特許第6986719号(P6986719)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986719
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】LED点灯装置および照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/20 20200101AFI20211213BHJP
【FI】
   H05B45/20
【請求項の数】14
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-98547(P2018-98547)
(22)【出願日】2018年5月23日
(65)【公開番号】特開2019-204654(P2019-204654A)
(43)【公開日】2019年11月28日
【審査請求日】2020年11月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】竹口 直輝
(72)【発明者】
【氏名】井戸 滋
(72)【発明者】
【氏名】城戸 大志
【審査官】 大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−502500(JP,A)
【文献】 特開2017−054653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる発光色を有する複数のLED(Light Emitting Diode)負荷を点灯させるLED点灯装置であって、
前記複数のLED負荷のうちのLED負荷を巡回的に選択することによって調色するセレクタ回路と、
前記複数のLED負荷を一巡点灯させることによって得られる第1混合発光色を生成する第1の一巡期間と、前記第1混合発光色とは異なる色の第2混合発光色を生成する第2の一巡期間とを時系列的に組み合わせた点灯パターンであるフレームを連続的に生成することにより、中間色を発生させるように前記セレクタ回路を制御する制御回路とを備える
LED点灯装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記第1の一巡期間を連続させる第1期間と、前記第2の一巡期間を連続させる第2期間と、前記第1期間と前記第2期間との間に前記中間色で発光する移行期間とを設けるように前記セレクタ回路を制御する
請求項1記載のLED点灯装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記第1混合発光色における明るさおよび前記第2混合発光色の明るさの少なくとも一方に応じて前記移行期間の長さを変更する
請求項2に記載のLED点灯装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記第2混合発光色における明るさが暗いほど前記移行期間を長くする
請求項2記載のLED点灯装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記第1混合発光色と前記第2混合発光色との色温度の差または明るさの差が小さいほど前記移行期間を長くする
請求項2に記載のLED点灯装置。
【請求項6】
連続する前記フレームは、前記第1の一巡期間を前記第2の一巡期間よりも多く含む第1種のフレームと、前記第2の一巡期間を前記第1の一巡期間よりも多く含む第2種のフレームとを含み、
前記移行期間において前記第1種のフレームは、前記第2種のフレームよりも時間的に先行する
請求項2に記載のLED点灯装置。
【請求項7】
前記制御回路は、前記第2混合発光色における明るさが暗いほど前記フレームを長くする
請求項2に記載のLED点灯装置。
【請求項8】
前記フレームは、少なくとも1つの第1の一巡期間と少なくとも1つの第2の一巡期間との時系列的な組み合わせであり、
前記フレームに含まれる前記第1の一巡期間と前記第2の一巡期間との割合は、前記第2混合発光色の色に依存して異なる
請求項2に記載のLED点灯装置。
【請求項9】
前記制御回路は、前記第1の一巡期間を連続させる第1期間と、前記第2の一巡期間を連続させる第2期間と、前記第1期間と前記第2期間との間に明るさを段階劇に変化させる調光期間を設け、前記中間色で発光する移行期間を前記調光期間内に設けるように前記セレクタ回路を制御し、
前記移行期間は、前記調光期間よりも短い
請求項1に記載のLED点灯装置。
【請求項10】
前記制御回路は、明るさを次第に増加させる前記調光期間内における前記移行期間の相対的な開始タイミングまたは長さと、明るさを次第に減少させる前記調光期間内における前記移行期間の相対的な開始タイミングまたは長さと異なるように制御する
請求項9に記載のLED点灯装置。
【請求項11】
前記フレームの長さが10msec以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載のLED点灯装置。
【請求項12】
前記LED負荷に電力を供給するスイッチング電源を備える、
請求項1〜11いずれか1項に記載のLED点灯装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のLED点灯装置と、
前記複数のLED負荷とを備える
照明器具。
【請求項14】
前記複数のLED負荷のそれぞれは、
1つ以上のLEDと、
前記1つ以上のLEDと並列に接続された平滑コンデンサと、
前記1つ以上のLEDおよび前記平滑コンデンサを含む並列回路と直列に接続された逆流防止用のダイオードとを有する
請求項13に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる発光色を有する複数のLED(Light Emitting Diode)負荷を点灯させるLED点灯装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、異なる発光色を有する複数のLEDを順次切り替えて点灯させ、かつ、各発光色の強度および混合割合を調整することにより調光および調色可能な照明装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−311635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術のような調色可能な照明装置において、調色可能な色数を容易に増加させ、言い換えれば、調色可能な色の分解能を容易に高めることが望ましい。
【0005】
本発明は、調色の分解能を容易に高めることができるLED点灯装置および照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のLED点灯装置は、異なる発光色を有する複数のLED(Light Emitting Diode)負荷を点灯させるLED点灯装置であって、前記複数のLED負荷のうちのLED負荷を巡回的に選択することによって調色するセレクタ回路と、前記複数のLED負荷を一巡点灯させることによって得られる第1混合発光色を生成する第1の一巡期間と、前記第1混合発光色とは異なる色の第2混合発光色を生成する第2の一巡期間とを時系列的に組み合わせた点灯パターンであるフレームを連続的に生成することにより、中間色を発生させるように前記セレクタ回路を制御する制御回路とを備える。
【0007】
また、本発明の照明器具は、上記のLED点灯装置と複数のLED負荷とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明のLED点灯装置および照明器具によれば、調色の分解能を容易に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係るLED点灯装置を有する照明器具の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態1に係るLED点灯装置を有する照明器具における電流波形、混合発光色および中間色を示す説明図である。
図3図3は、実施の形態1に係るLED点灯装置を有する照明器具の回路構成例を示す図である。
図4A図4Aは、実施の形態1に係るLED点灯装置を有する照明器具の各部の電流波形および電圧波形を示す図である。
図4B図4Bは、実施の形態1に係るLED点灯装置を有する照明器具の各部の電流波形および電圧波形の他の例を示す図である。
図5図5は、実施の形態2に係るLED点灯装置を有する照明器具における調色の移行期間における中間色を示す説明図である。
図6図6は、実施の形態3に係るLED点灯装置を有する照明器具の移行期間におけるフレーム構成例を示す説明図である。
図7A図7Aは、実施の形態4に係るLED点灯装置を有する照明器具の第1の動作例を示す説明図である。
図7B図7Bは、実施の形態4に係るLED点灯装置を有する照明器具の第2の動作例を示す説明図である。
図7C図7Cは、実施の形態4に係るLED点灯装置を有する照明器具の第3の動作例を示す説明図である。
図7D図7Dは、実施の形態4に係るLED点灯装置を有する照明器具の第4の動作例を示す説明図である。
図8図8は、実施の形態5に係るLED点灯装置を有する照明器具の移行期間における複数種類のフレームを示す説明図である。
図9図9は、実施の形態6に係るLED点灯装置を有する照明器具の移行期間における中間色を示す説明図である。
図10A図10Aは、実施の形態7に係るLED点灯装置を有する照明器具において、明るくする調光期間および移行期間を示す説明図である。
図10B図10Bは、実施の形態7に係るLED点灯装置を有する照明器具において、暗くする調光期間および移行期間を示す説明図である。
図11A図11Aは、各実施の形態に係るLED点灯装置を有する照明器具の外観例を示す図である。
図11B図11Bは、各実施の形態に係るLED点灯装置を有する照明器具の他の外観例を示す図である。
図11C図11Cは、各実施の形態に係るLED点灯装置を有する照明器具のさらに他の外観例を示す図である。
図12図12は、比較例の照明器具の構成を示す図である。
図13図13は、比較例の照明器具の電流波形および混合発光色を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した照明装置に関し、以下の問題が生じることを見出した。
【0011】
まず、本発明者の知見に係る照明器具を比較例として説明する。
【0012】
図12は、本発明者の知見に係る比較例の照明器具の構成を示す図である。同図の照明器具は、電源回路90、LED(Light Emitting Diode)負荷91〜94、スイッチング素子SW3〜SW6を備える。電源回路90は、スイッチング素子SW1、SW2、インダクタL0を有し、いわゆる降圧チョッパー型のDC−DCコンバータである。スイッチング素子SW1、SW2は、排他的にオン状態になるように制御される。インダクタL0は、スイッチング素子SW1、SW2の接続点から供給されるエネルギーを蓄積および放出する。
【0013】
LED負荷91〜94は、異なる発光色を有する。LED負荷91〜94の発光色は、赤、緑、青、白であるものとする。
【0014】
スイッチング素子SW3〜SW6は、1周期内で順にオンになるように制御される。
【0015】
図13は、比較例の照明器具の電流波形および発光色を示す図である。同図の上段には、周期C1におけるインダクタ電流の波形と、周期C2におけるインダクタ電流の波形とを示している。同図の横軸は時間軸である。同図の上段の縦軸は、インダクタ電流を示す。インダクタ電流は、インダクタL0を介していずれかのLED負荷に供給される、電源回路90の出力電流である。インダクタ電流Irは、インダクタL0から赤色のLED負荷91に供給される電流を示す。インダクタ電流Igは、インダクタL0から緑色のLED負荷92に供給される電流を示す。インダクタ電流Ibは、インダクタL0から青色のLED負荷93に供給される電流を示す。インダクタ電流Iwは、インダクタL0から白色のLED負荷94に供給される電流を示す。
【0016】
周期C1と周期C2とを比べると、周期C1では赤色に対応するインダクタ電流Irが大きく、周期C2では青色に対応するインダクタ電流Ibが大きくなっている。これにより、照明器具は、周期C1では赤色の成分が多い第1混合発光色を発し、周期C2では青色の成分が多い第2混合発光色を発することになる。
【0017】
同図の下段は、照明器具において調色の一例を示す。同図の下段では、照明器具は、時刻t1までは赤色に近い第1混合発光色で発光し、時刻t1からは青色に近い第2混合発光色で発光する。つまり、この例では、時刻t1において色を変化させている。
【0018】
ところが、このような照明器具には次の問題がある。
【0019】
第1に、色数を容易に増加させ、言い換えれば、任意の色を容易に生成することが困難であり、調色の分解能を高めることが困難である。図12図13の照明器具によれば、照明器具が生成可能な色は、発光色の異なる複数のLED負荷を一巡する周期における各色の混合比率によって定まる。通常は、照明器具の用途に応じて必要とされる複数の色(または色温度)が予め設定されることが多い。調色は、予め設定された複数の色の範囲内で選択的に色を変更することになる。例えば、調色可能な色数が10であれば当該10色から選択的に色を変更することができる。この場合、分解能は色数で言えば10色であり、この10色以外の新たな色を生成するのは困難である。言い換えれば、分解能をさらに高めることが困難である。
【0020】
第2に、図13に示した第1混合発光色と第2混合発光色の色温度の差または明るさの差が大きい場合には、色の変化が人に違和感を生じさせるという問題がある。
【0021】
このような問題を解決するために、本発明の一態様に係るLED点灯装置は、異なる発光色を有する複数のLED負荷を点灯させるLED点灯装置であって、前記複数のLED負荷のうちのLED負荷を巡回的に選択することによって調色するセレクタ回路と、前記複数のLED負荷を一巡点灯させることによって得られる第1混合発光色を生成する第1の一巡期間と、前記第1混合発光色とは異なる色の第2混合発光色を生成する第2の一巡期間とを時系列的に組み合わせた点灯パターンであるフレームを連続的に生成することにより、中間色を発生させるように前記セレクタ回路を制御する制御回路とを備える。
【0022】
これによれば、第1の問題に対しては、上記の中間色の生成により調色の分解能を容易に高めることができる。第2の問題に対しては、調色時に上記の中間色を介在させれば、人に違和感を生じさせることを軽減することができる。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0024】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0025】
(実施の形態1)
[1.1 LED点灯装置および照明器具の構成]
まず、実施の形態1に係るLED点灯装置を備える照明器具の構成例について説明する。
【0026】
図1は、実施の形態1に係るLED点灯装置30を有する照明器具100の構成例を示すブロック図である。同図の照明器具100は、AC−DC電源10、光源20およびLED点灯装置30を備える。
【0027】
AC−DC電源10は、例えば商用100V電源に接続され、交流電力を入力し直流電力に変換する。
【0028】
光源20は、LED負荷21〜24を備える。LED負荷21〜24は、異なる発光色を有する。LED負荷21〜24の発光色は、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)、W(白)である。
【0029】
LED点灯装置30は、異なる発光色を有する複数のLED負荷21〜24を一巡点灯させることによって予め設定された複数の色(または複数の色温度)の混合発光色で発光させる装置である。そのためLED点灯装置30は、電源回路31、セレクタ回路32および制御回路33を備える。
【0030】
電源回路31は、AC−DC電源10からの直流電力を電圧の異なる直流電力に変換し、変換した直流電力を光源20に供給するDC−DCコンバータである。
【0031】
セレクタ回路32は、複数のLED負荷21〜24から1つのLED負荷を順次巡回的に選択することによって、選択したLED負荷に対して電源回路31から給電させる。そのため、セレクタ回路32は、スイッチング素子M3〜M6を備える。スイッチング素子M3〜M6のそれぞれは、複数のLED負荷21〜24のうちのいずれかのLED負荷と直列に接続される。例えば図1では、スイッチング素子M3は、LED負荷21に直列に接続される。スイッチング素子M4は、LED負荷22に直列に接続される。スイッチング素子M5は、LED負荷23に直列に接続される。スイッチング素子M6は、LED負荷24に直列に接続される。これらのスイッチング素子M3〜M6は、例えば、排他的にオン状態になるように制御される。これにより、LED負荷21〜24は排他的につまり1つずつ発光する。
【0032】
制御回路33は、複数のLED負荷21〜24から1つのLED負荷を順次巡回的に選択するようにセレクタ回路32を制御する。また、制御回路33は、複数のLED負荷21〜24を一巡点灯させることによって得られる第1混合発光色を生成する第1の一巡期間と、第1混合発光色とは異なる色の第2混合発光色を生成する第2の一巡期間とを時系列的に組み合わせた点灯パターンであるフレームを連続的に生成することにより、中間色を発生させるようにセレクタ回路32を制御する。
【0033】
次に、中間色についてより詳細に説明する。
【0034】
図2は、実施の形態1に係るLED点灯装置30を有する照明器具100における電流波形、混合発光色および中間色を示す説明図である。同図の上段には、一巡期間TAにおけるインダクタ電流の波形と、一巡期間TBにおけるインダクタ電流の波形とを示している。同図の横軸は時間軸である。同図の上段の縦軸は、インダクタ電流を示す。インダクタ電流は、電源回路31内のインダクタL1を介していずれかのLED負荷に供給される、電源回路31の出力電流である。インダクタL1については後の図3で説明する。インダクタ電流Irは、インダクタL1から赤色に対応するLED負荷21に供給される電流を示す。インダクタ電流Igは、インダクタL1から緑色に対応するLED負荷22に供給される電流を示す。インダクタ電流Ibは、インダクタL1から青色に対応するLED負荷23に供給される電流を示す。インダクタ電流Iwは、インダクタL1から白色に対応するLED負荷24に供給される電流を示す。
【0035】
一巡期間TAと一巡期間TBとを比べると、一巡期間TAでは赤色に対応するインダクタ電流Irが最も大きく、一巡期間TBでは青色に対応するインダクタ電流Ibが最も大きくなっている。これにより、照明器具は、一巡期間TAでは赤色の成分が多い第1混合発光色を発し、一巡期間TBでは青色の成分が多い第2混合発光色を発することになる。以下、第1混合発光色を色Aと呼び、第2混合発光色を色Bと呼ぶことがある。また、一巡期間TAを第1の一巡期間と呼び、一巡期間TBを第2の一巡期間と呼ぶことがある。
【0036】
同図の中段は、(a)光源20の発光色を示す。同図の下段は、(b)目視で見える色、つまり中間色を示す。同図の中段のように、制御回路33は、フレームを連続的に生成するようにセレクタ回路32を制御する。同図の例では、フレームは、第1混合発光色を生成する1つの一巡期間TAと、第2混合発光色を生成する1つの一巡期間TBとの組である。ここでは、フレームは、複数のLED負荷21〜24を一巡点灯させることによって得られる第1混合発光色を生成する第1の一巡期間と、第1混合発光色とは異なる色の第2混合発光色を生成する第2の一巡期間とを時系列的に組み合わせた点灯パターンであって、1つの中間色を定義づける単位である。もう少し抽象化すれば、フレームとは、少なくとも1つの第1の一巡期間と少なくとも1つの第2の一巡期間との時系列的な組み合わせた点灯パターンであり、1つの中間色を定義する単位である。フレーム内の第1の一巡期間の数および位置と、第2の一巡期間の数および位置は所望する中間色に応じて任意に定めることができる。
【0037】
同図の中段のように、フレームは連続点灯され、色A、色Bが高速に切り替えられる。その結果、同図の下段のように、人の目には、色Aと色Bとが1対1で混合した1つの中間色として見える。
【0038】
このような中間色は、1つの一巡期間では生成できない色も生成することができるので、調色の分解能を高めることができる。
【0039】
次に、LED点灯装置30を有する照明器具100のより具体的な回路例について説明する。
【0040】
図3は、実施の形態1に係るLED点灯装置30を有する照明器具100の回路構成例を示す図である。図3のように、照明器具100は、光源20とLED点灯装置30とを備える。ただし、図3では、図1に示したAC−DC電源10は省略してある。
【0041】
光源20内のLED負荷21は、スイッチング素子M3と直列に接続され、スイッチング素子M3のオンおよびオフによって点灯を制御され、スイッチング素子M3のオン時間が長いほど多くの電流が流れて発光量も多くなる。
【0042】
具体的な回路例として、図3のLED負荷21は、LEDd1〜d3と、LEDd1〜d3と並列に接続された平滑コンデンサC2と、LEDd1〜d3および平滑コンデンサC2を含む並列回路と直列に接続された逆流防止用のダイオードDaと、電源オフ時の放電用の抵抗R2とを有する。
【0043】
LEDd1〜d3は、直列接続された同じ発光色のLED発光素子であり、スイッチング素子M3と直列に接続される。
【0044】
平滑コンデンサC2は、インダクタL1からダイオードDaを介して供給されるインダクタ電流を平滑化する。
【0045】
ダイオードDaは、平滑コンデンサC2からインダクタL1に電流が逆流することを防止する。つまり、ダイオードDaは、平滑コンデンサC2にチャージされた電荷をLEDd1〜d3のみに供給させる。
【0046】
抵抗R2は、高抵抗値を有し、電源オン状態からオフ状態になった後に平滑コンデンサC2の電荷を放電させる。
【0047】
LED負荷22〜24は、発光色が異なる点以外はLED負荷21と類似の構成である。なお、LED負荷21は、平滑コンデンサC2、逆流防止用のダイオードDaを備えない構成であってもよい。また、LED負荷22〜24も同様である。
【0048】
LED点灯装置30内の電源回路31は、図3では降圧チョッパー回路の例を示す。具体的には、電源回路31は、レギュレータ34、HVIC(High Voltage Integrated Circuit)35、入力抵抗R6、R7、スイッチング素子M1、M2およびインダクタL1を備える。
【0049】
レギュレータ34は、AC−DC電源10からの直流電力を受け、HVIC35および制御回路33に安定化した電源電圧を供給する。
【0050】
HVIC35は、制御回路33の制御に従って、入力抵抗R6、R7を介してスイッチング素子M1、M2にゲート信号を供給する。スイッチング素子M1、M2のゲート信号は、高速かつ周期的に排他的にアクティブになる。
【0051】
スイッチング素子M1、M2は、AC−DC電源10から供給される直流電圧とグラウンドレベルとを交互にインダクタL1に接続するためのハイサイドトランジスタ、ローサイドトランジスタである。
【0052】
インダクタL1は、スイッチング素子M1、M2のスイッチングに応じて電気エネルギーを蓄積および放出する。
【0053】
セレクタ回路32は、入力抵抗R8〜R11およびスイッチング素子M3〜M6を備える。
【0054】
スイッチング素子M3は、LED負荷21と直列に接続される。スイッチング素子M3のゲートには、制御回路33から入力抵抗R8を介してオンおよびオフを指示するゲート信号が入力される。スイッチング素子M3はゲート信号に応じてオンおよびオフする。
【0055】
スイッチング素子M4〜M6も、スイッチング素子M3と同様である。
【0056】
制御回路33は、プロセッサ、メモリおよびタイマー36を内蔵するMCU(Micro Controller Unit またはMicro Computer Unit)により構成してもよい。タイマー36は、周期的な各種時間を計測する。例えば複数のLED負荷21〜24の選択が一巡する一巡期間などを計測するのに用いられる。
【0057】
[1.2 LED点灯装置および照明器具の動作]
次に、実施の形態1に係るLED点灯装置30を備える照明器具100の動作例について説明する。
【0058】
図4Aは、実施の形態1に係るLED点灯装置30を有する照明器具100の各部の電流波形および電圧波形を示す図である。同図の横軸は時間軸である。縦軸は各部の電流または電圧を示す。インダクタ電流ILは、インダクタL1を流れる電流、つまり、電源回路31からいずれかのLED負荷に供給される電流を示す。同図では、色Aに対応する2つの一巡期間TAを示す。同図では、一巡期間TAの長さは固定であるものとする。
【0059】
一巡期間TAは、複数のLED負荷21〜24と同数の4分割された期間Tr、Tg、Tb、Twから構成される。同図では、4等分されているものとする。期間Tr、Tg、Tb、Twは、それぞれ赤、緑、青、白に対応するものとする。
【0060】
ゲート電圧V0は、制御回路33からHVIC35を介してスイッチング素子M1のゲートに入力される電圧を示す。ゲート電圧V0がハイレベルのときスイッチング素子M1(つまりハイサイドトランジスタ)はオン状態になる。ゲート電圧V0がハイレベルの区間ではインダクタ電流ILは増加していく。このとき、インダクタL1は電気エネルギーを磁気エネルギーとして蓄積する。ゲート電圧V0がローレベルのときスイッチング素子M1はオフ状態になる。スイッチング素子M1がオン状態からオフ状態に切り替わった直後は、インダクタL1は蓄積したエネルギーを放出する、つまり、インダクタL1の逆起電力によりインダクタ電流ILが0まで減少しながらLED負荷に供給される。その結果、給電区間は、ゲート電圧V0のハイレベル区間よりも長くなる。インダクタ電流ILは同図では三角波となる。電源回路31からLED負荷に給電される給電区間は、1つの三角波の区間と等しい。
【0061】
ゲート電圧Vrは、制御回路33からスイッチング素子M3のゲートに入力される電圧を示す。ゲート電圧Vrがハイレベルのときスイッチング素子M3はオン状態になり、つまり、対応するLED負荷21が選択された状態となる。また、ゲート電圧Vrのハイレベル区間は、ゲート電圧V0のハイレベル区間を含み、かつ対応するインダクタ電流ILの三角波を含む期間になるように制御される。ゲート電圧Vg、Vb、Vwも、ゲート電圧Vrと同様である。なお、ゲート電圧Vr、Vg、Vb、Vwのハイレベル区間同士の間には、4つともローレベルになるデッドタイムが設けられる。
【0062】
LED電流Irは、LED負荷21内のLEDd1〜d3を流れる電流を示す。給電区間の後、つまり、電源回路31からLED負荷21への給電が終わった後もLED電流Irは0にならずに電流が減少しながら流れ続けている。これは、平滑コンデンサC2および逆流防止ダイオードDaによる。
【0063】
LED電流Ig、Ib、Iwについても、LED電流Irと同様である。
【0064】
図4Aに示すように、ゲート電圧V0のパルス幅によって、インダクタ電流量、つまり発光量が定まる。一巡期間TAにおける混合発光色は、4つの色R、G、B、Wの混合比率によって定まる。4つの色R、G、B、Wの混合比率は、区間Tr、Tg、Tb、Twにおけるゲート電圧V0の4つのパルス幅の比率に応じて定まる。つまり、一巡期間TAにおける混合発光色はゲート電圧V0の4つのパルス幅の比率に応じて定めることができる。また、調色可能な色数は、区間Tr、Tg、Tb、Twにおけるゲート電圧V0の4つパルス幅の分解能に応じて定まる。例えば、ゲート電圧V0の4つパルス幅がそれぞれ2段階で変更可能であれば、2の4乗つまり16色の混合発光色を生成することができる。一般化すれば、ゲート電圧V0の4つパルス幅が、Nr、Ng、Nb、Nw段階でそれぞれ変更可能であれば、(Nr×Ng×Nb×Nw)通りの混合発光色を生成することができる。一巡期間TAで表現可能な混合発光色の色数(または分解能)は、このように定まる。制御回路33は、ゲート電圧V0の4つパルス幅を制御することによって、種々の混合発光色を生成する。
【0065】
なお、ゲート電圧Vr、Vg、Vb、Vwは、図4Aの代わりに図4Bのようにしてもよい。図4Bは、実施の形態1に係るLED点灯装置30を有する照明器具100の各部の電流波形および電圧波形の他の例を示す図である。図4Bの例では、ゲート電圧Vr、Vg、Vb、Vwのハイレベル区間が、対応する1つの三角波とほぼ同じ幅になっている。その結果、ゲート電圧Vr、Vg、Vb、Vwのデッドタイムが、図4Aよりも広くなっている。
【0066】
図4Aおよび図4Bに示す例では、セレクタ回路32によっていずれかのLED負荷が選択された期間内に、電源回路31のスイッチング素子M1がオンになるように制御される。すなわち、スイッチング電源である電源回路31におけるスイッチング動作と、セレクタ回路32における選択動作とが同期している。
【0067】
図2の中段および下段に示したように、本実施の形態におけるLED点灯装置30は、一巡期間で生成可能な色だけでなく、一巡期間で生成される色同士の中間色を生成することができるので、目視による色数を容易に増加させることができ、言い換えれば、色の分解能容易を高めることができる。なお、中間色は、一巡期間で表現できない色になることもあれば、一巡期間で表現できる色と同じになることもある。
【0068】
なお、図2の中段のフレームは、人に知覚できない速度で周期的であればよい。例えば、フレーム周期は10mS以下としてもよい。その逆数である周波数は、100Hz以上としてもよい。
【0069】
ここで、「人が知覚できない速度で周期的な」は「人にちらつきを知覚させない」ことを意味している。LED照明のちらつき対策については、例えば、電気用品安全法(PSE)の解説書類である、「電気用品安全法の改正政省令施行について(平成24年7月1日から施行)」(経済産業省商務流通グループ製品安全課による)に基準が示されている。同解説書類28頁の「光出力のちらつき(フリッカー)対策」では、「光出力はちらつきを感じないものであること」に相当する効果をもたらす周波数を次のように解釈している。すなわち、同解説書類においては、「光出力はちらつきを感じないものであること」を満たすのは、(1)繰り返し周波数が100Hz以上で光出力に欠落部がない、(2)繰り返し周波数が500Hz以上、のいずれかと解釈されている。
【0070】
本実施の形態の照明器具100において、図4Aの例では光出力に欠落がないと考えられるので上記(1)を満たせばよいと考えられる。この場合、フレーム周期の逆数の周波数は、100Hz以上としてもよい。
【0071】
あるいは、図3で平滑コンデンサC2〜C5等を備えない構成である場合は光出力に欠落が生じる場合に該当し、上記(2)を満たせばよいと考えられる。この場合、フレーム周期の逆数である周波数は、500Hz以上としてもよい。
【0072】
以上説明してきたように実施の形態1に係るLED点灯装置30は、異なる発光色を有する複数のLED負荷21〜24を点灯させるLED点灯装置30であって、複数のLED負荷21〜24のうちのLED負荷を巡回的に選択することによって調色するセレクタ回路32と、複数のLED負荷21〜24を一巡点灯させることによって得られる第1混合発光色を生成する第1の一巡期間と、第1混合発光色とは異なる色の第2混合発光色を生成する第2の一巡期間とを時系列的に組み合わせた点灯パターンであるフレームを連続的に生成することにより、中間色を発生させるようにセレクタ回路32を制御する制御回路33とを備える。
【0073】
これによれば、人の目に対して第1混合発光色と第2混合発光色との間の中間色を発生させることができる。この中間色は、フレームにおける第1の一巡期間と第2の一巡期間との組み合わせ方によって定まるので、一巡点灯による調色の分解能よりも細かい分解能で中間色を生成することができる。
【0074】
ここで、フレームの長さが10msec以下であってもよい。
【0075】
これによれば、中間色の生成におけるちらつきをより確実に低減することができる。
【0076】
ここで、LED負荷に電力を供給するスイッチング電源(電源回路31)を備えてもよい。
【0077】
これによれば、電源回路31とセレクタ回路32の組み合わせにより、複数のLED負荷21〜24の一巡点灯を高効率で行うことができる。
【0078】
ここで、制御回路33は、スイッチング電源である電源回路31におけるスイッチング動作と、セレクタ回路32における選択動作とを同期させてもよい。
【0079】
また、実施の形態1に係る照明器具100は、上記のLED点灯装置と、複数のLED負荷21〜24とを備える。
【0080】
ここで、複数のLED負荷21〜24のそれぞれは、1つ以上のLED(d1〜d3等)と、1つ以上のLEDと並列に接続された平滑コンデンサC2と、1つ以上のLEDおよび平滑コンデンサC2を含む並列回路と直列に接続された逆流防止用のダイオードDaとを有していてもよい。
【0081】
これによれば、平滑作用により各LED負荷が実際に点灯する期間を電源からの給電期間よりも延長することができ、ちらつきを生じにくくすることができる。
【0082】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1の中間色を調色時に介在させる例について説明する。
【0083】
[2.1 LED点灯装置および照明器具の構成]
実施の形態2に係る照明器具100の構成は、図1および図3と同じでよい。ただし、制御回路33によるセレクタ回路32の制御が異なっている。以下異なる点を中心に説明する。
【0084】
制御回路33は、実施の形態1における制御に加えて、次の制御を行う。すなわち制御回路33は、第1の一巡期間を連続させる第1期間と、第2の一巡期間を連続させる第2期間と、第1期間と第2期間との間に中間色で発光する移行期間とを設けるようにセレクタ回路32を制御する。
【0085】
[2.2 LED点灯装置および照明器具の動作]
次に、実施の形態2に係るLED点灯装置30を備える照明器具100の動作例について説明する。
【0086】
図5は、実施の形態2に係るLED点灯装置30を有する照明器具100における調色の移行期間における中間色を示す説明図である。
【0087】
図5の上段は、図2の上段と同様に、一巡期間TBおよび一巡期間TAのインダクタ電流を示す。
【0088】
図5の中段は、(a)光源20の発光色を示し、調色時における発光色の変化を示す。同図の下段は、(b)目視で見える色、つまり調色時における色の変化を示す。同図の中段のように、制御回路33は、第1混合発光色(色A)から第2混合発光色(色B)に色を変化させる移行期間に中間色を生成するようにセレクタ回路32を制御する。すなわち、同図の例では、調色前の第1期間では、照明器具100は、一巡期間TAの繰り返しによって色Aで発光する。移行期間では、照明器具100は、色Bと色Aとが1対1で混合する中間色で発光する。第2期間では、一巡期間TBの繰り返しによって色Bで発光する。
【0089】
照明光は、同図下段に示すように、目視では、色Aから一旦中間色に変化しさらに色Bに変化する。これは、色Aから色Bに変化する場合と比較して、同図下段では、色の変化を滑らかにすることができ、人の目に色変化による違和感を生じにくくすることができる。
【0090】
以上説明してきたように実施の形態2に係るLED点灯装置30において、制御回路33は、第1の一巡期間TAを連続させる第1期間と、第2の一巡期間TBを連続させる第2期間と、第1期間と第2期間との間に中間色で発光する移行期間とを設けるようにセレクタ回路32を制御する。
【0091】
これによれば、第1混合発光色から第2混合発光色に調色する場合に、第1混合発光色と第2混合発光色との間に中間色を挟むことにより、色の変化を滑らかにすることができる。
【0092】
なお、照明器具100は、操作パネルまたはコントローラから調色の指示を受けてもよい。操作パネルは、例えばスライドつまみ、または、回転つまみを有し、ユーザの操作により調色の変更操作を受け付け、現在の発光色である色Aから色Bへの変更指示を照明器具100に通知する。コントローラは、例えば、明るさおよび色を時系列的で指定するスケジュールデータ、および、色および明るさを指定するシーンデータを設定可能であり、これらのデータに従って、現在の発光色である色Aから色Bへの変更指示を照明器具100に通知する。このとき、コントローラは、移行期間の長さも指定するコマンドを照明器具100送信してもよい。例えば、コントローラは、調色後の第2混合発光色と、移行期間の長さとを指定するコマンドを照明器具100に送信してもよい。この場合、第1混合発光色は現在の発光色であり、コマンドでは省略可能である。
【0093】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2に対して移行期間において複数の中間色を生成する例について説明する。
【0094】
[3.1 LED点灯装置および照明器具の構成]
実施の形態3に係る照明器具100の構成は、図1および図3と同じでよい。ただし、制御回路33によるセレクタ回路32の制御が異なっている。以下異なる点を中心に説明する。
【0095】
制御回路33は、実施の形態2における制御において、次の制御を行う。すなわち制御回路33は、移行期間において連続するフレームが、第1の一巡期間を第2の一巡期間よりも多く含む第1種のフレームと、第2の一巡期間を第1の一巡期間よりも多く含む第2種のフレームとを含むように制御する。移行期間において第1種のフレームは、第2種のフレームよりも時間的に先行する。
【0096】
[3.2 LED点灯装置および照明器具の動作]
次に、実施の形態3に係るLED点灯装置30を備える照明器具100の動作例について説明する。
【0097】
図6は、実施の形態3に係るLED点灯装置30を有する照明器具100の移行期間におけるフレーム構成例を示す説明図である。
【0098】
同図の上段は、複数種類のフレームf61〜f65を示す。同図の下段は、第1期間と第2期間に挟まれた移行期間における連続ずるフレームの生成例を示す。
【0099】
同図の上段において、フレームf61〜f65中の文字Aを含む矩形は図5に示した一巡期間TAを、文字Bを含む矩形は一巡期間TBを示す。フレームf61〜f65は、いずれも色Aと色Bの間の中間色を表しているが、色Aと色Bとの混合比率が異なっている。フレームf61は、色Aと色Bとが5対1で混合した中間色を示す。フレームf62は、色Aと色Bとが4対2で混合した中間色を示す。同様に、フレームf63、f64、f65は、3対3、2対4、1対5でそれぞれ混合した中間色を示す。このように、フレームf61〜f65は、この順に色Aの混合比率が小さくなり、色Bの混合比率が大きくなっている。なお、フレームf61またはf62は、上記の第1種のフレームに該当する。フレームf64またはf65は、上記の第2種のフレームに該当する。
【0100】
同図の下段に示すように、移行期間では、フレームf61をn1回繰り返し、フレームf62をn2回繰り返し、同様に、フレームf63、f64、f65をn3回、n4回、n5回繰り返す。例えば、移行期間が約5秒である場合、フレームf61〜f65の繰り返し期間がそれぞれ約1秒になるようにn1〜n6を定めてもよい。
【0101】
これにより、移行期間において時間の経過に伴って、色Aの混合比率が小さくなり、色Bの混合比率が大きくなる。すなわち、色Aから色Bに調色する際に段階的に変化する複数の中間色を介在させることができる。本実施の形態の照明器具100は、実施の形態2と比べて、より滑らかに調色することができる。
【0102】
以上説明してきたように実施の形態3に係るLED点灯装置30において、連続するフレームは、第1の一巡期間を第2の一巡期間よりも多く含む第1種のフレームと、第2の一巡期間を第1の一巡期間よりも多く含む第2種のフレームとを含み、移行期間において第1種のフレームは、第2種のフレームよりも時間的に先行する。
【0103】
これによれば、移行期間において複数の中間色を発生させるので、中間色が1色である場合と比べて、色の変化をもっと滑らかにすることができる。
【0104】
なお、図6におけるn1〜n5は、均等でなくてもよく、不均一にしてもよい。例えば、n3を他よりも大きい回数にすればフレームf63の中間色を強調することができる。
【0105】
また、フレームf61〜f65は、6つの一巡期間から構成されるが、6以外の個数の一巡期間から構成してもよい。また、フレームf61〜f65は、図6では同じ長さにしているが、異なる長さであってもよい。
【0106】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態2に対して明るさまたは色温度に応じて移行期間の長さを変更する例について説明する。
【0107】
[4.1 LED点灯装置および照明器具の構成]
実施の形態4に係る照明器具100の構成は、図1および図3と同じでよい。ただし、制御回路33によるセレクタ回路32の制御が異なっている。以下異なる点を中心に説明する。
【0108】
制御回路33は、実施の形態2における制御において、次の制御を行う。制御回路33は、第1混合発光色における明るさおよび第2混合発光色の明るさの少なくとも一方に応じて移行期間の長さを変更する。例えば、制御回路33は、第2混合発光色における明るさが暗いほど移行期間を長くする。また、例えば、制御回路33は、第1混合発光色と第2混合発光色との色温度の差または明るさの差が小さいほど移行期間を長くする。
【0109】
[4.2 LED点灯装置および照明器具の動作]
次に、実施の形態4に係るLED点灯装置30を備える照明器具100の第1の動作例について説明する。
【0110】
図7Aは、実施の形態4に係るLED点灯装置を有する照明器具の第1の動作例を示す説明図である。同図の(a)では、色Aから色Bに調色する際に移行期間Taを介在させている。同図の(b)は、(a)と同じ色であるが明るさが異なっている。また、同図の(b)の移行期間Tbは移行期間Taよりも長くなっている。
【0111】
同図において、制御回路33は、第1混合発光色である色Aの明るさ、および、第2混合発光色である色Bの明るさのそれぞれについて第1のしきい値Th1との大小関係を判定する。
【0112】
その結果、制御回路33は、色Aの明るさ、および、色Bの明るさの少なくとも1つが第1のしきい値Th1よりも大きいと判定した場合に、移行期間を短い方の移行期間Taにする。また、制御回路33は、色Aの明るさ、および、色Bの明るさの両方が第1のしきい値Th1よりも小さいと判定した場合に、移行期間を長い方の移行期間Tbにする。なお、色Aの明るさ、および、色Bの明るさの両方が第1のしきい値Th1と等しい場合は、移行期間を移行期間Ta、Tbのどちらにしてもよい。
【0113】
この例では、調色前後の2つの色の両方が第1のしきい値Th1よりも暗い場合には、移行期間を長くするようにしている。これによれば、調色時の照明光が暗いほど移行期間を長くして、色の変化を滑らかにすることができる。
【0114】
なお、図7Aにおいて、色Aおよび色Bのうち一方の明るさのみしきい値判定して他方はしきい値判定しないようにしてもよい。
【0115】
次に、実施の形態4における第2の動作例について説明する。
【0116】
図7Bは、実施の形態4に係るLED点灯装置を有する照明器具の第2の動作例を示す説明図である。同図の(a)では、色Aから色Bに調色する際に移行期間Taを介在させている。同図の(b)は、(a)と同じ色であるが明るさが異なっている。同図の(b)の移行期間Tbは移行期間Taよりも長くなっている。
【0117】
同図において、制御回路33は、第1混合発光色である色Aの明るさと、第2混合発光色である色Bの明るさとの差分を求め、当該差分と第2のしきい値Th2との大小関係を判定する。その結果、制御回路33は、当該差分が第2のしきい値Th2よりも大きいと判定した場合に、移行期間の長さを短い方のTaにする。また、制御回路33は、当該差分が第2のしきい値Th2よりも小さいと判定した場合に、移行期間の長さを長い方のTbにする。なお、当該差分が第2のしきい値Th2と等しいと判定した場合は、移行期間を移行期間Ta、Tbのどちらにしてもよい。
【0118】
この例では、調色前後の2つの色の明るさの差分が第2のしきい値Th2よりも暗い場合には、移行期間を長くするようにしている。これによれば、調色前後の明るさの変化が小さいほど移行期間を長くして、色の変化を滑らかにすることができる。
【0119】
続いて、実施の形態4における第3の動作例について説明する。
【0120】
図7Cは、実施の形態4に係るLED点灯装置を有する照明器具の第3の動作例を示す説明図である。同図は、図7Aと比べて、色の明るさをしきい値判定する代わりに、色温度をしきい値判定する点が異なっている。以下異なる点を中心に説明する。
【0121】
図7Cにおいて、制御回路33は、第1混合発光色である色Aの色温度、および、第2混合発光色である色Bの色温度のそれぞれについて第3のしきい値Th3との大小関係を判定する。
【0122】
その結果、制御回路33は、色Aの色温度、および、色Bの色温度の少なくとも1つが第3のしきい値Th3よりも大きいと判定した場合に、移行期間を短い方の移行期間Taにする。また、制御回路33は、色Aの色温度、および、色Bの色温度の両方が第3のしきい値Th3よりも小さいと判定した場合に、移行期間を長い方の移行期間Tbにする。なお、色Aの色温度、および、色Bの色温度の両方が第3のしきい値Th3と等しい場合は、移行期間を移行期間Ta、Tbのどちらにしてもよい。
【0123】
この例では、調色前後の2つの色温度の両方が第3のしきい値Th3よりも低い場合には、移行期間を長くするようにしている。これによれば、調色時の照明光の色温度が低いほど移行期間を長くして、色の変化を滑らかにすることができる。
【0124】
なお、図7Cにおいて、色Aおよび色Bのうち一方の色温度のみしきい値判定して他方はしきい値判定しないようにしてもよい。
【0125】
続いて、実施の形態4における第4の動作例について説明する。
【0126】
図7Dは、実施の形態4に係るLED点灯装置を有する照明器具の第4の動作例を示す説明図である。同図は、図7Bと比べて、色の明るさの差分をしきい値判定する代わりに、色温度の差分をしきい値判定する点が異なっている。以下異なる点を中心に説明する。
【0127】
図7Dにおいて、制御回路33は、第1混合発光色である色Aの色温度と、第2混合発光色である色Bの色温度との差分を求め、当該差分と第4のしきい値Th4との大小関係を判定する。その結果、制御回路33は、当該差分が第4のしきい値Th4よりも大きいと判定した場合に、移行期間の長さを短い方のTaにする。また、制御回路33は、当該差分が第4のしきい値Th4よりも小さいと判定した場合に、移行期間の長さを長い方のTbにする。なお、当該差分が第4のしきい値Th4と等しいと判定した場合は、移行期間を移行期間Ta、Tbのどちらにしてもよい。
【0128】
この例では、調色前後の2つの色温度の差分が第4のしきい値Th4よりも暗い場合には、移行期間を長くするようにしている。これによれば、調色前後の色温度の変化が小さいほど移行期間を長くして、色の変化を滑らかにすることができる。
【0129】
以上説明してきたように実施の形態4に係るLED点灯装置30において、制御回路33は、第1混合発光色における明るさおよび第2混合発光色の明るさの少なくとも一方に応じて移行期間の長さを変更する。
【0130】
これによれば、明るさに応じて長さの異なる移行期間において色の変化を滑らかにすることができる。
【0131】
ここで、制御回路33は、第2混合発光色における明るさが暗いほど移行期間を長くしてもよい。
【0132】
これによれば、特に照明光が暗い状況において、色の急激な変化による違和感を低減することができる。
【0133】
ここで、制御回路33は、第1混合発光色と第2混合発光色との色温度の差または明るさの差が小さいほど移行期間を長くしてもよい。
【0134】
これによれば、特に調色前後で変化が小さい程、色の変化を滑らかにすることができる。
【0135】
なお、図7Aから図7Dの例では、長さの異なる2つの移行期間Ta、Tbから選択する例を示したが、長さの異なる3つ以上の移行期間から選択するようにしてもよい。この場合、制御回路33は、複数のしきい値を用いて明るさまたは色温度に応じて複数の移行期間から選択するようにしてもよい。あるいは、制御回路33は、第1混合発光色における明るさおよび第2混合発光色の明るさの一方に応じて移行期間の長さを可変にしてもよい。
【0136】
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態3のように移行期間において複数の中間色を生成し、さらに、第2混合発光色における明るさが暗いほどフレームを長くする例について説明する。
【0137】
[5.1 LED点灯装置および照明器具の構成]
実施の形態5に係る照明器具100の構成は、図1および図3と同じでよい。ただし、制御回路33によるセレクタ回路32の制御が異なっている。以下異なる点を中心に説明する。
【0138】
制御回路33は、実施の形態3における制御に加えて、次の制御を行う。すなわち制御回路33は、第2混合発光色における明るさが暗いほどフレームを長くする。
【0139】
[5.2 LED点灯装置および照明器具の動作]
次に、実施の形態5に係るLED点灯装置30を備える照明器具100の動作例について説明する。
【0140】
図8は、実施の形態5に係るLED点灯装置を有する照明器具の移行期間における複数種類のフレームを示す説明図である。同図の(a)、(b)および(c)は、調色前後の第1期間および第2期間に挟まれた移行期間Ta、TbおよびTcのフレーム構成を示す。同図の(a)の色B1、(b)の色B2および(c)の色B3は、同じ色であり、この順に暗いものとする。この場合、移行期間Ta、TbおよびTcは、この順に長くなっている。また、フレーム長もこの順に長くなっている。つまり、フレームf61〜f65は、フレームf41〜f43よりも長い。フレームf41〜f43は、フレームf21よりも長い。このように、制御回路33は、調色後の第2混合発光色が暗いほどフレーム長を長くする。
【0141】
同図の(a)の移行期間Taでは、1種類のフレームf21が存在し、中間色が1色である例を示している。
【0142】
同図の(b)の移行期間Tbでは、3種類のフレームf41〜f43が存在し、中間色が3色である例を示している。フレームf41〜f43は、移行期間Tbが経過するにつれて第2混合発光色の混合割合が大きくなるように構成されている。つまり、3つの中間色は、色A2から色B2に近づくように段階的に変化していく。
【0143】
同図の(c)の移行期間Tcでは、5種類のフレームf61〜f65が存在し、中間色が5色である例を示している。フレームf61〜f65は、移行期間Tcが経過するにつれて第2混合発光色の混合割合が大きくなるように構成されている。つまり、5つの中間色は、色A3から色B3に近づくように段階的に変化していく。
【0144】
以上説明してきたように実施の形態5に係るLED点灯装置30において、制御回路33は、第2混合発光色における明るさが暗いほどフレームを長くする。
【0145】
これによれば、照明光が暗いほど中間色として表現しうる色数を多くすることができる。
【0146】
なお、図8に示したように、制御回路33は、移行期間が長いほどフレームを長くしてもよい。フレームを長くすれば、中間色の数を容易に増やすことができる。
【0147】
(実施の形態6)
本実施の形態では、移行期間におけるフレームに含まれる第1の一巡期間と第2の一巡期間との割合を、第2混合発光色の色に依存して異ならせる例について説明する。
【0148】
[6.1 LED点灯装置および照明器具の構成]
実施の形態6に係る照明器具100の構成は、図1および図3と同じでよい。ただし、制御回路33によるセレクタ回路32の制御が異なっている。以下異なる点を中心に説明する。
【0149】
制御回路33は、実施の形態2における制御において、次の制御を行う。すなわち制御回路33は、移行期間におけるフレームに含まれる、色Aを生成する第1の一巡期間と、色Bを生成する第2の一巡期間との混合割合を、第2混合発光色の色(または色温度)に依存させる。ここで、移行期間に含まれる各フレームは、少なくとも1つの第1の一巡期間と少なくとも1つの第2の一巡期間との時系列的な組み合わせである。また、上記の混合割合を、第2混合発光色の色(または色温度)に依存させるというのは、例えば、中間色を、第2混合発光色により近い色とすることである。
【0150】
[6.2 LED点灯装置および照明器具の動作]
次に、実施の形態6に係るLED点灯装置30を備える照明器具100の動作例について説明する。
【0151】
図9は、実施の形態6に係るLED点灯装置を有する照明器具の移行期間における中間色を示す説明図である。
【0152】
同図の(a)では、第1混合発光色は色Aであり、第2混合発光色は色Bである。中間色を決定付けるフレームf2における色Bと色Aとの混合割合は、1対1になっている。
【0153】
同図の(b)では、第1混合発光色は色Aであり、第2混合発光色は色Cである。中間色を決定付けるフレームfcにおける色Cと色Aとの混合割合は、2対1になっている。この中間色は、色Aよりも色Cに近い色になっている。
【0154】
同図の(c)では、第1混合発光色は色Aであり、第2混合発光色は色Dである。中間色を決定付けるフレームfdにおける色Dと色Aとの混合割合は、3対1になっている。この中間色は、色Aよりも色Dに近い色になっている。
【0155】
同図の色B、色Cおよび色Dの色温度がこの順に高い場合には、色温度の高い色を強調することになる。逆に、色B、色Cおよび色Dの色温度がこの順に低い場合には、色温度の低い色を強調することになる。
【0156】
以上説明してきたように実施の形態6に係るLED点灯装置30において、フレームは、少なくとも1つの第1の一巡期間と少なくとも1つの第2の一巡期間との時系列的な組み合わせであり、フレームに含まれる第1の一巡期間と第2の一巡期間との割合は、第2混合発光色の色に依存して異なる。
【0157】
これによれば、中間色を、調色後の色である第2混合発光色に依存させるので、色の変化滑らかにし、かつ、違和感を低減することができる。
【0158】
(実施の形態7)
本実施の形態では、色を変化させる調色と、明るさを変化させる調光とを同時に実行する例について説明する。
【0159】
[7.1 LED点灯装置および照明器具の構成]
実施の形態7に係る照明器具100の構成は、図1および図3と同じでよい。ただし、制御回路33によるセレクタ回路32の制御が異なっている。以下異なる点を中心に説明する。
【0160】
制御回路33は、実施の形態1における制御において、次の制御を行う。すなわち制御回路33は、第1の一巡期間TAを連続させる第1期間と、第2の一巡期間TBを連続させる第2期間と、第1期間と第2期間との間に明るさを段階的に変化させる調光期間を設け、中間色で発光する移行期間を調光期間内に設けるようにセレクタ回路32を制御する。制御回路33は、移行期間を調光期間よりも短くする。このとき、制御回路33は、明るさを次第に増加させる調光期間内における移行期間の相対的な開始タイミングまたは長さを、明るさを次第に減少させる調光期間内における移行期間の相対的な開始タイミングまたは長さと異なるように制御する。
【0161】
[7.2 LED点灯装置および照明器具の動作]
次に、実施の形態7に係るLED点灯装置30を備える照明器具100の動作例について説明する。
【0162】
図10Aは、実施の形態7に係るLED点灯装置を有する照明器具において、明るくする調光期間および移行期間を示す説明図である。同図の横軸は時間を、縦軸は調光レベルつまり明るさを示す。第1期間と第2期間との間、すなわち、時刻t1から時刻t3まで明るさを段階的に明るく変化させる調光期間が設けられる。調光期間よりも短い時刻t2から時刻t3までの期間は、中間色を発生する移行期間が設けられる。時刻t3以降は色Bで発光する第2期間である。制御回路33は、調光期間の全域にわたって(つまり時刻t1からt3にかけて)段階的に明るさを上昇させる。このとき、時刻t1からt2までの発光色は、第1期間と同じ色Aのままである。制御回路33は、移行期間の時刻t2からt3まで中間色を生成させる。制御回路33は、移行期間の間も明るさを段階的に上昇させる。さらに、時刻t3において制御回路33は、色Bを生成させる。このように、図10Aでは、制御回路33は、調光期間内のより明るい部分に移行期間を設けるように制御する。
【0163】
図10Bは、実施の形態7に係るLED点灯装置を有する照明器具において、暗くする調光期間および移行期間を示す説明図である。同図の横軸は時間を、縦軸は調光レベルつまり明るさを示す。第1期間と第2期間との間、すなわち、時刻t4から時刻t6まで明るさを段階的に暗く変化させる調光期間が設けられる。調光期間よりも短い時刻t4から時刻t5まで期間は、中間色を発生する移行期間が設けられる。制御回路33は、時刻t5から時刻t6までは、第2期間と同じ色Bで発光させる。制御回路33は、調光期間の全域にわたって(つまり時刻t4からt6にかけて)段階的に明るさを低下させる。このとき、時刻t4からt5までの発光色は、中間色である。制御回路33は、移行期間である時刻t4からt5まで中間色を生成させる。制御回路33は、移行期間の間も明るさを段階的に低下させる。さらに、時刻t5において制御回路33は、色Bを生成させる。このように、図10Bでも、制御回路33は、調光期間内のより明るい部分に移行期間を設けるように制御する。
【0164】
制御回路33は、明るさを次第に増加させる調光期間内における移行期間の相対的な開始タイミングまたは長さが、明るさを次第に減少させる調光期間内における移行期間の相対的な開始タイミングまたは長さと異なるように制御してもよい。
【0165】
図10Aおよび図10Bにおいて、調光期間内における移行期間の開始タイミングは相対的に異なっている。移行期間の開始タイミングは、図10Aでは調光期間の途中であり、図10Bでは調光期間の開始時である。また、調光期間内における移行期間の長さも異なっている。移行期間の長さは、図10Aではt3−t2であり、図10Bではt5−t4である。
【0166】
図10Aおよび図10Bによれば、調色と同時に調光も行う場合に、明るさの変化および色の変化における違和感をより低減することができる。
【0167】
以上説明してきたように実施の形態7に係るLED点灯装置30において、制御回路33は、第1の一巡期間を連続させる第1期間と、第2の一巡期間を連続させる第2期間と、第1期間と第2期間との間に明るさを段階的に変化させる調光期間を設け、中間色で発光する移行期間を調光期間内に設けるようにセレクタ回路32を制御し、移行期間は、調光期間よりも短い。
【0168】
これによれば、調色と同時に調光も行う場合に、移行期間を調光期間よりも短くするので、明るさの変化および色の変化に様々な演出を加えることができる。
【0169】
ここで、制御回路33は、明るさを次第に増加させる調光期間内における移行期間の相対的な開始タイミングまたは長さが、明るさを次第に減少させる調光期間内における移行期間の相対的な開始タイミングまたは長さと異なるように制御してもよい。
【0170】
これによれば、調色と同時に調光も行う場合に、明るさの変化および色の変化における違和感を低減することができる。
【0171】
(実施の形態8)
実施の形態8では、上記各実施の形態に係るLED点灯装置30を備える照明器具100の例について、図11A図11Cを用いて説明する。
【0172】
図11Aは、各実施の形態に係るLED点灯装置30を有する照明器具100の外観例を示す図である。図11Aでは、照明器具100の例として、ダウンライト100aの外観を示す。
【0173】
ダウンライト100aは、回路ボックス101a、灯体102aおよび配線103aを備える。回路ボックス101a、上記各実施の形態に係るLED点灯装置30の全部または一部を収納する筐体である。灯体102aは、光源20を装着した灯体である。配線103aは、回路ボックス101aと灯体102a内の光源20とを電気的に接続する。
【0174】
図11Bは、各実施の形態に係るLED点灯装置30を有する照明器具100の他の外観例を示す図である。図11Bでは、照明器具100の例として、スポットライト100bの外観を示す。スポットライト100bは、回路ボックス101b、灯体102bおよび配線103bを備える。これらの回路ボックス101b、灯体102bおよび配線103bは、図11Aの回路ボックス101a、灯体102aおよび配線103aと同様である。
【0175】
図11Cは、各実施の形態に係るLED点灯装置30を有する照明器具100のさらに他の外観例を示す図である。図11Cでは、照明器具100の例として、スポットライト100cの外観を示す。スポットライト100cは、スポットライト100cは、回路ボックス101cおよび灯体102cを備える。これらも図11Aの回路ボックス101aおよび灯体102bと同様である。
【0176】
実施の形態5においても、上記各実施の形態と同様の効果が得られる。
【0177】
なお、光源20内のLEDd1〜d12は、いわゆる発光ダイオードだけでなく、有機EL発光素子(OLED:Organic Light Emitting Diode)、レーザー発光素子などの固体発光素子でもよい。
【0178】
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係るLED点灯装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【符号の説明】
【0179】
21、22、23、24 LED負荷
30 LED点灯装置
31 電源回路
32 セレクタ回路
33 制御回路)
36 タイマー
100 照明器具
C2、C3、C4、C5 平滑コンデンサ
d1〜d12 LED
Da、Db、Dc、Dd ダイオード
L1 インダクタ
M3、M4、M5、M6 スイッチング素子
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12
図13