特許第6986612号(P6986612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986612
(24)【登録日】2021年12月1日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】焼却炉用のスラスト火格子
(51)【国際特許分類】
   F23H 7/08 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   F23H7/08 AZAB
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-175206(P2020-175206)
(22)【出願日】2020年10月19日
(65)【公開番号】特開2021-67453(P2021-67453A)
(43)【公開日】2021年4月30日
【審査請求日】2020年11月4日
(31)【優先権主張番号】10 2019 128 536.4
(32)【優先日】2019年10月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514248237
【氏名又は名称】シュタインミュラー バブコック エンバイロメント ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス モズーフ
【審査官】 古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−320713(JP,A)
【文献】 東ドイツ国経済特許第011482(DD,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23H 7/08−7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
却炉のスラスト火格子あって、
複数の火格子棒列(2a,2b)を備え、これらの火格子棒列(2a,2b)は、それぞれ1つの火格子棒支持体(5a,5b)を有し、複数の火格子棒(3a,3b)が、それらの第1端部(4a,4b)を介して火格子棒支持体(5a,5b)と連結されており、
火格子棒(3a,3b)の表面(7a,7b)は、流れ方向(F)に沿って可燃物層(1)を搬送するためのスラスト火格子面(8)を形成し、
隣接する火格子棒列(2a,2b)の火格子棒(3a,3b)は、それぞれの火格子棒(3a,3b)の第2端部(6a,6b)が、流れ方向(F)で隣接する火格子棒(3a,3b)の表面(7a,7b)上で支えられるように、屋根瓦状に上下に重なり合っており、
火格子棒列(2a,2b)の少なくとも幾つかは、駆動手段(9)を介した駆動式の火格子棒列(2a)であり、駆動式の火格子棒列(2a)の火格子棒(3a)には、駆動手段(9)を介して第1駆動運動(A1)が導入可能であり、それにより駆動式の火格子棒列(2a)の火格子棒(3a)と、非駆動式の火格子棒列(2b)の火格子棒(3b)との間に所定の相対運動が得られる、前記スラスト火格子において、
少なくとも幾つかの火格子棒列(2a,2b)の火格子棒(3a,3b)の表面(7a,7b)は、非平面の表面輪郭部(13a,13b)を有し、それにより非平面の表面輪郭部(13a,13b)上で第2端部(6a,6b)が支えられる火格子棒(3a,3b)には、駆動式と非駆動式の火格子棒列(2a,2b)の火格子棒(3a,3b)の間の相対運動により第2駆動運動(A2)が導入可能であり、
非駆動式の火格子棒列(2b)の火格子棒(3b)の第2火格子棒運動(Bb)が、第2端部(6b)を介して誘起された第2駆動運動(A2)から得られ、それぞれの火格子棒(3a,3b)の複雑な火格子棒運動(Ba,Bb)がもたらされること
を特徴とするスラスト火格子
【請求項2】
駆動式の火格子棒列(2a)の火格子棒(3a)の第1火格子棒運動(Ba)が、第1端部(4a)を介して誘起された第1駆動運動(A1)と、第2端部(6a)を介して誘起された第2駆動運動(A2)とから構成されているこ
を特徴とする、請求項1に記載のスラスト火格子
【請求項3】
少なくとも幾つかの火格子棒列(2a,2b)の火格子棒(3a,3b)の非平面の表面輪郭部(13a,13b)は、流れ方向(F)に延在する曲線形状(K)を有すること
を特徴とする、請求項1又は2に記載のスラスト火格子
【請求項4】
− 全ての火格子棒列(2a,2b)、又は
− 駆動式の火格子棒列(2a)だけ、又は
− 非駆動式の火格子棒列(2b)だけ
の火格子棒(3a,3b)が、流れ方向(F)に延在する曲線形状(K)を有すること
を特徴とする、請求項3に記載のスラスト火格子
【請求項5】
曲線形状(K)は、所定の半径(R1,R2,R3,R4)を有する少なくとも1つの曲線領域(K1,K2,K3,K4)を有すること
を特徴とする、請求項3又は4に記載のスラスト火格子
【請求項6】
隣接する曲線領域(K1,K2,K3,K4)が、異なる半径(R1,R2,R3,R4)を有すること
を特徴とする、請求項5に記載のスラスト火格子
【請求項7】
少なくとも1つの曲線領域(K1,K2,K3,K4)が、凹状又は凸状で湾曲されており、及び/又は曲線形状(K)において隣接する曲線領域(K1,K2,K3,K4)が、異なる湾曲部を有すること
を特徴とする、請求項5又は6に記載のスラスト火格子
【請求項8】
1つおきの火格子棒列(2a)が、駆動手段(9)を介した駆動式の火格子棒列(2a)であること
を特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のスラスト火格子
【請求項9】
− 各火格子棒列(2a,2b)、又は
− 駆動式の火格子棒列(2a)だけ、又は
− 非駆動式の火格子棒列(2)だけ
の火格子棒(3a,3b)が、それぞれの火格子棒支持体(5a,5b)に回転可能に支持されていること
を特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のスラスト火格子
【請求項10】
第1駆動運動(A1)は、円弧形状で又は直線的に延在すること
を特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のスラスト火格子
【請求項11】
駆動手段(9)は、トーションシャフト(10)に固定されたトーションレバー(11,11b)を有し、これらのトーションレバー(11a,11b)は、リニアアクチュエータ(12)を動式の火格子棒支持体(5a)と連結し、リニアアクチュエータ(12)の操作時には、トーションシャフト(10)により規定された第2回転軸線(D2)の周りの円弧形状の第1駆動運動(A1)がもたらされること
を特徴とする、請求項10に記載のスラスト火格子
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提概念に記載した、特に廃棄物焼却設備における焼却炉用のスラスト火格子に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスラスト火格子(前後動式火格子)は、例えば、廃棄物が可燃物(燃料)として焼却される廃棄物焼却設備で使用される。スラスト火格子は、多くの場合、個々の火格子棒列から成り、これらの火格子棒列は、可燃物の流れ方向で相前後して配置されており、この際、屋根瓦状に上下に重なり合っている。1つの火格子棒列の複数の火格子棒は、1つの火格子棒支持体上に支持されている。1つおきの火格子棒支持体には、該当の駆動式の火格子棒列に駆動運動を導入する駆動部が係合する。それにより駆動式の火格子棒列は、非駆動式の固定の火格子棒列に対して動かされる。
【0003】
駆動式の火格子棒列の運動は、一方では、燃焼を通じてスラスト火格子のスラスト火格子面上に加えられる可燃物の搬送をもたらし、他方では、可燃物層の掻き立てをもたらす。この際、スラスト火格子面は、個々の火格子棒の表面により構成される。既知のスラスト火格子では、駆動部により、トーションシャフトとトーションレバーを介し、円弧形状の第1駆動運動が火格子棒支持体に導入され、それにより、例えば下記特許文献1に記載されているように、駆動式の火格子棒支持体に支持された火格子棒において対応的にその運動に依存する火格子棒運動が得られる。或いは、リンク機構を介した直線的な第1駆動運動も可能であり、この際、それに基づき、駆動式の火格子棒支持体に支持された火格子棒の直線的な火格子棒運動が得られる。
【0004】
更に下記特許文献2では、トーションシャフトを備えたスラスト火格子について記載され、そのシャフトベアリングは、火格子棒列の駆動を再び直線的な駆動方向に従って行うことができるように、高さ調整可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US 6,332,410 B1
【特許文献2】DE 30 07 678 C2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この際、トーションシャフト又はリンク機構が、例えばベアリング又はガイドのような付属の機械要素と一緒に必然的に下部送風部の領域にあることは不利であり、その領域においてそれらは、故障傾向を増すことになる。つまり、火格子棒支持体を介して火格子棒列並びに火格子棒のより複雑な運動形状を実現することが意図されている場合には、下部送風部内でそのために追加的に必要とされる機械的な駆動要素が故障傾向を増すことになり、このことは、燃焼プロセスの信頼性を低下させてしまう。
【0007】
それ故、本発明の課題は、故障傾向が少なく、従って信頼性が高いにもかかわらず、火格子棒列のより複雑な運動形状も表すことのできるスラスト火格子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、請求項1に記載のスラスト火格子により解決される。好ましい更なる構成は、下位請求項に記載されている。
【0009】
従って、本発明により、特に廃棄物焼却設備における冒頭に掲げた焼却炉用のスラスト火格子において少なくとも幾つかの火格子棒列の火格子棒の表面が、非平面の表面輪郭部を有することが規定されており、それにより非平面の表面輪郭部上で第2端部が支えられる火格子棒には、駆動式と非駆動式の火格子棒列の火格子棒の間の相対運動により第2駆動運動が導入可能である。
【0010】
有利には、それにより、スラスト火格子の火格子棒の複雑な火格子棒運動を生じさせることができ、この際、この複雑な火格子棒運動は、いずれにせよ設けられている火格子棒の表面形状により達成される。従って下部送風部内での従来の駆動手段の適合は不必要であり、それにより故障傾向が更に増すことはない。この際、それらの駆動手段は、従来どおり、スラスト火格子の火格子棒列の少なくとも幾つか、好ましくは1つおきの火格子棒列が駆動されることをもたらし、この際、それに加え、火格子棒には、駆動手段を介して第1駆動運動が導入可能であり、それにより駆動式の火格子棒列の火格子棒と、非駆動式の火格子棒列の火格子棒、即ち駆動手段を介しては駆動されない火格子棒列の火格子棒との間に所定の相対運動が得られる。第1端部を介して火格子棒に導入されるこの第1駆動運動には、本発明により、第2端部を介して導入される第2駆動運動が重ね合わされる。
【0011】
このことから、好ましくは、次のことが結果として得られ、即ち、
− 駆動式の火格子棒列の火格子棒の第1火格子棒運動は、第1端部を介して誘起された第1駆動運動と、第2端部を介して誘起された第2駆動運動とから得られ、及び/又は、
− 非駆動式の火格子棒列の火格子棒の第2火格子棒運動は、第2端部を介して誘起された第2駆動運動から得られる。
【0012】
つまり、どの火格子棒が非平面の表面輪郭部を有するのかに応じ、それぞれの火格子棒列において複雑な運動形状を発生させることができ、これらの運動形状により可燃物層の搬送及び/又は掻き立てを改善することができ、この際、スラスト火格子の故障傾向が増すことはない。
【0013】
好ましくは、更に、少なくとも幾つかの火格子棒列の火格子棒の非平面の表面輪郭部が、流れ方向に延在する曲線形状(曲線プロフィール)を有することが規定されている。それにより有利には、それぞれの火格子棒の第2端部が重力に基づき火格子棒の間の相対運動により曲線形状に沿って滑動するときに、予め設定可能な曲線形状に従う第2駆動運動を発生させることができる。それにより、複雑な運動経過に従う可燃物層の輸送と掻き立てを可能にするために、曲線形状の延在経過に応じ、流れ方向における方向成分と、流れ方向に対して直角の方向成分、即ち上方への方向成分とを有する火格子棒運動がもたらされる。
【0014】
好ましくは、更に、
− 全ての火格子棒列、又は
− 駆動式の火格子棒列だけ、又は
− 非駆動式の火格子棒列だけ
の火格子棒が、流れ方向に延在する曲線形状を有し、その他の火格子棒は、例えば平面で構成されていることが規定されている。それにより、どの火格子棒列が複雑な運動経過を実行すべきであるかをフレキシブルに確定することができる。用途に応じ、例えば、第2駆動運動が非駆動式の火格子棒列だけに導入され、駆動式の火格子棒列が第1駆動運動によってのみ駆動手段により能動的に駆動されることを規定することができる。そのためには、駆動式の火格子棒列だけに曲線形状を設ければよい。
【0015】
好ましくは、更に、曲線形状が、所定の固定された半径を有する少なくとも1つの曲線領域を有することが規定されている。従って火格子棒の表面は、所定の半径で湾曲されており、この所定の半径を有する火格子棒に沿って、その上で支えられる火格子棒のそれぞれの第2端部は、連続的に滑動することができる。特に曲線領域が複数ある場合には、隣接する曲線領域が異なる半径を有することを規定することができる。それにより例えば、上下の運動、又は火格子棒の間の相対運動に応じ、スラスト火格子面の所定の周期的な運動を達成することができる。
【0016】
好ましくは、それに加え、更に、少なくとも1つの曲線領域が、凹状又は凸状でそれぞれの半径で湾曲されており、及び/又は曲線形状において隣接する曲線領域が異なる湾曲部、例えば、凸状の湾曲部と凹状の湾曲部を交互に有することが規定されている。それにより、搬送と掻き立てを最適化するために、適切に予め設定された複雑な運動経過(上下動)を発生させることができる。
【0017】
好ましくは、更に、
− 各火格子棒列、又は
− 駆動式の火格子棒列だけ、又は
− 非駆動式の火格子棒列だけ
の火格子棒が、それぞれの火格子棒支持体に回転可能に支持されていることが規定されている。それによりそれぞれの火格子棒への両方の駆動運動の導入の形式を選択することに応じ、複雑な運動経過を達成することができる。
【0018】
好ましくは、更に、第1駆動運動が、円弧形状(円形セグメント形状)で又は直線的に延在することが規定されている。従って、簡単に且つ大きな故障傾向を伴うことなく第1駆動運動を火格子棒の第1端部に伝達させることのできる下部送風部内の駆動手段を選択することができる。例えば、それらの駆動手段は、トーションシャフトに固定されたトーションレバーを有することができ、これらのトーションレバーは、リニアアクチュエータを、例えば液圧シリンダを、駆動式の火格子棒支持体と連結し、リニアアクチュエータの操作時には、トーションシャフトにより規定された第2回転軸線の周りの円弧形状の第1駆動運動がもたらされる。対応する方式で、直線的な運動をリニアアクチュエータからリンク機構を介して第1端部に伝達させることができ、それにより第1端部は、同様に直線的に動かされる。
【0019】
従って、有利には、火格子棒自体が、第2駆動運動を介し、より複雑な運動を目指して直線的な或いは円弧形状の第1駆動運動に影響を及ぼすことにより、火格子棒支持体の直線的な又は円弧形状の運動を生じさせる従来技術の駆動部を用い、火格子棒列ないし火格子棒の複雑な運動形状も達成することができる。この際、本発明による火格子棒の形状は、従来技術におけるよりも高い故障傾向の原因になることはなく、それにより潜在的に故障傾向にある追加的な駆動メカニズムは不必要である。
【0020】
以下、本発明を図面に基づき、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】引き込められた駆動位置におけるスラスト火格子の一部分を断面図として示す図である。
図2図1の引き込められた駆動位置におけるスラスト火格子の一部分を斜視図として示す図である。
図3】繰り出された駆動位置におけるスラスト火格子の一部分を断面図として示す図である。
図4図3の繰り出された駆動位置におけるスラスト火格子の一部分を斜視図として示す図である。
図5a】火格子棒の曲線形状の一例を示す図である。
図5b】火格子棒の曲線形状の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1では断面図として、図2では斜視図として、特に廃棄物焼却設備における焼却炉101用のスラスト火格子100が図示されており、スラスト火格子100上には、例えば焼却される廃棄物から成る可燃物層1が焼却プロセス中に加えられている。スラスト火格子100は、流れ方向Fに沿って配置された複数の火格子棒列2a,2bを有し、これらの火格子棒列2a,2bは、それぞれ、横方向Q(流れ方向Fに対して直角)に相並んで位置する火格子棒3a,3bから構成されている。
【0023】
火格子棒列2a,2bの火格子棒3a,3bは、第1端部4a,4bを介して火格子棒支持体5a,5b上に支持されており、それにより各火格子棒3a,3bは、それぞれの火格子棒支持体5a,5bにより規定される第1回転軸線D1の周りで回転することができる。個々の火格子棒列2a,2bの火格子棒3a,3bは、更に屋根瓦状に上下に重なり合っており、つまりこの際、それぞれの火格子棒3a,3bの第2端部6a,6bは、重力により、流れ方向Fで見て隣接する火格子棒3a,3bの表面7a,7b上で支えられている。従って個々の火格子棒3a,3bの表面7a,7bは、全体的なスラスト火格子面8を形成し、このスラスト火格子面8上で可燃物層1が搬送され、掻き立てられ、燃焼される。
【0024】
この実施形態によると、1つおきの火格子棒支持体5a(駆動式の火格子棒支持体)が、燃焼炉101の下部送風部200内に配置されている駆動手段9と協働する。それらの間に位置する火格子棒支持体5b(非駆動式の火格子棒支持体)は、非駆動式である。駆動手段9を介し、第1駆動運動A1(図3及び図4を参照)を、駆動式の火格子棒支持体5aに導入し、従ってそれらの上に支持された火格子棒3aにおける第1端部4aにも導入することができる。
【0025】
第1駆動運動A1は、円弧形状(図3及び図4で鎖線表示)で形成されていることが可能であり、この際、駆動手段9は、そのためにトーションシャフト10に固定された少なくとも2つのトーションレバー11a,11bを有し、これらのトーションレバー11a,11は、リニアアクチュエータ12を、例えば液圧シリンダを、駆動式の火格子棒支持体5aと連結する。従ってリニアアクチュエータ12の操作により、トーションシャフト10により規定される第2回転軸線D2の周りの円弧形状の第1駆動運動A1を生じさせることができ、それにより第2回転軸線D2の周りの駆動式の火格子棒支持体5aの円弧形状の運動、並びにその上に支持された火格子棒3aにおける第1端部4aの円弧形状の運動が得られる。
【0026】
しかし基本的に、直線的な第1駆動運動A1(図3及び図4で一点鎖線表示)を生じさせ、従って駆動式の火格子棒支持体5aの直線的な運動、並びにその上に支持された火格子棒3aにおける第1端部4aの直線的な運動を生じさせる駆動手段9も可能である。
【0027】
円弧形状の又は直線的な第1駆動運動A1により、駆動式の火格子棒支持体5aに支持された火格子棒3aの第1火格子棒運動Baが既に得られ、この第1火格子棒運動Baは、流れ方向Fにも(流れ方向Fに対して及び横方向Qに対して)直角に上方にも、方向成分を有し、それにより可燃物層1を流れ方向Fに沿って搬送すると同時に掻き立てることもできる。
【0028】
このことを最適化するために、個々の火格子棒3a,3bの表面7a,7bは、第2駆動運動A2がそれぞれの火格子棒3a,3bの第2端部6a,6bを介してそれぞれの火格子棒3a,3bに導入されるように形成されている(図3及び図4を参照)。この第2駆動運動A2は、図示された実施形態によると、以下で説明するように、駆動式の火格子棒支持体5aに支持されている火格子棒3aにも、非駆動式の火格子棒支持体5bに支持されている火格子棒3bにも導入される。
【0029】
それぞれの火格子棒3a,3bの表面7a,7bは、断面において、曲線形状(曲線プロフィール)Kの形式による非直線的な表面輪郭部13a,13bを有する。それにより、その上で支えられる第2端部6a,6bであって流れ方向Fに対向して隣接するそれぞれの火格子棒3a,3bにおける第2端部6a,6bは、曲線形状K上での位置に応じ、上方に又は下方に動かされ、それにより第2駆動運動A2が得られる。従ってそれぞれの火格子棒3a,3bの第2端部6a,6bに導入される第2駆動運動A2は、特に、流れ方向Fで隣接する火格子棒3a,3bにおける曲線形状K上での第2端部6a,6bの位置に依存している。
【0030】
つまりまとめると、駆動式の火格子棒支持体5aに支持されている火格子棒3aのためには、第1駆動運動A1と第2駆動運動A2からの組み合わせである第1火格子棒運動Baが得られる。非駆動式の火格子棒支持体5bで支持されている火格子棒3bのためには、第2駆動運動A2からのみ生じる第2火格子棒運動Bbが得られる。この際、第2駆動運動A2は、それぞれ、それぞれの表面輪郭部13a,13bの曲線形状Kにより決定され、この際、この曲線形状Kは、それ自体、定置ではなく、それは、火格子棒3a,3bの表面7a,7bがそれぞれの火格子棒運動Ba,Bbに基づいて同様に動くためである。つまり第1駆動運動A1及び/又は第2駆動運動A2により、それぞれの火格子棒3a,3bの複雑な火格子棒運動Ba,Bbがもたらされる。つまり搬送プロセスと掻き立てプロセスは、そのようなスラスト火格子100により最適化される。
【0031】
図5aと図5bには、曲線形状Kの例が図示されており、図5aでは、それぞれの火格子棒3a,3bの第1端部4a,4bに向かって、第1半径R1を有する第1曲線領域K1が得られ、第2端部6a,6bに向かって、第2半径R2を有する第2曲線領域K2が得られている。この実施形態によると、一方では、第1半径R1は、第2半径R2よりも小さく、他方では、第1曲線領域K1は、凹状に湾曲され、第2曲線領域K2は、凸状に湾曲されている。
【0032】
しかしまた、火格子棒3a,3bごとに、凸状又は凹状に湾曲されている1つの曲線領域K1だけが設けられていることも可能であり、或いはまた、例えばS字形状又は波形状(図5bを参照)を構成するために、異なる湾曲部及び/又は異なる半径R1,R2,R3,R4,... を有する2つよりも多くの曲線領域K1,K2,K3,K4,... が設けられていることも可能である。
【0033】
また、駆動式の火格子棒支持体5aに支持されている火格子棒3aが、非駆動式の火格子棒支持体5bに支持されている火格子棒3bとは異なる曲線形状Kを有することも可能である。
【0034】
また基本的に、1つおきの火格子棒列2a,2b(駆動式又は非駆動式)の火格子棒3a,3bだけが曲線形状Kを有し、他の火格子棒3a,3bが平面の表面7a,7bを有することを規定することもできる。それにより曲線形状Kから生じる第2駆動運動A2の部分は、1つおきの火格子棒列2a,2bだけに導入される。それに対応し、それぞれの火格子棒支持体5a,5bにおける火格子棒3a,3bの支持機構も、1つおきの火格子棒列2a,2bのためだけに、特に駆動式の火格子棒列2aのためだけに設けられていることが可能である。
【0035】
それにより、全体として、火格子棒3a,3bの第1端部4a,4b及び第2端部6a,6bを介した両方の駆動運動A1,A2の組み合わせから、複雑な火格子棒運動Ba,Bbを達成することができ、そのために駆動手段9を変更する必要はなく、或いは下部送風部200内に更なる大掛かりな駆動手段を位置決めする必要もなく、それにより故障傾向は、この解決策により増すことはなく、信頼性も維持されたままである。
【符号の説明】
【0036】
1 可燃物層
2a 駆動式の火格子棒列
2b 非駆動式の火格子棒列
3a 駆動式の火格子棒支持体5aの火格子棒
3b 非駆動式の火格子棒支持体5bの火格子棒
4a,4b 火格子棒3a,3bの第1端部
5a 駆動式の火格子棒支持体
5b 非駆動式の火格子棒支持体
6a,6b 火格子棒3a,3bの第2端部
7a,7b 火格子棒3a,3bの表面
8 スラスト火格子面
9 駆動手段
10 トーションシャフト
11a,11b トーションレバー
12 リニアアクチュエータ
13a 火格子棒3aの表面輪郭部
13b 火格子棒3bの表面輪郭部
100 スラスト火格子
101 焼却炉
200 下部送風部
A1 第1駆動運動
A2 第2駆動運動
Ba 火格子棒3aの火格子棒運動
Bb 火格子棒3bの火格子棒運動
D1 第1回転軸線
D2 第2回転軸線
F 流れ方向
K 曲線形状
K1,K2,K3,K4… 第1、第2、第3、第4… の曲線領域
Q 横方向
R1,R2,R3,R4… 第1、第2、第3、第4… の半径

図1
図2
図3
図4
図5a
図5b