(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1リードは、第1端子部、第1連結部および第1吊り部を含み、前記第1端子部は、前記厚さ方向視において、前記封止樹脂から前記第1方向に突出しており、前記第1連結部は、前記搭載部と前記第1端子部とをつないでおり、前記第1吊り部は、前記第2方向において、前記搭載部を基準として前記第1連結部とは反対側に位置し、かつ前記搭載部から前記第2方向に延びている、請求項1に記載の半導体装置。
前記第1連結部および前記第1吊り部は、前記一対の第2帯状部に対して、前記第2のリードの前記第1帯状部から遠ざかる方向に配置されている、請求項2に記載の半導体装置。
前記第2リードは、前記厚さ方向視において前記封止樹脂から前記第1方向に突出する第2端子部と、前記一対の第2帯状部の一方と前記第2端子部とをつなぐ第2連結部と、前記一対の第2帯状部の他方から前記第2方向に延びる第2吊り部と、を有する、請求項3または4に記載の半導体装置。
前記第3リードは、前記複数の第1スイッチング素子がそれぞれ電気的に接合される複数の第1パッド部と、前記厚さ方向視において前記封止樹脂から前記第1方向に突出する第3端子部と、前記複数の第1パッド部および前記第3端子部をつなぐ第3連結部と、を有する、請求項7または8に記載の半導体装置。
前記複数の第1パッド部は、前記第1方向において前記第2吊り部の隣に位置する第1領域と、前記第1方向において前記第1帯状部の隣に位置する第2領域と、前記第1方向において前記第2連結部の隣に位置する第3領域と、を含み、
前記第3連結部は、前記第1領域と前記第3端子部とをつなぐ外側連結部と、前記第1領域と前記第2領域とをつなぐ第1内側連結部と、前記第2領域と前記第3領域とをつなぐ第2内側連結部と、を有し、
前記第1方向視において前記第1帯状部が前記第2領域、前記第1内側連結部および前記第2内側連結部に重なり、前記一対の第2帯状部のそれぞれの一部が前記第1内側連結部と前記第2内側連結部との間に位置する、請求項9に記載の半導体装置。
前記複数の第4リードの各々は、前記複数の第2スイッチング素子の1つが電気的に接合される第2パッド部と、前記第2パッド部につながり、かつ前記厚さ方向視において前記封止樹脂から前記第1方向に突出する第4端子部と、を有し、
前記複数の第4端子部は、前記第3端子部とともに前記第2方向に配列されている、請求項12または13に記載の半導体装置。
前記複数の第2パッド部のいずれかの一部が、前記第1方向視において前記第1領域に重なり、かつ前記外側連結部と前記第1内側連結部との間に位置する、請求項14に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本開示の実施形態について、添付図面に基づいて説明する。
【0027】
図1〜
図15を参照しつつ、第1実施形態に基づく半導体装置A10について説明する。半導体装置A10は、第1リード11、第2リード12、第3リード13、複数の第4リード14、複数のブートリード15、複数の制御リード16、IC20、複数の第1スイッチング素子31、複数の第2スイッチング素子32、および封止樹脂50を備える。さらに、半導体装置A10は、複数の第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42、複数の第1ゲートワイヤ431、複数の第2ゲートワイヤ432、複数の第1電位ワイヤ441、第2電位ワイヤ442、複数のブートワイヤ45、接地ワイヤ46および複数の制御ワイヤ47を備える。
図3では、理解の便宜上、封止樹脂50を透過して示している(二点鎖線参照)。
図9〜
図15は、
図3に示す一点鎖線(IX−IX、X−X、等)に沿う断面図である。
【0028】
半導体装置A10の説明においては適宜、
図1〜15に示すように、互いに直交する3つの方向x、yおよびzを参照する。本開示では、方向zは、「厚さ方向」とも称され、たとえば第1リード11の搭載部(後述)に直交する方向である。方向xおよび方向yは、方向zに対して直交しており、それぞれ、「第1方向」および「第2方向」とも称される。なお、後述する半導体装置A20も、同様の3つの方向x、yおよびzを参照して説明される。
【0029】
半導体装置A10は、複数の第1スイッチング素子31および複数の第2スイッチング素子32により、直流電力を三相交流電力に変換する機能を有する。半導体装置A10は、たとえば、ブラシレスDCモータの駆動制御に用いられる。
【0030】
第1リード11、第2リード12、第3リード13、複数の第4リード14、複数のブートリード15および複数の制御リード16は、同一のリードフレームから構成された導電部材である。これらの導電部材は、各機能素子(IC20、複数の第1スイッチング素子31および複数の第2スイッチング素子32)と、半導体装置A10が実装される配線基板との間の導電経路の一部を構成している。リードフレームの構成材料は、銅(Cu)または銅合金である。
【0031】
第1リード11は、
図3に示すように、搭載部111、第1端子部112、第1連結部113および第1吊り部114を有する。
【0032】
図3に示すように、搭載部111は、第1方向xに延びている。厚さ方向z視において、搭載部111は、第1方向xに沿った長辺を有する矩形状である。
図9および
図10に示すように、搭載部111は、厚さ方向zを向く主面111Aを有する。図に示す例では、主面111Aは、厚さ方向zに対し直交する。主面111Aは、たとえば銀(Ag)めっき層で覆われてもよい。
【0033】
図2および
図3に示すように、第1端子部112は、厚さ方向z視において封止樹脂50から第1方向xに(図では左に)突出している。第1端子部112は、第2方向y視において、たとえば2カ所で屈曲している(
図5に示す第2リード12の第2端子部123と同様である)。第1端子部112は、たとえば、錫(Sn)めっき層、または錫−銀合金めっき層で覆われている。
【0034】
図3に示すように、第1連結部113は、搭載部111と第1端子部112とをつないでいる。第1連結部113は、第1方向xおよび第2方向yの双方に対して傾斜した領域113Aを有する。第1連結部113の表面(主面111Aと同じ側を向く面)は、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0035】
図3に示すように、第1吊り部114は、第2方向yにおいて搭載部111に対して第1連結部113とは反対側に位置する。第1吊り部114は、第2方向yに延びている。搭載部111は、第2方向yにおいて、第1連結部113と第1吊り部114とに挟まれた構成となっている。第2方向yを向く第1吊り部114の端面114Aは、封止樹脂50から露出している(
図6参照)。
図3において、第1吊り部114および第1連結部113は、第2リード12の一対の第2帯状部122A,122B(後述)に対し、左側に離間するように(第2リード12の第1帯状部121から遠ざかる方向に)配置されている。
【0036】
第2リード12は、
図3に示すように、第1リード11から離間し且つ同リードの外縁に沿って延びるように設けられている。図に示す例では、第2リード12は、大略、第1リード11の右側に配置されている。
図3および
図4に示すように、第2リード12は、第1帯状部121、一対の第2帯状部122A,122B、第2端子部123、第2連結部124、第2吊り部125および第2補助吊り部126を有する。
【0037】
図4に示すように、第1帯状部121は、搭載部111の右側に位置する。第1帯状部121は、第2方向yに延びている。
図10に示すように、第1方向x視において搭載部111が第1帯状部121に重なっている。すなわち、たとえば封止樹脂50の底面を基準として、搭載部111および第1帯状部121は、同じ高さ位置にある。
【0038】
図4に示すように、一対の第2帯状部122A,122Bは、第1帯状部121の両端121A(第2方向yにおいて互いに離間)から左側に延びている。厚さ方向z視において、第1帯状部121と各第2帯状部122A,122Bとは、直交している。搭載部111の少なくとも一部が、一対の第2帯状部122A,122Bの間に位置している。第1帯状部121および一対の第2帯状部122A,122Bのそれぞれの表面(
図4に示された面)は、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0039】
図2および
図3に示すように、第2端子部123は、厚さ方向z視において封止樹脂50から左側に突出している。第2端子部123は、
図5に示すように、第2方向y視において屈曲している。具体的には、第2端子部123は、封止樹脂50の側面から所定距離だけ離れた第1の点で屈曲して斜め下方に延びた後、第2の点で屈曲してほぼ水平方向(方向x)に延びている。第2端子部123は、第2方向yにおいて第1端子部112の隣に位置する。第2端子部123は、錫めっき層、または錫−銀合金めっき層などで覆われている。
【0040】
図3に示すように、第2連結部124は、第2帯状部122Aと、第2端子部123とをつないでいる。第1方向xにおいて、第2連結部124は、一対の第2帯状部122A,122Bの左側に位置する。また、第2方向yにおいて、第2連結部124は、第1連結部113の隣に位置する。第2連結部124は、第1方向xおよび第2方向yの双方に対して傾斜した領域124Aを有する。第2連結部124の表面(
図3に示された面)は、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0041】
図3に示すように、第2吊り部125は、第2帯状部122Bから第2方向yに延びている。第1方向xにおいて、第2吊り部125の少なくとも一部は、一対の第2帯状部122A,122Bの左側に位置する。また、第1方向xにおいて、第2吊り部125は、第1吊り部114の隣に位置する。第2方向yを向く第2吊り部125の端面125Aは、封止樹脂50から露出している(
図6参照)。
【0042】
図3に示すように、第2連結部124は、第1方向xに平行に延びる部分を有しており、当該部分から第2補助吊り部126が、第2方向yに延びている。第2方向yを向く第2補助吊り部126の端面126Aは、封止樹脂50から露出している(
図5参照)。
【0043】
第3リード13は、
図3に示すように、第2リード12の右側に配置されている。第3リード13は、複数の第1パッド部130、第3端子部132、第3連結部133、第3吊り部134および第3補助吊り部135を有する。同図に示す例では、3つの第1パッド部130が設けられている。
【0044】
図3に示すように、複数の第1パッド部130には、複数の第1スイッチング素子31がそれぞれ電気的に接合される。
図9、
図10および
図14に示すように、複数の第1パッド部130の各々は、上側(厚さ方向zにおいて搭載部111の主面111Aが向く方向)を向く主面130Aを有する。主面130Aは、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。複数の第1パッド部130は、複数の領域を含む。
図3に示す例では、第1領域131A、第2領域131Bおよび第3領域131Cが設けられている。
【0045】
図3に示すように、第1領域131Aは、第2吊り部125の近くに配置されている。第1方向xにおいて、第1領域131Aの少なくとも一部は、第2吊り部125の隣に位置する。また、第2方向yにおいて、第1領域131Aは、第2帯状部122Bの隣に位置する。
図3および
図10に示すように、第1領域131Aには、厚さ方向zに貫通する一対の孔130Bが設けられている。一対の孔130Bは、第2方向yにおいて、第1スイッチング素子31を挟んで互いに離間配置されている。
図3および
図14に示すように、第1領域131Aには、主面130Aから凹む複数の溝部130Cが形成されている。これらの複数の溝部130Cは、第1スイッチング素子31の周囲において互いに離間して配置されている。複数の溝部130Cは、たとえばVノッチ加工により形成することができる。また、他の溝部(後述)と同様に、複数の溝部130Cは、第1スイッチング素子31を第1領域131Aに接合するためのハンダを堰き止める機能を有する。
【0046】
図3および
図4に示すように、第2領域131Bは、第1方向xにおいて、第2リード12の第1帯状部121の隣に位置する。第2領域131Bには、溝部130Cが形成されている。溝部130Cは、第1スイッチング素子31の右側に位置している。
【0047】
図3に示すように、第3領域131Cは、第1方向xにおいて、第2リード12の第2連結部124の隣に位置する。また、第3領域131Cは、第2方向yにおいて第2のリード12の第2帯状部122Aの隣に位置する。第3領域131Cには、溝部130Cが形成されている。溝部130Cは、第1スイッチング素子31の左側に位置している。
【0048】
図2および
図3に示すように、第3端子部132は、厚さ方向z視において封止樹脂50から右側に突出している。第3端子部132は、
図6に示すように、第2方向y視において屈曲している。第3端子部132は、錫めっき層、または錫−銀合金めっき層などで覆われている。
【0049】
図3に示すように、第3連結部133は、複数の第1パッド部130および第3端子部132を相互につないでいる。第3連結部133は、外側連結部133A、第1内側連結部133Bおよび第2内側連結部133Cを含む。
【0050】
図3に示すように、外側連結部133Aは、第1領域131Aと第3端子部132とをつないでいる。外側連結部133Aは、第1方向xに延びている。
【0051】
図3に示すように、第1内側連結部133Bは、第1領域131Aと第2領域131Bとをつないでいる。
図4に示すように、第1内側連結部133Bは、第1領域131Aから第1方向xに延びる第1帯状領域136Aと、第2領域131Bから第2方向yに延びる第2帯状領域137Aとを有する。第2領域131Bにつながる第2帯状領域137Aの端部には、溝部133Dが設けられている。溝部133Dは、第3連結部133の表面から凹んでいる。溝部133Dは、上述の溝部130Cと同一の手法により形成される。
【0052】
図3に示すように、第2内側連結部133Cは、第2領域131Bと第3領域131Cとをつないでいる。
図4に示すように、第2内側連結部133Cは、第3領域131Cから第1方向xに延びる第1帯状領域136Bと、第2領域131Bから第2方向yに延びる第2帯状領域137Bとを有する。第3領域131Cにつながる第1帯状領域136Bの端部と、第2領域131Bにつながる第2帯状領域137Bの端部とには、それぞれ溝部133Dが形成されている。
【0053】
図3に示すように、第2領域131Bの一部は、第1内側連結部133Bおよび第2内側連結部133Cの双方から右側に突出している。
図4に示すように、第1内側連結部133Bの第2帯状領域137Aの長さLaは、第2内側連結部133Cの第2帯状領域137Bの長さLbよりも小である。
【0054】
図3に示すように、第3吊り部134は、第3領域131Cから第2方向yに延びている。第2方向yを向く第3吊り部134の端面134Aは、封止樹脂50から露出している(
図5参照)。端面134Aは、第1方向xにおいて互いに離間した一対の領域を有する。第3領域131Cにつながる第3吊り部134の端部には、複数の溝部134Bが形成されている。複数の溝部134Bは、第3吊り部134の表面から凹んでいる。複数の溝部134Bは、複数の溝部130Cと同一の手法により形成される。
【0055】
図3に示すように、第3補助吊り部135は、外側連結部133Aから第2方向yに延びている。第2方向yを向く第3補助吊り部135の端面135Aは、封止樹脂50から露出している(
図6参照)。
【0056】
図11に示すように、第1方向x視において第1帯状部121が、第2領域131B、第1内側連結部133Bおよび第2内側連結部133Cに重なっている。
図4に示すように、一対の第2帯状部122A,122Bの各々の一部が、第1内側連結部133Bと第2内側連結部133Cとの間に位置する。
【0057】
複数の第4リード14は、
図3に示すように、第3リード13の右側に位置する。複数の第4リード14の各々は、第2パッド部141および第4端子部142を有する。
【0058】
図3に示すように、各第2パッド部141には、第2スイッチング素子32が電気的に接合される。第2パッド部141は、主面141Aを有する。主面130Aは、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0059】
図2および
図3に示すように、各第4端子部142は、厚さ方向z視において封止樹脂50から右側に突出している。各第4端子部142は、対応する第2パッド部141につながっている。複数の第4端子部142は、第3端子部132とともに第2方向yに配列されている。各第4端子部142は、第1〜第3端子部と同様に、第2方向y視において屈曲している(
図5、
図6参照)。各第4端子部142は、錫めっき層、または錫−銀合金めっき層などで覆われている。
【0060】
図3に示すように、複数の第4リード14は、U相リード14A、V相リード14BおよびW相リード14Cを含む。
【0061】
図12に示すように、U相リード14Aの第2パッド部141の一部が、第1方向x視において第1領域131Aに重なっている。U相リード14Aの第2パッド部141の一部が、外側連結部133Aと第1内側連結部133Bとの間に位置する。
図3および
図13に示すように、U相リード14Aの第2パッド部141には、厚さ方向zに貫通する孔141Bが設けられている。孔141Bは、第2スイッチング素子32の右側に位置する。
図3および
図15に示すように、U相リード14Aの第2パッド部141には、主面141Aから凹む複数の溝部141Cが形成されている。これらの複数の溝部141Cは、第2スイッチング素子32の周囲に位置する。なお、複数の溝部141Cは、複数の溝部130Cと同一の手法により形成される。
【0062】
図3に示すように、V相リード14Bの第2パッド部141は、第1方向xにおいて第2内側連結部133Cの隣に位置する。V相リード14Bの第2パッド部141には、複数の溝部141Cが形成されている。これらの複数の溝部141Cは、第2スイッチング素子32の周囲に位置する。
【0063】
図3に示すように、W相リード14Cの第2パッド部141は、第1方向xにおいて第3領域131Cおよび第3吊り部134の双方の隣に位置する。また、W相リード14Cの第2パッド部141は、第2方向yにおいて第2内側連結部133Cの隣に位置する。W相リード14Cの第2パッド部141には、複数の溝部141Cが形成されている。これらの複数の溝部141Cは、第2スイッチング素子32の周囲に位置する。
【0064】
複数のブートリード15は、
図3に示すように、第3リード13の右側に位置する。複数のブートリード15の各々は、第2方向yにおいて、対応する第4リード14の隣に位置する。各ブートリード15は、ブート接続部151およびブート端子部152を有する。
【0065】
図3に示すように、各ブート接続部151の少なくとも一部は、第2方向yにおいて、各第2パッド部141に重なるように配置されている。各ブート接続部151の表面は、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0066】
図2および
図3に示すように、各ブート端子部152は、厚さ方向z視において封止樹脂50から右側に突出している。各ブート端子部152は、対応するブート接続部151につながっている。複数のブート端子部152は、第3端子部132と、複数の第4端子部142とともに第2方向yに配列されている。各ブート端子部152は、第1〜第4端子部と同様に、第2方向y視において屈曲している。各ブート端子部152は、錫めっき層、または錫−銀合金めっき層などで覆われている。
【0067】
複数の制御リード16は、
図3に示すように、第1リード11の左側に位置する。各制御リード16は、制御接続部161および制御端子部162を有する。
【0068】
図3に示すように、搭載部111は、第1連結部113の領域113Aおよび第1吊り部114に対して第1方向xの左側に突出した部分を有している。複数の制御接続部161は、略円弧状の曲線(あるいは折れ線)に沿って互いに離間し、かつ各々が、搭載部111の前記突出部分に対向するように配置されている。各制御接続部161の表面は、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0069】
図2および
図3に示すように、各制御端子部162は、厚さ方向z視において封止樹脂50から左側に突出している。各制御端子部162は、対応する制御接続部161につながっている。複数の制御端子部162は、第1端子部112および第2端子部123とともに第2方向yに配列されている。各制御端子部162は、他の端子部と同様に、
図6に示すように第2方向y視において屈曲している。制御端子部162は、錫めっき層、または錫−銀合金めっき層などで覆われている。
【0070】
IC20は、
図3、
図9および
図10に示すように、搭載部111に搭載されている。IC20は、たとえば、コントローラ回路21およびドライバ回路22(
図16参照)を備える。コントローラ回路21は、ドライバ回路22を制御する。ドライバ回路22は、複数の第1スイッチング素子31および複数の第2スイッチング素子32を駆動させるためのゲート電圧を出力する。厚さ方向z視において、IC20は、第1方向xに延びている。IC20の表面には、複数の電極20Aが設けられている。各電極20Aは、コントローラ回路21およびドライバ回路22のいずれかに導通している。
図3に示すように、複数の電極20Aのいくつかは、複数の第1スイッチング素子31および複数の第2スイッチング素子32に個別に導通している。その他の電極20Aは、第1リード11、第2リード12、複数のブートリード15および複数の制御リード16に個別に導通している。各電極20Aは、たとえばアルミニウム(Al)からなる。
【0071】
図9および
図10に示すように、半導体装置A10は、接合層29を備える。接合層29は、搭載部111の主面111Aと、IC20との間に介在している。接合層29は、たとえば銀ペーストからなる。銀ペーストは、銀の微粒子を、たとえばエポキシ樹脂に混合させたものである。IC20は、接合層29により主面111Aに接合される。
【0072】
複数の第1スイッチング素子31は、
図3、
図9および
図10に示すように、複数の第1パッド部130(第3リード13)の主面130Aに個別かつ電気的に接合されている。これにより、半導体装置A10では、第1領域131A、第2領域131Bおよび第3領域131Cのそれぞれに、第1スイッチング素子31が電気的に接合された構成となる。複数の第1スイッチング素子31は、複数の第2パッド部141(第4リード14)に個別に導通している。複数の第1スイッチング素子31は、シリコン(Si)または炭化ケイ素(SiC)を主成分としたMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。なお、複数の第1スイッチング素子31は、MOSFET以外の半導体素子を適用してもよい。半導体装置A10では、第1スイッチング素子31がnチャンネル型のMOSFETである場合について説明する。
図14に示すように、各第1スイッチング素子31は、第1素子主面31A、第1素子裏面31B、第1主面電極311、第1裏面電極312および第1ゲート電極313を有する。第1素子主面31Aおよび第1素子裏面31Bは、厚さ方向zにおいて、互いに反対側を向く。
【0073】
図3および
図14に示すように、第1主面電極311は、第1素子主面31Aに設けられている。第1主面電極311は、第1スイッチング素子31のソース電極である。
【0074】
図14に示すように、第1裏面電極312は、第1素子裏面31Bの全体を覆うように設けられている。第1裏面電極312は、第1スイッチング素子31のドレイン電極である。
【0075】
図3および
図14に示すように、第1ゲート電極313は、第1素子主面31Aに設けられている。第1ゲート電極313は、第1スイッチング素子31のゲート電極である。厚さ方向z視において、第1ゲート電極313の面積は、第1主面電極311の面積よりも小である。
【0076】
複数の第2スイッチング素子32は、
図3、
図11および
図13に示すように、複数の第2パッド部141(第4リード14)の主面141Aに個別かつ電気的に接合されている。これにより、半導体装置A10では、U相リード14A、V相リード14BおよびW相リード14Cのそれぞれに、第2スイッチング素子32が電気的に接合された構成となる。複数の第2スイッチング素子32は、第2リード12に導通している。複数の第2スイッチング素子32は、複数の第1スイッチング素子31と同一の半導体素子である。
図15に示すように、各第2スイッチング素子32は、第2素子主面32A、第2素子裏面32B、第2主面電極321、第2裏面電極322および第2ゲート電極323を有する。第2素子主面32Aおよび第2素子裏面32Bは、厚さ方向zにおいて互いに反対側を向く。
【0077】
図3および
図15に示すように、第2主面電極321は、第2素子主面32Aに設けられている。第2主面電極321は、第2スイッチング素子32のソース電極である。
【0078】
図15に示すように、第2裏面電極322は、第2素子裏面32Bの全体を覆うように設けられている。第2裏面電極322は、第2スイッチング素子32のドレイン電極である。
【0079】
図3および
図15に示すように、第2ゲート電極323は、第2素子主面32Aに設けられている。第2ゲート電極323は、第2スイッチング素子32のゲート電極である。厚さ方向z視において、第2ゲート電極323の面積は、第2主面電極321の面積よりも小とされている。
【0080】
図9〜
図15に示すように、半導体装置A10は、複数の導電接合層39を備える。複数の導電接合層39のいくつかは、複数の第1パッド部130の主面130Aと、複数の第1スイッチング素子31の第1裏面電極312との間に個別に介在している。その他の複数の導電接合層39は、複数の第2パッド部141の主面141Aと、複数の第2スイッチング素子32の第2裏面電極322との間に個別に介在している。複数の第1スイッチング素子31は、複数の導電接合層39により複数の主面130Aに個別かつ電気的に接合されている。これにより、複数の第1裏面電極312は、第3リード13に導通している。複数の第2スイッチング素子32は、複数の導電接合層39により複数の主面141Aに個別かつ電気的に接合されている。これにより、複数の第2裏面電極322は、複数の第4リード14に導通している。複数の導電接合層39は、たとえば、錫を主成分とする鉛フリーはんだである。
【0081】
複数の第1ワイヤ41は、
図3に示すように、複数の第1スイッチング素子31の第1主面電極311と、複数の第2パッド部141とに個別に接続される。複数の第1ワイヤ41により、複数の第4リード14は、複数の第1スイッチング素子31に個別に導通している。複数の第1ワイヤ41の構成材料は、たとえば、金(Au)、銅、銀およびアルミニウムである。
【0082】
複数の第2ワイヤ42は、
図3に示すように、複数の第2スイッチング素子32の第2主面電極321と、第2リード12(一対の第2帯状部122A,122B)に個別に接続される。複数の第2ワイヤ42により、複数の第2スイッチング素子32は、第2リード12に導通している。複数の第2ワイヤ42の構成材料は、たとえば、金、銅、銀およびアルミニウムである。
【0083】
複数の第1ゲートワイヤ431、複数の第2ゲートワイヤ432、複数の第1電位ワイヤ441、第2電位ワイヤ442、複数のブートワイヤ45、接地ワイヤ46および複数の制御ワイヤ47は、
図3に示すように、いずれもIC20の複数の電極20Aに個別に接続される。これらのワイヤの構成材料は、たとえば、金、銅、銀およびアルミニウムである。
【0084】
複数の第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42、複数の第1ゲートワイヤ431、複数の第2ゲートワイヤ432、複数の第1電位ワイヤ441、第2電位ワイヤ442、複数のブートワイヤ45、接地ワイヤ46および複数の制御ワイヤ47の構成材料を、全てアルミニウムとした場合について説明する。この場合は、複数の第1ワイヤ41および複数の第2ワイヤ42のそれぞれの直径は、複数の第1ゲートワイヤ431、複数の第2ゲートワイヤ432、複数の第1電位ワイヤ441、第2電位ワイヤ442、複数のブートワイヤ45、接地ワイヤ46および複数の制御ワイヤ47のそれぞれの直径よりも大である。これは、半導体装置A10において、複数の第1ワイヤ41および複数の第2ワイヤ42に流れる電流が、他の複数のワイヤに流れる電流よりも大であることによる。半導体装置A10における複数のワイヤの構成材料をアルミニウム以外(金、銅および銀など)とした場合であっても、複数の第1ワイヤ41および複数の第2ワイヤ42のそれぞれの直径を、他のワイヤの直径よりも大としてもよい。
【0085】
半導体装置A10において、複数の第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42、第2電位ワイヤ442、複数のブートワイヤ45、接地ワイヤ46および複数の制御ワイヤ47の構成材料を銅とし、かつ複数の第1ゲートワイヤ431、複数の第2ゲートワイヤ432および複数の第1電位ワイヤ441の構成材料を金としてもよい。このように、半導体装置A10において、ワイヤの構成材料を、1種類のみならず、複数種類としてもよい。
【0086】
複数の第1ゲートワイヤ431は、
図3に示すように、IC20の複数の電極20Aと、複数の第1スイッチング素子31の第1ゲート電極313とに個別に接続されている。複数の第1ゲートワイヤ431により、複数の第1ゲート電極313は、IC20のドライバ回路22に導通している(
図16参照)。ドライバ回路22から出力されたゲート電圧は、複数の第1ゲートワイヤ431を介して、複数の第1ゲート電極313に個別に印加される。
【0087】
複数の第2ゲートワイヤ432は、
図3に示すように、IC20の複数の電極20Aと、複数の第2スイッチング素子32の第2ゲート電極323とに個別に接続されている。複数の第2ゲートワイヤ432により、複数の第2ゲート電極323は、IC20のドライバ回路22に導通している(
図16参照)。ドライバ回路22から出力されたゲート電圧は、複数の第2ゲートワイヤ432を介して、複数の第2ゲート電極323に個別に印加される。
【0088】
複数の第1電位ワイヤ441は、
図3に示すように、IC20の複数の電極20Aと、複数の第1スイッチング素子31の第1主面電極311とに個別に接続されている。複数の第1電位ワイヤ441により、複数の第1主面電極311は、IC20のドライバ回路22に導通している(
図16参照)。複数の第1主面電極311は、複数の第4リード14に個別に導通している。複数の第1スイッチング素子31を駆動させるためのゲート電圧を生み出すゲート電源の負電位は、複数の第1スイッチング素子31の各々に対して異なる。また、当該ゲート電圧は、複数の第2スイッチング素子32を駆動させるためのゲート電圧よりも高いことが要求される。こうした事情から、当該ゲート電圧を生み出すゲート電源は、
図16に示す半導体装置A10に導通する複数のコンデンサCを含んで構成される。複数のコンデンサCは、複数の第1スイッチング素子31に個別に対応している。複数の第1電位ワイヤ441は、複数のコンデンサCのそれぞれの負電位をIC20のドライバ回路22に伝達する。
【0089】
第2電位ワイヤ442は、
図3に示すように、IC20の電極20Aと、第2リード12とに接続されている。複数の第2スイッチング素子32の第2主面電極321は、複数の第2ワイヤ42、第2リード12および第2電位ワイヤ442を介して、IC20のコントローラ回路21に導通している(
図16参照)。このことは、複数の第2スイッチング素子32を駆動させるためのゲート電圧を生み出すゲート電源の負電位は、いずれも共通であることを意味する。当該ゲート電源は、IC20を駆動させるための電源に含まれる。第2電位ワイヤ442は、複数の第2スイッチング素子32の第2主面電極321における電位をIC20のコントローラ回路21に伝達する。また、第2電位ワイヤ442を介して、複数の第2スイッチング素子32から流れるソース電流がコントローラ回路21において検出される。
【0090】
複数のブートワイヤ45は、
図3に示すように、IC20の複数の電極20Aと、複数のブート接続部151とに個別に接続されている。複数のブートリード15は、複数のブートワイヤ45を介して、IC20のドライバ回路22に導通している(
図16参照)。
【0091】
接地ワイヤ46は、
図3に示すように、IC20の電極20Aと、第1連結部113とに接続されている。第1リード11は、接地ワイヤ46を介してIC20のコントローラ回路21に導通している(
図16参照)。
【0092】
複数の制御ワイヤ47は、
図3に示すように、IC20の複数の電極20Aと、複数の制御接続部161とに個別に接続されている。複数の制御リード16は、複数の制御ワイヤ47を介してIC20のコントローラ回路21に導通している(
図16参照)。
【0093】
封止樹脂50は、
図3に示すように、第1リード11、第2リード12、第3リード13、複数の第4リード14、複数のブートリード15および複数の制御リード16の各々の一部を覆っている。封止樹脂50は、
図3に示すように、IC20、複数の第1スイッチング素子31および複数の第2スイッチング素子32を覆っている。封止樹脂50の構成材料は、たとえば、黒色のエポキシ樹脂である。
図2および
図5〜
図8に示すように、封止樹脂50は、一対の第1側面51A,51Bと、一対の第2側面52A,52Bと、を有する。
【0094】
図2、
図7および
図8に示すように、一対の第1側面51A,51Bは、互いに第1方向xに離間している。
図2では、第1側面51Aは、右側を向き、第1側面51Bは、左側を向いている。第3端子部132、複数の第4端子部142および複数のブート端子部152が、厚さ方向z視において第1側面51Aから右側に突出している。一方、第1端子部112、第2端子部123および複数の制御端子部162が、厚さ方向z視において第1側面51Bから左側に突出している。
【0095】
図2、
図5および
図6に示すように、一対の第2側面52A,52Bは、互いに第2方向yに離間している。
図2では、第2側面52Aは、上側を向き、第2側面52Bは、下側を向く。
図6に示すように、第2側面52Aから、第1吊り部114の端面114A、第2吊り部125の端面125A、および第3補助吊り部135の端面135Aが露出している。
図5に示すように、第2側面52Bから、第2補助吊り部126の端面126A、第3吊り部134の端面134A、および第2パッド部141(W相リード14C)の端面141Dが露出している。
【0096】
図16に基づき、半導体装置A10の回路構成について説明する。
【0097】
複数の第4端子部142は、U相出力端子142A、V相出力端子142BおよびW相出力端子142Cを含む。U相出力端子142Aは、U相リード14Aの第4端子部142を指す。V相出力端子142Bは、V相リード14Bの第4端子部142を指す。W相出力端子142Cは、W相リード14Cの第4端子部142を指す。複数の制御端子部162は、VCC端子162A、VSP端子162B、一対のHU端子162C、一対のHV端子162D、一対のHW端子162E、FGS端子162F、FG端子162GおよびRT端子162Hを含む。
【0098】
図16に示すように、半導体装置A10には、駆動制御対象となるモータ80が接続されている。モータ80は、ブラシレスDCモータである。モータ80は、U相出力端子142A、V相出力端子142B、W相出力端子142C、一対のHU端子162C、一対のHV端子162Dおよび一対のHW端子162Eに導通している。U相出力端子142A、V相出力端子142BおよびW相出力端子142Cは、モータ80の3つのステータ(図示略)に個別に導通している。一対のHU端子162C、一対のHV端子162Dおよび一対のHW端子162Eは、モータ80の内部に配置された3つのホール素子(図示略)に個別に導通している。
【0099】
IC20のコントローラ回路21は、ホールアンプ211、三角波発生器212、PWM信号変換部213、過電流保護部214、第1電圧低下保護部215および三相分配ロジック216を有する。
【0100】
ホールアンプ211は、複数の制御ワイヤ47を介して一対のHU端子162C、一対のHV端子162Dおよび一対のHW端子162Eに導通している。ホールアンプ211は、モータ80の内部に配置されたホール素子から出力された3種類のホール電圧をそれぞれ増幅する。これらのホール電圧は、モータ80のロータ(図示略)の軸方向回りの位置を示す信号である。ホールアンプ211により増幅された3種類のホール電圧は、三相分配ロジック216に入力される。
【0101】
三角波発生器212は、制御ワイヤ47を介してRT端子162Hに導通している。三角波発生器212は、RT端子162Hに入力された信号に基づき三角波を発生させる。三角波は、PWM(Pulse Width Modulation)制御によりドライバ回路22を制御する際のキャリア信号となる。キャリア信号は、PWM信号変換部213に入力される。
【0102】
PWM信号変換部213は、制御ワイヤ47を介してVSP端子162Bに導通している。VSP端子162Bからは、モータ80を駆動させるための基礎となる変調波信号が入力される。変調波信号は、正弦波信号である。PWM信号変換部213では、三角波発生器212から入力されたキャリア信号と、VSP端子162Bから入力された変調波信号とを、双方の対比に基づきパルス波であるPWM信号に変換する。PWM信号は、三相分配ロジック216に入力される。
【0103】
過電流保護部214は、第2電位ワイヤ442、第2リード12および複数の第2ワイヤ42を介して複数の第2スイッチング素子32に導通している。過電流保護部214は、複数の第2スイッチング素子32に流れるソース電流を検出する。過電流保護部214では、当該ソース電流の検出結果に基づく信号が生成される。当該信号は、三相分配ロジック216に入力される。
【0104】
第1電圧低下保護部215は、制御ワイヤ47を介してVCC端子162Aに導通している。VCC端子162Aには、IC20を駆動させるための電力が入力される。このため、VCC端子162Aにおける電位が、IC20を駆動させるための電源の正電位となる。第1電圧低下保護部215は、VCC端子162AからIC20に印加される電圧がしきい値よりも低下することを防止する。
【0105】
三相分配ロジック216は、PWM信号変換部213から入力されたPWM信号を、ホールアンプ211から入力されたホール電圧に基づき、一対のU相信号、一対のV相信号および一対のW相信号の三相に分配する。半導体装置A10では、一対のU相信号、一対のV相信号および一対のW相信号の各々は、120度通電型の矩形波信号である。U相信号に対するV相信号の位相差と、V相信号に対するW相信号の位相差は、ともに120度である。U相信号、V相信号およびW相信号のこれらの一方の信号は、ドライバ回路22のゲートドライバ221のハイサイド領域221A(詳細は後述)に入力される。U相信号、V送信号およびW相信号のこれらの他方の信号は、ドライバ回路22のゲートドライバ221のローサイド領域221B(詳細は後述)に入力される。一対のU相信号、一対のV相信号および一対のW相信号は、過電流保護部214から入力された信号に基づき、適宜調整される。
【0106】
三相分配ロジック216は、接地ワイヤ46を介して第1端子部112に導通している。第1端子部112は、IC20の接地端子である。このため、第1端子部112における電位が、IC20を駆動させるための電源の負電位となる。また、三相分配ロジック216は、一対の制御ワイヤ47を介してFG端子162GおよびFGS端子162Fに導通している。三相分配ロジック216では、ホールアンプ211から入力されたホール電圧を基に、モータ80の回転数を表すFG(Frequency Generator)信号が生成される。FG信号は、FG端子162Gに出力される。FGS端子162Fには、FG端子162Gから出力されるFG信号のパルス数を設定するための指令信号が入力される。
【0107】
IC20のドライバ回路22は、ゲートドライバ221および複数の第2電圧低下保護部222を有する。
【0108】
ゲートドライバ221は、三相分配ロジック216から入力された一対のU相信号、一対のV相信号および一対のW相信号を基に複数の第1スイッチング素子31および複数の第2スイッチング素子32の各々を駆動させる。ゲートドライバ221は、ハイサイド領域221Aおよびローサイド領域221Bを有する。
【0109】
ハイサイド領域221Aには、複数の駆動回路が構成されている。ハイサイド領域221Aにおける複数の駆動回路は、三相分配ロジック216から入力されたU相信号、V相信号およびW相信号のこれらの一方の信号を、複数のゲート電圧に個別に変換する。複数の当該ゲート電圧は、U相信号、V相信号およびW相信号の正電位に個別に対応している。複数の当該ゲート電圧は、複数の第1ゲートワイヤ431を介して複数の第1スイッチング素子31に印加される。これにより、複数の第1スイッチング素子31が駆動される。
【0110】
ローサイド領域221Bには、複数の駆動回路が構成されている。ローサイド領域221Bにおける複数の駆動回路は、三相分配ロジック216から入力されたU相信号、V相信号およびW相信号のこれらの他方の信号を、複数のゲート電圧に個別に変換する。複数の当該ゲート電圧は、U相信号、V相信号およびW相信号の負電位に個別に対応している。複数の当該ゲート電圧は、複数の第2ゲートワイヤ432を介して複数の第2スイッチング素子32に印加される。これにより、複数の第2スイッチング素子32が駆動される。
【0111】
複数の第2電圧低下保護部222は、ゲートドライバ221のハイサイド領域221Aに構成された複数の駆動回路に個別に導通している。複数の第2電圧低下保護部222は、複数のコンデンサCから複数の当該駆動回路に印加される電圧がしきい値よりも低下することを防止する。
【0112】
半導体装置A10では、第3端子部132にモータ80を駆動させるための直流電力が入力される。第3端子部132に入力された直流電力の電流は、複数の第1スイッチング素子31、複数の第1ワイヤ41、複数の第2スイッチング素子32、複数の第2ワイヤ42の順に流れて、第2端子部123から出力される。
【0113】
半導体装置A10に入力された直流電力は、複数の第1スイッチング素子31および複数の第2スイッチング素子32が駆動されることにより、U相、V相およびW相の三相交流電力に変換される。U相交流電力は、U相出力端子142Aから出力される。V相交流電力は、V相出力端子142Bから出力される。W相交流電力は、W相出力端子142Cから出力される。U相出力端子142A、V相出力端子142BおよびW相出力端子142Cから出力された三相交流電力により、モータ80が駆動制御される。
【0114】
複数のコンデンサCの各々は、第4端子部142と、第2方向yにおいて第4端子部142の隣に位置するブート端子部152との双方に導通している。複数のコンデンサCの各々は、これに対応する第1スイッチング素子31に導通する第2スイッチング素子32がオンのとき、VCC端子162Aに入力される電力により充電される。VCC端子162AからコンデンサCまでの導電経路は、制御ワイヤ47、抵抗R、ダイオードD、ブートワイヤ45およびブート端子部152である。複数のコンデンサCに充電された電力は、複数のブート端子部152、複数のブートワイヤ45および複数の第2電圧低下保護部222を介して、ゲートドライバ221のハイサイド領域221Aに構成された複数の駆動回路に個別に入力される。なお、上述の複数の第1電位ワイヤ441は、複数の駆動回路に個別に導通している。
【0115】
次に、半導体装置A10の作用効果について説明する。
【0116】
半導体装置A10は、第1方向xに長状の搭載部111を有する第1リード11と、第1帯状部121および一対の第2帯状部122(122A,122B)を有する第2リード12とを備える。第1帯状部121は、搭載部111から第1方向xにオフセットした位置にあり、かつ第2方向yに長状である。各第2帯状部122は、第1帯状部121の対応する一端121Aから第1方向xに(
図3では左側に)延びている。第1方向x視において、搭載部111が第1帯状部121に重なっている。搭載部111の少なくとも一部は、一対の第2帯状部122の間に位置する。このような構成によれば、第1方向xにおける半導体装置A10の外形寸法を所定の値としつつ、第2方向yにおける半導体装置A10の外形寸法を従来よりも小さくすることができる。すなわち、半導体装置の小型化を図ることが可能となる。
【0117】
第1リード11は、第1連結部113(搭載部111と第1端子部112とをつなぐ)と、第1吊り部114(第2方向yにおいて搭載部111に対して第1連結部113の反対側に位置する)とを有する。これにより、半導体装置A10の製造において、搭載部111は、第2方向yの両側で支持された状態となる。このため、搭載部111にIC20を搭載する際に、搭載部111が不当に傾くことを抑制できる。
【0118】
第2リード12は、第2連結部124(一方の第2帯状部122と第2端子部123とをつなぐ)と、第2吊り部125(他方の第2帯状部122から第2方向yに延びる)とを有する。これにより、半導体装置A10の製造において、第1帯状部121および一対の第2帯状部122は、第2方向yの両側で支持された状態となる。このため、一対の第2帯状部122に複数の第2ワイヤ42を接続する際に、一対の第2帯状部122が不当に傾くことを抑制できる。
【0119】
図3において、第1連結部113は、一対の第2帯状部122に対して第1方向xの左側に位置する。第1連結部113は、第1方向xおよび第2方向yの双方に対して傾斜した領域113Aを有する。これにより、第1方向xにおける半導体装置A10の外形寸法が過度に大きくなることを抑制できる。
【0120】
第2端子部123は、第2方向yにおいて第1端子部112の隣に位置しており、第2連結部124は、第1連結部113の隣に配置されている。第2連結部124は、第1方向xおよび第2方向yの双方に対して傾斜した領域124Aを有する。これにより、第2連結部124と、第1連結部113(領域113A)との間隔を短くすることができる。
【0121】
図3において、第3リード13は、第2リード12に対して第1方向xの右側に位置する。第3リード13の複数の第1パッド部130は、第1領域131A、第2領域131Bおよび第3領域131Cを含む。第1領域131Aは、第1方向xにおいて第2吊り部125の隣に位置する。第2領域131Bは、第1方向xにおいて第1帯状部121の隣に位置する。第3領域131Cは、第1方向xにおいて第2連結部124の隣に位置する。これにより、複数の第1スイッチング素子31を、第1帯状部121および一対の第2帯状部122の外周縁に沿って配置させることができる。このことは、第2方向yにおける半導体装置A10の外形寸法の短縮に寄与する。
【0122】
第3リード13の第3連結部133は、第1内側連結部133B(第1領域131Aと第2領域131Bとをつなぐ)と、第2内側連結部133C(第2領域131Bと第3領域131Cとをつなぐ)とを有する。第1方向x視において、第1帯状部121が、第2領域131B、第1内側連結部133Bおよび第2内側連結部133Cに重なる。一対の第2帯状部122の各々の一部は、第1内側連結部133Bと第2内側連結部133Cとの間に位置する。これにより、第3連結部133と、第1帯状部121および一対の第2帯状部122との間隔の短縮を図ることができる。
【0123】
図3および
図4において、第2領域131Bは、第1内側連結部133Bおよび第2内側連結部133Cに対し、第1方向xに突出しているが、突出方向は、第1帯状部121から離れる方向である。これにより、第2領域131Bと第1帯状部121との間隔の短縮を図ることができる。
【0124】
第3連結部133は、第1領域131Aと第3端子部132とをつなぐ外側連結部133Aを有する。第3リード13は、第2内側連結部133Cから第2方向yに延びる第3吊り部134を有する。これにより、半導体装置A10の製造において、複数の第1パッド部130、第1内側連結部133Bおよび第2内側連結部133Cは、外側連結部133Aおよび第3吊り部134の双方により支持された状態となる。このため、複数の第1パッド部130に複数の第1スイッチング素子31を接合させる際、複数の第1パッド部130が不当に傾くことを抑制できる。
【0125】
U相リード14A(第4リード14)の第2パッド部141は、第1方向x視において第1領域131Aに重なっている。
図3において、第2パッド部141の一部は、外側連結部133Aと第1内側連結部133Bとの間に位置する。これにより、第1領域131Aに接合された第1スイッチング素子31に対して、第1方向xの右側に、第2スイッチング素子32を配置させることができる。
【0126】
第1内側連結部133Bは、第2領域131Bから第2方向yに延びる第2帯状領域137Aを有する。第2内側連結部133Cは、第2領域131Bから第2方向yに延びる第2帯状領域137Bを有する。
図4に示すように、第2帯状領域137Aの長さLaは、第2帯状領域137Bの長さLbよりも小である。これにより、第2方向yにおいて第2領域131Bに対してU相リード14Aとは反対側に、V相リード14BおよびW相リード14Cを配置させる余地を確保することができる。
【0127】
厚さ方向z視において、IC20は、搭載部111と同様に、第1方向xに延びる帯状である。これにより、搭載部111の主面111Aを、IC20の搭載に有効に利用することができる。また、IC20を長状とすることで、コントローラ回路21およびドライバ回路22を一体的にIC20内に構成することができる。
【0128】
図17〜
図22を参照しつつ、第2実施形態に基づく半導体装置A20について説明する。これらの図において、上述した半導体装置A10と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0129】
半導体装置A20は、第1リード11、第2リード12、複数のアームリード17、複数のブートリード15、複数の制御リード16、IC20、制御IC28、複数の第1スイッチング素子31、複数の第2スイッチング素子32、および封止樹脂50を備える。さらに、半導体装置A20は、複数の第1ワイヤ41、複数の第2ワイヤ42、複数の第1ゲートワイヤ431、複数の第2ゲートワイヤ432、複数の第1電位ワイヤ441、第2電位ワイヤ442、複数のブートワイヤ45、複数の接地ワイヤ46および複数の制御ワイヤ47を備える。
図17では、理解の便宜上、封止樹脂50を透過している(二点鎖線参照)。
図20〜
図22は、
図17に示す一点鎖線(XX−XX、XXI−XXI、XXII−XXII)に沿う断面図である。
【0130】
半導体装置A20は、たとえば、DCモータの駆動制御に用いられる。外部から半導体装置A20に供給された直流電力は、複数の第1スイッチング素子31および複数の第2スイッチング素子32により制御される。
【0131】
第1リード11、第2リード12、複数のアームリード17、複数のブートリード15および複数の制御リード16は、同一のリードフレームから構成された導電部材である。これらの導電部材は、IC20、制御IC28、複数の第1スイッチング素子31および複数の第2スイッチング素子32と、IC20が実装される配線基板との導電経路の一部を構成している。当該リードフレームの構成材料は、銅(Cu)または銅合金である。複数の制御リード16の構成は、上述した半導体装置A10の複数の制御リード16の構成と同一である。
【0132】
第1リード11は、
図17に示すように、搭載部111、第1端子部112、第1連結部113および一対の第1吊り部114を有する。
【0133】
図17に示すように、搭載部111は、厚さ方向zから視た面積が第1リード11において最大である。
図20および
図21に示すように、搭載部111は、厚さ方向zを向く主面111Aを有する。主面111Aは、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0134】
図17に示すように、第1端子部112は、厚さ方向z視において封止樹脂50から第1方向xの左側に突出している。第1端子部112の構成は、上述した半導体装置A10の第1端子部112の構成と同一である。
【0135】
図17に示すように、第1連結部113は、搭載部111と第1端子部112とをつないでいる。第1連結部113の表面(
図17に示された面)は、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0136】
図17に示すように、一対の第1吊り部114は、第2方向yにおいて搭載部111に対して第1連結部113とは反対側に位置する。一対の第1吊り部114は、第2方向yに延びている。したがって、搭載部111は、第2方向yにおいて第1連結部113と一対の第1吊り部114とに挟まれた構成となっている。一対の第1吊り部114の各々は、第2方向yを向く端面114Aを有する。一対の端面114Aは、封止樹脂50から露出している(
図19参照)。
【0137】
第2リード12は、
図17に示すように、第1リード11に対して第1方向xの右側に位置する。第2リード12は、第1帯状部121、第2帯状部122、第2端子部123、第2連結部124および第2吊り部125を有する。
【0138】
図17に示すように、第1帯状部121は、搭載部111に対して第1方向xの右側に位置する。第1帯状部121は、第2方向yに延びている。
図21に示すように、第1方向x視において搭載部111が第1帯状部121に重なっている。
【0139】
図17に示すように、第2帯状部122は、第2方向yにおける第1帯状部121の一端から第1方向xの左側に延びている。厚さ方向z視において、第1帯状部121および第2帯状部122は、大略、直交している。第2帯状部122は、第2方向yにおいて搭載部111の隣に位置する。第1帯状部121および第2帯状部122のそれぞれの表面は、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0140】
図17に示すように、第2端子部123は、厚さ方向z視において封止樹脂50から第1方向xの左側に突出している。第2端子部123の構成は、上述した半導体装置A10の第2端子部123の構成と同一である。
【0141】
図17に示すように、第2連結部124は、第2帯状部122と第2端子部123とをつないでいる。第2連結部124は、第2方向yにおいて第1連結部113の隣に位置する。第2連結部124の表面は、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0142】
図17に示すように、第2吊り部125は、第2連結部124のうち第1方向xに延びる部分から第2方向yに延びている。第2方向yを向く第2補助吊り部126の端面125Aは、封止樹脂50から露出している。
【0143】
複数のアームリード17は、
図17に示すように、第2リード12に対して第1方向xの右側に位置する。複数のアームリード17は、第1アームリード171、第2アームリード172、第3アームリード173および第4アームリード174を含む。
【0144】
図17に示すように、第1アームリード171は、パッド部171A、第1電源端子部171B、第2電源端子部171Cおよび連結部171Dを有する。
【0145】
パッド部171Aは、第1方向xにおいて第1帯状部121の隣に位置する。パッド部171Aの表面は、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0146】
第1電源端子部171Bは、厚さ方向z視において封止樹脂50から第1方向xの右側に突出している。第1電源端子部171Bは、パッド部171Aにつながっている。
図19に示すように、第1電源端子部171Bは、第2方向y視において屈曲している。第4端子部142は、錫めっき層、または錫−銀合金めっき層などで覆われている。
【0147】
図17において、第2電源端子部171Cは、厚さ方向z視において封止樹脂50から第1方向xの右側に突出している。第2電源端子部171Cは、
図19に示す第1電源端子部171Bと同様に、第2方向y視において屈曲している。第2電源端子部171Cは、錫めっき層、または錫−銀合金めっき層などで覆われている。
【0148】
連結部171Dは、パッド部171Aと第2電源端子部171Cとをつないでいる。連結部171Dは、パッド部171Aから第2方向yに延びる部分と、第2電源端子部171Cから第1方向xに延びる部分とを有する。これにより、連結部171Dは、厚さ方向z視においてL字状である。
【0149】
図17に示すように、第2アームリード172は、パッド部172Aおよび第3電源端子部172Bを有する。
【0150】
パッド部172Aは、第2方向yにおいて第1アームリード171の連結部171Dの隣に位置する。パッド部172Aの表面は、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0151】
第3電源端子部172Bは、厚さ方向z視において封止樹脂50から第1方向xの右側に突出している。第3電源端子部172Bは、パッド部172Aにつながっている。第3電源端子部172Bは、
図19に示す第1電源端子部171Bと同様に、第2方向y視において屈曲している。第3電源端子部172Bは、第2方向yにおいて第2電源端子部171Cの隣に位置する。第3電源端子部172Bは、錫めっき層、または錫−銀合金めっき層などで覆われている。
【0152】
図17に示すように、第3アームリード173は、パッド部173Aおよび第1出力端子部173Bを有する。
【0153】
パッド部173Aは、第2方向yにおいて第1アームリード171の連結部171Dの隣に位置する。また、パッド部173Aは、第2方向yにおいて連結部171Dに対して、第2アームリード172のパッド部172A反対側に位置する。パッド部173Aの表面は、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0154】
第1出力端子部173Bは、厚さ方向z視において封止樹脂50から第1方向xの右側に突出している。第1出力端子部173Bは、パッド部173Aにつながっている。第1出力端子部173Bは、
図19に示す第1電源端子部171Bと同様に、第2方向y視において屈曲している。第1出力端子部173Bは、錫めっき層、または錫−銀合金めっき層などで覆われている。
【0155】
図17に示すように、第4アームリード174は、パッド部174Aおよび第2出力端子部174Bを有する。
【0156】
パッド部174Aは、第1方向xにおいて第2連結部124の隣に位置し、かつ第2方向yにおいて第2帯状部122の隣に位置する。パッド部173Aの表面は、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0157】
第2出力端子部174Bは、厚さ方向z視において封止樹脂50から第1方向xの右側に突出している。第2出力端子部174Bは、パッド部174Aにつながっている。
図18に示すように、第2出力端子部174Bは、第2方向y視において屈曲している。第2出力端子部174Bは、錫めっき層、または錫−銀合金めっき層などで覆われている。
【0158】
複数のブートリード15は、
図17に示すように、第2リード12に対して第1方向xの右側に位置する。複数のブートリード15は、第1ブートリード15Aおよび第2ブートリード15Bを含む。
【0159】
図17に示すように、第1ブートリード15Aは、第1ブート接続部151Aおよび第1ブート端子部152Aを含む。
【0160】
第1ブート接続部151Aは、第1アームリード171のパッド部171Aと、第3アームリード173のパッド部173Aとの間に位置する。第1ブート接続部151Aは、第1方向xに延びている。第1ブート接続部151Aの表面は、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0161】
第1ブート端子部152Aは、厚さ方向z視において封止樹脂50から第1方向xの右側に突出している。第1ブート端子部152Aは、
図19に示す第1電源端子部171Bと同様に、第2方向y視において屈曲している。第1ブート端子部152Aは、第2方向yにおいて第1出力端子部173Bの隣に位置する。第1ブート端子部152Aは、錫めっき層、または錫−銀合金めっき層などで覆われている。
【0162】
図17に示すように、第2ブートリード15Bは、第2ブート接続部151Bおよび第2ブート端子部152Bを含む。
【0163】
第2ブート接続部151Bは、第2アームリード172のパッド部172Aと、第4アームリード174のパッド部174Aとの間に位置する。第2ブート接続部151Bは、第1方向xに延びる部分と、当該部分から第2方向yに延びる部分とを有する。これにより、第2ブート接続部151Bは、厚さ方向z視においてL字状である。第2ブート接続部151Bの表面は、たとえば銀めっき層で覆われてもよい。
【0164】
第2ブート端子部152Bは、厚さ方向z視において封止樹脂50から第1方向xの右側に突出している。第2ブート端子部152Bは、
図18に示す第2出力端子部174Bと同様に、第2方向y視において屈曲している。第2ブート端子部152Bは、第2方向yにおいて第2出力端子部174Bの隣に位置する。第2ブート端子部152Bは、錫めっき層、または錫−銀合金めっき層などで覆われている。
【0165】
IC20は、
図17に示すように、搭載部111に搭載されている。
図20および
図21に示すように、IC20は、接合層29により搭載部111の主面111Aに接合されている。半導体装置A20では、IC20は、複数の第1スイッチング素子31および複数の第2スイッチング素子32を駆動させるためのゲート電圧を出力する。IC20の複数の電極20Aのいくつかは、複数の第1スイッチング素子31および複数の第2スイッチング素子32に個別に導通している。その他の複数の電極20Aは、第1リード11、複数のブートリード15および制御リード16に個別に導通している。
【0166】
制御IC28は、
図17に示すように、搭載部111に搭載されており、IC20に対して第1方向xの左側に位置する。制御IC28は、IC20を制御する。制御IC28の表面には、複数の電極28Aが設けられている。複数の電極28Aのいくつかは、IC20の複数の電極20Aのいくつかに個別に導通している。その他の複数の電極28Aは、第1リード11、第2リード12および複数の制御リード16に導通している。複数の電極28Aの構成材料は、たとえばアルミニウムである。
【0167】
複数の第1スイッチング素子31は、
図17に示すように、第1素子310Aおよび第2素子310Bを含む。複数の第1スイッチング素子31の構成は、上述した半導体装置A10の複数の第1スイッチング素子31の構成と同一である。
【0168】
図17および
図22に示すように、第1素子310Aは、導電接合層39により第1アームリード171のパッド部171Aに電気的に接合されている。これにより、第1素子310Aの第1裏面電極312は、第1アームリード171に導通している。
【0169】
図17および
図22に示すように、第2素子310Bは、導電接合層39により第2アームリード172のパッド部172Aに電気的に接合されている。これにより、第2素子310Bの第1裏面電極312は、第2アームリード172に導通している。
【0170】
複数の第2スイッチング素子32は、
図17に示すように、第3素子320Aおよび第4素子320Bを含む。複数の第2スイッチング素子32の構成は、上述した半導体装置A10の複数の第2スイッチング素子32の構成と同一である。
【0171】
図17、
図20および
図22に示すように、第3素子320Aは、導電接合層39により第3アームリード173のパッド部173Aに電気的に接合されている。これにより、第3素子320Aの第1裏面電極312は、第3アームリード173に導通している。
【0172】
図17および
図21に示すように、第4素子320Bは、導電接合層39により第4アームリード174のパッド部174Aに電気的に接合されている。これにより、第4素子320Bの第1裏面電極312は、第4アームリード174に導通している。
【0173】
複数の第1ワイヤ41は、
図17に示す例では、2本である。一方の第1ワイヤ41は、第1素子310Aの第1主面電極311と、第3アームリード173のパッド部173Aとに接続されており、第1素子310Aおよび第3アームリード173は、互いに導通する。他方の第1ワイヤ41は、第2素子310Bの第1主面電極311と、第4アームリード174のパッド部174Aとに接続されており、第2素子310Bおよび第4アームリード174は、互いに導通する。
【0174】
複数の第2ワイヤ42は、
図17に示す例では、2本である。一方の第2ワイヤ42は、第3素子320Aの第2主面電極321と、第1帯状部121とに接続されており、第3素子320Aおよび第2リード12は、互いに導通する。他方の第2ワイヤ42は、第4素子320Bの第2主面電極321と、第2帯状部122とに接続されており、第4素子320Bおよび第2リード12は、互いに導通する。
【0175】
複数の第1電位ワイヤ441は、
図17に示すように、IC20の複数の電極20Aと、複数の第1スイッチング素子31の第1主面電極311とに個別に接続されている。複数の第1電位ワイヤ441により、第1素子310Aの第1主面電極311、および第2素子310Bの第1主面電極311は、IC20に導通している。半導体装置A20においても、半導体装置A10と同様に、第1素子310Aおよび第2素子310Bを駆動させるためのゲート電圧を生み出すゲート電源は、半導体装置A20に導通する複数のコンデンサC(
図23参照)を含んで構成される。複数のコンデンサCは、それぞれ第1素子310Aおよび第2素子310Bに個別に対応している。複数のコンデンサCのそれぞれの負電位は、対応する第1電位ワイヤ441を介して、IC20に伝達される。
【0176】
第2電位ワイヤ442は、
図17に示すように、制御IC28の電極28Aと、第2リード12とに接続されている。第3素子320Aの第2主面電極321、および第4素子320Bの第2主面電極321は、複数の第2ワイヤ42、第2リード12および第2電位ワイヤ442を介して、制御IC28に導通している。第2電位ワイヤ442は、第3素子320Aの第2主面電極321、および第4素子320Bの第2主面電極321における電位を制御IC28に伝達する。
【0177】
複数のブートワイヤ45は、
図17に示すように、IC20の複数の電極20Aと、第1ブート接続部151Aおよび第2ブート接続部151Bとに個別に接続されている。第1ブートリード15Aおよび第2ブートリード15Bは、複数のブートワイヤ45を介して、IC20に導通している。
【0178】
複数の接地ワイヤ46は、
図17に示す例では、2本である。一方の接地ワイヤ46は、IC20の電極20Aと、搭載部111とに接続されている。他方の接地ワイヤ46は、制御IC28の電極28Aと、第1連結部113とに接続されている。これにより、第1リード11は、IC20および制御IC28の双方に導通している。
【0179】
図17に示すように、複数の制御ワイヤ47は、接続対象に応じて3つのグループに分類できる。第1グループの一の制御ワイヤ47は、制御IC28の1つの電極28Aを、これに対応する一の制御接続部161に接続する。第2グループの一の制御ワイヤ47は、制御IC28の1つの電極28Aを、これに対応する、IC20の一の電極20Aに接続する。第3グループの一の制御ワイヤ47は、IC20の1つの電極20Aを、これに対応する一の制御接続部161に接続する。
【0180】
図17から理解されるように、封止樹脂50は、第1リード11、第2リード12、複数のアームリード17、複数のブートリード15および複数の制御リード16のそれぞれの一部を覆っている。さらに、封止樹脂50は、IC20、制御IC28、複数の第1スイッチング素子31および複数の第2スイッチング素子32を覆っている(
図20〜
図22も参照)。
【0181】
図19に示すように、第2側面52Aから、一対の第1吊り部114の各々の端面114A、第1帯状部121の端面121Bが露出している。
図18に示すように、第2側面52Bから、第2吊り部125の端面125A、および第2方向yを向くパッド部174A(第4アームリード174)の複数の端面174Cが露出している。
【0182】
次に、
図23に基づき、半導体装置A20を用いたモータ80の駆動制御について説明する。
【0183】
図23に示すように、半導体装置A20の第1出力端子部173Bおよび第2出力端子部174Bには、駆動制御対象となるモータ80が接続されている。モータ80は、DCモータである。
【0184】
半導体装置A20では、第1電源端子部171B、第2電源端子部171Cおよび第3電源端子部172Bにモータ80を駆動させるための直流電力が入力される。第1電源端子部171B、第2電源端子部171Cおよび第3電源端子部172Bに入力された直流電力の電流は、複数の第1スイッチング素子31、複数の第1ワイヤ41、複数の第2スイッチング素子32、複数の第2ワイヤ42の順に流れて、第2端子部123から出力される。
【0185】
複数のコンデンサCは、第1コンデンサC1および第2コンデンサC2を含む。第1コンデンサC1は、第1ブート端子部152Aおよび第1出力端子部173Bの双方に導通している。第1コンデンサC1は、第1素子310Aを駆動させるためのゲート電圧を生み出すゲート電源である。第2コンデンサC2は、第2ブート端子部152Bおよび第2出力端子部174Bの双方に導通している。第2コンデンサC2は、第2素子310Bを駆動させるためのゲート電圧を生み出すゲート電源である。
【0186】
IC20から出力されたゲート電圧により、第1素子310Aおよび第4素子320Bがオン、かつ第2素子310Bおよび第3素子320Aがオフになると、第1出力端子部173Bから第2出力端子部174Bに向けて電流が流れる。これにより、モータ80は回転(正転)する。このとき、IC20を駆動するための電源の正電位が、ブートワイヤ45を介して第2ブート端子部152Bに印加されることにより、第2コンデンサC2が充電される。
【0187】
IC20から出力されたゲート電圧により、第2素子310Bおよび第3素子320Aがオン、かつ第1素子310Aおよび第4素子320Bがオフになると、第2出力端子部174Bから第1出力端子部173Bに向けて電流が流れる。これにより、モータ80は、上述した第1素子310Aおよび第4素子320Bがオンのときの回転方向とは逆方向に回転(逆転)する。このとき、IC20を駆動するための電源の正電位が、ブートワイヤ45を介して第1ブート端子部152Aに印加されることにより、第1コンデンサC1が充電される。
【0188】
モータ80の回転中において、IC20から出力されたゲート電圧により、第1素子310Aおよび第2素子310Bがオフ、かつ第3素子320Aおよび第4素子320Bがオンになると、第1出力端子部173Bと第2出力端子部174Bとの間には、逆起電力が発生する。これにより、モータ80の回転にブレーキがかかるため、モータ80の停止時間を短縮することができる。
【0189】
第1素子310A、第2素子310B、第3素子320Aおよび第4素子320Bのいずれもがオフのとき、モータ80は回転しない。
【0190】
次に、半導体装置A20の作用効果について説明する。
【0191】
半導体装置A20は、搭載部111を有する第1リード11と、第1帯状部121および第2帯状部122を有する第2リード12とを備える。
図17において、第1帯状部121は、搭載部111よりも第1方向xの右側に位置し、かつ第1方向xに延びている。第2帯状部122は、第2方向yにおける第1帯状部121の一端から第1方向xの左側に延びている。第1方向x視において、搭載部111が第1帯状部121に重なっている。第2方向yにおいて、搭載部111の少なくとも一部は、第2帯状部122の隣に位置する。これにより、複数のアームリード17のいずれかを、第2方向yにおいて第2帯状部122の隣に配置させることができる。このため、第1方向xにおける半導体装置A20の外形寸法を所定の値としたまま、第2方向yにおける半導体装置A20の外形寸法を短縮することができる。
【0192】
本開示は、上述した実施形態に限定されない。上述した装置における各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0193】
本開示は、以下の付記に記載された構成を含む。
付記1.搭載部を有する第1リードと、
前記搭載部に搭載されたICと、
前記搭載部に対して第1方向に離間した第1帯状部および当該第1帯状部につながる第2帯状部を有する第2リードであって、前記第1帯状部が、前記第1方向および前記搭載部の厚さ方向の双方に直交する第2方向に長状であり、前記第2帯状部が、前記第1帯状部の一端から、前記第1リードの一部に向って前記第1方向に沿って延びている、第2リードと、
前記第2リードを基準とし、前記第1方向において、前記第1リードとは反対側に位置する複数のアームリードと、
前記複数のアームリードにそれぞれ電気的に接合された複数のスイッチング素子であって、各々が前記ICに導通している複数のスイッチング素子と、
前記複数のアームリード、前記第1リードおよび前記第2リードの各々の一部と、前記ICおよび前記複数のスイッチング素子と、を覆う封止樹脂と、
を備えており、
前記第1方向視において前記搭載部が前記第1帯状部に重なっており、前記第2方向において、前記搭載部の少なくとも一部が前記第2帯状部の隣に位置している、半導体装置。