特許第6986573号(P6986573)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986573
(24)【登録日】2021年12月1日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】プロジェクタ
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20211213BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20211213BHJP
   G03B 21/16 20060101ALI20211213BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20211213BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20211213BHJP
【FI】
   G03B21/14 Z
   G03B21/00 F
   G03B21/16
   G03B21/14 D
   H04N5/74 Z
   G02B7/02 D
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-561810(P2019-561810)
(86)(22)【出願日】2017年7月28日
(65)【公表番号】特表2020-519949(P2020-519949A)
(43)【公表日】2020年7月2日
(86)【国際出願番号】CN2017094803
(87)【国際公開番号】WO2018205421
(87)【国際公開日】20181115
【審査請求日】2020年1月6日
(31)【優先権主張番号】201720519677.5
(32)【優先日】2017年5月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514090979
【氏名又は名称】深▲せん▼光峰科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】APPOTRONICS CORPORATION LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】田 鳳蓮
(72)【発明者】
【氏名】梁 超
(72)【発明者】
【氏名】李 屹
【審査官】 新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−054010(JP,A)
【文献】 特開2016−009014(JP,A)
【文献】 特開2008−112094(JP,A)
【文献】 特開2001−343708(JP,A)
【文献】 特開2015−184407(JP,A)
【文献】 特開2014−062974(JP,A)
【文献】 特開2011−164138(JP,A)
【文献】 特開2004−205686(JP,A)
【文献】 特開2012−189835(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0290895(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第101535891(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/14
G03B 21/00
G03B 21/16
H04N 5/74
G02B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクタであって、
空気入口面と空気出口面とを有するハウジングと、
前記ハウジング内に位置するレンズモジュールとを備え、
前記空気入口面には、空気入口が設けられ、前記空気出口面には、空気出口が設けられ、前記空気入口と前記空気出口との間には、ガス流通のための空気通路が形成され、前記レンズモジュールは、レンズと、レンズの外周に設けられる保護カバーとを含み、前記保護カバーは、前記レンズと前記空気通路とを隔離し、
前記保護カバーは、前記空気入口面に対向して設けられる第1表面と、前記空気出口面に対向して設けられる第2表面と、前記第1表面と前記第2表面とを接続する第3表面とを含み、
前記レンズモジュールは、前記ハウジングに接続されてレンズと前記保護カバーとを固定するためのレンズホルダをさらに含み、前記第3表面の前記レンズホルダに近接する側には、係合溝が設けられ、前記係合溝は、前記レンズホルダに係合固定されていることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
プロジェクタであって、
空気入口面と空気出口面とを有するハウジングと、
前記ハウジング内に位置するレンズモジュールとを備え、
前記空気入口面には、空気入口が設けられ、前記空気出口面には、空気出口が設けられ、前記空気入口と前記空気出口との間には、ガス流通のための空気通路が形成され、前記レンズモジュールは、レンズと、レンズの外周に設けられる保護カバーとを含み、前記保護カバーは、前記レンズと前記空気通路とを隔離し、
前記保護カバーは、前記空気入口面に対向して設けられる第1表面と、前記空気出口面に対向して設けられる第2表面と、前記第1表面と前記第2表面とを接続する第3表面とを含み、
前記ハウジングは、前記空気入口面と前記空気出口面とを接続するレンズ取付面を含み、前記レンズ取付面には、レンズ取付孔が開設され、前記レンズモジュールは、前記ハウジングに接続されてレンズと前記保護カバーとを固定するためのレンズホルダをさらに含み、前記レンズホルダは、前記レンズ取付孔に対応して設けられ、
前記第3表面の前記レンズ取付面に近接する側には、前記レンズの逃げ部が設けられ、前記保護カバーは、前記逃げ部を介して前記レンズのエッジに当接することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項3】
プロジェクタであって、
空気入口面と空気出口面とを有するハウジングと、
前記ハウジング内に位置するレンズモジュールとを備え、
前記空気入口面には、空気入口が設けられ、前記空気出口面には、空気出口が設けられ、前記空気入口と前記空気出口との間には、ガス流通のための空気通路が形成され、前記レンズモジュールは、レンズと、レンズの外周に設けられる保護カバーとを含み、前記保護カバーは、前記レンズと前記空気通路とを隔離し、
前記ハウジングは、前記空気入口面と前記空気出口面とを接続するレンズ取付面を含み、前記レンズ取付面には、レンズ取付孔が開設され、前記レンズモジュールは、前記ハウジングに接続されてレンズと前記保護カバーとを固定するためのレンズホルダをさらに含み、前記レンズホルダは、前記レンズ取付孔に対応して設けられ、
前記プロジェクタは、レンズホルダを介して前記レンズに電気的に接続されるレンズケーブルを備え、前記保護カバーと前記ハウジングとの間には、前記レンズの収容空間が形成され、前記レンズケーブルは、当該収容空間外に位置することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項4】
前記空気入口面と前記空気出口面とは、対向して設けられ、前記レンズモジュールは、前記空気入口面と前記空気出口面との間に位置することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記空気入口面と前記空気出口面との間に設けられる、メイン基板とヒートシンクとレーザとカラーホイールユニットとをさらに備えることを特徴とする請求項に記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記ヒートシンクは、前記空気入口と前記レンズモジュールとの間に位置し、前記保護カバーの前記第1表面は、前記ヒートシンクに近接し、前記第1表面には、前記ハウジングに接続される第1固定部が設けられ、前記第2表面には、前記ハウジングに接続される第2固定部が設けられていることを特徴とする請求項に記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記空気出口には、前記空気出口に対応するファンが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項8】
前記第3表面には、固定孔が開設され、前記固定孔は、前記係合溝の両側に開設され、前記保護カバーと前記レンズホルダとは、前記固定孔を介して固定されていることを特徴とする請求項に記載のプロジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学分野に関し、特にエンジニアリングプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、直接投影型の、レンズが交換可能なエンジニアリングプロジェクタの場合、レンズが機器の前部のほぼ中央に位置し、ちょうど機器の空気入口と空気出口との間の中間箇所にも位置するため、空気通路に侵入した塵によってレンズの入光面が汚染され易く、レンズを頻繁にメンテナンスする必要が生じる。
【0003】
また、レンズホルダには、レンズに非常に近い位置にケーブルが設けられている。レンズは、取り外して交換される際に、ホルダのケーブルによって妨害されたり、当該ケーブルによって挟まれたりすることがあり、レンズのスムーズな交換の妨げとなっている。
【0004】
したがって、上記問題を解決するために、新たなプロジェクタを提供する必要が実に存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が主に解決する技術的課題は、塵がレンズに侵入し易く、メンテナンスが困難であり、かつ、取り外しが不便であるという従来技術における課題を解決するために、レンズ保護カバーを備えるプロジェクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決すべく、本発明は、以下の解決手段を講じる。本発明は、プロジェクタを提供する。前記プロジェクタは、空気入口面と空気出口面とを有するハウジングと、前記ハウジング内に位置するレンズモジュールとを備え、前記空気入口面には、空気入口が設けられ、前記空気出口面には、空気出口が設けられ、前記空気入口と前記空気出口との間には、ガス流通のための空気通路が形成され、前記レンズモジュールは、レンズと、レンズの外周に設けられる保護カバーとを含み、前記保護カバーは、前記レンズと前記空気通路とを隔離する。
【0007】
好ましくは、前記空気入口面と前記空気出口面とは、対向して設けられ、前記レンズモジュールは、前記空気入口面と前記空気出口面との間に位置する。
【0008】
好ましくは、前記プロジェクタは、前記空気入口面と前記空気出口面との間に設けられる、メイン基板とヒートシンクとレーザとカラーホイールユニットとをさらに備える。
【0009】
好ましくは、前記ヒートシンクは、前記空気入口と前記レンズモジュールとの間に位置し、前記保護カバーは、前記ヒートシンクに近接する第1表面と、前記第1表面に対向して設けられる第2表面と、前記第1表面と前記第2表面とを接続する第3表面とを含む。
【0010】
好ましくは、前記第1表面には、前記ハウジングに接続される第1固定部が設けられ、前記第2表面には、前記ハウジングに接続される第2固定部が設けられている。
【0011】
好ましくは、前記空気出口には、前記空気出口に対応して設けられるファンが設けられている。
【0012】
好ましくは、前記ハウジングは、前記空気入口面と前記空気出口面とを接続するレンズ取付面を含み、前記レンズ取付面には、レンズ取付孔が開設されている。
【0013】
好ましくは、前記レンズモジュールは、ハウジングに接続されてレンズと保護カバーとを固定するためのレンズホルダをさらに含み、前記レンズホルダは、レンズ取付孔に対応して設けられている。
【0014】
好ましくは、前記第3表面においてレンズホルダに近接する側には、係合溝が設けられ、前記係合溝は、前記レンズホルダに係合固定されている。
【0015】
好ましくは、前記第3表面には、固定孔が開設され、前記固定孔は、前記係合溝の両側に開設され、前記保護カバーと前記レンズホルダとは、固定孔を介して固定されている。
【0016】
好ましくは、前記第3表面においてハウジングに近接する側には、レンズの逃げ部が設けられ、前記保護カバーは、前記逃げ部を介して前記レンズのエッジに当接する。
【0017】
好ましくは、前記プロジェクタは、レンズホルダを介して前記レンズに電気的に接続されるレンズケーブルを備え、前記保護カバーと前記ハウジングとの間には、前記レンズの収容空間が形成され、前記レンズケーブルは、当該収容空間外に位置している。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以下の有利な作用効果を有する。従来技術よりも、本発明に係るプロジェクタは、レンズに保護カバーを設けることで、レンズの塵進入を防止でき、かつ、プロジェクタの内部空間を隔離可能であり、レンズの取り外しおよびメンテナンスが容易であり、ユーザ体験が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のレンズが取り付けられていないプロジェクタの部分組立構成模式図
図2】本発明のハウジングの一部を省略したプロジェクタの部分組立構成模式図
図3】本発明のプロジェクタの保護カバーの構成模式図
図4】本発明のプロジェクタの内部組立模式図
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここに記載の具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではないことを理解されたい。
【0021】
図1及び図2に示すように、本発明のプロジェクタは、収容空間を有するハウジング1、ハウジング1内に収容されるメイン基板2、レンズモジュール、ヒートシンク7、レーザおよびカラーホイールユニットを含む。
【0022】
ここで、ハウジング1は、メイン基板2に垂直な空気入口面11および空気出口面12と、空気入口面11と空気出口面12とを接続する天面13および底面とを含む。レンズモジュール、ヒートシンク7およびカラーホイールユニットは、何れも空気入口面11と空気出口面12との間に位置する。メイン基板2は、ハウジング1の底面に固定されている。本実施形態では、メイン基板2は、ハウジング1の底面に固定された独立の集積回路基板であり、機能が異なる複数のソケットが設けられてもよい。具体的には、本実施形態では、メイン基板2には、複数のモジュールソケット、電源制御ソケットおよびDMDソケットが設けられている。選択可能な他の実施形態では、メイン基板2は、ハウジング1と一体に成形されてハウジング1の底部に統合されてもよい。また、メイン基板2は、プロジェクタの底部空間全体を覆ってもよく、ハウジング内の一部の空間のみを占めてもよく、集積作用を奏すれば、実施可能である。
【0023】
空気入口面11には、空気入口が設けられ、空気出口面12には、空気出口121が設けられ、空気入口面11の空気入口と空気出口面12の空気出口121とは、対応して設けられて、ガス流通のための空気通路を形成する。さらに、空気出口121に対応して、ガス流動を促進してプロジェクタの内部放熱を補強するためのファン6が設けられている。
【0024】
レンズモジュールは、レンズ3、レンズ3を固定するためのレンズホルダ4および保護カバー5を含む。さらに、ハウジング1は、空気入口面11と空気出口面12とを接続するとともに、天面13と底面との間に位置するレンズ取付面14をさらに含む。ここで、レンズ取付面14には、レンズ取付孔141が開設されている。レンズ3は、当該レンズ取付孔141を介してハウジング1の内部に挿入される。レンズ3の光線の入射方向は、空気通路内のガスの流動方向に対して垂直である。すなわち、レンズ3は、プロジェクタの空気受け面に位置している。
【0025】
レンズホルダ4は、レンズ取付孔141に対応して設けられて、レンズ3の取付箇所を形成する。レンズホルダ4のレンズケーブルを介してレンズ3とメイン基板2とを電気的に接続し、プロジェクタのレンズケーブルが何れもレンズホルダ4に固定接続される。
【0026】
保護カバー5は、レンズ3の外周に設けられ、レンズと空気通路とを隔離するために使用される。図3に示すように、保護カバー5は、空気入口面11に対向して設けられる第1表面51と、空気出口面12に対向して設けられる第2表面52と、第1表面51と第2表面52とを接続する第3表面53とを含む。ここで、第1表面51においてメイン基板2に近接する側には、メイン基板2に接続される第1固定部511が設けられ、第2表面52においてメイン基板2に近接する側には、メイン基板2に接続される第2固定部521が設けられている。保護カバー5とハウジング1とは、レンズ取付箇所を囲む間隔を形成し、その間にはレンズ3の収容空間が形成され、レンズケーブルが当該収容空間外に隔離されている。このように、レンズを取り外す際に、レンズの交換が容易であり、レンズがケーブルで妨害されたり挟まれたりして製品の信頼性に影響を及ぼすことを回避することができる。そして、レンズの取り外し交換時にプロジェクタの内部空間が見えることがなく、製品の美観性が保証される。
【0027】
第3表面53がレンズホルダ4に近く、レンズ取付面から離間する側には、係合溝531が設けられ、当該係合溝531は、レンズホルダ4に係合固定されている。対応的に、レンズホルダには、それに対応するバックルまたは段部が設けられて、保護カバー5とレンズホルダ4との固定の確実性を向上させる。
【0028】
さらに、第3表面53には、固定孔532がさらに開設されている。具体的には、本実施形態では、固定孔532が総計で2つあり、それぞれに前記係合溝531の両側に開設され、ホルダ4と保護カバーとのさらなる固定に用いられる。固定ホルダ4には、当該固定孔532に合わせるバンプ、ボスを設けたり、当該固定孔532を介してネジ固定を行なったりしてもよく、何れも実施可能である。
【0029】
さらに、第3表面53のレンズ取付面に近接する側には、レンズの逃げ部533が設けられ、保護カバー5は当該逃げ部533を介してレンズ3のエッジに当接する。これにより、レンズ3、保護カバー5およびレンズホルダ4は、1つの一体的な構造を形成して、全体として防塵作用を奏する。
【0030】
図4を参照すると、カラーホイールユニットは、カラーホイールとカラーホイール駆動装置とを含む。レーザはレーザ光を発するためのものであり、動作時に大きな熱を発生し、本発明のプロジェクタの主な発熱源であるが、プロジェクタ内には、結像を調節するためのDMD駆動装置と、メイン基板の電源制御基板ソケットに電気的に接続される電源制御基板とがさらに設けられてもよく、同様に熱を発生する。対応的に、ヒートシンク7は、レーザの上層に熱伝導的に設けられている。具体的には、本実施形態では、レーザおよびヒートシンクは、空気入口とレンズモジュールとの間に位置する。空気入口から進入した空気流は、ヒートシンクを経てプロジェクタの放熱を行い、その後、レンズモジュールを経てファン6の駆動により空気出口から流れ出て、プロジェクタの内部放熱を実現する。
【0031】
従来技術よりも、本発明に係るプロジェクタは、レンズに保護カバーを設けることで、レンズの塵進入を防止でき、かつ、プロジェクタの内部空間を隔離可能であり、レンズの取り外しおよびメンテナンスが容易であり、ユーザ体験が良好となる。
【0032】
以上の記載は、本発明の実施例に過ぎず、本発明の特許範囲を制限するわけではなく、本発明の明細書及び図面の内容を用いてなされる均等な構造または均等な流れ変換、あるいは、他の関連する技術分野へ直接的又は間接的に運用することは、同様な理由により、何れも本発明の特許保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4