(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
映像再生装置から入力される映像信号を記憶する第1メモリと、複数の表示装置によって構成されるマルチディスプレイシステムにおける後段に接続される他の表示装置に対して、前記映像再生装置から入力される映像信号を出力する出力部と、前記映像信号に基づいて、前記映像信号を構成する1フレーム以内の周期で出力される、読み出し制御信号に応じて前記第1メモリから当該読み出し制御信号に対応する映像信号を読み出しさせる読み出し制御部と、前記読み出しされた映像信号を表示する表示部とを有する第1表示装置と、
前記第1表示装置の出力部から出力される映像信号を記憶する第2メモリと、映像メディアを再生し、再生された映像信号を出力する映像再生部と、
前記映像再生部から出力される映像信号を記憶する第3メモリと、
前記第1表示装置の出力部から出力される前記映像信号を構成する1フレーム以内の周期で出力される、読み出しタイミングを表す読み出し制御信号を取得する取得部と、
取得された読み出し制御信号に応じて前記第3メモリから当該読み出し制御信号に対応する映像信号を読み出しさせる読み出し制御部と、
前記第3メモリから読み出しされた映像信号の映像を表示する表示部とを有する第2表示装置と
を有するマルチディスプレイシステム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態による表示システム1について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態によるマルチディスプレイシステム100の構成を示す概略構成図である。
マルチディスプレイシステム100は、表示装置1、表示装置2、表示装置3、表示装置4が映像信号線によってデイジーチェーン接続されている。また、このマルチディスプレイシステム100では、表示装置1に信号源5が接続されている。信号源5は、映像信号を供給する装置であり、例えば、コンピュータや映像再生装置等を用いることができる。信号源5は、表示装置1に映像信号線61を介して電気的に接続される。信号源5は、映像信号を映像信号線61を介して表示装置1に出力する。
【0015】
表示装置1は、表示装置2に対して映像信号線62を介して接続される。表示装置2は、表示装置3に対して映像信号線63を介して接続される。表示装置3は、表示装置4に対して映像信号線64を介して接続される。
このようにして信号源5、表示装置1、表示装置2、表示装置3及び表示装置4は、映像信号線61、映像信号線62、映像信号線63及び映像信号線64によってデイジーチェーン接続されている。
【0016】
ここで、表示装置1、表示装置2、表示装置3及び表示装置4は、それぞれメディアプレイヤ(以下、MPとも称する)と同期回路とが設けられている。ここでは、表示装置1は、MP10と同期回路15、表示装置2は、MP20と同期回路25、表示装置3は、MP30と同期回路35、表示装置4は、MP40と同期回路45が設けられる。これらMP10、MP20、MP30及びMP40は、表示装置1、表示装置2、表示装置3及び表示装置4の4つの表示画面によって1つの映像となるような映像メディアを再生する。ここでは、表示装置1によって表示される表示画像1aと、表示装置2によって表示される表示画像2dと、表示装置3によって表示される表示画像3aと、表示装置4によって表示される表示画像4aとが表示されると、
図2に示すように、これらの表示画像が組み合わされた1つの映像として表示される。
【0017】
また、ここでは、1つの映像として表示するにあたり、各表示画像が表示装置において表示されるタイミングを合わせる必要がある。表示装置1の同期回路15、表示装置2の同期回路25、表示装置3の同期回路35及び表示装置4の同期回路45は、他の表示装置との間で表示画像を表示させるタイミングの同期をとる機能を有する。このように表示タイミングを合わせることで、各表示装置において、別々に映像メディアを再生したとしても、マルチディスプレイシステム100全体として1つ映像となるように表示される。
なお、各MP(MP10、MP20、MP30、MP40)において映像メディアを再生する場合には、信号源5は、映像信号を表示装置1に供給しなくてよい。この場合、映像信号は、信号源5から表示装置1に映像信号線61を介して供給しなくてよい。一方で、映像信号線62、映像信号線63、映像信号線64については、マルチディスプレイシステム100を構築する際に、デイジーチェーン接続するために各表示装置間において接続されているため、本実施形態においては、これら映像信号線62、映像信号線63、映像信号線64を活用する。
【0018】
図3は、表示装置1の機能を説明する概略機能ブロック図である。
MP10は、映像メディアを再生し、再生された映像信号を出力する。生成する対象となる映像データは、予め表示装置1内の記憶装置に記憶されていてもよいし、記録媒体に記憶された映像データを読み出すようにしてもよい。また、MP10は、信号源5と同様の機能を実現するものであってもよい。
セレクタ(以下、SELとも称する)11は、映像信号線61から入力される映像信号と、MP10から出力される映像信号のうちいずれか一方を選択し、選択された映像信号を映像処理回路12に出力するともに、出力部18に出力する。
SEL11は、いずれの映像信号を選択するかについては、例えば、表示対象が信号源5からの映像信号であるかMP10によって再生された映像信号であるかの指示を外部から取得し、その指示応じて選択する。外部からの指示としては、例えば、表示装置1のリモコン装置等であってもよい。
【0019】
映像処理回路12は、SEL11から入力される映像信号をフレームメモリ13に書き込むための処理を行う。また、映像処理回路12は、同期回路111を有する。同期回路111は、映像信号の水平同期信号や垂直同期信号に基づいてフレームメモリ13に映像信号を書き込むための各種タイミング信号を生成する。
【0020】
フレームメモリ13は、映像処理回路12から書き込みされる映像信号を記憶し、記憶した映像信号を駆動回路16に出力(読み出し)する。
【0021】
SEL14は、映像信号線61から供給される信号とMP10から供給される信号とのうちいずれか一方を選択して、選択された信号を同期回路15に出力する。ここで、マルチディスプレイシステム100における表示装置のうち、自表示装置(表示装置1)がデイジーチェーン接続された最前段の表示装置(信号源5に対して最初に接続されている表示装置)である場合には、SEL14は、MP10から出力される映像信号を選択し、最前段の表示装置ではない場合には、映像信号線61から供給される信号を選択する。ここでは、表示装置1がデイジーチェーン接続された最前段の表示装置であるため、SEL14は、MP10から出力される信号を選択する。自表示装置が最前段であるか否かについては、デイジーチェーン接続をしてマルチディスプレイシステム100を構築した段階で、自表示装置の前段と後段に表示装置が接続されているか否かを制御信号を利用して検出することができるようになっている。
ここで、MP10から得られる映像信号としては、MP10が映像信号を再生するタイミングを把握可能な信号であればよく、例えば、MP10が再生する映像メディアのうちあるチャプターの再生を開始させるタイミング信号、映像メディアを再生する際の動画の特定のフレームが表示されるタイミングを表すタイミング信号等を用いることができる。
【0022】
同期回路15は、SEL14から出力されるタイミング信号に基づいて、フレームメモリ13から駆動回路16に対して映像信号の読み出しを行わせるタイミングを制御する読み出し制御信号を出力する。同期回路15は、タイミング信号に応じたタイミングで、読み出しする対象のフレーム(表示させる対象のフレーム)の映像信号を読み出しさせることで、読み出し制御信号に応じたタイミングでフレームメモリ13から駆動回路16に映像信号を供給することができる。
例えば、同期回路15は、映像信号の水平同期信号や垂直同期信号に基づいてフレームメモリ13から映像信号を読み出すためのタイミングを表す読み出し制御信号を生成し、フレームメモリ13に出力する。この読み出し制御信号は、映像信号に含まれる同期信号を用いることができる。同期信号は、映像メディアの各フレームを読み出しさせるタイミングを表す信号である。例えば、同期信号は、一定間隔で映像メディアの各フレームを順に読み出しさせるタイミングを表す。
【0023】
駆動回路16は、読み出し制御信号に応じてフレームメモリ13から読み出しされた映像信号表示デバイス17に表示させる。例えば、駆動回路16は、表示デバイス17の各画素の表示素子をそれぞれ駆動することで、映像信号を表示デバイス17に描画させる。
表示デバイス17は、映像信号を表示する。この表示デバイス17は、例えば液晶表示パネルである。
【0024】
出力部18は、SEL11から入力される映像信号と、映像信号線61から入力される映像信号とのうちいずれか一方を選択し、選択された信号を、映像信号線62を介して後段の表示装置(表示装置2)に出力する。出力部18は、SEL11が信号源5からの映像信号を選択する場合(表示対象が信号源5からの映像信号である場合)には、映像信号線61から入力される映像信号を選択し、表示対象がMP10によって再生された映像信号である場合には、SEL11から入力される映像信号を選択する。なお、出力部18の出力端子には、映像信号線62が接続されている。これにより、出力部18は、自表示装置において映像メディアの再生する再生タイミング(例えば、映像メディアの映像信号を表示する表示タイミング)を表す読み出し制御信号を後段に接続された表示装置に対し、デイジーチェーン接続された映像信号線を介して出力することができる。
【0025】
次に、
図4は、表示装置2の機能を説明する概略機能ブロック図である。表示装置2の機能は、表示装置1の機能と共通する部分がある。その共通する部分については説明を省略し、相違する点について主に説明する。
MP20は、映像メディアを再生し、再生された映像信号を出力する。
SEL21は、映像信号線62から入力される映像信号と、MP20から入力される映像信号のうちいずれか一方を選択し、選択された映像信号を映像処理回路22に出力するとともに、出力部28に出力する。
SEL21は、いずれの映像信号を選択するかについては、例えば、表示対象が信号源5からの映像信号であるかMP20によって再生された映像信号であるかの指示を外部から取得し、その指示応じて選択する。外部からの指示としては、例えば、表示装置1のリモコン装置等であってもよい。
【0026】
映像処理回路22は、SEL21から入力される映像信号をフレームメモリ23に書き込むための処理を行う。また、映像処理回路22は、同期回路211を有する。同期回路211は、映像信号の水平同期信号や垂直同期信号に基づいてフレームメモリ13に映像信号を書き込むための各種タイミング信号を生成する。
【0027】
フレームメモリ23は、映像処理回路12から書き込みされる映像信号を記憶し、記憶した映像信号を駆動回路26に出力(読み出し)する。ここでは、映像処理回路22がフレームメモリ33に映像信号を書き込む場合について説明するが、映像処理回路22から出力される映像信号を他の機能部(例えば、書き込み部)がフレームメモリ23に映像信号を書き込むようにしてもよい。
【0028】
SEL24は、映像信号線62から供給される映像信号とMP20から供給される映像信号とのうちいずれか一方を選択して、選択された信号を同期回路25に出力する。ここで、マルチディスプレイシステム100における表示装置のうち、自表示装置(表示装置2)がデイジーチェーン接続された最前段の表示装置である場合には、SEL24は、MP20から出力される信号を選択し、最前段の表示装置ではない場合には、映像信号線62から供給される信号を選択する。ここでは、表示装置2がデイジーチェーン接続された最前段の表示装置ではないため、SEL24は、映像信号線62から供給される映像信号を選択する。
ここで、映像信号線62を介して得られる映像信号としては、前段に接続された表示装置(ここでは表示装置1)の出力部から出力された映像信号である。
【0029】
同期回路25は、SEL24から出力される映像信号の水平同期信号や垂直同期信号に基づいてフレームメモリ13から映像信号を読み出すためのタイミングを表す読み出し制御信号を生成し、フレームメモリ23に出力する。これにより、読み出し制御信号に応じたタイミングでフレームメモリ23から駆動回路26に映像信号を供給することができる。
ここでは、MP20によって再生された映像メディアの映像信号を一時的にフレームメモリ23に記憶しておき、映像信号を読み出すタイミングについては、同期回路25からの読み出し制御信号、すなわち、自表示装置の前段に接続された表示装置から得られた読み出し制御信号に従っている。そのため、前段に接続された表示装置が映像信号をフレームメモリから読み出して表示デバイスに表示するタイミングに合わせて、自表示装置において、フレームメモリから映像信号を読み出して、表示デバイスに表示させることができる。
また、ここでは、デイジーチェーン接続された最前段の表示装置のMPによって再生される映像信号に含まれる同期信号を2段目よりも後段に接続された表示装置に対して供給されるようにしたので、最前段の表示装置と、2段目よりも後段の表示装置とで、同じ映像信号に含まれる同期信号を読み出し制御信号として用いることで、各表示装置において表示タイミングを合わせることができる。
【0030】
駆動回路26は、読み出し制御信号に応じてフレームメモリ23から読み出しされた映像信号表示デバイス27に表示させる。表示デバイス27は、映像信号を表示する。
【0031】
出力部28は、SEL21から入力される映像信号と、映像信号線62から入力される映像信号とのうちいずれか一方を選択し、選択された信号を、映像信号線63を介して後段の表示装置(ここでは表示装置3)に出力する。出力部28は、SEL21が信号源5からの映像信号を選択する場合(表示対象が信号源5からの映像信号である場合)には、SEL21から入力される映像信号を選択し、表示対象がMP20によって再生された映像信号である場合には、映像信号線62から入力される映像信号を選択する。なお、出力部28の出力端子には、映像信号線63が接続されている。これにより、出力部28は、前段に接続された表示装置から得られた映像信号を後段に接続された表示装置に対し、デイジーチェーン接続された映像信号線を介して出力することができる。
この出力部28を有することで、デイジーチェーン接続された複数の表示装置のうち、自表示装置が最前段の表示装置であるか否かに応じて、信号源5からの映像信号と、最前段の表示装置のMPによって再生された映像信号とのうちいずれか一方を後段の表示装置に出力することができる。また、出力部28を用いることで、3段目よりも後段に接続された表示装置のそれぞれに対して、映像信号線を利用して、最前段の表示装置のMPによって再生された映像信号を供給することができる。
【0032】
次に、表示装置3、表示装置4については、表示装置2の構成と同様である。なお、表示装置4については、後段に表示装置が接続されていないため、表示装置4のセレクタの出力端子には、表示装置が接続されない。
また、上述した構成によれば、表示装置に設けられたMP、2つのSEL、出力部、映像処理回路、同期回路、フレームメモリ、駆動回路、表示デバイスについては、いずれの表示装置も同じ構成を有する。そのため、信号源5からの映像信号を表示するかMPからの映像信号を表示するかの指示が得られれば、自表示装置がデイジーチェーン接続された最前段の表示装置であるか否かに応じて、SELによって信号が適宜選択される。これにより、
図3または
図4の表示装置を複数準備して、デイジーチェーン接続するだけで、特別な操作を行うことなく、最前段の表示装置であるか否かに応じた機能を発揮することができる。
【0033】
次に、表示装置の動作を説明する。
図5は、表示装置の動作を説明するフローチャートである。
各表示装置は、例えば、リモコン装置等の外部装置または表示装置に設けられた入力切り替えボタン等からの指示に応じて映像信号を選択する(ステップS101)。ここでは、MPからの映像信号を選択する。
各MPは、映像メディア再生することで映像信号を映像処理回路に出力する(ステップS102)。映像処理回路は、映像信号をフレームメモリに書き込む(ステップS103)。
一方、SELは、映像信号線から供給される信号とMPから供給される信号とのうちいずれか一方を選択する(ステップS104)。ここでは、自表示装置が最前段の表示装置である場合、SEL14は、MP10から出力される信号を選択する。自表示装置が最前段の表示装置ではない場合、例えば、自表示装置が表示装置2である場合、SEL24は、映像信号線61から供給される映像信号を選択する。
【0034】
ステップS104において、SELによって信号が選択されると、同期回路(15、25、35、45)は、自身の前段に接続されたSELから供給される映像信号に基づいて、読み出し制御信号を生成してフレームメモリに出力する(ステップS105)。
【0035】
出力部は、映像信号を後段の表示装置に出力する(ステップS106)。ここでは、各表示装置は、表示する対象の映像信号がMPから供給される映像信号であるため、最前段の表示装置の出力部は、MP10によって再生された映像信号を後段の表示装置に出力し、2段目よりも後段の表示装置については、映像信号線を経由した、最前段の表示装置のMPによって再生された映像信号を選択して後段の表示装置に映像信号線を介して出力する。
【0036】
一方、同期回路は、SELから得られる映像信号に基づいて読み出し制御信号を生成してフレームメモリに出力することで、フレームメモリから映像信号の読み出しを行わせる(ステップS107)。駆動回路は、読み出された映像信号を表示デバイスに表示する(ステップS108)。
【0037】
以上説明した実施形態によれば、表示装置1において用いられる読み出し制御信号が、表示装置1以外の表示装置2、表示装置3、表示装置4においても、共通して利用されるため、各表示装置においてそれぞれのMPによって映像メディアを再生する場合であっても、映像信号を表示する同期をとることができる。また、映像信号を表示する同期をとるにあたり、デイジーチェーン接続された信号線(映像信号線)を利用するようにしたので、同期をとるための特別な回線をデイジーチェーン接続された信号線とは別に用意する必要がない。また、映像信号線は、MPによって映像メディアが再生されている間においては、信号源5からの映像信号を伝送する必要がないので、読み出し制御信号を伝送するために活用することができる。
また、2段目よりも後段の表示装置において、デイジーチェーン接続された最前段の表示装置の映像信号から同期信号を得る場合には、各表示装置において再生される映像メディアの映像信号において、1フレーム以内の再生タイミングのずれの範囲内である場合において好ましい。
【0038】
図6は、第2の実施形態における表示装置1aの構成を表す概略ブロック図である。表示装置1aは、第1実施形態における表示装置1に対して、リアルタイムクロック(以下、RTCとも称する)19をさらに有する点において異なる。RTC19は、時刻情報を生成する機能を有する。また、RTC19は、同期回路15から得られる読み出し制御信号と、生成された時刻情報とに基づいて、MP10に対して、映像信号を出力するタイミングを指示する。これにより、MP10は、RTC19から得られるタイミングに従って、映像信号を出力する。ここでは、RTC19と同じ機能を2段目よりも後段に接続された表示装置のそれぞれが有することで、複数の表示装置において時刻を合わせた上で、自表示装置に設けられたMPによって映像信号を出力するタイミングを合わせるあるいは近づけることができる。そのため、各表示装置において、映像信号が再生されるタイミングが大幅にずれることを低減することができるため、フレームメモリに蓄積しておく映像信号の量を低減することができる。これにより、必要なフレームメモリの容量を減らすことができる。
なお、読み出し制御信号は、最前段の表示装置の読み出し制御信号だけでなく、外部の信号源5の読み出し制御信号を用いることもできる。例えば、外部から得られる読み出し制御信号としては、NTP(ネットワークタイムプロトコル)によって得られる時刻情報を用いることもできる。このような時刻情報を各表示装置において共有することで、各表示装置におけるMPによって映像メディアを再生するタイミングを合わせることができる。これにより、フレームメモリの容量を低減することができる。
【0039】
図7は、第3の実施形態における表示装置1bの機能を表す概略ブロック図である。
映像再生部10bは、映像メディアを再生する。メモリ13bは、再生される映像メディアの映像信号を記憶する。取得部14bと、複数の表示装置によって構成されるマルチディスプレイシステムのうち自表示装置とは異なる第1表示装置における映像メディアの再生タイミングを表す読み出し制御信号を取得する。読み出し制御部15bは、取得された読み出し制御信号に応じてメモリ13bから映像信号の読み出しを行わせる。表示制御回路16は、読み出しされた映像信号を表示部17bに表示させる。
【0040】
図8は、第4の実施形態における表示装置1cの機能を表す概略ブロック図である。
映像再生部10cは、映像メディアを再生する。
メモリ13cは、再生される映像メディアの映像信号を記憶する。
出力部18cは、複数の表示装置によって構成されるマルチディスプレイシステムのうち自表示装置において映像メディアの再生する再生タイミングを表す読み出し制御信号を他の表示装置に出力する。読み出し制御部15cは、前記読み出し制御信号に応じて前記メモリから映像信号の読み出しを行わせる。表示制御回路16cは、読み出しされた映像信号を表示部17cに表示させる。
【0041】
ここでは、第4実施形態における表示装置1cの後段に、第3実施形態における表示装置1bを少なくとも1台をデイジーチェーン接続してマルチディスプレイシステムを構築するようにしてもよい。
【0042】
図9は、第5実施形態における表示装置1dの機能を表す概略ブロック図である。この表示装置1dの機能は、
図3に示す表示装置1の機能と共通する部分がある。その共通する部分については
図3と同じ符号を付してその説明を省略し、相違する点について主に説明する。
制御部101は、表示装置1dの各部を制御する。例えば、制御部101は、マルチディスプレイにおける各表示装置における表示タイミングを同期させる場合、表示同期用の映像信号であるテスト映像信号をMP10によって再生させる。この実施形態においては、表示装置1dにおいてテスト映像信号を再生することで、後段の表示装置においてテスト信号を利用し、制御信号生成部によって読み出し制御信号を生成することができる。
【0043】
ここでは、このテスト映像信号は、MP10の内部メモリに記憶されていてもよいし、制御部101の内部メモリに記憶されていてもよいし、信号源5から映像信号線61を介して供給されてもよい。この実施形態においては、一例としてMP10に記憶されている場合について説明する。
また、テスト映像信号には、複数のフレームを含む映像信号であり、フレームの数は、予め定められた数以内である。また、このテスト映像信号は、1フレーム毎に異なる表示内容となる映像信号である。
【0044】
また、制御部101は、テスト映像信号をMP10によって再生する場合、このテスト映像信号を表示しないことを表す指示を駆動回路16aに出力する。
駆動回路16aは、制御部101からテスト映像信号について表示しないことを表す指示が入力されると、テスト映像信号のフレームについては、表示デバイス17への表示は行わない。すなわち、駆動回路16aは、フレームメモリ13からテスト映像信号のフレームのデータが出力されたとしても、テスト映像信号については非表示とする。
【0045】
出力部18aは、映像信号線62を介して後段の表示装置(ここでは、表示装置2d)に接続される。この映像信号線62としては、少なくとも映像信号と制御信号とを伝送可能な通信ケーブルを用いることができる。映像信号線62は、例えば、Display PortまたはHDMI(登録商標)等の規格の通信ケーブルを利用することができる。なお、この実施形態において、各表示装置は、映像信号線62と同様の通信ケーブルによって接続される。
このような通信ケーブルを用いることで、マルチディスプレイにおいて、上流側の表示装置は、後段に接続された表示装置に対して映像信号と制御信号とを供給することができる。
【0046】
ここで、制御部101は、テスト映像信号を再生する際に、MP10からテスト映像信号とともに、再生する対象の映像信号がテスト信号であることを示す制御信号を出力させる。これにより、SEL11によってMP10からの映像信号が選択されると、MP10から出力されたテスト映像信号とともに制御信号が出力部18aに供給され、出力部18aは、後段の表示装置に、テスト映像信号と、再生する対象の映像信号がテスト信号であることを示す制御信号とを出力する。
また、テスト映像信号は、信号源5から供給されていてもよい。
【0047】
図10は、第5実施形態における表示装置2dの機能を表す概略ブロック図である。この表示装置2dの機能は、
図4に示す表示装置2の機能と共通する部分がある。その共通する部分については
図4と同じ符号を付してその説明を省略し、相違する点について主に説明する。
【0048】
書き込み部32は、映像信号線63に電気的に接続されており、出力部28から出力される映像信号を入力し、この映像信号をフレームメモリ33に書き込む。
フレームメモリ33は、書き込み部32によって書き込まれる映像信号を記憶する。
差分算出部34は、フレームメモリ23とフレームメモリ33のいずれか一方のメモリに記憶された映像信号のフレームと、もう一方のメモリのメモリに記憶された映像信号のフレームの差を、一方のメモリに記憶された映像信号のフレームの再生タイミングに対してもう一方のメモリに記憶された映像信号のフレームの再生タイミングを異ならせた複数の場合について求める。
差分算出部34は、差を求めるにあたり、フレームメモリ23に記憶された映像信号のフレームに対するフレームメモリ33に記憶された映像信号のフレームの差を求めるか、フレームメモリ33に記憶された映像信号のフレームに対するフレームメモリ23に記憶された映像信号のフレームの差を求めるか、のいずれの方法で差を求めてもよい。
【0049】
積算部35は、差分算出部34が算出するそれぞれの差の和を求める。
制御信号生成部36は、積算部35が算出した和に基づいて、フレームメモリ23に記憶された映像信号の読み出し制御信号を生成する。制御信号生成部36は、生成した読み出し制御信号を同期回路25aに供給する。
また、制御信号生成部36は、生成した読み出し制御信号を同期回路25aに供給するのではなく、他の部に供給することもできる。
例えば、制御信号生成部36は、積算部35が算出した和に基づいて、フレームメモリ23に記憶された映像信号の読み出し制御信号を生成し、生成した読み出し制御信号をMP20に供給することもできる。この場合、MP20は、制御信号生成部36から供給される読み出し制御信号に基づいて、表示タイミングの差が1フレーム以内になるように、映像信号を出力するタイミングを変更(設定)する。
また、例えば、制御信号生成部36は、積算部35が算出した和に基づいて、フレームメモリ23に記憶された映像信号の読み出し制御信号を生成し、生成した読み出し制御信号を映像処理回路22または同期回路221に供給することもできる。この場合、読み出し制御信号が供給された映像処理回路22または同期回路221は、表示タイミングの差を1フレーム以内にするように、フレームメモリ23への書き込みのタイミングを変更する。なお、この場合、映像処理回路22の内部にフレームメモリが設けられる。そして、SEL21から得られた映像信号を映像処理回路22の内部にフレームメモリに一旦記憶し、映像処理回路22または同期回路221は、読み出し制御信号が供給されたタイミングに応じて、当該一旦記憶された映像信号を、表示タイミングの差が1フレーム以内となるタイミングで、フレームメモリ23への書き込みを行う。
同期回路25aは、同期回路25の機能を有するとともに、制御信号生成部36によって生成された読み出し制御信号をフレームメモリ23に供給する機能も有する。これにより、同期回路25aは、制御信号生成部36によって生成された読み出し制御信号に対応する映像信号のフレームの読み出しを行わせることができる。
【0050】
制御部201は、表示装置2dの各部を制御する。例えば、制御部201は、映像信号線63から入力される映像信号がテスト映像信号であるか否かを判定する。例えば、制御部201は、映像信号に、テスト映像信号を再生する旨を表す制御信号が含まれているか否かを判定することで、テスト映像信号であるか否かを判定することができる。
【0051】
制御部201は、映像信号がテスト映像信号であると判定した場合には、駆動回路26aに、映像信号を表示しないことを表す指示を出力し、映像がテスト映像信号ではない場合には、映像信号を表示しないことを表す指示を出力しない。
【0052】
駆動回路26aは、テスト映像信号のフレームについては、表示デバイス27への表示は行わない。すなわち、駆動回路26aは、制御部201から映像信号を表示しないことを表す指示が入力されている場合には、テスト映像信号について非表示とする。例えば、駆動回路26aは、制御部201から映像信号を表示しないことを表す指示が入力されている場合には、表示デバイス17に対する駆動信号の出力を停止することで、非表示とするようにしてもよい。
また、駆動回路26aは、制御部201から映像信号を表示しないことを表す指示が入力されていない場合には、映像信号を表示デバイス27に表示する。このように、駆動回路26aは、制御信号生成部36が読み出し制御信号の生成を行うために用いたフレームについては、表示デバイス27への表示を行わない。
また、駆動回路26aは、制御部201から映像信号を表示しないことを表す指示が入力されている場合には、一定の映像信号を表示デバイス27に表示するようにしてもよい。一定の映像信号は、例えば、画面全体を特定の色で表示させる映像信号であってもよい。特定の色としては、黒または白を適用することができる。なお、一定の映像信号を表示する場合、駆動回路26aは、フレームメモリからの読み出しされる映像信号とは関係なく、一定の信号を表示する。
また、駆動回路26aは、制御部201から映像信号を表示しないことを表す指示が入力されている場合には、映像信号の表示をミュートするようにしてもよい。
【0053】
図11は、
図9における表示装置1dの動作を説明するフローチャートである。
SEL11は、入力する映像信号を選択する(ステップS201)。ここでは、SEL11は、MP10から供給される映像信号を選択する。
【0054】
次に、表示装置1dのリモコン装置または表示装置1dが備えるスケジュール機能によって、MP10から映像信号を出力する命令が発行されると(ステップS202)、制御部101は、当該命令を取得する。制御部101は、この命令を取得すると、MP10に対して、テスト映像信号を再生させる指示を出力するとともに、駆動回路16aに対して、映像信号を表示しないことを表す指示を駆動回路16aに出力する。
【0055】
MP10は、制御部101からテスト映像信号の再生指示を取得すると、表示同期用の映像信号としてのテスト映像信号を一定時間出力する(ステップS203)。SEL11は、MP10から供給されるテスト映像信号を選択する。ここでは、テスト映像信号に収容されたフレーム数は予め決められているため、再生対象のテスト映像信号を再生することで、SEL11を介して、テスト映像信号を映像処理回路12と出力部18aに対して一定時間出力することができる。
【0056】
出力部18aは、SEL11から得られたテスト映像信号を映像信号線62を介して後段の表示装置(ここでは表示装置2d)に出力する。出力部18aからテスト映像信号が出力されることで、表示装置2dは、このテスト映像信号の同期信号を用いて、映像信号のフレームを表示させるタイミングを決めることができる。
【0057】
映像処理回路12は、SEL11からテスト映像信号を入力すると、テスト映像信号に含まれる同期信号を用い、この同期信号に対応するタイミングに従って、フレーム毎の映像信号を生成し、フレームメモリ13に書き込む(ステップS204)。この同期信号は、例えば、水平同期信号と垂直同期信号に基づいて、1つのフレーム画像を生成することが可能なタイミングを表す信号である。例えば、同期信号は、映像メディアの各フレームを読み出しさせるタイミングを表す信号である。また、同期信号は、一定間隔で映像メディアの各フレームを順に読み出しさせるタイミングを表す。
【0058】
一方、SEL14は、MP10から出力されるテスト映像信号を選択し、同期回路15に出力する。
同期回路15は、SEL14からテスト映像信号が入力されると、このテスト映像信号の水平同期信号や垂直同期信号に応じたタイミングに基づいて、フレームメモリ13から映像信号を読み出すためのタイミングを表す読み出し制御信号を生成する(ステップS205)。
【0059】
フレームメモリ13は、同期回路15から出力される読み出し制御信号に従って、自身に記憶された映像信号をフレーム毎に出力する(ステップS206)。
駆動回路16aは、制御部101から映像信号を表示しないことを表す指示が入力されているため、この指示が入力されている間においては、フレームメモリ13から出力されるフレームについて、表示デバイス17には表示させない。
【0060】
一方、テスト映像信号の出力が終了すると、MP10は、実際に表示デバイス17に表示させる対象である映像信号を出力する(ステップS207)。制御部101は、MP10によって再生される映像信号がテスト映像信号から実際に表示デバイス17に表示する映像信号に切り替わったタイミングで、駆動回路16aに対する映像信号を表示しないことを表す指示の出力を停止する。これにより、映像信号が映像処理回路12によってフレームメモリ13に書き込まれる。また、同期回路15は、SEL14から、実際に表示デバイス17に表示する映像信号が供給されると、この映像信号の水平同期信号や垂直同期信号に応じたタイミングに基づいて、フレームメモリ13から映像信号を読み出すためのタイミングを表す読み出し制御信号を生成する。
【0061】
フレームメモリ13は、同期回路15からの読み出し制御信号に基づいて、自身に記憶された映像信号をフレーム毎に出力する。駆動回路16aは、フレームメモリ13から出力されたフレーム毎の映像信号を表示デバイス17に表示させる(ステップS208)。
この後は、ステップS204からステップS208が繰り返されることで、表示デバイス17に映像信号が表示される。
このように、テスト映像信号が再生されている間においては、表示デバイス17にテスト映像信号が表示されないようにし、テスト映像信号から実際に表示する映像信号に切り替わると、映像信号が表示デバイス17に表示される。
【0062】
次に、表示装置2dの動作について
図12のフローチャートを用いて説明する。
SEL21は、入力する映像信号を選択する(ステップS301)。ここでは、SEL21は、MP20から供給される映像信号を選択する。
【0063】
次に、表示装置2dのリモコン装置または表示装置2dが備えるスケジュール機能によって、MP20から映像信号を出力する命令が発行されると(ステップS302)、MP20は、当該命令を取得し、この命令に従って、テスト映像信号を一定時間出力する(ステップS303)。また、積算部35は、積算結果をリセットする。このリセットはステップS303のタイミングで行ってもよいし、ステップS302の映像信号を出力する命令が発行されたタイミングであってもよい。
【0064】
また、ここで、テスト映像信号に収容されたフレーム数は予め決められているため、再生対象のテスト映像信号を再生することで、SEL21を介して、テスト映像信号を映像処理回路22と出力部28に対して一定時間出力することができる。
出力部28は、テスト映像信号を映像信号線63を介して出力する。出力部28から出力されたテスト映像信号は、フレームメモリ33と、制御部201と、後段の表示装置に供給される。フレームメモリ33は、出力部28から出力されるテスト映像信号を記憶する。ここで、フレームメモリ33の記憶容量は、テスト映像信号の各フレームを記憶することが可能な容量である。例えば、テスト映像信号が5フレーム分の映像信号である場合には、フレームメモリ33は、5フレーム分の映像信号を記憶することが可能な記憶領域を有する。なお、フレームメモリ33が記憶可能なフレーム数に応じて、テスト映像信号に含まれる映像信号のフレーム数が設定されていてもよい。
【0065】
制御部201は、出力部28から出力される映像信号がテスト映像信号であるか否かを判定する。ここでは、制御部201は、出力部28から出力された映像信号がテスト映像信号であると判定し、駆動回路26aに、映像信号を表示しないことを表す指示を出力する。これにより、テスト映像信号が出力部28から出力されてから、テスト映像信号ではない映像信号(本来表示すべき映像信号)が出力部28から出力されるまでの間においては、駆動回路26aは、表示デバイス17に表示を行わない。これにより、テスト映像信号を用いて同期信号を生成する間においては、表示デバイス17にテスト映像信号を表示させないようにすることができる。
【0066】
映像処理回路22は、SEL21からテスト映像信号を入力すると、テスト映像信号に含まれる同期信号を用い、この同期信号に対応するタイミングに従って、フレーム毎の映像信号を生成し、フレームメモリ23に書き込む(ステップS304)。この同期信号は、例えば、水平同期信号と垂直同期信号に基づいて、1つのフレーム画像を生成することが可能なタイミングを表す信号である。ここで、フレームメモリ23の記憶容量は、テスト映像信号の各フレームを記憶することが可能な容量である。例えば、テスト映像信号が5フレーム分の映像信号である場合には、フレームメモリ23は、5フレーム分の映像信号を記憶することが可能な記憶領域を有する。なお、フレームメモリ23が記憶可能なフレーム数に応じて、テスト映像信号に含まれる映像信号のフレーム数が設定されていてもよい。
【0067】
SEL24は、映像信号線62から供給される映像信号を選択し、同期回路25aに供給する。ここでは、テスト映像信号がSEL24から同期回路25aに供給される。同期回路25aは、SEL24から得られる映像信号の水平同期信号や垂直同期信号に応じたタイミングに基づいて、フレームメモリ23から映像信号を読み出すためのタイミングを表す読み出し制御信号を生成する(ステップS305)。
【0068】
フレームメモリ23は、同期回路25aから出力される読み出し制御信号に従って、自身に記憶された映像信号をフレーム毎に出力する(ステップS306)。このフレーム毎の映像信号は、駆動回路26aと差分算出部34に供給される。
【0069】
一方、フレームメモリ23からフレーム毎の映像信号が供給されると、差分算出部34は、フレームメモリ33に記憶されたフレーム毎の映像信号とフレームメモリ23から供給されるフレーム毎の映像信号の差分を演算する。積算部35は、その得られた差分を積算し、積算結果を記憶する(ステップS307)。
【0070】
そして、差分算出部34は、ステップS303からステップS307の処理を繰り返して実行する。ここで差分算出部34は、ステップS303からステップS307の処理を繰り返して行う毎に、ステップS305におけるフレームメモリ23からの読み出しを前回よりも1フレーム分遅らせた読み出し制御信号を生成する(ステップS308)。積算部35は、ステップS303からステップS307の処理を行う毎に積算値を算出し、算出された積算値をそれぞれ記憶する。
【0071】
差分算出部34は、ステップS303からステップS307の処理を繰り返して実行する回数、フレームメモリ23に記憶されるテスト映像信号のフレームの数に応じて決定し、決定された回数に従って繰り返して行う(ステップS309)。ここでは、テスト映像信号のフレーム数が5であり、フレームメモリ23には、5フレーム分の映像信号が記憶されているため、5回繰り返す。これにより、例えば、ステップS308を5回目に実行する際には、5フレーム分遅らせるタイミングで読み出し制御信号が生成された上で、差分の積算が求められる。
【0072】
例えば、1回目にステップS307を実行する場合におけるフレームメモリ23とフレームメモリ33の関係を
図13Aに示す。2回目にステップS307を実行する場合には、
図13Bに示すように、フレームメモリ23のフレームは、フレームメモリ33のフレームを基準にして、前回(1回目)におけるフレームメモリ23のフレームの再生タイミングよりも1フレーム分の時間が遅れたタイミングで再生された場合について、フレームメモリ23とフレームメモリ33のそれぞれのフレームの差を求める。
そして同様に、3回目、4回目においてもそれぞれ1フレームずつフレームメモリ23のフレーム分の時間が遅れたタイミングで再生された場合について、フレームメモリ23とフレームメモリ33のそれぞれのフレームの差を求める。
そして、5回目にステップS307を実行する場合におけるフレームメモリ23とフレームメモリ33の関係を
図13Cに示す。
このようにして、積算部35は、1回目から5回目にステップS307を実行した場合における差分の積算値(d1a、d2a、d3a、d4a、d5a)をそれぞれ求める。
【0073】
この差分は、フレームメモリ23のフレームの再生時間に対応するフレームメモリ33のフレームがある場合に、その対応するフレーム同士における差を求めるようにしてもよい。フレームメモリ23のフレームの再生時間に対応するフレームメモリ33のフレームが1つもない場合には、6フレーム以上の時間差があるとして判定することができ、この再生タイミングについては、読み出し制御信号の生成には用いないようにすることができる。
【0074】
次に、差分算出部34は、フレームメモリ23の読み出し制御信号を1回目のタイミングに戻し、その上で、フレームメモリ33の読み出しを1フレーム遅らせ、フレームメモリ33に記憶されたフレーム毎の映像信号とフレームメモリ23から供給されるフレーム毎の映像信号の差分を演算し、差分が得られる毎にその得られた差分を求める。積算部35は、差分の積算値を求め、積算結果を記憶する(ステップS310)。
そして、差分算出部34は、差分の積算値算出処理を繰り返して行う。この差分の積算値算出処理は上述のステップS303からステップS307の処理と同様である。ここで差分算出部34は、ステップS305における読み出し制御信号は変更せず、フレームメモリ33の読み出し制御信号を前回より1フレーム遅らせて差分の積算値算出処理を行う(ステップS311)。
【0075】
差分算出部34は、差分の積算値算出処理を、フレームメモリ33に記憶されるテスト映像信号のフレームの数に応じて繰り返して行う(ステップS312)。ここでは、フレームメモリ33に記憶されるフレーム数よりも1少ない数の分だけ繰り返す。より具体的には、フレームメモリ33に記憶されるテスト映像信号のフレーム数が5である場合には、4回繰り返す。これにより、例えば、ステップS308を4回目に実行する際には、4フレーム分遅らせるタイミングで読み出し制御信号が生成された上で、差分の積算が求められる。
【0076】
例えば、1回目にステップS310を実行する場合におけるフレームメモリ23とフレームメモリ33の関係を
図14Aに示す。2回目にステップS310を実行する場合には、
図14Bに示すように、フレームメモリ33のフレームは、フレームメモリ23のフレームを基準にして、前回(1回目)におけるフレームメモリ23のフレームの再生タイミングよりも1フレーム分の時間が遅れたタイミングで再生された場合について、フレームメモリ23とフレームメモリ33のそれぞれのフレームの差が求められる。
そして同様に、3回目においてもフレームメモリ23の映像信号のフレームを1フレーム分の時間を遅らせたタイミングで再生された場合について、フレームメモリ23とフレームメモリ33のそれぞれのフレームの差が求められる。
そして、4回目にステップS310を実行する場合におけるフレームメモリ23とフレームメモリ33の関係を
図14Cに示す。
このようにして、積算部35は、1回目から5回目にステップS307を実行した場合における差分の積算値(d2b、d2b、d3b、d4b(対応フレームなし))をそれぞれ求める。
【0077】
また、ステップS310において求められる差分は、フレームメモリ23のフレームの再生時間に対応するフレームメモリ33のフレームがある場合に、その対応するフレーム同士における差を求めるようにしてもよい。フレームメモリ23のフレームの再生時間に対応するフレームメモリ33のフレームが1つもない場合には、6フレーム以上の時間差があるとして判定することができ、この再生タイミングについては、読み出し制御信号の生成には用いないようにすることができる。
また、フレームメモリ23のフレームの再生時間に対応するフレームメモリ33のフレームがない場合には、差分算出部34が、フレームメモリ23のフレームの再生時間に対応するフレームメモリ33のフレームがある場合におけるフレーム同士の差よりも差が大きくなるような所定のフレームを、フレームメモリ33のフレームとして用いて、差を求めるようにしてもよい。所定のフレームとしては、例えば、全域が黒を表示するようなフレーム(全黒のフレーム)を用いてもよい。
また、フレームメモリ23のフレームの再生時間に対応するフレームメモリ33のフレームがない場合には、差分算出部34が対応するフレームがないことを検出し、フレームメモリ23のフレームの再生時間に対応するフレームメモリ33のフレームがある場合におけるフレーム同士の差よりも大きな差分を示す情報を出力するようにしてもよい。
【0078】
次に、フレームメモリ33は、自身に記憶された映像信号を読み出すための読み出し制御信号を1回目のタイミングに戻す(ステップS313)。1回目のタイミングとは、ステップS310を最初に実行する際の読み出し制御信号のタイミングである。
【0079】
積算部35は、記憶した各積算値を制御信号生成部36に出力する。
制御信号生成部36は、各積算値の中で(上記の例では合計9回)、出力部28に接続された映像信号線63から得られる映像信号とフレームメモリ23から出力される映像信号66のタイミングが一致している場合に相当する値があるいか否かを判定し、タイミングが一致している場合に相当する値があれば、そのときの読み出し制御信号を、フレームメモリ23の読み出し制御信号として生成する(ステップS314)。
【0080】
ここで、テスト映像信号に含まれるフレーム数と各フレームの映像の内容は予め解っている。そのため、フレームメモリ23とフレームメモリ33のそれぞれのフレームの差を算出するにあたり、フレームメモリ33のフレームに対するフレームメモリ23のフレームの差分の累積値を、フレームメモリ33のフレームに対するフレームメモリ33のフレームを1フレーム分から5フレーム分を遅らせた場合のそれぞれについての累積値を予め計算しておき、制御信号生成部36の内部のメモリにそれぞれの累積値を予め記憶しておく。さらに、フレームメモリ23のフレームに対するフレームメモリ33のフレームの差分の累積値を、フレームメモリ33のフレームに対するフレームメモリ23のフレームを1フレーム分から4フレーム分を遅らせた場合のそれぞれについての累積値を予め計算しておき、制御信号生成部36の内部のメモリにそれぞれの累積値を予め記憶しておく。その上で、制御信号生成部36は、各累積値のうち、いずれの累積値がフレームメモリ23とフレームとフレームメモリ33のフレームとが一致した場合の累積値であるかを予め記憶しておく。
そして、制御信号生成部36は、ステップS314において求められた各累積値のうち、フレームメモリ23とフレームとフレームメモリ33のフレームとが一致した場合の累積値に一致する累積値があれば、その累積値が求められた場合におけるフレームメモリ33とフレームメモリ23の再生タイミングに基づいて読み出し制御信号を生成することができる。これにより、最前段の表示装置に対する自表示装置の再生タイミングを一致させることができる。
また、仮に、フレームメモリ23とフレームとフレームメモリ33のフレームとが一致した場合の累積値に一致する累積値がステップS314において得られない場合もあり得る。このような場合には、予め記憶された複数の累積値のうち、フレームメモリ23とフレームとフレームメモリ33のフレームとが一致する場合の再生タイミングになるべく近い再生タイミングとなるフレーム同士の組み合わせの累積値に一致する累積値を選択する。そして、選択された累積値が算出されたフレームメモリ23とフレームメモリ23のフレームの組み合わせに基づく読み出し制御信号を生成する。これにより、最前段の表示装置に対する自表示装置の再生タイミングのずれを数フレーム程度に抑えることができる。
【0081】
読み出し制御信号が生成されると、MP20は、本来表示すべきコンテンツとなる映像信号を出力する(ステップS315)。ここでは、制御信号生成部36は、テスト映像信号を再生している間に、積算部35によって求められた積算値に応じて読み出し制御信号を生成することができるため、表示装置1dと表示装置2dにおいて、MP10とMP20において、本来表示すべき映像信号の再生タイミングは、乖離しすぎない程度であることが好ましい。SEL21は、MP20によって再生された映像信号を映像処理回路22と出力部28に供給する。出力部28は、SEL21から映像信号が供給されるが、映像信号がMP20によって再生されているため、映像信号線62から供給される映像信号を選択し、後段の表示装置に映像信号を出力する。これにより、後段の表示装置において、1台目の表示装置から供給される映像信号の同期信号を用いてMPで再生される映像信号をフレームメモリから読み出すことができる。
また、表示装置2dは、読み出し制御信号が生成されたあと、本来表示すべきコンテンツとなる映像信号を出力する処理を連続的に行ってもよい。また、表示装置2dは、
図12に基づく映像信号の表示タイミングを同期させる同期処理を行った後、読み出し制御信号が生成されたあと、外部から再生指示が入力されたタイミングに応じて、本来表示すべきコンテンツとなる映像信号を出力する処理を実行してもよい。
表示装置2d等のマルチディスプレイシステムにおける後段側の各表示装置が、
図12に基づく映像信号の表示タイミングを同期させる同期処理を行った後は、マルチディスプレイシステム全体として各表示装置の同期がとれた状態となる。そのため、本来表示すべきコンテンツとなる映像信号を表示する場合には、マルチディスプレイシステム全体として同期させて(表示タイミングを一致させて)表示することができる。
また、マルチディスプレイシステムにおける表示装置は、
図12において説明した同期処理を実行した後は、
図5において説明をした同期処理を実行することができる。これにより、
図12における同期処理を行うことで、表示タイミングのずれを1フレーム以内に収めることができ、その上で、
図5において説明した同期処理を実行することで、表示タイミングのずれをさらに小さくすることができる。
【0082】
映像処理回路22は、MP20によって再生された映像信号を、この映像信号に含まれる同期信号に応じたフレームを生成し、フレーム毎にフレームメモリ23に記憶する。
同期回路25aは、制御信号生成部36によって生成された読み出し制御信号に従って、フレームメモリ23から映像信号をフレーム毎に読み出しを行わせる。これにより、フレームメモリ23からは、制御信号生成部36によって生成された読み出し制御信号に従って、映像信号のフレームが順次駆動回路26aに供給される。駆動回路26aはフレームメモリ23から供給される映像信号をフレーム毎に表示デバイス27によって表示する(ステップS316)。
【0083】
このように、フレームメモリ23とフレームメモリ33に記憶された映像信号の複数のフレームの差分を積算することで、その複数フレームの範囲内において表示タイミングが一致しているかを判別することができる。これにより、表示タイミングの差が数フレーム分あったとしても、表示タイミングを一致させることができる。
また、表示タイミングを一致させることができる範囲が1フレーム以内の差に限られるものではない。例えば、
図15に示すように、表示装置1d(フレームメモリ13)と表示装置2d(フレームメモリ23)のフレームの表示タイミングの差が2フレーム以上であっても、数フレームの範囲内であれば、表示タイミングを一致させるようにすることができる。
また、この複数のフレームの範囲内において一致するタイミングがなかったとしても、表示タイミングのずれの程度が1フレーム以内又は複数フレーム程度以内とすることができる。
【0084】
図16は、第6実施形態における表示装置2eの機能を表す概略ブロック図である。この表示装置2eは、第5実施形態における表示装置2dの一部と共通する部分がある。この共通する部分については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
比較部37は、フレームメモリ23から読み出された映像信号とフレームメモリ33から読み出された映像信号とを、フレーム毎に比較する。例えば、比較部37は、フレームメモリ23から読み出された映像信号のフレームとフレームメモリ33から読み出された映像信号のフレームとを比較し、そのフレームに差がないまたは差分が閾値以下の場合には、フレームが一致していると判定する。ここで、フレームメモリ23及びフレームメモリ33に記憶される映像信号は、同期をとるために用いられるテスト用信号である同期用映像信号であってもよい。
制御信号生成部36aは、比較部37の比較結果に基づいて、フレームメモリ23に記憶された、映像信号の読み出しを行わせる制御信号を生成する。例えば、制御信号生成部36aは、比較部37の比較結果が一致していることを示す場合または差分が閾値以下であることを示す場合には、映像信号の読み出しを行わせる制御信号を生成する。
【0085】
同期回路25aは、制御信号36aによって生成された制御信号をフレームメモリ23に供給する。これにより、同期回路25aは、制御信号生成部36によって生成された制御信号に対応する映像信号のフレームの読み出しを行わせることができる。
【0086】
また、フレームメモリ23のフレームの再生時間に対応するフレームメモリ33のフレームがない場合には、比較部37が、フレームメモリ23のフレームの再生時間に対応するフレームメモリ33のフレームがある場合におけるフレーム同士の差よりも差が大きくなるような所定のフレームを、フレームメモリ33のフレームとして用いて、比較するようにしてもよい。所定のフレームとしては、例えば、全域が黒を表示するようなフレーム(全黒のフレーム)を用いてもよい。
また、フレームメモリ23のフレームの再生時間に対応するフレームメモリ33のフレームがない場合には、比較部37が、対応するフレームがないことを検出し、フレームメモリ23のフレームの再生時間に対応するフレームメモリ33のフレームがある場合におけるフレーム同士の差よりも大きな差分を示す情報を出力するようにしてもよい。
【0087】
図17は、第7実施形態における表示装置2fの機能を表す概略ブロック図である。
メモリ23fは、映像再生装置から入力される映像信号を記憶する。この映像再生装置は、表示装置2fの外部に接続されていてもよい。
メモリ33fは、映像再生装置に対応する映像信号であって複数の表示装置によって構成されるマルチディスプレイシステムのうち自表示装置とは異なる第1表示装置から入力される映像信号を記憶する。
比較部37fは、メモリ23fから読み出された映像信号とメモリ33fから読み出された映像信号とを、フレーム毎に比較する。
読み出し制御部25fは、比較部37fの比較結果に基づいて、メモリ23fに記憶された映像再生装置から入力される映像信号の読み出しを行わせる。
表示部27fが、メモリ23から読み出される映像信号の映像を表示する。
【0088】
なお、上述した実施形態において、
図1、
図3、
図4、
図6、
図9、
図10、
図16におけるMP、
図7、
図8における映像再生部について、表示装置内に設けられる場合について説明したが、これらについては、表示装置の外部に設けられていてもよい。
【0089】
また、
図3、
図4、
図6、
図7、
図8におけるいずれかの表示装置の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより表示処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0090】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記のプログラムを所定のサーバに記憶させておき、他の装置からの要求に応じて、当該プログラムを通信回線を介して配信(ダウンロード等)させるようにしてもよい。
【0091】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。