特許第6986668号(P6986668)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986668
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】車両のボディ構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/08 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   B62D25/08 H
   B62D25/08 E
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-180131(P2018-180131)
(22)【出願日】2018年9月26日
(65)【公開番号】特開2020-50087(P2020-50087A)
(43)【公開日】2020年4月2日
【審査請求日】2020年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 寿暁
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰稔
(72)【発明者】
【氏名】木嶋 智博
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−176074(JP,U)
【文献】 特開2003−276640(JP,A)
【文献】 実開平04−070584(JP,U)
【文献】 特開昭63−126573(JP,A)
【文献】 特許第5104367(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00−25/08
B62D 25/14−29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロントガラスの下側で車幅方向に延び、前記フロントガラスの表面に沿って流下する雨水を車両右側と車両左側とに導く溝状部材と、前記溝状部材の右端と左端とがそれぞれ接続されており、前記溝状部材によって導かれた雨水を車両外部に排出できるように構成された左右の側壁部材とを備える車両のボディ構造であって、
前記溝状部材には、傾斜前壁部と傾斜後壁部との角部に雨水が流れる水路部が車幅方向に延びるように形成されており、
前記溝状部材の右端と左端とには、前記傾斜前壁部から水路部、傾斜後壁部にかけて周方向に連続するフランジ部がそれぞれ設けられており、
前記左右の側壁部材には、前記雨水を通す開口部が形成されており、
前記溝状部材の右端部と左端部とが前記左右の側壁部材の開口部にそれぞれ通され、前記溝状部材の右端と左端とのフランジ部が前記左右の側壁部材の開口部の開口縁に対してそれぞれ車幅方向外側から重ねられた状態で固定されており、
前記溝状部材の右端と左端とのフランジ部と前記左右の側壁部材の開口部の開口縁との重なり部分には、加熱により発泡する第1シール材が挟持されており、前記溝状部材のフランジ部と前記側壁部材の開口部の開口縁との重なり部分の隙間に対して外側から第2シール材が塗布されている車両のボディ構造。
【請求項2】
請求項1に記載された車両のボディ構造であって、
車両のエンジンルームと車室とが前記溝状部材に沿って車幅方向に延びる縦壁状のダッシュパネルによって仕切られており、
前記溝状部材のフランジ部と前記側壁部材の開口部の開口縁との固定部分は、前記ダッシュパネルより車両後方の車室側に設けられている車両のボディ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントガラスの表面に沿って流下する雨水を車両右側、あるいは車両左側に導いて外部に排出できるようにした車両のボディ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のボディ構造に関する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の車両のボディ構造では、図8図9に示すように、車両のフロントガラス(図示省略)の下側で車幅方向(左右方向)に延び、前記フロントガラスの表面に沿って流下する雨水を車両右側と車両左側とに導く溝状のカウルパネル101を備えている。カウルパネル101は、車両のエンジンルームEの天井位置に設けられており、カウルパネル101の右端と左端とがエンジンルームEの左右の側壁を構成するアッパメンバ103の側面に接続されている。アッパメンバ103は車両前後方向に延びる筒状に形成されており、カウルパネル101によって導かれた雨水をエンジンルームEの外側に排出できるように構成されている。
【0003】
アッパメンバ103の側面には、カウルパネル101によって導かれた雨水を通す開口部103hが形成されている。また、カウルパネル101の左端と右端には、図9に示すように、カウルパネル101の底板部101bの延長線上の位置に平面角形の突出板部101tが形成されている。そして、突出板部101tがアッパメンバ103の開口部103hに挿入されて、カウルパネル101の左端と右端とが左右のアッパメンバ103の側面にそれぞれ当接することで、カウルパネル101がアッパメンバ103に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−276640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した車両のボディ構造では、カウルパネル101の突出板部101tがアッパメンバ103の開口部103hに挿入されて、カウルパネル101の端部がアッパメンバ103の側面に当接することで、カウルパネル101とアッパメンバ103とが接続される構成である。このため、カウルパネル101の端部とアッパメンバ103の側面間に隙間が生じると、カウルパネル101とアッパメンバ103との接続部位から雨水がエンジンルームER内に漏れることがある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、溝状部材(カウルパネル)の右端と左端と左右の側壁部材(アッパメンバ)の開口部との接続部分における雨水の漏れ防止を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題は、各発明によって解決される。第1の発明は、車両のフロントガラスの下側で車幅方向に延び、前記フロントガラスの表面に沿って流下する雨水を車両右側と車両左側とに導く溝状部材と、前記溝状部材の右端と左端とがそれぞれ接続されており、前記溝状部材によって導かれた雨水を車両外部に排出できるように構成された左右の側壁部材とを備える車両のボディ構造であって、 前記溝状部材には、傾斜前壁部と傾斜後壁部との角部に雨水が流れる水路部が車幅方向に延びるように形成されており、前記溝状部材の右端と左端とには、前記傾斜前壁部から水路部、傾斜後壁部にかけて周方向に連続するフランジ部がそれぞれ設けられており、前記左右の側壁部材には、前記雨水を通す開口部が形成されており、前記溝状部材の右端部と左端部とが前記左右の側壁部材の開口部にそれぞれ通され、前記溝状部材の右端と左端とのフランジ部が前記左右の側壁部材の開口部の開口縁に対してそれぞれ車幅方向外側から重ねられた状態で固定されており、前記溝状部材の右端と左端とのフランジ部と前記左右の側壁部材の開口部の開口縁との重なり部分には、加熱により発泡する第1シール材が挟持されており、前記溝状部材のフランジ部と前記側壁部材の開口部の開口縁との重なり部分の隙間に対して外側から第2シール材が塗布されている
【0008】
本発明によると、溝状部材の右端と左端とのフランジ部は周方向に連続しており、それらのフランジ部が左右の側壁部材の開口部の開口縁に重ねられた状態で固定されている。このため、溝状部材の右端と左端と左右の側壁部材の開口部との接続部分のシール性を確保でき、雨水の漏れ防止を図れる。
また、前記溝状部材の右端と左端とのフランジ部が前記左右の側壁部材の開口部の開口縁に対してそれぞれ車幅方向外側から重ねられた状態で固定されている。このため、溝状部材の端部とフランジ部とが側壁部材の開口部を上から覆うようになり、溝状部材を流れる雨水が左右の側壁部材の開口部から車幅方向内側に漏れ難くなる。
さらに、例えば、車両ボディの焼付塗装時の熱により第1シール材が発泡することで、溝状部材のフランジ部と側壁部材の開口部の開口縁間のシール性を確保できる。また、第1シール材と第2シール材との二重シールにより、溝状部材のフランジ部と側壁部材の開口部の開口縁間のシール性を向上させることができる。
【0011】
第2の発明によると、車両のエンジンルームと車室とが前記溝状部材に沿って車幅方向に延びる縦壁状のダッシュパネルによって仕切られており、前記溝状部材のフランジ部と前記側壁部材の開口部の開口縁との固定部分は、前記ダッシュパネルより車両後方の車室側に設けられている。即ち、溝状部材のフランジ部と側壁部材の開口部の開口縁間のシール性が向上するため、前記溝状部材のフランジ部と前記側壁部材の開口部の開口縁との固定部分を車室側に設けることが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、溝状部材の右端と左端と左右の側壁部材の開口部との接続部分における雨水の漏れ防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態1に係るボディ構造を備える車両を右前方から見た斜視図である。
図2図1に示す車両からエンジンフード、フェンダパネル等を取外した状態を表す模式斜視図である。
図3図1のIII-III矢視断面図である。
図4】前記車両のボディ構造において使用されるカウルパネルの右端部の斜視図である。
図5図2のV-V矢視断面図である。
図6図2のVI-VI矢視断面図である。
図7図6のVII部拡大図である。
図8】従来の車両のボディ構造を表す斜視図である。
図9図8のIX-IX矢視縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔実施形態1〕
以下、図1図7に基づいて本発明の実施形態1に係る車両のボディ構造について説明する。本実施形態に係る車両のボディ構造は、フロントガラスの表面に沿って流下する雨水を車両右側、あるいは車両左側に導いて外部に排出できるするための構造である。ここで、図中に示す前後左右、及び上下は、本実施形態に係るボディ構造を備える車両の前後左右、及び上下に対応している。また、図1図2図4図7では、車両左側は省略されている。
【0015】
<車両10のボディ前部の概要について>
車両10のボディ前部には、図1図2に示すように、左右両側にフロントドア12により開閉されるドア開口部13が設けられている。前記ドア開口部13の前端縁には、フロントピラー14が立設されており、左右のフロントピラー14によってルーフパネル(図示省略)の前部が支持されている。フロントピラー14は、図1に示すように、フロントドア12のベルトラインBRよりも下側のピラー支柱部14dがフェンダパネル15によって覆われている。そして、前記フェンダパネル15よりも上側に位置するフロントピラー14の意匠部14eがフェンダパネル15の意匠面15eと連続している。左右のフロントピラー14の意匠部14e等とルーフパネルとによって囲まれた位置には、フロントガラス20が設けられている。
【0016】
また、左右のフェンダパネル15の間には、図1に示すように、車両10のエンジンルームER(図2参照)を開閉可能に構成されたエンジンフード17が設けられている。また、左右のフェンダパネル15の内側には、図2、及び図6図2のVI-VI矢視断面図)に示すように、エンジンルームERの左右の上部縦壁面を構成する筒状のアッパメンバ32が設けられている。アッパメンバ32の後端縁32bは、図2に示すように、フロントピラー14のピラー支柱部14dの前端縁に固定されている。また、アッパメンバ32の上面321uには、図6に示すように、エンジンフード17を上下回動可能に支持するフードヒンジ17hが所定位置に固定されている。左右のアッパメンバ32間には、図2図3に示すように、エンジンルームERと車室R内とを仕切るダッシュパネル33が車幅方向(左右方向)に延びる縦壁状に設けられている。
【0017】
ダッシュパネル33上には、図2図3に示すように、フロントガラス20の表面に沿って流下する雨水を車両右側と車両左側とに導く溝状のカウルパネル40が車幅方向(左右方向)に延びるように設けられている。そして、カウルパネル40の右端と左端とが、図2に示すように、それぞれ左右のアッパメンバ32、及びピラー支柱部14dに接続されている。カウルパネル40は、図3に示すように、傾斜前壁部43と略U字形の水路部44と傾斜後壁部45と後縦壁部46とから溝状に形成されており、カウルパネル40の傾斜前壁部43の下部にダッシュパネル33の上端フランジ部33fが接合されている。即ち、ダッシュパネル33の後側に位置するカウルパネル40の水路部44、傾斜後壁部45、及び後縦壁部46は、車室R側に配置されている。
【0018】
カウルパネル40には、図3に示すように、傾斜前壁部43の上端前側に前側フランジ部43fが設けられており、その前側フランジ部43fによって車幅方向に延びる車体外装部品であるカウルルーバ50が支持されている。また、カウルパネル40の後縦壁部46の上端後側には、後側フランジ部46fが設けられており、その後側フランジ部46fにカウルアッパパネル47のフランジ部47fが接続されている。カウルアッパパネル47は、そのカウルアッパパネル47の上面がフロントガラス20の下端部22の裏面に接着剤等により固着されることで、フロントガラス20を支持できるように構成されている。フロントガラス20の下端部22は、カウルルーバ50の後端縁のガラス接続壁57に対して固定部材58によって固着されている。また、カウルルーバ50の前端フランジ部52fには、エンジンフード17とカウルルーバ50間をシールするシール部材50wがその前端フランジ部52fに沿って取付けられている。
【0019】
<カウルパネル40とアッパメンバ32、ピラー支柱部14dとの接続構造について>
カウルパネル40の右端と左端とには、図4に示すように、傾斜前壁部43から水路部44、傾斜後壁部45、後縦壁部46にかけて周方向に連続する端縁フランジ部48が形成されている。カウルパネル40の右端と左端とが接続される左右のアッパメンバ32、及びピラー支柱部14d(以下、アッパメンバ32という)は、図2、及び図6に示すように、車両前後方向に延びる角筒状に形成されている。アッパメンバ32は、図6に示すように、アウタパネル322の上下のフランジ部322f,322dとインナパネル321の上下のフランジ部321f,321dとが互いに接合されることにより角筒状に形成されている。アッパメンバ32のインナパネル321には、図5図6に示すように、カウルパネル40の水路部44に対応する位置に雨水が通される開口部321kが形成されている。ここで、アッパメンバ32には、カウルパネル40により開口部321kを介して内部空間に導かれた雨水を車両外部に排出できるように排水口(図示省略)が設けられている。
【0020】
アッパメンバ32のインナパネル321における開口部321kは、図5に示すように、下部パネル321xと上部パネル321yとの組み合わせにより形成される。即ち、カウルパネル40の端部は、図6に示すように、インナパネル321の下部パネル321xにおける開口部321kの位置に上方から被せられるようにセットされる。そして、カウルパネル40の端縁フランジ部48が下部パネル321xの開口部321kの開口縁321rに対して車幅方向外側から重ねられて、スポット溶接等(図7における×印参照)により固定される。次に、この状態で、インナパネル321の上部パネル321yが、図5に示すように、カウルパネル40の上側で、そのカウルパネル40の水路部44以外の溝断面を塞いだ状態で下部パネル321xに固定される。これにより、カウルパネル40の水路部44が、図5図6に示すように、アッパメンバ32のインナパネル321の開口部321kを介してアッパメンバ32の内部空間と連通するようになる。
【0021】
ここで、カウルパネル40の端縁フランジ部48と下部パネル321xの開口部321kの開口縁321rとの間には、図7に示すように、スポット溶接をする前に焼付塗装時の熱で発泡する第1シール材S1が挟持される。また、スポット溶接後に、カウルパネル40の端縁フランジ部48と下部パネル321xの開口部321kの開口縁321rとの重なり部分の隙間に対して外側から第2シール材S2が塗布される。これにより、焼付塗装時の熱で第1シール材S1が発泡すると、カウルパネル40の端縁フランジ部48とアッパメンバ32のインナパネル321間は、第1シール材S1と第2シール材S2とにより二重にシールされる。
【0022】
<車両のボディ構造の働きについて>
フロントガラス20の表面に沿って流下する雨水は、カウルルーバ50の開口部分56(図3参照)を通過してカウルパネル40で受けられ、カウルパネル40の水路部44により車両右側と車両左側とに導かれる。そして、前記雨水は、左右のアッパメンバ32(インナパネル321)の開口部321kからアッパメンバ32の内部空間内に導かれ、排水口から車両外部に排水される。上記したように、カウルパネル40の端部は、図6に示すように、インナパネル321(下部パネル321x)の開口部321kに上方から被せられ、そのカウルパネル40の端縁フランジ部48が下部パネル321xの開口部321kの開口縁321rに対して車幅方向外側から重ねられている。このため、カウルパネル40の水路部44を流れる雨水がインナパネル321(下部パネル321x)の開口部321kから車幅方向内側に漏れ出ることがなくなる。また、カウルパネル40の端縁フランジ部48とアッパメンバ32のインナパネル321間は、第1シール材S1と第2シール材S2とにより二重にシールされるため、カウルパネル40とアッパメンバ32(インナパネル321)の開口部321k間の水漏れを確実に防止できる。
【0023】
<本実施形態における用語と本発明の用語との対応>
本実施形態に記載されたカウルパネル40が本発明の溝状部材に相当し、左右のアッパメンバ32、ピラー支柱部14dが本発明の側壁部材に相当する。また、カウルパネル40の左右の端縁フランジ部48が本発明の溝状部材の右端と左端とのフランジ部に相当する。
【0024】
<本実施形態に係る車両のボディ構造の長所について>
本実施形態に係る車両のボディ構造によると、カウルパネル40(溝状部材)の右端と左端との端縁フランジ部48は周方向に連続しており、それらの端縁フランジ部48が左右のアッパメンバ32(側壁部材)の開口部321kの開口縁321rに重ねられた状態で固定されている。このため、カウルパネル40の右端と左端と左右のアッパメンバ32の開口部321kとの接続部分のシール性を確保でき、雨水の漏れ防止を図れる。
【0025】
また、カウルパネル40の端部と端縁フランジ部48とがアッパメンバ32の開口部321kを上から覆うため、カウルパネル40を流れる雨水が左右のアッパメンバ32の開口部321kから車幅方向内側に漏れ難くなる。さらに、カウルパネル40の端縁フランジ部48とアッパメンバ32の開口部321kの開口縁321r間は、第1シール材S1と第2シール材S2により二重にシールされているため、さらにシール性が向上する。
【0026】
<変更例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、カウルパネル40の端部を、図6に示すように、アッパメンバ32(インナパネル321)の開口部321kに上方から被せ、そのカウルパネル40の端縁フランジ部48をアッパメンバ32の開口部321kの開口縁321rに対して車幅方向外側から重ねる例を示した。しかし、カウルパネル40の端部を端縁フランジ部48に対して突出させて、カウルパネル40の端部をアッパメンバ32の開口部321kに通し、端縁フランジ部48を開口部321kの開口縁321rに対して車幅方向内側から重ねることも可能である。
【符号の説明】
【0027】
10・・・・車両
14・・・・フロントピラー
14d・・・ピラー支柱部(側壁部材)
20・・・・フロントガラス
32・・・・アッパメンバ(側壁部材)
321・・・インナパネル
321x・・下部パネル
321r・・開口縁
321k・・開口部
321y・・上部パネル
33・・・・ダッシュパネル
40・・・・カウルパネル(溝状部材)
48・・・・端縁フランジ部(フランジ部)
ER・・・・エンジンルーム
R・・・・・車室
S1・・・・第1シール材
S2・・・・第2シール材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9