(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。また、下記の実施の形態において、「ほぼ」の表現には、製造誤差や寸法公差等を含むという意味もある。
【0012】
また、以下の実施の形態で説明に用いられる図面においては座標軸が示される場合がある。Z軸方向は、照明器具の高さ方向として説明される。Z軸+側は、上側(上方)と表現され、Z軸−側は、下側(下方)と表現される場合がある。また、X軸方向及びY軸方向は、Z軸方向に垂直な平面上において、互いに直交する方向である。Y軸方向は、照明器具の長手方向として説明される。X軸方向は、照明器具の短手方向(幅方向)として説明される。以下の実施の形態において、平面視とは、Z軸方向から見ること(基板の主面に垂直な方向から見ること)を意味する。
【0013】
(実施の形態1)
[照明器具の全体構成]
まず、実施の形態に係る照明器具の概略構成について、
図1〜
図3Cを用いて説明する。
図1及び
図2は、実施の形態に係る照明器具の外観斜視図である。
図3A〜
図3Cは、実施の形態に係る照明器具の設置例を示す図である。
【0014】
図1〜
図3Cに示される、実施の形態に係る照明器具10は、長尺状の照明器具であり、例えば、住宅内に設置されて、コーブ照明またはコーニス照明等の間接照明として用いられる。つまり、照明器具10は、間接照明器具である。照明器具10が備える器具本体40は、ベース部41、第一壁部42、及び、第二壁部43を有する。第一壁部42の高さは、第二壁部43の高さよりも高く、第一壁部42は、導光板32を外部から視認できないように覆い隠す。一般的な間接照明では、第一壁部42に相当する部材は、照明器具が設置される構造物(例えば、造営材)の造作によって実現される。これに対し、照明器具10は、器具本体40が第一壁部42を有するため、このような造作が不要となる利点を有する。
【0015】
図2に示されるように、器具本体40のベース部41には取付部材80が設けられる。照明器具10は、取付部材80が有する挿通孔に挿通される棒状部材によって構造物に取り付けられる。棒状部材は、例えば、ボルトまたはネジ等である。
図3Aに示されるように、照明器具10は、例えば、ベース部41が住宅等の天井101に対向し、第二壁部43が住宅等の壁102に対向する状態で、天井101に取り付けられる。この場合、照明器具10は、導光板32が発する光によって主として壁102を照らす。
【0016】
また、
図3Bに示されるように、照明器具10は、住宅等の壁102から突出した造営材103に載置されてもよい。
図3Bの設置例では、照明器具10は、ベース部41が造営材103に対向し、第二壁部43が壁102に対向する状態で、造営材103に取り付けられる。照明器具10は、導光板32が発する光によって主として壁102を照らす。
【0017】
また、
図3Cに示されるように、照明器具10は、住宅等の壁102に取り付けられてもよい。
図3Cの設置例では、照明器具10は、ベース部41が壁102に対向し、第二壁部43が天井101に対向する状態で、壁102に取り付けられる。この場合、照明器具10は、導光板32が発する光によって主として天井101を照らす。
【0018】
次に、照明器具10の詳細構成について
図1〜
図3Cに加えて
図4〜
図6を参照しながら説明する。
図4は、照明器具10の分解斜視図である。
図5は、照明器具10が備える導光板ユニットの分解斜視図である。
図6は、照明器具10を長手方向に垂直な平面で切断した場合の模式断面図である。
【0019】
図1〜
図6に示されるように、照明器具10は、主として、導光板ユニット30と、器具本体40と、電源装置50と、端子台60と、カバー20と、エンドカバー70とを備える。器具本体40は、導光板ユニット30の一部と電源装置50とを収容する筐体25を構成する。以下、照明器具10の各構成要素について説明する。
【0020】
[導光板ユニット]
まず、導光板ユニット30について説明する。導光板ユニット30は、エッジライト方式の導光板ユニットである。導光板ユニット30は、具体的には、発光装置31と、導光板32と、保持部材33と、第二係合部34と、係合部用カバー35とを備える。
【0021】
発光装置31は、光源の一例である。発光装置31は、SMD(Surface Mount Device)構造の発光モジュールであり、後述のようにSMD型の発光素子(LED素子31b)を有する。発光装置31は、基板31aと、複数のLED素子31bとを備える。なお、発光装置31は、LED素子31bを少なくとも1つ備えればよい。
【0022】
基板31aは、Y軸方向を長手方向とする長尺状の平板である。基板31aの平面視形状は、矩形状であるが、その他の形状であってもよい。基板31aは、例えば、樹脂材料を基材とするCEM−3(Composite Epoxy Material−3)基板であるが、その他の樹脂基板であってもよいし、金属材料を基材するメタルベース基板またはセラミック材料を基材とするセラミック基板であってもよい。その他の樹脂基板としては、FR−4(Flame Retardant−4)基板が例示される。セラミック基板としては、酸化アルミニウム(アルミナ)からなるアルミナ基板または窒化アルミニウムからなる窒化アルミニウム基板等が例示される。また、メタルベース基板としては、アルミニウム合金基板、鉄合金基板、または銅合金基板等が例示される。
【0023】
また、基板31aは、リジッド基板に限定されない。基板31aは、ポリイミド等を基材とするフレキシブル基板であってもよい。
【0024】
LED素子31bは、SMD型の発光素子であり、白色光を発する。LED素子31bは、凹部を有するパッケージと、パッケージの凹部底面に実装されたLEDチップと、パッケージの凹部に充填され、LEDチップを封止する封止部材とを有する。LEDチップは、例えば、青色光を発する青色LEDチップであり、封止部材は、例えば、波長変換材料としてイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系の黄色蛍光体粒子を含むシリコーン樹脂である。また、LED素子31bは、LED素子31bを基板31aに実装するための金属端子を有する。
【0025】
複数のLED素子31bは、基板31a上に配置され、電源装置50から供給される電力を用いて発光する。複数のLED素子31bは、具体的には、基板31aの長手方向に沿って直線状に並んで配置され、発光素子列を構成する。平面視において、発光素子列は、基板31aのX軸−側の端部に位置する。複数のLED素子31bは、例えば、等間隔に配置される。複数のLED素子31bは、主として導光板32の端面32aに向けて光を発する。
【0026】
複数のLED素子31bは、基板31aの配線層に含まれる配線パターンによって直列接続される。なお、複数のLED素子31bの電気的な接続態様(直列接続、並列接続、及び、直列接続と並列接続との組み合わせの接続等)は特に限定されるものではない。
【0027】
導光板32は、Y軸方向を長手方向とする長尺状の光学部材である。導光板32をX軸方向から見た形状は、矩形状であるが、その他の形状であってもよい。導光板32は、透光性を有する材料(例えば、透明の材料)によって形成される。導光板32は、例えば、アクリル樹脂によって形成されるが、ポリカーボネートまたはガラスなどによって形成されてもよい。
【0028】
導光板32は、端面32a、第一主面32b、及び、第一主面32bの反対側の第二主面32cを有し、端面32aに入射した発光装置31からの光を少なくとも第一主面32bから出射する。
【0029】
端面32aは、発光装置31が発する光が入射する入射面であり、発光装置31(複数のLED素子31b)と対向配置される。なお、端面32aが発光装置31と対向配置されることは必須ではない。例えば、発光装置31が発する光は、光ファイバなどの端面32aと対向する他の導光部材を介して端面32aに入射してもよい。
【0030】
第一主面32bは、電源装置50の方を向く光出射面である。第一主面32bの少なくとも一部は、カバー20及び器具本体40によって覆われておらず、照明器具10の外部に露出している。第二主面32cは、第一主面32bと背向する主面である。第二主面32cは、器具本体40の第一壁部42と対向し、全体が第一壁部42によって覆われている。第一主面32b及び第二主面32cの少なくとも一方には、端面32aに入射した光を第一主面32b側に反射するための反射構造が設けられる。このような反射構造により、導光板32の第一主面32bは面発光する。反射構造は、例えば、微細プリズムであるが、その他の構造であってもよい。
【0031】
保持部材33は、Y軸方向を長手方向とする長尺状の部材であり、器具本体40のベース部41に載置される。保持部材33は、発光装置31及び導光板32を保持する。保持部材33は、例えば、鋼板などの板金の折り曲げによって導光板32が差し込まれる隙間を有する略筒状に形成される。発光装置31は、保持部材33の内部に配置され、保持部材33にネジ止めされる。導光板32は、保持部材33の隙間に差し込まれ、保持部材33にネジ止めされる。なお、保持部材33は、複数の板金の組み合わせによって形成されてもよい。保持部材33は、例えば、器具本体40のベース部41にネジ止めされる。
【0032】
第二係合部34は、カバー20を器具本体40に係止させるための部材であり、保持部材33に取り付けられる。第二係合部34は、カバー20が有する第二被係合部24と係合する。第二係合部34は、具体的には、例えば、X軸−側に突出した凸部を含み、第二被係合部24に含まれるX軸+側に突出した凸部と係合する。
【0033】
第二係合部34は、例えば、鋼板などの板金の折り曲げによって形成される板ばねであり、保持部材33にネジ止めされる。なお、第二係合部34及び第二被係合部24が係合する際には、第二係合部34の弾性が利用されるため、第二係合部34は、保持部材33よりも高い弾性を有するとよい。この場合、第二係合部34は、保持部材33を形成する板金よりも薄い板金によって形成されてもよいし、保持部材33を形成する材料よりも弾性の高い材料によって形成されてもよい。照明器具10は、保持部材33の長手方向に沿って配置された2つの第二係合部34を備えているが、少なくとも1つの第二係合部34を備えればよい。
【0034】
係合部用カバー35は、第二係合部34を覆うカバーである。係合部用カバー35は、例えば、鋼板などの板金の折り曲げによって形成され、保持部材33にネジ止めされる。
【0035】
照明器具10の設置の際には、照明器具10のうちカバー20以外の部分が構造物に固定された後、カバー20が取り付けられる。カバー20以外の部分が構造物に固定された状態においては、作業者にとって第二係合部34の位置は見づらく、カバー20が不適切な位置に挿入される場合がある。係合部用カバー35によれば、カバー20が不適切な位置に挿入された場合に第二係合部34が変形してしまうこと等を抑制することができる。また、係合部用カバー35によれば、作業者にカバー20が適切な位置に挿入された感触を与えることもできる。
【0036】
パッキン36は、第一主面32b及び保持部材33の隙間を塞ぐシール部材である。パッキン36は、例えば、エラストマーなどの樹脂材料によって形成される。
【0037】
[器具本体]
器具本体40は、導光板ユニット30、及び、電源装置50を支持する。器具本体40は、より詳細には、発光装置31及び導光板32を、保持部材33を介して支持する。また、器具本体40は、カバー20とともに照明器具10の筐体25を構成する。器具本体40は、Y軸方向を長手方向とする長尺状であり、Y軸に垂直な平面で切断した場合の断面形状が略角括弧状である。
【0038】
器具本体40は、例えば、アルミニウムなどの金属材料の押し出し成形によって作製される。したがって、器具本体40をY軸方向に垂直した平面で切断した断面形状は、切断位置によらずほぼ同じ形状となる。なお、器具本体40は、押し出し成形以外の工法で作製されてもよい。また、器具本体40が金属材料によって形成されることは必須ではなく、樹脂材料によって形成されてもよい。器具本体40は、より具体的には、ベース部41と、第一壁部42と、第二壁部43と、第一係合部44と、位置規制部45とを有する。
【0039】
ベース部41は、器具本体40のうち、導光板ユニット30及び電源装置50が載置される、略矩形板状の部分である。導光板ユニット30は、ベース部41の内面のX軸−側の領域に配置され、電源装置50は、ベース部41の内面のX軸+側の領域に配置される。導光板ユニット30及び電源装置50のそれぞれは、例えば、ベース部41にネジ止めされる。
【0040】
ベース部41の外面には、各々が照明器具10のY軸方向に沿って長い、第一リブ41a、第二リブ41b、及び、第三リブ41cが配置される。第一リブ41aは、ベース部41の外面のX軸−側の端部に配置され、第二リブ41bは、ベース部41の外面のX軸+側の端部に配置され、第三リブ41cは、X軸方向において第一リブ41a及び第二リブ41bの間に配置される。平面視において、発光装置31及び導光板32は、第一リブ41a及び第三リブ41cの間に位置し、電源装置50は、第二リブ41b及び第三リブ41cの間に位置する。
【0041】
照明器具10が構造物に設置された状態において、第一リブ41a、第二リブ41b、及び、第三リブ41cは、基本的には当該構造物に接触する。なお、第一リブ41aは、面取りされており、これにより、照明器具10を構造物の角に沿って設置することが容易となる。
【0042】
上記
図2に示されるように、ベース部41は、第二リブ41b及び第三リブ41cの間の領域に開口を有し、取付部材80は、当該開口から照明器具10の外側に突出している。取付部材80は、照明器具10を構造物に取り付けるための部材であり、照明器具10は、取付部材80が有する挿通孔に挿入される棒状部材によって構造物に設置される。
【0043】
第一壁部42は、ベース部41の導光板32側の端部に立設した略矩形板状の部分である。ベース部41の導光板32側の端部は、言い換えれば、ベース部41のX軸−側の端部である。第一壁部42は、導光板32の第二主面32cに対向する非透光性の板材の一例であり、第二主面32cを覆う。照明器具10が構造物に設置された状態において、第一壁部42は、基本的には当該構造物に接触しない。
【0044】
第二壁部43は、ベース部41の導光板32と反対側の端部に立設した略矩形板状の部分である。ベース部41の導光板32と反対側の端部は、言い換えれば、ベース部41のX軸+側の端部である。第二壁部43のベース部41の主面からの高さは、第一壁部42のベース部41の主面からの高さよりも低い。第二壁部43の内面には、第一係合部44が配置される。照明器具10が構造物に設置された状態において、第二壁部43は、基本的には当該構造物に接触する。
【0045】
第一係合部44は、カバー20を器具本体40に係止させるための部分であり、第二壁部43の内面に配置される。第一係合部44は、カバー20が有する第一被係合部23と係合する。第一係合部44は、照明器具10の長手方向に沿う溝を形成し、当該溝にカバー20の第一被係合部23が設けられた端部が挿入される。第一係合部44は、具体的には、例えば、X軸+側に突出した凸部を含み、第一被係合部23に含まれるX軸−側に突出した凸部と係合する。
【0046】
照明器具10において、第一係合部44とベース部41との間には、スペースS2(
図6に図示)が形成される。スペースS2は、電源ケーブルを収容するスペースとして有用である。スペースS2に電源ケーブルが収容されれば、第一係合部44は、電源ケーブルの押えとしても機能する。
【0047】
位置規制部45は、第一壁部42のZ軸+側の端部に位置し、断面形状が角括弧状の部分である。位置規制部45は、照明器具10の長手方向に沿う溝を形成し、導光板32のZ軸+側の端部は、当該溝に挿入される。これにより、導光板32の位置が規制される。
【0048】
[電源装置及び端子台]
電源装置50は、導光板ユニット30の発光装置31に電力を供給する装置である。電源装置50は、具体的には、端子台60に挿入された電源ケーブル(図示せず)を介して得られる交流電力を発光装置31が有する複数のLED素子31bの発光に適した電力に変換し、変換された後の電力を複数のLED素子31bに供給する。この結果、複数のLED素子31bは、電源装置50から供給された電力を用いて発光する。
【0049】
電源装置50は、具体的には、例えば、交流電力を直流電力に変換する回路を備える。当該回路を構成する複数の回路素子には、例えば、電解コンデンサもしくはセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗器等の抵抗素子、整流素子、ヒューズ、ノイズフィルタ、ダイオード、及び、集積回路素子等の半導体素子等が含まれる。交流電力を直流電力に変換する回路は、例えば、スイッチング電源回路である。
【0050】
端子台60は、照明器具10が電力系統から交流電力を得るための電源ケーブルが挿入される端子ユニットである。詳細には図示されないが、端子台60は、略直方体状の本体部、及び、本体部内に配置された速結端子などを有する。速結端子には、本体部に設けられた挿入孔に挿入された電源ケーブルの端部が電気的に接続される。なお、端子台60には調光信号などの信号を伝送するケーブルが挿入されてもよい。
【0051】
[カバー]
カバー20は、電源装置50を覆う。また、カバー20は、器具本体40とともに照明器具10の筐体25を構成する。カバー20は、Y軸方向を長手方向とする長尺状である。カバー20は、例えば、アルミニウムなどの金属材料の押し出し成形によって作製される。したがって、カバー20をY軸方向に垂直した平面で切断した断面形状は、切断位置によらずほぼ同じ形状となる。なお、カバー20は、押し出し成形以外の工法で作製されてもよい。また、カバー20が金属材料によって形成されることは必須ではなく、樹脂材料によって形成されてもよい。
【0052】
カバー20は、第一被係合部23及び第二被係合部24を有する。第一被係合部23は、カバー20のX軸+側の端部に配置される。第一被係合部23は、Z軸−側に突出し、かつ、Y軸方向に長いリブ状の部分である。第一被係合部23は、X軸−側に突出した凸部を含み、当該凸部が第一係合部44のX軸+側に突出した凸部と係合する。
【0053】
第二被係合部24は、カバー20のX軸−側の端部に配置される。第二被係合部24は、Z軸−側に突出し、かつ、Y軸方向に長いリブ状の部分である。第二被係合部24は、X軸+側に突出した凸部を含み、当該凸部が第二係合部34のX軸−側に突出した凸部と係合する。
【0054】
このように、第一被係合部23及び第一係合部44が係合し、かつ、第二被係合部24及び第二係合部34が係合することにより、カバー20は、器具本体40に係止する。このような係合構造によれば、カバー20の器具本体40への取り付けが容易となる。なお、カバー20は、ネジ止めなど、係合以外の方法で器具本体40に取り付けられてもよい。
【0055】
カバー20の表面は、光反射性を有する。カバー20の表面は、例えば、白色の塗料が塗られることにより光反射性を有し、導光板32の第一主面32bから出射された光を反射する。これにより、導光板32の第一主面32bから出射された光の利用効率を高めることができる。なお、カバー20の表面が光反射性を有することは必須ではない。
【0056】
カバー20の表面は、傾斜面21を含む。傾斜面21の少なくとも一部は、電源装置50及び導光板32の間に位置する。傾斜面21は、導光板32の近くに位置する部分ほどベース部41からの高さが低い。これにより、カバー20が傾斜していない場合よりも導光板32の第一主面32bの露出面積が増えるため、導光板32の第一主面32bから出射された光の利用効率を高めることができる。
【0057】
また、傾斜面21は、湾曲している。これにより、傾斜面21は、より均一に光を反射することができる。
【0058】
また、カバー20の表面は、第一主面32bと対向する平面22を含む。これにより、平面22及び第一主面32bの間のスペースS1(
図6に図示)に、クッション材またはパッキンなどを配置することが容易となる。例えば、スペースS1にクッション材があらかじめ配置されていれば、カバー20の取り付け時に導光板32にキズなどがついてしまうことを抑制することができる。
【0059】
[エンドカバー]
エンドカバー70は、器具本体40の長手方向における一方の端部を覆うエンドキャップである。エンドカバー70は、例えば、ASA(Acrylate Styrene Acrylonitrile)樹脂などの樹脂材料によって形成されるが、金属材料によって形成されていてもよい。エンドカバー70は、器具本体40のベース部41にネジ止めされる。
【0060】
[連結部材]
器具本体40の長手方向における他方の端部には、当該端部に他の照明器具を連結するための連結部材90が取り付けられる。
図7は、連結部材90の外観斜視図である。
図8及び
図9は、照明器具10と他の照明器具との連結を説明するための図である。なお、
図8及び
図9では、内部構造を示すためにカバー20等の図示が省略されている。
図8及び
図9において、他の照明器具10fは照明器具10と同様の構成であり、詳細な説明は省略される。
【0061】
連結部材90は、例えば、略長尺矩形状の金属鋼板の折り曲げ加工によって形成される。連結部材90は、器具本体40の内面にネジ止めされる。器具本体40に取り付けられた状態の連結部材90の一部は、器具本体40の長手方向の端部よりも外側に位置する。ここでの外側は、長手方向における外側を意味し、言い換えれば、他の照明器具10f側、または、Y軸−側である。
【0062】
このように、連結部材90が器具本体40の長手方向の端部よりも外側に突出し、長手方向においてはみ出ている場合、連結部材90は、照明器具10の器具本体40と他の照明器具10fの器具本体40fとの接触部分を内側から覆うことができる。連結部材90は、具体的には、接触部分を当該接触部分の延伸方向に沿って覆うことができる。接触部分は、言い換えれば、器具本体40の端面と器具本体40fの端面との継ぎ目である。これにより、器具本体40の端面と器具本体40fの端面との接触部分からの漏れ光が抑制される。
【0063】
連結部材90は、具体的には、第一部分91と、第二部分92と、第三部分93とを含む。
【0064】
第一部分91は、連結部材90のうちベース部41と対向する部分である。第一部分91には、ネジ挿通孔が設けられる。連結部材90は、ネジ挿通孔に挿通されたネジにより、器具本体40の端部に取り付けられる。また、照明器具10と他の照明器具10fが連結された状態において、第一部分91は、他の照明器具10fにもネジ止めされる。
【0065】
第一部分91の一部は、器具本体40の長手方向の端部よりも外側に位置する。ここでの外側は、長手方向における外側を意味し、言い換えれば、他の照明器具10f側、または、Y軸−側である。
【0066】
これにより、第一部分91は、照明器具10のベース部41と他の照明器具10fのベース部41fとの接触部分を器具本体40の内側から覆うことができ、ベース部41の端面とベース部41fの端面との接触部分からの漏れ光が抑制される。なお、第一部分91は、ベース部41の端面とベース部41の端面との接触部分を一方の端部から他方の端部までほぼ途切れることなく覆っているが、少なくとも一部を覆っていればよい。
【0067】
第二部分92は、連結部材90のうち第一壁部42と対向する部分である。第二部分92は、連結部材90において第一部分91及び第三部分93の間に位置する部分であり、第一部分91及び第三部分93のそれぞれと接続される。
【0068】
第二部分92の一部は、器具本体40の長手方向の端部よりも外側に位置する。ここでの外側は、長手方向における外側を意味し、言い換えれば、他の照明器具10f側、または、Y軸−側である。
【0069】
これにより、第二部分92は、照明器具10の第一壁部42と他の照明器具10fの第一壁部42fとの接触部分を内側から覆うことができ、第一壁部42の端面と第一壁部42fの端面との接触部分からの漏れ光が抑制される。なお、第二部分92は、第一壁部42の端面と第一壁部42fの端面との接触部分を一方の端部から他方の端部までほぼ途切れることなく覆っているが、少なくとも一部を覆っていればよい。
【0070】
第三部分93は、連結部材90のうち位置規制部45と対向する部分である。上述のように、位置規制部45は、器具本体40のうち、第一壁部42のベース部41と反対側の端部に接続された部分であり、器具本体40の長手方向に延在する溝を形成する。第三部分93は、一部がこの溝に挿入され、他の一部が器具本体40の長手方向の端部よりも外側に位置する。ここでの外側は、長手方向における外側を意味し、言い換えれば、他の照明器具10f側、または、Y軸−側である。
【0071】
これにより、第三部分93は、照明器具10の位置規制部45と他の照明器具10fの位置規制部45fとの接触部分を内側から覆うことができ、位置規制部45の端面と位置規制部45fの端面との接触部分からの漏れ光が抑制される。
【0072】
また、第三部分93が器具本体40の長手方向の端部よりも外側に突出し、長手方向においてはみ出ている場合、照明器具10に他の照明器具10fを連結するには、他の照明器具10fの位置規制部45によって形成される溝に第三部分93を差し込む必要がある。つまり、第三部分93は、照明器具10及び他の照明器具10fの連結に際して位置決め構造としても機能する。
【0073】
ところで、
図7に示されるように、第一部分91のうち器具本体40の長手方向の端部よりも外側に位置する部分91aは、内向きに折れ曲がっている。同様に、第二部分92の器具本体40の長手方向の端部よりも外側に位置する部分92aは、内向きに折れ曲がっている。つまり、連結部材90のうち器具本体40の長手方向の端部よりも外側に位置する部分は、内向きに曲がっている。これにより、連結部材90を他の照明器具10fに差し込むことが容易となる。つまり、照明器具10と他の照明器具10fの連結が容易となる。なお、内向きとは、言い換えれば、照明器具10の内方向きである。
【0074】
連結状態においては、第二部分92のうち器具本体40の長手方向の端部よりも外側に位置する部分92aは、導光板32f及び第一壁部42fの間に差し込まれる。これにより、導光板32fからの漏れ光をより確実に抑制することができる。なお、第二部分92の一部は、導光板32と第一壁部42の間には配置されていないが、第二部分92の一部は、導光板32と第一壁部42の間に配置されてもよい。
【0075】
[効果等]
以上説明したように、照明器具10は、発光装置31と、発光装置31からの光が入射することにより発光する長尺状の導光板32と、導光板32の一部、及び、発光装置31を収容する長尺状の器具本体40と、器具本体40の長手方向の端部に取り付けられ、当該端部に他の照明器具10fを連結するための連結部材90とを備える。発光装置31は、光源の一例である。連結部材90の一部は、器具本体40の長手方向の端部よりも外側に位置する。
【0076】
これにより、連結部材90は、照明器具10の器具本体40と他の照明器具10fの器具本体40fとの接触部分を覆うことができ、器具本体40と器具本体40fとの接触部分からの漏れ光が抑制される。
【0077】
また、導光板32は、互いに背向する第一主面32b及び第二主面32c、並びに、短手方向における端面32aを有し、端面32aに入射した発光装置31からの光を第一主面32bから出射してもよい。器具本体40は、ベース部41、及び、ベース部41に立設して第二主面32cを覆う第一壁部42を含んでもよい。連結部材90は、ベース部41に対向する第一部分91、及び、第一壁部42に対向する第二部分92を含み、第一部分91の一部、及び、第二部分92の一部のそれぞれは、器具本体40の長手方向の端部よりも外側に位置してもよい。
【0078】
これにより、第一部分91は、照明器具10のベース部41と他の照明器具10fのベース部41fとの接触部分を器具本体40の内側から覆うことができ、ベース部41とベース部41fとの接触部分からの漏れ光が抑制される。また、第二部分92は、照明器具10の第一壁部42と他の照明器具10fの第一壁部42aとの接触部分を内側から覆うことができ、第一壁部42と第一壁部42aとの接触部分からの漏れ光が抑制される。
【0079】
また、器具本体40は、第一壁部42aのベース部41と反対側の端部に位置し、器具本体40の長手方向に延在する溝を形成する位置規制部45を有し、当該溝には、導光板32の端面32aと反対側の端部が挿入されてもよい。連結部材90は、溝に挿入される第三部分93を含み、第三部分93の一部は、器具本体40の長手方向の端部よりも外側に位置してもよい。
【0080】
これにより、第三部分93は、照明器具10の位置規制部45と他の照明器具10fの位置規制部45fとの接触部分を内側から覆うことができ、位置規制部45の端面と位置規制部45fの端面との接触部分からの漏れ光が抑制される。また、第三部分93は、照明器具10及び他の照明器具10fの連結に際して位置決め構造としても機能する。
【0081】
また、連結部材90は、器具本体40の長手方向の端部の内面に取り付けられてもよい。
【0082】
これにより、器具本体40と器具本体40fとの接触部分が器具本体40の内側から覆われることで漏れ光を抑制することができる。
【0083】
また、連結部材90のうち器具本体40の長手方向の端部よりも外側に位置する部分は、内向きに曲がっていてもよい。
【0084】
これにより、連結部材90を他の照明器具10fに差し込むことが容易となる。つまり、照明器具10と他の照明器具10fの連結が容易となる。
【0085】
また、本発明は、照明器具10及び他の照明器具10fの照明器具セットとして実現されてもよい。このような照明器具セットは、照明器具10と、他の照明器具10fと、連結部材90とを備える。照明器具10及び他の照明器具10fのそれぞれは、発光装置31と、発光装置31からの光が入射することにより発光する長尺状の導光板32と、導光板32の一部、及び、発光装置31を収容する長尺状の器具本体40とを備える。連結部材90は、照明器具10が備える器具本体40の長手方向の第一端部、及び、他の照明器具10fが備える器具本体40fの長手方向の第二端部とを連結し、第一端部及び第二端部の接触部分を覆う。照明器具10は、第一照明器具の一例であり、他の照明器具10fは、第二照明器具の一例である。第一端部は、上記実施の形態では、Y軸−側の端部であり、第二端部は、上記実施の形態では、Y軸+側の端部である。
【0086】
これにより、器具本体40と器具本体40fとの接触部分からの漏れ光が抑制される。
【0087】
[変形例]
連結部材90の態様は、一例であり、照明器具10は、その他の態様の連結部材90を備えてもよい。照明器具10は、例えば、器具本体40の長手方向の端部の外面に取り付けられる連結部材90を備えてもよい。
【0088】
これにより、器具本体40と器具本体40fとの接触部分が器具本体40の外側から覆われることで漏れ光を抑制することができる。
【0089】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではない。
【0090】
例えば、上記実施の形態では、照明器具は長尺状であったが、照明器具は、長尺状以外の形状であってもよい。照明器具は、どのような形状であってもよい。
【0091】
また、上記実施の形態では、発光装置は、SMD構造の発光装置であったが、COB(Chip On Board)構造の発光装置であってもよい。COB構造の発光装置においては、LEDチップが発光素子として用いられ、基板上にLEDチップが直接実装され、当該LEDチップが蛍光体粒子を含有する透光性樹脂材によって封止される。また、発光装置は、LEDチップと、当該LEDチップと離れた位置に配置された蛍光体粒子を含む樹脂部材とを有するリモートフォスファー型の発光装置であってもよい。
【0092】
また、発光素子は、LEDチップまたはLEDチップを用いた素子に限定されない。例えば、半導体レーザまたは有機EL(Electro Luminescence)等、LEDチップ以外の固体発光素子が発光素子として用いられてもよい。
【0093】
また、本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。