(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記機器管理部は、前記流量の平均値、前記ガスファンヒータの稼働台数及び前記判定流量に加えて、前記流量が段階的に変化する前記流量の所定のステップ変化の有無に基づいて前記機器記憶部に記憶されている前記ガスファンヒータの稼働台数を補正するよう構成されている、請求項1に記載のガス器具管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0014】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係るガス器具管理装置100の構成について、
図1を参照して説明する。ガス器具管理装置100は、ガスの流路200に設けられている。ガスの流路200は、ガス供給源(図示せず)と消費者の需要家とを繋ぎ、ガス供給源から需要家に設けられたガス器具にガスを供給する管路である。ガス器具は、ガスコンロ201、ガス給湯器202、ガスファンヒータ203等のガスを消費する機器であって、ガスの流路200に接続している。
【0015】
ガス器具管理装置100は、計測部10、演算処理部20及び記憶部30を備え、ガス器具のうちの特定ガス器具の稼働台数を管理する。特定ガス器具としては、例えば、ガスファンヒータ等の使用時間の上限及びガス使用料金が他の一般ガス器具と異なる等、所定の条件を具備するガス器具であって、予め定められている。
【0016】
計測部10は、流路200を単位時間当たりに通過するガスの体積又は質量((瞬時)流量:L/h)を計測する流量計であり、例えば、その計測方法に超音波式が採用される。計測部10は、例えば0.5秒等の一定時間間隔でガスの流量を計測し、その計測した流量を演算処理部20及び記憶部30へ出力する。
【0017】
演算処理部20はCPU等の演算処理装置により構成されており、開始判定部21、停止判定部22及び機器管理部23を有している。なお、演算処理部20は、集中制御する単独の演算処理装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の演算処理装置によって構成されていてもよい。
【0018】
記憶部30は、演算処理部20からアクセス可能であって、ROM及びRAM等の記憶装置により構成されている。記憶部30は、ガス器具管理装置100としての基本プログラム、及び各種固定データ等の情報を記憶している。演算処理部20が、記憶部30に記憶された基本プログラム等のソフトウェアを読み出して実行することにより、ガス器具管理装置100の各部の動作が制御される。
【0019】
記憶部30は、流量記憶部31及び機器記憶部32を有している。なお、流量記憶部31及び機器記憶部32は1つの記憶装置により構成されていてもよいし、別々の記憶装置により構成されていてもよい。
【0020】
演算処理部20の開始判定部21は、ガスの流量に基づき、特定ガス器具が稼働を開始したか否かを判定する。停止判定部22は、ガスの流量に基づいて特定ガス器具の稼働停止の可能性を判定する。
【0021】
機器管理部23は、開始判定部21及び停止判定部22の判定結果に基づいて特定ガス器具の稼働台数を管理する。つまり、機器管理部23は、特定ガス器具が稼働を開始したと開始判定部21により判定されたとき、特定ガス器具の流量を機器記憶部32に記憶して、機器記憶部32に記憶されている特定ガス器具の稼働台数を増加させる。また、機器管理部23は、特定ガス器具が稼働停止の可能性があると停止判定部22により判定されたとき、流量の過去所定回数分の平均値(平均流量)、並びに、機器記憶部32に記憶されている特定ガス器具の稼働台数及び特定ガス器具の流量(判定流量FH)に基づいて機器記憶部32に記憶されている特定ガス器具の稼働台数を補正する。この詳細に関しては後述する。
【0022】
記憶部30の流量記憶部31は、計測部10により計測された流量を記憶する。機器記憶部32は、開始判定部21及び停止判定部22の判定結果に基づいて特定ガス器具の稼働台数及び流量(判定流量FH)を記憶する。
【0023】
次に、ガス器具管理装置100の運転方法を、
図2〜
図5(b)を参照して説明する。
図2に示すガス器具管理装置100の運転方法は、演算処理部20により実行される。
【0024】
まず、計測部10がガスの流量を計測して、この流量を開始判定部21に出力すると共に、流量記憶部31に記憶する(ステップS1)。流量記憶部31は、流量を計測された順に順次、又は、計測時間等の計測順の情報に関連付けて記憶する。これにより、開始判定部21、停止判定部22及び機器管理部23は計測順に従って流量を取得することができる。
【0025】
開始判定部21は、ガスの流量に基づき特定ガス器具の稼働開始を判定する(ステップS2)。このガスの流量は、計測部10により計測された流量に基づいた値であればよく、ガスの(瞬時)流量、所定回数分の流量の平均値(平均流量)、並びに、流量又は/及び平均流量の差分の少なくともいずれか1つを含む。ガスの流量には、計測部10から出力された流量、又は、流量記憶部31に記憶されている最新のガスの流量が用いられる。平均流量には、計測部10による流量と所定回数分の流量記憶部31の流量との平均値、又は、所定回数分の流量記憶部31の流量との平均値が用いられる。なお、平均流量は、ガスの流量の移動平均であってもよい。
【0026】
ここで、ガス器具の種類及び機種によって稼働開始時のガスの消費量の経時変化、及び、火力調整等の稼働中の制御によるガスの消費量の経時変化が異なる。このため、開始判定部21は、ガス消費量の経時変化に伴う流量の変化に基づいて特定ガス器具の稼働開始を判定する。
【0027】
例えば、ガスコンロ201及びガス給湯器202等の特定ガス器具以外の一般ガス器具では、稼働開始時に短時間に急激にガスの消費量が直線状に上昇し、その後の稼働中の制御によりガスの消費量が逐次的に変化していく。これに対して、ガスファンヒータ203等の特定ガス器具では、稼働開始時にガスの消費量が所定パターンで段階的に上昇し、その後の稼働中の制御時もガスの消費量が段階的に変化する。
【0028】
このような稼働開始時のガスの消費量変化と稼働中の制御による消費量変化との違い、及び、一般ガス器具と特定ガス器具との消費量変化の違いに応じた流量変化との違いによって、開始判定部21は特定ガス器具の稼働開始を判定する。例えば、稼働開始時にガスの流量の所定パターンの段階的変化(ステップ変化)が検出されると、ガスの流量変化が所定開始条件を満たしたとして、特定ガス器具の稼働開始が判定される。
【0029】
なお、特定ガス器具は、稼働時のガス流量の変化の際にステップ変化がなくてもよい。この場合、例えば、流量が所定流量以上に急激に増加して、その後に流量の変化が所定流量以下に小さくなり一定時間安定すると、開始判定部21は、ガスの流量変化が所定開始条件を満たしたとして特定ガス器具が稼働を開始したと判定する。
【0030】
図3の例では、点aにて、所定流量以上の急激な流量の増加後に一定時間、流量変化が安定しているため、開始判定部21は特定ガス器具の稼働開始と判定する(ステップS2:YES)。そして、機器管理部23は、機器記憶部32に記憶されている特定ガス器具の稼働台数を1台、増やす(ステップS3)。ここでは、機器記憶部32に記憶されている特定ガス器具が0台から1台に増加する。
【0031】
また、機器管理部23は、稼働開始を判定した際の特定ガス器具の流量(判定流量FH)を機器記憶部32に記憶する(ステップS4)。
図3の例では、10L/hから110L/hに流量が増加しているため、稼働開始判定直前の流量:10L/hから稼働開始判定時の流量:110L/hを差し引いた差分の100L/hが判定流量FHとなる。なお、稼働開始判定直前の流量及び稼働開始判定時の流量は、計測部10により出力されたガスの(瞬時)流量である。ただし、この少なくともいずれか一方は、流量記憶部31に記憶されている最新のガスの(瞬時)流量であってもよいし、計測部10による流量と所定回数分の流量記憶部31の流量の平均値又は所定回数分の流量記憶部31の流量の平均値であってもよい。
【0032】
ここで、特定ガス器具の判定流量FHを機器記憶部32に記憶する際に、既に他の特定ガス器具の判定流量FHが記憶されていることがある。この場合、機器管理部23は、新たに記憶した判定流量FHを含む複数の特定ガス器具の判定流量FHの中から最大値の特定ガス器具の判定流量FH(最大判定流量FHmax)及び最小値の特定ガス器具の判定流量FH(最小判定流量FHmin)を特定して機器記憶部32に記憶しておく。このため、新たな判定流量FHを機器記憶部32に記憶する度に、判定流量FHmax及び判定流量FHminが更新される。
【0033】
一方、ステップS2において、所定開始条件が検知されなかった場合、開始判定部21は、特定ガス器具の稼働開始と判定せずに(ステップS2:NO)、ステップS5の処理を実行する。また、特定ガス器具の稼働台数の増加及び判定流量FHを記憶した場合(ステップS3、S4)、ステップS5の処理に進む。
【0034】
ステップS5の処理では、停止判定部22は、機器記憶部32の記憶情報に基づいて稼働している特定ガス器具があるか否かを判定する。ここで、稼働している特定ガス器具がなければ(ステップS5:NO)、ステップS1の処理に戻り、開始判定部21は特定ガス器具の稼働開始を継続して監視する。
【0035】
これに対し、稼働している特定ガス器具があれば(ステップS5:YES)、停止判定部22は、ガスの流量を取得し(ステップS6)、ガスの流量に基づき特定ガス器具が稼働停止を判定する(ステップS7)。このガスの流量は、計測部10により計測された流量に基づいた値であればよく、ガスの(瞬時)流量、所定回数分の流量の平均値(平均流量)、並びに、流量又は/及び平均流量の差分の少なくともいずれか1つを含む。ガスの流量には、計測部10から出力された流量、又は、流量記憶部31に記憶されている最新のガスの流量が用いられる。平均流量には、計測部10による流量と所定回数分の流量記憶部31の流量との平均値、又は、所定回数分の流量記憶部31の流量との平均値が用いられる。なお、平均流量は、ガスの流量の移動平均であってもよい。
【0036】
停止判定部22は、ガスの流量に基づき流量の経時変化を監視し、これが所定の経時変化等の所定停止条件を満たさなければ(ステップS7:NO)、ステップS1の処理に戻る。例えば、所定停止条件としては、所定流量以上の急激な流量の減少後に一定時間に亘る所定流量以下の流量変化の安定化等である。
【0037】
これに対して、
図3の例では、点bにて、所定流量以上の急激な流量の減少後に一定時間、流量変化が安定しているため、停止判定部22はガスの流量変化が所定停止条件を満たしたとして特定ガス器具が稼働停止の可能性があると判定する(ステップS7:YES)。
【0038】
そして、機器管理部23は、平均流量、並びに、機器記憶部32に記憶されている特定ガス器具の稼働台数及び特定ガス器具の流量(判定流量FH)に基づいて機器記憶部32に記憶されている特定ガス器具の稼働台数を補正する(ステップS8)。平均流量は、例えば、n個の流量の移動平均が用いられる。
【0039】
つまり、ガスファンヒータ203等の特定ガス器具では、段階的にガスの消費量が変化し、それに応じて段階的にガスの流量(平均流量)が変化する。また、稼働開始時の流量(判定流量FH)により、各段階における特定ガス器具の消費量が推測される。このため、平均流量、判定時の稼働台数及び判定流量FHにより稼働台数を見積もることができる。
【0040】
特定ガス器具の稼働台数の補正では、例えば、
図4(a)〜
図5(b)の表に示す判定基準を用いる。この
図4(a)〜
図5(b)の表は、稼働開始判定時のガスの流量変化においてステップ変化が検出されなかった場合の稼働台数の補正に用いられる。なお、稼働開始判定時のガスの流量変化においてステップ変化が検出された場合の稼働台数の補正には、
図4(a)〜
図5(b)の表と同様の判断基準が用いられるため、その説明は省略する。ただし、稼働開始判定時にステップ変化が検出された場合、特定ガス器具が稼働している可能性が高いため、稼働台数が0台には補正されない。
【0041】
平均流量が第1所定値(例えば、40L/h)未満である場合、
図4(a)の判定基準により特定ガス器具の稼働台数を補正する。ここでは、機器記憶部32に記憶されている複数の判定流量FHのうちの最小値(最小判定流量FHmin)が第2所定値(例えば、60L/h)以上であるとき、第2所定値以上の大きな判定流量FHの特定ガス器具が稼働していれば、平均流量が第1所定値未満にならないとして、稼働台数を0台に補正する。一方、最小判定流量FHminが第2所定値未満であれば、第2所定値未満の小さな判定流量FHの特定ガス器具が稼働していれば、平均流量が第1所定値未満になることがあるため、稼働台数を1台に補正する。
【0042】
平均流量が第1所定値以上且つ第3所定値(例えば、120L/h)未満である場合、
図4(b)の判定基準により特定ガス器具の稼働台数を補正する。ここでは、最小判定流量FHminが第4所定値(例えば、170L/h)以上であるとき、第4所定値以上の大きな判定流量FHの特定ガス器具が稼働していれば、平均流量が第3所定値未満にならないとして、稼働台数を0台に補正する。
【0043】
また、最小判定流量FHminが第5所定値(例えば、120L/h)以上且つ第4所定値未満であるとき、判定流量FHが最も小さい特定ガス器具であれば、平均流量が第3所定値未満になることがある。このため、稼働台数を1台に補正し、最も小さい判定流量FHを機器記憶部32に残す。
【0044】
さらに、最小判定流量FHminが第5所定値未満であるとき、機器記憶部32に記憶されている複数の判定流量FHのうちの2番目に小さい判定流量FHに基づいて稼働台数を補正する。2番目に小さい判定流量FHが無い、つまり、稼働台数が1台である場合、稼働台数を1台に維持する補正を行う。
【0045】
2番目に小さい判定流量FHが第6所定値以上である場合、これを含む2台の特定ガス器具により平均流量が第3所定値未満になることがない。このため、稼働台数を1台に補正して、最も小さい判定流量FHを機器記憶部32に残す。2番目に小さい判定流量FHが第6所定値未満である場合、判定流量FHが小さい2台の特定ガス器具が稼働していても、平均流量が第3所定値未満になることがある。このため、稼働台数を2台に補正する。
【0046】
平均流量が第3所定値以上且つ第7所定値(例えば、170L/h)未満である場合、
図4(c)の判定基準により特定ガス器具の稼働台数を補正する。ここでは、最小判定流量FHminが第8所定値(例えば、120L/h)以上であれば、稼働台数を1台に補正し、最も大きい判定流量FHを機器記憶部32に残す。
【0047】
また、最小判定流量FHminが第8所定値未満であるとき、判定時の稼働台数が3台以上であれば、稼働台数を2台に補正し、1番目及び2番目に大きい判定流量FHを機器記憶部32に残す。
【0048】
さらに、最小判定流量FHminが第8所定値未満であって、判定時の稼働台数が2台であるとき、機器記憶部32に記憶されている複数の判定流量FHのうちの最大値(最大判定流量FHmax)に基づいて補正する。この最大判定流量FHmaxが第9所定値(例えば、120L/h)以上であれば、稼働台数を1台に補正し、最も小さい判定流量FHを機器記憶部32に残す。一方、最大判定流量FHmaxが第9所定値未満であれば、稼働台数を2台に補正する。
【0049】
また、最小判定流量FHminが第8所定値未満であるとき、判定時の稼働台数が1台であれば、稼働台数を1台に維持する補正を行う。
【0050】
平均流量が第7所定値以上且つ第10所定値(例えば、210L/h)未満である場合、
図5(a)の判定基準により特定ガス器具の稼働台数を補正する。ここでは、最大判定流量FHmaxが第11所定値(例えば、170L/h)以上であるとき、最小判定流量FHminに基づいて稼働台数を補正する。最小判定流量FHminが第12所定値(例えば、110L/h)以上であれば、稼働台数を1台に補正し、最も大きい判定流量FHを機器記憶部32に残す。一方、最小判定流量FHminが第12所定値未満であれば、稼働台数を2台に補正し、1番目及び2番目に大きい判定流量FHを機器記憶部32に残す。
【0051】
また、最大判定流量FHmaxが第13所定値(例えば、110L/h)以上且つ第11所定値未満であるとき、判定時の稼働台数に基づいて稼働台数を補正する。判定時の稼働台数が3台以上であれば、稼働台数を2台に補正し、1番目及び2番目に大きい判定流量FHを機器記憶部32に残す。一方、判定時の稼働台数が2台以下であれば、稼働台数を維持する補正を行う。つまり、判定時の稼働台数が2台であれば、稼働台数を2台に補正し、判定時の稼働台数が1台であれば、稼働台数を1台に補正する。
【0052】
さらに、最大判定流量FHmaxが第13所定値未満であるとき、判定時の稼働台数に基づいて稼働台数を補正する。判定時の稼働台数が4台以上であれば、稼働台数を3台に補正し、1番目〜3番目に大きい判定流量FHを機器記憶部32に残す。一方、判定時の稼働台数が3台以下であれば、稼働台数を維持する補正を行う。つまり、判定時の稼働台数が3台であれば、稼働台数を3台に補正し、判定時の稼働台数が2台であれば、稼働台数を2台に補正し、判定時の稼働台数が1台であれば、稼働台数を1台に補正する。
【0053】
平均流量が第10所定値以上である場合、
図5(b)の判定基準により特定ガス器具の稼働台数を補正する。ここでは、判定流量FH等に関わらず、稼働台数を維持する補正を行う。
【0054】
例えば、
図3の例では、点bでは、平均流量が、45L/hであって、第1所定値以上且つ第3所定値であるため、補正に
図4(b)が判定基準を用いられる。ここでは、点aで稼働開始が判定された特定ガス器具の流量100L/hだけが機器記憶部32に記憶されている。このため、機器記憶部32に記憶されている判定流量FHのうちの最小判定流量FHminは、100L/hであって、第5所定値未満である。また、稼働している特定ガス器具は1台であり、2番目に小さい判定流量FHがない。このため、機器管理部23は、機器記憶部32に記憶されている稼働台数を1台に維持する補正を行い、その判定流量FH:100L/hを残す。
【0055】
点cでは、平均流量が、10L/hであって、第1所定値未満であるため、補正には、
図4(a)が判定基準を用いられる。先の判定時点bから特定ガス器具の稼働開始が判定されていないため、判定流量FHminは100L/hのままであり、第2所定値以上である。このため、機器管理部23は、機器記憶部32に記憶されている特定ガス器具の稼働台数の0台に減らす補正を行う。
【0056】
点dでは、45L/hから150L/hに流量が増加しているため、特定ガス器具の稼働台数が1つ増加し、1台となる。また、流量の差分の105L/hが判定流量FHとして機器記憶部32に記憶される。
【0057】
点eでは、平均流量が、120L/hであって、第3所定値以上且つ第7所定値未満であるため、補正には、
図4(c)が判定基準を用いられる。先の判定時点dから特定ガス器具の稼働開始が判定されていないため、1つ記憶されている判定流量FH:105L/hが最小判定流量FHminとなる。よって、最小判定流量FHminが第8所定値未満であり、且つ、判定時の稼働台数は1台である。このため、機器管理部23は、機器記憶部32に記憶されている特定ガス器具の稼働台数の1台に維持する補正を行う。
【0058】
点fでは、120L/hから235L/hに流量が増加しているため、特定ガス器具の稼働台数が1つ増加し、2台となる。また、流量の差分の流量115l/hが判定流量FHとして機器記憶部32に記憶される。
【0059】
点gでは、平均流量が、210L/hであって、第10所定値(例えば、210L/h)以上であるため、補正には
図5(b)が判定基準を用いられる。この場合、判定流量FHに関わらず、機器管理部23は、機器記憶部32に記憶されている特定ガス器具の稼働台数2台に維持する補正を行う。
【0060】
点hでは、平均流量が、175L/hであって、第7所定値以上且つ第10所定値未満であるため、補正には、
図5(a)が判定基準を用いられる。この場合、先の判定時点dにおける判定流量FH:105L/h及び点fにおける判定流量FH:115L/hが記憶されているため、最大判定流量FHmaxは115L/hである。よって、最大判定流量FHmaxは第13所定値以上第11所定値未満であり、且つ、判定時の稼働台数は2台である。このため、機器管理部23は、機器記憶部32に記憶されている特定ガス器具の稼働台数の2台に維持する補正を行う。
【0061】
この実施の形態によれば、機器管理部23は、開始判定部21により特定ガス器具が稼働を開始したと判定されたとき、特定ガス器具の流量を判定流量FHとして機器記憶部32に記憶し、機器記憶部32に記憶されている特定ガス器具の稼働台数を増やす。また、機器管理部23は、停止判定部22により特定ガス器具が稼働停止の可能性があると判定されたとき、流量の平均値(平均流量)、特定ガス器具の稼働台数及び判定流量FHに基づいて機器記憶部32に記憶されている特定ガス器具の稼働台数を補正する。これにより、稼働停止又は稼働中の制御による流量変化の判定が困難な場合であっても、平均流量、稼働台数及び判定流量FHに基づいて稼働台数を補正することにより、特定ガス器具の稼働台数を精度良く管理することができる。
【0062】
また、機器管理部23は、流量の平均値(平均流量)、特定ガス器具の稼働台数及び判定流量FHに加えて、所定パターンの流量の変化(ステップ変化)の有無に基づいて機器記憶部32に記憶されている特定ガス器具の稼働台数を補正する。このような稼働開始時における特定ガス器具の特有の流量変化(ステップ変化)が検出された場合、特定ガス器具が稼働している可能性が高い。このため、この情報を特定ガス器具の稼働台数の補正に用いることにより、特定ガス器具の稼働台数の管理についての精度を向上させることができる。
【0063】
なお、上記全実施の形態は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせてもよい。上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。