はH又はフェニル基を表し、
-n = 1-8。
【0010】
上記の式(I)において、nは、1、2、3、4、5、6、7又は8の整数の中から独立して選択されてもよい。
【0011】
有利には、上記式(I)において、R
1及びR
2は同一である。
【0012】
好ましい第一実施形態によれば、本発明の化合物(C)は、以下の式(Ia)で表される。
【0013】
【化2】
【0014】
ここで、n = 1-8。
【0015】
好ましい第二実施形態によれば、本発明の化合物(C)は、以下の式(Ib)に対応する。
【0016】
【化3】
【0017】
ここで、n = 1-8である。
【0018】
本発明の式(I)の化合物は、2つの異なる合成経路を使用して合成することができる。
【0019】
最初の合成ルートは、次の反応図に対応する(R
1 = R
2の場合)。
【0020】
【化4】
【0021】
この最初の合成ルートでは、アルコールの融点は60℃未満であり、溶媒の役割を果たす。それは過剰に使用され、好ましくは1.5 / 1〜3/1、さらにより好ましくは2/1のアルコール/カルボン酸比で使用される。アルコールとカルボン酸の混合物は、触媒の存在下で、酸が完全に消費されるまで減圧下、好ましくは200〜800 mbarで、120〜200℃、好ましくは140〜160℃の温度に加熱される。触媒は、パラトルエンソルフォン酸などの水溶性酸であることが好ましい。次いで、得られた式(I)の化合物は再結晶により精製される。
【0022】
2番目の合成ルートは、次の反応スキームで表される(R
1 = R
2の場合)。
【0023】
【化5】
【0024】
この2番目の合成ルートでは、アルコールはテトラヒドロフラン(THF)などの非プロトン性極性溶媒中の触媒で可溶化される。触媒は、好ましくはトリエチルアミンのような揮発性塩基である。混合物は、-20〜20℃、優先的には0〜10℃の温度に保たれる。混合物は、氷浴又はアセトン又はエタノールなどの溶媒に浸した固体CO
2浴で低温に保たれる。混合物は、有利には窒素を添加することにより不活性に保たれる。次いで、酸塩化物をゆっくりと、好ましくは液滴で、15〜60分の範囲、好ましくは30分かけて加える。 使用されるアルコール/酸塩化物の比率は、好ましくは1.1 / 1から1 / 1.1、更により好ましくは1/1である。次に、温度を室温(25℃)に上げ、混合物を攪拌しながらこの温度で1〜3時間、好ましくは2時間保持する。次いで、得られた式(I)の化合物を再結晶により精製する。
【0025】
本発明の式(I)の化合物は、好ましくは以下の化合物から選択される。
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
本発明の式(I)の化合物の融解温度は、20〜80℃、好ましくは30〜80℃、更により好ましくは40〜70℃で変動し得る。この最適な融合温度において、本発明の式(I)の化合物を熱変色性顔料組成物における温度変化調節剤として使用するのに必要な特性を示す理想的な化合物となる。
【0029】
本発明の熱変色性顔料組成物において、化合物(A)、(B)及び(C)の重量比は、これらの化合物のそれぞれの性質および濃度に基づいて変化する。
【0030】
電子供与体有機色素化合物(A)の重量比は、熱変色性顔料組成物の総重量に対して1〜10重量%、好ましくは1〜6重量%、更により好ましくは2〜4重量%で変化し得る。
【0031】
電子受容体化合物(B)の重量比は、熱変色性顔料組成物の総重量に対して、重量で1〜20%、好ましくは1〜14%、更により好ましくは4〜10%まで変動し得る。
【0032】
反応媒体の役割を果たす式(I)の化合物(C)の重量比は、熱変色性顔料組成物の総重量に関して、70〜98重量%、好ましくは80〜98重量%、更により好ましくは86〜94重量%まで変動し得る。
【0033】
従って、本発明の熱変色性顔料組成物は以下を含むことができる:
(A)少なくとも1つの電子供与体有機色素化合物の重量で1〜10%、好ましくは1〜6%、更により好ましくは2〜4%。
(B)少なくとも1つの電子受容体化合物の1〜20重量%、好ましくは1〜14重量%、更により好ましくは4〜10重量%、及び
(C)式(I)で表される少なくとも1つの化合物の70〜98重量%、好ましくは80〜98重量%、更により好ましくは86〜94重量%。
【0034】
好ましい実施形態によれば、本発明の熱変色性顔料組成物は以下を含む:
(A)2〜4重量%の少なくとも1つの電子供与体有機色素化合物、
(B)4〜10重量%の少なくとも1つの電子受容体化合物、及び
(C)式(I)で表される少なくとも1つの化合物86〜94重量%。
【0035】
有利には、本発明の熱変色性顔料組成物は、カプセル化後に20〜80℃、好ましくは30〜80℃、更により好ましくは40〜70℃の範囲の色変化ヒステリシス範囲(ΔH)を示す。
【0036】
電子供与体有機色素化合物(A)として、非限定的なリストには、ジフェニルメタンフタリド、フェニルインドリルフタリド、インドリルフタリド、ジフェニルメタンアザフタリド、フェニルインドリルアザフタリド、フルオラン、スチリルキノリンおよびジアザロダミンラクトンなどの古典的に知られている化合物が含まれ、これらの化合物の例は以下に示される。
【0037】
したがって、電子供与体有機色素化合物(A)は、以下の中から選択され得る:3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド(青色63 、CAS番号:69898-40-4)、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタレート(CAS番号:1552-42-7)、2'-クロロ-6 '-(ジエチルアミノ)- 3'-メチルフルオラン(CAS番号:21121-62-0)、6 '-(ジエチルアミノ)-1'、3'-ジメチルフルオラン(CAS番号:21934-68-9)、6 '-(ジエチルアミノ)-1 '、3'-ジメチルフルオラン(CAS番号: 21934-68-9)、2-クロロ-6-(ジメチルアミノ)フルオラン(CAS番号: 26567-23-7)、3-ジエチルアミノベンゾフルオラン(CAS番号: 26628- 47-7)、3 '、6'-ビス(ジエチルアミノ)-2-(4-ニトロフェニル)スピロ[イソインドール-1,9'-キサンテン] -3-オン(CAS番号:29199-09-5)、 2-フェニルアミノ-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン(CAS番号:29512-49-0)、2 '-(ジベンジルアミノ)-6'-(ジエチルアミノ)フッ素(CAS番号:34372-72-0)、2 -(2,4-ジメチルフェニルアミノ)-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン(ブラック15、CAS番号:36431-22-8)、3-(1,2-ジメチル-3-インドリル)-3- [4- (ジエチルアミノ)-2-メチルフェニル]フタリド(CAS番号36499-49-7)、3 '、6'-ジメトキシフルオラン(CAS番号:36886-76-7)、3,3-ビス-(1-ブチル-2-メチル-インドール-3-イル)-3H-イソベンゾフラン-1-オン(赤40、CAS番号:50292-91-6)、3,3-ビス-(2-メチル-1-オクチル-1H-インドール-3-イル)-3H-イソベンゾフラン-1-オン(CAS番号: 50292-95-0)、2'-アニリノ-6 '-[エチル(p-トリル)アミノ] -3'-メチルスピロ[イソベンゾフラン-1(3H)、9'- [9H]キサンテン] -3-オン(CAS番号: 59129-79-2)、3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4 -アザフタリド(CAS番号:69898-40-0)、3-(N-エチル-n-イソペンチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフッ素(CAS番号:70516-41-5)、3- [4 -(ジエチルアミノ)フェニル] -3-(1-エチル-2-メチル-1H-インドール-3-イル)フタリド(CAS番号:75805-17-3)、2 '-(2-クロロアニリノ)-6' -(ジブチルアミノ)フッ素(CAS番号: 82137-81-3)、2-フェニルアミノ-3-メチル-6-ジブチルアミノフルオラン(CAS番号: 89331-94-2)、3-(1-ブチル-2-メチル-1H-インドール-3-イル)-6-(ジメチルアミノ)-3- [4-(ジメチルアミノ)フェニル] -3-1(3H)-イソベンゾフラノン(CAS番号:92453-31-1)、7-( 4-ジエチルアミノ-2-ヘキシルオキシフェニル)-7-(1-エチル-2-メチル-1H-インドール-3-イル)-7H-フロ[3,4-b]ピリジン-5-オン(青色203、CAS no .: 98660-18-5)、7,7-ビス[4-(ジエチルアミノ)-2-エトキシフェニル]フロ[3,4- b]ピリジン-5-オン(CAS番号: 132467-74-4)、N、N-ジメチル-4- [2- [2-(オクチルオキシ)フェニル] -6-フェニル-4-ピリジニル]ベンゼンアミン(黄色CK37、CAS番号: 144190-25-0)、3-(2,2-ビス(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)ビニル)-3-(4-ジエチルアミノフェニル)-フタリド(CAS番号:148716-90-9)。
【0038】
好ましくは、電子供与体有機色素化合物(A)は、以下から選択され得る:3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド(青色63 、CAS番号:69898-40-4)、2 '-(ジベンジルアミノ)-6'-(ジエチルアミノ)フルオラン(CAS番号:34372-72-0)、N、N-ジメチル-4- [2- [ 2-(オクチルオキシ)フェニル] -6-フェニル-4-ピリジニル]ベンゼンアミン(黄色CK37、CAS番号:144190-25-0)、7-(4-ジエチルアミノ-2-ヘキシルオキシフェニル)-7-(1-エチル -2-メチル-1H-インドール-3-イル)-7H-フロ[3,4-b]ピリジン-5-オン(青色203、CAS番号:98660-18-5)、2-(2,4 -ジメチルフェニルアミノ)-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン(黒色15、CAS番号:36431-22-8)及び3,3、-ビス-(1-ブチル-2-メチル-インドール-3-イル)-3H -イソベンゾフラン-1-オン(赤40、CAS番号:50292-91-6)。
【0039】
電子受容体化合物(B)として、非限定的なリストには、フェノール性ヒドロキシル基(モノフェノール又はポリフェノール)を有する化合物などの活性プロトンを有する化合物、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基、これらのエステル、アミド基又はハロゲン原子などの置換基を有するそれらの誘導体、及びビスフェノール又はトリスフェノールなどの縮合フェノール-アルデヒド樹脂が含まれ得る。
【0040】
以下の定義は、本発明の意味において提供される。
【0041】
-アルキル:C
1-C
20、好ましくはC
1-C
12、より優先的にはC
1-C
6、さらにより優先的にはC
1-C
4の直鎖または分岐した飽和脂肪族炭化水素基。 「分岐」という用語は、メチル又はエチルなどの少なくとも1つの低級アルキル基が直鎖アルキル鎖によって運ばれることを意味する。アルキル基の例として、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、l-プロピル、n-ブチル、t-ブチル及びn-ペンチル基を挙げることができる。
【0042】
-アリール:少なくとも1つの芳香族環に由来する官能基又は置換基。 芳香族環は、環の各原子がp軌道を含む非局在化π系を含む任意の平らな単環式又は多環式グループに対応する。そのようなアリール基のうち、フェニル、ビフェニル、ナフタレン及びアントラセン基を挙げることができる。本発明のアリール基は、好ましくは4〜12個の炭素原子、さらにより好ましくは5〜6個の炭素原子を含む。更により好ましくは、本発明のアリール基はフェニル基である。
【0043】
従って、電子受容体化合物(B)は、以下から選択され得る:2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC、CAS番号:79-97-0)、4-ヘキシル- 1,3-ジヒドロキシベンゼン(4-ヘキシルレゾルシノール、CAS番号:136-77-6)、4,4'-シクロヘキシリデンビスフェノール(BZP、CAS番号:843-55-0)、4,4 '-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール(ビスフェノールAF、CAS番号:1478-61-1)、4,4 '-(1-フェニルエチリデン)ビスフェノール(CAS番号:1571-75-1)、2,2'-ジヒドロキシビフェニル(CAS番号:1806 -29-7)、4,4'-エチリデンビスフェノール(CAS 番号: 2081-08-5)、4,4 '-(1,4-フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール(CAS 番号: 2167-51-3)、1 、1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキサン(CAS番号:2362-14-3)、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フッ素(CAS番号:3236-71-3)、4 、4 '-(1,3-フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール(CAS no .: 13595-25-0)、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン(CAS 番号: 27955-94-8)、4 、4 '-(2-エチルヘキシリデン)ジフェノール(CAS 番号: 74462-02-5)、α、α、α'-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼン(CAS 番号: 110726- 28-8)、4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノl(CAS番号:140-66-9)、4-ヒドロキシジフェニルエーテル(CAS番号:831-82-3)、ビス(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)メタン(CAS番号:1096-84-0) 、4-(メチルスルホニル)フェノール(CAS 番号: 14763-60-1)、4-ヒドロキシフェニル-4'-イソプロポキシフェニルスルホン(CAS 番号: 95235-30-6)、4,4'-ジヒドロキシビフェニル(CAS番号:92-88-6)、4-ヒドロキシビフェニル(CAS番号: 92-69-3)、p-ヒドロキシクメン(CAS番号: 99-89-8)、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン(CAS番号: 131- 56-6)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ、CAS番号: 150-76-5)、3-n-ペンタデシルフェノール(CAS番号: 501-24-6)、4-(2-フェニルイソプロピル)フェノール(CAS番号:599-64-4)、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール(CAS番号: 3380-34-5)、N-(p-トルエンスルホニル)-N '-(3-( p-トルエンスルホニルオキシ)フェニル)尿素(CAS番号:232938-43-1)、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(CAS番号:79-94-7)、4 4'-イソプロピリデンジフェノール(CAS番号: 80-05-7)及び4,4'-スルホニルジフェノール(BPS、CAS番号: 80-09-1)。
【0044】
好ましくは、電子受容体化合物(B)は、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC、CAS番号:79−97−0)、4−ヘキシル−13-ジヒドロキシベンゼン(4-ヘキシルレゾルシノール、CAS番号: 136-77-6)、4,4'-シクロヘキシリデンビスフェノール(BZP、CAS番号: 843-55-0)、4,4 '-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール(ビスフェノール AF、CAS番号:1478-61-1)、4,4 '-(1-フェニルエチリデン)ビスフェノール(CAS番号:1571-75-1)、2,2'-ジヒドロキシビフェニル(CAS番号:1806-29 -7)、4,4 '-(1,4-フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール(CAS番号: 2167-51-3)、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキサン(CAS番号: 2362 -14-3)、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フッ素(CAS番号: 3236-71-3)、4,4 '-(1,3-フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール(CAS番号: 13595-25 -0)、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン(CAS番号: 27955-94-8)、4,4 '-(2-エチルヘキシリデン)ジフェノール(CAS番号: 74462-02-5 )、及びα、α、α'-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼン(CAS番号: 110726-28-8)の中から選択される。
【0045】
本発明の熱変色性顔料組成物は、本発明の式(I)の化合物(C)に化合物(A)及び(B)を溶解し、次いで、ホモミキサー又は分散機のような攪拌機などの助けを借りて均一な混合物が得られるまでそれを攪拌することにより調製される。
【0046】
従って、本発明の式(I)の化合物と関連する化合物(A)及び(B)は、マイクロカプセルの形状で製剤化することができる。 従って、本発明の熱変色性顔料組成物は、マイクロカプセルに封入されて熱変色性顔料マイクロカプセルを形成する。 そのような熱変色性顔料マイクロカプセルは、本発明による別の技術的目的を構成する。 それらは、機械的制約に耐性があり、不溶性であり、したがって水に分散可能であり、凝集が遅いという点で有利な特性を示す。
【0047】
本発明による熱変色性顔料マイクロカプセルの融解温度(又は脱色温度T4)は、20〜80℃、好ましくは30〜80℃、さらにより好ましくは40〜70℃で変化し得る。
【0048】
本発明の熱変色性顔料マイクロカプセルの結晶化温度(又は再着色温度T1)は、-40〜20℃、好ましくは-30〜10℃、さらにより好ましくは-20〜0℃で変化し得る。
【0049】
本発明の熱変色性顔料マイクロカプセルは、0.5〜30μm、好ましくは1〜10μm、更により好ましくは3〜5μmの範囲の平均直径を示す。この平均直径は体積でD90に相当し、90%の体積が指定された間隔内のサイズのマイクロカプセルで構成されていることを意味する。この平均直径は、Malvern Instruments Zetasizer Nano ZSを使用した粒度分布レーザーによって決定できる。
【0050】
使用されるマイクロカプセル化プロセスには、次のような従来の方法が含まれるが、これらに限定されない。
-コーティングマイクロカプセルのインサイツ形成に基づく化学プロセス、例えば重合または界面重縮合、これらのプロセスが好ましい。
-物理化学プロセス、例えば 相分離又はコアセルベーション、溶媒蒸発抽出、エマルジョンの熱誘起ゲル化(ホットメルト)、又は
-機械的プロセス、例えば 噴霧/乾燥(噴霧乾燥)、液滴のゲル化又は凝固、流動層コーティング(噴霧コーティング)。
【0051】
本発明の熱変色性顔料マイクロカプセルは、有利にはアミノプラスト樹脂ベース、好ましくはメラミン樹脂、尿素樹脂又はベンゾグアナミン樹脂ベースで製造される。
【0052】
本発明の熱変色性顔料マイクロカプセルは、好ましくはメラミン樹脂を用いた現場重合により調製される。
【0053】
本発明の別の技術的目的は、本発明による熱変色性顔料マイクロカプセルを含むインク組成物に関する。
【0054】
インク組成物内に存在する本発明の熱変色性顔料マイクロカプセルは、インク組成物の総重量の5〜50重量%に相当する。
【0055】
さらに、本発明のインク組成物は主に水からなる。有利には、水はインク組成物の総重量の40〜80重量%を占める。
【0056】
同様に、本発明のインク組成物は、1又はそれ以上の水混和性共溶媒を含んでもよい。 したがって、本発明のインク組成物は、有機又は水性溶媒、好ましくは水性溶媒を含むことができる。
【0057】
本発明のインク組成物に添加することができる溶媒の中で、以下のような水および極性水混和性溶媒を挙げることができる。
【0058】
-アルコール:C
1-C
15の直鎖又は分岐アルコール、例えば イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール; グリセリン; ジグリセリン; ポリグリセリン
-エステル、例えば酢酸エチル又は酢酸プロピル、
-炭酸エステル、例えば炭酸プロピレン又は炭酸エチレン、
-ケトン、例えば メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセトン又はシクロヘキサノン、
-グリコール、例えば エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、3-ブチレングリコール及びチオジエチレングリコール、
-アミド、例えば ジメチルアセトアミド又はジメチルホルムアミド、及び
-それらの混合物。
【0059】
1又はそれ以上の溶媒は、インク組成物の総重量の5〜20重量%に相当する。
【0060】
同様に、本発明のインク組成物は、最終的な意図される用途に応じて異なる役割を果たし得る1又はそれ以上の特定の補助剤を含んでもよい。これらの用途は、セリグラフィー、オフセット印刷、グラビア印刷、スプレーコーティング、静電コーティング、電着可能コーティング、ロールコーティング、インクジェット印刷によるインク印刷、及びボールペン、筆ペン、マーカー、色鉛筆などの筆記具用インクに関連する場合があってもよい。本発明のインク組成物は、熱可塑性又は熱硬化性樹脂組成物に添加されて、型を形成してもよい。
【0061】
上記の補助剤の中で、以下を挙げることができる:
-ゲル化効果を生成できるレオロジー調整剤(せん断減粘剤)、例えばキサンタンガム又はアラビアゴム、
-消泡剤、例えば ポリシロキサン(SynthronのMOUSSEX(登録商標))の変性水性分散液、
-pH調整剤、例えば水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、
-界面活性剤、例えば ポリエーテルポリオール(DOWのTERGITOL(商標))、
-殺生物剤、例えば イソチアゾリノン(ThorのACTICIDE(登録商標))、
-腐食防止剤、例えば ベンゾトリアゾール、
-潤滑剤、
-分散剤、
-凝集剤、
-架橋剤、
-湿潤剤、
-可塑剤、
-酸化防止剤、
-UV安定剤。
【0062】
本発明の更なる技術的目的は、本発明によるインク組成物を含む筆記用具に関する。これらの器具は、一般に本発明のインク組成物を含む本体と、場合によっては摩擦要素で構成される。本発明による筆記用具は、有利にはボールペン、鉛筆、チョーク、更により有利には摩擦消去可能なインクを備えたボールペンの中から選択される。筆記具の摩擦要素は、好ましくは消しゴムである。
【0063】
本発明のインク組成物を塗布できる媒体は、紙、繊維、皮革、プラスチック、ガラス、金属、木材およびコンクリートである。
【0064】
上記の規定に加えて、本発明は、本発明による式(I)の化合物の使用、それらの特性決定、及び熱変色性顔料組成物における温度変化調整剤としてのそれらの使用に関する、以下の補足説明から生じる更なる規定を含む。
【実施例】
【0065】
以下の式の化合物(1)及び(2)は、以下のプロトコルに従って調製される。
【0066】
【化8】
【0067】
化合物(1)の合成:
10 gの1,10-デカンジオール(CAS番号:112-47-0)、52 gの3,3-ジフェニルプロピオン酸(CAS番号:606-83-7)、及び200 mgのp-トルエンスルホン酸(PTSA)一水和物(CAS番号: 6192-52-5)を混合し、減圧下(400 mbar)で6時間140℃に加熱する。
【0068】
次に、反応媒体を150mlの酢酸エチルに溶かす。有機相を回収し、150 mlの水で3回洗浄する。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。
【0069】
生成物は、イソプロパノールを使用して1回、エタノールを使用して1回再結晶される。得られた生成物の気相クロマトグラフィー(GPC)分析は、生成物が95%の純度であることを示す。
【0070】
化合物(2)の合成:
10 gの1,10-デカンジオール(CAS番号: 112-47-0)、34.2 gの3-フェニルプロピオン酸(CAS番号: 501-52-0)、及び200 mgのp-トルエンスルホン酸(PTSA) 一水和物(CAS番号: 6192-52-5)を混合し、減圧下(400 mbar)で6時間160℃に加熱する。
【0071】
次に、反応媒体を150mlの酢酸エチルに溶かす。有機相を回収し、150 mlの水で3回洗浄する。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。
【0072】
生成物は、イソプロパノールを使用して1回、エタノールを使用して1回再結晶されます。 得られた生成物の気相クロマトグラフィー(GPC)分析は、生成物が95%の純度であることを示す。
【0073】
得られた化合物(1)及び(2)の融解温度TFUSは、TA Instruments Q20デバイスで示差走査熱量測定(DSC)を使用して、温度範囲-50〜100℃で、冷却/加熱速度+/- 20℃/分で測定する。測定された温度は、以下の表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
熱変色性顔料組成物の調製:
熱変色性顔料組成物は、1.9重量部の3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド(化合物(A)、 CAS番号:69898-40-4)、2.1重量部の4,4 '-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール(化合物(B1)CAS番号:1478-61-1)、2.1重量部の2,2- ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン(化合物(B2)、CAS番号:79-97-0)及び93.9重量部の本発明の式(I)の化合物(化合物(1))(化合物(C))を混合することで調整される:
【0076】
【化9】
【0077】
得られた混合物を、化合物(A)、(B1)及び(B2)が化合物(C)に完全に溶解するまで、攪拌しながら110℃の温度で45分間加熱する。
【0078】
熱変色性顔料組成物の調整
無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマーの水溶液7.7重量部(コポリマーの33重量%溶液)を、水酸化ナトリウム水溶液(1.0 M溶液)10.5重量部で中和する。この溶液を39.5重量部の水で希釈し、混合物をホモジナイザーで少なくとも15 m.s-1の速度で乳化する。前に調製した熱変色性顔料組成物25.3重量部を添加し、得られた乳濁液を90℃の温度で30分間保持する。次いで、メラミン-ホルムアルデヒドプレポリマー17.0重量部(プレポリマーの50重量%水溶液)を混合物に滴下する。次に、反応媒体を90℃の温度に加熱し、少なくとも15 m.s-1の速度で4時間混合する。
【0079】
水性溶媒に分散した熱変色性顔料マイクロカプセルで構成されるスラリーが得られ、632 nmの照明とMalvern Zetasizer Nano ZSシステムを使用して測定したマイクロカプセルのD90直径は、3.8μmである。
【0080】
得られた熱変色性顔料マイクロカプセルは、色ヒステリシス効果により、71℃を超えると青色から無色に変色する特性を持っている。
【0081】
調製された熱変色性顔料マイクロカプセルの脱色及び再着色温度の決定:
得られた熱変色性顔料マイクロカプセルの転移温度は、TA Instruments Q20デバイスと共に示差走査熱量測定(DSC)を使用して、温度範囲-50〜100℃、冷却/加熱速度+/-20℃/分で測定された。 測定された温度は、以下の表2に示す。
【0082】
【表2】
【0083】
測定された転移温度は次のとおりである。
T1:完全な再着色温度、
T2:部分的な再着色温度、
T3:部分的な脱色温度、
T4:完全な脱色温度、
【0084】
【数1】
【0085】
ΔH =ヒステリシス域= T
G - T
H