(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について適宜図面を参照して説明するが、本実施形態は以下の内容に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜変更して実施可能である。
本実施形態の電気掃除機は、ユーザが手指以外の例えば肘、膝、足先などでも容易にコード巻取りボタンを操作することができるように、掃除機本体の上面部から側面部にわたってコード巻取りボタンの押圧面が形成されていることを特徴とする。
以下では、電気掃除機の全体構成について説明した後に、前記の特徴点についてさらに詳しく説明する。以下の説明において、電気掃除機の前後左右上下の方向は、
図1の電気掃除機1における掃除機本体2の前後左右上下の方向(
図1の矢印方向)を基準とする。
【0010】
<電気掃除機の全体構成>
図1は、本実施形態に係る電気掃除機1の全体を示す外観斜視図である。
本実施形態の電気掃除機1は、一般に、集塵タンク式又はペール缶式と称せられるものである。
図1に示すように、電気掃除機1は、掃除機本体2、ホース3、操作管4、延長管5、吸込具6、第1ハンドル31、第2ハンドル32、第3ハンドル33などを備えて構成されている。
【0011】
ホース3の一端は、掃除機本体2に接続され、他端が操作管4の一端に接続されている。操作管4は、手元操作スイッチなどを備えたグリップ4aを備えている。延長管5は、外管5aと内管5bとによって伸縮自在に構成されている。
【0012】
図2は、
図1の電気掃除機1における掃除機本体2の部分解斜視図である。
図2に示すように、掃除機本体2は、車輪ベース部7と、集塵タンク8と、フィルタユニット9と、本体ユニット10とを備えている。
【0013】
車輪ベース部7は、掃除機本体2の台車部を構成し、集塵タンク8を支持する支持部7aと、車輪19と、第3ハンドル33と、を備えている。
【0014】
支持部7aは、集塵タンク8の下部と接続されているとともに、掃除機本体2の接地面に対して転動する車輪19を有している。
【0015】
車輪19は、支持部7aの後部左右にそれぞれ設けられる大径の後輪19a(
図2中、左側の後輪19aは図示を省略している)と、支持部7aの前部左右のそれぞれに設けられる小径の前輪19bと、を有して構成されている。
【0016】
後輪19aは、支持部7aの後部で左右方向に延びる軸周りに回転可能に支持部7aに取り付けられている。
前輪19bは、後輪19a対応するように、後輪19aのそれぞれの前方に配置されている。また、前輪19bのそれぞれは、上下方向に延在する所定の軸周りに回動可能なキャスタ構造を有しており、掃除機本体2の接地面上での移動の際に掃除機本体2の回頭を容易にしている。
【0017】
第3ハンドル33は、支持部7aの前方で左右方向に延びるように把持部33aを有している。この第3ハンドル33の上方であって、集塵タンク8の外周面の上下方向中程には後記する第2ハンドル32が設けられている。
【0018】
集塵タンク8は、上方に開口する有底筒体で形成されている。
本実施形態での集塵タンク8は、金属板に製缶加工を施して形成したものを想定している。この集塵タンク8には、胴部を周回するように補強ビードBが形成されている。この補強ビードBは、集塵タンク8の上下方向に所定の間隔を開けて複数段(本実施形態では2段)設けられている。なお、この集塵タンク8は、金属製のものに限定されずに、例えば合成樹脂などの他の材料で形成することもできる。
【0019】
このような集塵タンク8の内側の空間には、集塵部18が形成されている。
集塵部18は、ホース3(
図1参照)が接続されるホース接続口20aを介して集塵タンク8の外側と連通している。
本実施形態でのホース接続口20aは、集塵タンク8の胴部に嵌め込まれた合成樹脂製のブロック体20に形成されている。つまり、ホース接続口20aは、ブロック体20を貫通するように形成されることで、前記のように集塵タンク8の内外を連通させている。
【0020】
本実施形態での第2ハンドル32は、ブロック体20と一体に成形されている。第2ハンドル32は、ホース接続口20aの上方でブロック体20から前方斜め上側に向けて延出するように形成されている。
第2ハンドル32は、第3ハンドル33の把持部33aと対応するように、集塵タンク8の前方で左右方向に延びるように把持部32aを有している。
これら第2ハンドル32及び第3ハンドル33は、主に集塵タンク8に溜った塵挨を廃
棄する際にユーザが把持するために使用される。
【0021】
また、集塵タンク8は、胴部の上側寄りで、左右両側にそれぞれクランプ装置14を備えている。但し、
図2中、左側のクランプ装置14は図示を省略している。
この左右一対のクランプ装置14は、集塵タンク8の上側の周縁部8a上で、フィルタユニット9の周縁部9aを介して本体ユニット10の周縁部10aを集塵タンク8側に引き寄せて締め付けるように構成されている。
【0022】
フィルタユニット9は、かご状に形成されたフレーム体91と、フレーム体91の上部の周縁で囲まれる内側を残してこのフレーム体91の外側を覆うように配置されるフィルタ部材92とを備えている。
【0023】
本実施形態でのフレーム体91は、合成樹脂製のものを想定している。フレーム体91の上部の周縁の上面、外側周面、及び下面は、次に説明するフィルタ部材92の周縁部を構成する弾性部材92aで被覆される。この弾性部材92aは、集塵タンク8に本体ユニット10を組み付けた際にガスケットとして機能する。
【0024】
フィルタ部材92は、前記のようにフレーム体91の外側を覆うように配置されるフィルタ本体92bと、このフィルタ本体92bの上部の周縁と一体になるよう成形される前記の弾性部材92aとを備えて構成されている。
【0025】
本実施形態でのフィルタ本体92bは、例えば不織布、織布、紙などからなり、上方に開口する略袋体で形成されている。
弾性部材92aは、環状に形成されるとともに、断面視で略コの字を呈している。さらに具体的には、弾性部材92aの略コの字は、環状内側に開いており、この開口からフレーム体91の上部の周縁が略コの字の内側に嵌り込むようになっている。これによりフィルタ部材92がフレーム体91に組み付けられるとともに、フィルタ部材92の弾性部材92aが、前記のようにフレーム体91の上部の周縁の上面、外側周面、及び下面に配置されることとなる。そして、フィルタユニット9は、集塵タンク8に本体ユニット10が組み付けられる際に、集塵タンク8内に収容される。
【0026】
次に、本体ユニット10について説明する。
図2に示すように、本体ユニット10は、本体ケース11と、この本体ケース11内に収納される後記の電動送風機15(
図4参照)及びコードリール16(
図4参照)と、本体ケース11の上側に取り付けられる第1ハンドル31と、を備えている。
【0027】
本体ケース11は、大径の上ケース13と、この上ケース13の底部から下方に突出する小径の下ケース12とを備えている。
【0028】
まず、下ケース12から説明すると、下ケース12は、略円筒形状を呈しており、本体ユニット10と集塵タンク8とが組み付けられた際に、集塵タンク8内に配置される。
この下ケース12内には、後記するように、電動送風機15(
図4参照)の電動機部15b(
図4参照)が主に収納される。
【0029】
上ケース13は、上下方向に厚めの略円盤状を呈しており、上面視で円形の上面部13aと、略円盤状の周面を形成する側面部13bとを有している。ちなみに、側面部13bは、後記するように略円盤状の肩部を形成する傾斜部13cを有している。
この上ケース13内には、後記するように、電動送風機15(
図4参照)の吸引ファン15aと、コードリール16(
図4参照)と、図示しない回路基板などの電子部品と、が主に収納されている。
【0030】
上ケース13の上面部13aには、前記の第1ハンドル31と、運転状態表示部としての吸引力インジケータ21と、コード巻取りボタン40とが配置されている。
また、上ケース13の側面部13bには、後記する排出口51(
図8参照)などが形成される一体成形部50(
図8参照)が配置されている。この一体成形部50については後に詳しく説明する。
【0031】
まず、第1ハンドル31について説明する。第1ハンドル31は、
図2に示すように、棒状の把持部31aと、この把持部31aと一体に成形された一対の支持脚部31bとを有している。
把持部31aは、上ケース13の上面部13aの上方で前後方向に延びるように配置されている。
また、支持脚部31bは、把持部31aの前後方向の各端部と、上ケース13の上面部13aとを接続している。
【0032】
図3は、本実施形態での掃除機本体2の上面図である。
図4は、
図3のIV−IV断面における掃除機本体2の部分断面図である。
図3に示すように、把持部31aと一対の支持脚部31bとが一体になった第1ハンドル31は、上ケース13の上面部13aの径方向の全体に渡って前後方向に延びている。
つまり、第1ハンドル31の延びる方向と、後輪19aによって掃除機本体2が直進移動する方向とは一致する。したがって、第1ハンドル31を把持したユーザは、円滑に掃除機本体2を直進移動させることができる。また、掃除機本体2の直進移動から前輪19b(
図2参照)によって掃除機本体2を回頭させる際にも、ユーザは第1ハンドル31を把持した手首をひねることで容易に回頭させることができる。
【0033】
また、このような第1ハンドル31は、
図4に示すように、第1ハンドル31の略外形を形成する主ハンドル部材311と、この主ハンドル部材311の下面を覆う被覆部材312とで構成されている。
主ハンドル部材311は、断面視で逆U字形の外装部311aと、外装部311aの内側にこの外装部311aと一体に形成される複数のリブ311bとを有している。ちなみに、このリブ311bは、第1ハンドル31の延在方向に沿って延びる複数の(本実施形態では5枚の)平板で形成されている。そして、これらのリブ311bは、外装部311aの内周面から下方に突出するように形成されている。
【0034】
被覆部材312は、外装部311aの下側に臨むリブ311bの先端を覆うように配置されている。本実施形態での被覆部材312としては、第1ハンドル31と同じ合成樹脂製のものを想定しているが、ゴム状弾性体を使用することもできる。
ちなみに、ユーザが電気掃除機1を持ち上げる際、又は集塵タンク8に対する本体ユニット10の取り付け若しくは取り外しの際に、ユーザが把持した第1ハンドル31には、所定の荷重が掛る。この際、リブ311bが第1ハンドル31を補強している。また、被覆部材312が、第1ハンドル31を把持したユーザの手へのリブ311bの先端の当りを防止して把持感を良好にしている。
【0035】
図3に示すように、上ケース13の上面部13aには、前記したように、コード巻取りボタン40と、吸引力インジケータ21(運転状態表示部)とが配置されている。
コード巻取りボタン40は、ユーザによって押し下げられることでコードリール16(
図8参照)から引き出されている電源コード17(
図8参照)を再びコードリール16(
図8参照)に巻取らせるためのものである。吸引力インジケータ21は、集塵タンク8(
図2参照)内に捕集されたごみの量やフィルタ部材92(
図2参照)の目詰まりの程度に応じて変化する掃除機本体2の吸引状態(吸引力)を表示するものである。
【0036】
これらのコード巻取りボタン40と吸引力インジケータ21とは、上面部13aの外周縁に沿って並ぶように配置されている。具体的には、コード巻取りボタン40は、掃除機本体2の上面視でホース接続口20aを挟んで吸引力インジケータ21(運転状態表示部)と対称の位置に配置されている。
【0037】
次に、コード巻取りボタン40についてさらに詳しく説明する。
図5は、本実施形態でのコード巻取りボタン40の斜視図である。なお、
図5には、コード巻取りボタン40が嵌め込まれる上ケース13の外周縁部を仮想線(二点鎖線)で表している。
図6は、コード巻取りボタン40の押圧面41aの形状を示すコード巻取りボタン40の平面図である。なお、
図6には、本体ユニット10(掃除機本体)の上面部10b及び側面部10cを仮想線(二点鎖線)で表している。
【0038】
図5に示すように、コード巻取りボタン40は、頭部41と、回動軸42と、作用軸43とを主に備えて構成されている。
【0039】
頭部41の上面には、押圧面41aが規定されている。
この頭部41は、コード巻取りボタン40が上ケース13の所定の位置に形成された開口に嵌め込まれて配置された際に、上ケース13の上面部13a及び側面部13bとともに、本体ユニット10の外面を形成する。
【0040】
そして、コード巻取りボタン40が押圧されていない状態での押圧面41aは、次に説明する突出外周縁部44を除いて、上ケース13の上面部13a及び側面部13bと略面一になっている。
【0041】
つまり、
図4に示すように、本実施形態でのコード巻取りボタン40の押圧面41aは、本体ユニット10(掃除機本体)の上面部10bから側面部10cにわたって形成されている。
【0042】
図6に示すように、本体ユニット10(掃除機本体)の上面部10bに位置する押圧面41aは、コード巻取りボタン40の平面視で、本体ユニット10(掃除機本体)の側面部10c寄りになるほど幅広となる扇状に形成されている。
【0043】
また、
図4に示すように、本実施形態での本体ユニット10(掃除機本体)の側面部10cは、上面部10b側から下方に向かうほど外側に向けて徐々に広がるように傾斜する傾斜部10dを有している。この傾斜部10dに対応する位置での押圧面41aについても同様に傾斜している。
【0044】
図5に示すように、コード巻取りボタン40の頭部41は、前記のように上ケース13の上面部13aと面一の押圧面41aと、上ケース13の側面部13bと面一の押圧面41aとの間に上方に突出する突出外周縁部44を備えている。この突出外周縁部44は、コード巻取りボタン40が押圧されていない状態で、上ケース13の上面部13aよりも上下位置が高くなっている。
【0045】
回動軸42は、上ケース13に配置された際に、上ケース13の半径方向内側となる頭部41の端に一対設けられている。この回動軸42は、上ケース13側に設けられた軸受け13d(
図4参照)に支承される。ユーザによって押圧面41aを押圧されたコード巻取りボタン40は、頭部41が回動軸42周りに下方に回動して移動することで押し下げられる。
【0046】
作用軸43は、頭部41に上端が接続される棒状体で形成されている。
この作用軸43には、コードリール16(
図4参照)のストッパ16a(
図4参照)に当接する当接部43aを有している。
【0047】
当接部43aは、ストッパ16a(
図4参照)と対向する側が切欠かれて形成されている。この切欠きによって当接部43aは、作用軸43の中程から先端に掛けて徐々に先細りになるようにテーパが形成されている。
【0048】
図4に示すように、ストッパ16aは、巻取り機構(図示省略)によって所定の回転方向に付勢されるコードリール16を係止している。また、ストッパ16aは、コードリール16に対する係止状態を維持するように、図示しないバネによって作用軸43の当接部43aに向けて付勢されている。
【0049】
このようなコード巻取りボタン40では、押圧面41aを押圧された頭部41が回動軸42周りに下方に回動することで、作用軸43の当接部43aが前記のバネによる付勢力に抗してストッパ16aを押圧する。これによりストッパ16aは、コードリール16に対する係止状態を解除する。係止状態を解除されたコードリール16は、巻取り機構(図示省略)によって所定方向に回転して電源コード17を巻き取る。
【0050】
そして、電源コード17の巻取り途中又は巻取り後にユーザが押圧面41aに対する押圧を中止すると、ストッパ16aは前記のバネによる付勢力で元の位置に復元する。これによりコードリール16に対する係止状態は再び維持される。この際、ストッパ16aが元の位置に復元することで、コード巻取りボタン40も押圧前の元の位置に復元する。
【0051】
次に、本体ケース11内に収容される電動送風機15について説明する。
図4に示すように、電動送風機15は、本体ケース11の上ケース13内に収納される吸引ファン15aと、主に下ケース12に収容される電動機部15bとを備えている。
【0052】
吸引ファン15aの中央部には、送風機吸引口15cが形成されており、電動機部15bには、送風機排気口15dが形成されている。
電動機部15bが駆動することで吸引ファン15aが回転すると、電動送風機15は、送風機吸引口15cから空気を吸引する。また、電動送風機15は、吸引した空気を送風機排気口15dから下ケース12内に排出する。
【0053】
このような電動送風機15が発生させる吸引力は、ホース接続口20a(
図2参照)を介して塵挨を含む空気を集塵タンク8内に吸い込む。つまり、塵挨を含む空気は、
図1に示す吸込具6、延長管5、操作管4、及びホース3を介して集塵タンク8内に吸い込まれる。
【0054】
そして、集塵タンク8内に吸い込まれた空気は、フィルタユニット9を通過して図示しない空気流通穴を介して上ケース13内に流れ込む。この際、フィルタユニット9は、空気に含まれる塵挨を捕集して集塵部18に溜める。
【0055】
フィルタユニット9を介して上ケース13内に流れ込んだ空気は、コードリール16や、図示しないその他の部材の周囲に形成される流路を介して、前記のように電動送風機15の送風機吸引口15cに流れ込む。この際、上ケース13内を流れる空気は、発熱する電源コード17や、回路基板(図示省略)を冷却する。
【0056】
前記のように、送風機排気口15dから下ケース12内に排出された空気は、下ケース12内で電動機部15bの周囲に形成された流路F1に流れ込む。そして、この空気は、
流路F1から一体成形部50に形成された排出口51(
図7参照)に連通するように上ケース13内に区画された流路F2に向かって流れる。
【0057】
次に、本体ケース11(上ケース13)に形成される一体成形部50について説明する。
図7は、掃除機本体2の後斜め上方から見下ろした掃除機本体2の部分斜視図である。
図7に示すように、一体成形部50は、上ケース13の後側の側面部13bに形成されている。言い換えれば、一体成形部50は、掃除機本体2の空気の吸込口であるホース接続口20a(
図2参照)が形成される前側とは反対側の後側に配置されている。
【0058】
本実施形態での一体成形部50は、側面部13bの周長の略4分の1程度の長さで、上ケース13の側面部13bから所定の厚さで上ケース13の径方向外側に部分的に膨出するように形成された中空の合成樹脂成形体である。ちなみに、本実施形態での一体成形部50の上下幅は、上ケース13の傾斜部13cを除いた側面部13bの高さに略合わせて設定されている。
【0059】
一体成形部50には、排出口51と、ブロワ吐出口52と、電源プラグ17aの収容部53と、が形成されている。また、電源プラグ17aの収容部53には、後記するように電源コード17(
図8参照)の出入れ口54(
図8参照)が形成されている。
【0060】
本実施形態での排出口51は、掃除機本体2の後方から見て、一体成形部50の中央(掃除機本体2の真後ろ)に形成されている。排出口51は、横方向に延びる複数のスリットで形成されている。
【0061】
図8は、
図4のVIII−VIII断面を示した掃除機本体2の部分斜視図である。
図8に示すように、排出口51は、前記の送風機排気口15d(
図4参照)から排出されて流路F2に流れ込んだ空気を排出するようになっている。この際、流路F2の空気は、排出口51の内側に配置されたHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)、ULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)などの高性能フィルタ60を介して排出される。
【0062】
図7に示すように、ブロワ吐出口52は、排出口51よりも掃除機本体2の右側に形成されている。
ブロワ吐出口52は、送風機排気口15d(
図4参照)から排出される圧縮された空気をブロワとして利用するためのものである。このブロワ吐出口52には、図示しないバネでブロワ吐出口52の閉方向に付勢された弁板52aが配置されている。
図8に示すように、この弁板52aは、軸部52bを中心に回動することでブロワ吐出口52を開くとともに、排出口51に通じる流路F2を閉じるようになっている。
【0063】
本実施形態でのブロワ吐出口52には、ホース接続口20a(
図2参照)に接続されるホース3(
図1参照)の一端が接続できるようになっている。そして、ホース3の一端をホース接続口20aに差し入れることで、弁板52aが回動して排出口51に通じる流路F2の流れをホース3側に切り替えるようになっている。これにより吸込具6(
図1参照)を取り外した延長管5(
図1参照)の先端から、又は延長管5(
図1参照)を取り外した操作管4(
図1参照)の先端から吐出する圧縮された空気が吐出される。ブロワは、この空気によって、例えば床面のごみ等を吹き飛ばすために使用される。
【0064】
図7に示すように、電源プラグ17aの収容部53は、排出口51よりも、掃除機本体2の左側に形成されている。具体的には、ブロワ吐出口52と電源プラグ17aの収容部53とは、排出口51を挟んで対称位置に配置されている。
【0065】
電源プラグ17aの収容部53は、上ケース13側に向けて窪む凹部で形成されている。この収容部53の大きさは、コードリール16(
図8参照)に電源コード17(
図8参照)が巻き取られて電源プラグ17aが電源コード17の出入れ口54(
図8参照)に当接した際に、電源プラグ17aの略全体が凹部内に収まるように設定されている。これにより電源コード17がコードリール16に巻き取られて収容部53に配置された電源プラグ17aが邪魔にならずに収容部53に収められる。
【0066】
また、本実施形態での電源プラグ17aの収容部53と、コード巻取りボタン40とは、
図7中、網掛けで示したように、掃除機本体2における他の部分とは異なった色感になっている。この「異なった色感」とは、掃除機本体2における他の部分とは、際立って明度、彩度に違いが出ているものが望ましい。また、収容部53とコード巻取りボタン40とは、同系色に設定されることがさらに望ましく、同じ色に設定されることが最も望ましい。
例えば、掃除機本体2における他の部分が白色、黒色などで統一されている場合には、収容部53とコード巻取りボタン40の色は、赤色、青色、黄色、蛍光色などから選択される統一色に設定することができる。
【0067】
次に、本実施形態に係る電気掃除機1の奏する作用効果について説明する。
本実施形態に係る電気掃除機1では、
図4に示すように、本体ユニット10(掃除機本体)の上面部10bから側面部10cにわたってコード巻取りボタン40の押圧面41aが形成されている。
【0068】
ところで、上面部10bのみにコード巻取りボタン40の押圧面41aが形成されている電気掃除機を想定すると、押圧面41aの面積を大きく確保することができない。また、側面部10cのみにコード巻取りボタン40の押圧面41aが形成されている電気掃除機を想定すると、通常の電気掃除機1の使用態様において、ユーザが掃除機本体2を見下ろす立ち位置では、コード巻取りボタン40を正確に視認することはできない。また、側面部10cのみに押圧面41aが形成されている電気掃除機では、押圧面41aの押圧時にユーザは掃除機本体の側面からアクセスする。そのために、掃除機本体が押圧操作に伴って水平方向に移動する場合が想定され得る。したがって、この電気掃除機では、コード巻取りボタン40を的確に操作できない。
【0069】
これに対して、本実施形態の電気掃除機1によれば、上面部10bから側面部10cにわたって押圧面41aが形成されるので、押圧面41aを大きく確保することができる。また、ユーザが掃除機本体2を見下ろす立ち位置でも、コード巻取りボタン40を正確に視認することができる。
【0070】
また、本実施形態の電気掃除機1によれば、コード巻取りボタン40の押圧時における押圧面41aに対するユーザのアクセス方向が、コード巻取りボタン40の上方から側方の間で広く選択され得る。したがって、電気掃除機1によれば、電気掃除機1の使用態様に応じてコード巻取りボタン40を的確に操作することができる。
【0071】
よって、この電気掃除機1によれば、ユーザが手指でコード巻取りボタン40を操作する場合には勿論のこと、ユーザが手指以外の、例えば肘、膝、足先などであっても容易にコード巻取りボタン40を操作することができる。
【0072】
また、電気掃除機1は、
図4に示すように、コード巻取りボタン40が回動軸42周りに回動することで押圧面41aが下方に移動する。これにより斜め上方からのコード巻取りボタン40へのユーザのアクセスがより確実に行われる。つまり、コード巻取りボタン
40は、所定の軸周りに回動可能なように軸支されることで押圧面41aが移動自在になっており、コード巻取りボタン40を上面部10bからでも側面部10cからでも斜め上方からでも操作できるという作用効果を奏する。
よって、この電気掃除機1によれば、ユーザが手指でコード巻取りボタン40を操作する場合には勿論のこと、ユーザが手指以外の、例えば肘、膝、足先などであっても、より容易にコード巻取りボタン40を操作することができる。
【0073】
また、電気掃除機1は、コード巻取りボタン40が、
図3に示すように掃除機本体2の前側寄りに設けられており、
図8に示すように電源コード17の出入れ口54が掃除機本体2の後側寄りに設けられている。
【0074】
ところで電気掃除機1の使用後の撤収時に、ユーザの清掃作業における効率的な移動行程を考慮すると、ユーザは掃除機本体2を電源プラグ17aが接続されたコンセントの位置まで移動させる。この際、ユーザは掃除機本体2の後側を進行方向に向けて第1ハンドル31を把持する。これによりコンセントの位置では、電源コード17の出入れ口54とは対向している。
【0075】
一方、コード巻取りボタン40は、ユーザと対向するように掃除機本体2の前側に位置している。
したがって、本実施形態の電気掃除機1によれば、ユーザが手指でコード巻取りボタン40を操作する場合には勿論のこと、ユーザが手指以外の、例えば肘、膝、足先などであっても容易にコード巻取りボタン40を操作することができる。
【0076】
また、電気掃除機1は、
図3に示すように、本体ユニット10(掃除機本体)の上面部10bに吸引力インジケータ21(運転状態表示部)が設けられている。また、吸引力インジケータ21は、本体ユニット10(掃除機本体)の上面視で、前側に位置するホース接続口20aを挟んでコード巻取りボタン40と対称の位置に配置されている。
このような電気掃除機1によれば、電気掃除機1の使用時の立ち位置で、吸引力インジケータ21(運転状態表示部)の視認が容易になる。
【0077】
また、ホース接続口20aを挟んで対称位置に配置されるコード巻取りボタン40と吸引力インジケータ21(運転状態表示部)とは、所定の間隔を開けて上ケース13に配置されることとなる。
このような電気掃除機1によれば、コード巻取りボタン40と吸引力インジケータ21(運転状態表示部)とホース接続口20aとを結ぶ二等辺三角形をユーザに想起させることができ、均整のとれた印象をユーザに与えることで意匠性が一段と向上する。
【0078】
また、電気掃除機1は、コード巻取りボタン40の押圧面41aは、本体ユニット10(掃除機本体)の上面視で側面部10c寄りになるほど幅広となる扇状に形成されている。したがって、本体ユニット10(掃除機本体)の上面部10bにおいて、押圧面41aの面積をより大きく確保することができる。
よって、この電気掃除機1によれば、ユーザが手指でコード巻取りボタン40を操作する場合には勿論のこと、ユーザが手指以外の、例えば肘、膝、足先などであっても、より容易にコード巻取りボタン40を操作することができる。
【0079】
また、電気掃除機1は、
図4に示すように、コード巻取りボタン40の押圧面41aは、本体ユニット10(掃除機本体)の傾斜部10dと同様に傾斜する傾斜部41dを有している。これにより斜め上方からのコード巻取りボタン40へのユーザのアクセスがより確実に行われる。
よって、この電気掃除機1によれば、ユーザが手指でコード巻取りボタン40を操作す
る場合には勿論のこと、ユーザが手指以外の、例えば肘、膝、足先などであっても、より容易にコード巻取りボタンを操作することができる。
【0080】
また、電気掃除機1は、
図7に示すように、コード巻取りボタン40と電源プラグ17aの収容部53とが、掃除機本体2における他の部分とは異なった色感になっている。
そのため、ユーザには、コード巻取りボタン40を押圧することで電源プラグ17が収容部53されるということを、色分けにて観念付け、あるいは関連付けを促すことができる。
【0081】
また、電気掃除機1は、上面部10bから側面部10cにわたって押圧面41aが形成され、かつ他の部分とは異なった色感になっているので、店頭に陳列した際のサイドビューにおける意匠性を向上させることができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態では業務用掃除機に適用されるものについて説明したが、本発明は家庭用掃除機に適用することもできる。
また、前記実施形態では、ブロア吐出口52を有するものについて説明したが、ブロア吐出口52の有無に関係なく本発明を適用することができる。