特許第6986594号(P6986594)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6986594車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986594
(24)【登録日】2021年12月1日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 29/02 20060101AFI20211213BHJP
   F16L 37/40 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   F16L29/02
   F16L37/40
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-91064(P2020-91064)
(22)【出願日】2020年5月26日
(65)【公開番号】特開2020-197302(P2020-197302A)
(43)【公開日】2020年12月10日
【審査請求日】2020年5月26日
(31)【優先権主張番号】108118851
(32)【優先日】2019年5月30日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501164676
【氏名又は名称】周 文三
(73)【特許権者】
【識別番号】519443952
【氏名又は名称】周 承賢
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】周 文三
(72)【発明者】
【氏名】周 承賢
【審査官】 伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3229635(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3220429(JP,U)
【文献】 米国特許第08757194(US,B2)
【文献】 特開2013−231509(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0019491(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02390502(EP,A1)
【文献】 独国実用新案第202012100671(DE,U1)
【文献】 独国実用新案第202007007228(DE,U1)
【文献】 登録実用新案第3186544(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 29/02
F16L 37/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造であって、
前記車載用空気圧縮機は、ケース、シーラントボトル及び直列接続フレキシブル管を備え、
前記ケースの内部には、電源をオンすると空気圧力を発生させる空気圧縮機が配設され、
前記シーラントボトルは、開口端を有する缶体であり、缶体には、自動車のタイヤを補修する化学接着剤が収容され、開口端は、接着液取出し管を有し、
前記直列接続フレキシブル管は、一方の端部に接続された第1のアダプタと、他方の端部に接続された第2のアダプタと、を有し、第1のアダプタは、シーラントボトルに設けられた接着液取出し管に係合され、第2のアダプタは、自動車のタイヤのバルブに接続され、
第2のアダプタは、噴出防止継手構造を有し、
第2のアダプタの噴出防止継手構造は、後管アセンブリと、前蓋アセンブリを含み、両者は任意に着脱可能であり、後管アセンブリは、異なる流路又は異なる内容積の前蓋アセンブリに結合され、様々な種類のタイヤを補修して気体を注入し得て、
噴出防止継手構造の第2のアダプタは、使用者が操作を誤ったときに化学接着剤が不用意に突然噴出ることを防ぎ、
前記前蓋アセンブリは前蓋体及びバルブ栓を含み、
前蓋体の一端には、雄ねじ部を有する接続端が設けられ、接続端に背中合わせの前蓋体の他端には、螺合孔が形成され、螺合孔の他端には、内口径が螺合孔より小さな流路が延設され、両者間には階段状の上環状ショルダが形成され、上環状ショルダの他端には、内方に延びた中環状ショルダが延設され、中環状ショルダの他端には、開口部を有するとともに内方に延びたフランジが延設され、流路には、バルブプラグが延設され、バルブプラグの末端には内開口が形成され、内開口の端部には斜錐壁が形成され、バルブプラグの外周壁と接続端の内周壁との間には、環状のスリット空間が形成され、バルブプラグと接続端との間の前蓋体内には、内空室が形成され、螺合孔、流路、フランジ内の開口部、バルブプラグの内開口及びスリット空間は、内空室と連通し、
前記バルブ栓は、柱体であり、
前記柱体の一端には外端頭が設けられ、
前記柱体上には、間隔をあけた凹状の流通溝が複数形成され、2つの流通溝間には、フランジが設けられ、フランジ上には、リブが設けられ、外端頭とフランジとの間には、凹状の首部が設けられ、バルブ栓のリブの変位空間は前記上環状ショルダの流路中であることを特徴とする車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造。
【請求項2】
前記後管アセンブリは、後スリーブ及びベースを含み、
後スリーブは、内部に内室が設けられ、一端に開放式の開口が形成され、内壁に雌ねじ部が設けられ、他端に穿孔を有する環状リブが設けられ、内室は、穿孔と連通し、ベースは、円筒室を有し、円筒室のベースの外周壁上には、環溝が形成され、円筒室に背中合わせのベースの他側には、階段状の連結端が延設され、連結端の中心には、円筒室と連通する流路が形成され、第1のシールリングは、ベースの環溝に嵌設され、
ベースの連結端は、後スリーブの開口を介して内室に挿入されて環状リブの穿孔に挿通され、後スリーブから露出されたベースの連結端には、直列接続フレキシブル管の一端が嵌着され、固定リングにより直列接続フレキシブル管と第2のアダプタとが完全に連結固定されることを特徴とする、請求項1に記載の車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造。
【請求項3】
前記前蓋体の上環状ショルダの開口部の内口径はAであり、中環状ショルダの開口部の内口径はBであり、フランジの開口部の内口径はCであり、A>B>Cであることを特徴とする、請求項に記載の車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造。
【請求項4】
前記バルブ栓にはばねが嵌設されるとともに、前蓋体の螺合孔を介して流路に挿入され、
前記ばねの一端は、バルブ栓の外端頭の端部から嵌入されるとともに、バルブ栓のリブ上に当接され、
前記ばねの他端は、フランジ上に当接され、ばねの外周は、中環状ショルダにより取り囲まれ、阻止リングは、バルブ栓の首部に嵌設され、阻止リングの外周壁は、テーパ口径の斜錐面であり、斜錐面は、バルブプラグの斜錐壁とフランジとが交差した箇所に当接されることを特徴とする、請求項1に記載の車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造。
【請求項5】
前記阻止リングと前記外端頭との間の首部には、係合片が嵌設されて阻止リングが固定されることを特徴とする、請求項に記載の車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造。
【請求項6】
当接パッドは、完全に貫通した流通口を有し、当接パッドは、前蓋体の螺合孔から挿入され、流通口には、バルブ栓が挿通された後、当接パッドが上環状ショルダに当接され、
第2のシールリングは、前蓋体の接続端を覆い、
第2のシールリングと、ばねと、阻止リングのバルブ栓と、当接パッドの前蓋体とが結合された接続端が後管アセンブリに挿入され、前蓋体の接続端は、ベースが結合される後スリーブの開口に螺合され、前蓋体の接続端の雄ねじ部は、後スリーブの開口の雌ねじ部に螺合され、後スリーブの開口の末端縁には、複数の係合溝が設けられ、前蓋体の外周には、接続端と螺合孔との間に少なくとも1つの係合ブロックが設けられ、係合ブロックは、後スリーブに設けた係合溝に係合されることを特徴とする、請求項に記載の車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造。
【請求項7】
前記前蓋体の上環状ショルダの開口部の内口径はAであり、中環状ショルダの開口部の内口径はBであり、フランジの開口部の内口径はCであり、A=B>Cであることを特徴とする、請求項に記載の車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造。
【請求項8】
接続端に背中合わせの前蓋体の他端内には、インサートナットが嵌設され、インサートナットの外周表面には縦カムが設けられ、
2つの縦カム間には、ねじ溝が設けられ、
ねじ溝は、前蓋体内に突設された嵌合条と噛合し、インサートナットが前蓋体から外れることを防ぎ、接続端に背中合わせの前蓋体の内側末端には、インサートナットが外れることを防ぐストッパが設けられ、
ストッパは、インサートナットの外側辺に当接されることを特徴とする、請求項に記載の車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造に関し、特に、破損したタイヤを補修して気体を注入する車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造であり、車載用空気圧縮機は、空気圧縮機を内蔵するケースと、化学接着剤が収容されたシーラントボトルと、少なくとも1つの直列接続フレキシブル管と、を含み、直列接続フレキシブル管の少なくとも一端には、噴出防止継手構造を有する継手が設けられ、化学接着剤が不用意に突然噴出して使用者又は物を汚してしまうことを防ぐ、車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、破損したタイヤを補修して気体を注入する車載用空気圧縮機の研究・開発に対して長年にわたり力を注いでおり、当該装置のケースの起動スイッチがオンの状態にあり、直列接続フレキシブル管がタイヤのノズルに接続されていない状況下で、使用者がシーラントボトルをケースに結合してDC電源をオンすると、シーラントボトル内の化学接着剤が直列接続フレキシブル管の他端の継手から突然噴出して使用者又は物を汚してしまうことがあったため、こうした従来技術の欠点に鑑み、本発明者は、従来技術の問題点を改善する技術を発明した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、車載用空気圧縮機が、空気圧縮機を内蔵するケースと、化学接着剤が充填されたシーラントボトルと、少なくとも1つの直列接続フレキシブル管と、を含み、直列接続フレキシブル管の少なくとも一端には、噴出防止継手構造を有する継手が設けられ、その継手により化学接着剤が不用意に突然噴出ることを防ぐ、車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造を提供することにある。
本発明のもう一つの課題は、噴出防止継手構造が後管アセンブリ及び前蓋アセンブリを含み、両者は任意に着脱可能であり、後管アセンブリが異なる流路又は異なる内容積の前蓋アセンブリに結合され、様々な種類のタイヤを補修して気体を注入し得る、車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る自動車のタイヤに気体を注入する状態を示す説明図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る直列接続フレキシブル管、噴出防止継手構造及びタイヤバルブを示す分解斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る噴出防止継手構造を示す分解斜視図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る噴出防止継手構造を示す断面斜視図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る噴出防止継手構造を示す組立図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る噴出防止継手構造の後管アセンブリ及び前蓋アセンブリを示す分解断面図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る噴出防止継手構造に直列接続フレキシブル管を接続した状態を示す組立断面図である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る噴出防止継手構造がタイヤバルブの空気取込み孔を開き、タイヤを補修して気体を注入する使用状態の説明図である。
図9図9は、本発明の他の実施形態に係る車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造を示す分解斜視図である。
図10図10は、図9の横断面図である。
図11図11は、図9の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1図3を参照する。図1図3に示すように、本発明の一実施形態に係る車載用空気圧縮機は、少なくともケース1、シーラントボトル2及び直列接続フレキシブル管3から構成されてなる。
【0006】
ケース1には、押圧式のスイッチ11と、凹状の嵌着口12とが設けられる。ケース1の内部には、空気圧縮機(図示せず)が配設される。直列接続フレキシブル管3は、一方の端部に接続された第1のアダプタ31と、他方の端部に接続されて噴出防止継手構造を有する第2のアダプタ4と、を有する。シーラントボトル2は、底部に設けられた開口端21と、頂部に設けられた底壁22とを有し、ケース1の嵌着口12上に配置される。直列接続フレキシブル管3の第1のアダプタ31は、シーラントボトル2の接着剤取出し管23に嵌合され、タイヤのパンクを修理したり気体を注入したりする際、直列接続フレキシブル管3の第2のアダプタ4をタイヤ99のバルブ9に螺着し、ケース1が自動車又はその他DC電源によりオンされると、空気圧縮機が発生させた空気によりシーラントボトル2中に収容された化学接着剤が押し出されて直列接続フレキシブル管3を介して損壊したタイヤ99中に入れられ、タイヤ99のパンクを修理してタイヤ99に気体を注入することができる。
【0007】
図2図3及び図5を参照する。図2図3及び図5に示すように、本発明の一実施形態に係る車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造は、化学接着剤が突然噴出ることを防ぐことができる。即ち、本実施形態の直列接続フレキシブル管3上には、少なくとも1つの噴出防止継手構造を有する第2のアダプタ4が設けられる。第2のアダプタ4の噴出防止継手構造は、後管アセンブリ41及び前蓋アセンブリ42を含み、後管アセンブリ41及び前蓋アセンブリ42は任意に着脱可能である。後管アセンブリ41は、異なる流路又は異なる内容積の前蓋アセンブリ42に結合させることができるため、様々な種類のタイヤ99を補修して気体を注入することができる。
【0008】
図3図8を参照する。図3図8に示すように、後管アセンブリ41は、後スリーブ5及びベース6を含む。後スリーブ5内には、内室50が設けられる。後スリーブ5は、一端に開放式の開口51が形成され、内壁に雌ねじ部510が設けられる。開口51の末端縁には、複数の係合溝511が設けられ、後スリーブ5の他端には、穿孔52を有する環状リブ521が設けられる。前述した内室50は、穿孔52と連通する。ベース6は、円筒室60を有し、円筒室60のベース6の外周壁上には、環溝61が形成され、円筒室60に背中合わせのベース6の他側には、階段状の連結端62が延設される。連結端62の中心には、円筒室60と連通する流路63が形成される。第1のシールリング64は、前述したベース6の環溝61に嵌設される。
【0009】
前述したベース6の連結端62は、後スリーブ5の開口51を介して内室50に挿入されて環状リブ521の穿孔52に挿通される。前述した後スリーブ5から露出されたベース6の連結端62には、直列接続フレキシブル管3の一端が嵌着され、固定リング40により直列接続フレキシブル管3と第2のアダプタ4とが完全に連結固定される(図6を参照する)。
【0010】
前蓋アセンブリ42は、前蓋体7及びバルブ栓8を含む。前蓋体7の一端には、雄ねじ部710を有する接続端71が設けられ、接続端71に背中合わせの前蓋体7の他端には、螺合孔72が形成される。接続端71と螺合孔72との間の前蓋体7の外周には、少なくとも1つの係合ブロック712が設けられる。螺合孔72の他端には、内口径が螺合孔72より小さな流路73が延設され、両者間には階段状の上環状ショルダ74が形成される。上環状ショルダ74の他端には、内方に延びた中環状ショルダ75が延設される。中環状ショルダ75の他端には、開口部760を有するとともに内方に延びたフランジ76が延設される。前述した上環状ショルダ74の開口部760の内口径はAであり、中環状ショルダ75の開口部760の内口径はBであり、フランジ76の開口部760の内口径はCであり、A>B>Cである。流路73には、バルブプラグ77が延設され、バルブプラグ77の末端には内開口770が形成される。内開口770の端部には斜錐壁771が形成される。バルブプラグ77の外周壁と接続端71の内周壁との間には、環状のスリット空間78が形成される。バルブプラグ77と接続端71との間の前蓋体7内には、内空室79が形成される。前述した螺合孔72、流路73、フランジ76内の開口部760、バルブプラグ77の内開口770及びスリット空間78は、内空室79と連通する。バルブ栓8は、柱体であり、この柱体の一端には外端頭81が設けられる。柱体上には、間隔をあけた凹状の流通溝82が複数形成され、2つの流通溝82間には、フランジ83が設けられる。フランジ83上には、リブ85が設けられる。外端頭81とフランジ83との間には、凹状の首部84が設けられる。ばね86の一端は、前述したバルブ栓8の外端頭81の端部から嵌入されるとともに、バルブ栓8のリブ85上に当接される。ばね86が嵌設されたバルブ栓8は、前蓋体7の螺合孔72を介して流路73に挿入される。ばね86の他端は、フランジ76上に当接され、ばね86の外周は、中環状ショルダ75により取り囲まれる。阻止リング87は、前述したバルブ栓8の首部84に嵌設される。阻止リング87の外周壁は、テーパ口径の斜錐面871である。斜錐面871は、バルブプラグ77の斜錐壁771とフランジ76とが交差した箇所に当接される。係合片88は、阻止リング87と外端頭81との間の首部84に嵌設されて阻止リング87が固定される。当接パッド89は、完全に貫通した流通口890を有する。当接パッド89は、前蓋体7の螺合孔72から挿入される。流通口890には、バルブ栓8が挿通された後、当接パッド89が上環状ショルダ74に当接される。前述したバルブ栓8のリブ85の変位空間は上環状ショルダ74の流路73中である。第2のシールリング711は、前蓋体7の接続端71を覆う。第2のシールリング711と、ばね86と、阻止リング87のバルブ栓8と、当接パッド89の前蓋体7とが結合された接続端71が前述した後管アセンブリ41に挿入される。前蓋体7の接続端71は、ベース6が結合される後スリーブ5の開口51に螺合される。即ち、前蓋体7の接続端71の雄ねじ部710は、後スリーブ5の開口51の雌ねじ部510と螺合し、前蓋体7の外周に設けられた係合ブロック712は、後スリーブ5に設けた係合溝511に係合され、図3及び図5に示すように、後管アセンブリ41及び前蓋アセンブリ42の組立てを安全に固定させることができる。
【0011】
前述した上環状ショルダ74の開口部760の内口径はAであり、中環状ショルダ75の開口部760の内口径はBであり、フランジ76の開口部760の内口径はCであり、A=B>Cである。
【0012】
図7を参照する。図7に示す第2のアダプタ4の状態では、ケース1のスイッチ11がオンされ、空気の圧力により化学接着剤が押圧されて流動されると、バルブ栓8が結合された阻止リング87の斜錐面871が、前蓋体7のバルブプラグ77の斜錐壁771とフランジ76との交差箇所に完全に密着され、化学接着剤が開口部760を通らないようにして化学接着剤が突然噴出ることを防ぐ保護機構が形成されている。
【0013】
図1及び図8に示すように、使用者により第2のアダプタ4の螺合孔72が自動車のタイヤ99のバルブ9上に螺着されると、第2のアダプタ4のバルブ栓8に、まずタイヤ99のバルブ9内の中心ピン91が接触され、タイヤ99のバルブ9の空気取込み孔92が開かれ、使用者が第2のアダプタ4の螺合孔72を自動車のタイヤ99のバルブ9上に完全に螺合すると、バルブ9の中心ピン91のコンタクト作用により、バルブ栓8が右方へ移動してリブ85が前蓋体7の上環状ショルダ74に当接される。バルブ栓8が右方へ変位すると、ばね86が圧縮され、阻止リング87の斜錐面871が、元々詰めて接触されていた前蓋体7のバルブプラグ77の斜錐壁771及びフランジ76の交差箇所から離れ、フランジ76の開口部760が流通可能な状態となる。このとき空気により押圧された化学接着剤が、ベース6の流路63から円筒室60内に入り、継続的に開口部760内に位置するバルブ栓8の流通溝82、流路73、当接パッド89の流通口890及び螺合孔72を介し、最終的にバルブ9の空気取込み孔92から破損したタイヤ99内に入る。このように本発明は、化学接着剤をタイヤ99内に注入してパンクの修理を行うことができる上、タイヤ圧が正常になるまで扁平したタイヤ99に空気を注入し続けることができる。
【0014】
図9図11を参照する。図9図11に示すように、本発明の他の実施形態に係る車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造は、接続端71に背中合わせの前蓋体7の他端内には、インサートナット720が嵌設される。インサートナット720の外周表面には縦カム721が設けられる。2つの縦カム721間には、ねじ溝722が設けられる。ねじ溝722は、前蓋体7内に突設された嵌合条724と噛合し(図11を参照する)、インサートナット720が前蓋体7から外れることを防ぎ、接続端71に背中合わせの前蓋体7の内側末端には、インサートナット720が外れることを防ぐストッパ725が設けられる(図10を参照する)。ストッパ725は、インサートナット720の外側辺723に当接される。前述した当接パッド89は、インサートナット720に挿入されて上環状ショルダ74に当接される。
【0015】
上述したことから分かるように、本発明に係る車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管の噴出防止継手構造は、直列接続フレキシブル管3上に、破損したタイヤ99に化学接着剤及び気体を注入することができる車載用空気圧縮機の直列接続フレキシブル管3の噴出防止継手構造を有する第2のアダプタ4が設けられる。第2のアダプタ4の噴出防止継手構造は、後管アセンブリ41及び前蓋アセンブリ42を含み、後管アセンブリ41及び前蓋アセンブリ42は任意に着脱可能である。後管アセンブリ41は、異なる流路又は異なる内容積を有する前蓋アセンブリ42に結合させることができるため、様々な種類のタイヤ99などを補修して気体を注入することができる。
【符号の説明】
【0016】
1:ケース
2:シーラントボトル
3:直列接続フレキシブル管
4:第2のアダプタ
5:後スリーブ
6:ベース
7:前蓋体
8:バルブ栓
9:バルブ
11:スイッチ
12:嵌着口
21:開口端
22:底壁
23:接着剤取出し管
31:第1のアダプタ
40:固定リング
41:後管アセンブリ
42:前蓋アセンブリ
50:内室
51:開口
52:穿孔
60:円筒室
61:環溝
62:連結端
63:流路
64:第1のシールリング
71:接続端
72:螺合孔
73:流路
74:上環状ショルダ
75:中環状ショルダ
76:フランジ
77:バルブプラグ
78:スリット空間
79:内空室
81:外端頭
82:流通溝
83:フランジ
84:首部
85:リブ
86:ばね
87:阻止リング
88:係合片
89:当接パッド
91:中心ピン
92:空気取込み孔
99:タイヤ
510:雌ねじ部
511:係合溝
521:環状リブ
710:雄ねじ部
711:第2のシールリング
712:係合ブロック
720:インサートナット
721:縦カム
722:ねじ溝
723:外側辺
724:嵌合条
725:ストッパ
760:開口部
770:内開口
771:斜錐壁
871:斜錐面
890:流通口
A:内口径
B:内口径
C:内口径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11